JP2001098462A - 衛生性に優れる変性ポリエステル系繊維製品およびその製造方法 - Google Patents
衛生性に優れる変性ポリエステル系繊維製品およびその製造方法Info
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Abstract
びにその他の特性を損なうことなく優れた抗菌活性およ
び防カビ性を示し、かつ洗濯により抗菌活性が低下しに
くい変性ポリエステル系繊維製品およびその製造方法を
提供すること。 【解決手段】 変性ポリエステル系繊維製品を、抗菌性
化合物を含む溶液中で、100℃〜150℃にて加熱処
理することを特徴とする、衛生性に優れる変性ポリエス
テル系繊維製品の製造方法、および変性ポリエステル系
繊維製品に、抗菌性化合物を含む溶液を付着させ、次い
で130℃〜220℃の範囲の温度にて乾熱加熱または
蒸熱加熱することを特徴とする、衛生性に優れる変性ポ
リエステル系繊維製品の製造方法。
Description
性ポリエステル系繊維製品およびその製造方法に関す
る。より詳細には、本発明は、変性ポリエステル系繊維
の組織内に抗菌性化合物を固定化することにより、該繊
維に衛生性を付与する方法に関する。
維製品は、使用者の皮膚からの分泌物、汗、皮膚の剥離
物等が付着し易く、これらが栄養源となって細菌、ダニ
等の微生物が繁殖する良好な培地となり得る。その結
果、これらの繊維製品は、微生物からの生産物によって
不快感を発生し得、場合によっては皮膚病および他の種
々の疾病の感染原因ともなり得る。
繊維製品は、保管の際や湿度の高い場所で使用する場合
等に、カビが発生し得る。その結果、繊維製品の劣化お
よび汚染が起こり得、繊維製品の品位が低下し得る。
らびにカビから保護して衛生的に保ち、また品位を良好
に維持する目的で繊維製品に抗菌性化合物を固着させる
試みがなされ、今までに幾つかの方法が実施されてい
る。
繊維製品を浸漬する方法、または抗菌性化合物を含む液
を繊維製品に噴霧する方法が知られている。
として、例えば、抗菌性第4級アンモニウム塩の分子の
一部を有機シリコン化合物を介して繊維分子の一部に結
合する方法、あるいは有機塩素化合物等の抗菌性化合物
を、展開性のよい合成樹脂を被覆した繊維表面に接着し
て固定化する方法、あるいは無機金属(銀系など)を繊
維中に練込む方法、あるいは繊維物質の組成中に有機金
属化合物を結合させて抗菌性を付与する方法などが知ら
れている。
てきた繊維は、専ら木綿、毛、絹、アセテート、アクリ
ル系、ポリアミド系、塩化ビニール系、ポリウレタン系
等の繊維であった。
する分子中に、抗菌性化合物分子と化学的または物理的
に結合し得る官能基を有する繊維、または改質によりこ
のような官能基を導入した繊維、あるいは接着剤との親
和性に優れた表面物性を有する繊維である。
法として、一般に繊維との親和性が高いカチオン活性剤
系抗菌性化合物を繊維に付着させることも行われてい
る。しかしこのような方法で得られた繊維は、耐久性に
問題がある上に、塵挨を吸着して汚れ現象が目立つとい
う欠点がある。
造するための試みが、これまでに多くなされてきた。し
かし、変性ポリエステル系繊維は、接着剤との親和性が
悪いため接着剤併用による抗菌性化合物固定が不十分で
あるという問題を有する。
え、繊維本来の風合を損なわず、また十分な耐光性およ
び耐洗濯性を備え、かつ長期間抗菌活性を持続し得るよ
うな変性ポリエステル系繊維の衛生加工方法は、これま
で知られていなかった。
は、繊維仕上げ行程の処理条件に耐え、繊維本来の風合
を損なわず、また十分な耐光性と耐洗濯性を備え、かつ
長期間効力を持続し得るような変性ポリエステル系繊維
製品の製造方法およびこのような方法により得られる変
性ポリエステル系繊維製品を提供することである。
エステル系繊維製品に良好な衛生性を付与する方法とし
て、変性ポリエステル系繊維を形成する鎖状高分子の集
合体の間隙に抗菌性化合物を侵入させて固定化させるこ
とを試みた。その結果、耐光性、耐洗濯性に優れ、長期
間抗菌効果を持続させる本発明の衛生加工法に到達し
た。
ル系繊維製品を、抗菌性化合物を含む水溶液中で100
〜150℃下、液熱加熱処理するか、または該繊維製品
に抗菌性化合物を付着後に130〜220℃下で乾熱も
しくは蒸熱加熱することで抗菌性化合物を繊維製品に固
着することを特徴とする衛生性に優れる変性ポリエステ
ル系繊維製品およびその製造方法に関する。
を、抗菌性化合物を含む溶液中で、100℃〜150℃
にて加熱処理することを特徴とする、衛生性に優れる変
性ポリエステル系繊維製品の製造方法に関する。
品に、抗菌性化合物を含む溶液を付着させ、次いで13
0℃〜220℃の範囲の温度にて乾熱加熱または蒸熱加
熱することを特徴とする、衛生性に優れる変性ポリエス
テル系繊維製品の製造方法に関する。
いて、上記溶液が、界面活性剤、溶剤、水、および抗菌
性化合物を含有する。
り製造される、衛生性に優れる変性ポリエステル系繊維
製品に関する。
ル系繊維製品が、リン系難燃性モノマーを練込むかまた
は共重合させた変性ポリエステル系繊維を含む。
ル系繊維製品が、カチオン可染性モノマーを共重合させ
た変性ポリエステル系繊維を含む。
ル系繊維製品が、イソフタル酸を共重合させた変性ポリ
エステル系繊維を含む。
ル系繊維製品が、ポリエチレングリコールを練込むかま
たは共重合させた変性ポリエステル系繊維を含む。
が、塩素を含有しない有機系化合物である。
性ポリエステル系繊維製品であって、1.8以上の殺菌
活性値を有し、かつカビ抵抗値が3である、製品に関す
る。
性ポリエステル系繊維製品であって、該製品に含まれる
変性ポリエステル系繊維中に固定化された該抗菌性化合
物の量が、該変性ポリエステル系繊維の全重量に対し
て、0.5重量%〜0.95重量%である、製品に関す
る。
細に説明する。
エステル系繊維製品には、原綿、糸、紐、織編物、不織
布、その他の加工品等の全ての変性ポリエステル系繊維
製品が包含される。
エステル系繊維製品としては、以下の式(I)または式
(II)で表されるリン系難燃モノマーを練込むかまた
は共重合させた変性ポリエステル系繊維を含む、難燃性
ポリエステル繊維:
基であり、R2、R3は同じかまたは異なる基であって、
それぞれ、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10の炭化水
素基、またはR1から選択され、Aは2価もしくは3価
の有機残基を表わし、n1は1または2であり、そして
n2、n3、はそれぞれ0〜4の整数を表わす)、カチオ
ン可染モノマーを共重合させたカチオン可染ポリエステ
ル繊維、イソフタル酸を共重合させた高収縮ポリエステ
ル繊維、ポリエチレングリコールを練込むかまたは共重
合させた常圧可染ポリエステル繊維、あるいはその他の
変性ポリエステル系繊維を含む、変性ポリエステル繊維
製品が挙げられる。
は、生活環境において微生物の発生を防止することによ
り、生活環境を衛生的に保つ性質(例えば、抗菌性、防
臭性、防カビ性など)に優れていることを意味する。よ
り詳細には、本発明において「衛生性に優れる」とは、
殺菌活性値が1.8以上、最も好適には2以上であり、
かつ、カビ抵抗値が3であることを示す。
としては、親水性の強いもの、着色性のあるもの、臭気
または刺激の強いもの、昇華性の強いもの、日光に照射
されると変質するもの、毒性が強いもの等を除いてほと
んどの抗菌性化合物が適用できる。このような有機系化
合物は、染色不良、退色促進、染料滲出、移染、黄変、
異臭等による繊維製品の品位低下を起こさない。このよ
うな好ましい抗菌性化合物の例としては、ビス(2−ピ
リジルチオ−1−オキシド)亜鉛(ZPT)、イルガサ
ンDP−300、3−メチル−4−イソプロピルフェノ
ール(3M4P)、チモール、p−オキシ安息香酸アル
キルエステル(ここで、アルキルは、直鎖または分枝鎖
を有するC1〜C5アルキル(例えば、メチル、エチル、
n−およびiso−プロピル、n−ブチル、sec−ブ
チル、ter−ブチル、またはペンチル等である)、グ
リセリンモノ脂肪酸エステル(ここで、脂肪酸は、直鎖
または分枝鎖を有するC7〜C11脂肪族カルボン酸(例
えば、カプリル酸(CH3(CH2)6COOH)、カプ
リン酸(CH3(CH2)8COOH)、ラウリン酸(C
H3(CH2)10COOH)等)である)、2−(4−チ
アゾリル)−ベンズイミダゾール(TBZ)、2−メト
キシカルボニルアミノベンズイミダゾール(MBC)、
2−メトキシカルボニルアミノベンズイミダゾール、
4’−n−ドデシルベンゼンスルホン酸塩(MBC−
S)、10,10’−オキシビスフェノキシアルシン、
8−オキシキノリン銅、キャプタン、ダイホルタンな
ど、ならびにそれらの2種以上の混合物が挙げられる。
ない有機系化合物である。このような塩素を含まない有
機系化合物の例には、上記抗菌性化合物のうち、ビス
(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛(ZPT)、
3−メチル−4−イソプロピルフェノール、チモール、
p−オキシ安息香酸アルキルエステル、グリセリンモノ
脂肪酸エステル、2−(4−チアゾリル)−ベンズイミ
ダゾール(TBZ)、2−メトキシカルボニルアミノベ
ンズイミダゾール(MBC)、2−メトキシカルボニル
アミノベンズイミダゾール、4’−n−ドデシルベンゼ
ンスルホン酸塩(MBC−S)、10,10’−オキシ
ビスフェノキシアルシン、8−オキシキノリン銅など、
ならびにそれらの2種以上の混合物が挙げられる。
特に好ましい。ZPTは、その加工性、耐久性、安全性
等の特性に優れているからである。
化合物含有溶液は、抗菌性化合物、溶剤、界面活性剤、
水および必要に応じて乳化安定剤等を調合して均一液状
とする通常の乳剤の調製法に準じて製造した原液を、さ
らに水で希釈することにより調製される。
性化合物を用いる場合は、分散剤(ナフタレンスルホン
酸ホルマリン縮合物と水とを抗菌性化合物に加えてスラ
リー状としボールミル、ホモミキサー、コロイドミル等
で十分に微粒化してフロアブル剤とし、これを水で希釈
して用いるか、あるいはこのフロアブル剤を噴霧乾燥し
て粉剤としたものを水で希釈して用いる。
び粉剤はさらに水で希釈して使用されるので、これらに
含有される抗菌性化合物の濃度は、できるだけ高濃度で
あることが好ましい。抗菌性化合物含有原液、フロアブ
ル剤および粉剤中の抗菌性化合物濃度は、処方上の難易
によって5重量%〜80重量%、好適には、10重量%
〜70重量%、より好適には、10重量%〜60重量%
の範囲内であり得る。
とに分けられる。
を含む水溶液と被処理変性ポリエステル系繊維製品とを
入れ処理する方法である。加圧法において、繊維製品
は、抗菌性化合物含有水溶液中の抗菌性化合物の使用量
0.05〜20.0%(繊維重量に対して)、好適には
0.1%〜10%、最も好適には0.3%〜5%;繊維
重量に対する水重量の比率(浴比)1:(1〜10
0)、好適には1:(1〜50)、最も好適には1:
(1〜30);処理温度100〜150℃、好適には1
00℃〜130℃、最も好適には100℃〜120℃;
処理時間90分〜5分(処理温度が高温になる程、処理
時間は短くなる)、好適には60分〜10分、最も好適
には40分〜20分の範囲から選択された好適な条件下
で処理され得る。
含有水溶液を浸漬または塗布し、次いで抗菌性化合物の
付着率を繊維重量に対して所定の割合に絞り、その後、
所定の処理時間および処理温度で、乾熱もしくは蒸熱加
温により浸透固着させる方法である。常圧法において、
繊維製品は、抗菌性化合物含有水溶液中の抗菌性化合物
濃度0.05g/l〜50.0g/l、好適には、0.
05g/l〜30g/l、最も好適には、0.05g/
l〜10g/l;抗菌性化合物の繊維製品への付着率4
0〜90%(繊維重量に対して)、好適には60%〜9
0%、最も好適には70%〜90%;処理温度130℃
〜220℃、好適には150℃〜210℃、最も好適に
は160℃〜200℃;処理時間5分〜10秒(処理温
度が高温になる程、処理時間は短くなる)好適には3分
〜10秒、最も好適には2分〜10秒から選択された好
適な条件下で処理され得る。なお、この方法では、常圧
かつ高温で処理するので、処理温度において蒸気圧が低
い抗菌性化合物(例えば、ビス(2−ピリジルチオ−1
−オキシド)亜鉛(ZPT))を選ぶ必要がある。
は、抗菌性化合物の抗菌効力に応じて、変性ポリエステ
ル系繊維製品中に含まれる繊維の重量に対して0.00
1%〜2.0%の範囲、好適には、0.01%〜1.0
%の範囲、最も好適には、0.05%〜1.0%の範囲
で繊維内に配合されることが必要である。実際に必要な
抗菌性化合物の量は、処理方法、使用される抗菌性化合
物に応じた有効率(抗菌性化合物含有水溶液中におい
て、抗菌性化合物が繊維中に取り込まれる割合)を実験
的に確認することにより決定される。
繊維を用いる理由は、次の通りである。
テル繊維に比べて鎖状高分子の集合体の間隙を多く有す
る。そのために、変性ポリエステル系繊維では、抗菌性
化合物の繊維中への固定化率が、汎用ポリエステル繊維
のそれと比べて高くなる。
維の鎖状高分子の集合体の間隙に適切な抗菌性化合物を
侵入させて固定化させている。従って、本発明の変性ポ
リエステル系繊維製品中に固定化された抗菌性化合物の
抗菌活性は、長期間安定に持続する。さらに、本発明の
変性ポリエステル系繊維製品は、抗菌性化合物が繊維製
品中に固定化されているので、優れた耐洗濯性を示す。
が極めて微量に抑制されているので、変性ポリエステル
系繊維製品の安全性が高い。
製品は、変性ポリエステル系繊維製品が本来有してい
る、風合、撥水性、および塵挨吸着防止性、ならびにそ
の他の特性(難燃性、カチオン可染性、高収縮性、分散
常圧可染性等)を損なうことなく、優れた衛生性を示
す。
品は、その製造工程において、抗菌性化合物の使用量を
極力削減し、廃水中に含まれて排出される抗菌性化合物
を最小限に止めることが出来るという利点もまた有す
る。
工程は、通常、精練、染色、仕上げ工程中に、上記加圧
法および常圧法における条件と同様の条件で処理する操
作を有する。従って、本発明の方法は、従来の変性ポリ
エステル系繊維製品の製造工程中に適宜組み込むことが
可能であるという利点を有する。例えば、上記繊維製品
の染色工程と本発明の方法とを併用することにより、極
めて簡便で経済的に本発明の変性ポリエステル系繊維製
品を得ることができる。
する。以下の実施例は、本発明を例示するためのもので
あり、本発明を限定することを意図していない。なお、
実施例中「%」とあるのは、特に断りがない限り「重量
%」を示す。
エステル系布の作製 本実施例では、抗菌性化合物を含む処方物を、本発明お
よび対照の処理温度および処理時間にて、2種類の処理
方法(液熱処理および乾熱処理)を用いて、変性ポリエ
ステル系布および汎用ポリエステル系布に付与した。
2種類の抗菌性化合物含有原液を、以下の組成で処方し
た: (処方物(1))ビス(2−ピリジルチオ−1−オキシ
ド)亜鉛(ZPT)20%、ジメチルスルホキサイド
(DMSO)10%、イソプロパノール20%、ヒマシ
油モノエタノールアミン30%、および水(残量)を混
合して均一液とした(以下、処方物(1)とする)。 (処方物(2))イルガサンDP−300 20%、D
MSO 20%、イソプロパノール20%、ドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム30%、および水10%を
混合し均一液とした(以下、処方物(2)とする)。
上記処方物で処理した: (変性ポリエステル系布)変性ポリエステル系布とし
て、難燃性ポリエステル布(式(I)のリン含有化合物
を5モル%共重合した変性ポリエステルの150デニー
ル、48フィラメント難燃ポリエステル編地)を用いた
(以下、供試布(1)とする)。 (汎用ポリエステル系布)汎用ポリエステル系布とし
て、(150デニール、48フィラメント難燃ポリエス
テル編地)(以下、供試布(2)とする)。
方法を用いて、上記処方物を上記布に付与した: (液熱処理)高圧染色試験機の浴中で、所定量の抗菌性
化合物を、抗菌性化合物原液と水との比が1:50にな
るように水で希釈した。この希釈溶液に、スミカロンネ
イビーブルーS−GLex.cc.染料(商品名、住友
化学社製)2%o.w.f.を添加した。(以下、使用
した抗菌性化合物原液の繊維重量に対する重量%を、%
o.w.f.と表す。)この混合溶液中で、供試布
(1)および(2)を、所定の温度および時間で処理し
た。次いで、この供試布(1)および(2)を還元洗浄
[処理条件;ハイドロサルファイト2g/l、ソーダ灰
1g/l70℃、10分間]し、そして風乾した。 (乾熱処理)抗菌性化合物原液を水で8.3g/lに希
釈した希釈溶液に、供試布(1)および(2)を浸し
た。次いで、供試布(1)および(2)への液の付着率
を繊維重量に対して60%に絞った。所定の温度および
時間で供試布(1)および(2)を加熱処理した。次い
で、この供試布(1)および(2)を還元洗浄[処理条
件;ハイドロサルファイト2g/l、ソーダ灰1g/l
70℃、10分間]し、そして風乾した。
理した供試布1gを、ジクロロメタン50mlに浸漬し
た。これに超音波振動を与えながら20分間抽出した
後、ジクロロメタン層を採った(この作業を2回繰り返
した)。採取したジクロロメタン層を合わせ、この層か
らジクロロメタンを留去した。残留物にエタノールを添
加して20mlとした。この溶液を、ガスクロマトグラ
フ法により定量した。
法:130℃、45分;乾熱法:160℃、1分)で行
った試験1〜8では、処理された供試布(1)および
(2)のいずれにも抗菌性化合物の吸着が観察された。
一方、対照の処理温度および処理時間(液熱法:80
℃、120分;乾熱法:90℃、10分)で行った試験
9〜16では、処理された供試布(1)および(2)の
いずれにおいても、抗菌性化合物の吸着は観察されなか
った。
ける抗菌性化合物吸着量は、供試布(2)における抗菌
性化合物吸着量の約2倍であることがわかった。
された供試布(1)および供試布(2)をそれぞれ洗濯
した。 (一般用途洗濯)各供試布を、JAFET標準洗剤を使
用して、JIS L0217103号(制菌加工繊維製
品一般用途の洗濯方法)により10回洗濯した。洗濯し
た供試布を以下の抗菌能力試験に供して、その抗菌活性
を、洗濯していない供試布の抗菌活性と比較した。 (特定用途洗濯)各供試布を、JAFET標準配合洗剤
を使用して、厚生省令第13号に準拠の方法(制菌加工
繊維製品特定用途の洗濯方法)により50回洗濯し、こ
れを以下の抗菌能力試験に供した。
(ATCC6538P)、肺炎桿菌(ATCC435
2)、MRSA(IID1677)を用いて、上記2−
1.で洗濯した供試布の抗菌能力を試験した。抗菌能力
試験は、JIS L1902−1998の方法に準じて
実施した。ここで、抗菌性化合物の抗菌能力は、下記式
を用いて算出された殺菌活性値により評価した。殺菌活
性値の高いものほど抗菌性に優れている。
を満たす) ここで、 A;未加工標準布の接種直後に回収した菌数の平均値 B;未加工標準布の18時間培養直後に回収した菌数の
平均値 C;加工布の18時間培養直後に回収した菌数の平均値
をそれぞれ表す。
ついて、洗濯前および洗濯後の各供試布における抗菌活
性値を列挙する。
れた供試布は、洗濯前において、いずれも明らかな抗菌
活性を示した。一般用途洗濯(10回)および特定用途
洗濯(50回)に供した後、変性ポリエステル系繊維
(試験1、3、5および7)では、抗菌活性が良好に維
持されたのに対し、汎用ポリエステル繊維(試験2、
4、6および8)では抗菌活性は著しく低下した。特に
試験1および5で得られた変性ポリエステル系繊維で
は、特定用途洗濯(50回)に供した後も抗菌活性値は
全く変化しなかった。
処理された供試布はいずれも、抗菌活性を全く示さなか
った。
(1)および供試布(2)をそれぞれカビ抵抗性試験に
供した。
ス ニゲル(A.niger)ATCC6275、ペニ
シリウムシトリヌム(P.citrinum)ATCC
9849、ケトミウム クロボサム(C.globos
um)ATCC6205 およびミロテシウム ベルカ
リア(M.verrucaria)USDA1334.
2を用いて、JIS Z2911−1976(繊維製品
のカビ抵抗性試験方法−湿式法)試験を実施した。各供
試布のカビ抵抗性値を、以下の表5に列挙する。
は、いずれも良好なカビ抵抗性値を示した。
撥水性、および塵挨吸着防止性、ならびにその他の特性
を損なうことなく優れた抗菌活性および防カビ性を示
す、変性ポリエステル系繊維製品が提供される。本発明
の変性ポリエステル系繊維製品は、複数回にわたって洗
濯しても、その抗菌活性が良好に維持される。本発明に
より得られる変性ポリエステル系繊維製品は、家庭用は
もちろん、医療機関並びにそれに準ずる施設用として、
衣料品(白衣、寝巻など)、寝装品(敷布、布団側地な
ど)、インテリア製品(カーテン、カーペットなど)、
雑貨品(マット、カバーなど)など広範囲な用途に使用
することができる。
Claims (11)
- 【請求項1】 変性ポリエステル系繊維製品を、抗菌性
化合物を含む溶液中で、100℃〜150℃にて加熱処
理することを特徴とする、衛生性に優れる変性ポリエス
テル系繊維製品の製造方法。 - 【請求項2】 変性ポリエステル系繊維製品に、抗菌性
化合物を含む溶液を付着させ、次いで130℃〜220
℃の範囲の温度にて乾熱加熱または蒸熱加熱することを
特徴とする、衛生性に優れる変性ポリエステル系繊維製
品の製造方法。 - 【請求項3】 前記溶液が、界面活性剤、溶剤、水、お
よび抗菌性化合物を含有する、請求項1または2に記載
の方法。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の方
法により製造される、衛生性に優れる変性ポリエステル
系繊維製品。 - 【請求項5】 前記変性ポリエステル系繊維製品が、リ
ン系難燃性モノマーを練込むかまたは共重合させた変性
ポリエステル系繊維を含む、請求項4に記載の製品。 - 【請求項6】 前記変性ポリエステル系繊維製品が、カ
チオン可染性モノマーを共重合させた変性ポリエステル
系繊維を含む、請求項4に記載の製品。 - 【請求項7】 前記変性ポリエステル系繊維製品が、イ
ソフタル酸を共重合させた変性ポリエステル系繊維を含
む、請求項4に記載の製品。 - 【請求項8】 前記変性ポリエステル系繊維製品が、ポ
リエチレングリコールを練込むかまたは共重合させた変
性ポリエステル系繊維を含む、請求項4に記載の製品。 - 【請求項9】 前記抗菌性化合物が、塩素を含有しない
有機系化合物である、請求項4に記載の製品。 - 【請求項10】 抗菌性化合物を含有する変性ポリエス
テル系繊維製品であって、1.8以上の殺菌活性値を有
し、かつカビ抵抗値が3である、製品。 - 【請求項11】 抗菌性化合物を含有する変性ポリエス
テル系繊維製品であって、該製品に含まれる変性ポリエ
ステル系繊維中に固定化された該抗菌性化合物の量が、
該変性ポリエステル系繊維の全重量に対して、0.5重
量%〜0.95重量%である、製品。
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JP2002339249A (ja) * | 2001-05-11 | 2002-11-27 | Kao Corp | 柔軟剤組成物 |
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