JP2000318457A - 車両等におけるパネル取り付け構造 - Google Patents
車両等におけるパネル取り付け構造Info
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Abstract
生を良好に防止することのできる車両等におけるパネル
取り付け構造を提供する。 【解決手段】 パネル20がパネルフレーム10に相対
移動可能に接合される。パネル20の端縁部をシールす
るウエザーストリップ30がパネルフレーム10に装着
される。パネル20の端面20cとその端面20cに対
向するウエザーストリップ30の内側面30aとの間に
隙間Sを形成する。隙間Sには弾性および粘着性を有す
る弾性材50を装入する。隙間Sをパネル表面20a側
から裏方に向かって広くなる形状に形成する。
Description
ルーフのパネルやこれに類するその他のパネル等の車両
等におけるパネル取り付け構造に関するものである。
くしたり、車内の開放感を向上するために、車両ボデー
のルーフにサンルーフを取り付けるものがある。図9に
サンルーフの一部破断斜視図を示すように、サンルーフ
100には、その採光部としてのガラスあるいは合成樹
脂製のパネル20が使用される。
ル取り付け構造は、図10に部分断面図で示すように、
パネル20がパネルフレーム10に接着剤40により相
対移動可能に接合され、前記パネルフレーム10にウエ
ザーストリップ30が装着されている。なお、パネル2
0の表面20aにはウエザーストリップ30の表側リッ
プ32が面接触し、パネル20の端縁部をシールしてい
る。
取り付け構造において、前記パネル20がガラス製であ
る場合に比べて樹脂製である場合には、線膨張係数が大
きいことにより、次に述べる問題を発生する。すなわ
ち、高温時にはパネル20の熱膨張により、パネル20
の端面20cとその端面20cに対向するウエザースト
リップ30の内側面30aとの間に強い干渉を起こす。
により、パネル20の端面20cとウエザーストリップ
30の内側面30aとの間に剥離が発生して隙間ができ
る。また、ウエザーストリップ30の表側リップ32と
パネル20の表面20aとは面接触しているだけであ
る。したがって、車両ボデーの清掃時等に、洗剤、ワッ
クス等の薬液や塵埃等の異物が、ウエザーストリップ3
0の表側リップ32とパネル20の表面20aとの間を
通じて前記隙間に侵入することがある。
いられる樹脂製のパネル20では、パネル20の表裏両
面に保護コート層が形成されているが、パネル20の端
面20cには保護コート層が形成されていない。
ート層が形成されていない端面20cに、前に述べた異
物、とくに洗剤、ワックス等の薬液が付着すると、高温
時に発生するパネル20の端面20cとウエザーストリ
ップ30の内側面30aとの強い干渉と、前記薬液によ
る薬害との相乗作用によって、パネル20の端面20c
にストレスクラッキング(環境応力亀裂(ESC)とも
いう)が発生する。
パネル20の端面20cとウエザーストリップ30の内
側面30aとの間に予め隙間Sbを設定しておき、前記
パネル20の端面20cとウエザーストリップ30の内
側面30aとの間の強い干渉を回避したものも提案され
ている(例えば、特開昭62−199525号公報参
照)。しかしながら、依然として、ウエザーストリップ
30の表側リップ32とパネル20の表面20aとの間
を通じて隙間Sbに薬液が侵入する。したがって、パネ
ル20の端面20cには、薬液による薬害とパネル20
自体の内部応力との相乗作用によりストレスクラッキン
グが発生したり、水や薬液がフレーム10まで至り、フ
レーム10表面に錆が発生するおそれがある。
号公報では、図12に部分断面図で示すように、パネル
20の端面20cとその端面20cに対向するウエザー
ストリップ30の内側面30aとの間に、弾性および粘
着性を有するシーラント70を充填した実施例も記載さ
れている。このようにすると、隙間Sbに充填したシー
ラント70により、パネル20の端面20cに対する薬
液の付着を阻止することができる。
その端面20cに対向するウエザーストリップ30の内
側面30aとが平行面をなしているため、パネル20の
熱膨張によってシーラント70が図12に二点鎖線70
aで示すように上方へはみ出したり、甚だしいときには
シーラント70がせん断されたりするおそれがある。ま
た、パネル20の熱収縮によりシーラント70が引っ張
られ、材料破壊したり、界面剥離等をおこすおそれがあ
る。すると、シーラント70のシール性が低下すること
になり、ひいてはパネル20の端面20cにストレスク
ラッキングを発生することになる。また、パネル20の
熱膨張によってシーラント70がはみ出すと、図12に
二点鎖線32aで示すように、ウエザーストリップ30
の表側リップ32が捲り上がり、ウエザーストリップ3
0の美観も損なわれる。
なされたものであって、本発明が解決しようとする課題
は、パネルの熱膨張時におけるパネルの端面とその端面
に対向する部材の内側面との間の強い干渉を回避すると
ともに、パネルの端面に対する薬液の付着を長期にわた
って阻止することにより、パネルの端面でのストレスク
ラッキングの発生を良好に防止することのできる車両等
におけるパネル取り付け構造を提供することにある。
めに、本発明の請求項1記載の発明は、車両等における
パネルがパネルフレームに相対移動可能に接合され、前
記パネルの端縁部をシールするウエザーストリップが前
記パネルフレームに装着された車両等におけるパネル取
り付け構造であって、前記パネルの端面とその端面に対
向する部材の内側面との間に隙間を形成し、前記隙間に
は弾性および粘着性を有する弾性材を装入し、また、前
記隙間をパネル表面側から裏方に向かって広くなる形状
に形成した車両等におけるパネル取り付け構造である。
なお、本明細書でいう「車両等」とは、自動車、電車、
さらにパネルおよびパネルの被設置個所が構成された車
両を広く含むものとする。
には弾性材の弾性変形によりパネルの端面とその端面に
対向する部材の内側面との間の強い干渉を回避すること
ができる。また、パネルの熱収縮時には弾性材の弾性復
元力と粘着性との協動によってパネルの端面に対する弾
性材の剥離が防止されることにより、パネルの端面への
薬液の付着を阻止することができる。したがって、パネ
ルの熱膨張時におけるパネルの端面とその端面に対向す
る部材の内側面との間の強い干渉を回避するとともに、
パネルの端面に対する薬液の付着を阻止することによ
り、パネルの端面でのストレスクラッキングの発生を良
好に防止することができる。
部材の内側面との間に形成した隙間をパネル表面側から
裏方に向かって広くなる形状に形成したことにより、パ
ネルの熱膨張によって変形した弾性材が下方へ押しやら
れるため、その弾性材のパネル表面上へのはみ出し及び
せん断を防止することができる。したがって、弾性材の
はみ出しやせん断によって生じるウエザーストリップの
シール性の低下を回避し、パネルの端面に対する薬液の
付着を長期にわたって阻止することができる。
ネル表面に対し鋭角をなす斜面に形成した請求項1記載
の車両等におけるパネル取り付け構造である。このよう
に構成すると、隙間をパネル表面側から裏方に向かって
広くなる形状に形成するための斜面を容易にかつ低コス
トでもって形成することができる。例えば、パネルの端
面に対向する部材すなわちウエザーストリップおよび/
またはパネルフレームの内側面を斜面に形成する場合に
は、それらの部材を成形する型構造の変更により行な
う。
プには、弾性材をシールするリップを備えた請求項1ま
たは2記載の車両等におけるパネル取り付け構造であ
る。このように構成すると、ウエザーストリップのリッ
プにより弾性材がシールされるため、パネルの熱膨張に
ともなう弾性材のはみ出しを効果的に阻止することがで
きる。
ついて図1〜図4を参照して説明する。なお、本実施の
形態は、従来例のサンルーフにおけるパネル取り付け構
造を改良したものであるから、従来例と同一もしくは実
質的に同一構成と考えられる部分には同一符号を付すこ
とにする。
図1において、実施の形態1にかかるパネル取り付け構
造は、パネルフレーム10とパネル20とウエザースト
リップ30とを備えている。以下、順に詳述する。
状をなす主板部11の外端縁部に表側(図1において上
側)へ立ち上り状に折り曲げられた突出縁12を有して
いる。なおパネルフレーム10は、例えば鉄製等の金属
製からなる。
10の突出縁12内に重合状に遊嵌可能なほぼ平板形状
に形成されている。なおパネル20は、例えばポリメチ
ルメタクリレート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネー
ト樹脂製等の樹脂製からなり、表裏両面には保護コート
層(図示省略)が形成されている。
ルフレーム10の主板部11の内側部の上面に接着剤4
0により接合されている。接着剤40は、パネル20の
端面20cより少し奥まった位置においてパネル20と
パネルフレーム10の主板部11とを接合している。こ
れにより、パネル20の端縁部とパネルフレーム10の
主板部11と間に、後述する弾性材50の圧縮変形時の
逃げ場としての隙間Saが形成されている。なお、接着
剤40としては半硬化型接着剤が用いられており、パネ
ルフレーム10とパネル20とは相対移動可能に接合さ
れている。
ネルフレーム10の突出縁12に嵌着可能なスリット状
の溝部31aを有する本体部31と、本体部31の上端
部から内方(図1において右方)に向けて突出されかつ
前記パネル20の表面(パネル表面ともいう)20aに
面接触可能な表側リップ32と、本体部31の上端部か
ら外方(図1において左方)に向けて突出されかつ車両
のルーフに形成されたサンルーフ用の窓開口部(図示省
略)の内側面と当接可能な外側リップ33とを備えてい
る。なおウエザーストリップ30は、例えばエチレンプ
ロピレンゴム、クロロプレンゴム等のソリッドゴム製、
軟質塩化ビニル樹脂製等のゴム製からなる。
1の溝部31aをパネルフレーム10の突出縁12に嵌
着することにより、パネルフレーム10に装着されてい
る。この状態で、ウエザーストリップ30の表側リップ
32は、前記パネル20の表面20aに弾性をもって面
接触し、パネル20の端縁部をシールする。
に、前記パネル20の端面20cとその端面20cに対
向する部材すなわち前記ウエザーストリップ30の本体
部31の内側面(ウエザーストリップ30の内側面とも
いう)30aとの間には隙間Sが形成されている。
る弾性材50が装入されている。この弾性材50には、
パネル20が熱膨張して圧縮状態になっても高い応力が
発生しないうえ、パネル20が熱収縮して引張り作用を
受けた場合でもパネル20の端面20cやウエザースト
リップ30の内側面30aと剥離したり、材料破壊が発
生しない性質の材料、例えばゴム系ホットメルトシール
等の弾性材料が好ましい。
ネル表面20aに対し鋭角θをなす斜面20c(当該端
面と同一符号を付す)に形成されている。これにより、
前記隙間Sは、パネル表面20a側から裏方(図2にお
いて上側から下方)に向かって広くなる形状に形成され
ている。なお、パネル20の端面20cのうち、パネル
表面20a側の端部はパネル表面20aに対しほぼ直角
をなす端面20dとして残している。これにより、パネ
ル20の端面20cを全面的に斜面とした場合に生じる
ことが予測される先鋭状端部の破損が防止される。
ネル20が熱膨張したときには、パネル20の端面20
cとウエザーストリップ30の内側面30aとの間の隙
間S(図2参照)が小さくなるように、弾性材50が圧
縮変形することにより、前記パネル20の熱膨張が吸収
される(図4の部分断面図参照)。この弾性材50の圧
縮変形により、パネル20の端面20cとウエザースト
リップ30の内側面30aとの間の強い干渉が回避され
る。
図3の部分断面図に示すように、パネル20の端面20
cとウエザーストリップ30の内側面30aとの間の隙
間Sが大きくなるが、弾性材50の弾性復元力と粘着性
との協動によって、パネル20の端面20cに対する弾
性材50の剥離が防止される。したがって、ウエザース
トリップ30の表側リップ32とパネル20の表面20
aとが面接触しているだけにより、車両ボデーの清掃時
等に洗剤やワックス等の薬液がウエザーストリップ30
の表側リップ32とパネル20の表面20aとの間に侵
入したとしても、パネル20の端面20cに対する薬液
の付着は阻止することができる。
によると、パネル20の熱膨張時におけるパネル20の
端面20cとウエザーストリップ30の内側面30aと
の間の強い干渉を回避するとともに、パネル20の端面
20cに対する薬液の付着を阻止することにより、パネ
ル20の端面20cでのストレスクラッキングの発生を
良好に防止することができる。
ストリップ30の内側面30aとの間に形成した隙間S
をパネル表面20a側から裏方に向かって広くなる形状
に形成したことにより、パネル20の熱膨張によって圧
縮変形した弾性材50が下方へ押しやられ、パネル20
の端縁部とパネルフレーム10の主板部11との間の隙
間Saに逃げ込むように変形するため、その弾性材50
のパネル表面20a上へのはみ出し及びせん断を防止す
ることができる。したがって、弾性材50のはみ出しや
せん断によって生じる弾性材50のシール性の低下を回
避し、パネル20の端面20cに対する薬液の付着を長
期にわたって阻止することができる。また、これと同時
に、前記ウエザーストリップ30の表側リップ32が捲
り上がるといった変形も防止されるため、ウエザースト
リップ30の美観が損なわれない。
面20aに対し鋭角をなす斜面に形成したことにより、
隙間Sをパネル表面側から裏方に向かって広くなる形状
に形成するための斜面20cを容易にかつ低コストでも
って形成することができる。例えば、パネル20の端面
20cに対向する部材すなわちウエザーストリップ30
および/またはパネルフレーム10の突出縁12の内側
面30a,12aを斜面に形成する場合には、それらの
部材20,30を成形する型構造の変更により行われ
る。
5の部分断面図を参照して説明する。実施の形態2は、
実施の形態1の一部を変更したものであるからその変更
部分について詳述し、実施の形態1と同一もしくは実質
的に同一構成と考えられる部分には同一符号を付して重
複する説明は省略する。また次以降の実施の形態につい
ても同様の考えで重複する説明は省略する。
エザーストリップ30の内側面30aに、弾性材50を
シールする洩れ止め用のリップ35を一体形成したもの
である。このリップ35の先端部はパネル20の端面2
0cに向かって延びている。また、リップ35の形成に
際し、そのリップ35と表側リップ32との間には凹溝
状の空間部36が形成される。なお、前記リップ35
は、パネル20の熱膨張および熱収縮にともなう端面2
0cの移動に追従しながら弾性変形し、パネル20が熱
膨張した場合にはリップ35を図中左方へ押圧し、弾性
材50の変形を規制する。
造によると、ウエザーストリップ30のリップ35によ
り弾性材50がシールされるため、パネル20の熱膨張
にともなう弾性材50のはみ出しを効果的に阻止するこ
とができる。
6の部分断面図を参照して説明する。実施の形態3のパ
ネル取り付け構造は、実施の形態1のパネル20の端面
20cはパネル表面20aに対しほぼ直角をなす端面と
し、ウエザーストリップ30の内側面30aをパネル表
面20aに対し鋭角θをなす斜面30a(当該内側面と
同一符号を付す)に形成することによって、隙間Sをパ
ネル表面側から裏方に向かって広くなる形状に形成した
ものである。
7の部分断面図を参照して説明する。実施の形態4のパ
ネル取り付け構造は、パネル20の端面20cに対向す
る部材を、ウエザーストリップ30とパネルフレーム1
0の突出縁12とにより形成したものである。この場
合、パネル20の端面20cに対向する面は、ウエザー
ストリップ30の内側面30aとパネルフレーム10の
突出縁12の内側面12aとにより形成される。なお、
パネル20の端面20cに対向する面は、パネルフレー
ム10の突出縁12の内側面12aのみにより形成され
ることもある。
8の部分断面図を参照して説明する。実施の形態5のパ
ネル取り付け構造は、図8のように、前記実施の形態2
のリップ35の先端部35aを屈曲させることにより、
ウエザーストリップ30を上方から組付けた場合に、リ
ップ35の先端部35aの先端がパネル20の端面20
cに沿うため、ウエザーストリップ30を正しく組付け
ることができる。
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更
が可能である。例えば、パネル20は、樹脂製とした
が、ガラス製に代えることができる。また、パネルフレ
ーム10は、車両のボデーパネルやその他のパネルに代
えることができる。また、パネル20の端面20cを実
施の形態1に示すように斜面20cに形成すると同時
に、ウエザーストリップ30の内側面30aを実施の形
態3に示すように斜面30aに形成してもよい。
構造によれば、パネルの熱膨張時におけるパネルの端面
とその端面に対向する部材の内側面との間の強い干渉を
回避するとともに、パネルの端面に対する薬液の付着を
長期にわたって阻止することにより、パネルの端面での
ストレスクラッキングの発生を良好に防止することがで
きる。
断面図である。
る。
る。
断面図である。
断面図である。
断面図である。
断面図である。
視図である。
分断面図である。
部分断面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 車両等におけるパネルがパネルフレーム
に相対移動可能に接合され、前記パネルの端縁部をシー
ルするウエザーストリップが前記パネルフレームに装着
された車両等におけるパネル取り付け構造であって、 前記パネルの端面とその端面に対向する部材の内側面と
の間に隙間を形成し、前記隙間には弾性および粘着性を
有する弾性材を装入し、また、前記隙間をパネル表面側
から裏方に向かって広くなる形状に形成した車両等にお
けるパネル取り付け構造。 - 【請求項2】 パネルの端面をパネル表面に対し鋭角を
なす斜面に形成した請求項1記載の車両等におけるパネ
ル取り付け構造。 - 【請求項3】 ウエザーストリップには、弾性材をシー
ルするリップを備えた請求項1または2記載の車両等に
おけるパネル取り付け構造。
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