JP3106678B2 - 防虫繊維 - Google Patents
防虫繊維Info
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- Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
- Anti-Oxidant Or Stabilizer Compositions (AREA)
- Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
Description
ある。さらに詳細には、耐ドライクリーニング性に優
れ、ダニなどの害虫が忌避し、または、害虫の増殖を抑
制する防虫繊維に関するものである。
くはDDTやBHCなどの殺虫剤が使用されていたが、
発癌性があることで1971年に使用禁止となり、近年
では、低毒性のピレスロイド系薬剤や有機燐系のフェニ
トロチオンやフェンチオンなどが防虫剤として用いられ
ている。ピレスロイド系薬剤を防虫剤として使用したも
のとしては、特開昭55−149202号公報、特開昭
55−149203号公報にサイクロデキストリンで包
接したものが開示されている。また、特公平2−555
51号公報には、ピレスロイド系殺虫剤及び共力剤を、
アクリル系合成繊維の製造の際に、湿式紡糸して延伸、
水洗後のゲル膨潤状態時に処理するものが開示されてい
る。さらに、特開昭59−203505号公報には、ピ
レスロイド系殺虫剤を寝具用充填剤などに保持させたも
のが開示されている。
に、耐ドライクリーニング性)に劣る、防ダニ効果が小
さい、風合いが粗硬気味となるなどの問題があった。
のもとに、より安全性が高く、揮発性が無く、風合いが
ソフトでダニ忌避効果、ダニ増殖抑制効果の持続性が高
い防虫繊維を提供することを課題とするものである。
めに本発明は、次の構成を有する。すなわち、ピレスロ
イド系化合物、アミノ当量が4.5×102 〜6.5×
103 グラム当量/モルのアミノシリコーンおよび防錆
剤が付着してなる防虫繊維であって、ピレスロイド系化
合物に対するアミノシリコーンの重量比が1:1〜1:
20であり、ピレスロイド系化合物に対する防錆剤の重
量比が1:0.5〜1:10であり、繊維中のピレスロ
イド系化合物の付着量が0.01〜1.0重量%であ
り、防錆剤が下記一般式(I)で示される化合物である
ことを特徴とする防虫繊維である。
のアルキル基または−(CH2 )n −COO基(n:1〜
3)、Y2 ,Y3 ,Y4 :−(CH2 )n −COO基
(n:1〜3)、X1 :無,H,NaまたはK、X2 ,X
3 ,X4 :H,NaまたはKを示す。
発明においてピレスロイド系化合物とは、フェノトリン
(d−シス菊酸の3−フェノキシベンジルエステルとd
−トランス−菊酸の3−フェノキシベンジルエステルと
の2:8混合物)、合成ピレトリン、アレクトリン、フ
ラルトリン、バルトリン、ジメトリンおよび天然ピレト
リンなどが挙げられる。これらのピレスロイド系化合物
の中でも、150℃以上の高温処理を施しても、揮発性
が小さく、また後述するアミノシリコーンとの相溶性が
良く、ダニ忌避効果、ダニ増殖抑制効果の洗濯による低
下が小さく、安全性に優れるなどの観点から、次の化学
式に示すフェノトリンが好ましい。
として、一般に知られているピペロニルブトキサイド、
ピペロニルサイクロネン、プロピルアイソーム、スルホ
キサイド(イソサフロールのオクチルスルホキシド)、
サフロキサン、トロピタル、セゾキサン、サイネピリン
類などを併用することにより、防ダニ効果をより高める
ことが可能であり好ましい。
物の付着量は、0.01重量%以上1.0重量%以下、
好ましくは0.02〜0.5重量%とするものである。
繊維中の付着量が0.01重量%未満の場合、良好なダ
ニ忌避効果ならびにダニ増殖抑制効果が得られない。一
方、付着量が1.0重量%を越えると、一般にピレスロ
イド系化合物は有機燐系の殺虫剤にくらべ低毒性ではあ
るけれども、使用用途によっては人体への毒性が問題と
なる可能性も考えられるので好ましくない。
は、シリコーンポリマーの分子中にアミノ基を有するも
ので、アミノ基以外にエポキシ基などの他の置換基を有
していてもかまわない。
4.5×102 〜6.5×103 グラム当量/モルとす
るものである。アミノ当量が4.5×102 グラム当量
/モル未満の場合には、ピレスロイド系化合物ならびに
防錆剤との相溶性が良く、洗濯耐久性が良好であるが、
ダニ忌避効果が小さいという問題点がある。これはシリ
コーンポリマーによって強固にピレスロイド系化合物が
被覆されるためと考えられる。一方、アミノ当量が6.
5×103 グラム当量/モルを越える場合には、初期の
ダニ忌避効果は優れているが、ドライクリーニング等の
洗濯により忌避性能が低下する問題がある。
に使用したり、また畳縁などの織糸に使用する場合、防
虫繊維の紡績・製織工程において、カードマシンや織機
を錆させて工程通過性に問題を生じることを防止するた
めに、防錆剤を繊維に付着させるものである。本発明に
おいて防錆剤としては、前記一般式(I)で示されるア
ミノ系の化合物を用いるものである。かかる構造のアミ
ノ系化合物以外の防錆剤では、本発明において用いるピ
レスロイド化合物のダニ忌避効果、ダニ増殖抑制効果が
阻害されるという問題がある。かかるアミノ系化合物の
具体例としては、次の化合物があげられる。
る。
のアルキレン基、XはNaまたはKなどのアルカリ金属
を意味する。
剤に、さらにオクチルホスフェートカリ塩などのアルキ
ルホスフェート系化合物や、亜硫酸ナトリウムなどを併
用すると、該一般式(I)で示される化合物の防錆効果
はさらに向上するので好ましい。
対するアミノシリコーンの重量比は1:1〜1:20と
するものである。ピレスロイド系化合物に対するアミノ
シリコーンの重量比が1:1に満たないと、防ダニ特性
の洗濯耐久性が著しく低下する。一方、重量比が1:2
0を越えると、防虫性能が顕在化しにくくなり、本質的
に本発明の目的を達成し得なくなる。これは、ピレスロ
イド系化合物がアミノシリコーン被膜で覆われてしま
い、ピレスロイド系化合物が表面に現れにくくなるため
と考えられる。
対する防錆剤の重量比は1:0.5〜1:10とするも
のである。ピレスロイド系化合物に対する防錆剤の重量
比が1:0.5に満たないと、防錆効果が小さく、一
方、重量比1:10を越えると、防ダニ特性が低下する
とともに、防ダニ性能の耐洗濯性が低下してくる。これ
は、一般に防錆剤の無機性が強いため、アミノシリコー
ンの造膜性能に悪影響を及ぼしたり、繊維類、特にポリ
エステルなどの合成繊維との親和性が低下することによ
るものと考えられる。
リエステル系、ポリアミド系、アクリル系などの合成繊
維、レーヨンなどの半合成繊維や、綿、ウールなどの天
然繊維が適用でき、これらの単独使用でも混合使用でも
よく、また防虫性能を有さない通常の繊維と混合しても
よい。最も好ましい繊維素材はポリエステル系合成繊維
である。すなわち、本発明に用いるピレスロイド系化合
物およびアミノシリコーンは各種合成繊維ならびに天然
繊維類の中でもポリエステル系合成繊維と最も親和性が
高く、防ダニ性能の耐洗濯性が最も良好な結果が得られ
るからである。本発明の防虫繊維の製造方法を例示する
ならば、上記したピレスロイド系化合物、アミノシリコ
ーンおよび防錆剤を非イオン系界面活性剤もしくはアニ
オン系界面活性剤またはこれらの併用物で乳化分散した
水エマルジョン組成物とし、繊維類に対し目標付着量に
なるよう混合したものをパディング方式、スプレー方
式、浸漬・遠心脱水方式、コーティング方式などで付与
した後、必要に応じ、80〜120℃で予備乾燥後、1
50〜200℃で熱処理することにより製造することが
できる。
綿やクッション、椅子などの詰め綿類、畳縁や畳表の芯
糸類、カーペットの地糸やパイル糸類さらには、ふとん
側地、シーツ類などの編織物や不織布などの布帛類に幅
広く適用可能である。
方法は飼料誘引法を用いた。すなわち、高さ30mm直径
200mmのシャーレにダニ繁殖中の粉末飼料(日本クレ
ア(株)CF−2)を出来るだけ均一に拡げ、この上に
1gの無処理の綿と防虫処理した綿を、それぞれ8cm×
8cmの大きさに拡げ、それを左右対称に1枚づつ置い
た。
に、ダニの全く入っていない粉末飼料(水分15%)
1.0gを入れた直径2.8cmの容器を置き、室温25
℃±2℃、湿度70〜80%の範囲に調節したふ卵器に
入れ40時間放置した後に、容器の中の飼料中に這入し
たダニ数を食塩水浮遊法で数え忌避率を求めて、防虫効
果を評価した。忌避率は、次式で算出した。 忌避率(%)={(A−B)/A}×100 ここで、Aは無処理の綿のダニ数、Bは防虫処理綿のダ
ニ数を表わす。
示し、実用性の上から忌避率が40%以上であるのが好
ましい。以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。
ルのポリエステル系合成繊維からなる50万デニールの
トウに対し、ピレスロイド系化合物をノニルフェノール
のエチレンオキサイド9モル付加物で乳化し、ピレスロ
イド系化合物が0.1重量%になるように、また、バイ
ンダーとして、アミノ当量が3.5×103 グラム当量
/モルであるアミノシリコーン(TKシリコーンAS6
5、高松油脂(株)製)を固形分換算で0.5重量%に
なるように、さらに防錆剤としてエチレンジアミン4酢
酸の2ナトリウム塩を固形分換算で0.15重量%にな
るように調製した水エマルジョン組成物をスプレーで付
与した後、51mmにステープルカットし、次いで175
℃で3分間熱処理を行ない、防ダニふとん綿とした。ピ
レスロイド系化合物に対するアミノシリコーンの重量比
は1:5、ピレスロイド系化合物に対する防錆剤の重量
比は1:1.5であった。なお、ピレスロイド系化合物
として、フェノトリン(実施例1)、ピレトリン(実施
例2)、アレクトリン(実施例3)、フラルトリン(実
施例4)を用いた。配合比はいずれも実施例1と同じに
した。これら4種類のふとん綿を前記方法でダニの忌避
性を測定したところ、いずれも良好な忌避効果を示した
(実施例1〜4)。結果を表1に示す。
フェノトリンを使用しないもの(比較例1)、上記実施
例1においてアミノシリコーンを使用しないもの(比較
例2)、上記実施例1において防錆剤であるエチレンジ
アミン4酢酸の2ナトリウム塩を使用しないもの(比較
例3)を、実施例1と同様の方法で作製したが、表1に
示す如く、実施例1〜4のような、すべての特性を満足
するものは得られなかった(比較例1〜3)。結果を表
1に併せて示す。
11デニールのポリエステル系合成繊維からなる50万
デニールのトウに対し、ピレスロイド系化合物としてフ
ェノトリンを0.15重量%(実施例5)、0.005
重量%(比較例4)、2.0重量%(比較例5)になる
ように付与した他は実施例1と全く同様の条件でステー
プルを製造した。実施例5は、ピレスロイド系化合物に
対するアミノシリコーンの重量比が1:3.33、ピレ
スロイド系化合物に対する防錆剤の重量比が1:1であ
り、安全性の高い、ドライ洗たくに耐える良好な防ダニ
効果が得られた。比較例4は、ピレスロイド系化合物に
対するアミノシリコーンの重量比が1:100、ピレス
ロイド系化合物に対する防錆剤の重量比が1:30であ
り、防ダニ効果が悪かった。また、比較例5は、ピレス
ロイド系化合物に対するアミノシリコーンの重量比が
1:0.25、ピレスロイド系化合物に対する防錆剤の
重量比が1:0.075であり、若干、臭気があり、ふ
とん綿として適用しにくいものであった。結果を表2に
示す。
いてアミノ当量が3.5×103 グラム当量/モルのア
ミノシリコーンを0.4重量%(実施例6)、0.1重
量%(比較例6)、3.5重量%(比較例7)とした後
は実施例1と全く同様の条件でステープルを製造した。
ピレスロイド系化合物に対するアミノシリコーンの重量
比は1:4(実施例6)、1:1(比較例6)、1:3
5(比較例7)であり、ピレスロイド系化合物に対する
防錆剤の重量比はいずれも1:1.5であった。また、
実施例1のアミノシリコーンに代えて、アミノ当量が
1.0×10グラム当量/モルのもの(比較例8)、ア
ミノ当量が1.5×104 グラム当量/モル/モルのも
の(比較例9)を用いた他は実施例1と同様の条件でス
テープルを試作した。ピレスロイド系化合物に対するア
ミノシリコーンの重量比はいずれも1:4であり、ピレ
スロイド系化合物に対する防錆剤の重量比はいずれも
1:1.5であった。結果を表3に示す。
防錆剤であるエチレンジアミン4酢酸の2ナトリウム塩
をを0.03重量%(比較例10)、2.0重量%(比
較例11)とした他は実施例1と同様の条件でステープ
ルを試作した。ピレスロイド系化合物に対するアミノシ
リコーンの重量比はいずれも1:4であり、ピレスロイ
ド系化合物に対する防錆剤の重量比は1:0.3(比較
例10)、1:200(比較例11)であった。前者は
防錆性が劣り、また、後者はダニ忌避性に問題があっ
た。また、実施例1の防錆剤に代えてオクチルピルジニ
ウムクロライド(比較例12)、エチレンオキサイドが
20モル付加され、プロピレンオキサイドが20モル付
加されたテトロニック型の非イオン系界面活性剤(比較
例13)を用いた他は実施例1と同様の条件でポリエス
テル系合成繊維からなるステープルを試作した。ピレス
ロイド系化合物に対するアミノシリコーンの重量比はい
ずれも1:4であり、ピレスロイド系化合物に対する防
錆剤の重量比はいずれも1:1.5であった。いずれも
防錆性は良くなかった。
てアクリル酸エステル系樹脂(プライマールHA−1
0、日本ライヒホールド(株)製)(比較例14)、ウ
レタン系樹脂(エラストロン3000スーパー、第一工
業製薬(株)製)(比較例15)、ジメチルシロキサン
タイプのシリコーン系樹脂(トーレシリコーンSH87
00、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)
(比較例16)を用いた他は実施例1と同様の条件でス
テープルを試作した。ピレスロイド系化合物に対するバ
イダーの重量比はいずれも1:4であり、ピレスロイド
系化合物に対する防錆剤の重量比はいずれも1:1.5
であった。良好なダニ忌避効果は得られなかった。結果
を表4に示す。
臭気もほとんどない、しかもドライクリーングに対する
耐久性の高い、防ダニ効果を付与した繊維を提供するも
ので、ふとん綿やクッションなどの詰め綿や、ふとん側
地やシーツ類、毛布やカーペット類など幅広く適用可能
である。
も、カードマシンや織機などの鉄製部分を錆させること
もなく、工業化上もトラブル発生が少なく、極めて生産
性の高いものである。
Claims (2)
- 【請求項1】ピレスロイド系化合物、アミノ当量が4.
5×102 〜6.5×103 グラム当量/モルのアミノ
シリコーンおよび防錆剤が付着してなる防虫繊維であっ
て、ピレスロイド系化合物に対するアミノシリコーンの
重量比が1:1〜1:20であり、ピレスロイド系化合
物に対する防錆剤の重量比が1:0.5〜1:10であ
り、繊維中のピレスロイド系化合物の付着量が0.01
〜1.0重量%であり、防錆剤が下記一般式(I)で示
される化合物であることを特徴とする防虫繊維。 【化1】 式中、R:C2 〜C4 のアルキル基、Y1 :C8 〜C18
のアルキル基または−(CH2 )n −COO基(n:1〜
3)、Y2 ,Y3 ,Y4 :−(CH2 )n −COO基
(n:1〜3)、X1 :無,H,NaまたはK、X2 ,X
3 ,X4 :H,NaまたはKを示す。 - 【請求項2】ピレスロイド系化合物がフェノトリンであ
ることを特徴とする請求項1の防虫繊維。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04101324A JP3106678B2 (ja) | 1992-04-21 | 1992-04-21 | 防虫繊維 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04101324A JP3106678B2 (ja) | 1992-04-21 | 1992-04-21 | 防虫繊維 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05302269A JPH05302269A (ja) | 1993-11-16 |
JP3106678B2 true JP3106678B2 (ja) | 2000-11-06 |
Family
ID=14297644
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04101324A Expired - Lifetime JP3106678B2 (ja) | 1992-04-21 | 1992-04-21 | 防虫繊維 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3106678B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3588892B2 (ja) * | 1996-02-09 | 2004-11-17 | 東レ株式会社 | リサイクル容易なベッドマット |
JP2005299030A (ja) * | 2004-04-14 | 2005-10-27 | Toray Ind Inc | 再生セルロース繊維を含む中わた用繊維材料 |
-
1992
- 1992-04-21 JP JP04101324A patent/JP3106678B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05302269A (ja) | 1993-11-16 |
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