JP2004244756A - 中わた用繊維材料およびそれを用いた寝装品 - Google Patents

中わた用繊維材料およびそれを用いた寝装品 Download PDF

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克也 岡嶋
Takaharu Okamoto
敬治 岡本
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Abstract

【課題】本発明は、従来にない優れた癒し、安眠、鎮静、やすらぎ、リラックス、リフレッシュ等のアロマテラピー効果を持続性、耐久性良く発揮する中わた用繊維材料を提供せんとするものである。
【解決手段】本発明の中わた用繊維材料は、植物由来のエッセンシャルオイルを内包するマイクロカプセルがバインダー樹脂を介して繊維に固着していることを特徴とするものである。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、従来にない優れた癒し、安眠、鎮静、やすらぎ、リラックス、リフレッシュ等のアロマテラピー効果を持続性、耐久性良く発揮する中わた用繊維材料に関するもので、加えて制電性、防錆性、抗菌性、防ダニ性、防黴性、マイナスイオン発生性、難燃性、吸水・吸汗性、吸放湿性、保湿性、抗アレルギー性等の機能も付加可能な中わた用繊維材料に関するものである。さらには掛け布団、敷き布団、敷きマット、ブランケット、まくら、抱きまくら、ベッドマット、ソファー、クッション、ぬいぐるみ、座布団等の寝装品の中わた用途へ使用するのに最適な繊維材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ストレスの多い現代社会において、心身を癒すことへの関心が高まりつつある。そうした中、植物の葉や根、花、果実、樹液、木部などから抽出された天然のエッセンシャルオイル(精油)を利用し、この成分を様々な方法で体内に取り入れ、心身の健康や美容に役立てようとする植物療法であるアロマテラピーが若い世代や女性を中心に注目を集めている。アロマテラピーの歴史は古く、そのルーツとしては古代エジプトやギリシャ、インド、中国において芳香植物を医療目的で使用していたことが知られており、その後も各地で発展を遂げていき、20世紀にはフランスの化学者ルネ・ガットフォセにより「アロマテラピー」としての体系が整えられた。このアロマテラピーによる芳香療法に関しては、例えばロバート・ティスランド著「アロマテラピー」(フレグランスジャーナル社、1985年)、シャーリー・プライス著「実践アロマテラピー」(フレグランスジャーナル社、1987年)や特開昭61−267526号公報、特開昭63−199292号公報等に記載があるが、これらは何れも精油そのものの効能について述べたものであり、それを繊維材料へ応用することで、より合理的に効果を発揮させることを試みた旨の記載はない。
【0003】
一方、香料を内包したマイクロカプセルを付与することで芳香性の繊維を得ようとする試みは、特開昭49−19197号公報、特開昭53−49200号公報、特開昭53−106885号公報、特開昭58−4886号公報、特開平5−295667号公報、特開平6−228880号公報、特開2000−178873号公報等に記載があるが、これらは何れも単に芳香性のある繊維を得ることを目的としたものであって、癒しやリラックスを主目的とした検討がなされたものではなく、また、本発明のような中綿用繊維材料へ適用することで特に優れた効果が得られることを見出したものではない。
【0004】
【特許文献1】特開昭61−267526号公報
【0005】
【特許文献2】特開昭63−199292号公報
【0006】
【特許文献3】特開昭49−19197号公報
【0007】
【特許文献4】特開昭53−49200号公報
【0008】
【特許文献5】特開昭53−106885号公報
【0009】
【特許文献6】特開昭58−4886号公報
【0010】
【特許文献7】特開平5−295667号公報
【0011】
【特許文献8】特開平6−228880号公報
【0012】
【特許文献9】特開2000−178873
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる背景に鑑み、従来にない優れた癒し、安眠、鎮静、やすらぎ、リラックス、リフレッシュ等のアロマテラピー効果を持続性、耐久性良く発揮する中わた用繊維材料を提供せんとするもので、加えて制電性、防錆性、抗菌性、防ダニ性、防黴性、マイナスイオン発生性、難燃性、吸水・吸汗性、吸放湿性、保湿性、抗アレルギー性等の機能も付加可能な中わた用繊維材料を提供せんとするものである。さらには掛け布団、敷き布団、敷きマット、ブランケット、まくら、抱きまくら、ベッドマット、ソファー、クッション、ぬいぐるみ、座布団等の寝装品の中わた用途へ使用するのに最適な繊維材料を提供せんとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、つぎのような手段を採用するものである。すなわち本発明の中わた用繊維材料は、植物由来のエッセンシャルオイルを内包するマイクロカプセルがバインダー樹脂を介して繊維に固着していることを特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0016】
本発明において植物由来のエッセンシャルオイルとは、植物の葉や根、花、果実、樹液、木部などから様々な方法により抽出された天然精油のことを指し、具体的には、アカマツ、イランイラン、ヴェチバー、オレンジ、カモミル、クスノキ、クラリセージ、グロブラス、グレープフルーツ、コウヤマキ、サイプレス、サワラ、サンダルウッド、シダーウッド、ジャスミン、ジュニパー、スギ、ゼラニウム、タイム、ダクラスファー、タケ、ティートゥリー、トドマツ、ニアウリ、ニオイヒバ、ネズコ、ネロリ、ハイマツ、バジル、パチュリー、バラ、パルマローザ、ヒノキ、ヒバ、プチグレン、フランキンセンス、ベイスギ、ペパーミント、ベルガモット、マージョラム、マートル、メリッサ、モミ、ユーカリ、ライム、ラディアータ、ラバンサラ、ラベンダー、リンデン、レモン、レモングラス、レモンバーム、レモンバーベナ、ローズアブソリュート、ローズウッド、ローズオットー、ローズマリー等の植物から抽出されたものをいう。このうち特にオレンジ、グレープフルーツ、ジャスミン、バラ、ヒノキ、ペパーミント、ベルガモット、ラベンダー、レモンから得られた精油はその香りに馴染みがあり、一般にも好まれやすいため寝装品に適用するのにとりわけ好適である。
【0017】
これらの植物から精油を抽出する方法は植物の種類、形状、目的とする精油の主成分等により異なるが、植物がカモミル、タイム、ヒノキ、バジル、ペパーミント、ラベンダー、ローズマリー等の場合は水蒸気蒸留法、オレンジ、グレープフルーツ、ベルガモット、レモン等の場合は圧搾法、ジャスミンやバラ等の場合は溶剤抽出法を主として用いることが出来る。水蒸気蒸留法とは原料の植物をタンクに入れ蒸気を吹き込んで精油成分を蒸気とともに気化させ、これを冷却し水から分離することで精油成分を得る方法である。圧搾法とは植物などの果皮を圧搾して精油成分を得る方法である。また溶剤抽出法とは揮発性溶媒に植物を浸し精油成分を溶かし出した後、溶媒を揮発させ精油成分だけを取り出す方法である。
【0018】
かかる方法により得られる植物由来のエッセンシャルオイルの主要成分は原料である植物の種類により異なるが、通常は数十から数百の成分からなる混合物であり、例えばオレンジが原料の場合、主成分はリモネン、シトラール、ゲラニオール、リナロール、テラピノール、ネロールであり、グレープフルーツの場合はリモネン、ヌートカトン、オクチルアルデヒド、デシルアルデヒド、ネラール、ゲラニオール、シトロネラール、ジャスミンの場合は酢酸ベンジン、フィトール、ジャスモン、バラの場合はシトロネロール、ゲラニオール、フェニルエチルアルコール、ヒノキの場合はピネン、リモネン、カジネン、カジノール、テルピネオール、ムーロロール、ペパーミントの場合はメントール、メントン、シネオール、リモネン、ピネン、チモール、ベルガモットの場合は酢酸リナリル、リモネン、リナロール、ネロール、ゲラニオール、シトラール、ベルガブテン、ベルガモテン、メトキシクマリン、セクイテルペン、ラベンダーの場合は酢酸リナリル、リナロール、ラバンデュロール、酢酸ラバンデュリル、ピネン、シネオール、シトラール、オクタノール、リモネン、テルピネオール、カリオフィレン、レモンの場合はリモネン、シトラール、オクチルアルデヒド、ノニルアルデヒド、リナロール、ゲラニオール等が主成分となるが、その他にも数十種以上の微量成分が含まれる。これらの主成分は人工的に合成することも可能であり、それを配合することでかかる植物由来のエッセンシャルオイルとほぼ同様の香りをもつオイルや香料を調合することは可能であるが、このような人工の香料を用いた中わた用繊維材料の場合には、本発明のような優れた癒し、安眠、鎮静、やすらぎ、リラックス、リフレッシュ等のアロマテラピー効果を有する中わた用繊維材料は得られない。またムスク(麝香)等の動物性香料を用いた場合も、かかる効果は発揮出来ない。従って本発明においてエッセンシャルは植物由来であることが必須である。
【0019】
本発明において、かかる植物由来のエッセンシャルオイルはマイクロカプセルに内包されたものであり、その含有割合はマイクロカプセルの全重量に対して5〜90重量%の範囲内であることが好ましい。エッセンシャルオイルをマイクロカプセルに内包させず、そのままの状態で繊維へ固着させた場合、エッセンシャルオイルの揮発性成分が短期に蒸発してしまい得られた中わた用繊維材料のアロマテラピー効果が持続しない、洗濯などによって容易に脱落してしまう、さらには熱や光に直接晒されることでエッセンシャルオイルの成分が変質し十分な効果を発揮しないばかりか不快な臭気を発生したり皮膚へ悪影響を与える、等の問題が生ずる。本発明においてはエッセンシャルオイルをマイクロカプセルに内包させることで、このような問題を一挙に解決した。かかるエッセンシャルオイルを内包したマイクロカプセルは該中わた用繊維材料の全重量に対して0.1〜10重量%の割合で繊維に固着していることが好ましい。固着量が0.1重量%未満の場合、中わた用繊維材料から得られるアロマテラピー効果が不十分となる場合がある。また固着量が10重量%を越えると繊維材料の風合いが損なわれる傾向がある。
【0020】
かかるマイクロカプセルはエッセンシャルオイルを内包しているため、中わた用繊維材料に加工する場合には容易に破壊されず、且つ寝装品として使用した場合の人体との接触による摩擦や物理的衝撃等で徐々に壊れてエッセンシャルオイルを発散するものである必要がある。そのため、かかるマイクロカプセルの平均粒径は0.5〜50μmの範囲内、壁膜厚は0.1〜20μmの範囲内であり、壁膜材はアクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂および尿素−ホルムアルデヒド樹脂から選ばれた少なくとも1つの樹脂から成ることが好ましい。すなわち、平均粒径が0.5μm未満である場合や壁厚が20μmを越える場合、人体との接触による摩擦や物理的衝撃を受けてもマイクロカプセルが容易に壊れず、結果としてエッセンシャルオイルの適度な発散が阻害され十分なアロマテラピー効果が期待できない場合がある。一方、平均粒径が50μmを越える場合や壁膜厚が0.1μmより小さい場合、中わた用繊維材料に加工する工程でマイクロカプセルが崩壊し、製品として使用する前にエッセンシャルオイルが全て発散してしまう恐れがある。なお、平均粒径が1〜10μm、壁厚が0.2〜5μmの範囲内にあれば更に好ましい効果が期待できる。また壁膜材としては非水溶性であり且つ加工時の耐熱性に優れたものが好ましく、具体的にはアクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂等が例示できるが、中でも汎用性の面からはウレタン樹脂、メラミン樹脂が好適である。かかる樹脂を壁膜材とするマイクロカプセルの製造方法は、一般公知の相分離法、重合法、気中懸濁法、コアセルベーション法などを適用可能である。
【0021】
本発明において、上述のマイクロカプセルはバインダー樹脂を介して繊維に固着しているものである。ここでバインダー樹脂はマイクロカプセルを繊維に耐久性良く固着するための接着剤の役割を果たすものであり、これを用いない場合、繊維表面上のマイクロカプセルは洗濯や物理刺激などにより、容易に脱落してしまう。またマイクロカプセルと同時に繊維へ付与することで、加工工程中のマイクロカプセルの破壊を防止する役目も果たすものである。かかるバインダー樹脂は単繊維の表面上に皮膜状に固着するものであることが好ましく、具体的にはアクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂等を単独または複数組み合わせて使用することができる。なお、中わた用繊維材料が短繊維わたである場合、カード等の後工程の通過性の点からは粘着性の少ないシリコーン樹脂および/またはポリエステル樹脂を用いることが好ましい。バインダーがシリコーン樹脂である場合、さらに嵩高性を付与できるという利点もある。マイクロカプセルとかかるバインダー樹脂は1:10〜10:1の重量割合で繊維に固着していることが好ましい。マイクロカプセルの重量割合が10:1よりも多くなるとバインダー樹脂の固着力が不十分となりマイクロカプセルの洗濯耐久性が悪くなる場合がある。一方、マイクロカプセルの重量割合が1:10より小さくなると、該マイクロカプセルに内包されたエッセンシャルオイルの発散性が阻害され、アロマテラピー効果が低下する傾向がある。なお、マイクロカプセルをバインダー樹脂を介して繊維へ固着させる方法としては、一般に知られた各種の手段が適用可能であり、例えばマイクロカプセルとバインダー樹脂を水分散液とした後、該水分散液をパディング法、スプレー法、コーティング法等により繊維へ付与し、乾燥機内で加熱、固化させる方法等が適用できる。中でも生産効率の面および加工工程中でのマイクロカプセルの破壊防止の面からは、スプレー法による付与が好ましく用いられる。
【0022】
また、該中わた用繊維材料が寝装品として用いられる場合、該繊維材料が帯電防止剤、防錆剤、抗菌剤、防ダニ剤、防黴剤、マイナスイオン発生剤、難燃剤、親水剤、吸湿剤、保湿剤、抗アレルギー剤から選ばれた少なくとも1つの機能性付与剤を該中わた用繊維材料の全重量に対して0.01〜10重量%の割合で含んでいることも好ましい。これらの機能性付与剤は、原糸の紡糸段階で該繊維内部に練り込んだり、上述の水分散液に配合して加工することで付与することができる。
【0023】
帯電防止剤、防錆剤に関しては特に限定はなく一般公知のものを適宜選定し使用すれば良く、例えば第4級アンモニウム塩系、有機リン酸エステル系などの耐電防止剤、エチレンジアミン4酢酸塩のようなアミノ系化合物の防錆剤等を用いれば良い。該中わた用繊維材料に制電性や防錆性を付与しておくことでカード工程の通過性が格段に向上する。
【0024】
抗菌剤については銀、銅等の無機系抗菌剤並びにピリジン系や第4級アンモニウム塩系の有機系抗菌剤を用いることができるが、中でも耐久性の面から2−ピリジンチオール−1−オキシド亜鉛、2−クロロ−4−トリクロロメチル−6−(2−フリルメトキシ)ピリジン、2−クロロ−6−トリクロロメチルピリジン、2−ピリジンチオール−1−オキシドナトリウム、1,4−(1−ジヨードメチルスルフォニル)ベンゼン、10,10’−オキシビスフェノキシアルシン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンなどが好ましく用いられる。また、防ダニ剤についてはダニ類に対する忌避効果を有する各種の化合物を使用することができるが、中でもフェノトリン(d−シス菊酸の3−フェノキシベンジルエステルとd−トランス菊酸の3−フェノキシベンジルエステルとの2:8の混合物)、合成ピレトリン、アレクトリン、フラルトリン、バルトリン、ジメトリン、天然ピレトリンなどのピレスロイド系化合物が効果の面から好ましく用いられる。防黴剤については例えば24,4’−トリクロロ−2’−ハイドロキシジフェニルエーテル、5−クロロ−2(24−ジクロロフェノキシ)フェノール、N−(フルオロジクロロメチルチオ)−フタルイミド、N−ジメチル−N’−フェニル(N1−フルオロジクロロメチルチオ)スルフィミド、1,6−ジ(4−クロロフェニルジグアジニド)ヘキサン、2−(4−チアゾリル)ベンズイニダゾール、2−メトキシカルボニルアミノベンズイミダゾール、2−(チオシアネートメチルチオ)ベンゾチアゾール、ジヨードメチル−P−トリスルフォン、N−トリクロロメチルチオ−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシイミド、2−メトキシカルボニルアミノ−5−オクチルスルフォニルベンズイミダゾール、テトラクロロイソフタロニトリル、4−クロロフェニル−3−ヨードプロパギルホリマール、ジンク−2−ピリジンチオール−1−オキシド、2−メチルカルボニルベンズイミダゾールなどから適宜選定して用いることが出来る。抗菌性や防ダニ性、防黴性を兼ね備えていることで得られた寝装品の清潔性が増し、アロマテラピー効果をより確実に発揮することが出来る。
【0025】
マイナスイオン発生剤としてはトルマリン鉱石、微量の放射性を有するレアアース鉱石、および平均細孔半径20nm以上の細孔を有し且つ比表面積20m/g以上である無機の多孔物質などが好ましく用いられる。マイナスイオン発生性を付与しておくことでマイナスイオン効果とアロマテラピー効果の相乗作用により、さらに優れた癒し、安眠、鎮静、やすらぎ、リラックス、リフレッシュ等の作用を引き出すことが可能となる。
【0026】
難燃剤に関しては素材ごとに適したものを適宜使用すれば良く、例えばポリエステル系繊維の場合、ハロゲン化シクロアルカン化合物に代表されるハロゲン系難燃剤等が主として用いられる。難燃性・防炎性は寝装品がホテルや旅館、学校、病院などで使用される場合には必須の機能であり、本発明の中わた用繊維材料についてもその機能を付帯しておくことが望ましい。
【0027】
親水剤は繊維加工で一般に用いられる各種のものを使用でき、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドの付加重合物、共重合物、これらとポリエステルの共重合物などが例示できる。また吸湿剤については、例えばアクリル酸やメタクリル酸、ビニルスルホン酸、ビニルカルボン酸、ビニルピロリドン等からなる吸湿性有機ポリマー、これらの中和塩、木炭、合成品のシリカゲル、天然に存在するシリカアルミナ系乾燥剤、モレキュラシーブスのようなセラミック系の乾燥剤などの吸放湿性微粒子等を使用することができる。中わた用繊維材料が吸水性(吸汗性)や吸放湿性を有する場合、布団などの使用時に内部の温湿度を適度にコントロールすることが可能となり、就寝時の快適性が増すことでアロマテラピー効果を促進させることが可能となる。
【0028】
保湿剤は、一般に知られたグリセリン、スクワラン、セラミド、ミグリオール、ミリスチン酸アルキルエステル、ラノリン、ワセリン、γ−オリザノール、尿素、等を任意に選定して使用することができる。また、抗アレルギー剤に関しては、薬効成分のある甘草エキスや、埃、ダニ、黴、花粉等のアレルゲンを吸着する物質、例えばヒドロキシアパタイト、タンニン類などを使用すればよい。保湿性や抗アレルギー性を付与しておくことで該繊維材料をより快適に使用することができ、アロマテラピー効果との相乗作用も生まれる。
【0029】
次に本発明の中わた用繊維材料を構成する繊維について説明する。本発明において該中わた用繊維材料を構成する繊維の種類は、特に限定されるものではなく、具体的にはポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ビニロン繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリエチレン系繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリウレタン系繊維等の合成繊維、ジアセテート、トリアセテート等の半合成繊維、レーヨン、キュプラ、テンセル等の再生繊維、木綿、麻、羊毛、絹、等の天然繊維のいずれの繊維により構成されていてもかまわない。またこれらが任意の割合で2種以上混在していても何ら問題はない。ただし該中わた用繊維材料を寝装品用途に用いる場合、実用上の点からはポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、木綿、羊毛のうち少なくとも1種の繊維が構成繊維として含まれていることが望ましく、取り扱いの容易性や嵩高性、保温性、衛生面などの機能面を考慮した場合、中でもポリエステル系繊維が主要構成繊維であることが特に好ましい。
【0030】
本発明の中わた用繊維材料の形態としては、織物、編物、不織布等の布帛形態はもちろん、わた状物、ロープ状物、糸状物など繊維から構成されるものであれば如何なる形態のものでも差し支えないが、該中わた用繊維材料を寝装品用途に用いる場合、実用上の面からは、わた若しくは不織布であることが特に好ましい。該繊維材料の形態がわたの場合、嵩高性、保温性、風合い等の面から単繊維長は10〜100mm、単糸繊度は1〜20デニールの範囲にあることが好ましい。かかるわたは、例えば繊維の種類がポリエステル系繊維であれば、ポリエステルチップを一般的な方法で目的の繊度となるよう溶融紡糸し、数十万デニールのトウ状に束ねた後、目的の繊維長にカットすることで得られる。この際に機械捲縮を与えておけば、より優れた嵩高性を有したわたを得ることが出来る。一方、該繊維材料の形態が不織布の場合、中綿としての風合いを保つため目付が50〜500g/mの範囲のものであることが好ましい。かかる不織布は、例えば繊維の種類がポリエステル系繊維の場合であれば、上述の方法で得たわたをカードを用いて開繊、ウェブ状としバインダーで接着したり、水流やニードルによって交絡させたりすることで得られる。
【0031】
本発明において、かかる中わた用繊維材料を構成する繊維の単繊維の横断面形状は如何なる形のものであってもよいが、該繊維の種類が合成繊維もしくは半合成繊維、再生繊維の場合、通常の丸形断面の他、中空、H型、X型、W型および、星型から選ばれた少なくとも1つの形状を有していることも好ましい。かかる横断面形状の繊維は、紡糸の際の口金形状を変更したり、異なる種類のポリマーを複合紡糸し、後工程で一方を溶出させてしまうことにより容易に得ることができる。横断面の形状が中空の場合、中わた用繊維材料の軽量性や保温性が向上し、これを用いて寝装品を作成した場合、アロマテラピーとの相乗効果でより優れた癒し、安眠、鎮静、やすらぎ、リラックス、リフレッシュ等の効果を得ることが出来る。また、横断面の形状がH型、X型、W型もしくは星型の場合、エッセンシャルオイルを内包するマイクロカプセルの多くが繊維の溝になる部分に固着し、該マイクロカプセルの物理的な脱落や破壊を抑制することができるため、アロマテラピー効果の持続性や洗濯耐久性が格段に向上する。
【0032】
本発明の中わた用繊維材料は、それを構成する繊維の少なくとも一部が、該繊維に固着されているエッセンシャルオイルの起源植物および/または香りからイメージされる色に着色されたものであることも、アロマテラピー効果と視覚的効果の相乗効果の点から好ましい。すなわち、該エッセンシャルオイルが例えばオレンジ由来の場合その果皮やジュースからイメージされるオレンジ系色、ジャスミン由来の場合その花や茶からイメージされる黄緑系色、ラベンダー由来の場合その花からイメージされる薄紫系色、レモン由来の場合その果皮からイメージされる黄系色、ヒノキ由来の場合その葉からイメージされる緑系色もしくは木部からイメージされる茶系色に着色されていることが好ましい。かかる着色の方法としては、繊維の紡糸段階で顔料および/または染料を練り込む、後工程で顔料および/または染料により染色、プリントまたはコーティングする、等の手段が適応可能である。
【0033】
以上から明らかなように本発明の中わた用繊維材料は、従来にない優れた癒し、安眠、鎮静、やすらぎ、リラックス、リフレッシュ等のアロマテラピー効果を持続性、耐久性良く発揮するものであり、加えて制電性、防錆性、抗菌性、防ダニ性、防黴性、マイナスイオン発生性、難燃性、吸水・吸汗性、吸放湿性、保湿性、抗アレルギー性等の機能も付加可能な繊維材料であるため、掛け布団、敷き布団、敷きマット、ブランケット、まくら、抱きまくら、ベッドマット、ソファー、クッション、ぬいぐるみ、座布団等の寝装品の中わた用途へ使用するのに最適である。これらの用途へ本発明の中わた用繊維材料を適用した場合、かかるアロマテラピー効果を就寝やくつろぎの時間を有効に利用して合理的に発揮することが可能となる。なお、かかる寝装品を作成するに際しては、ポリエステル系繊維とウール、わたと不織布、丸形断面繊維とX形断面繊維、本発明の中わた用繊維材料と通常の繊維材料、などの様に種類、形態、形状、機能、等の異なるものを目的、用途に応じて適宜組み合わせて使用しても良い。また、かかる寝装品の外側地が、中わたとして用いられている該繊維材料に固着されているエッセンシャルオイルの起源植物および/または香りからイメージされる色に着色されたもの、もしくは起源植物の図柄がプリントされたものであることも好ましい。例えば、オレンジ由来のオレンジオイルを内包したマイクロカプセルが固着した短繊維を中わたとして掛け布団を作成する際に、外側地としてオレンジを図案化した図柄をプリントした生地を使用するといった方法が例示できる。これにより中わた用繊維材料から得られるアロマテラピー効果と外側地から視覚的効果の相乗作用により、より好ましい結果が得られる。
【0034】
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例中での品質・性能評価は次の方法に従って行った。
<耐久性>
耐久性は得られた中わた用繊維材料の家庭洗濯20回後の「香りの強さ」で評価した。家庭洗濯はJIS L0217 103法に準じて行った。なお「香りの強さ」の評価法に関しては後の項目に記載する。
<持続性>
持続性は得られた中わた用繊維材料の「ジャングルテスト」2週間後の「香りの強さ」および「香りの質」で評価した。「ジャングルテスト」とは、温度70℃、相対湿度90%に調節した恒温恒湿槽内で紫外線ランプを照射した条件下に試料を放置する強制加速試験のことである。なお「香りの強さ」および「香りの質」の評価法に関しては後の項目に記載する。
<香りの強さ>
20歳代、30歳代、40歳代、50歳代、60歳代の男女各1人ずつ計10人から構成される検査員に試料を軽く揉んだときの香りを嗅いでもらい、「香りの強さ」を5段階の点数法で評価した。すなわち「適度な香り」である場合を0点、「やや強い」ものを+1点、「強過ぎる」ものを+2点、「やや弱い」ものを−1点、「弱過ぎる」ものを−2点とし、10人の平均値を評価点とした。表1中には評価点が−0.5点以上+0.5点以下の場合「○」、−1.0点以上−0.5点未満の場合もしくは+0.5点を超え+1.0点以下の場合を「△」、−1.0点未満の場合もしくは+1.0点を超える場合を「×」と併記した。
<香りの質>
20歳代、30歳代、40歳代、50歳代、60歳代の男女各1人ずつ計10人から構成される検査員に試料を軽く揉んだときの香りを嗅いでもらい、「香りの質」を5段階で評価した。すなわち「非常に好ましい香り」である場合を5、「好ましい香り」である場合を4、「どちらとも言えない」ものを3、「不快な香り」である場合を2、「非常に不快な香り」である場合を1とし、10人の平均値を評価値とした。表1中では評価値が3.5以上の場合を「○」、3.5未満2.5以上の場合を「△」、2.5未満の場合を「×」と併記した。
<アロマテラピー効果>
アロマテラピー効果は「安眠作用」と「リラックス作用」について、アンケート方式による評価を実施した。
【0035】
「安眠作用」に関しては次の手順で評価を実施した。(1)下記に示される実施例の中わた用繊維材料を、タテ・ヨコとも番手45番、混率ポリエステル65%綿35%の紡績糸からなる織密度210本クラスの生機を通常条件で糊抜/精練/漂白後、マーセライズ、カレンダー仕上することで得た外側地用織物で包み、タテ210cm×ヨコ150cm、重量が1.5kgの掛け布団を作成した。(1)滋賀県大津市にあるビジネスホテルのシングルルーム内に上記の掛け布団を設置し、被験者にこの掛け布団を用いて就寝してもらった。なお被験者は20歳代の男性2人および女性1人、30歳代の男性1人および女性1人、40歳代の女性1人、50歳代の男性2人の計8人であった。(3)翌朝、被験者に3者択一のアンケートを行ない(a:よく眠れる、b:普段と変わらない、c:あまり眠れない)、各項目を選んだ被験者の数を評価結果とした。表1中にはa項を選んだ被験者数が5人以上の場合を「○」、1〜4人の場合を「△」、0人の場合を「×」と併記した。
【0036】
「リラックス作用」に関しては次の手順で評価を実施した。(1)下記に示される実施例の中わた用繊維材料を、タテ・ヨコとも番手45番、混率ポリエステル65%綿35%の紡績糸からなる織密度210本クラスの生機を通常条件で糊抜/精練/漂白後、マーセライズ、カレンダー仕上することで得た外側地用織物で包み、タテ50cm×ヨコ50cm、重量が300gのクッションを作成した。(2)滋賀県草津市にある1LDKの賃貸マンションの一室(洋間)に設置した合成皮革製の2人掛けソファーの上に上記のクッション3個を均等に配置し、被験者に楽な姿勢でこのソファーに座ってもった。なお被験者は20歳代の男性1人、30歳代の男性2人および女性2人、40歳代の女性1人、50歳代の男性2人の計8人であった。(3)着席から60分後、被験者に3者択一のアンケートを行ない(a:落ち着く、b:普段と変わらない、c:あまり落ち着かない)、各項目を選んだ被験者の数を評価結果とした。表1中にはa項を選んだ被験者数が5人以上の場合を「○」、1〜4人の場合を「△」、0人の場合を「×」と併記した。
実施例1
オレンジの果皮から圧搾法により抽出したエッセンシャルオイルを常法により平均粒子径3μm、壁膜厚0.5μmのメラミン樹脂壁膜を有するマイクロカプセルに内包(該オイル分の含有割合60重量%)し、かかるマイクロカプセル100g/l、シリコーン樹脂バインダー100g/l、リン酸エステル型帯電防止剤10g/l、エチレンジアミン型防錆剤10g/lの組成の水分散液を調合した。他方、常法により単糸繊度6デニールの丸形横断面を有するポリエステル繊維(ポリエチレンテレフタレート)を溶融紡糸した。これを束ねて50万デニールのトウ状とし、クリンパーにより機械捲縮を与えた後、該マイクロカプセルが得られる中わた用繊維材料の全重量に対し2重量%付着するように調整したスプレーを用いて上記水分散を付与、150℃に設定した連続乾燥機で10分間乾燥し、該マイクロカプセルをシリコーン樹脂バインダーを介して該繊維に固着させた。これをさらに単繊維長が51mmになるようにカットした後、カード機にかけわた状の中わた用繊維材料を得た。評価結果を表1に示す。表から明らかなように全ての項目において良好な結果であった。
実施例2
実施例1においてオレンジのかわりにグレープフルーツを用いた以外は実施例1と同様にして中わた用繊維材料を得た。評価結果を表1に示す。表から明らかなようにオレンジのかわりにグレープフルーツを用いた場合でも全ての項目において良好な結果であった。
実施例3
実施例1においてオレンジのかわりにベルガモットを用いた以外は実施例1と同様にして中わた用繊維材料を得た。評価結果を表1に示す。表から明らかなようにオレンジのかわりにベルガモットを用いた場合でも全ての項目において良好な結果であった。
実施例4
実施例1においてオレンジのかわりにレモンを用いた以外は実施例1と同様にして中わた用繊維材料を得た。評価結果を表1に示す。表から明らかなようにオレンジのかわりにレモンを用いた場合でも全ての項目において良好な結果であった。
実施例5
実施例1においてオレンジの果皮から圧搾法によりエッセンシャルオイルを抽出するかわりにジャスミンの花から溶剤抽出法によりエッセンシャルオイルを抽出した以外は実施例1と同様にして中わた用繊維材料を得た。評価結果を表1に示す。表から明らかなようにジャスミンの花から溶剤抽出法により抽出したエッセンシャルオイルを用いた場合でも全ての項目において良好な結果であった。
実施例6
実施例5においてジャスミンのかわりにバラを用いた以外は実施例5と同様にして中わた用繊維材料を得た。評価結果を表1に示す。表から明らかなようにバラの花を用いた場合でも全ての項目において良好な結果であった。
実施例7
実施例1においてオレンジの果皮から圧搾法によりエッセンシャルオイルを抽出するかわりにヒノキの葉から水蒸気蒸留法によりエッセンシャルオイルを抽出した以外は実施例1と同様にして中わた用繊維材料を得た。評価結果を表1に示す。表から明らかなようにヒノキの葉から水蒸気蒸留法により抽出したエッセンシャルオイルを用いた場合でも全ての項目において良好な結果であった。
実施例8
実施例7においてヒノキのかわりにペパーミントを用いた以外は実施例7と同様にして中わた用繊維材料を得た。評価結果を表1に示す。表から明らかなようにペパーミントを用いた場合でも全ての項目において良好な結果であった。
実施例9
実施例7においてヒノキの葉のかわりにラベンダーの花および葉を用いた以外は実施例7と同様にして中わた用繊維材料を得た。評価結果を表1に示す。表から明らかなようにラベンダーを用いた場合でも全ての項目において良好な結果であった。
実施例10
実施例1において水分散液の組成をマイクロカプセル100g/l、シリコーン樹脂バインダー100g/l、リン酸エステル型帯電防止剤10g/l、トルマリン系マイナスイオン発生剤70g/lとした以外は実施例1と同様にして中わた用繊維材料を得た。評価結果を表1に示す。表から明らかなようにトルマリン系マイナスイオン発生剤を併用した場合でも全ての項目において良好な結果が得られ、とりわけ安眠作用、リラックス作用において優れた結果が得られた。
実施例11
実施例1で得たわた状の中わた用繊維材料と市販のウール繊維わたを1:1の重量比で混綿し、中わた用繊維材料を得た。評価結果を表1に示す。表から明らかなようにウールと混紡して使用した場合でも全ての項目において良好な結果であった。
実施例12
実施例1において単繊維長が70mmになるようにカットした後、ニードルパンチで目付240g/mの不織布状の中わた用繊維材料を得た以外は実施例1と同様にして中わた用繊維材料を得た。評価結果を表1に示す。表から明らかなように形態が不織布の場合であっても全ての項目において良好な結果であった。
実施例13
実施例1において丸形横断面のかわりにX型横断面を有するポリエステル繊維を溶融紡糸した以外は実施例1と同様にして中わた用繊維材料を得た。評価結果を表1に示す。表から明らかなようにX型横断面糸を用いた場合でも全ての項目において良好な結果が得られ、とりわけ耐久性、持続性の面で優れた結果が得られた。
実施例14
実施例1において丸形横断面を有するポリエステル繊維のかわりに中空率30%の中空横断面を有するポリアミド繊維(ナイロン6)を溶融紡糸した以外は実施例1と同様にして中わた用繊維材料を得た。評価結果を表1に示す。表から明らかなように中空横断面を有するポリアミド繊維を用いた場合でも全ての項目において良好な結果が得られ、とりわけ中空糸の軽量性、保温性の効果から安眠作用の面で優れた結果が得られた。
実施例15
実施例1においてポリエステル繊維の溶融紡糸時に顔料を0.1重量%練り込み、繊維を薄オレンジ色に着色させた以外は実施例1と同様にして中わた用繊維材料を得た。評価結果を表1に示す。表から明らかなように薄オレンジ色に着色した繊維を用いた場合でも全ての項目において良好な結果が得られ、とりわけ視覚的効果からリラックス作用の面で優れた結果が得られた。
比較例1
通常のポリエステル短繊維からなる中わた用繊維材料を評価に供した。評価結果を表1に示す。表から明らかなように通常の中わた用繊維材料ではアロマテラピー効果は得られない。
比較例2
実施例1においてオレンジの果皮から圧搾法により抽出したエッセンシャルオイルをマイクロカプセルに内包させず、そのままバインダーを介して繊維に固着させた以外は実施例1と同様にして中わた用繊維材料を得た。評価結果を表1に示す。表から明らかなようにエッセンシャルオイルをマイクロカプセルに内包させない場合、耐久性、持続性の点で問題がある。また、ジャングルテストにより香りの質が悪化してしまう。
比較例3
実施例1においてオレンジの果皮から圧搾法により抽出したエッセンシャルオイルのかわりに市販の人工オレンジ香料をマイクロカプセルに内包させた以外は実施例1と同様にして中わた用繊維材料を得た。評価結果を表1に示す。表から明らかなように人工オレンジ香料を用いた場合、香りの強さや質の点で問題がある。また、アロマテラピー効果も得られない。
比較例4
実施例4においてレモンの果皮から圧搾法により抽出したエッセンシャルオイルのかわりに市販の人工レモン香料をマイクロカプセルに内包させた以外は実施例4と同様にして中わた用繊維材料を得た。評価結果を表1に示す。表から明らかなように人工レモン香料を用いた場合も、香りの強さや質の点で問題がある。また、アロマテラピー効果も得られない。
比較例5
実施例6においてバラの花から溶剤抽出法により抽出したエッセンシャルオイルのかわりに市販の人工バラ香料をマイクロカプセルに内包させた以外は実施例6と同様にして中わた用繊維材料を得た。評価結果を表1に示す。表から明らかなように人工バラ香料を用いた場合も、香りの強さや質の点で問題がある。また、アロマテラピー効果も得られない。
比較例6
実施例1において水分散液の組成をマイクロカプセル100g/l、リン酸エステル型帯電防止剤10g/l、エチレンジアミン型防錆剤10g/lとしシリコーン樹脂バインダーを使用しなかった以外は実施例1と同様にして中わた用繊維材料を得た。評価結果を表1に示す。表から明らかなようにバインダー樹脂を用いない場合、耐久性の面で問題がある。
【0037】
【表1】
Figure 2004244756
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、従来にない優れた癒し、安眠、鎮静、やすらぎ、リラックス、リフレッシュ等のアロマテラピー効果を持続性、耐久性良く発揮する中わた用繊維材料を提供することができ、加えて制電性、防錆性、抗菌性、防ダニ性、防黴性、マイナスイオン発生性、難燃性、吸水・吸汗性、吸放湿性、保湿性、抗アレルギー性等の機能も付加可能な中わた用繊維材料を提供することができる。さらには掛け布団、敷き布団、敷きマット、ブランケット、まくら、抱きまくら、ベッドマット、ソファー、クッション、ぬいぐるみ、座布団等の寝装品の中わた用途へ使用するのに最適な繊維材料を提供することができる。

Claims (14)

  1. 植物由来のエッセンシャルオイルを内包するマイクロカプセルがバインダー樹脂を介して繊維に固着してなることを特徴とする中わた用繊維材料。
  2. 該エッセンシャルオイルがアカマツ、イランイラン、ヴェチバー、オレンジ、カモミル、クスノキ、クラリセージ、グロブラス、グレープフルーツ、コウヤマキ、サイプレス、サワラ、サンダルウッド、シダーウッド、ジャスミン、ジュニパー、スギ、ゼラニウム、タイム、ダクラスファー、タケ、ティートゥリー、トドマツ、ニアウリ、ニオイヒバ、ネズコ、ネロリ、ハイマツ、バジル、パチュリー、バラ、パルマローザ、ヒノキ、ヒバ、プチグレン、フランキンセンス、ベイスギ、ペパーミント、ベルガモット、マージョラム、マートル、メリッサ、モミ、ユーカリ、ライム、ラディアータ、ラバンサラ、ラベンダー、リンデン、レモン、レモングラス、レモンバーム、レモンバーベナ、ローズアブソリュート、ローズウッド、ローズオットーおよびローズマリーから選ばれた少なくとも1種の植物由来のものであることを特徴とする請求項1に記載の中わた用繊維材料。
  3. 該マイクロカプセルが該中わた用繊維材料の全重量に対して0.1〜10重量%の割合で繊維に固着していることを特徴とする請求項1または2に記載の中わた用繊維材料。
  4. 該マイクロカプセルの平均粒径が0.5〜50μm、壁膜厚が0.1〜20μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の中わた用繊維材料。
  5. 該マイクロカプセルの壁膜材がアクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂および尿素−ホルムアルデヒド樹脂から選ばれた少なくとも1つの樹脂によって成ることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の中わた用繊維材料。
  6. 該マイクロカプセルがアクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂およびポリエステル樹脂から選ばれた少なくとも1つのバインダー樹脂を介して繊維に固着していることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の中わた用繊維材料。
  7. 該マイクロカプセルと該バインダー樹脂が1:10〜10:1の重量割合で繊維に固着していることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の中わた用繊維材料。
  8. 該繊維材料が、帯電防止剤、防錆剤、抗菌剤、防ダニ剤、防黴剤、マイナスイオン発生剤、難燃剤、親水剤、吸湿剤、保湿剤および抗アレルギー剤から選ばれた少なくとも1つの機能性付与剤を該中わた用繊維材料の全重量に対して0.01〜10重量%の割合で含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の中わた用繊維材料。
  9. 該繊維材料の形態が単繊維長10〜100mmのわたであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の中わた用繊維材料。
  10. 該繊維材料の形態が目付50〜500g/mの不織布であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の中わた用繊維材料。
  11. 該繊維材料の構成繊維が主としてポリエステル系繊維であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の中わた用繊維材料。
  12. 該繊維材料を構成する繊維の単繊維横断面が中空、H型、X型、W型および星型から選ばれた少なくとも1つの形状を有することを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の中わた用繊維材料。
  13. 該繊維材料を構成する繊維の少なくとも一部が該エッセンシャルオイルの起源植物および/または香りからイメージされる色に着色されたものであることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の中わた用繊維材料。
  14. 請求項1〜13のいずれかに記載の繊維材料を中わたとして用いて成る寝装品。
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