JP7119335B2 - 害虫忌避繊維構造物およびその製造方法 - Google Patents

害虫忌避繊維構造物およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7119335B2
JP7119335B2 JP2017206374A JP2017206374A JP7119335B2 JP 7119335 B2 JP7119335 B2 JP 7119335B2 JP 2017206374 A JP2017206374 A JP 2017206374A JP 2017206374 A JP2017206374 A JP 2017206374A JP 7119335 B2 JP7119335 B2 JP 7119335B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pest
fiber structure
mass
fiber
repellent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017206374A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019077646A (ja
Inventor
潤 川上
恵司 竹田
知佳 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP2017206374A priority Critical patent/JP7119335B2/ja
Publication of JP2019077646A publication Critical patent/JP2019077646A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7119335B2 publication Critical patent/JP7119335B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
    • Y02A50/30Against vector-borne diseases, e.g. mosquito-borne, fly-borne, tick-borne or waterborne diseases whose impact is exacerbated by climate change

Description

本発明は、菌の繁殖抑制能菌の繁殖抑制能を発揮しながらも蚊などの衛生害虫に対する優れた害虫忌避機能を有する繊維構造物およびその製造方法に関する。
蚊をはじめとする衛生害虫から人体を守るための害虫忌避繊維構造物は広く実用されており、その忌避性能や人体への安全性の向上を目的とした改良が多く成されている。高い忌避性能を発揮するには防虫成分を高濃度で付与すればよいが、人体への安全性を考慮した際に生体安全性の低い防虫成分は多量に用いることができない。
例えば、ディート(DEET)は世界的に何十年と使用され続けているが低用量のDEETで神経系への影響があった事例があり、現在では小児(12歳未満)に使用させる場合には使用制限を設けている。(非特許文献1)。
また、ディートなどの害虫忌避成分を含む人体用害虫忌避剤に例えば上記組成物の安定性を高めたり、使用感を更に良くしたりするために、必要に応じて、増粘剤、安定剤、抗菌剤や紫外線散乱剤、消炎剤、制汗剤、保湿剤、界面活性剤、分散剤、香料等の添加剤や補助剤を、組成物の安定性等に影響を及ぼさない範囲で配合することができることが特許文献1に開示されているが、具体的にこれらの剤を配合した事例の開示はなく、どの剤が人体用害虫忌避剤にどのような性質の変化を与えるかについて予想させる開示もない。また、上記人体用害虫忌避剤が人体用の害虫忌避用途だけでなく、殺虫・殺ダニ用や殺菌・抗菌用、あるいは消臭・防臭用途等にも利用できる可能性があるとも開示されているが、どのようにすれば、どのように利用できるかについて何ら記載されていない。
特許第5057856号明細書
厚生労働省医薬食品局安全対策課、ディートを含有する医薬品及び医薬部外品に関する安全対策について、[online]、平成17年8月24日、http://www.mhlw.go.jp/topics/2005/08/tp0824-1.html
本発明は、菌の繁殖抑制能を有するだけでなく、本来有する害虫忌避性能がより高められた繊維構造物を提供することを課題とする。
上記課題は、繊維構造物に菌の繁殖抑制能と害虫忌避機能を付与することで菌の繁殖抑制能を有さない場合に比較して害虫忌避性能が相乗的に向上することを見出した。
すなわち、本発明は下記の構成を有する。
(1)害虫忌避機能と菌の繁殖抑制能を有する害虫忌避繊維構造物。
(2)害虫忌避成分を含むものである前記(1)に記載の害虫忌避繊維構造物。
(3)前記繊維構造物が黄色ぶどう球菌に対して抗菌活性値が2.2以上を示す前記(1)もしくは(2)に記載の害虫忌避繊維構造物。
(4)抗菌剤を含むものである(1)から(3)いずれかに記載の害虫忌避繊維構造物。
(5)前記抗菌剤が四級アンモニウム塩である(1)から(4)いずれかに記載の害虫忌避繊維構造物。
(6)前記害虫忌避成分がピペリジン系化合物もしくはテルペン系化合物を含む(1)から(5)いずれかに記載の害虫忌避繊維構造物。
(7)前記繊維構造物がJIS L0217(2010年度版)103法での洗濯10回後においても忌避率が50%以上ある(1)から(6)いずれかに記載の害虫忌避繊維構造物。
(8)前記繊維構造物がJIS L0217(2010年度版)103法での洗濯10回後においても黄色ぶどう球菌に対して抗菌活性値が2.2以上を示す(1)から(7)いずれかに記載の害虫忌避繊維構造物。
本発明の害虫忌避繊維構造物は、害虫忌避機能と菌の繁殖抑制能とを有することにより、菌を繁殖抑制するだけでなく、菌の繁殖抑制能を有さない場合に比較して害虫忌避機能をより高めることができる。
本発明において、繊維構造物が「菌の繁殖抑制能を有する」とは、繊維構造物上で菌の繁殖が抑制される能力をさし、具体的には、繊維評価技術協議会の抗菌防臭加工繊維製品認証基準にある JIS L 1902(2011年)(繊維製品の抗菌性試験方法・抗菌効果)の定量試験法(菌液吸収法)にて行なったときの黄色ぶどう球菌に対する抗菌活性値が2.0以上であることが好ましく、2.2以上であることがより好ましい。
繊維構造物それ自体が菌の繁殖抑制能を有すればよいが、有していないとしても抗菌剤を含有せしめることにより、繊維構造物に抗菌性を付与することができる。
以下、詳しく本発明の繊維構造物について説明をする。
上記抗菌剤としては、特に制限されるものではないが、各種の抗菌剤を用いることができる。中でも抗菌剤としては、有機亜鉛錯体誘導体、フェノール系抗菌成分や四級アンモニウム塩の抗菌成分(以下四級アンモニウム塩と称する場合もある)、イソチアゾリン系抗菌成分、ニトリル系化合物、ピリジン系化合物、ハロアルキルチオ系化合物、有機ヨード系化合物、チアゾール系化合物、ベンズイミダゾール系化合物が好ましく挙げられる。
これらは単独で用いてもよいし、1種又は2種以上を混合して使用してもよい。
例えば、2,4,5,6-テトラクロロイソフタロニトリル、5-クロロ-2,4,6-トリフロロイソフタロニトリル等のニトリル系化合物、2-クロロ-6-トリクロロメチルピリジン、2-クロロ-4-トリクロロメチル-6-メトキシピリジン、2-クロロ-4-トリクロロメチル-6-(2-フリルメトキシ)ピリジン、ジ(4-クロロフェニル)ピリジルメタノール、2,3,5,6-テトラクロロ-4-メチルスルフォニルピリジン、2,3,5-トリクロロ-4-(n-プロピルスルフォニル)ピリジン、2-ピリジルチオール-1-オキシド亜鉛、ジ(2-ピリジルチオール-1-オキシド)等のピリジン系化合物、N-フロロジクロロメチルチオフタルイミド、N-トリクロロメチルチオフタルイミド、N-1,1,2,2-テトラクロロエチルチオテトラヒドロフタルイミド、N-トリクロロメチルチオテトラヒドロフタルイミド、N-トリクロロメチルチオ-N-(フェニル)メチルスルファミド、N-トリクロロメチルチオ-N-(4-クロロフェニル)メチルスルファミド、N-(1-フロロ-1,1,2,2-テトラクロロエチルチオ)-N-(フェニル)メチルスルファミド、N-(1,1-ジフロロ-1,2,2-トリクロロエチルチオ)-N-(フェニル)メチルスルファミド、N,N-ジメチル-N’-フェニル-N’-(フロロジクロロメチルチオ)スルファミド、N,N-ジクロロフロロメチルチオ-N’-フェニルスルファミド、N,N-ジメチル-N’-(p-トリル)-N’-(フロロジクロロメチルチオ)スルファミド等のハロアルキルチオ系化合物、1-ジヨードメチルスルフォニル-4-メチルベンゼン、1-ジヨードメチルスルフォニル-4-クロロベンゼン、3-ヨード-2-プロパルギルブチルカルバミン酸、4-クロロフェニル-3-ヨードプロパルギルホルマール、3-エトキシカルボニルオキシ-1-ブロム-1,2-ジヨード-1-プロペン、2,3,3-トリヨードアリルアルコール等の有機ヨード系化合物、2-(n-オクチル)-4-イソチアゾリン-3-オン、4,5-ジクロロ-2-シクロヘキシル-4-イソチアゾリン-3-オン、2-(4-チオシアノメチルチオ)ベンズチアゾール、2-メルカプトベンズチアゾール亜鉛等のチアゾール系化合物、および1H-2-チオシアノメチルチオベンズイミダゾール、2-(4-チアゾリル)-1H-ベンズイミダゾール、2-(2-クロロフェニル)-1H-ベンズイミダゾール等のベンズイミダゾール系化合物が含まれる。
本発明で用いられる抗菌剤の繊維構造物への加工方法は特に限定されるものではないが、浴中処理、パディング処理またはスプレー処理などが挙げられ、抗菌剤が繊維にムラなく付与できる点で、パディング処理が好ましい。抗菌剤が繊維表面に付着している状態は、細菌との接触頻度が高く最も優れており、抗菌性能を重視する場合に優れている。一方、抗菌剤が繊維内部に均一に拡散すると、菌の繁殖抑制能は上記よりやや低下傾向となるが洗濯耐久性は向上するので、耐久性を重視する場合に実用的である。以上のことから、抗菌剤が繊維内部で繊維表面近傍において分布、もしくは繊維表面から内部に分岐拡散している状態が、菌の繁殖抑制能、洗濯耐久性の両面で優れていると考えられる。
本発明で用いられる抗菌剤の繊維への担持量は、特に限定されないが、一般的に繊維の乾燥質量対比0.01~10質量%が好ましく、0.1~5質量%がさらに好ましい。
かかる害虫忌避成分としても特に限定されるものではないが、一般的な害虫忌避成分である例えば、ピレスロイド系化合物(ピレストリン、シネリン、ジャスモリン、アレスリン、テトラメトリン、レスメトリン、フラメトリン、フェノトリン、ペルメトリン、シフェノトリン、ベラトリン、エトフェンプロックス、シフルトリン、テフルトリン、ビフェントリン、シラフルオフェン)、トルアミド系化合物(ディート)、3-(N-n-ブチル-N-アセチル)アミノプロピオン酸エチルエステル(IR 3535)、ピペリジン系化合物である1-メチルプロピル 2-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペリジンカルボキシラート(イカリジン)、テルペン系化合物であるp-メンタン-3,8-ジオール(ユーカリジオール)、イソボルニルシクロヘキサノールが挙げられるが、中でもピペリジン系化合物、テルペン系化合物を用いる場合に、抗菌能付与時の害虫忌避性の向上効果が一層顕著に優れる点で好ましい。その中でもイカリジンやユーカリジオールなどが特に好適であり、相乗効果が特に顕著にみられる。
本発明においては、抗菌能とともに害虫忌避性能を繊維構造物に付与することにより、抗菌能を付与しない場合に比較して、害虫忌避性能を相乗的に向上せしめることができるので、同量の害虫忌避剤の使用では、より優れた害虫忌避効果を発揮し得る、あるいは所望の害虫忌避効果を得るための忌避剤使用量を低減することができる点で実用上極めて好ましい。さらに、イカリジン、ユーカリジオール、DEETは忌避性が高いため、上記効果が特に顕著である。なかでも、イカリジンおよびユーカリジオールは忌避性の高いDEETと同等の忌避性を有しているにもかかわらずDEETよりも安全性が高いため、最も好ましい。よって、子供などの乳幼児が取り扱う衣類に応用しても、より効果的に害虫忌避効果を発揮し得る、あるいは、所望の害虫忌避効果を得るための忌避剤使用量をよりいっそう低減することができる点で好ましい。
本発明の害虫忌避成分が適用され得る害虫としては、衛生害虫、不快害虫、農業害虫として知られるものである。より具体的には、例えばアカイエカ、コガタアカイエカ、チカイエカ、ネッタイイエカなどイエカ属、ネッタイシマカ、ヒトスジシマカなどヤブカ属、シナハマダラカなどハマダラカ属などを含む蚊類、イエバエ、サシバエなどイエバエ科、ヒメイエバエなどヒメイエバエ科、ケブカクロバエなどクロバエ科、シマバエ科、キイロショウジョウバエなどショウジョウバエ科、ツェツェバエ科、ノミバエ科、センチニクバエなどニクバエ科などを含むハエ類、オオチョウバエ、ホシチョウバエなどのチョウバエ類、セスジユスリカ、アカムシユスリカなどのユスリカ類の飛翔害虫が挙げられる。これら飛翔害虫にはたとえばコガタアカイエカ、ヒトスジシマカ、ネッタイシマカ、サシバエ、ツェツェバエなどの吸血性昆虫もしくは刺咬性害虫と呼ばれ病原体を媒介することが知られるものを含んでいる。また、イガ、コイガなどヒロズコガ科、ノシメマダラメイガなどメイガ科などのガ類が挙げられ、これらのガ類はその幼虫が衣料害虫として知られている。また、ヒメカツオブシムシ、ヒメマルカツオブシムシなどカツオブシムシ科、ゾウムシ科、コクヌスト科、シバンムシ科の甲虫類が挙げられる。これらは、食品、農作物などの食害をなすものとして知られており、カツオブシムシ科の甲虫ではさらに衣料品に対する食害をなすものもある。また、クロヤマアリ、トビイロシワアリ、イエヒメアリ、アミメアリ、アルゼンチンアリ、ヒアリ等のアリ類、アシナガバチ、スズメバチなどのハチ類さらにはヤケヒョウダニ、マダニなどのダニ類などが挙げられる。
害虫忌避成分の繊維への担持量は、特に限定されないが、一般的に繊維の乾燥質量対比0.01~10質量%が好ましく、0.1~5.0質量%がさらに好ましい。害虫忌避成分としては、蚊忌避剤であることが好ましい。
本発明において、繰り返しもしくは長時間の使用を考えた際に、実用耐久性を付与する方法としては特に限られているわけではないが、害虫忌避成分の繊維への練り込み、繊維内部への含浸、樹脂の付与などが挙げられる。繊維への練り込みや繊維内部への含浸では害虫忌避成分が繊維内部へ入り込むことで洗濯などの耐久性には優れるものの、揮発性が大きく抑えられてしまい、高い忌避性能を有することが難しい。そのため、樹脂を付与することが好ましく、樹脂の態様は特に限られているわけではないが、バインダー樹脂により害虫忌避成分を繊維と付着させ、揮発抑制および/または脱落抑制するもの、樹脂をマイクロカプセル形状にして害虫忌避成分を包み込み、そのマイクロカプセルを繊維と付着させることで、揮発抑制および/または脱落抑制する方法などが挙げられる。この中でもマイクロカプセルは害虫忌避成分を包み込むことで熱による揮発を大幅に抑制できると共に、洗濯などの物理衝撃に対しても高い強度を有することができるため長時間の忌避効果や洗濯耐久性に優れるため好ましい。さらにはこれらの樹脂は単独または複数で樹脂層を形成してもよい。
上記バインダー樹脂としてはシリコーン樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂から選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。これらの樹脂は単独または複数で使用することができる。
上記シリコーン樹脂としてはメチルハイドロジェンシリコーン、ジメチルシリコーン、アミノ変性シリコーン、エポキシシリコーンが挙げられる。
メラミン樹脂としてはトリメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミンなどが挙げられる。
ウレタン樹脂としてはイソシアネート基に対して反応性のある活性水素を2個以上有する化合物とポリイソシアネートとを反応させた化合物である。ポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート;トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート等を挙げることができる。
アクリル系樹脂としては、アルキルアクリレート、ヒドロキシアルキルアクリレート、グリシジルアクリレート等のアクリレート;アルキルメタクリレート、ヒドロキシアルキルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメチルメタクリレート、シリコーン変性メタクリレート、ウレタン変性メタクリレート等のメタクリレート;アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、アルキロールアルキルアミド等の単量体の1種から得られる単独重合体およびそれらの2種以上から得られる共重合体が挙げられる。
バインダー樹脂は繊維質量に対し、0.1~1.2質量%付与することが好ましい。0.1質量%以上とすることで十分な耐久性が得られ、1.2質量%以下とすることで、十分な耐久性が得られ、かつ繊維の優れた風合いを有する上に、樹脂で構成される層が過剰に厚くなることもなく、優れた忌避効果が得られるものである。
本発明に用いるマイクロカプセルの樹脂としては、無機系または有機系材料が好ましく、例えばポリスチレン、エチルセルロース、ポリアミド、ポリアクリル酸、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、カルボキシメチルセルロースなどが挙げられる。中でも、メラミン樹脂は被膜強力、耐薬品、接着性、透明性の点において優れており好ましい壁材である。
マイクロカプセルの粒径は0.1~20μmが好ましい。そして、被膜強度、凝集、製品品位の観点から、具体的なマイクロカプセルとしては、0.1~20μmの粒径を有する微多孔質の無機粒子、または粒径0.1~20μmの中空微多孔を有するメラミン樹脂系、ウレタン樹脂系粒子またはアクリル樹脂系粒子が挙げられる。
害虫忌避成分と樹脂を同時に付与する方法としては、所定の濃度の害虫忌避成分と樹脂を含む乳化分散処理液に繊維構造物を浸漬した後、目的とする付着量になるようにマングルで絞り、室温(20℃)~170℃ の温度で乾燥、熱処理するか、また、同処理液をスプレーで塗布した後、同様に乾燥、熱処理しても良い。また、害虫忌避成分を先に繊維構造物に付与した後、樹脂を付着させる方法については、所定の濃度の害虫忌避成分を繊維に付与した後、所定濃度の樹脂の乳化分散液にかかる繊維構造物を浸漬した後、目的とする付着量になるようにマングルで絞った後、室温(20℃)~170℃ の温度で乾燥、熱処理するという2段法がある。このような2段法によると、繊維表面に樹脂層が形成されるので好ましい。例えばシリコーン樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂から選ばれた少なくとも1種は、樹脂層を形成する際、被膜を形成しやすい点でも好ましい。これらの樹脂は単独または複数で樹脂層を形成してもよい。
害虫忌避成分を先に繊維に付与する方法についても、特に限定されるものではないが、害虫忌避成分を含む処理液に繊維構造物を浸漬した後、目的とする付着量になるようにマングルで絞った後、室温(20℃)~80℃ の温度で乾燥する方法や繊維構造物を処理液に浸漬したまま、液の温度を50~130℃で処理する浴中処理を行った後、室温(20℃)~80℃ の温度で乾燥させる方法がある。
その後樹脂を付着させるには、所定濃度の樹脂の乳化分散液にかかる繊維構造物を浸漬した後、目的とする付着量になるようにマングルで絞った後、室温(20℃)~130℃ の温度で乾燥する方法や繊維構造物を処理液に浸漬したまま、液の温度を50~130℃で処理する浴中処理を行った後、室温(20℃)~80℃ の温度で乾燥させる方法や常圧スチーマーを用いて100℃の水蒸気雰囲気下で処理する方法がある。
担持方法は、害虫忌避成分が繊維にムラなく付与できる点で、パディング方式が好ましい。また該害虫忌避成分が乾燥の熱が高いと揮発することから、90~130℃で乾燥することが好ましい。
また、害虫忌避成分と抗菌剤を同時に繊維に付与する方法についても、特に限定されるものではないが、害虫忌避成分および抗菌剤、さらに必要に応じて樹脂を含む処理液に繊維構造物を浸漬した後、目的とする付着量になるようにマングルで絞った後、室温(20℃)~80℃ の温度で乾燥する方法や繊維構造物を処理液に浸漬したまま、液の温度を50~130℃で処理する浴中処理を行った後、室温(20℃)~80℃ の温度で乾燥させる方法がある。
上記のように樹脂を付与する方法によれば、前記繊維構造物の抗菌活性値がSEK洗濯10回後においても黄色ぶどう球菌に対する抗菌活性値が2.2以上を示す繊維構造物を得ることも可能である。より好ましい態様においては、抗菌剤の脱落が抑制できる点から、抗菌剤を繊維内部に拡散する方法が好ましい。
また、JIS L0217(2010年度版)103法での洗濯10回後においても後述する忌避率が50%以上である繊維構造物を得ることも可能である。より好ましい態様においては、害虫忌避成分の効果を十分に発揮できる点から、害虫忌避成分を繊維表面に付与する方法が好ましい。
本発明の繊維構造物に使用される繊維の素材としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートなどや、これらに第三成分を共重合してなる芳香族ポリエステル等の芳香族ポリエステル系繊維、L-乳酸を主成分とするもので代表される脂肪族ポリエステル系繊維、ナイロン6やナイロン66などのポリアミド系繊維、ポリアクリロニトリルを主成分とするアクリル系繊維、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維などの合成繊維、アセテートやレーヨンなどの半合成繊維、木綿、絹および羊毛などの天然繊維が挙げられる。本発明では、これらの繊維を単独または2種以上の混合物として使用することができる。本発明においては、合成繊維の一部にアセテートやレーヨンなどの半合成繊維、木綿、絹および羊毛などの天然繊維が含まれていても差し支えない。
本発明の繊維構造物の態様は特に限られているわけではないが、前記繊維を使用してなる織物、編物または不織布などの布帛状物、あるいは紐状物などが含まれるが、忌避効果をより発揮するという点から好ましくは織物または編物が本発明の忌避効果を必要とする用途として好ましい形態である。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。なお、本例中の忌避率、抗菌活性値は次の方法により求めた。
(1)忌避率
被験者の手にビニール手袋をはめ、その上に筒状にした試料を巻きつける。
気温25±2℃、湿度70~80%の条件下で、30匹の供試虫(ヒトスジシマカ)を放った25×25×25cmのケージ内に肘上まで2分間挿入し、試料上に止まった供試虫の数を数え累積飛来数とする。
試験は、無処理検体を巻き付けた場合の累積飛来数と処理検体を巻き付けた場合の累積飛来数との比較により、忌避率を算出する。
忌避率の計算は以下の式を用いた。
忌避率(%)={(ケージ内の蚊の数(30匹)-処理検体の累積飛来数)/ケージ内の蚊の数(30匹)}×100。
(2)抗菌活性値
抗菌性能の評価方法については、繊維評価技術協議会の抗菌防臭加工繊維製品認証基準にある JIS L 1902(2011年)(繊維製品の抗菌性試験方法・抗菌効果)の定量試験法(菌液吸収法)にて行い、黄色ぶどう球菌に対する抗菌活性値を求めた。
抗菌活性値(R)=Ut-At
Ut:無加工試験片の18時間後の1cmあたりの生菌数の対数値の平均値
At:抗菌加工試験片の18時間後の1cmあたりの生菌数の対数値の平均値
通常、抗菌活性値(R)≧2.0で菌の繁殖抑制能を有すると判断し、抗菌活性値(R)≧2.2で良好、抗菌活性値(R)≧2.4で優れると判断される。
(3)試験用基布
タテ糸、ヨコ糸ともに150デシテックス、48フィラメントのポリエチレンテレフタレート糸を用い織物を製織した。
得られた上記生機はオープンソーパーで精練し(90℃)、次いでピンテンターで中間セットし(180℃×40秒)、液流染色機で蛍光白色に染色し、幅:148cm、タテ糸密度:76本/2.54cm、ヨコ糸密度:68本/2.54cmの織物を得て試験用基布とした。
(4)付着量の評価
付着量については、理論的には、絞り率(ピックアップ)からも計算可能であるが、実際の付着量は下記の方法で測定する。
付着量(%)=((薬剤付与し乾燥後の質量-処理前質量)/処理前質量)*100
以下の実施例9、実施例19は表中も含め、それぞれ参考例1、2と読み替えるものとする。
(実施例1)
害虫忌避成分であるイカリジンを6g/Lになるように水中に乳化分散し、さらに抗菌剤である四級アンモニウム塩(SANT-M110(松井化学(株)製)を混合した乳化分散溶液を作製した。この乳化分散溶液に試験用基布を含浸させマングルで絞った後、130℃で乾燥させ、絞り率(ピックアップ)から計算し、イカリジンの付着量が繊維質量に対し0.1質量%、抗菌剤の付着量が繊維質量に対しに0.1質量%なるように付着させた。この基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は70.0%であった。また、抗菌活性値は2.5であった。
(実施例2)
実施例1においてイカリジンの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は83.3%であった。また、抗菌活性値は2.7であった。
(実施例3)
実施例1においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるユーカリジオールを使用した以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は67.6%であった。また、抗菌活性値は2.3であった。
(実施例4)
実施例1においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるユーカリジオールを使用し、ユーカリジオールの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は83.3%であった。また、抗菌活性値は2.8であった。
(実施例5)
害虫忌避成分であるイカリジンを6g/Lになるように水中に乳化分散し、さらに抗菌剤であるピリジン系化合物(MR-T100(大阪化成(株)製)を混合した乳化分散溶液を作製した。この乳化分散溶液に試験用基布を含浸させマングルで絞った後、130℃で乾燥させ、絞り率(ピックアップ)から計算し、イカリジンの付着量が繊維質量に対し0.1質量%、抗菌剤の付着量が繊維質量に対しに0.1質量%なるように付着させた。この基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は73.3%であった。また、抗菌活性値は2.4であった。
(実施例6)
実施例5においてイカリジンの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は86.7%であった。また、抗菌活性値は2.6であった。
(実施例7)
実施例5においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるユーカリジオールを使用した以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は70.0%であった。また、抗菌活性値は2.5であった。
(実施例8)
実施例5においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるユーカリジオールを使用し、ユーカリジオールの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は86.7%であった。また、抗菌活性値は2.4であった。
(実施例9)
実施例1においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるシトロネロールを使用し、シトロネロールの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は56.7%であった。また、抗菌活性値は2.8であった。
(実施例10)
害虫忌避成分であるイカリジンを、マイクロカプセルの全量に対して質量比25%内包する、壁剤がメラミン樹脂で構成される平均粒子径が1~3μmのマイクロカプセルが24g/L(防虫成分は6g/L)になるように水中に乳化分散し、さらに抗菌剤である四級アンモニウム塩(SANT-M110(松井化学(株)製)およびウレタン樹脂(U-30NP(固形分30%、大和化学工業(株)製)18g/Lを混合した乳化分散溶液を作製した。この乳化分散溶液に試験用基布を含浸させマングルで絞った後、130℃で乾燥させ、絞り率(ピックアップ)から計算し、イカリジンの付着量が繊維質量に対し0.5質量%、抗菌剤の付着量が繊維質量に対し0.1質量%になるように付着させたになるように付着させた。この基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は93.3%であった。また、抗菌活性値は2.6であった。さらにJIS L0217(2010年度版)103法での洗濯10回後における忌避率は50%以上を維持していた。JIS L0217(2010年度版)103法での洗濯10回後においても黄色ぶどう球菌に対する抗菌活性値が2.2以上を示した。
(実施例11)
害虫忌避成分であるイカリジンを6g/Lになるように水中に乳化分散し、さらに抗菌剤である四級アンモニウム塩(SANT-M110(松井化学(株)製)を混合した乳化分散溶液を作製した。この乳化分散溶液に試験用基布を含浸させマングルで絞った後、130℃で乾燥させ、絞り率(ピックアップ)から計算し、イカリジンの付着量が繊維質量に対し0.1質量%、抗菌剤の付着量が繊維質量に対しに0.5質量%なるように付着させた。この基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は73.3%であった。また、抗菌活性値は3.3であった。
(実施例12)
実施例11においてイカリジンの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は86.7%であった。また、抗菌活性値は3.5であった。
(実施例13)
実施例11においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるユーカリジオールを使用した以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は70.0%であった。また、抗菌活性値は3.1であった。
(実施例14)
実施例11においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるユーカリジオールを使用し、ユーカリジオールの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は93.3%であった。また、抗菌活性値は3.3であった。
(実施例15)
害虫忌避成分であるイカリジンを6g/Lになるように水中に乳化分散し、さらに抗菌剤であるピリジン系化合物(MR-T100(大阪化成(株)製)を混合した乳化分散溶液を作製した。この乳化分散溶液に試験用基布を含浸させマングルで絞った後、130℃で乾燥させ、絞り率(ピックアップ)から計算し、イカリジンの付着量が繊維質量に対し0.1質量%、抗菌剤の付着量が繊維質量に対しに0.5質量%なるように付着させた。この基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は76.7%であった。また、抗菌活性値は3.5であった。
(実施例16)
実施例15においてイカリジンの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は90.0%であった。また、抗菌活性値は3.2であった。
(実施例17)
実施例15においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるユーカリジオールを使用した以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は76.7%であった。また、抗菌活性値は3.3であった。
(実施例18)
実施例15においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるユーカリジオールを使用し、ユーカリジオールの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は90.0%であった。また、抗菌活性値は3.4であった。
(実施例19)
実施例11においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるシトロネロールを使用し、シトロネロールの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は60.0%であった。また、抗菌活性値は3.3であった。
(実施例20)
害虫忌避成分であるイカリジンを、マイクロカプセルの全量に対して質量比25%内包する、壁剤がメラミン樹脂で構成される平均粒子径が1~3μmのマイクロカプセルが24g/L(防虫成分は6g/L)になるように水中に乳化分散し、さらに抗菌剤である四級アンモニウム塩(SANT-M110(松井化学(株)製)およびウレタン樹脂(U-30NP(固形分30%、大和化学工業(株)製)18g/Lを混合した乳化分散溶液を作製した。この乳化分散溶液に試験用基布を含浸させマングルで絞った後、130℃で乾燥させ、絞り率(ピックアップ)から計算し、イカリジンの付着量が繊維質量に対し0.5質量%、抗菌剤の付着量が繊維質量に対し0.5質量%になるように付着させたになるように付着させた。この基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は96.7%であった。また、抗菌活性値は3.6であった。さらにJIS L0217(2010年度版)103法での洗濯10回後における忌避率は50%以上を維持していた。JIS L0217(2010年度版)103法での洗濯10回後においても黄色ぶどう球菌に対する抗菌活性値が2.2以上を示した。
(比較例1)
害虫忌避成分であるイカリジンを6g/Lになるように水中に乳化分散し、乳化分散溶液を作製した。この乳化分散溶液に試験用基布を含浸させマングルで絞った後、130℃で乾燥させ、絞り率(ピックアップ)から計算し、イカリジンの付着量が繊維質量に対し0.1質量%になるように付着させた。この基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は60.0%であった。また、抗菌活性値は0.3であった。
(比較例2)
比較例1においてイカリジンの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は73.3%であった。また、抗菌活性値は0.4であった。
(比較例3)
比較例1においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるユーカリジオールを使用した以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は56.7%であった。また、抗菌活性値は0.3であった。
(比較例4)
比較例1においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるユーカリジオールを使用し、ユーカリジオールの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は70.0%であった。また、抗菌活性値は0.2であった。
(比較例5)
比較例1においてイカリジンの代わりに害虫忌避成分であるシトロネロールを使用し、シトロネロールの付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は53.3%であった。また、抗菌活性値は0.3であった。
(比較例6)
抗菌剤である四級アンモニウム塩(SANT-M110(松井化学(株)製)を混合した乳化分散溶液を作製した。この乳化分散溶液に試験用基布を含浸させマングルで絞った後、130℃で乾燥させ、絞り率(ピックアップ)から計算し、抗菌剤の付着量が繊維質量に対し0.1質量%になるように付着させた。この基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は33.3%であった。また、抗菌活性値は2.3であった。
(比較例7)
比較例6において抗菌剤の付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は36.7%であった。また、抗菌活性値は3.2であった。
(比較例8)
比較例6において四級アンモニウム塩(SANT-M110(松井化学(株)製)の代わりに抗菌剤であるピリジン系化合物(MR-T100(大阪化成(株)製)を使用した以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は30.0%であった。また、抗菌活性値は2.4であった。
(比較例9)
比較例6において四級アンモニウム塩(SANT-M110(松井化学(株)製)の代わりに抗菌剤であるピリジン系化合物(MR-T100(大阪化成(株)製)を使用し、抗菌剤の付着量が繊維質量に対して0.5質量%にした以外は、同様の処理を行った。基布のヒトスジシマカの忌避率を測定したところ忌避率は36.7%であった。また、抗菌活性値は3.4であった。
Figure 0007119335000001
Figure 0007119335000002
Figure 0007119335000003

Claims (6)

  1. 抗菌剤および害虫忌避成分を含み、前記抗菌剤が四級アンモニウム塩または2-ピリジルチオール-1-オキシド亜鉛であり、前記害虫忌避成分が1-メチルプロピル 2-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペリジンカルボキシラートおよびp-メンタン-3,8-ジオールから選択されたものであり、かつ、黄色ぶどう球菌に対して抗菌活性値が2.2以上を示す、害虫忌避機能と菌の繁殖抑制能を有する害虫忌避繊維構造物。
  2. 前記抗菌剤が前記繊維構造物を構成する繊維に付着しており、その付着量が、繊維の乾燥質量対比0.01~10質量%であることを特徴とする請求項に記載の害虫忌避繊維構造物。
  3. 前記害虫忌避成分が、前記繊維構造物を構成する繊維に付着しており、その付着量が、繊維の乾燥質量対比0.01~10質量%であることを特徴とする請求項1または2に記載の害虫忌避繊維構造物。
  4. 樹脂をマイクロカプセル形状にして、前記害虫忌避成分を包み込んだマイクロカプセルを、前記繊維構造物を構成する繊維と付着させたことを特徴とする請求項1からいずれかに記載の害虫忌避繊維構造物。
  5. 前記繊維構造物がJIS L0217(2010年度版)103法での洗濯10回後においても忌避率が50%以上あることを特徴とする請求項1からいずれかに記載の害虫忌避繊維構造物。
  6. 前記繊維構造物がJIS L0217(2010年度版)103法での洗濯10回後においても黄色ぶどう球菌に対して抗菌活性値が2.2以上を示すことを特徴とする請求項1からいずれかに記載の害虫忌避繊維構造物。
JP2017206374A 2017-10-25 2017-10-25 害虫忌避繊維構造物およびその製造方法 Active JP7119335B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017206374A JP7119335B2 (ja) 2017-10-25 2017-10-25 害虫忌避繊維構造物およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017206374A JP7119335B2 (ja) 2017-10-25 2017-10-25 害虫忌避繊維構造物およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019077646A JP2019077646A (ja) 2019-05-23
JP7119335B2 true JP7119335B2 (ja) 2022-08-17

Family

ID=66628313

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017206374A Active JP7119335B2 (ja) 2017-10-25 2017-10-25 害虫忌避繊維構造物およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7119335B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2021070642A1 (ja) * 2019-10-07 2021-04-15
JP7321062B2 (ja) * 2019-11-18 2023-08-04 帝人フロンティア株式会社 繊維用抗菌防臭剤、繊維用処理液および抗菌防臭繊維

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000199177A (ja) 1999-01-07 2000-07-18 Teijin Ltd 抗菌・防ダニ性繊維
JP2006152517A (ja) 2004-11-25 2006-06-15 Daiwa Kagaku Kogyo Kk 抗菌・防ダニ繊維
JP2017179651A (ja) 2016-03-30 2017-10-05 東レ株式会社 繊維構造物およびその製造方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0754208A (ja) * 1993-08-13 1995-02-28 Teijin Ltd 芯鞘型複合バインダー繊維
JPH101871A (ja) * 1996-06-13 1998-01-06 Toyobo Co Ltd 消臭、防ダニ、抗菌加工繊維及びその製造方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000199177A (ja) 1999-01-07 2000-07-18 Teijin Ltd 抗菌・防ダニ性繊維
JP2006152517A (ja) 2004-11-25 2006-06-15 Daiwa Kagaku Kogyo Kk 抗菌・防ダニ繊維
JP2017179651A (ja) 2016-03-30 2017-10-05 東レ株式会社 繊維構造物およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019077646A (ja) 2019-05-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
BRPI0616750B1 (pt) material têxtil e métodos de tratamento de panos e de combate a pragas de insetos
US20120195950A1 (en) Laundry Additive for the Treatment and Prevention of Bed Bugs
JP7119335B2 (ja) 害虫忌避繊維構造物およびその製造方法
EP2382351B1 (en) A wool care composition
JP2018535944A5 (ja)
EP3606342B1 (en) Method and polymeric material having knock-down or blood feed inhibition activity against mosquitoes
US10028508B2 (en) Use of active compound compositions
CN112680962A (zh) 一种用于处理驱蚊织物的新型杀虫剂整理液及使用方法
TW201345419A (zh) 用於殺蟲劑-抗性害蟲之病媒控制的活性化合物組成物
EP2922401A1 (en) Use of a compound comprising a polyfluorobenzyl moiety against insecticide-resistant pests
McCain et al. Repellents used in fabric: the experience of the US military
JPH08245324A (ja) 防虫組成物及び防虫布帛
JP7119336B2 (ja) 害虫忌避繊維構造物およびその製造方法
JPH032101A (ja) 防虫性布帛
JP2019077645A (ja) 害虫忌避繊維構造物およびその製造方法
JP2010195766A (ja) ピレスロイド耐性害虫を防除する方法
Zahid et al. Comparative efficacy of insecticides against the American bollworm, Helicoverpa armigera “Hub.” of cotton
JPH0625971A (ja) 繊維質製品に耐光性および耐クリーニング性を有する屋内塵性ダニ致死性加工を施す方法
JP2018150634A (ja) 昆虫忌避性を有する繊維構造物
KR100209113B1 (ko) 방충성이 우수한 코팅포지 및 그의 제조방법
Hebeish et al. Bioallethrin–based cotton finishing to impart long–lasting toxic activity against mosquitoes
JP2012000106A (ja) 害虫防除ネット
Vatandoost et al. Relative efficacy of different synthetic pyrethroids impregnated fabrics (ITNs) against Anopheles stephensi in Iran
US20190254283A1 (en) Insect repellent compositions and materials bearing the same
BR112019020811B1 (pt) Método para controlar mosquitos incômodos, portadores de doenças, e material polimérico para provocar a inativação ou a inibição da alimentação de sangue de mosquitos incômodos

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201015

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210805

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210817

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211012

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220111

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220310

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220705

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220718

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7119335

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151