JP2019077645A - 害虫忌避繊維構造物およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、紫外線吸収能を有するだけでなく、本来有する害虫忌避性能がより高められた繊維構造物を提供することを課題とする。【解決手段】害虫忌避機能と紫外線吸収能を有する害虫忌避繊維構造物、なかでも繊維構造物は害虫忌避成分を含むものことが好ましい。また、前記繊維構造物は280nm〜400nmの紫外光を50%以上吸収するものであることが好ましい。また、前記繊維構造物は紫外線吸収剤を含むものであることが好ましい。【選択図】なし
Description
本発明は、紫外線吸収能を発揮するだけでなく、蚊などの衛生害虫に対する優れた害虫忌避機能を有する繊維構造物およびその製造方法に関する。
蚊をはじめとする衛生害虫から人吸収体を守るための害虫忌避繊維構造物は広く実用されており、その忌避性能や人体への安全性の向上を目的とした改良が多く成されている。高い忌避性能を発揮するには防虫成分を高濃度で付与すればよいが、人体への安全性を考慮した際に生体安全性の低い防虫成分は多量に用いることができない。
例えば、ディート(DEET)は世界的に何十年と使用され続けているが低用量のDEETで神経系への影響があった事例があり、現在では小児(12歳未満)に使用させる場合には使用制限を設けている。(非特許文献1)。
また、ディートなどの害虫忌避成分を含む人体用害虫忌避剤に例えば上記組成物の安定性を高めたり、使用感を更に良くしたりするために、必要に応じて、増粘剤、安定剤、紫外線吸収剤や紫外線散乱剤、消炎剤、制汗剤、保湿剤、界面活性剤、分散剤、香料等の添加剤や補助剤を、組成物の安定性等に影響を及ぼさない範囲で配合することができることが特許文献1に開示されているが、具体的にこれらの剤を配合した事例の開示はなく、どの剤が人体用害虫忌避剤にどのような性質の変化を与えるかについて予想させる開示もない。
厚生労働省医薬食品局安全対策課、ディートを含有する医薬品及び医薬部外品に関する安全対策について、[online]、平成17年8月24日、http://www.mhlw.go.jp/topics/2005/08/tp0824−1.html
本発明は、紫外線吸収能を有するだけでなく、本来有する害虫忌避性能がより高められた繊維構造物を提供することを課題とする。
上記課題は、繊維構造物に紫外線吸収能と害虫忌避機能を付与することで紫外線吸収能を有さない場合に比較して害虫忌避性能が相乗的に向上することを見出した。
すなわち、本発明は下記の構成を有する。
(1)害虫忌避機能と紫外線吸収能を有する害虫忌避繊維構造物。
(2)害虫忌避成分を含むものである前記(1)に記載の害虫忌避繊維構造物。
(3)前記繊維構造物が280nm〜400nmの紫外光を50%以上吸収する前記(1)もしくは(2)に記載の害虫忌避繊維構造物。
(4)紫外線吸収剤を含むものである(1)から(3)いずれかに記載の害虫忌避繊維構造物。
(5)前記紫外線吸収剤がベンゾトリアゾール系化合物を含むものである(1)から(4)いずれかに記載の害虫忌避繊維構造物。
(6)前記害虫忌避成分がピペリジン系化合物もしくはテルペン系化合物を含む(1)から(5)いずれかに記載の害虫忌避繊維構造物。
(7)前記繊維構造物がJIS L0217(2010年度版)103法での洗濯10回後においても忌避率が50%以上ある(1)から(6)いずれかに記載の害虫忌避繊維構造物。
(8)前記繊維構造物がJIS L0217(2010年度版)103法での洗濯10回後においても紫外光を50%以上吸収する(1)から(7)いずれかに記載の害虫忌避繊維構造物。
本発明の害虫忌避繊維構造物は、害虫忌避機能と紫外線吸収能とを有することにより、主として使用される夏季において、太陽からの紫外線を抑制できるのみならず、紫外線吸収能を有さない場合に比較して害虫忌避機能を相乗的に高めることができ非常に実用的である。
以下、詳しく本発明の繊維構造物について説明をする。
本発明において繊維構造物が「紫外線吸収能を有する」とは、入光した紫外線を吸収するものであるが、特に280nm〜400nmの範囲の紫外線を30%以上吸収するものである。具体的には繊維構造物が280nm〜400nmの紫外光を50%以上吸収するものがより好ましい。
繊維構造物それ自体が紫外線吸収能を有すればよいが、有していないとしても紫外線吸収剤を含有せしめることにより、繊維構造物に紫外線吸収能を付与することができる。
上記紫外線吸収剤としては、特に制限されるものではないが、各種の紫外線吸収剤が用いられ、例えばベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアジン系化合物やサリチル酸系化合物などが挙げられ、中でもベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物を含むことが好ましく、ベンゾトリアゾール系化合物を含むことがより好ましい。ベンゾトリアゾール系化合物としては、例えば、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(Α,Α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−T−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−T−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどがあげられる。
繊維構造物に紫外線吸収剤を含ませる方法としては、繊維もしくは繊維構造物に対し紫外線吸収剤を付与することにより含ませる方法や、紡糸により製造される繊維である場合において、原料中に配合することにより含ませる方法などが挙げられる。
上記紫外線吸収剤を繊維構造物に付与するための加工方法は特に限定されるものではないが、浴中処理、パディング処理またはスプレー処理などが挙げられ、紫外線吸収剤が繊維にムラなく付与できる点で、パディング処理が好ましい。紫外線吸収剤が繊維表面に付着している状態は、繊維表面にて均一に紫外線吸収剤が分布しているため、紫外線の吸収能が高く優れているが、この状態は紫外線吸収剤が剥離しやすく、洗濯耐久性の観点からは好ましくない。一方、紫外線吸収剤が繊維内部に拡散すると、拡散ムラが生じやすく、紫外線吸収能が低下する恐れがあるものの洗濯耐久性は向上する傾向にある。
以上のことから、紫外線吸収剤が繊維内部で繊維表面近傍において分布、もしくは繊維表面から内部に分岐拡散している状態が、紫外線吸収能、洗濯耐久性の両面で優れていると考えられる。
本発明で用いられる紫外線吸収剤の繊維への担持量は、特に限定されないが、一般的に繊維の乾燥質量対比0.01〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がさらに好ましい。
かかる害虫忌避成分としても特に限定されるものではないが、例えば、ピレスロイド系化合物(ピレストリン、シネリン、ジャスモリン、アレスリン、テトラメトリン、レスメトリン、フラメトリン、フェノトリン、ペルメトリン、シフェノトリン、ベラトリン、エトフェンプロックス、シフルトリン、テフルトリン、ビフェントリン、シラフルオフェン)、トルアミド系化合物(ディート)、3−(N−n−ブチル−N−アセチル)アミノプロピオン酸エチルエステル(IR 3535)、ピペリジン系化合物である1−メチルプロピル 2−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペリジンカルボキシラート(イカリジン)、テルペン系化合物であるp−メンタン−3,8−ジオール(ユーカリジオール)、イソボルニルシクロヘキサノールが挙げられるが、中でもピペリジン系化合物、テルペン系化合物を用いる場合に、紫外線吸収能付与時の害虫忌避性の向上効果が一層顕著に優れる点で好ましい。その中でもイカリジンやユーカリジオールなどが特に好適であり、相乗効果が特に顕著にみられる。
本発明においては、紫外線吸収能とともに害虫忌避性能を繊維構造物に付与することにより、紫外線吸収能を付与しない場合に比較して、害虫忌避性能を相乗的に向上せしめることができるので、同量の害虫忌避剤の使用では、より優れた害虫忌避効果を発揮し得る、あるいは所望の害虫忌避効果を得るための忌避剤使用量を低減することができる点で実用上極めて好ましい。さらに、イカリジン、ユーカリジオール、DEETは忌避性が高いため、上記効果が特に顕著である。なかでも、イカリジンおよびユーカリジオールは忌避性の高いDEETと同等の忌避性を有しているにもかかわらずDEETよりも安全性が高いため、最も好ましい。よって、子供などの乳幼児が取り扱う衣類に応用しても、より効果的に害虫忌避効果を発揮し得る、あるいは、所望の害虫忌避効果を得るための忌避剤使用量をよりいっそう低減することができる点で好ましい。また、これらは単独で用いてもよいし、両方を混合し、混合忌避成分として用いてもよい。
本発明の害虫忌避成分が適用され得る害虫としては、衛生害虫、不快害虫、農業害虫として知られるものである。より具体的には、例えばアカイエカ、コガタアカイエカ、チカイエカ、ネッタイイエカなどイエカ属、ネッタイシマカ、ヒトスジシマカなどヤブカ属、シナハマダラカなどハマダラカ属などを含む蚊類、イエバエ、サシバエなどイエバエ科、ヒメイエバエなどヒメイエバエ科、ケブカクロバエなどクロバエ科、シマバエ科、キイロショウジョウバエなどショウジョウバエ科、ツェツェバエ科、ノミバエ科、センチニクバエなどニクバエ科などを含むハエ類、オオチョウバエ、ホシチョウバエなどのチョウバエ類、セスジユスリカ、アカムシユスリカなどのユスリカ類の飛翔害虫が挙げられる。これら飛翔害虫にはたとえばコガタアカイエカ、ヒトスジシマカ、ネッタイシマカ、サシバエ、ツェツェバエなどの吸血性昆虫もしくは刺咬性害虫と呼ばれ病原体を媒介することが知られるものを含んでいる。また、イガ、コイガなどヒロズコガ科、ノシメマダラメイガなどメイガ科などのガ類が挙げられ、これらのガ類はその幼虫が衣料害虫として知られている。また、ヒメカツオブシムシ、ヒメマルカツオブシムシなどカツオブシムシ科、ゾウムシ科、コクヌスト科、シバンムシ科の甲虫類が挙げられる。これらは、食品、農作物などの食害をなすものとして知られており、カツオブシムシ科の甲虫ではさらに衣料品に対する食害をなすものもある。また、クロヤマアリ、トビイロシワアリ、イエヒメアリ、アミメアリ、アルゼンチンアリ、ヒアリ等のアリ類、アシナガバチ、スズメバチなどのハチ類さらにはヤケヒョウダニ、マダニなどのダニ類などが挙げられる。
害虫忌避成分の繊維への担持量は、特に限定されないが、繊維の乾燥質量対比0.01〜10質量%が好ましく、0.1〜5.0質量%がさらに好ましい。害虫忌避成分としては、蚊忌避剤であることが好ましい。
本発明において、繰り返しもしくは長時間の使用を考えた際に、実用耐久性を付与する方法としては特に限られているわけではないが、害虫忌避成分の繊維への練り込み、繊維内部への含浸、樹脂の付与などが挙げられ、これらは目的に応じて適宜選択することができる。繊維への練り込みや繊維内部への含浸では害虫忌避成分が繊維内部へ入り込むことで洗濯などの耐久性には優れるので、耐久性を重視する場合に選択可能である。一方、より高い忌避性能を重視する場合には、繊維構造物に樹脂を付与することが好ましい。樹脂を付与する場合、その態様は特に限られているわけではないが、バインダー樹脂により害虫忌避成分を繊維と付着させ、揮発抑制および/または脱落抑制するもの、樹脂をマイクロカプセル形状にして害虫忌避成分を包み込み、そのマイクロカプセルを繊維と付着させることで、揮発抑制および/または脱落抑制する方法などが挙げられる。
この中でもマイクロカプセルは害虫忌避成分を包み込むことで熱による揮発を大幅に抑制できると共に、洗濯などの物理衝撃に対しても高い強度を有することができるため長時間の忌避効果や洗濯耐久性に優れるため好ましい。さらにはこれらの樹脂は単独または複数で樹脂層を形成してもよいし、上記方法を併用してもよい。
上記バインダー樹脂としてはシリコーン樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂から選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。これらの樹脂は単独または複数で使用することができる。
上記シリコーン樹脂としてはメチルハイドロジェンシリコーン、ジメチルシリコーン、アミノ変性シリコーン、エポキシシリコーンが挙げられる。
メラミン樹脂としてはトリメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミンなどが挙げられる。
ウレタン樹脂としてはイソシアネート基に対して反応性のある活性水素を2個以上有する化合物とポリイソシアネートとを反応させた化合物である。ポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート;トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート等を挙げることができる。
アクリル系樹脂としては、アルキルアクリレート、ヒドロキシアルキルアクリレート、グリシジルアクリレート等のアクリレート;アルキルメタクリレート、ヒドロキシアルキルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメチルメタクリレート、シリコーン変性メタクリレート、ウレタン変性メタクリレート等のメタクリレート;アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、アルキロールアルキルアミド等の単量体の1種から得られる単独重合体およびそれらの2種以上から得られる共重合体が挙げられる。
バインダー樹脂は繊維質量に対し、0.1〜1.2質量%付与することが好ましい。0.1質量%以上とすることで十分な耐久性が得られ、1.2質量%以下とすることで、十分な耐久性が得られ、かつ繊維の優れた風合いを有する上に、樹脂で構成される層が過剰に厚くなることもなく、優れた忌避効果が得られるものである。
本発明に用いるマイクロカプセルの樹脂としては、無機系または有機系材料が好ましく、例えばポリスチレン、エチルセルロース、ポリアミド、ポリアクリル酸、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、カルボキシメチルセルロースなどが挙げられる。中でも、メラミン樹脂は被膜強力、耐薬品、接着性、透明性の点において優れており好ましい壁材である。
マイクロカプセルの粒径は0.1〜20μmが好ましい。そして、被膜強度、凝集、製品品位の観点から、具体的なマイクロカプセルとしては、0.1〜20μmの粒径を有する微多孔質の無機粒子、または粒径0.1〜20μmの中空微多孔を有するメラミン樹脂系、ウレタン樹脂系粒子またはアクリル樹脂系粒子が挙げられる。
害虫忌避成分と樹脂を同時に付与する方法としては、所定の濃度の害虫忌避成分と樹脂からなる乳化分散処理液に繊維構造物を浸漬した後、目的とする付着量になるようにマングルで絞り、室温(20℃)〜170℃の温度で乾燥、熱処理するか、また、同処理液をスプレーで塗布した後、同様に乾燥、熱処理しても良い。また、害虫忌避成分を先に繊維構造物に付与した後、樹脂を付着させる方法については、所定の濃度の害虫忌避成分を繊維に付与した後、所定濃度の樹脂の乳化分散液にかかる繊維構造物を浸漬した後、目的とする付着量になるようにマングルで絞った後、室温(20℃)〜170℃の温度で乾燥、熱処理するという2段法がある。このような2段法によると、繊維表面に樹脂層が形成されるので好ましい。例えばシリコーン樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂から選ばれた少なくとも1種は、樹脂層を形成する際、被膜を形成しやすい点でも好ましい。これらの樹脂は単独または複数で樹脂層を形成してもよい。
害虫忌避成分を先に繊維に付与する方法についても、特に限定されるものではないが、害虫忌避成分からなる処理液に繊維構造物を浸漬した後、目的とする付着量になるようにマングルで絞った後、室温(20℃)〜80℃の温度で乾燥する方法や繊維構造物を処理液に浸漬したまま、液の温度を50〜130℃で処理する浴中処理を行った後、室温(20℃)〜80℃の温度で乾燥させる方法がある。
その後樹脂を付着させるには、所定濃度の樹脂の乳化分散液にかかる繊維構造物を浸漬した後、目的とする付着量になるようにマングルで絞った後、室温(20℃)〜130℃ の温度で乾燥する方法や繊維構造物を処理液に浸漬したまま、液の温度を50〜130℃で処理する浴中処理を行った後、室温(20℃)〜80℃の温度で乾燥させる方法や常圧スチーマーを用いて100℃の水蒸気雰囲気下で処理する方法がある。
担持方法は、害虫忌避成分が繊維にムラなく付与できる点で、パディング方式が好ましい。また該害虫忌避成分が乾燥の熱が高いと揮発することから、90〜130℃で乾燥することが好ましい。
また、害虫忌避成分と紫外線吸収剤を同時に繊維に付与する方法についても、特に限定されるものではないが、害虫忌避成分および紫外線吸収剤からなる処理液に繊維構造物を浸漬した後、目的とする付着量になるようにマングルで絞った後、室温(20℃)〜80℃の温度で乾燥する方法や繊維構造物を処理液に浸漬したまま、液の温度を50〜130℃で処理する浴中処理を行った後、室温(20℃)〜80℃の温度で乾燥させる方法がある。
上記のように樹脂を付与する方法によれば、JIS L0217(2010年度版)103法での洗濯10回後においても後述する紫外線吸収率が50%以上である繊維構造物を得ることも可能である。より好ましい態様においては、紫外線吸収剤の脱落が抑制できる点から、紫外線吸収剤を繊維内部に拡散する方法が好ましい。
また、JIS L0217(2010年度版)103法での洗濯10回後においても後述する忌避率が50%以上である繊維構造物を得ることも可能である。より好ましい態様においては、害虫忌避成分の効果を十分に発揮できる点から、害虫忌避成分を繊維表面に付与する方法が好ましい。
本発明の繊維構造物に使用される繊維の素材としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートなどや、これらに第三成分を共重合してなる芳香族ポリエステル等からなる芳香族ポリエステル系繊維、L−乳酸を主成分とするもので代表される脂肪族ポリエステル系繊維、ナイロン6やナイロン66などのポリアミド系繊維、ポリアクリロニトリルを主成分とするアクリル系繊維、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維などの合成繊維、アセテートやレーヨンなどの半合成繊維、木綿、絹および羊毛などの天然繊維が挙げられる。本発明では、これらの繊維を単独または2種以上の混合物として使用することができる。本発明においては、合成繊維の一部にアセテートやレーヨンなどの半合成繊維、木綿、絹および羊毛などの天然繊維が含まれているような態様であっても差し支えない。
本発明の繊維構造物の態様は特に限られているわけではないが、前記繊維を使用してなる織物、編物または不織布などの布帛状物、あるいは紐状物などが含まれるが、忌避効果をより発揮するという点から好ましくは織物または編物が本発明の忌避効果を必要とする用途として好ましい形態である。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。なお、本例中の忌避率、紫外線吸収率は次の方法により求めた。
(1)忌避率
被験者の手にビニール手袋をはめ、その上に筒状にした試料を巻きつける。
被験者の手にビニール手袋をはめ、その上に筒状にした試料を巻きつける。
気温25±2℃、湿度70〜80%の条件下で、30匹の供試虫(ヒトスジシマカ)を放った25×25×25cmのケージ内に肘上まで2分間挿入し、試料上に止まった供試虫の数を数え累積飛来数とする。
試験は、無処理検体を巻き付けた場合の累積飛来数と処理検体を巻き付けた場合の累積飛来数との比較により、忌避率を算出する。
忌避率の計算は以下の式を用いた。
忌避率(%)={(ケージ内の蚊の数(30匹)−処理検体の累積飛来数)/ケージ内の蚊の数(30匹)}×100。
忌避率(%)={(ケージ内の蚊の数(30匹)−処理検体の累積飛来数)/ケージ内の蚊の数(30匹)}×100。
(2)試験用基布
タテ糸、ヨコ糸ともに150デシテックス、48フィラメントのポリエチレンテレフタレート糸を用い織物を製織した。
タテ糸、ヨコ糸ともに150デシテックス、48フィラメントのポリエチレンテレフタレート糸を用い織物を製織した。
得られた上記生機はオープンソーパーで精練し(90℃)、次いでピンテンターで中間セットし(180℃×40秒)、液流染色機で蛍光白色に染色し、幅:148cm、タテ糸密度:76本/2.54cm、ヨコ糸密度:68本/2.54cmの織物を得て試験用基布とした。
(3)付着量の評価
付着量については、理論的には絞り率からも計算可能であるが、実際の付着量は下記の方法で測定する。
付着量(%)=((薬剤付与し乾燥後の質量−処理前質量)/処理前質量)*100
付着量については、理論的には絞り率からも計算可能であるが、実際の付着量は下記の方法で測定する。
付着量(%)=((薬剤付与し乾燥後の質量−処理前質量)/処理前質量)*100
(4)紫外線吸収率
アパレル製品等品質性能対策協議会ガイドラインで規定される方法で、280nm〜400nmにおいて、分光光度計を用いて試験片に照射した紫外線の透過率(%)を測定し、5回測定の平均値を紫外線吸収率とした。紫外線吸収率は以下の式に従って算出する。
紫外線吸収率(%)=100−透過率(%)
アパレル製品等品質性能対策協議会ガイドラインで規定される方法で、280nm〜400nmにおいて、分光光度計を用いて試験片に照射した紫外線の透過率(%)を測定し、5回測定の平均値を紫外線吸収率とした。紫外線吸収率は以下の式に従って算出する。
紫外線吸収率(%)=100−透過率(%)
(実施例1)
害虫忌避成分であるイカリジンを6g/Lになるように水中に乳化分散し、さらに紫外線吸収剤であるベンゾトリアゾール系化合物(LPX−80EZ(日華化学(株)製))を混合した乳化分散溶液を作製した。この乳化分散溶液に試験用基布を含浸させマングルで絞った後、130℃で乾燥させ、絞り率(ピックアップ)から計算し、イカリジンの付着量が繊維質量に対し0.1質量%、紫外線吸収剤の付着量が繊維質量に対しに0.1質量%なるように付着させた。この基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は70.0%であった。また、紫外線吸収率は75.4%であった。
害虫忌避成分であるイカリジンを6g/Lになるように水中に乳化分散し、さらに紫外線吸収剤であるベンゾトリアゾール系化合物(LPX−80EZ(日華化学(株)製))を混合した乳化分散溶液を作製した。この乳化分散溶液に試験用基布を含浸させマングルで絞った後、130℃で乾燥させ、絞り率(ピックアップ)から計算し、イカリジンの付着量が繊維質量に対し0.1質量%、紫外線吸収剤の付着量が繊維質量に対しに0.1質量%なるように付着させた。この基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は70.0%であった。また、紫外線吸収率は75.4%であった。
(実施例2)
実施例1においてイカリジンの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は83.3%であった。また、紫外線吸収率は71.1%であった。
実施例1においてイカリジンの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は83.3%であった。また、紫外線吸収率は71.1%であった。
(実施例3)
実施例1においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるユーカリジオールを使用した以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は67.6%であった。また、紫外線吸収率は73.2%であった。
実施例1においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるユーカリジオールを使用した以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は67.6%であった。また、紫外線吸収率は73.2%であった。
(実施例4)
実施例1においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるユーカリジオールを使用し、ユーカリジオールの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は83.3%であった。また、紫外線吸収率は69.8%であった。
実施例1においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるユーカリジオールを使用し、ユーカリジオールの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は83.3%であった。また、紫外線吸収率は69.8%であった。
(実施例5)
害虫忌避成分であるイカリジンを6g/Lになるように水中に乳化分散し、さらに紫外線吸収剤であるベンゾフェノン系化合物(Sumisorb 130(住化ケムテックス(株)製))を混合した乳化分散溶液を作製した。この乳化分散溶液に試験用基布を含浸させマングルで絞った後、130℃で乾燥させ、絞り率(ピックアップ)から計算し、イカリジンの付着量が繊維質量に対し0.1質量%、紫外線吸収剤の付着量が繊維質量に対しに0.1質量%なるように付着させた。この基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は73.3%であった。また、紫外線吸収率は69.8%であった。
害虫忌避成分であるイカリジンを6g/Lになるように水中に乳化分散し、さらに紫外線吸収剤であるベンゾフェノン系化合物(Sumisorb 130(住化ケムテックス(株)製))を混合した乳化分散溶液を作製した。この乳化分散溶液に試験用基布を含浸させマングルで絞った後、130℃で乾燥させ、絞り率(ピックアップ)から計算し、イカリジンの付着量が繊維質量に対し0.1質量%、紫外線吸収剤の付着量が繊維質量に対しに0.1質量%なるように付着させた。この基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は73.3%であった。また、紫外線吸収率は69.8%であった。
(実施例6)
実施例5においてイカリジンの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は86.7%であった。また、紫外線吸収率は65.6%であった。
実施例5においてイカリジンの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は86.7%であった。また、紫外線吸収率は65.6%であった。
(実施例7)
実施例5においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるユーカリジオールを使用した以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は70.0%であった。また、紫外線吸収率は70.4%であった。
実施例5においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるユーカリジオールを使用した以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は70.0%であった。また、紫外線吸収率は70.4%であった。
(実施例8)
実施例5においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるユーカリジオールを使用し、ユーカリジオールの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は86.7%であった。また、紫外線吸収率は65.5%であった。
実施例5においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるユーカリジオールを使用し、ユーカリジオールの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は86.7%であった。また、紫外線吸収率は65.5%であった。
(実施例9)
実施例1においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるシトロネロールを使用し、シトロネロールの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は56.7%であった。また、紫外線吸収率は67.2%であった。
実施例1においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるシトロネロールを使用し、シトロネロールの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は56.7%であった。また、紫外線吸収率は67.2%であった。
(実施例10)
害虫忌避成分であるイカリジンを、マイクロカプセルの全量に対して質量比25%内包する、壁剤がメラミン樹脂で構成される平均粒子径が1〜3μmのマイクロカプセルが24g/L(防虫成分は6g/L)になるように水中に乳化分散し、さらに紫外線吸収剤であるベンゾトリアゾール系化合物(LPX−80EZ(日華化学(株)製))およびウレタン樹脂(U−30NP(固形分30%、大和化学工業(株)製)18g/Lを混合した乳化分散溶液を作製した。この乳化分散溶液に試験用基布を含浸させマングルで絞った後、130℃で乾燥させ、絞り率(ピックアップ)から計算し、イカリジンの付着量が繊維質量に対し0.5質量%、紫外線吸収剤の付着量が繊維質量に対し0.1質量%になるように付着させたになるように付着させた。この基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は93.3%であった。また、紫外線吸収率は78.9%であった。さらにJIS L0217(2010年度版)103法での洗濯10回後における紫外線吸収率は50%以上を維持していた。JIS L0217(2010年度版)103法での洗濯10回後における忌避率も50%以上を維持していた。
害虫忌避成分であるイカリジンを、マイクロカプセルの全量に対して質量比25%内包する、壁剤がメラミン樹脂で構成される平均粒子径が1〜3μmのマイクロカプセルが24g/L(防虫成分は6g/L)になるように水中に乳化分散し、さらに紫外線吸収剤であるベンゾトリアゾール系化合物(LPX−80EZ(日華化学(株)製))およびウレタン樹脂(U−30NP(固形分30%、大和化学工業(株)製)18g/Lを混合した乳化分散溶液を作製した。この乳化分散溶液に試験用基布を含浸させマングルで絞った後、130℃で乾燥させ、絞り率(ピックアップ)から計算し、イカリジンの付着量が繊維質量に対し0.5質量%、紫外線吸収剤の付着量が繊維質量に対し0.1質量%になるように付着させたになるように付着させた。この基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は93.3%であった。また、紫外線吸収率は78.9%であった。さらにJIS L0217(2010年度版)103法での洗濯10回後における紫外線吸収率は50%以上を維持していた。JIS L0217(2010年度版)103法での洗濯10回後における忌避率も50%以上を維持していた。
(実施例11)
害虫忌避成分であるイカリジンを6g/Lになるように水中に乳化分散し、さらに紫外線吸収剤であるベンゾトリアゾール系化合物(LPX−80EZ(日華化学(株)製))を混合した乳化分散溶液を作製した。この乳化分散溶液に試験用基布を含浸させマングルで絞った後、130℃で乾燥させ、絞り率(ピックアップ)から計算し、イカリジンの付着量が繊維質量に対し0.1質量%、紫外線吸収剤の付着量が繊維質量に対しに0.5質量%なるように付着させた。この基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は73.3%であった。また、紫外線吸収率は89.2%であった。
害虫忌避成分であるイカリジンを6g/Lになるように水中に乳化分散し、さらに紫外線吸収剤であるベンゾトリアゾール系化合物(LPX−80EZ(日華化学(株)製))を混合した乳化分散溶液を作製した。この乳化分散溶液に試験用基布を含浸させマングルで絞った後、130℃で乾燥させ、絞り率(ピックアップ)から計算し、イカリジンの付着量が繊維質量に対し0.1質量%、紫外線吸収剤の付着量が繊維質量に対しに0.5質量%なるように付着させた。この基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は73.3%であった。また、紫外線吸収率は89.2%であった。
(実施例12)
実施例11においてイカリジンの付着量繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は86.7%であった。また、紫外線吸収率は91.1%であった。
実施例11においてイカリジンの付着量繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は86.7%であった。また、紫外線吸収率は91.1%であった。
(実施例13)
実施例11においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるユーカリジオールを使用した以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は70.0%であった。また、紫外線吸収率は87.8%であった。
実施例11においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるユーカリジオールを使用した以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は70.0%であった。また、紫外線吸収率は87.8%であった。
(実施例14)
実施例11においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるユーカリジオールを使用し、ユーカリジオールの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は93.3%であった。また、紫外線吸収率は89.8%であった。
実施例11においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるユーカリジオールを使用し、ユーカリジオールの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は93.3%であった。また、紫外線吸収率は89.8%であった。
(実施例15)
害虫忌避成分であるイカリジンを6g/Lになるように水中に乳化分散し、さらに紫外線吸収剤であるベンゾフェノン系化合物(Sumisorb 130(住化ケムテックス(株)製))を混合した乳化分散溶液を作製した。この乳化分散溶液に試験用基布を含浸させマングルで絞った後、130℃で乾燥させ、絞り率(ピックアップ)から計算し、イカリジンの付着量が繊維質量に対し0.1質量%、紫外線吸収剤の付着量が繊維質量に対しに0.5質量%なるように付着させた。この基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は76.7%であった。また、紫外線吸収率は86.6%であった。
害虫忌避成分であるイカリジンを6g/Lになるように水中に乳化分散し、さらに紫外線吸収剤であるベンゾフェノン系化合物(Sumisorb 130(住化ケムテックス(株)製))を混合した乳化分散溶液を作製した。この乳化分散溶液に試験用基布を含浸させマングルで絞った後、130℃で乾燥させ、絞り率(ピックアップ)から計算し、イカリジンの付着量が繊維質量に対し0.1質量%、紫外線吸収剤の付着量が繊維質量に対しに0.5質量%なるように付着させた。この基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は76.7%であった。また、紫外線吸収率は86.6%であった。
(実施例16)
実施例15においてイカリジンの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は90.0%であった。また、紫外線吸収率は89.1%であった。
実施例15においてイカリジンの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は90.0%であった。また、紫外線吸収率は89.1%であった。
(実施例17)
実施例15においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるユーカリジオールを使用した以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は76.7%であった。また、紫外線吸収率は90.5%であった。
実施例15においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるユーカリジオールを使用した以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は76.7%であった。また、紫外線吸収率は90.5%であった。
(実施例18)
実施例15においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるユーカリジオールを使用し、ユーカリジオールの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は90.0%であった。また、紫外線吸収率は87.3%であった。
実施例15においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるユーカリジオールを使用し、ユーカリジオールの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は90.0%であった。また、紫外線吸収率は87.3%であった。
(実施例19)
実施例11においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるシトロネロールを使用し、シトロネロールの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は60.0%であった。また、紫外線吸収率は86.5%であった。
実施例11においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるシトロネロールを使用し、シトロネロールの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は60.0%であった。また、紫外線吸収率は86.5%であった。
(実施例20)
害虫忌避成分であるイカリジンを、マイクロカプセルの全量に対して質量比25%内包する、壁剤がメラミン樹脂で構成される平均粒子径が1〜3μmのマイクロカプセルが24g/L(防虫成分は6g/L)になるように水中に乳化分散し、さらに紫外線吸収剤であるベンゾトリアゾール系化合物(LPX−80EZ(日華化学(株)製))およびウレタン樹脂(U−30NP(固形分30%、大和化学工業(株)製)18g/Lを混合した乳化分散溶液を作製した。この乳化分散溶液に試験用基布を含浸させマングルで絞った後、130℃で乾燥させ、絞り率(ピックアップ)から計算し、イカリジンの付着量が繊維質量に対し0.5質量%、紫外線吸収剤の付着量が繊維質量に対し0.5質量%になるように付着させたになるように付着させた。この基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は96.7%であった。また、紫外線吸収率は94.2%であった。さらにJIS L0217(2010年度版)103法での洗濯10回後における紫外線吸収率は50%以上を維持していた。JIS L0217(2010年度版)103法での洗濯10回後における忌避率も50%以上を維持していた。
害虫忌避成分であるイカリジンを、マイクロカプセルの全量に対して質量比25%内包する、壁剤がメラミン樹脂で構成される平均粒子径が1〜3μmのマイクロカプセルが24g/L(防虫成分は6g/L)になるように水中に乳化分散し、さらに紫外線吸収剤であるベンゾトリアゾール系化合物(LPX−80EZ(日華化学(株)製))およびウレタン樹脂(U−30NP(固形分30%、大和化学工業(株)製)18g/Lを混合した乳化分散溶液を作製した。この乳化分散溶液に試験用基布を含浸させマングルで絞った後、130℃で乾燥させ、絞り率(ピックアップ)から計算し、イカリジンの付着量が繊維質量に対し0.5質量%、紫外線吸収剤の付着量が繊維質量に対し0.5質量%になるように付着させたになるように付着させた。この基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は96.7%であった。また、紫外線吸収率は94.2%であった。さらにJIS L0217(2010年度版)103法での洗濯10回後における紫外線吸収率は50%以上を維持していた。JIS L0217(2010年度版)103法での洗濯10回後における忌避率も50%以上を維持していた。
(比較例1)
害虫忌避成分であるイカリジンを6g/Lになるように水中に乳化分散し、乳化分散溶液を作製した。この乳化分散溶液に試験用基布を含浸させマングルで絞った後、130℃で乾燥させ、絞り率(ピックアップ)から計算し、イカリジンの付着量が繊維質量に対し0.1質量%になるように付着させた。この基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は60.0%であった。また、紫外線吸収率は12.1%であった。
害虫忌避成分であるイカリジンを6g/Lになるように水中に乳化分散し、乳化分散溶液を作製した。この乳化分散溶液に試験用基布を含浸させマングルで絞った後、130℃で乾燥させ、絞り率(ピックアップ)から計算し、イカリジンの付着量が繊維質量に対し0.1質量%になるように付着させた。この基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は60.0%であった。また、紫外線吸収率は12.1%であった。
(比較例2)
比較例1においてイカリジンの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は73.3%であった。また、紫外線吸収率は10.6%であった。
比較例1においてイカリジンの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は73.3%であった。また、紫外線吸収率は10.6%であった。
(比較例3)
比較例1においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるユーカリジオールを使用した以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は56.7%であった。また、紫外線吸収率は9.7%であった。
比較例1においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるユーカリジオールを使用した以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は56.7%であった。また、紫外線吸収率は9.7%であった。
(比較例4)
比較例1においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるユーカリジオールを使用し、ユーカリジオールの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は70.0%であった。また、紫外線吸収率は11.5%であった。
比較例1においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるユーカリジオールを使用し、ユーカリジオールの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は70.0%であった。また、紫外線吸収率は11.5%であった。
(比較例5)
比較例1においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるシトロネロールを使用し、シトロネロールの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は53.3%であった。また、紫外線吸収率は10.1%であった。
比較例1においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるシトロネロールを使用し、シトロネロールの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は53.3%であった。また、紫外線吸収率は10.1%であった。
(比較例6)
紫外線吸収剤であるベンゾトリアゾール系化合物(LPX−80EZ(日華化学(株)製))を混合した乳化分散溶液を作製した。この乳化分散溶液に試験用基布を含浸させマングルで絞った後、130℃で乾燥させ、絞り率(ピックアップ)から計算し、紫外線吸収剤の付着量が繊維質量に対し0.1質量%になるように付着させた。この基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は33.3%であった。また、紫外線吸収率は72.1%であった。
紫外線吸収剤であるベンゾトリアゾール系化合物(LPX−80EZ(日華化学(株)製))を混合した乳化分散溶液を作製した。この乳化分散溶液に試験用基布を含浸させマングルで絞った後、130℃で乾燥させ、絞り率(ピックアップ)から計算し、紫外線吸収剤の付着量が繊維質量に対し0.1質量%になるように付着させた。この基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は33.3%であった。また、紫外線吸収率は72.1%であった。
(比較例7)
比較例6において紫外線吸収剤の付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は36.7%であった。また、紫外線吸収率は87.4%であった。
比較例6において紫外線吸収剤の付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は36.7%であった。また、紫外線吸収率は87.4%であった。
(比較例8)
比較例6においてベンゾトリアゾール系化合物(LPX−80EZ(日華化学(株)製))の代わりに紫外線吸収剤であるベンゾフェノン系化合物(Sumisorb 130(住化ケムテックス(株)製))を使用した以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は30.0%であった。また、紫外線吸収率は68.9%であった。
比較例6においてベンゾトリアゾール系化合物(LPX−80EZ(日華化学(株)製))の代わりに紫外線吸収剤であるベンゾフェノン系化合物(Sumisorb 130(住化ケムテックス(株)製))を使用した以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は30.0%であった。また、紫外線吸収率は68.9%であった。
(比較例9)
比較例6においてベンゾトリアゾール系化合物(LPX−80EZ(日華化学(株)製))の代わりに紫外線吸収剤であるベンゾフェノン系化合物(Sumisorb 130(住化ケムテックス(株)製))を使用し、紫外線吸収剤の付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は36.7%であった。また、紫外線吸収率は84.4%であった。
比較例6においてベンゾトリアゾール系化合物(LPX−80EZ(日華化学(株)製))の代わりに紫外線吸収剤であるベンゾフェノン系化合物(Sumisorb 130(住化ケムテックス(株)製))を使用し、紫外線吸収剤の付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は36.7%であった。また、紫外線吸収率は84.4%であった。
Claims (8)
- 害虫忌避機能と紫外線吸収能を有する害虫忌避繊維構造物。
- 害虫忌避成分を含むものである請求項1に記載の害虫忌避繊維構造物。
- 前記繊維構造物が280nm〜400nmの紫外光を50%以上吸収するものである請求項1もしくは2に記載の害虫忌避繊維構造物。
- 紫外線吸収剤を含むものである請求項1から3いずれかに記載の害虫忌避繊維構造物。
- 前記紫外線吸収剤がベンゾトリアゾール系化合物である請求項1から4いずれかに記載の害虫忌避繊維構造物。
- 前記害虫忌避成分がピペリジン系化合物もしくはテルペン系化合物を含む請求項1から5いずれかに記載の害虫忌避繊維構造物。
- 前記繊維構造物がJIS L0217(2010年度版)103法での洗濯10回後においても忌避率が50%以上あることを特徴とする請求項1から6いずれかに記載の害虫忌避繊維構造物。
- 前記繊維構造物がJIS L0217(2010年度版)103法での洗濯10回後においても紫外光を50%以上吸収することを特徴とする請求項1から7いずれかに記載の害虫忌避繊維構造物。
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