JP7119335B2 - 害虫忌避繊維構造物およびその製造方法 - Google Patents
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Description
(8)前記繊維構造物がJIS L0217(2010年度版)103法での洗濯10回後においても黄色ぶどう球菌に対して抗菌活性値が2.2以上を示す(1)から(7)いずれかに記載の害虫忌避繊維構造物。
被験者の手にビニール手袋をはめ、その上に筒状にした試料を巻きつける。
忌避率(%)={(ケージ内の蚊の数(30匹)-処理検体の累積飛来数)/ケージ内の蚊の数(30匹)}×100。
抗菌性能の評価方法については、繊維評価技術協議会の抗菌防臭加工繊維製品認証基準にある JIS L 1902(2011年)(繊維製品の抗菌性試験方法・抗菌効果)の定量試験法(菌液吸収法)にて行い、黄色ぶどう球菌に対する抗菌活性値を求めた。
抗菌活性値(R)=Ut-At
Ut:無加工試験片の18時間後の1cm2あたりの生菌数の対数値の平均値
At:抗菌加工試験片の18時間後の1cm2あたりの生菌数の対数値の平均値
通常、抗菌活性値(R)≧2.0で菌の繁殖抑制能を有すると判断し、抗菌活性値(R)≧2.2で良好、抗菌活性値(R)≧2.4で優れると判断される。
タテ糸、ヨコ糸ともに150デシテックス、48フィラメントのポリエチレンテレフタレート糸を用い織物を製織した。
付着量については、理論的には、絞り率(ピックアップ)からも計算可能であるが、実際の付着量は下記の方法で測定する。
付着量(%)=((薬剤付与し乾燥後の質量-処理前質量)/処理前質量)*100
(実施例1)
害虫忌避成分であるイカリジンを6g/Lになるように水中に乳化分散し、さらに抗菌剤である四級アンモニウム塩(SANT-M110(松井化学(株)製)を混合した乳化分散溶液を作製した。この乳化分散溶液に試験用基布を含浸させマングルで絞った後、130℃で乾燥させ、絞り率(ピックアップ)から計算し、イカリジンの付着量が繊維質量に対し0.1質量%、抗菌剤の付着量が繊維質量に対しに0.1質量%なるように付着させた。この基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は70.0%であった。また、抗菌活性値は2.5であった。
実施例1においてイカリジンの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は83.3%であった。また、抗菌活性値は2.7であった。
実施例1においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるユーカリジオールを使用した以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は67.6%であった。また、抗菌活性値は2.3であった。
実施例1においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるユーカリジオールを使用し、ユーカリジオールの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は83.3%であった。また、抗菌活性値は2.8であった。
害虫忌避成分であるイカリジンを6g/Lになるように水中に乳化分散し、さらに抗菌剤であるピリジン系化合物(MR-T100(大阪化成(株)製)を混合した乳化分散溶液を作製した。この乳化分散溶液に試験用基布を含浸させマングルで絞った後、130℃で乾燥させ、絞り率(ピックアップ)から計算し、イカリジンの付着量が繊維質量に対し0.1質量%、抗菌剤の付着量が繊維質量に対しに0.1質量%なるように付着させた。この基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は73.3%であった。また、抗菌活性値は2.4であった。
実施例5においてイカリジンの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は86.7%であった。また、抗菌活性値は2.6であった。
実施例5においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるユーカリジオールを使用した以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は70.0%であった。また、抗菌活性値は2.5であった。
実施例5においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるユーカリジオールを使用し、ユーカリジオールの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は86.7%であった。また、抗菌活性値は2.4であった。
実施例1においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるシトロネロールを使用し、シトロネロールの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は56.7%であった。また、抗菌活性値は2.8であった。
害虫忌避成分であるイカリジンを、マイクロカプセルの全量に対して質量比25%内包する、壁剤がメラミン樹脂で構成される平均粒子径が1~3μmのマイクロカプセルが24g/L(防虫成分は6g/L)になるように水中に乳化分散し、さらに抗菌剤である四級アンモニウム塩(SANT-M110(松井化学(株)製)およびウレタン樹脂(U-30NP(固形分30%、大和化学工業(株)製)18g/Lを混合した乳化分散溶液を作製した。この乳化分散溶液に試験用基布を含浸させマングルで絞った後、130℃で乾燥させ、絞り率(ピックアップ)から計算し、イカリジンの付着量が繊維質量に対し0.5質量%、抗菌剤の付着量が繊維質量に対し0.1質量%になるように付着させたになるように付着させた。この基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は93.3%であった。また、抗菌活性値は2.6であった。さらにJIS L0217(2010年度版)103法での洗濯10回後における忌避率は50%以上を維持していた。JIS L0217(2010年度版)103法での洗濯10回後においても黄色ぶどう球菌に対する抗菌活性値が2.2以上を示した。
害虫忌避成分であるイカリジンを6g/Lになるように水中に乳化分散し、さらに抗菌剤である四級アンモニウム塩(SANT-M110(松井化学(株)製)を混合した乳化分散溶液を作製した。この乳化分散溶液に試験用基布を含浸させマングルで絞った後、130℃で乾燥させ、絞り率(ピックアップ)から計算し、イカリジンの付着量が繊維質量に対し0.1質量%、抗菌剤の付着量が繊維質量に対しに0.5質量%なるように付着させた。この基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は73.3%であった。また、抗菌活性値は3.3であった。
実施例11においてイカリジンの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は86.7%であった。また、抗菌活性値は3.5であった。
実施例11においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるユーカリジオールを使用した以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は70.0%であった。また、抗菌活性値は3.1であった。
実施例11においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるユーカリジオールを使用し、ユーカリジオールの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は93.3%であった。また、抗菌活性値は3.3であった。
害虫忌避成分であるイカリジンを6g/Lになるように水中に乳化分散し、さらに抗菌剤であるピリジン系化合物(MR-T100(大阪化成(株)製)を混合した乳化分散溶液を作製した。この乳化分散溶液に試験用基布を含浸させマングルで絞った後、130℃で乾燥させ、絞り率(ピックアップ)から計算し、イカリジンの付着量が繊維質量に対し0.1質量%、抗菌剤の付着量が繊維質量に対しに0.5質量%なるように付着させた。この基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は76.7%であった。また、抗菌活性値は3.5であった。
実施例15においてイカリジンの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は90.0%であった。また、抗菌活性値は3.2であった。
実施例15においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるユーカリジオールを使用した以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は76.7%であった。また、抗菌活性値は3.3であった。
実施例15においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるユーカリジオールを使用し、ユーカリジオールの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は90.0%であった。また、抗菌活性値は3.4であった。
実施例11においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるシトロネロールを使用し、シトロネロールの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は60.0%であった。また、抗菌活性値は3.3であった。
害虫忌避成分であるイカリジンを、マイクロカプセルの全量に対して質量比25%内包する、壁剤がメラミン樹脂で構成される平均粒子径が1~3μmのマイクロカプセルが24g/L(防虫成分は6g/L)になるように水中に乳化分散し、さらに抗菌剤である四級アンモニウム塩(SANT-M110(松井化学(株)製)およびウレタン樹脂(U-30NP(固形分30%、大和化学工業(株)製)18g/Lを混合した乳化分散溶液を作製した。この乳化分散溶液に試験用基布を含浸させマングルで絞った後、130℃で乾燥させ、絞り率(ピックアップ)から計算し、イカリジンの付着量が繊維質量に対し0.5質量%、抗菌剤の付着量が繊維質量に対し0.5質量%になるように付着させたになるように付着させた。この基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は96.7%であった。また、抗菌活性値は3.6であった。さらにJIS L0217(2010年度版)103法での洗濯10回後における忌避率は50%以上を維持していた。JIS L0217(2010年度版)103法での洗濯10回後においても黄色ぶどう球菌に対する抗菌活性値が2.2以上を示した。
害虫忌避成分であるイカリジンを6g/Lになるように水中に乳化分散し、乳化分散溶液を作製した。この乳化分散溶液に試験用基布を含浸させマングルで絞った後、130℃で乾燥させ、絞り率(ピックアップ)から計算し、イカリジンの付着量が繊維質量に対し0.1質量%になるように付着させた。この基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は60.0%であった。また、抗菌活性値は0.3であった。
比較例1においてイカリジンの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は73.3%であった。また、抗菌活性値は0.4であった。
比較例1においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるユーカリジオールを使用した以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は56.7%であった。また、抗菌活性値は0.3であった。
比較例1においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるユーカリジオールを使用し、ユーカリジオールの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は70.0%であった。また、抗菌活性値は0.2であった。
比較例1においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるシトロネロールを使用し、シトロネロールの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は53.3%であった。また、抗菌活性値は0.3であった。
抗菌剤である四級アンモニウム塩(SANT-M110(松井化学(株)製)を混合した乳化分散溶液を作製した。この乳化分散溶液に試験用基布を含浸させマングルで絞った後、130℃で乾燥させ、絞り率(ピックアップ)から計算し、抗菌剤の付着量が繊維質量に対し0.1質量%になるように付着させた。この基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は33.3%であった。また、抗菌活性値は2.3であった。
比較例6において抗菌剤の付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は36.7%であった。また、抗菌活性値は3.2であった。
比較例6において四級アンモニウム塩(SANT-M110(松井化学(株)製)の代わりに抗菌剤であるピリジン系化合物(MR-T100(大阪化成(株)製)を使用した以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は30.0%であった。また、抗菌活性値は2.4であった。
比較例6において四級アンモニウム塩(SANT-M110(松井化学(株)製)の代わりに抗菌剤であるピリジン系化合物(MR-T100(大阪化成(株)製)を使用し、抗菌剤の付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は36.7%であった。また、抗菌活性値は3.4であった。
Claims (6)
- 抗菌剤および害虫忌避成分を含み、前記抗菌剤が四級アンモニウム塩または2-ピリジルチオール-1-オキシド亜鉛であり、前記害虫忌避成分が1-メチルプロピル 2-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペリジンカルボキシラートおよびp-メンタン-3,8-ジオールから選択されたものであり、かつ、黄色ぶどう球菌に対して抗菌活性値が2.2以上を示す、害虫忌避機能と菌の繁殖抑制能を有する害虫忌避繊維構造物。
- 前記抗菌剤が前記繊維構造物を構成する繊維に付着しており、その付着量が、繊維の乾燥質量対比0.01~10質量%であることを特徴とする請求項1に記載の害虫忌避繊維構造物。
- 前記害虫忌避成分が、前記繊維構造物を構成する繊維に付着しており、その付着量が、繊維の乾燥質量対比0.01~10質量%であることを特徴とする請求項1または2に記載の害虫忌避繊維構造物。
- 樹脂をマイクロカプセル形状にして、前記害虫忌避成分を包み込んだマイクロカプセルを、前記繊維構造物を構成する繊維と付着させたことを特徴とする請求項1から3いずれかに記載の害虫忌避繊維構造物。
- 前記繊維構造物がJIS L0217(2010年度版)103法での洗濯10回後においても忌避率が50%以上あることを特徴とする請求項1から4いずれかに記載の害虫忌避繊維構造物。
- 前記繊維構造物がJIS L0217(2010年度版)103法での洗濯10回後においても黄色ぶどう球菌に対して抗菌活性値が2.2以上を示すことを特徴とする請求項1から5いずれかに記載の害虫忌避繊維構造物。
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