JP2016214575A - カ−ペット - Google Patents

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Yoshinari Miyamura
佳成 宮村
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Abstract

【課題】本発明は、特定の繊維を用いなくても虫や、ダニ等に忌避性能があり、しかもダニ、花粉等のアレルゲンがカーペットにもし侵入又は付着したとしても優れたアレルゲン低減化性能を発揮できるカ−ペットを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明のカーペットは、パイル糸と基布と目止め層とを有するカーペットにおいて、少なくとも前記基布のパイル糸側表面に、粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤が固着または、少なくとも前記パイル糸のカーペット表面側に、粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤が固着し、かつ、前記目止め層は、無機多孔質マイクロカプセルを含有し、該無機多孔質マイクロカプセルは、防ダニ成分、香り成分から選ばれる1種または複数を含有していることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、芳香性を有しアレルゲンを不活性化するカーペットに関する。特に、虫やダニに対して有効な香りを徐放することと、アレルゲン低減化剤によりカーペットに付着したダニ等のアレルゲンを不活性化するカーペットに関するものである。
近年建設される住宅は、断熱性、気密性が著しく向上しており、自然対流によって室内空気の入れ替わる時間が、従来住宅の数倍もかかるような高性能の省エネ住宅も誕生している。しかし、気密性が高いが故に、室内に臭いやハウスダストといわれる塵がこもりやすく、これらがアレルギーを引き起こす原因であるアレルゲンとなり、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、アレルギー性鼻炎などのアレルギー疾患の症状を多く発症しているといわれている。
アレルゲンには種々なタイプがあり、ダニ(虫体、死骸、抜け殻、糞)、カビ、ペット(毛、フケ)、花粉などがあげられ、アレルギー疾患の主な原因物質として考えられている。特にチリダニのアレルゲンは、チリダニを高熱や薬剤で駆除したとしても、死骸が畳やカーペットの中に残り、その死骸がさらにアレルゲン性の高い物質となってしまい、人が畳やカーペットの上を動くことにより、畳やカーペットの内部から室内空間にアレルゲンが放出されることが起こっていた。そのため、ダニの死骸、抜け殻、糞等のアレルゲンを畳やカーペットから取り除かない限り、アレルギー疾患の完全な解決には至ることはできなかった。
これに対応するため、出願人はアレルゲン量を効率よく低減化するカーペットとして、カーペットのパイル面に粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤を固着したカーペットを開示している(特許文献1)。一方、芳香性繊維として、繊維形成用ポリマーからなり、繊維表面から中空部まで貫通溝を有しており中空部に香料が付着している耐久性及び徐放性に優れる繊維が公知である(特許文献2)。また、ダニ忌避剤成分を内蔵したメラミン−ホルマリン系樹脂を主成分とするマイクロカプセルを含む処理液を付与した繊維構造物の製造方法が公知である(特許文献3)。
特開2011−245265号公報 特開平6−228880号公報 特開平8−027671号公報
しかしながら、特許文献1の抗アレルゲンカーペットは優れたアレルゲン低減化性能を発揮するものの、積極的にダニを寄せつけない、すなわち忌避性能を付与したカーペットではなかった。また、特許文献2の繊維構造物は、繊維の中空部に香料または、無機系多孔質マイクロカプセルに吸着した香料が付着した中空繊維を一部に用いた繊維構造物であり、香料を長繊維又は短繊維に保有させることができ、シャツ等に好適に使用できるものであるが、香料を放散するようにするために特殊な繊維が必要であった。また、特許文献3の繊維構造物の製造方法による、例えば織物は、着用中や意図的な摩擦により少しずつマイクロカプセルが割れて、ダニ忌避成分が揮発するものであり、織編物や衣類等向けに好適であるが、マイクロカプセルを繊維構造物の表面に付着させる必要があった。さらに、特許文献2及び3のいずれもダニ自身を低減する繊維構造物ではなかった。
本発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、特殊な、あるいは特定の繊維を用いなくても虫や、ダニ等に忌避性能があり、しかもダニ、花粉等のアレルゲンがカーペットにもし侵入又は付着したとしても優れたアレルゲン低減化性能を発揮できるカ−ペットを提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
[1]パイル糸と基布と目止め層とを有するカーペットにおいて、
少なくとも前記基布のパイル糸側表面に、粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤が固着し、かつ、
前記目止め層は、無機多孔質マイクロカプセルを含有し、
該無機多孔質マイクロカプセルは、防ダニ成分、香り成分から選ばれる1種または複数を含有していることを特徴とするカ−ペット。
[2]パイル糸と基布と目止め層とを有するカーペットにおいて、
少なくとも前記パイル糸のカーペット表面側に、粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤が固着し、かつ、
前記目止め層は、無機多孔質マイクロカプセルを含有し、
該無機多孔質マイクロカプセルは、防ダニ成分、香り成分から選ばれる1種または複数を含有していることを特徴とするカ−ペット。
[3]前記カーペットにおいて、粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤を少なくとも0.1〜5.0g/m固着した前項1または2に記載のカ−ペット。
[4]前記目止め層に無機多孔質マイクロカプセルを少なくとも1〜30g/m含有した前項1〜3のいずれか1項に記載のカーペット。
[1]の発明では、目止め層に防ダニ成分、香り成分から選ばれる1種または複数を含有した無機多孔質マイクロカプセルを含有しているので、前記成分が持続的に徐放され、カーペットに虫やダニを寄せつけない。すなわち忌避効果を発揮する。さらに、基布のパイル糸側の表面に固着する粘土鉱物が、徐放された前記成分の一部を取り込むため、持続的効果が向上する。また、基布のパイル糸側の表面に粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤が固着しているので、たとえ、カーペットにアレルゲンが侵入してしまったとしても、粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤の吸着作用によって、粘土鉱物内の細孔内に取り込まれ不活性化される。一方、基布のパイル糸側の表面に落下するアレルゲンは、パイル糸の根元近辺に集積するので、同様にして不活性化される。
[2]の発明では、目止め層に防ダニ成分、香り成分から選ばれる1種または複数を含有した無機多孔質マイクロカプセルを含有しているので、前記成分が持続的に徐放され、カーペットにダニや虫を寄せつけない。すなわち忌避効果を発揮する。さらに、少なくとも前記パイル糸のカーペット表面側に固着している粘土鉱物が、徐放された前記成分の一部を取り込むため、持続的効果が向上する。また、少なくとも前記パイル糸のカーペット表面側に、粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤が固着しているので、たとえ、カーペットにアレルゲンが侵入してしまったとしても、粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤の吸着作用によって、粘土鉱物内の細孔内に取り込まれ不活性化される。一方、パイル糸のカーペット表面に落下するアレルゲンは、同様にして不活性化される。
[3]の発明では、前記カーペットにおいて、粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤を少なくとも0.1〜5.0g/m固着しているから、アレルゲンを十分吸着することができる。
[4]の発明では、前記目止め層に無機多孔質マイクロカプセルを少なくとも1〜30g/m含有しているから、防ダニ成分、香り成分から選ばれる1種または複数を含有した前記成分が持続的に徐放され、効果が持続する。すなわち、前記目止め層を通して徐放、放散された成分が前記基布、パイル糸及びカーペットの周辺、そして室内空間に達する。こうして、各成分の効果を持続的に発揮することができる。
本発明のカーペットは、少なくとも前記基布のパイル糸側表面に、粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤が固着または、少なくとも前記パイル糸のカーペット表面側に、粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤が固着し、かつ、前記目止め層は、無機多孔質マイクロカプセルを含有し、該無機多孔質マイクロカプセルは、防ダニ成分、香り成分から選ばれる1種または複数を含有していることを特徴とする。
本発明のカ−ペットの一実施形態としては、あらかじめ基布に粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤を付与した後に、タフティング機により前記基布にパイル糸を植え込み、その後、無機多孔質マイクロカプセルを含有した目止め層でパイル糸と基布を固定する。なお、前記目止め層に樹脂組成物やゴム組成物、または不織布等をバッキング層として積層してもよし、これらを組み合わせてもよい。すなわち、前記目止め層に、例えば樹脂組成物と不織布とを積層してバッキング層としてもよい。
さらに、少なくとも前記パイル糸のカーペット表面側に、粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤が固着しているのが好ましい。すなわち、前記基布に粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤を付与し、パイル糸にも粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤を付与すれば、さらに優れたアレルゲン低減化性能を有するカーペットとすることができる。
本発明に使用する基布としては、織基布、不織布等特に限定はしないが、一般に家庭等で使用されるカーペットに用いられる基布としては、ポリプロピレン製の織基布が好ましく使用されている。ポリプロピレン製の織基布に機能性薬剤を直接塗布することは難しいとされており、そのため、基布上に一体化したウェブ層に薬剤を塗布したり、基布の糸にスプリットヤーンを使用して、スプリットヤーンのひだにバインダー樹脂で薬剤を物理的に固着する方法が考えられてきた。
本発明では、バインダー樹脂と浸透剤と粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤とを含む溶液を塗布するのが好ましい。特に、ポリプロピレン製の織基布には、浸透剤が作用してポリプロピレン製のテープヤーンに濡れ性が付与されてバインダー樹脂との接着性が向上し、粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤を基布に強固に固着することができるものである。浸透剤としては特に限定されないが、陰イオン性界面活性剤が好適で、例えばアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム塩、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム等を挙げられる。浸透剤を混入する量は、バインダー樹脂100重量部に対して0.5〜30重量部が好ましい。0.5重量部を下回る量では浸透剤が不均一となり、基布とバインダー樹脂との接着にムラが発現する。30重量部を超えると徒にコストを増大することになり好ましくない。
バインダー樹脂としては、粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤を基布表面やパイル糸に固着することが出来れば特に限定されないが、例えばウレタン樹脂、自己架橋型アクリル樹脂、メタアクリル樹脂、シリコン樹脂、グリオキザール樹脂、ポリエステル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ブタジエン樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル−シリコン共重合体樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂(SBR)、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、イソブチレン無水マレイン酸共重合体樹脂、エチレン−スチレン−アクリレート−メタアクリレート共重合体樹脂等を挙げることができる。
基布やパイル糸に粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤を付与する方法は、バインダー樹脂溶液を用いる場合、該溶液に浸透剤、粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤を均一に分散させ、スプレー法、コーティング法、浸漬法、プリント法など従来からある方法で基布に塗布し、乾燥処理して基布に固着する。バインダー樹脂の乾燥手段は、加熱処理により乾燥させる方が望ましい。この時の加熱処理温度は、基布の素材にもよるが、100〜180℃とするのが好ましい。この温度での加熱処理により基布への固着性がより高まり、粘土鉱物からなるアレルゲン低減化性能の持続耐久性が一段と向上する。
また、前記粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤と浸透剤とバインダー樹脂、前記粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤と浸透剤とバインダー樹脂との溶液のいずれの溶液も、水に分散した水分散液として使用することができる。バインダー樹脂については水との間でエマルジョン状態を形成させるのがより好ましい。水に分散させる順序としては、粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤を水に分散させておいてから、浸透剤、バインダー樹脂を分散せしめるのが、粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤とバインダー樹脂をより均一に分散させる観点から好ましい。また、この水分散液に、分散剤、増粘剤などの各種添加剤を配合してもよい。
本発明における粘土鉱物からなるアレルゲン低減化成分は、アレルゲンを吸着させるなどして不活性化し、抗原抗体反応を抑制する成分であれば特に限定されるものではなく、例えば、ベントナイト、モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト、ノントロナイトから選ばれる少なくとも1種を含むアレルゲン吸着剤が好ましい。これらの粘土鉱物は、吸湿性能に優れ、空気中の水分を吸収するのと同様に花粉等のアレルゲンを吸着し粘土鉱物内の細孔にとりこむ。アレルゲン性を有する蛋白質は水に溶ける性質があり、粘土鉱物内の細孔に吸着して不活化される。
本発明において、前記基布に固着された粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤は、少なくとも0.1〜5.0g/m基布のパイル糸側表面に固着されるのが好ましい。粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤が0.1g/mを下回る場合はアレルゲン低減化効果が発揮されないので好ましくなく、5.0g/mを越えるとアレルゲン低減化効果が経済的に得られない。より好ましくは0.3〜3.0g/mがよい。
本発明において、前記パイル糸に固着された粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤は、少なくとも0.1〜5.0g/mパイル糸に固着されるのが好ましい。粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤が0.1g/mを下回る場合はアレルゲン低減化効果が発揮されないので好ましくなく、5.0g/mを越えるとアレルゲン低減化効果が経済的に得られず、風合いが硬くなる。より好ましくは0.3〜3.0g/mがよい。
本発明において、パイル糸の素材としては特に限定されるものではなく、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリプロピレン繊維、アクリル繊維、レ−ヨン繊維等の繊維からなるもの等を好適に使用でき、その他麻、綿、羊毛等の天然繊維からなるもの等も使用できる。なかでもレーヨン、天然繊維が好ましい。パイルの形態としてもカットパイルであっても、ル−プパイルであってもよい。
また、パイル糸の目付は200〜2000g/mに設定する場合は、粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤を前記基布に固着させても、前記パイル糸に固着させてもいずれであっても、または両方であっても良い。200g/m未満ではカ−ペットとしての機能の劣ったものとなり、好ましくない。また、パイル糸の目付が2000g/mを超えるカーペットでは、前記パイル糸に粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤を固着させるのが好ましい。2000g/mを超えるカーペットは、使用している間にアレルゲンが、基布表面に落下しにくく、パイル糸の根元に集積することが少なくなりアレルゲン低減化効果が十分発揮されないおそれがある。
また、例えば段通、織・編カーペットのように、基布を使用しないで製造するカーペットや、例えば目付2000g/mを超える目付の大きいタフテッドカーペット等については、パイル糸のカーペット表面側から、バインダー樹脂と粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤とを含む溶液をスプレー法、コーティング法、プリント法など従来からある方法で塗布し、加熱乾燥すればよい。また、粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤の担持量については、少なくとも0.1〜5.0g/mパイル糸に固着されるのが好ましく、担持する場所については、パイル表面からパイル糸の根元まで担持されるのがよい。
本発明に使用する無機多孔質マイクロカプセルとしては、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム等のアルカリ土類金属のケイ酸塩、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等のアルカリ土類金属塩の炭酸塩、酸化チタン、シリカ、アルミナ等を無機材料としたマイクロカプセルを挙げることができる。なかでも、シリカ、アルミナが好ましい。
前記無機多孔質マイクロカプセルに含有する防ダニ成分としては、例えば、脂肪酸エステル系、芳香族カルボン酸エステル系を挙げることができる。
前記無機多孔質マイクロカプセルに含有する香り成分としては、例えば、アルコール、天然植物抽出フラボノイド、ヒノキチオールを挙げることができる。なかでも、防ダニ効果も期待できるヒノキチオールが好ましい。
次に、前記目止め層としては、パイル糸と基布とを固定できる樹脂組成物やゴム組成物であれば特に限定されず、例えば樹脂組成物の樹脂成分としてはアクリル系、ウレタン系、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等の樹脂が挙げられる。ゴム組成物のゴム成分としてはSBR(スチレン−ブタジエン-ゴム)、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)MBR(メチルメタクリレート−ブタジエンゴム)あるいは天然ゴム等が挙げられる。前記目止め層には、前記無機多孔質マイクロカプセルを含有する。すなわち、前記樹脂組成物やゴム組成物に前記無機多孔質マイクロカプセルを添加すればよい。前記無機多孔質マイクロカプセルが、目止め層に1〜30g/m含有するのが好ましい。
なお、前記目止め層にバッキング層を積層しても良い。バッキング層としては、目止め層の下側にクッション性と目止め層の保護性能を付与すべく、セカンド基布として不織布層を設けてもよい。不織布層としては、特に限定されず、ニ−ドルパンチ不織布、スパンボント不織布等を例示できる。不織布層の目付は50〜1000g/m、その厚さを0.5〜15mm、構成繊維の繊度を0.1〜30デシテックスの範囲に設定するのが好ましい。不織布層の目付が、50g/m未満ではカ−ペットとしての機能や品位の劣ったものとなり、好ましくない。1000g/mを超えると徒にコスト増大となるだけで好ましくない。素材としては、パイル糸、基布と同様に特に限定されないが、リサイクル性からみればポリエステル繊維に統一するのが望ましい。また、不織布層の最下部表面に、樹脂組成物やゴム組成物で滑り止め層を形成してもよいし、不織布層に消臭組成物をバインダー樹脂で固着し、さらに消臭機能のある不織布層としてもよい。
次に、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例のものに特に限定されるものではない。実施例として使用したカーペットの材質、粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤の種類、無機多孔質マイクロカプセル等は次の通りである。
<使用材料>
基布・・・ポリプロピレン繊維からなるスパンボンド不織布(目付110g/m)
パイル糸・・・綿混ポリエステル繊維(8.5番手3本撚り(綿50%、ポリエステル繊維50%))
カーペット表皮層・・・パイル糸をタフティング機で基布に植え込んだカーペット(パイル長7mm、パイル目付700g/m
目止め層・・・SBR(スチレン-ブタジエン-ゴム)を50質量%含有するSBRラテックス
アレルゲン低減化剤・・・ベントナイト
無機多孔質マイクロカプセル・・・多孔質シリカ
防ダニ成分・・・脂肪酸エステル系、芳香族カルボン酸エステル系
香り成分・・・ヒノキチオール
<実施例1>
予め基布にベントナイトを含むアレルゲン吸着剤を塗布した後に乾燥し、アレルゲン吸着剤が4g/m固着した基布を用意した。次に、この基布にパイル糸をタフティング機で植え込んで、カーペット表皮層とした。次に、目止め層としてSBRを50質量%含有するSBRラテックスに起泡剤を加え、機械発泡(発泡倍率1.2倍)した後、脂肪酸エステル系防ダニ剤と防ダニ効果も期待できるヒノキチオールを1対1の割合で含有した多孔質シリカをSBRに対して9.6質量%、充填剤として炭酸カルシウムをSBRに対して30質量%含有せしめ、ロールコーティングにて200g/m塗布し、さらに目止め層の下側にポリエステル繊維からなるニードルパンチ不織布(3.4dtex、厚さ3mm、目付100g/m)をバッキング層として積層し、150℃×15分乾燥してカーペットとした。カーペットには、アレルゲン吸着剤が4g/m固着しており、目止め層には防ダニ剤を含有した無機多孔質マイクロカプセルが8g/m含有していた。
<実施例2>
実施例1において、アレルゲン吸着剤を基布に固着させる替りにパイル糸に2g/m固着させ、脂肪酸エステル系防ダニ剤の替りに芳香族カルボン酸エステル系防ダニ剤を含有した多孔質シリカを目止め層に20g/m含有させた以外は実施例1と同様にしてカーペットを得た。
<実施例3>
実施例1において、アレルゲン吸着剤の基布への固着量を0.2g/mとし、脂肪酸エステル系防ダニ剤の替りに芳香族カルボン酸エステル系防ダニ剤を含有させた多孔質アルミナを目止め層に2g/m含有させた以外は実施例1と同様にしてカーペットを得た。
<実施例4>
実施例1において、基布に固着させる替りにパイル糸に、ベントナイトに替えてモンモリロナイトを4g/m固着させ、多孔質シリカは香り成分として防ダニ効果も期待できるヒノキチオールを含有したものを用い、目止め層に15g/m含有させた以外は実施例1と同様にしてカーペットを得た。
<実施例5>
実施例1において、アレルゲン吸着剤としてベントナイトに替えてモンモリロナイトが2g/m固着した基布を用い、多孔質シリカは香り成分として防ダニ効果も期待できるヒノキチオールを含有させたものを用い、目止め層に8g/m含有させた以外は実施例1と同様にしてカーペットを得た。
<比較例1>
実施例1において、アレルゲン吸着剤を基布とパイル糸のいずれにも固着させることなく、さらに、多孔質シリカは防ダニ成分と香り成分のいずれも含有していないものを用い、目止め層に8g/m含有させた以外は実施例1と同様にしてカーペットを得た。
<比較例2>
実施例1において、多孔質シリカは防ダニ成分と香り成分のいずれも含有していないものを用い、目止め層に8g/m含有させた以外は実施例1と同様にしてカーペットを得た。
<比較例3>
実施例4において、アレルゲン吸着剤を基布とパイル糸のいずれにも固着させることなく、香り成分として防ダニ効果もあるのでヒノキチオールを含有した多孔質シリカを目止め層に20g/m含有させた以外は実施例4と同様にしてカーペットを得た。
<比較例4>
実施例1において、多孔質シリカは香り成分として防ダニ効果も期待できるヒノキチオールを含有したものを用い、目止め層でなくパイル糸に15g/m固着させた以外は実施例1と同様にしてカーペットを得た。
<比較例5>
実施例1において、多孔質シリカは香り成分として防ダニ効果も期待できるヒノキチオールを含有したものを用い、目止め層でなく基布に15g/m固着させた以外は実施例1と同様にしてカーペットを得た。
<防ダニ性能試験>
試験のカーペット片を81℃で48時間前処理を行い、防ダニ性試験(JIS L 1920)侵入阻止法にて、防ダニ忌避率を求めた。忌避率80%以上を「◎」、忌避率50%以上80%未満を「○」、忌避率50%未満を「×」とする。
<香り性能試験>
官能試験とし、試験カーペット片(10cm×20cm)を内容量500mLの袋内に入れて放置し、1時間後に六段階臭気表示法にもとづいて、7名のモニターにて芳香性能を評価した。評価の平均値を算出して臭気3以上を「○」とし、3未満を「×」とした。なお試験カーペット片は室内にて一ヶ月間放置したものを使用した。
六段階臭気表示法
「0」・・無臭
「1」・・やっと感知できるにおい
「2」・・何のにおいであるかわかる弱いにおい
「3」・・楽に感知できるにおい
「4」・・強いにおい
「5」・・強烈なにおい
<アレルゲン低減性能試験>
ELISA法のサンドイッチ法にて測定し、生成した発色物質の吸光度を吸光度計で読み取り、濃度既知の標準品を用いて作成した標準曲線から、試験カーペット中のアレルゲン量を定量して、アレルゲン低減化率を算出し、下記の3段階で評価し、評価「◎」「○」を合格とした。
(判定基準)
「◎」・・アレルゲンの汚染はない。(アレルゲン低減化率80%以上)
「○」・・ややアレルゲンに汚染されている程度である。(アレルゲン低減化率60%以上80%未満)
「×」・・アレルゲンに汚染されている。(アレルゲン低減化率60%未満)
表1から明らかなように、本発明のカ−ペットは特定の繊維を用いなくても虫や、ダニ等に忌避性能があり、しかも無機多孔質マイクロカプセルから徐々に放散するので、持続的に効果を発揮する。加えてダニ、花粉等のアレルゲンが、もしカーペットに侵入又は付着したとしてもアレルゲンを低減できるカーペットである。
一方、比較例1〜3のカーペットでは、防ダニ性能とアレルゲン低減化性能を同時にしかも持続的に満足する結果は得られなかった。また、比較例4、5では、防ダニ性能とアレルゲン低減化性能を初期には同時に満たすものの、持続的な効果があるものではなかった。
防ダニ性能及び持続的なアレルゲン低減化性能を発揮することから、家庭用をはじめ室内空間で快適に過ごすことができる人に優しいカーペットとして広く利用できる。

Claims (4)

  1. パイル糸と基布と目止め層とを有するカーペットにおいて、
    少なくとも前記基布のパイル糸側表面に、粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤が固着し、かつ、
    前記目止め層は、無機多孔質マイクロカプセルを含有し、
    該無機多孔質マイクロカプセルは、防ダニ成分、香り成分から選ばれる1種または複数を含有していることを特徴とするカ−ペット。
  2. パイル糸と基布と目止め層とを有するカーペットにおいて、
    少なくとも前記パイル糸のカーペット表面側に、粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤が固着し、かつ、
    前記目止め層は、無機多孔質マイクロカプセルを含有し、
    該無機多孔質マイクロカプセルは、防ダニ成分、香り成分から選ばれる1種または複数を含有していることを特徴とするカ−ペット。
  3. 前記カーペットにおいて、粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤を少なくとも0.1〜5.0g/m固着した請求項1または2に記載のカ−ペット。
  4. 前記目止め層に無機多孔質マイクロカプセルを少なくとも1〜30g/m含有した請求項1〜3のいずれか1項に記載のカ−ペット。
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