JP7119336B2 - 害虫忌避繊維構造物およびその製造方法 - Google Patents

害虫忌避繊維構造物およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、消臭性能を発揮しながらも蚊などの衛生害虫に対する優れた害虫忌避能を有する繊維構造物およびその製造方法に関する。
蚊をはじめとする衛生害虫から人体を守るための害虫忌避繊維構造物は広く実用されており、その忌避性能や人体への安全性の向上を目的とした改良が多く成されている。高い忌避性能を発揮するには害虫忌避成分を高濃度で付与すればよいが、人体への安全性を考慮した際に生体安全性の低い害虫忌避成分は多量に用いることができない。
例えば、ディート(DEET)は世界的に何十年と使用され続けているが低用量のDEETで神経系への影響があった事例があり、現在では小児(12歳未満)に使用させる場合には使用制限を設けている。(非特許文献1)。
また、ディートなどの害虫忌避成分を含む人体用害虫忌避剤に例えば上記組成物の安定性を高めたり、使用感を更に良くしたりするために、必要に応じて、増粘剤、安定剤、消臭剤や紫外線散乱剤、消炎剤、制汗剤、保湿剤、界面活性剤、分散剤、香料等の添加剤や補助剤を、組成物の安定性等に影響を及ぼさない範囲で配合することができることが特許文献1に開示されているが、具体的にこれらの剤を配合した事例の開示はなく、どの剤が人体用害虫忌避剤にどのような性質の変化を与えるかについて予想させる開示もない。また、上記人体用害虫忌避剤が人体用の害虫忌避用途だけでなく、殺虫・殺ダニ用や殺菌・抗菌用、あるいは消臭・防臭用途等にも利用できる可能性があるとも開示されているが、どのようにすれば、どのように利用できるかについて何ら記載されていない。
特許第5057856号明細書
厚生労働省医薬食品局安全対策課、ディートを含有する医薬品及び医薬部外品に関する安全対策について、[online]、平成17年8月24日、http://www.mhlw.go.jp/topics/2005/08/tp0824-1.html
本発明は、消臭性能を有するだけでなく、本来有する害虫忌避性能がより高められた繊維構造物を提供することを課題とする。
上記課題は、繊維構造物に消臭性能と害虫忌避機能を付与することで消臭性能を有さない場合に比較して害虫忌避性能が相乗的に向上することを見出した。
すなわち、本発明は下記の構成を有する。
(1)害虫忌避機能と消臭性能を有する害虫忌避繊維構造物。
(2)害虫忌避成分を含むものである前記(1)に記載の害虫忌避繊維構造物。
(3)前記繊維構造物がアンモニアに対して消臭率が50%以上を示す前記(1)もしくは(2)に記載の害虫忌避繊維構造物。
(4)消臭剤を含むものである(1)から(3)いずれかに記載の害虫忌避繊維構造物。
(5)前記消臭剤が酸化亜鉛化合物である(1)から(4)いずれかに記載の害虫忌避繊維構造物。
(6)前記害虫忌避成分がピペリジン系化合物もしくはテルペン系化合物を含む(1)から(5)いずれかに記載の害虫忌避繊維構造物。
(7)前記繊維構造物がJIS L0217(2010年度版)103法での洗濯10回後においても忌避率が50%以上あることを特徴とする前記(1)から(6)いずれかに記載の害虫忌避繊維構造物。
(8)前記繊維構造物がJIS L0217(2010年度版)103法での洗濯10回後においてもアンモニアに対して消臭率が50%以上を示すことを特徴とする前記(1)から(7)いずれかに記載の害虫忌避繊維構造物。
本発明の害虫忌避繊維構造物は、害虫忌避機能と消臭性能とを有することにより、消臭性能を有さない場合に比較して害虫忌避機能をより高めることができる。
さらに主として使用される夏季において、優れた害虫忌避機能が得られるだけでなく、汗などからの不快臭を抑制できる点で非常に実用的である。
以下、詳しく本発明の繊維構造物について説明をする。
本発明において、害虫忌避繊維構造物が「消臭性能を有する」とは、繊維構造物がアンモニアに対して消臭率が30%以上を示すことをいい、好ましくは繊維構造物がアンモニアに対して消臭率が50%以上を示すことを特徴とする請求項1もしくは2に記載の害虫忌避繊維構造物。
本発明の繊維構造物は、以下に記載する方法で製造することができる。
本発明で用いられる消臭剤としては、特に制限されるものではないが、カルボン酸化合物がアンモニア、トリメチルアミンなどの塩基性悪臭に対して大きな消臭効果がある。カルボン酸化合物としては、カルボキシル基を含有している化合物であるならば特に限定しないが、なかでも脂肪族ポリカルボン酸化合物が、消臭機能、コストおよび安全性の面で優れていることから、好ましく使用される。中でも、水酸基を有する水酸化合物や、スルホン基を有するスルホン酸化合物などを用いる場合は、カルボキシル基と同様の消臭効果が期待できる。
本発明においては、糞便臭の中に含まれるメチルメルカプタン臭、ジメチルジサルファイド臭およびジメチルトリサルファイド臭などの硫黄系の悪臭を消臭するために、上記カルボン酸化合物に対し、金属を添加してもよい。かかる金属としては、銀、銅および亜鉛から選ばれた少なくとも一種が好ましく、これらの金属は、イオンの形態でポリカルボン酸化合物中に存在することがさらに好ましく、A g 、C u 、C u2 + 、Z n 2 + などが好ましい。
さらに、本発明においては、インドール臭およびスカトール臭の消臭を可能にするために、上記ポリカルボン酸化合物および金属に加えて、さらに多孔質物質を添加してもよい。
かかる多孔質物質の具体例としては、各種アルミノケイ酸塩化合物、各種シリカゲル系化合物(シリカゲル、シリカ・アルミナ、シリカ・マグネシアなど)、活性炭類、活性炭、活性炭素繊維、アルミナ系化合物( アルミナなど)、白土類( アルミナ・ボリア酸性白土、活性白土など)、天然ケイ素質系( セピオライト、パリゴルスカイト、天然および合成ゼオライト、バーミキュライトなど)、各種合成ケイ酸塩、ゼオライト、アパタイト、ハイドロキシアパタイト、二酸化ケイ素と酸化亜鉛の非晶性物質、その他、リン酸ケイ素、リン酸アルミニウム、リン酸チタン、ケイ藻土などが好ましく使用される。また、多孔質状の金属( 複合) 酸化物も好ましく使用される。金属酸化物としては、C uO 、C u O 、M g O 、A l 、Z n O , A g O 、S n O 、S i O 、S r T iO などの金属酸化物や、T i , C u 、M g 、A l 、Z n 、A g 、Z r から選ばれた2 種以上の元素の複合酸化物などが挙げられる。これらの多孔質物質は、金属(複合)酸化物の表面電荷により臭気成分が吸着することから、好ましく用いられる。
上記消臭成分の中から目的に応じて選択されるが、衣料に用いる場合には、上衣、下衣、足部等用いる部位における発臭する特有の臭いの消臭能を有する消臭成分、汗に直接または間接的に起因する臭いを消臭する成分を用いるのが本発明効果を有効に発揮する点で望ましいが、特にアンモニアの消臭率が高い物が好ましく、さらには酸化亜鉛化合物として酸化亜鉛や酸化アルミニウムが複合化した結晶質酸化亜鉛を、多元酸化合物としてクエン酸やリン酸を用いるのがより好ましい。
これら消臭成分は1種または2種以上で用いることができる。
本発明で用いられる消臭剤の繊維構造物への加工方法は特に限定されるものではないが、浴中処理、パディング処理またはスプレー処理などが挙げられ、消臭剤が繊維にムラなく付与できる点で、パディング処理が好ましい。消臭剤が繊維表面に付着している状態は、細菌との接触頻度が高く最も優れているが、この状態は消臭剤が剥離しやすく、洗濯耐久性の観点からは好ましくない。一方、消臭剤が繊維内部に均一に拡散すると、消臭性能は低下するが洗濯耐久性は向上する。以上のことから、消臭剤が繊維内部で繊維表面近傍において分布、もしくは繊維表面から内部に分岐拡散している状態が、消臭性能、洗濯耐久性の両面で優れていると考えられる。
本発明で用いられる消臭剤の繊維への担持量は、特に限定されないが、一般的に繊維の乾燥質量対比0.01~10質量%が好ましく、0.1~5質量%がさらに好ましい。
かかる害虫忌避成分としても特に限定されるものではないが、一般的な害虫忌避成分である例えば、ピレスロイド系化合物(ピレストリン、シネリン、ジャスモリン、アレスリン、テトラメトリン、レスメトリン、フラメトリン、フェノトリン、ペルメトリン、シフェノトリン、ベラトリン、エトフェンプロックス、シフルトリン、テフルトリン、ビフェントリン、シラフルオフェン)、トルアミド系化合物(ディート)、3-(N-n-ブチル-N-アセチル)アミノプロピオン酸エチルエステル(IR 3535)、ピペリジン系化合物である1-メチルプロピル 2-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペリジンカルボキシラート(イカリジン)、テルペン系化合物であるp-メンタン-3,8-ジオール(ユーカリジオール)、イソボルニルシクロヘキサノールが挙げられるが、中でもピペリジン系化合物、テルペン系化合物を用いる場合に、消臭性能付与時の害虫忌避性の向上効果が一層顕著に優れる点で好ましい。その中でもイカリジンやユーカリジオールなどが特に好適であり、相乗効果が特に顕著にみられる。
本発明においては、消臭性能を有するとともに害虫忌避性能を繊維構造物に付与することにより、消臭性能を付与しない場合に比較して、害虫忌避性能を相乗的に向上せしめることができるので、同量の害虫忌避剤の使用では、より優れた害虫忌避効果を発揮し得る、あるいは所望の害虫忌避効果を得るための忌避剤使用量を低減することができる点で実用上極めて好ましい。さらに、イカリジン、ユーカリジオール、DEETは忌避性が高いため、上記効果が特に顕著である。なかでも、イカリジンおよびユーカリジオールは忌避性の高いDEETと同等の忌避性を有しているにもかかわらずDEETよりも安全性が高いため、最も好ましい。よって、子供などの乳幼児が取り扱う衣類に応用しても、より効果的に害虫忌避効果を発揮し得る、あるいは、所望の害虫忌避効果を得るための忌避剤使用量をよりいっそう低減することができる点で好ましい。また、これらは単独で用いてもよいし、両方を混合し、混合忌避成分として用いてもよい。
本発明の害虫忌避成分が適用され得る害虫としては、衛生害虫、不快害虫、農業害虫として知られるものである。より具体的には、例えばアカイエカ、コガタアカイエカ、チカイエカ、ネッタイイエカなどイエカ属、ネッタイシマカ、ヒトスジシマカなどヤブカ属、シナハマダラカなどハマダラカ属などを含む蚊類、イエバエ、サシバエなどイエバエ科、ヒメイエバエなどヒメイエバエ科、ケブカクロバエなどクロバエ科、シマバエ科、キイロショウジョウバエなどショウジョウバエ科、ツェツェバエ科、ノミバエ科、センチニクバエなどニクバエ科などを含むハエ類、オオチョウバエ、ホシチョウバエなどのチョウバエ類、セスジユスリカ、アカムシユスリカなどのユスリカ類の飛翔害虫が挙げられる。これら飛翔害虫にはたとえばコガタアカイエカ、ヒトスジシマカ、ネッタイシマカ、サシバエ、ツェツェバエなどの吸血性昆虫もしくは刺咬性害虫と呼ばれ病原体を媒介することが知られるものを含んでいる。また、イガ、コイガなどヒロズコガ科、ノシメマダラメイガなどメイガ科などのガ類が挙げられ、これらのガ類はその幼虫が衣料害虫として知られている。また、ヒメカツオブシムシ、ヒメマルカツオブシムシなどカツオブシムシ科、ゾウムシ科、コクヌスト科、シバンムシ科の甲虫類が挙げられる。これらは、食品、農作物などの食害をなすものとして知られており、カツオブシムシ科の甲虫ではさらに衣料品に対する食害をなすものもある。また、クロヤマアリ、トビイロシワアリ、イエヒメアリ、アミメアリ、アルゼンチンアリ、ヒアリ等のアリ類、アシナガバチ、スズメバチなどのハチ類さらにはヤケヒョウダニ、マダニなどのダニ類などが挙げられる。
害虫忌避成分の繊維への担持量は、特に限定されないが、一般的に繊維の乾燥質量対比0.01~10質量%が好ましく、0.1~5.0質量%がさらに好ましい。害虫忌避成分としては、蚊忌避剤であることが好ましい。
本発明において、繰り返しもしくは長時間の使用を考えた際に、実用耐久性を付与する方法としては特に限られているわけではないが、害虫忌避成分の繊維への練り込み、繊維内部への含浸、樹脂の付与などが挙げられる。繊維への練り込みや繊維内部への含浸では害虫忌避成分が繊維内部へ入り込むことで洗濯などの耐久性には優れるので、耐久性を重視する場合に選択可能である。一方、より高い忌避性能を重視する場合には、繊維構造物に樹脂を付与することが好ましい。樹脂を付与する場合、樹脂の態様は特に限られているわけではないが、バインダー樹脂により害虫忌避成分を繊維と付着させ、揮発抑制および/または脱落抑制するもの、樹脂をマイクロカプセル形状にして害虫忌避成分を包み込み、そのマイクロカプセルを繊維と付着させることで、揮発抑制および/または脱落抑制する方法などが挙げられる。
この中でもマイクロカプセルは害虫忌避成分を包み込むことで熱による揮発を大幅に抑制できると共に、洗濯などの物理衝撃に対しても高い強度を有することができるため長時間の忌避効果や洗濯耐久性に優れるため好ましい。さらにはこれらの樹脂は単独または複数で樹脂層を形成してもよい。
上記バインダー樹脂としてはシリコーン樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂から選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。これらの樹脂は単独または複数で使用することができる。
上記シリコーン樹脂としてはメチルハイドロジェンシリコーン、ジメチルシリコーン、アミノ変性シリコーン、エポキシシリコーンが挙げられる。
メラミン樹脂としてはトリメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミンなどが挙げられる。
ウレタン樹脂としてはイソシアネート基に対して反応性のある活性水素を2個以上有する化合物とポリイソシアネートとを反応させた化合物である。ポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート;トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート等を挙げることができる。
アクリル系樹脂としては、アルキルアクリレート、ヒドロキシアルキルアクリレート、グリシジルアクリレート等のアクリレート;アルキルメタクリレート、ヒドロキシアルキルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメチルメタクリレート、シリコーン変性メタクリレート、ウレタン変性メタクリレート等のメタクリレート;アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、アルキロールアルキルアミド等の単量体の1種から得られる単独重合体およびそれらの2種以上から得られる共重合体が挙げられる。
バインダー樹脂は繊維質量に対し、0.1~1.2質量%付与することが好ましい。0.1質量%以上とすることで十分な耐久性が得られ、1.2質量%以下とすることで、十分な耐久性が得られ、かつ繊維の優れた風合いを有する上に、樹脂で構成される層が過剰に厚くなることもなく、優れた忌避効果が得られるものである。
本発明に用いるマイクロカプセルの樹脂としては、無機系または有機系材料が好ましく、例えばポリスチレン、エチルセルロース、ポリアミド、ポリアクリル酸、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、カルボキシメチルセルロースなどが挙げられる。中でも、メラミン樹脂は被膜強力、耐薬品、接着性、透明性の点において優れており好ましい壁材である。
マイクロカプセルの粒径は0.1~20μmが好ましい。そして、被膜強度、凝集、製品品位の観点から、具体的なマイクロカプセルとしては、0.1~20μmの粒径を有する微多孔質の無機粒子、または粒径0.1~20μmの中空微多孔を有するメラミン樹脂系、ウレタン樹脂系粒子またはアクリル樹脂系粒子が挙げられる。
害虫忌避成分と樹脂を同時に付与する方法としては、所定の濃度の害虫忌避成分と樹脂を含む乳化分散処理液に繊維構造物を浸漬した後、目的とする付着量になるようにマングルで絞り、室温(20℃)~170℃ の温度で乾燥、熱処理するか、また、同処理液をスプレーで塗布した後、同様に乾燥、熱処理しても良い。また、害虫忌避成分を先に繊維構造物に付与した後、樹脂を付着させる方法については、所定の濃度の害虫忌避成分を繊維に付与した後、所定濃度の樹脂の乳化分散液にかかる繊維構造物を浸漬した後、目的とする付着量になるようにマングルで絞った後、室温(20℃)~170℃ の温度で乾燥、熱処理するという2段法がある。このような2段法によると、繊維表面に樹脂層が形成されるので好ましい。例えばシリコーン樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂から選ばれた少なくとも1種は、樹脂層を形成する際、被膜を形成しやすい点でも好ましい。これらの樹脂は単独または複数で樹脂層を形成してもよい。
害虫忌避成分を先に繊維に付与する方法についても、特に限定されるものではないが、害虫忌避成分を含む処理液に繊維構造物を浸漬した後、目的とする付着量になるようにマングルで絞った後、室温(20℃)~80℃ の温度で乾燥する方法や繊維構造物を処理液に浸漬したまま、液の温度を50~130℃で処理する浴中処理を行った後、室温(20℃)~80℃ の温度で乾燥させる方法がある。
その後樹脂を付着させるには、所定濃度の樹脂の乳化分散液にかかる繊維構造物を浸漬した後、目的とする付着量になるようにマングルで絞った後、室温(20℃)~130℃ の温度で乾燥する方法や繊維構造物を処理液に浸漬したまま、液の温度を50~130℃で処理する浴中処理を行った後、室温(20℃)~80℃ の温度で乾燥させる方法や常圧スチーマーを用いて100℃の水蒸気雰囲気下で処理する方法がある。
担持方法は、害虫忌避成分が繊維にムラなく付与できる点で、パディング方式が好ましい。また該害虫忌避成分が乾燥の熱が高いと揮発することから、90~130℃で乾燥することが好ましい。
また、害虫忌避成分と消臭剤を同時に繊維に付与する方法についても、特に限定されるものではないが、害虫忌避成分および消臭剤を含む処理液に繊維構造物を浸漬した後、目的とする付着量になるようにマングルで絞った後、室温(20℃)~80℃ の温度で乾燥する方法や繊維構造物を処理液に浸漬したまま、液の温度を50~130℃で処理する浴中処理を行った後、室温(20℃)~80℃ の温度で乾燥させる方法がある。
上記のように樹脂を付与する方法によれば、JIS L0217(2010年度版)103法での洗濯10回後においてもアンモニアに対して消臭率が50%以上を示す繊維構造物を得ることも可能である。より好ましい態様においては、消臭剤の脱落が抑制できる点から、消臭剤を繊維内部に拡散する方法が好ましい。
また、JIS L0217(2010年度版)103法での洗濯10回後においても後述する忌避率が50%以上である繊維構造物を得ることも可能である。より好ましい態様においては、害虫忌避成分の効果を十分に発揮できる点から、害虫忌避成分を繊維表面に付与する方法が好ましい。
本発明の繊維構造物に使用される繊維の素材としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートなどや、これらに第三成分を共重合してなる芳香族ポリエステル等の芳香族ポリエステル系繊維、L-乳酸を主成分とするもので代表される脂肪族ポリエステル系繊維、ナイロン6やナイロン66などのポリアミド系繊維、ポリアクリロニトリルを主成分とするアクリル系繊維、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維などの合成繊維が挙げられる。本発明では、これらの繊維を単独または2種以上の混合物として使用することができる。本発明においては、一部にアセテートやレーヨンなどの半合成繊維、木綿、絹および羊毛などの天然繊維が含まれていても差し支えない。
本発明の繊維構造物の態様は特に限られているわけではないが、前記繊維を使用してなる織物、編物または不織布などの布帛状物、あるいは紐状物などが含まれるが、忌避効果をより発揮するという点から好ましくは織物または編物が本発明の忌避効果を必要とする用途として好ましい形態である。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。なお、本例中の忌避率、消臭率は次の方法により求めた。
(1)忌避率
被験者の手にビニール手袋をはめ、その上に筒状にした試料を巻きつける。
気温25±2℃、湿度70~80%の条件下で、30匹の供試虫(ヒトスジシマカ)を放った25×25×25cmのケージ内に肘上まで2分間挿入し、試料上に止まった供試虫の数を数え累積飛来数とする。
試験は、無処理検体を巻き付けた場合の累積飛来数と処理検体を巻き付けた場合の累積飛来数との比較により、忌避率(害虫忌避率)を算出する。
忌避率の計算は以下の式を用いた。
忌避率(%)={(ケージ内の蚊の数(30匹)-処理検体の累積飛来数)/ケージ内の蚊の数(30匹)}×100。
(2)消臭率
10cm×5cmに裁断した試料を入れた500mlの容器に初期濃度が300ppmになるようにアンモニアガスをいれて密閉し、30分間放置後、ガス検知管で残留アンモニア濃度を測定した。このとき、試料を入れずに同様の操作を行い残留アンモニア濃度を測定したものを空試験濃度とし、下記の式に従い消臭率(%)として算出した。
消臭率(%)=(1-(ガス検知管測定濃度)/(空試験濃度))×100
数値が大きいほど、消臭性が良好なことを示す。
(3)試験用基布
タテ糸、ヨコ糸ともに150デシテックス、48フィラメントのポリエチレンテレフタレート糸を用い織物を製織した。
得られた上記生機はオープンソーパーで精練し(90℃)、次いでピンテンターで中間セットし(180℃×40秒)、液流染色機で蛍光白色に染色し、幅:148cm、タテ糸密度:76本/2.54cm、ヨコ糸密度:68本/2.54cmの織物を得て試験用基布とした。
(4)付着量の評価
付着量については、理論的には、絞り率等の製造条件からも計算可能であるが、実際の付着量は下記の方法で測定する。
付着量(%)=((薬剤付与し乾燥後の質量-処理前質量)/処理前質量)*100
以下の実施例9、実施例19は表中も含め、それぞれ参考例1、2と読み替えるものとする。
(実施例1)
害虫忌避成分であるイカリジンを6g/Lになるように水中に乳化分散し、さらに消臭剤である酸化亜鉛系化合物(“ザオバタック”NANO-20(大和化学工業(株)製))を混合した乳化分散溶液を作製した。この乳化分散溶液に試験用基布を含浸させマングルで絞った後、130℃で乾燥させ、絞り率(ピックアップ)から計算し、イカリジンの付着量が繊維質量に対し0.1質量%、消臭剤の付着量が繊維質量に対しに0.1質量%なるように付着させた。この基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は70.0%であった。また、消臭率は66.2%であった。
(実施例2)
実施例1においてイカリジンの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は83.3%であった。また、消臭率は63.2%であった。
(実施例3)
実施例1においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるユーカリジオールを使用した以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は67.6%であった。また、消臭率は58.9%であった。
(実施例4)
実施例1においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるユーカリジオールを使用し、ユーカリジオールの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は83.3%であった。また、消臭率は60.1%であった。
(実施例5)
害虫忌避成分であるイカリジンを6g/Lになるように水中に乳化分散し、さらに消臭剤である脂肪族ポリカルボン酸塩系化合物(SZ-2B-ZC(ナガセケムテックス(株)製)を混合した乳化分散溶液を作製した。この乳化分散溶液に試験用基布を含浸させマングルで絞った後、130℃で乾燥させ、絞り率(ピックアップ)から計算し、イカリジンの付着量が繊維質量に対し0.1質量%、消臭剤の付着量が繊維質量に対しに0.1質量%なるように付着させた。この基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は73.3%であった。また、消臭率は63.3%であった。
(実施例6)
実施例5においてイカリジンの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は86.7%であった。また、消臭率は65.5%であった。
(実施例7)
実施例5においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるユーカリジオールを使用した以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は70.0%であった。また、消臭率は69.7%であった。
(実施例8)
実施例5においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるユーカリジオールを使用し、ユーカリジオールの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は86.7%であった。また、消臭率は68.4%であった。
(実施例9)
実施例1においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるシトロネロールを使用し、シトロネロールの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は56.7%であった。また、消臭率は67.2%であった。
(実施例10)
害虫忌避成分であるイカリジンを、マイクロカプセルの全量に対して質量比25%内包する、壁剤がメラミン樹脂で構成される平均粒子径が1~3μmのマイクロカプセルが24g/L(防虫成分は6g/L)になるように水中に乳化分散し、さらに消臭剤である酸化亜鉛系化合物(“ザオバタック”NANO-20(大和化学工業(株)製))およびウレタン樹脂(U-30NP(固形分30%、大和化学工業(株)製)18g/Lを混合した乳化分散溶液を作製した。この乳化分散溶液に試験用基布を含浸させマングルで絞った後、130℃で乾燥させ、絞り率(ピックアップ)から計算し、イカリジンの付着量が繊維質量に対し0.5質量%、酸化亜鉛化合物の付着量が繊維質量に対し0.1質量%になるように付着させたになるように付着させた。この基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は93.3%であった。また、消臭率は72.1%であった。さらにJIS L0217(2010年度版)103法での洗濯10回後における忌避率は50%以上を維持していた。JIS L0217(2010年度版)103法での洗濯10回後におけるアンモニアに対する消臭率が50%以上を示した。
(実施例11)
害虫忌避成分であるイカリジンを6g/Lになるように水中に乳化分散し、さらに消臭剤である酸化亜鉛系化合物(“ザオバタック”NANO-20(大和化学工業(株)製))を混合した乳化分散溶液を作製した。この乳化分散溶液に試験用基布を含浸させマングルで絞った後、130℃で乾燥させ、絞り率(ピックアップ)から計算し、イカリジンの付着量が繊維質量に対し0.1質量%、消臭剤の付着量が繊維質量に対しに0.5質量%なるように付着させた。この基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は73.3%であった。また、消臭率は81.3%であった。
(実施例12)
実施例11においてイカリジンの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は86.7%であった。また、消臭率は83.1%であった。
(実施例13)
実施例11においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるユーカリジオールを使用した以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は70.0%であった。また、消臭率は82.1%であった。
(実施例14)
実施例11においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるユーカリジオールを使用し、ユーカリジオールの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は93.3%であった。また、消臭率は81.6%であった。
(実施例15)
害虫忌避成分であるイカリジンを6g/Lになるように水中に乳化分散し、さらに消臭剤である脂肪族ポリカルボン酸塩系化合物(SZ-2B-ZC(ナガセケムテックス(株)製)を混合した乳化分散溶液を作製した。この乳化分散溶液に試験用基布を含浸させマングルで絞った後、130℃で乾燥させ、絞り率(ピックアップ)から計算し、イカリジンの付着量が繊維質量に対し0.1質量%、消臭剤の付着量が繊維質量に対しに0.5質量%なるように付着させた。この基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は76.7%であった。また、消臭率は80.5%であった。
(実施例16)
実施例15においてイカリジンの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は90.0%であった。また、消臭率は78.2%であった。
(実施例17)
実施例15においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるユーカリジオールを使用した以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は76.7%であった。また、消臭率は75.6%であった。
(実施例18)
実施例15においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるユーカリジオールを使用し、ユーカリジオールの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は90.0%であった。また、消臭率は78.2%であった。
(実施例19)
実施例11においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるシトロネロールを使用し、シトロネロールの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は60.0%であった。また、消臭率は79.1%であった。
(実施例20)
害虫忌避成分であるイカリジンを、マイクロカプセルの全量に対して質量比25%内包する、壁剤がメラミン樹脂で構成される平均粒子径が1~3μmのマイクロカプセルが24g/L(防虫成分は6g/L)になるように水中に乳化分散し、さらに消臭剤である酸化亜鉛系化合物(“ザオバタック”NANO-20(大和化学工業(株)製))およびウレタン樹脂(U-30NP(固形分30%、大和化学工業(株)製)18g/Lを混合した乳化分散溶液を作製した。この乳化分散溶液に試験用基布を含浸させマングルで絞った後、130℃で乾燥させ、絞り率(ピックアップ)から計算し、イカリジンの付着量が繊維質量に対し0.5質量%、消臭剤の付着量が繊維質量に対し0.5質量%になるように付着させたになるように付着させた。この基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は96.7%であった。また、消臭率は88.4%であった。さらにJIS L0217(2010年度版)103法での洗濯10回後における忌避率は50%以上を維持していた。JIS L0217(2010年度版)103法での洗濯10回後におけるアンモニアに対する消臭率が50%以上を示した。
(比較例1)
害虫忌避成分であるイカリジンを6g/Lになるように水中に乳化分散し、乳化分散溶液を作製した。この乳化分散溶液に試験用基布を含浸させマングルで絞った後、130℃で乾燥させ、絞り率(ピックアップ)から計算し、イカリジンの付着量が繊維質量に対し0.1質量%になるように付着させた。この基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は60.0%であった。また、消臭率は40.3%であった。
(比較例2)
比較例1においてイカリジンの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は73.3%であった。また、消臭率は32.2%であった。
(比較例3)
比較例1においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるユーカリジオールを使用した以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は56.7%であった。また、消臭率は29.8%であった。
(比較例4)
比較例1においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるユーカリジオールを使用し、ユーカリジオールの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は70.0%であった。また、消臭率は42.3%であった。
(比較例5)
比較例1においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるシトロネロールを使用し、シトロネロールの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は53.3%であった。また、消臭率は36.5%であった。
(比較例6)
消臭剤である酸化亜鉛系化合物(“ザオバタック”NANO-20(大和化学工業(株)製))を混合した乳化分散溶液を作製した。この乳化分散溶液に試験用基布を含浸させマングルで絞った後、130℃で乾燥させ、絞り率(ピックアップ)から計算し、消臭剤の付着量が繊維質量に対し0.1質量%になるように付着させた。この基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は33.3%であった。また、消臭率は64.2%であった。
(比較例7)
比較例6において消臭剤の付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は36.7%であった。また、消臭率は78.3%であった。
(比較例8)
比較例6において消臭剤である酸化亜鉛系化合物(“ザオバタック”NANO-20(大和化学工業(株)製))の代わりに消臭剤脂肪族ポリカルボン酸塩系化合物(SZ-2B-ZC(ナガセケムテックス(株)製)を使用した以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は30.0%であった。また、消臭率は60.2%であった。
(比較例9)
比較例6において消臭剤である酸化亜鉛系化合物(“ザオバタック”NANO-20(大和化学工業(株)製))の代わりに消臭剤である脂肪族ポリカルボン酸塩系化合物(SZ-2B-ZC(ナガセケムテックス(株)製)を使用し、消臭剤の付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は36.7%であった。また、消臭率は76.4%であった。
Figure 0007119336000001
Figure 0007119336000002
Figure 0007119336000003

Claims (7)

  1. 消臭剤および害虫忌避成分を含み、前記消臭剤が酸化亜鉛化合物または脂肪族ポリカルボン酸化合物であり、前記害虫忌避成分が1-メチルプロピル 2-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペリジンカルボキシラートおよびテルペン系化合物であるp-メンタン-3,8-ジオールから選択されるものであり、害虫忌避能と消臭性能を有する害虫忌避繊維構造物。
  2. 前記繊維構造物がアンモニアに対して消臭率が50%以上を示す請求項1に記載の害虫忌避繊維構造物。
  3. 前記消臭剤が前記繊維構造物を構成する繊維に付着しており、その付着量が、繊維の乾燥質量対比0.01~10質量%である請求項1または2に記載の害虫忌避繊維構造物。
  4. 前記害虫忌避成分が、前記繊維構造物を構成する繊維に付着しており、その付着量が、繊維の乾燥質量対比0.01~10質量%である請求項1からいずれかに記載の害虫忌避繊維構造物。
  5. 樹脂をマイクロカプセル形状にして、前記害虫忌避成分を包み込んだマイクロカプセルを、前記繊維構造物を構成する繊維と付着させた請求項1からいずれかに記載の害虫忌避繊維構造物。
  6. 前記繊維構造物がJIS L0217(2010年度版)103法での洗濯10回後においても忌避率が50%以上あることを特徴とする請求項1からいずれかに記載の害虫忌避繊維構造物。
  7. 前記繊維構造物がJIS L0217(2010年度版)103法での洗濯10回後においてもアンモニアに対して消臭率が50%以上を示すことを特徴とする請求項1からいずれかに記載の害虫忌避繊維構造物。
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