JP2019077647A - 害虫忌避繊維構造物およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
被験者の手にビニール手袋をはめ、その上に筒状にした試料を巻きつける。
忌避率(%)={(ケージ内の蚊の数(30匹)-処理検体の累積飛来数)/ケージ内の蚊の数(30匹)}×100。
10cm×5cmに裁断した試料を入れた500mlの容器に初期濃度が300ppmになるようにアンモニアガスをいれて密閉し、30分間放置後、ガス検知管で残留アンモニア濃度を測定した。このとき、試料を入れずに同様の操作を行い残留アンモニア濃度を測定したものを空試験濃度とし、下記の式に従い消臭率(%)として算出した。
消臭率(%)=(1−(ガス検知管測定濃度)/(空試験濃度))×100
タテ糸、ヨコ糸ともに150デシテックス、48フィラメントのポリエチレンテレフタレート糸を用い織物を製織した。
付着量については、理論的には、絞り率等の製造条件からも計算可能であるが、実際の付着量は下記の方法で測定する。
付着量(%)=((薬剤付与し乾燥後の質量−処理前質量)/処理前質量)*100
害虫忌避成分であるイカリジンを6g/Lになるように水中に乳化分散し、さらに消臭剤である酸化亜鉛系化合物(“ザオバタック”NANO−20(大和化学工業(株)製))を混合した乳化分散溶液を作製した。この乳化分散溶液に試験用基布を含浸させマングルで絞った後、130℃で乾燥させ、絞り率(ピックアップ)から計算し、イカリジンの付着量が繊維質量に対し0.1質量%、消臭剤の付着量が繊維質量に対しに0.1質量%なるように付着させた。この基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は70.0%であった。また、消臭率は66.2%であった。
実施例1においてイカリジンの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は83.3%であった。また、消臭率は63.2%であった。
実施例1においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるユーカリジオールを使用した以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は67.6%であった。また、消臭率は58.9%であった。
実施例1においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるユーカリジオールを使用し、ユーカリジオールの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は83.3%であった。また、消臭率は60.1%であった。
害虫忌避成分であるイカリジンを6g/Lになるように水中に乳化分散し、さらに消臭剤である脂肪族ポリカルボン酸塩系化合物(SZ−2B−ZC(ナガセケムテックス(株)製)を混合した乳化分散溶液を作製した。この乳化分散溶液に試験用基布を含浸させマングルで絞った後、130℃で乾燥させ、絞り率(ピックアップ)から計算し、イカリジンの付着量が繊維質量に対し0.1質量%、消臭剤の付着量が繊維質量に対しに0.1質量%なるように付着させた。この基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は73.3%であった。また、消臭率は63.3%であった。
実施例5においてイカリジンの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は86.7%であった。また、消臭率は65.5%であった。
実施例5においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるユーカリジオールを使用した以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は70.0%であった。また、消臭率は69.7%であった。
実施例5においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるユーカリジオールを使用し、ユーカリジオールの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は86.7%であった。また、消臭率は68.4%であった。
実施例1においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるシトロネロールを使用し、シトロネロールの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は56.7%であった。また、消臭率は67.2%であった。
害虫忌避成分であるイカリジンを、マイクロカプセルの全量に対して質量比25%内包する、壁剤がメラミン樹脂で構成される平均粒子径が1〜3μmのマイクロカプセルが24g/L(防虫成分は6g/L)になるように水中に乳化分散し、さらに消臭剤である酸化亜鉛系化合物(“ザオバタック”NANO−20(大和化学工業(株)製))およびウレタン樹脂(U−30NP(固形分30%、大和化学工業(株)製)18g/Lを混合した乳化分散溶液を作製した。この乳化分散溶液に試験用基布を含浸させマングルで絞った後、130℃で乾燥させ、絞り率(ピックアップ)から計算し、イカリジンの付着量が繊維質量に対し0.5質量%、酸化亜鉛化合物の付着量が繊維質量に対し0.1質量%になるように付着させたになるように付着させた。この基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は93.3%であった。また、消臭率は72.1%であった。さらにJIS L0217(2010年度版)103法での洗濯10回後における忌避率は50%以上を維持していた。JIS L0217(2010年度版)103法での洗濯10回後におけるアンモニアに対する消臭率が50%以上を示した。
害虫忌避成分であるイカリジンを6g/Lになるように水中に乳化分散し、さらに消臭剤である酸化亜鉛系化合物(“ザオバタック”NANO−20(大和化学工業(株)製))を混合した乳化分散溶液を作製した。この乳化分散溶液に試験用基布を含浸させマングルで絞った後、130℃で乾燥させ、絞り率(ピックアップ)から計算し、イカリジンの付着量が繊維質量に対し0.1質量%、消臭剤の付着量が繊維質量に対しに0.5質量%なるように付着させた。この基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は73.3%であった。また、消臭率は81.3%であった。
実施例11においてイカリジンの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は86.7%であった。また、消臭率は83.1%であった。
実施例11においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるユーカリジオールを使用した以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は70.0%であった。また、消臭率は82.1%であった。
実施例11においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるユーカリジオールを使用し、ユーカリジオールの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は93.3%であった。また、消臭率は81.6%であった。
害虫忌避成分であるイカリジンを6g/Lになるように水中に乳化分散し、さらに消臭剤である脂肪族ポリカルボン酸塩系化合物(SZ−2B−ZC(ナガセケムテックス(株)製)を混合した乳化分散溶液を作製した。この乳化分散溶液に試験用基布を含浸させマングルで絞った後、130℃で乾燥させ、絞り率(ピックアップ)から計算し、イカリジンの付着量が繊維質量に対し0.1質量%、消臭剤の付着量が繊維質量に対しに0.5質量%なるように付着させた。この基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は76.7%であった。また、消臭率は80.5%であった。
実施例15においてイカリジンの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は90.0%であった。また、消臭率は78.2%であった。
実施例15においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるユーカリジオールを使用した以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は76.7%であった。また、消臭率は75.6%であった。
実施例15においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるユーカリジオールを使用し、ユーカリジオールの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は90.0%であった。また、消臭率は78.2%であった。
実施例11においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるシトロネロールを使用し、シトロネロールの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は60.0%であった。また、消臭率は79.1%であった。
害虫忌避成分であるイカリジンを、マイクロカプセルの全量に対して質量比25%内包する、壁剤がメラミン樹脂で構成される平均粒子径が1〜3μmのマイクロカプセルが24g/L(防虫成分は6g/L)になるように水中に乳化分散し、さらに消臭剤である酸化亜鉛系化合物(“ザオバタック”NANO−20(大和化学工業(株)製))およびウレタン樹脂(U−30NP(固形分30%、大和化学工業(株)製)18g/Lを混合した乳化分散溶液を作製した。この乳化分散溶液に試験用基布を含浸させマングルで絞った後、130℃で乾燥させ、絞り率(ピックアップ)から計算し、イカリジンの付着量が繊維質量に対し0.5質量%、消臭剤の付着量が繊維質量に対し0.5質量%になるように付着させたになるように付着させた。この基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は96.7%であった。また、消臭率は88.4%であった。さらにJIS L0217(2010年度版)103法での洗濯10回後における忌避率は50%以上を維持していた。JIS L0217(2010年度版)103法での洗濯10回後におけるアンモニアに対する消臭率が50%以上を示した。
害虫忌避成分であるイカリジンを6g/Lになるように水中に乳化分散し、乳化分散溶液を作製した。この乳化分散溶液に試験用基布を含浸させマングルで絞った後、130℃で乾燥させ、絞り率(ピックアップ)から計算し、イカリジンの付着量が繊維質量に対し0.1質量%になるように付着させた。この基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は60.0%であった。また、消臭率は40.3%であった。
比較例1においてイカリジンの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は73.3%であった。また、消臭率は32.2%であった。
比較例1においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるユーカリジオールを使用した以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は56.7%であった。また、消臭率は29.8%であった。
比較例1においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるユーカリジオールを使用し、ユーカリジオールの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は70.0%であった。また、消臭率は42.3%であった。
比較例1においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるシトロネロールを使用し、シトロネロールの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は53.3%であった。また、消臭率は36.5%であった。
消臭剤である酸化亜鉛系化合物(“ザオバタック”NANO−20(大和化学工業(株)製))を混合した乳化分散溶液を作製した。この乳化分散溶液に試験用基布を含浸させマングルで絞った後、130℃で乾燥させ、絞り率(ピックアップ)から計算し、消臭剤の付着量が繊維質量に対し0.1質量%になるように付着させた。この基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は33.3%であった。また、消臭率は64.2%であった。
比較例6において消臭剤の付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は36.7%であった。また、消臭率は78.3%であった。
比較例6において消臭剤である酸化亜鉛系化合物(“ザオバタック”NANO−20(大和化学工業(株)製))の代わりに消臭剤脂肪族ポリカルボン酸塩系化合物(SZ−2B−ZC(ナガセケムテックス(株)製)を使用した以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は30.0%であった。また、消臭率は60.2%であった。
比較例6において消臭剤である酸化亜鉛系化合物(“ザオバタック”NANO−20(大和化学工業(株)製))の代わりに消臭剤である脂肪族ポリカルボン酸塩系化合物(SZ−2B−ZC(ナガセケムテックス(株)製)を使用し、消臭剤の付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は36.7%であった。また、消臭率は76.4%であった。
Claims (8)
- 害虫忌避能と消臭性能を有する害虫忌避繊維構造物。
- 害虫忌避成分を含むものである請求項1に記載の害虫忌避繊維構造物。
- 前記繊維構造物がアンモニアに対して消臭率が50%以上を示す請求項1もしくは2に記載の害虫忌避繊維構造物。
- 消臭剤を含むものである請求項1から3いずれかに記載の害虫忌避繊維構造物。
- 前記消臭剤が酸化亜鉛化合物である請求項1から4いずれかに記載の害虫忌避繊維構造物。
- 前記害虫忌避成分がピペリジン系化合物もしくはテルペン系化合物を含む請求項1から5いずれかに記載の害虫忌避繊維構造物。
- 前記繊維構造物がJIS L0217(2010年度版)103法での洗濯10回後においても忌避率が50%以上あることを特徴とする請求項1から6いずれかに記載の害虫忌避繊維構造物。
- 前記繊維構造物がJIS L0217(2010年度版)103法での洗濯10回後においてもアンモニアに対して消臭率が50%以上を示すことを特徴とする請求項1から7いずれかに記載の害虫忌避繊維構造物。
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