JP2000315434A - キースイッチ装置、キースイッチ装置を備えたキーボード及びキーボードを備えた電子機器 - Google Patents

キースイッチ装置、キースイッチ装置を備えたキーボード及びキーボードを備えた電子機器

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JP2000315434A
JP2000315434A JP2000002064A JP2000002064A JP2000315434A JP 2000315434 A JP2000315434 A JP 2000315434A JP 2000002064 A JP2000002064 A JP 2000002064A JP 2000002064 A JP2000002064 A JP 2000002064A JP 2000315434 A JP2000315434 A JP 2000315434A
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key
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Isao Mochizuki
勲 望月
Hirobumi Sato
博文 佐藤
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Brother Industries Ltd
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H3/00Mechanisms for operating contacts
    • H01H3/02Operating parts, i.e. for operating driving mechanism by a mechanical force external to the switch
    • H01H3/12Push-buttons
    • H01H3/122Push-buttons with enlarged actuating area, e.g. of the elongated bar-type; Stabilising means therefor
    • H01H3/125Push-buttons with enlarged actuating area, e.g. of the elongated bar-type; Stabilising means therefor using a scissor mechanism as stabiliser

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ラバースプリングや複雑なキートップ付勢機
構を必要とすることなく、良好なクリック感を伴ってキ
ー操作を行うことが可能なキースイッチ装置、そのキー
スイッチ装置を備えたキーボード及びそのキーボードを
備えた電子機器を提供する。 【解決手段】 第1リンク部材3の第1カム部24及び
第2リンク部材4の第2カム部35の双方に、それぞれ
第1カム面25、カム頂点27、第2カム面26を形成
するとともに、第1カム部24と一体に板バネ部20、
第2カム部35と一体に板バネ部31を形成し、キート
ップ2の非押下時には、各板バネ部20、31の付勢力
を介して第1カム部24及び第2カム部35の両第1カ
ム面25を相互に当接させてキートップ2を非押下位置
に安定的に保持し、また、キートップ2の押下時には、
各板バネ部20、31の付勢力に基づき第1リンク部材
3、第2リンク部材4の上方への回転モーメントを維持
しつつ第1カム部24及び第2カム部35の両第2カム
面26を当接した状態で樹脂弾性片24A、35Aを介
してスイッチング動作を行わせるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一対のリンク部材
を介してキートップの上下動を案内しつつスイッチング
動作を行うキースイッチ装置と、そのキースイッチ装置
を備えたキーボード及びそのキーボードを備えた電子機
器に関し、特に、キースイッチ装置に汎用されているラ
バースプリングや複雑なキートップ付勢機構を必要とす
ることなく、キートップ操作時に良好なクリック感を伴
ってキー操作を行うことが可能であるとともに、クリッ
ク感を自在に設計することが可能であり、もってキース
イッチ装置全体のコストを低減することが可能なキース
イッチ装置と、そのキースイッチ装置を備えたキーボー
ド及びそのキーボードを備えた電子機器に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子機器の一種であるノート
型パーソナルコンピュータ等の小型化、薄型化等に伴
い、これに付設されるキーボードにおけるキースイッチ
装置について各種の装置が提案されている。この種のキ
ースイッチ装置では、キートップを上方に付勢してキー
トップを非押下位置に保持し、また、キートップの押下
時にはクリック感を伴いつつ座屈してスイッチング動作
を行うとともに、スイッチング後にはキートップを非押
下位置まで復帰させるについて、ラバースプリングが汎
用されている。
【0003】ここに、ラバースプリングは、シリコンラ
バーやEPDMラバー等から形成されているが、一般的
に、コストが高く、また、キースイッチ装置内で所定の
位置に位置決めしつつ適正に組み込む作業は煩雑なもの
である。更に、ラバースプリングを使用する場合、キー
スイッチ装置のスイッチング特性は、ラバースプリング
の特性に依存するところが大きく、従って、キースイッ
チ装置のスイッチング特性を自在に変更することは困難
なものとなる。
【0004】かかる事情に基づき、近年、ラバースプリ
ングを使用することなくキースイッチ装置を実現する各
種の提案がなされている。例えば、特開平10−172
380号公報には、キートップのフックとベースモール
ドのフックとの間に一対の第1及び第2のリンクを可動
状態で配置してキートップの上下動を各リンクにより案
内するとともに、各リンクの連結部の間にゴムシートを
張設したキースイッチ装置が記載されている。かかるキ
ースイッチ装置では、非押下時にキートップ裏面に形成
された円形突起がゴムシートに密着してキートップは非
押下状態に保持されており、また、キートップを押下し
た際には、円形突起を介してゴムシートの張力を増加さ
せながら下方に押圧して円形突起、ゴムシートを貫通孔
から下方に突出させることにより、クリック感を伴いつ
つ底板に支持されたメンブレンシートのスイッチ領域を
スイッチングするものである。尚、キートップの押下を
解除すると、キートップはゴムシートの弾性力により上
方に移動され元の非押下位置に復帰する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記した特開平10−
172380号公報に記載されたキースイッチ装置で
は、ラバースプリングを使用しないことからラバースプ
リングのサイズに影響されることなく、キースイッチ装
置設計における自由度を増加させることが可能ではあ
る。
【0006】しかしながら、前記キースイッチ装置で
は、一般に汎用されているラバースプリングは使用され
ていないものの、ラバースプリングがラバーシートに置
換されただけであり、キースイッチ装置の構成上ラバー
シートが必須とされていることから、キースイッチ装置
全体のコストを低減するにはまだまだ不十分であり、ま
た、ラバーシートを一対の各リンクの連結部間に張設す
る作業はキースイッチ装置の組立作業を煩雑化してしま
う問題がある。また、キートップの押下時にクリック感
を伴ってスイッチング動作を行うことが可能ではある
が、かかるクリック感を自在に設計することは極めて困
難である。
【0007】本発明は前記従来の問題点を解消するため
になされたものであり、ラバースプリングや複雑なキー
トップ付勢機構を必要とすることなく、キートップ操作
時に良好なクリック感を伴ってキー操作を行うことが可
能あるとともに、クリック感を自在に設計することが可
能であり、もってキースイッチ装置全体のコストを低減
することが可能なキースイッチ装置と、そのキースイッ
チ装置を備えたキーボード及びそのキーボードを備えた
電子機器を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
請求項1に係るキースイッチ装置は、キートップと、キ
ートップの下方にて可動状態で配置された一対の第1及
び第2リンク部材を有し、第1及び第2リンク部材を介
してキートップの上下動を案内しつつスイッチ部のスイ
ッチングを行うキースイッチ装置において、第1リンク
部材に形成された第1カム部及び第2リンク部材に形成
された第2カム部と、前記第1及び第2カム部に形成さ
れるとともに、第1及び第2カム部が当接する方向に付
勢する弾性部材とを備えたことを特徴とする。
【0009】請求項1のキースイッチ装置では、キート
ップの上下動を案内する第1リンク部材に第1カム部、
第2リンク部材に第2カム部が形成されるとともに、第
1カム部及び第2カム部が当接する方向に付勢する弾性
部材が形成されており、かかる請求項1のキースイッチ
装置では、第1リンク部材の第1カム部と第2リンク部
材の第2カム部との当接状態、及び、各第1カム部、第
2カム部に形成された弾性部材の協働により、キートッ
プを上方へ付勢して非押下位置に保持するとともに、押
下解除時にキートップを非押下位置に復帰させることが
可能となり、従って、ラバースプリングや複雑な付勢機
構を使用することなくキースイッチ装置を構成してコス
トの低減を図ることが可能となる。また、第1カム部と
第2カム部とは、弾性部材を介して常時当接されてお
り、キートップの上下動に対応して当接位置が変化する
ので、第1カム部及び第2カム部の形状を必要に応じて
変化させることにより、キー操作時に発生するクリック
感を自在に設計することが可能となる。
【0010】また、請求項2に係るキースイッチ装置
は、請求項1のキースイッチ装置において、前記第1及
び第2カム部の双方には第1カム面及び第2カム面が形
成され、第1カム面はキートップの非押下位置に対応す
るとともに、第2カム面はキートップの押下位置に対応
することを特徴とする。かかる請求項2のキースイッチ
装置では、第1カム部と第2カム部の双方における第1
カム面相互の当接に基づきキートップは非押下位置に保
持され、また、第2カム面相互の当接に基づきキートッ
プは押下位置にて規制される。このように、第1カム部
及び第2カム部の双方に第1カム面と第2カム面を形成
しておき、弾性部材による付勢力に基づき第1カム面相
互及び第2カム面相互を当接させることにより、キート
ップを非押下位置と押下位置とに安定的に保持・規制す
ることが可能となる。
【0011】更に、請求項3に係るキースイッチ装置
は、請求項2のキースイッチ装置において、前記第1カ
ム面と第2カム面との境界部にカム頂点が形成され、キ
ートップの非押下時には弾性部材の付勢力を介して第1
カム部の第1カム面と第2カム部の第1カム面とが当接
される第1当接状態となり、キートップの押下時には弾
性部材の付勢力に抗してカム頂点を乗り越えて第1カム
部の第2カム面と第2カム部の第2カム面とが当接され
る第2当接状態となることを特徴とし、また、請求項4
に係るキースイッチ装置は、請求項3のキースイッチに
おいて、前記キートップは、弾性部材の付勢力に抗して
カム頂点を乗り越えて第1当接状態から第2当接状態に
移行する際に、クリック感を伴って押下されることを特
徴とする。かかる請求項3及び請求項4のキースイッチ
装置では、第1カム部の第1カム面と第2カム部の第1
カム面とが当接される第1当接状態でキートップが非押
下位置にて安定的に保持され、第1カム部の第2カム面
と第2カム部の第2カム面とが当接する第2当接状態で
キートップが押下位置に押下位置に規制される。また、
キートップの押下時に、各第1カム部、第2カム部にお
いて、第1カム面と第2カム面との境界部に形成された
各カム頂点を乗り越えて第1当接状態から第2当接状態
に移行する際に、キートップはクリック感を伴って押下
され、この時、操作者には明確なキー操作感が伝達され
得る。
【0012】また、請求項5に係るキースイッチ装置
は、請求項2乃至請求項4のいずれかのキースイッチ装
置において、前記第1カム面、カム頂点及び第2カム面
で形成される角度は鈍角に設定されていることを特徴と
する。請求項5のキースイッチ装置では、第1カム面、
カム頂点及び第2カム面で形成される角度が鈍角に設定
されているので、キートップの押下時に、第1カム部及
び第2カム部との間で第1当接状態からカム頂点を乗り
越えて第2当接状態への移行がスムーズに行われ、これ
より適切且つ明確なクリック感を実現しつつキー操作を
行うことが可能となる。ここに、第1カム面、カム頂点
及び第2カム面で形成される角度は、弾性部材による付
勢力等を勘案して自由に設定することが可能であり、こ
れによりキー操作時に発生するクリック感を自在に変更
することが可能となる。尚、第1カム面、カム頂点及び
第2カム面で形成される角度が鋭角になると、弾性部材
による付勢力の作用が大きくなり、従って、キートップ
の押下力が必要以上に大きくなり、また、カム頂点を乗
り越えて第1当接状態が第2当接状態に移行する際の衝
撃も大きくなってキー操作性が低下してしまう。
【0013】更に、請求項6に係るキースイッチ装置
は、請求項1乃至請求項5のいずれかのキースイッチ装
置において、前記キートップの裏面に形成された第1係
止部と、前記キートップの下方に配置された支持プレー
ト上に設けられた第2係止部と、前記第1リンク部材に
形成され、第1係止部に対応する第1軸部及び第2係止
部に対応する第2軸部と、前記第2リンク部材に形成さ
れ、第1係止部に対応する第3軸部及び第2係止部に対
応する第4軸部とを備え、前記第1軸部及び第3軸部は
第1係止部にて回動可能に係止されるとともに、前記第
2軸部及び第4軸部は第2係止部にて摺動可能に係止さ
れていることを特徴とする。かかる請求項6のキースイ
ッチ装置では、第1リンク部材の第1軸部及び第2リン
ク部材の第3軸部は、それぞれキートップの第1係止部
にて回動可能に係止され、第1リンク部材の第2軸部及
び第2リンク部材の第4軸部は、それぞれ支持プレート
上の第2係止部にて摺動可能に係止されていることか
ら、キートップはその押下時に支持プレートに対して垂
直方向に移動される。このとき、スイッチ部は、キート
ップの垂直下方位置に配置される。
【0014】また、請求項7に係るキースイッチ装置
は、請求項1乃至請求項5のいずれかのキースイッチ装
置において、前記キートップの裏面に形成された第1係
止部と、前記キートップの下方に配置された支持プレー
ト上に設けられた第2係止部と、前記第1リンク部材に
形成され、第1係止部に対応する第1軸部及び第2係止
部に対応する第2軸部と、前記第2リンク部材に形成さ
れ、第1係止部に対応する第3軸部及び第2係止部に対
応する第4軸部とを備え、前記第1軸部及び第3軸部は
第1係止部にて回動可能に係止されるとともに、前記第
2軸部は第2係止部にて摺動可能に係止、且つ、第4軸
部は第2係止部にて回動可能に係止されていることを特
徴とする。請求項7のキースイッチ装置では、第1リン
ク部材の第1軸部及び第2リンク部材の第3軸部は、そ
れぞれキートップの第1係止部にて回動可能に係止さ
れ、また、第1リンク部材の第2軸部は支持プレートの
第2係止部にて摺動可能に係止されるとともに、第2リ
ンク部材の第4軸部は支持プレートの第2係止部にて回
動可能に係止されていることから、キートップはその押
下時に支持プレートに対して斜め下方向に移動される。
このとき、スイッチ部は、キートップの斜め下方向位置
に配置される。前記請求項7のキースイッチ装置では、
キートップはその押下時に斜め下方向に向かって移動す
ることとなるが、かかる構成は、操作者の指が全て同一
長さではないという特性を勘案した場合、人間工学的見
地からキー操作上好ましい場合が多いことに基づく。
【0015】更に、請求項8に係るキースイッチ装置
は、請求項6又は請求項7のキースイッチ装置におい
て、前記第1軸部及び第3軸部の中心と第2カム面との
距離は、第1軸部及び第3軸部の中心と第1カム面との
距離よりも大きく設定されていることを特徴とする。請
求項8のキースイッチ装置では、第1軸部及び第3軸部
の中心と第2カム面との距離は、第1軸部及び第3軸部
の中心と第1カム面との距離よりも大きく設定されてお
り、かかる条件を満足する場合には、キートップを最終
押下位置まで押下した時点においても第1リンク部材と
第2リンク部材の回転モーメントは上方向に向かって作
用し、これにより弾性部材の弾性力を介してキートップ
を上方向に移動して元の非押下位置まで復帰させること
が可能となるものである。
【0016】また、請求項9に係るキースイッチ装置で
は、請求項6乃至請求項8のいずれかのキースイッチ装
置において、前記スイッチ部は支持プレート上に配置さ
れたメンブレンスイッチシートから構成され、キートッ
プを押下した際に少なくとも第1カム部及び第2カム部
の一方を介してメンブレンスイッチシートにおけるスイ
ッチングが行われることを特徴とする。請求項9のキー
スイッチ装置では、支持プレート上に配置されたメンブ
レンスイッチシートからスイッチ部を構成することによ
りスイッチ部の取扱が容易となり、複数のキースイッチ
装置を配列してキーボードを構成する場合にその組立を
簡単に行うことが可能となる。
【0017】更に、請求項10に係るキースイッチ装置
は、請求項9のキースイッチ装置において、前記第2係
止部は、メンブレンスイッチシートの上面に接着固定さ
れたチップ状の係止部材から構成されたことを特徴とす
る。請求項10のキースイッチ装置では、メンブレンス
イッチシートの上面に接着固定されたチップ状の係止部
材により第2係止部を構成したので、支持プレートに対
して直接係止部をプレス加工等により形成する場合に比
して、高価なプレス用金型が不要となってキースイッチ
装置のコストを格段に低減可能となる。
【0018】また、請求項11に係るキースイッチ装置
は、請求項9のキースイッチ装置において、前記第1カ
ム部及び第2カム部の一方は、キートップの押下時にカ
ム頂点を乗り越えて第1当接状態から第2当接状態に移
行する前に、前記メンブレンスイッチシートのスイッチ
ングを行うことを特徴とする。請求項11のキースイッ
チ装置では、カム頂点を乗り越えて第1当接状態から第
2当接状態に移行する前に、第1カム部及び第2カム部
の一方が、メンブレンスイッチシートのスイッチングを
行い、メンブレンスイッチシートにおけるスイッチング
を行った後に第1カム部材の第2カム面と第2カム部の
第2カム面とが当接されることとなり、これによりスイ
ッチングを行った後に第2カム面相互の安定化を図るこ
とが可能となり、チャタリング等を防止することが可能
となる。
【0019】更に、請求項12に係るキースイッチ装置
は、請求項1乃至請求項11のいずれかのキースイッチ
装置において、前記第1カム部及び第2カム部は、第1
リンク部材及び第2リンク部材が相互に対向する位置に
形成されており、前記弾性部材は、第1カム部及び第2
カム部に隣接して形成されていることを特徴とする。請
求項12のキースイッチ装置では、第1リンク部材の形
成時に第1カム部及び弾性部材を一体に形成することが
容易となり、また、第2リンク部材の形成時に第2カム
部及び弾性部材を一体に形成することが容易となる。
【0020】また、請求項13に係るキーボードは、前
記請求項1に記載のキースイッチ装置を少なくとも1以
上備えている。かかる請求項13のキーボードでは、請
求項1のキースイッチ装置を備えていることから、前記
請求項1の場合と同様の効果を得ることができる。
【0021】更に、請求項14に係る電子機器は、キー
トップと、キートップの下方にて可動状態で配置された
一対の第1及び第2リンク部材を有し、第1及び第2リ
ンク部材を介してキートップの上下動を案内しつつスイ
ッチ部のスイッチングを行うキースイッチ装置であっ
て、第1リンク部材に形成された第1カム部及び第2リ
ンク部材に形成された第2カム部と、前記第1及び第2
カム部に形成されるとともに、第1及び第2カム部が当
接する方向に付勢する弾性部材とを備えたキースイッチ
装置を備え、文字や記号等を入力するキーボードと、文
字や記号等を表示する表示手段と、前記キーボードから
の入力データに基づいて前記表示手段に文字や記号等を
表示させる制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0022】請求項14の電子機器では、キーボードに
付設されたキースイッチ装置を介して文字、記号等が入
力された場合、そのキーボードからの入力データに基づ
き制御手段による制御下で文字、記号等が表示手段に表
示される。このとき、請求項14の電子機器では、前記
請求項1のキースイッチ装置を備えたキーボードを備え
ており、これより請求項1の場合と同様、第1リンク部
材の第1カム部と第2リンク部材の第2カム部との当接
状態、及び、各第1カム部、第2カム部に形成された弾
性部材の協働により、キートップを上方へ付勢して非押
下位置に保持するとともに、押下解除時にキートップを
非押下位置に復帰させることが可能となり、従って、ラ
バースプリングや複雑な付勢機構を使用することなくキ
ースイッチ装置を構成して電子機器のコストの低減を図
ることが可能となる。また、第1カム部と第2カム部と
は、弾性部材を介して常時当接されており、キートップ
の上下動に対応して当接位置が変化するので、第1カム
部及び第2カム部の形状を必要に応じて変化させること
により、キー操作時に発生するクリック感を自在に設計
することが可能なキーボードを備えた電子機器を実現す
ることが可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るキースイッチ
装置、そのキースイッチ装置を備えたキーボード及びそ
のキーボードを備えた電子機器について、本発明を具体
化した第1実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説
明する。先ず、本実施形態に係る電子機器の一種である
ノート型パーソナルコンピュータについて図24
(A)、(B)に基づき説明する。図24はノート型パ
ーソナルコンピュータを示し、図24(A)はノート型
パーソナルコンピュータの斜視図、図24(B)はノー
ト型パーソナルコンピュータの電気的構成を示すブロッ
ク図である。
【0024】図24(A)において、ノート型パーソナ
ルコンピュータ100は、基本的に、各種演算処理を行
うCPUを内蔵した本体部102、及び、本体部102
に対して開閉可能に支持されたディスプレイ103から
構成されている。ここに、ディスプレイ103は、本体
部102の連結部104に回動可能に支持されており、
これより本体部102に対して開閉可能に構成されてい
る。本体部102には、複数のキースイッチ装置1が配
設されてなるキーボード105が設けられている。
【0025】また、図24(B)において、CPU10
1には、パーソナルコンピュータ100の各部を制御す
るためのプログラムが記憶されたROM106、各種デ
ータを記憶するためのRAM107がバス108を介し
て接続されている。また、CPU101には、バス10
8を介して入出力インターフェース109が接続されて
おり、この入出力インターフェース109には、前記デ
ィスプレイ103、キーボード105、文書や表計算等
のプログラムが記憶されたハードディスク装置110が
接続されている。前記CPU101は、キーボード10
5からの入力データに基づいて、文書作成や表計算等の
プログラムをハードディスク装置110から読み込んで
実行したり、ディスプレイ103に文字や記号等を表示
する。
【0026】次に、前記ノート型パーソナルコンピュー
タ100のキーボード105に付設されている第1実施
形態に係るキースイッチ装置の概略構成について図1乃
至図3に基づき説明する。図1はキースイッチ装置の分
解斜視図、図2はキースイッチ装置の概略側面図、図3
はキースイッチ装置の概略側断面図である。
【0027】先ず、図1において、キースイッチ装置1
は、基本的に、キートップ2、一対の第1リンク部材
3、第2リンク部材4からなりキートップ2の上下動を
案内する案内部材5、及び、案内部材5の下方にて支持
プレート6上に配置されたメンブレンスイッチシート7
から構成されている。
【0028】ここに、キートップ2はABS樹脂等から
成形されており、その表面上には印刷等により文字、数
字等のキャラクタが形成されている。キートップ2の裏
面には、第1リンク部材3に対応して2つの回動係止部
8、8が一体に形成されており、また、第2リンク部材
4に対応して2つの回転係止部9、9が一体に形成され
ている。各回転係止部8、9には、それぞれ係止溝8
A、9Aが設けられている。各回転係止部8の係止溝8
Aは、第1リンク部材3の第1軸部21(後述する)を
回動可能に係止し、また、各回転係止部9の係止溝9A
は、第2リンク部材4の第3軸部32(後述する)を回
転可能に係止する。
【0029】また、案内部材5は、第1リンク部材3と
第2リンク部材4とを相互に組み合わせてなり、各第1
及び第2リンク部材3、4は基本的に同一の構成を有し
ている。尚、各第1リンク部材3、第2リンク部材4の
詳細な構成については後述する。
【0030】更に、案内部材5の下方には、アルミニウ
ム、鉄等から形成された金属薄板からなる支持プレート
6上に載置されたメンブレンスイッチシート7が設けら
れている。メンブレンスイッチシート7は、所謂、銅
箔、導電性塗料等から固定電極パターン10を含むスイ
ッチ回路パターン11が形成された下側フィルムシート
12と、同様に下面に可動電極パターン13が形成され
た上側フィルムシート14との間に、固定電極パターン
10と可動電極パターン13とに対応してスイッチング
孔15が設けられたフィルムスペーサ16を介在させた
三層構造を有している。かかるメンブレンスイッチシー
ト7の構成は公知である。
【0031】ここに、上側スイッチシート14上には、
金属、樹脂等から形成された4つのチップ状の係止部材
17が可動電極パターン13を囲むように接着剤により
接着固定されている。各係止部材17は、長孔状の係止
溝17Aを形成し、第1リンク部材3の第2軸部22
(後述する)、及び、第2リンク部材4の第4軸部33
(後述する)を摺動可能に係止する。尚、メンブレンス
イッチシート7の上側フィルムシート14の上面に各係
止部材17を接着固定する構成については、特願平11
−32608号の明細書、図面に記載された構成と同一
であり、その詳細な説明については特願平11−326
08号の明細書、図面を参照することとして、ここでは
その説明を省略する。
【0032】次に、案内部材5を構成する2つの第1リ
ンク部材3、第2リンク部材4の詳細な構成について説
明する。先ず、第1リンク部材3について図1乃至図4
を参照して説明する。図4は第1リンク部材3の側面
図、平面図である。
【0033】図1乃至図4において、第1リンク部材3
は、一対の板状体18、18、各板状体18を連結する
連結部19、及び、連結部19に近接位置にて板バネ部
20をポリアセタール樹脂等から一体に形成することに
より構成される。各板状体18の一端側(図1乃至図3
にて上側端、図4にて右側端)の近傍位置には、第1軸
部21が外側に向かって延設されており、また、各板状
体18の他端側(図1乃至図3にて下側端、図4にて左
側端)には、第2軸部22が外側に向かって延出されて
いる。各第1軸部21は、前記したキートップ2の回転
係止部8の係止溝8Aに回転可能に係止され、また、各
第2軸部22は、メンブレンスイッチシート7の上側フ
ィルムシート14の表面に接着固定された係止部材17
の係止溝17Aに摺動可能に係止される。
【0034】連結部19は、各板状体18を離間した状
態で相互に連結するものである。板バネ部20は、図4
に示すように、連結部19との間に一定の間隙23を形
成するように各板状体18間に設けられており、板バネ
部20の略中央位置には、第1カム部24が一体に形成
されている。第1カム部24には、図3に示すように、
下方に第1カム面25が形成されており、また、第1カ
ム面25から上方に連続して第2カム面26が形成され
ている。第1カム面25と第2カム面26との境界部に
は、カム頂点27が存在している。ここに、第1カム面
25は、図3からも明らかなように、キートップ2の非
押下位置に対応しており、第2カム面26は、後述する
ように、キートップ2の押下位置に対応している。ま
た、第1カム面25、カム頂点27及び第2カム面26
で形成される角度は、鈍角に設定されている。更に、第
1カム部24の下端には、図3、図4に示すように、キ
ートップ2の押下時にメンブレンスイッチシート7をス
イッチングする樹脂弾性片24Aが設けられている。
【0035】また、各板状体18において、第1軸部2
1よりも端部側(図2、図4中、右端側)には、ギア歯
部28部が設けられている。ギア歯部28は、1つ又は
2つのギア歯28Aを有している。因みに、図4におい
て、上側の板状体18のギア歯部28には2つのギア歯
28Aが形成されており、下側の板状体18のギア歯部
28には1つのギア歯28Aが形成されている。尚、各
ギア歯部28は、後述するように、第2リンク部材4の
板状体29の端部に形成されたギア歯部36と相互に噛
合しており、キートップ2の上下動を行う際に第1リン
ク部材3と第2リンク部材4とを同期して作動させる作
用を行う。
【0036】次に、第2リンク部材4の構成について図
1乃至図3、図5を参照して説明する。図5は第2リン
ク部材4の側面図、平面図である。ここに、第2リンク
部材4は、前記第1リンク部材3と基本的に同一の構成
を有している。
【0037】図1乃至図3、図5において、第2リンク
部材4は、一対の板状体29、29、各板状体29を連
結する連結部30、及び、連結部30に近接位置にて板
バネ部31をポリアセタール樹脂等から一体に形成する
ことにより構成される。各板状体29の一端側(図1乃
至図3にて上側端、図5にて左側端)の近傍位置には、
第3軸部32が外側に向かって延設されており、また、
各板状体29の他端側(図1乃至図3にて下側端、図5
にて右側端)には、第4軸部33が外側に向かって延出
されている。各第3軸部32は、前記したキートップ2
の回転係止部9の係止溝9Aに回転可能に係止され、ま
た、各第4軸部33は、メンブレンスイッチシート7の
上側フィルムシート14の表面に接着固定された係止部
材17の係止溝17Aに摺動可能に係止される。
【0038】連結部30は、各板状体29を離間した状
態で相互に連結するものである。板バネ部31は、図5
に示すように、連結部30との間に一定の間隙34を形
成するように各板状体29間に設けられており、板バネ
部31の略中央位置には、第2カム部35が一体に形成
されている。第2カム部35には、第1リンク部材3の
第1カム部24と同様図3に示すように、下方に第1カ
ム面25が形成されており、また、第1カム面25から
上方に連続して第2カム面26が形成されている。第1
カム面25と第2カム面26との境界部には、カム頂点
27が存在している。ここに、第1カム面25は、図3
からも明らかなように、キートップ2の非押下位置に対
応しており、第2カム面26は、後述するように、キー
トップ2の押下位置に対応している。また、第1カム面
25、カム頂点27及び第2カム面26で形成される角
度は、鈍角に設定されている。更に、第2カム部35の
下端には、図3、図5に示すように、キートップ2の押
下時にメンブレンスイッチシート7をスイッチングする
樹脂弾性片35Aが設けられている。
【0039】ここに、第1カム部24の第1カム面25
と第2カム部35の第1カム面25は、図3に示すよう
にキートップ2の非押下状態において相互に当接してお
り、この状態で第1リンク部材3の板バネ部20及び第
2リンク部材4の板バネ部31は、それぞれ第1カム部
24と第2カム部35とが当接する方向に付勢してい
る。このように第1カム部24の第1カム面25と第2
カム部35の第1カム面25とが当接する状態を第1当
接状態とし、この第1当接状態にてキートップ2は安定
して非押下位置に保持される。また、キートップ2を押
下すると、第1カム部24と第2カム部35は、後述す
るように、第1当接状態から相互にカム頂点27を乗り
越えて、各第2カム面26同志が当接する第2当接状態
に移行する。この第2当接状態でキートップ2は押下位
置まで下降し、第1カム部24の樹脂弾性片24Aと第
2カム部35の樹脂弾性片35Aの一方又は双方を介し
てメンブレンスイッチシート7の上側フィルムシート1
4における可動電極パターン13が上面から押下され
る。これにより、可動電極パターン13がフィルムスペ
ーサ16のスイッチング孔15を介して下側フィルムシ
ート12の固定電極パターン10と接触され、所定のス
イッチング動作が行われる。
【0040】また、各板状体29において、第3軸部3
2よりも端部側(図2、図5中、左端側)には、ギア歯
部36部が設けられている。ギア歯部36は、1つ又は
2つのギア歯36Aを有している。因みに、図5におい
て、上側の板状体29のギア歯部36には1つのギア歯
36Aが形成されており、下側の板状体29のギア歯部
36には2つのギア歯36Aが形成されている。尚、各
ギア歯部36は、前記したように、第1リンク部材3の
板状体19の端部に形成されたギア歯部28と相互に噛
合しており、キートップ2の上下動を行う際に第1リン
ク部材3と第2リンク部材4とを同期して作動させる作
用を行う。
【0041】次に、前記した第1カム部24と第2カム
部35との関係について図6に基づき説明する。図6は
第1リンク部材3から板バネ部20及び第1カム部2
4、第2リンク部材4から板バネ部31及び第2カム部
35を取り出して模式的に示す説明図である。
【0042】図6(A)、(B)において、第1リンク
部材3の板バネ部20と一体に形成された第1カム部2
4のカム頂点27には、第1カム部24の全幅に渡って
突条部27Aが形成されており、また、第2リンク部材
4の板バネ部31と一体に形成された第2カム部35の
カム頂点27には、突条部27Aが嵌合する凹溝27B
が形成されている。ここに、各板バネ部材20、31
は、第1カム部24と第2カム部35とが相互に当接す
る方向に付勢する作用を行うことから、突条部27Aと
凹溝27Bは、第1カム部24及び第2カム部35の各
第1カム面25が相互に当接する第1当接状態(図6
(A)、(B)参照)から各カム頂点27を乗り越える
状態(図6(C)参照)を経て、各第2カム面26が当
接する第2当接状態に至る間、常時嵌合されている。こ
れにより、キー操作時にキートップ2の上下動に従って
第1リンク部材3と第2リンク部材4とが作動する際
に、第1リンク部材3の第1カム部24及び第2リンク
部材4の第2カム部35における各第1カム面25、カ
ム頂点27、第2カム面26相互の同期を確実にとるこ
とができる。
【0043】続いて、前記のように構成されたキースイ
ッチ装置1の動作について図7に基づき説明する。図7
はキートップ2の非押下状態からキートップ2を押下し
てスイッチング動作を行うに至る一連の動作を第1リン
ク部材3、第2リンク部材4の動きに着目して模式的に
示す説明図である。
【0044】先ず、キートップ2を押下していない非押
下状態においては、キートップ2は図7(A)に示すよ
うに非押下位置に保持されている。この状態で、第1リ
ンク部材3の第1カム部24における第1カム面25、
及び、第2リンク部材4の第2カム部35における第1
カム面25は、相互に当接した第1当接状態にあり、か
かる第1当接状態において板バネ部20、31の付勢力
は各第1カム面25相互を当接する方向に作用してい
る。これにより、図2に示すように、第1リンク部材3
の第2軸部22は係止部材17における係止溝17Aの
右側に位置し、また、第2リンク部材4の第4軸部33
は係止部材17における係止溝17Aの左側に位置して
おり、キートップ2は非押下位置に安定的に保持されて
いる。また、第1当接状態においては、板バネ部20、
31の付勢力は各第1カム面25相互を当接する方向に
作用していることから、非押下位置に保持されたキート
ップ2が水平方向に移動してしまうことはなく、これよ
りキートップ2のガタツキを防止することができる。
【0045】前記したキートップ2の非押下状態が図8
にて平面視で示されている。図8において、第1リンク
部材3の第1カム部24と第2リンク部材4の第2カム
部35とが当接された第1当接状態にあり、この状態に
おいて第1リンク部材3の板バネ部20及び第2リンク
部材4の板バネ部31は各第1カム部24、第2カム部
35が相互に当接する方向に付勢しているものの撓んで
はいない。尚、プリロードが必要な場合には、そのプリ
ロード量に対応して各板バネ部20、31は撓む。
【0046】そして、キートップ2の押下を開始する
と、キートップ2の押下に従って第1リンク部材3の第
1軸部21は回動係止部8の係止溝8A内で時計方向に
回動するとともに、第2リンク部材4の第3軸部32は
回動係止部9の係止溝9A内で反時計方向に回動する。
同時に、第1リンク部材3の第2軸部22は係止部材1
7の係止溝17A内で左方向に摺動するとともに、第2
リンク部材4の第4軸部33は係止部材17の係止溝1
7A内で右方向に摺動する。このとき、第1カム部24
の第1カム面25と第2カム部35の第1カム面25は
次第に離間していき、第1カム部24と第2カム部35
とは、それぞれのカム頂点27で当接するようになる。
この状態が図7(B)に示されている。この状態におい
ては、図9にて平面視で示すように、各板バネ部20、
31は最大限に撓んでおり、各板バネ部20、31が第
1カム部24、第2カム部35に及ぼす付勢力は最大と
なる。これに基づきキートップ2の押下荷重は最大とな
る。
【0047】尚、前記のように第1カム部24のカム頂
点27と第2カム部35のカム頂点27とが当接する場
合においても、第1カム部24のカム頂点27には突条
部27Aが形成されるとともに、第2カム部35のカム
頂点27には凹溝27Bが形成され、突条部27Aは凹
溝27Bに嵌合されているので、各カム頂点27相互が
ずれてしまうことは全くなく、第1カム部24と第2カ
ム部35とを完全に同期させることができる。
【0048】更にキートップ2を押下していくと、第1
カム部24及び第2カム部35における第2カム面26
相互は、次第に接近していく。この状態が図7(C)に
示されている。この状態で各板バネ部20、31の撓み
程度は、図7(B)、図9に示す場合よりも小さくなっ
ており、従って、各板バネ部20、31を介して第1カ
ム部24、第2カム部35に及ぼされる付勢力も次第に
小さくなり、この結果、キートップ2の押下荷重も小さ
くなる。
【0049】そして、第1カム部24及び第2カム部3
5の各第2カム面26相互が当接される前に、第1カム
部24の下端に形成された樹脂弾性片24A、及び、第
2カム部35の下端に形成された樹脂弾性片35Aが、
メンブレンスイッチシート7の上側フィルムシート14
を押圧する。これにより、上側フィルムシート14の下
面に形成された可動電極パターン13が、フィルムスペ
ーサ16のスイッチング孔15を介して下側フィルムシ
ート12の固定電極パターン10と接触し、所定のスイ
ッチング動作が行われる。かかるスイッチング動作と略
同時に又はスイッチング動作の後に、各第2カム面26
相互が当接される。このように、スイッチング動作を行
った後に第2カム面26相互が当接されることから、各
樹脂弾性片24A、35Aによる押下動作の安定化を図
ることが可能となり、チャタリング等を防止することが
可能となる。
【0050】ここに、各第2カム面26相互が当接した
状態が図7(D)に示されている。この状態で各板バネ
部20、31の撓み程度は、図7(C)の場合よりも更
に小さくなり、従って、各板バネ部20、31を介して
第1カム部24、第2カム部35に及ぼされる付勢力も
更に小さくなり、この結果、キートップ2の押下荷重も
同様に小さくなる。
【0051】また、前記のように、第1カム部24の第
2カム面26と第2カム部35の第2カム面とが当接し
た状態では、第1カム部24の下端に形成された樹脂弾
性片24A、及び、第2カム部35の下端に形成された
樹脂弾性片35Aが、メンブレンスイッチシート7の上
側フィルムシート14を押圧しており、これにより上側
フィルムシート14の下面に形成された可動電極パター
ン13が、フィルムスペーサ16のスイッチング孔15
を介して下側フィルムシート12の固定電極パターン1
0と接触している。このようにスイッチング動作を行っ
た状態が図10に示されている。図10はスイッチング
におけるキースイッチ装置1を模式的に示す側断面図で
あり、各樹脂弾性片24A、35Aを介して上側フィル
ムシート14が押圧されて上側フィルムシート14と下
側フィルムシート12とが接触していることが分かる。
【0052】尚、各樹脂弾性片24Aと樹脂弾性片35
Aとが上側フィルムシート14に対して同時に接触して
押圧することが望ましいが、例えば、最初に一方の樹脂
弾性片24Aが上側フィルムシート14に接触した場合
においても、これに続いて略同時に他方の樹脂弾性片3
5Aが上側フィルムシート14に接触するので、樹脂弾
性片24Aが上側フィルムシート14に接触することに
起因して上側フィルムシート14に振動等が発生したと
しても、かかる上側フィルムシート14の振動等は、樹
脂弾性片35Aが接触することにより解消され得る。従
って、スイッチング時に発生するチャタリングを確実に
防止することができる。
【0053】また、各樹脂弾性片24A、35Aは、図
7(D)に示す状態から更にキートップ2が押下された
場合に弾性変形されることから、各樹脂弾性片24A、
35Aがキートップ2の移動量を吸収して、所謂、キー
トップ2のオーバートラベルを実現することができる。
【0054】前記のようにスイッチング動作を行った後
キートップ2の押下を解除すると、キートップ2は、第
1リンク部材3の板バネ部20と第2リンク部材4の板
バネ部31による付勢力に基づいて前記した動作と逆の
動作を行い、図7(A)に示す非押下位置まで復帰す
る。
【0055】このとき、各板バネ部20、31の付勢力
を介してキートップ2を元の非押下位置まで復帰させる
には、スイッチング動作を行った時点で、第1カム部2
4と第2カム部35の各カム頂点27の当接部が、第1
リンク部材3の第1軸部21の中心と第2リンク部材4
の第3軸部32の中心とを結ぶ直線よりも上方に存在す
る必要がある。この条件について図11に基づき説明す
る。図11は第1カム部24、第2カム部35の形成条
件を模式的に示す説明図である。
【0056】図11において、第1リンク部材3の第1
軸部21の中心Aと第2リンク部材4の第3軸部32の
中心(図11には図示せず)とを結ぶ直線がLで示され
ている。また、スイッチングが行われた時点における第
1カム部24の外形線をBで示している。この状態で、
外形線Bにて示される第1カム部24のカム頂点27
(第2カム部35のカム頂点27も同一位置に存在す
る)は、直線Lよりも上方に存在することが必要であ
る。このように構成することにより、板バネ部20、3
1による付勢力に基づく回転モーメントは、外形線Bで
示す状態で上方向に作用し、これによりラバースプリン
グや他の付勢機構を必要とすることなく、各板バネ部2
0、31の付勢力のみによってキートップ2を上方へ移
動させることが可能となる。
【0057】また同様に、スイッチングが行われた時点
で各板バネ部20、31による付勢力に基づき第1リン
ク部材3、第2リンク部材4を上方向に回転させるモー
メントを発生させるためには、第1軸部21(第3軸部
32)の中心と第2カム面26との間の距離D2が、第
1軸部21(第3軸部32)の中心と第1カム面25と
の間の距離D1よりも大きく設定することが必要であ
る。
【0058】尚、直線Lとカム頂点27との間の距離H
(直線Lからのカム頂点27の高さ)は、図7(B)に
示す状態でキートップ2に作用する荷重(ピーク荷重)
を決定する要因となる。
【0059】ここで、前記した一連の動作について図1
2に示すストローク−荷重曲線に基づき説明する。尚、
図12において横軸はキートップ2のストローク、縦軸
は押下加重を示す。
【0060】図12において、先ず、状態Oでは、キー
トップ2の押下は行われておらず、キートップ2は板バ
ネ部20、31による付勢力を介して非押下状態に保持
されている。このとき、第1カム部24の第1カム面2
5と第2カム部35の第1カム面25とが当接してお
り、各板バネ部20、31は撓んでいない。尚、プリロ
ードが必要な場合には、そのプリロード量に対応して撓
む(状態U)。状態Oは図7(A)、図8に示す状態に
対応している。
【0061】キートップ2を押下していくと、第1カム
部24及び第2カム部35の各第1カム面25相互は順
次離間していく。この状態が状態Pに対応する。このと
き、各板バネ部20、31は少しずつ撓んでいき、これ
より押下荷重が増加していく。状態Pは図7(A)と図
7(B)の中間の状態にある。
【0062】更にキートップ2を押下していくと、第1
カム部24及び第2カム部35の各カム頂点27相互が
当接対向する。この状態が状態Qに対応する。このと
き、各板バネ部20、31は最大限に撓み、これより押
下荷重は最大(ピーク荷重)となる。状態Qは図7
(B)、図9に対応する。
【0063】更にキートップ2を押下していくと、第1
カム部24及び第2カム部35の各第2カム面26相互
が次第に近接していく。この状態が状態Rに対応する。
このとき、各板バネ部20、31の撓み量は、状態Pの
撓み量から次第に減少していき、これにより押下荷重も
減少していく。状態Rは図7(C)に示す状態に対応し
ている。
【0064】更にキートップを押下していくと、第1カ
ム部24及び第2カム部35の各第2カム26相互が当
接する。この状態が状態Sに対応する。このとき、各板
バネ部20、31の撓み量は、各第2カム面26相互が
当接した瞬間に最小となり、押下荷重も最小となる。状
態Sは図7(D)、図10に示す状態に対応し、第1カ
ム部24の樹脂弾性片24A、第2カム部35の樹脂弾
性片35Aを介してメンブレンスイッチシート7にてス
イッチング動作が行われる。
【0065】前記のようにスイッチング動作が行われた
後、キートップ2が更に押下されると、各樹脂弾性片2
4A、35Aが弾性変形し、これによりオーバートラベ
ルが得られる。この状態が状態Tに対応する。このと
き、各樹脂弾性片24A、35Aが弾性変形しつつメン
ブレンスイッチシート7を押下するので、押下加重は再
び増加する。
【0066】以上詳細に説明した通り第1実施形態に係
るキースイッチ装置1では、第1リンク部材3の第1カ
ム部24及び第2リンク部材4の第2カム部35の双方
に、それぞれ第1カム面25、カム頂点27、第2カム
面26を形成するとともに、第1カム部24と一体に板
バネ部20、第2カム部35と一体に板バネ部31を形
成し、キートップ2の非押下時には、各板バネ部20、
31の付勢力を介して第1カム部24の第1カム面25
と第2カム部35の第1カム面25とを相互に当接させ
てキートップ2を非押下位置に安定的に保持し、また、
キートップ2の押下時には、各板バネ部20、31の付
勢力に基づき第1リンク部材3、第2リンク部材4の上
方への回転モーメントを維持しつつ第1カム部24の第
2カム面26と第2カム部35の第2カム面25とを当
接した状態で樹脂弾性片24A、35Aを介してメンブ
レンスイッチシート7にてスイッチング動作を行わせる
ように構成したので、第1カム面25、カム頂点27、
第2カム面26を有する第1カム部24、第2カム部3
5、及び、板バネ部20、31を形成するだけの簡単な
構成によりキートップ2の非押下位置への保持、及び、
スイッチング動作後におけるキートップ2の非押下位置
への復帰を行うことができる。従って、ラバースプリン
グや複雑な付勢機構を使用することなくキースイッチ装
置1を構成してコストの低減を図ることができる。
【0067】また、板バネ部20、31の付勢力に基づ
き、第1カム部24と第2カム部35の双方における第
1カム面25相互の当接に基づきキートップ2は非押下
位置に保持され、また、第2カム面26相互の当接に基
づきキートップ2は押下位置にて規制されることから、
キートップ2を非押下位置と押下位置とに安定的に保持
・規制することができる。
【0068】更に、キートップ2の押下時に、各第1カ
ム部24、第2カム部35において、第1カム面25と
第2カム面26との境界部に形成された各カム頂点27
を乗り越えて第1当接状態から第2当接状態に移行する
際に、キートップ2はクリック感を伴って押下され、こ
の時、操作者は明確なキー操作感を得ることができる。
また、第1カム部24と第2カム部35とは、板バネ部
20、31を介して常時当接されており、キートップ2
の上下動に対応して当接位置が変化するので、第1カム
部24及び第2カム部35の形状を必要に応じて変化さ
せることにより、キー操作時に発生するクリック感を自
在に設計することができる。
【0069】また、各第1カム部24、第2カム部35
において、第1カム面25、カム頂点27及び第2カム
面26で形成される角度が鈍角に設定されているので、
キートップ2の押下時に、第1カム部24及び第2カム
部35との間で第1当接状態からカム頂点27を乗り越
えて第2当接状態への移行がスムーズに行われ、これよ
り適切且つ明確なクリック感を実現しつつキー操作を行
うことができる。このとき、第1カム面25、カム頂点
27及び第2カム面26で形成される角度は、板バネ部
20、31による付勢力等を勘案して自由に設定するこ
とが可能であり、これによりキー操作時に発生するクリ
ック感を自在に変更することが可能となる。
【0070】更に、第1リンク部材3における第1軸部
21及び第2リンク部材4における第3軸部32の中心
Aと第2カム面26との距離D1は、第1軸部21及び
第3軸部32の中心Aと第1カム面25との距離D2よ
りも大きく設定されており、かかる条件を満足する場合
には、キートップ2を最終押下位置まで押下した時点に
おいても第1リンク部材3と第2リンク部材4の回転モ
ーメントは上方向に向かって作用し、これにより板バネ
部20、31の付勢力を介してキートップ2を上方向に
移動して元の非押下位置まで復帰させることができる。
【0071】また、支持プレート6上に配置されたメン
ブレンスイッチシート7からスイッチ部を構成すること
によりスイッチ部の取扱が容易となり、複数のキースイ
ッチ装置1を配列してキーボードを構成する場合にその
組立を簡単に行うことができる。
【0072】更に、メンブレンスイッチシート7の上側
フィルムシート14の上面に接着固定されたチップ状の
係止部材17により第1リンク部材3の第2軸部22、
第2リンク部材の第4軸部33を摺動可能に係止するよ
うに構成したので、支持プレート6に対して直接係止部
をプレス加工等により形成する場合に比して、高価なプ
レス用金型が不要となってキースイッチ装置1の製造コ
ストを格段に低減可能となる。
【0073】また、板バネ部20、31の幅等を変化し
てその剛性を適宜調整することにより、第1カム部24
及び第2カム部35の各カム頂点27相互が当接対向す
る状態において発生するキートップ2のピーク荷重を容
易に調整することができ、また、第1リンク部材3の第
1軸部21の中心と第2リンク部材4の第3軸部32の
中心とを結ぶ直線Lとカム頂点27との間の距離H(直
線Lからのカム頂点27の高さ)を適宜調整することに
よってもピーク荷重を自在に調整することができる。
【0074】次に、前記したノート型パーソナルコンピ
ュータ100のキーボード105に付設される第2実施
形態に係るキースイッチ装置について図13乃至図16
に基づき説明する。ここに、第2実施形態に係るキース
イッチ装置は、前記第1実施形態のキースイッチ装置1
の構成と基本的に同一の構成を有しており、第1実施形
態のキースイッチ装置1では、支持板6上に載置された
メンブレンスイッチシート7の上側フィルムシート14
の表面に接着固定される係止部材17は、第1リンク部
材3の第2軸部22及び第2リンク部材4の第4軸部3
3を摺動可能に係止すべく全て同一の構成を有している
のに対して、第2実施形態のキースイッチ装置では、一
方のリンク部材、例えば、第2リンク部材4の第4軸部
33を回動可能に係止する係止部剤が使用されている点
で異なる。残余の構成については第1実施形態の場合と
同一である。従って、以下の説明において第1実施形態
の構成と同一構成については同一番号を付するとともに
その説明を省略し、第2実施形態に特有の構成のみにつ
いて説明することとする。尚、図13はキートップの非
押下時における第2実施形態に係るキースイッチ装置の
概略側面図、図14はキートップの非押下時におけるキ
ースイッチ装置の概略側断面図、図15はキートップの
押下時におけるキースイッチ装置の概略側面図、図16
はキートップの押下時におけるキースイッチ装置の概略
側断面図である。
【0075】図13、図14において、支持プレート6
上に載置されたメンブレンスイッチシート7における上
側フィルムシート14の表面には、第1リンク部材3の
第2軸部22を摺動可能に係止する係止溝17Aを有す
る係止部材17が接着剤を介して接着固定されている。
また同様に、第2リンク部材4の第4軸部33を回動可
能に係止する係止溝40Aを有する係止部材40が、上
側フィルムシート14の表面に接着固定されている。
【0076】かかるキースイッチ装置1では、キートッ
プ2を押下すると、第1リンク部材3の第1軸部21は
回動係止部8の係止溝8A内で時計方向に回動されると
ともに、第2軸部22は係止部材17の係止溝17A内
で左方向に摺動される。また、第2リンク部材4の第3
軸部32は回動係止部9の係止溝9A内で反時計方向に
回動されるとともに、第4軸部33は係止部材40の係
止溝内で反時計方向に回動される。このとき、第1リン
ク部材3の第1カム部24及び第2リンク部材4の第2
カム部35は、メンブレンスイッチシート7に対して垂
直下方向に移動するのではなく、斜め下方向(図13、
図14中、斜め左方向)に移動する。これに基づき、メ
ンブレンスイッチシート7を構成する上側フィルムシー
ト14の可動接点パターン13、フィルムスペーサ16
に形成されるスイッチング孔15、及び、下側フィルム
シート12に形成される固定電極パターン10は、キー
トップ2の非押下位置における第1カム部24、第2カ
ム部35を基準として斜め左方向にずらせて形成され
る。
【0077】尚、第1リンク部材3の第1カム部24、
第2リンク部材4の第2カム部35の構成及び作用は、
前記第1実施形態のキースイッチ装置1の場合と同一で
あり、ここでは詳細な説明は省略する。
【0078】前記のようにキートップ2を押下してスイ
ッチング動作を行う状態が、図15及び図16に示され
ている。スイッチング動作については前記第1実施形態
の場合と同様である。
【0079】前記第2実施形態に係るキースイッチ装置
1によっても、前記第1実施形態により得られたと同一
の効果が得られることは勿論である。
【0080】また、第2実施形態では、第1リンク部材
3の第1軸部21及び第2リンク部材4の第3軸部32
は、それぞれキートップ2の回動係止部8、9にて回動
可能に係止され、また、第1リンク部材3の第2軸部2
2はメンブレンスイッチシート7上の係止部材17にて
摺動可能に係止されるとともに、第2リンク部材4の第
4軸部33はメンブレンスイッチシート7上の係止部材
40にて回動可能に係止されていることから、キートッ
プ2はその押下時に支持プレート6に対して斜め下方向
に移動される。かかる構成は、操作者の指が全て同一長
さではないという特性を勘案した場合、人間工学的見地
からキー操作上好ましい場合が多い。
【0081】次に、前記ノート型パーソナルコンピュー
タ100のキーボード105に付設される第3実施形態
に係るキースイッチ装置について、図17及び図18に
基づき説明する。図17は第3実施形態に係るキースイ
ッチ装置のキートップ及び案内部材を分解して示す斜視
図、図18はリンク部材に対してカム部材が着脱される
状態を模式的に示す説明図である。尚、第3実施形態に
係るキースイッチ装置は、基本的に、前記第1実施形態
のキースイッチ装置1と同様の構成を有しており、第3
実施形態のキースイッチ装置は、案内部材を構成する
第1及び第2リンク部材に対して、カム部を有する板バ
ネ部を一体に形成することなく、金属材からカム部材を
形成するとともに、かかるカム部材を第1及び第2リン
ク部材に対して着脱可能に構成した点、メンブレンス
イッチシートのスイッチングを行う樹脂弾性片を、各リ
ンク部材の一方における連結部から一体に形成した点、
及び、第1リンク部材の第2軸部を摺動可能に係止す
る係止部材と第2リンク部材の第4軸部を摺動可能に係
止する係止部材とを一体に形成してメンブレンスイッチ
シートの上側フィルムシートの表面に接着固定した点
で、第1実施形態のキースイッチ装置とは異なっている
のみである。その他の構成については第1実施形態のキ
ースイッチ装置と同一の構成を有している。従って、以
下における第3実施形態のキースイッチ装置の説明で
は、第1実施形態のキースイッチ装置と同一の要素、部
材等については同一の番号を付することとし、また、第
1実施形態のキースイッチ装置と同一構成の説明につい
ては前記の説明を参照することとして、第3実施形態の
キースイッチ装置に特有の構成に着目して説明すること
とする。
【0082】第17、図18において、第1リンク部材
3は、一対の板状体18、18、各板状体18を連結す
る連結部19等をポリアセタール樹脂等から一体に形成
することにより構成される。各板状体18の一端側(図
17にて上側端)の近傍位置には、第1軸部21が外側
に向かって延設されており、また、各板状体18の他端
側(図17にて下側端)には、第2軸部22が外側に向
かって延出されている。各第1軸部21は、前記したキ
ートップ2の回転係止部8の係止溝8Aに回転可能に係
止され、また、各第2軸部22は、メンブレンスイッチ
シート7の上側フィルムシート14の表面に接着固定さ
れた係止部材50における係止部51の係止溝51Aに
摺動可能に係止される。
【0083】ここに、係止部材50は、キースイッチ装
置1単位で長尺状に形成されており、その両側には、そ
れぞれ係止溝51Aを有する2つの係止部51が一体に
形成されている。そして、一方の係止部51の係止溝5
1Aには、第1リンク部材3の第2軸部22が摺動可能
に係止され、他方の係止部51の係止溝51Aには、後
述する第2リンク部材4の第4軸部33が摺動可能に係
止される。尚、図17に示すように、キースイッチ装置
1の配置部にて2つの係止部材50が平行に配置されて
おり、各第1リンク部材3、第2リンク部材4の両側で
それぞれ各第2軸部22、第4軸部33を摺動可能に係
止する。連結部19は、各板状体18を離間した状態で
相互に連結するものである。
【0084】また、各板状体18において、第1軸部2
1よりも端部側(図17中、右端側)には、ギア歯部2
8部が設けられている。ギア歯部28は、1つ又は2つ
のギア歯28Aを有している。因みに、図17におい
て、左側の板状体18のギア歯部28には2つのギア歯
28Aが形成されており、右側の板状体18のギア歯部
28には1つのギア歯28Aが形成されている。尚、各
ギア歯部28は、後述するように、第2リンク部材4の
板状体29の端部に形成されたギア歯部36と相互に噛
合しており、キートップ2の上下動を行う際に第1リン
ク部材3と第2リンク部材4とを同期して作動させる作
用を行う。
【0085】更に、連結部19の上側で各板状体18間
には、ステンレス等の金属薄板から形成された弾性カム
部材52が着脱可能に取り付けられている。尚、第1リ
ンク部材3の各板状体18間に取り付けられる弾性カム
部材52は、後述する第2リンク部材4の各板状体29
間に取り付けられる弾性カム部材52と同一構成を有す
るので、後に第2リンク部材4の構成と共に詳述する。
【0086】次に、第2リンク部材4の構成について図
17、図18を参照して説明する。図17、図18にお
いて、第2リンク部材4は、一対の板状体29、29、
各板状体29を連結する連結部30等をポリアセタール
樹脂等から一体に形成することにより構成される。各板
状体29の一端側(図17にて上側端)の近傍位置に
は、第3軸部32が外側に向かって延設されており、ま
た、各板状体29の他端側(図17にて下側端)には、
第4軸部33が外側に向かって延出されている。各第3
軸部32は、前記したキートップ2の回転係止部9の係
止溝9Aに回転可能に係止され、また、各第4軸部33
は、メンブレンスイッチシート7の上側フィルムシート
14の表面に接着固定された係止部材50における係止
部51の係止溝51Aに摺動可能に係止される。連結部
30は、各板状体29を離間した状態で相互に連結する
ものである。
【0087】また、図18に示すように、連結部30の
右側から上方及び左方に向かって折曲された樹脂弾性片
53が一体に形成されている。かかる樹脂弾性片53の
下面には押圧突起(図示せず)が設けられており、この
押圧突起は、キートップ2の押下時にメンブレンスイッ
チシート7をスイッチングする。更に、前記第1リンク
部材3の場合と同様、連結部30の上側で各板状体30
間には、ステンレス等の金属薄板から形成された弾性カ
ム部材52が着脱可能に取り付けられている。
【0088】ここで、図17、図18に基づき弾性カム
部材52の構成について説明する。弾性カム部材52
は、ステンレス薄板等の弾性板から一体に形成されてお
り、両側に一対の取付部54、各取付部54から連続形
成されたバネ板部55、及び、バネ板部55に突出形成
されたカム部56から構成されている。
【0089】各取付部54は、ベース壁54Aの上側に
上壁54Bを折曲形成するとともに、下側に下壁54C
を折曲形成し、正面視で略コ字状に構成されている。上
壁54Bと下壁54Cとの距離は、略板状部29の厚さ
と同一に形成されており、各取付部54は、図17、図
18に示すように、その下端部が連結部30の上側面に
当接するまで各板状部29に挿嵌されるように構成され
ている。これにより、弾性カム部材52が、各取付部5
4を介して第2リンク部材4に取り付けられるものであ
る。
【0090】また、バネ板部55は各ベース壁54Aか
ら連続して一体に折曲形成されており、バネ弾性を発現
する。更に、カム部56は、バネ板部55の略中央部に
て外側に向かって矩形状に突出形成されてなり、第1カ
ム面を構成するカム面部56A及びカム面部56Aの上
端縁から所定の傾斜角度で傾斜して形成された係合片5
6Bを有する。かかる係合片56Bは、カム面部56A
の中央位置から若干片側(図18では左側)にずれた位
置に形成されている。
【0091】ここで、前記弾性カム部材52が取り付け
られた第1リンク部材3と第2リンク部材4との係合関
係について図17に基づき説明する。図17において、
第1リンク部材3と第2リンク部材4とを組み立てて案
内部材5を構成した場合、第1リンク部材3の各板状体
18間に取り付けられた弾性カム部材52のカム面部5
6Aと、第2リンク部材4の各板状体29間に取り付け
られた弾性カム部材52のカム面部56Aとは、バネ板
部55による弾性付勢力に基づき相互に当接しており、
この状態を第1当接状態とすると、かかる第1当接状態
においてキートップ2は非押下状態に安定的に保持され
ている。このとき、弾性カム部材52の係合片56B
は、カム面部56Aの中央位置から若干ずれた位置に形
成されていることから、第1リンク部材3側の弾性カム
部材52の係合片56Bと第2リンク部材4側の弾性カ
ム部材52の係合片56Bとは、図17に示すように、
相互に隣接した状態で、それぞれ相手側のカム面部56
Aの上端縁に係合している。
【0092】前記第1当接状態から弾性カム部材52の
バネ板部55による弾性付勢力に抗してキートップ2を
押下していくと、第1リンク部材3側の弾性カム部材5
2のカム面部56Aと第2リンク部材4側の弾性カム部
材52のカム面部56Aとは、除々に離間していき、同
時に第1リンク部材3側の係合片56B及び第2リンク
部材4側の係合片56Bは、それぞれ相手側のカム面部
56Aの上端縁を支点として相互に反対方向に回動され
る。このとき、第1リンク部材3側の係合片56Bは、
第2リンク部材4側にて第1カム面として作用するカム
面部56Aに連続する第2カム面としての作用を行い、
また同様に、第2リンク部材4側の係合片56Bは、第
1リンク部材3側にて第1カム面として作用するカム面
部56Aに連続する第2カム面としての作用を行う。ま
た、第1リンク部材3側におけるカム面部56Aの上端
縁、及び、第2リンク部材4側におけるカム面部56A
の上端縁は、それぞれカム頂点としての作用を行う。
【0093】そして、第1リンク部材3側の係合片56
B及び第2リンク部材4側の係合片56Bが、それぞれ
相手側のカム面部56Aの上端縁を支点として所定量回
動された時点で第2当接状態に移行し、かかる第2当接
状態で、キートップ2は押下位置まで下降し、第2リン
ク部材4の連結部30に形成された樹脂弾性片53の押
圧突起を介してメンブレンスイッチシート7の上側フィ
ルムシート14における可動電極パターン13が上面か
ら押下される。これにより、可動電極パターン13がフ
ィルムスペーサ16のスイッチング孔15を介して下側
フィルムシート12の固定電極パターン10と接触さ
れ、所定のスイッチング動作が行われる。
【0094】また、各板状体29において、第3軸部3
2よりも端部側(図18中左端側)ギア歯部36部が設
けられている。ギア歯部36は、1つ又は2つのギア歯
36Aを有している。因みに、図18において、左側の
板状体29のギア歯部36には1つのギア歯36Aが形
成されており、右側の板状体29のギア歯部36には2
つのギア歯36Aが形成されている。尚、各ギア歯部3
6は、前記したように、第1リンク部材3の板状体19
の端部に形成されたギア歯部28と相互に噛合してお
り、キートップ2の上下動を行う際に第1リンク部材3
と第2リンク部材4とを同期して作動させる作用を行
う。
【0095】前記第3実施形態に係るキースイッチ装置
1では、第1リンク部材3及び第2リンク部材4に対し
てステンレス薄板から形成された弾性カム部材52を取
り付けるように構成したので、カム部全体が樹脂から形
成されている場合と比較して、樹脂が本来的に有するク
リープ特性や耐熱性の劣化による影響を受けることがな
く、長期に渡って信頼性良く操作可能なキースイッチ装
置1を実現することができる。
【0096】また、キースイッチ装置1が搭載されるパ
ーソナルコンピュータ等の各種機器に応じてキースイッ
チ装置1の操作特性を変更する場合、最初から第1リン
ク部材3、第2リンク部材4を設計変更して作成するこ
となく、弾性カム部材52のみの設計変更を行うだけで
キースイッチ装置1の操作特性を変更することができ、
また、第1リンク部材3、第2リンク部材4を共用して
無駄をなくすことができる。
【0097】続いて、前記ノート型パーソナルコンピュ
ータ100のキーボード105に付設される第4実施形
態に係るキースイッチ装置について、図19及び図20
に基づき説明する。図19は第4実施形態に係るキース
イッチ装置のキートップ及び案内部材を分解して示す斜
視図、図20はリンク部材の平面図及び側面図である。
【0098】尚、第4実施形態に係るキースイッチ装置
は、基本的に、前記第3実施形態のキースイッチ装置1
と同様の構成を有しており、第4実施形態のキースイッ
チ装置は、案内部材を構成する第1及び第2リンク部材
の全体を金属薄板から一体に形成した点で第3実施形態
のキースイッチ装置とは異なっているのみである。その
他の構成については第3実施形態のキースイッチ装置と
同一の構成を有している。従って、以下における第4実
施形態のキースイッチ装置の説明では、第3実施形態の
キースイッチ装置と同一の要素、部材等については同一
の番号を付することとし、また、第4実施形態のキース
イッチ装置と同一構成の説明については前記の説明を参
照することとして、第4実施形態のキースイッチ装置に
特有の構成に着目して説明することとする。
【0099】図19、図20において、案内部材5を構
成する第1リンク部材3、及び、第2リンク部材4は、
共に同一構成を有している。第1リンク部材3は、ステ
ンレス薄板等の金属薄板から一体に形成されており、大
別して、ベース部60、ベース部60の一側(図19中
上側)に連続形成された弾性カム部61、及び、ベース
部60の他側(図19中下側)に連続形成された軸形成
部62から構成されている。
【0100】ここに、ベース部60は平板状に形成さ
れ、このベース部60の両側には板状部63が折曲形成
されている。各板状部63の一端側(図19にて上側
端)の近傍位置には、第1軸部64が外側に向かって延
設されている。各第1軸部64は、前記したキートップ
2の回転係止部8の係止溝8Aに回転可能に係止され
る。
【0101】また、軸形成部62の側縁部(下縁部)に
は、軸形成部62の幅方向の全体に渡って円弧状に形成
されるとともに、軸形成部62の両側から外側に向かっ
て延出された第2軸部65が設けられている。各第2軸
部65は、メンブレンスイッチシート7の上側フィルム
シート14の表面に接着固定された係止部材50におけ
る係止部51の係止溝51Aに摺動可能に係止される。
【0102】尚、係止部材50は、前記第3実施形態の
キースイッチ装置に使用されたものと同一の構成を有し
ており、ここではその説明を省略する。
【0103】更に、弾性カム部61は、一対の連結部6
6を介してベース部60と一体に形成されており、各連
結部66から連続形成されたバネ板部67、及び、バネ
板部67に突出形成されたカム部68から構成されてい
る。
【0104】バネ板部67は各連結部66から連続して
一体に折曲形成されており、バネ弾性を発現する。更
に、カム部68は、バネ板部67の略中央部にて外側に
向かって矩形状に突出形成されてなり、第1カム面を構
成するカム面部68A及びカム面部68Aの上端縁から
所定の傾斜角度で傾斜して形成された係合片68Bを有
する。かかる係合片68Bは、カム面部68Aの中央位
置から若干片側(図19中右側又は左側)にずれた位置
に形成されている。カム部68の下端には、メンブレン
スイッチシート7のスイッチングを行う押下部69が設
けられている。
【0105】尚、第2リンク部材4の構成は、前記した
第1リンク部材3と同一であるのでその説明については
省略する。
【0106】ここで、前記のように構成された第1リン
ク部材3と第2リンク部材4との係合関係について図1
9に基づき説明する。図19において、第1リンク部材
3と第2リンク部材4とを組み立てて案内部材5を構成
した場合、第1リンク部材3の弾性カム部61における
カム面部68Aと、第2リンク部材4の弾性カム部61
におけるカム面部68Aとは、バネ板部67による弾性
付勢力に基づき相互に当接しており、この状態を第1当
接状態とすると、かかる第1当接状態においてキートッ
プ2は非押下状態に安定的に保持されている。このと
き、カム部68の係合片68Bは、カム面部68Aの中
央位置から若干ずれた位置に形成されていることから、
第1リンク部材3側の係合片68Bと第2リンク部材4
側の係合片68Bとは、図19に示すように、相互に隣
接した状態で、それぞれ相手側のカム面部68Aの上端
縁に係合している。
【0107】前記第1当接状態からバネ板部67による
弾性付勢力に抗してキートップ2を押下していくと、第
1リンク部材3側のカム面部68Aと第2リンク部材4
側のカム面部68Aとは、除々に離間していき、同時に
第1リンク部材3側の係合片68B及び第2リンク部材
4側の係合片68Bは、それぞれ相手側のカム面部68
Aの上端縁を支点として相互に反対方向に回動される。
このとき、第1リンク部材3側の係合片68Bは、第2
リンク部材4側にて第1カム面として作用するカム面部
68Aに連続する第2カム面としての作用を行い、また
同様に、第2リンク部材4側の係合片68Bは、第1リ
ンク部材3側にて第1カム面として作用するカム面部6
8Aに連続する第2カム面としての作用を行う。また、
第1リンク部材3側におけるカム面部68Aの上端縁、
及び、第2リンク部材4側におけるカム面部68Aの上
端縁は、それぞれカム頂点としての作用を行う。
【0108】そして、第1リンク部材3側の係合片68
B及び第2リンク部材4側の係合片68Bが、それぞれ
相手側のカム面部68Aの上端縁を支点として所定量回
動された時点で第2当接状態に移行し、かかる第2当接
状態で、キートップ2は押下位置まで下降し、第1リン
ク部材3のカム部68に形成された押下部69又は第2
リンク部材4のカム部68に形成された押下部69を介
してメンブレンスイッチシート7の上側フィルムシート
14における可動電極パターン13が上面から押下され
る。これにより、可動電極パターン13がフィルムスペ
ーサ16のスイッチング孔15を介して下側フィルムシ
ート12の固定電極パターン10と接触され、所定のス
イッチング動作が行われる。
【0109】前記第4実施形態に係るキースイッチ装置
1では、第1リンク部材3及び第2リンク部材4の全体
をステンレス薄板から形成し、弾性カム部61を一体に
設けたので、第3実施形態の場合と同様、カム部全体が
樹脂から形成されている場合と比較して、樹脂が本来的
に有するクリープ特性や耐熱性の劣化による影響を受け
ることがなく、長期に渡って信頼性良く操作可能なキー
スイッチ装置1を実現することができる。
【0110】次に、第5及び第6実施形態に係るキース
イッチ装置について図21及び図22に基づき説明す
る。図21は第5実施形態に係るキースイッチ装置に使
用されるリンク部材の平面図、第22は第6実施形態に
係るキースイッチ装置に使用されるリンク部材の平面図
である。
【0111】尚、第5実施形態に係るキースイッチ装置
は、基本的に、前記第1実施形態のキースイッチ装置1
と同様の構成を有しており、第1実施形態では第1及び
第2リンク部材の各板状体間に、カム部を有する板バネ
部を直線状に一体に形成しているが、第5実施形態のキ
ースイッチ装置では、各リンク部材における板状体間に
形成されるバネ部の形状を略S字形状に形成し、また、
第6実施形態のキースイッチ装置では、各リンク部材の
板状体間に形成されるバネ部の形状を略弓形に形成した
点で、第1実施形態とは異なる。その他の構成について
は第1実施形態のキースイッチ装置と同一の構成を有し
ている。従って、以下における第5及び第6実施形態の
キースイッチ装置の説明では、第1実施形態のキースイ
ッチ装置と同一の要素、部材等については同一の番号を
付することとし、また、第5及び第6実施形態のキース
イッチ装置と同一構成の説明については前記の説明を参
照することとして、第5及び第6実施形態のキースイッ
チ装置に特有の構成に着目して説明することとする。
【0112】先ず、第5実施形態のキースイッチ装置に
使用される第1及び第2リンク部材3、4の構成につい
て図21に基づき説明する。尚、第1リンク部材3と第
2リンク部材4とは、共に同一の構成を有するので、第
1リンク部材3を例にとって説明することとする。
【0113】図21に示す第1リンク部材3において、
一対の各板状体18間にバネ部70が一体に形成されて
おり、かかるバネ部70は、各板状体18から一体に連
続して形成されたS字部71、及び、各S字部71の端
部間を連結する棒状部72から構成されている。この棒
状部72には、第1実施形態の場合と同様、第1カム面
及び第2カム面を有するカム部73が設けられている。
【0114】ここに、バネ部70は、第1リンク部材3
と第2リンク部材4とを相互に組み立てて案内部材5を
構成する場合に、第1リンク部材3のバネ部70に形成
された棒状部72のカム部73と第2リンク部材4のバ
ネ部70に形成された棒状部72のカム部73とを相互
に弾性的に付勢する作用を行うものであるが、スイッチ
ング動作を行う毎に各板状体18とバネ部70との連結
部には、引張り応力が負荷される。このとき、バネ部が
直線状に形成されている場合には、各板状体18とバネ
部との連結部は引張り応力による影響を受け易い特性が
あるが、前記したように各板状体18とバネ部70とを
S字部71を介して連結した場合には、各S字部71と
板状体18との連結部に負荷される引張り応力は、各S
字部71を介して緩和されることとなる。これにより、
長期に渡ってスイッチング動作が行われた場合にも、バ
ネ部70にクリープ変形が発生することなく耐久性を向
上したキースイッチ装置を実現することができる。
【0115】次に、第6実施形態に係るキースイッチ装
置に使用される第1及び第2リンク部材3、4の構成に
ついて図22に基づき説明する。尚、第1リンク部材3
と第2リンク部材4とは、共に同一の構成を有するの
で、第1リンク部材3を例にとって説明することとす
る。
【0116】図22に示す第1リンク部材3において、
一対の各板状体18間に弓形のバネ部80が一体に形成
されており、かかるバネ部80は、各板状体18から一
体に連続して形成された湾曲部81、及び、各湾曲部8
1の端部間を連結するカム部82から構成されている。
このカム部82には、第1実施形態の場合と同様、第1
カム面及び第2カム面が形成されている。
【0117】ここに、バネ部80は、第1リンク部材3
と第2リンク部材4とを相互に組み立てて案内部材5を
構成する場合に、第1リンク部材3のバネ部80に形成
されたカム部73と第2リンク部材4のバネ部80に形
成されたカム部73とを相互に弾性的に付勢する作用を
行うものであるが、スイッチング動作を行う毎に各板状
体18とバネ部80との連結部には、引張り応力が負荷
される。このとき、バネ部が直線状に形成されている場
合には、各板状体18とバネ部との連結部は引張り応力
による影響を受け易い特性があるが、前記したように各
板状体18とバネ部80とを湾曲部81を介して連結し
た場合には、各湾曲部81と板状体18との連結部に負
荷される引張り応力は、各湾曲部81を介して緩和され
ることとなる。これにより、長期に渡ってスイッチング
動作が行われた場合にも、バネ部80にクリープ変形が
発生することなく耐久性を向上したキースイッチ装置1
を実現することができる。
【0118】次に、前記第1実施形態の変形例につい
て、図23に基づき説明する。図23は第1実施形態の
変形例に係るキースイッチ装置のキートップ及び案内部
材を分解して示す斜視図である。
【0119】尚、図23に示すキースイッチ装置は、基
本的に、前記第1実施形態のキースイッチ装置1と同様
の構成を有しており、第1実施形態では第1及び第2リ
ンク部材の各板状体間に、カム部を有する板バネ部を一
体に形成しているが、図23の変形例では、各リンク部
材においてバネ部を一方の板状体から片持ち梁状態に形
成している点で、第1実施形態とは異なる。その他の構
成については第1実施形態のキースイッチ装置と同一の
構成を有している。従って、以下における説明では、第
1実施形態のキースイッチ装置と同一の要素、部材等に
ついては同一の番号を付することとし、また、変形例の
キースイッチ装置と同一構成の説明については前記の説
明を参照することとして、変形例に特有の構成に着目し
て説明することとする。
【0120】図23において、第1リンク部材3に設け
られている一対の板状体18の内一方の板状体18(図
23中、左側の板状体)のギア歯部28の近傍から、板
バネ部90が内方に向かって片持ち梁状に一体に形成さ
れている。かかる板バネ部90には、第1実施形態の場
合と同様、第1カム面及び第2カム面を有する第1カム
部91及び第2カム部92が形成されている。また、第
2リンク部材4に設けられている一対の板状体29の内
一方の板状体29(図23中、左側の板状体)のギア歯
部36の近傍から、板バネ部93が内方に向かって片持
ち梁状に一体に形成されている。かかる板バネ部93に
は、第1実施形態の場合と同様、第1カム面及び第2カ
ム面を有する第3カム部94及び第4カム部95が形成
されている。ここに、第1リンク部材3の板バネ部90
における第1カム部91と第2リンク部材4の板バネ部
93における第3板バネ部94とは、各板バネ部90、
93の弾性付勢力に基づき相互に当接しており、また同
様に、第1リンク部材3の板バネ部90における第2カ
ム部92と第2リンク部材4の板バネ部93における第
4カム部95とは、各板バネ部90、93の弾性付勢力
に基づき相互に当接している。
【0121】前記したように、各板バネ部90、93が
一方の板状体18、29から片持ち梁状に形成されてい
る場合においても、第1実施形態の場合と同様の基本的
作用を行うことが可能であり、従って、図23に示す変
形例によっても前記第1実施形態の場合と同様の効果を
得ることができる。
【0122】尚、本発明は前記第1実施形態乃至第6実
施形態等に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸
脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは
勿論である。例えば、前記第1実施形態及び第2実施形
態では、図6に示すように、第1リンク部材3における
第1カム部24のカム頂点27の全幅に渡って突条部2
7Aを形成し、また、第2リンク部材4における第2カ
ム部35のカム頂点27には突条部27Aを嵌合する凹
溝27Bを形成するように構成したが、第1リンク部材
3又は第2リンク部材4の一方における第1カム部24
のカム頂点27に、突条部24Aと凹溝27Bを並列的
に形成しておけば、かかるリンク部材を第1リンク部材
3及び第2リンク部材4のいずれのリンク部材としても
共用することができ、また、リンク部材相互の同期をと
ることもできる。
【0123】また、第1カム部24の下端に形成した樹
脂弾性片24A、第2カム部35の下端に形成した樹脂
弾性片35Aを介してメンブレンスイッチシート7にて
スイッチング動作を行うように構成したが、樹脂弾性片
24A、35Aはいずれか一方が存在すればよい。
【0124】また、図25に示すように、メンブレンス
イッチシート7上に、そのスイッチ部に対応してマイク
ロラバースプリング41を接着し、キートップ2の押下
時に第1カム部24の下端及び第2カム部35の下端で
マイクロラバースプリング41を押圧することにより、
メンブレンスイッチシート7のスイッチングを行っても
よい。この場合、マイクロラバースプリング41により
オーバートラベルを得ることができる。
【0125】更に、図26に示すように、メンブレンス
イッチシート7上に、そのスイッチ部に対応してゴム材
等からなる弾性シート42を接着し、キートップ2の押
下時に第1カム部24の下端及び第2カム部35の下端
で弾性シート42を押圧することにより、メンブレンス
イッチシート7のスイッチングを行ってもよい。この場
合、第1カム部24及び第2カム部35の下端で弾性シ
ート42が弾性変形する際にオーバートラベルを得るこ
とができる。
【0126】また、図27に示すように、第1カム部2
4を第1カム面25を有する斜面部と第2カム面26を
有する凹部を形成し、また、第2カム部35には、第1
カム面25を有し斜面部に当接する部分と凹部に当接す
る突部とを形成するように構成した場合においても、第
1カム24と第2カム35とを完全に同期させつつ作動
することが可能である。
【0127】更に、図28に示すように、第1カム部2
4に第1カム面25とこれに連続する規制面とを形成
し、また、第2カム部35に第1カム面25と第2カム
面26とを形成してもよい。この場合、キートップ2の
押下時には、第1カム部24の規制面と第2カム部35
の第2カム面26とが当接する。かかる構成によって
も、第1カム部24と第2カム部35とを完全に同期さ
せつつ作動することができる。
【0128】また、図29に示すように、第27の構成
と図28の構成とを組み合わせて構成してもよい。かか
る場合においても、第1カム24と第2カム35とを完
全に同期させつつ作動することが可能である。
【0129】尚、上記実施形態では、本発明をノート型
パーソナルコンピュータに適応したが、タイプライタや
ワードプロセッサ等のキースイッチ装置を備えた電子機
器に本発明を適応することができることはいうまでもな
い。
【0130】
【発明の効果】以上説明した通り請求項1のキースイッ
チ装置では、第1リンク部材の第1カム部と第2リンク
部材の第2カム部との当接状態、及び、各第1カム部、
第2カム部に隣接して形成された弾性部材の協働によ
り、キートップを上方へ付勢して非押下位置に保持する
とともに、押下解除時にキートップを非押下位置に復帰
させることが可能となり、従って、ラバースプリングや
複雑な付勢機構を使用することなくキースイッチ装置を
構成してコストの低減を図ることが可能となる。また、
第1カム部と第2カム部とは、弾性部材を介して常時当
接されており、キートップの上下動に対応して当接位置
が変化するので、第1カム部及び第2カム部の形状を必
要に応じて変化させることにより、キー操作時に発生す
るクリック感を自在に設計することが可能となる。
【0131】また、請求項2に係るキースイッチ装置で
は、第1カム部と第2カム部の双方における第1カム面
相互の当接に基づきキートップは非押下位置に保持さ
れ、また、第2カム面相互の当接に基づきキートップは
押下位置にて規制される。このように、第1カム部及び
第2カム部の双方に第1カム面と第2カム面を形成して
おき、弾性部材による付勢力に基づき第1カム面相互及
び第2カム面相互を当接させることにより、キートップ
を非押下位置と押下位置とに安定的に保持・規制するこ
とが可能となる。
【0132】更に、請求項3及び請求項4に係るキース
イッチ装置では、第1カム部の第1カム面と第2カム部
の第1カム面とが当接される第1当接状態でキートップ
が非押下位置にて安定的に保持され、第1カム部の第2
カム面と第2カム部の第2カム面とが当接する第2当接
状態でキートップが押下位置に押下位置に規制される。
また、キートップの押下時に、各第1カム部、第2カム
部において、第1カム面と第2カム面との境界部に形成
された各カム頂点を乗り越えて第1当接状態から第2当
接状態に移行する際に、キートップはクリック感を伴っ
て押下され、この時、操作者には明確なキー操作感が伝
達され得る。
【0133】また、請求項5に係るキースイッチ装置で
は、第1カム面、カム頂点及び第2カム面で形成される
角度が鈍角に設定されているので、キートップの押下時
に、第1カム部及び第2カム部との間で第1当接状態か
らカム頂点を乗り越えて第2当接状態への移行がスムー
ズに行われ、これより適切且つ明確なクリック感を実現
しつつキー操作を行うことが可能となる。ここに、第1
カム面、カム頂点及び第2カム面で形成される角度は、
弾性部材による付勢力等を勘案して自由に設定すること
が可能であり、これによりキー操作時に発生するクリッ
ク感を自在に変更することが可能となる。
【0134】更に、請求項6に係るキースイッチ装置で
は、第1リンク部材の第1軸部及び第2リンク部材の第
3軸部は、それぞれキートップの第1係止部にて回動可
能に係止され、第1リンク部材の第2軸部及び第2リン
ク部材の第4軸部は、それぞれ支持プレート上の第2係
止部にて摺動可能に係止されていることから、キートッ
プはその押下時に支持プレートに対して垂直方向に移動
される。このとき、スイッチ部は、キートップの垂直下
方位置に配置される。
【0135】また、請求項7に係るキースイッチ装置で
は、第1リンク部材の第1軸部及び第2リンク部材の第
3軸部は、それぞれキートップの第1係止部にて回動可
能に係止され、また、第1リンク部材の第2軸部は支持
プレートの第2係止部にて摺動可能に係止されるととも
に、第2リンク部材の第4軸部は支持プレートの第2係
止部にて回動可能に係止されていることから、キートッ
プはその押下時に支持プレートに対して斜め下方向に移
動される。このとき、スイッチ部は、キートップの斜め
下方向位置に配置される。請求項7のキースイッチ装置
では、キートップはその押下時に斜め下方向に向かって
移動することとなるが、かかる構成は、操作者の指が全
て同一長さではないという特性を勘案した場合、人間工
学的見地からキー操作上好ましい場合が多いことに基づ
く。
【0136】更に、請求項8に係るキースイッチ装置で
は、第1軸部及び第3軸部の中心と第2カム面との距離
は、第1軸部及び第3軸部の中心と第1カム面との距離
よりも大きく設定されており、かかる条件を満足する場
合には、キートップを最終押下位置まで押下した時点に
おいても第1リンク部材と第2リンク部材の回転モーメ
ントは上方向に向かって作用し、これにより弾性部材の
弾性力を介してキートップを上方向に移動して元の非押
下位置まで復帰させることが可能となるものである。
【0137】また、請求項9に係るキースイッチ装置で
は、支持プレート上に配置されたメンブレンスイッチシ
ートからスイッチ部を構成することによりスイッチ部の
取扱が容易とてなり、複数のキースイッチ装置を配列し
てキーボードを構成する場合にその組立を簡単に行うこ
とが可能となる。
【0138】更に、請求項10に係るキースイッチ装置
では、メンブレンスイッチシートの上面に接着固定され
たチップ状の係止部材により第2係止部を構成したの
で、支持プレートに対して直接係止部をプレス加工等に
より形成する場合に比して高価なプレス用金型が不要と
なってキースイッチ装置のコストを格段に低減すること
が可能となる。
【0139】また、請求項11のキースイッチ装置で
は、カム頂点を乗り越えて第1当接状態から第2当接状
態に移行する前に、第1カム部及び第2カム部の一方
が、メンブレンスイッチシートのスイッチングを行い、
メンブレンスイッチシートにおけるスイッチングを行っ
た後に第1カム部材の第2カム面と第2カム部の第2カ
ム面とが当接されることとなり、これによりスイッチン
グを行った後に第2カム面相互の安定化を図ることが可
能となり、チャタリング等を防止することが可能とな
る。
【0140】更に、請求項12に係るキースイッチ装置
では、第1リンク部材の形成時に第1カム部及び弾性部
材を一体に形成することが容易となり、また、第2リン
ク部材の形成時に第2カム部及び弾性部材を一体に形成
することが容易となる。
【0141】また、請求項13のキーボードでは、請求
項1のキースイッチ装置を備えていることから、前記請
求項1の場合と同様の効果を得ることができる。
【0142】更に、請求項14に係る電子機器では、前
記請求項1のキースイッチ装置を備たキーボードを備え
ており、これより請求項1の場合と同様、第1リンク部
材の第1カム部と第2リンク部材の第2カム部との当接
状態、及び、各第1カム部、第2カム部に形成された弾
性部材の協働により、キートップを上方へ付勢して非押
下位置に保持するとともに、押下解除時にキートップを
非押下位置に復帰させることが可能となり、従って、ラ
バースプリングや複雑な付勢機構を使用することなくキ
ースイッチ装置を構成して電子機器のコストの低減を図
ることが可能となる。また、第1カム部と第2カム部と
は、弾性部材を介して常時当接されており、キートップ
の上下動に対応して当接位置が変化するので、第1カム
部及び第2カム部の形状を必要に応じて変化させること
により、キー操作時に発生するクリック感を自在に設計
することが可能なキーボードを備えた電子機器を実現す
ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るキースイッチ装置の分解斜
視図である。
【図2】キースイッチ装置の概略側面図である。
【図3】キースイッチ装置の概略側断面図である。
【図4】第1リンク部材の側面図、平面図である。
【図5】第2リンク部材の側面図、平面図である。
【図6】第1リンク部材から板バネ部及び第1カム部、
第2リンク部材から板バネ部及び第2カム部を取り出し
て模式的に示す説明図である。
【図7】キートップの非押下状態からキートップを押下
してスイッチング動作を行うに至る一連の動作を第1リ
ンク部材、第2リンク部材の動きに着目して模式的に示
す説明図である。
【図8】キートップの非押下時において第1リンク部材
及び第2リンク部材を組み立てた状態を示す平面図であ
る。
【図9】キートップの押下時に、第1リンク部材及び第
2リンク部材の各カム頂点が当接対向した状態を示す平
面図である。
【図10】スイッチングにおけるキースイッチ装置を模
式的に示す側断面図である。
【図11】第1カム部、第2カム部の形成条件を模式的
に示す説明図である。
【図12】キートップの押下時におけるストローク−荷
重曲線である。
【図13】キートップの非押下時における第2実施形態
に係るキースイッチ装置の概略側面図である。
【図14】キートップの非押下時におけるキースイッチ
装置の概略側断面図である。
【図15】キートップの押下時におけるキースイッチ装
置の概略側面図である。
【図16】キートップの押下時におけるキースイッチ装
置の概略側断面図である。
【図17】第3実施形態に係るキースイッチ装置のキー
トップ及び案内部材を分解して示す斜視図である。
【図18】リンク部材に対してカム部材が着脱される状
態を模式的に示す説明図である。
【図19】第4実施形態に係るキースイッチ装置のキー
トップ及び案内部材を分解して示す斜視図である。
【図20】リンク部材の平面図及び側面図である。
【図21】第5実施形態に係るキースイッチ装置に使用
されるリンク部材の平面図である。
【図22】第6実施形態に係るキースイッチ装置に使用
されるリンク部材の平面図である。
【図23】第1実施形態の変形例に係るキースイッチ装
置のキートップ及び案内部材を分解して示す斜視図であ
る。
【図24】パーソナルコンピュータを示し、図24
(A)はノート型パーソナルコンピュータの斜視図、図
24(B)はノート型パーソナルコンピュータの電気的
構成を示すブロック図である。
【図25】第1実施形態、第2実施形態の第1変形例を
示すキースイッチ装置の模式側断面である。
【図26】第1実施形態、第2実施形態の第2変形例を
示すキースイッチ装置の模式側断面である。
【図27】第1カム部及び第2カム部の第1変形例を示
す説明図である。
【図28】第1カム部及び第2カム部の第2変形例を示
す説明図である。
【図29】第1カム部及び第2カム部の第3変形例を示
す説明図である。
【符号の説明】
1 キースイッチ装置 2 キートップ 3 第1リンク部材 4 第2リンク部材 5 案内部材 6 支持プレート 7 メンブレンスイッチシート 8、9 回動係止部 10 固定電極パターン 12 下側フィルムシート 13 可動電極パターン 14 上側フィルムシート 15 スイッチング孔 16 フィルムスペーサ 17 係止部材 20 板バネ部 21 第1軸部 22 第2軸部 24 第1カム部 25 第1カム面 26 第2カム面 27 カム頂点 31 板バネ部 32 第3軸部 33 第4軸部 35 第2カム部

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キートップと、キートップの下方にて可
    動状態で配置された一対の第1及び第2リンク部材を有
    し、第1及び第2リンク部材を介してキートップの上下
    動を案内しつつスイッチ部のスイッチングを行うキース
    イッチ装置において、 第1リンク部材に形成された第1カム部及び第2リンク
    部材に形成された第2カム部と、 前記第1及び第2カム部に形成されるとともに、第1及
    び第2カム部が当接する方向に付勢する弾性部材とを備
    えたことを特徴とするキースイッチ装置。
  2. 【請求項2】 前記第1及び第2カム部の双方には第1
    カム面及び第2カム面が形成され、第1カム面はキート
    ップの非押下位置に対応するとともに、第2カム面はキ
    ートップの押下位置に対応することを特徴とする請求項
    1記載のキースイッチ装置。
  3. 【請求項3】 前記第1カム面と第2カム面との境界部
    にカム頂点が形成され、キートップの非押下時には弾性
    部材の付勢力を介して第1カム部の第1カム面と第2カ
    ム部の第1カム面とが当接される第1当接状態となり、
    キートップの押下時には弾性部材の付勢力に抗してカム
    頂点を乗り越えて第1カム部の第2カム面と第2カム部
    の第2カム面とが当接される第2当接状態となることを
    特徴とする請求項2記載のキースイッチ装置。
  4. 【請求項4】 前記キートップは、弾性部材の付勢力に
    抗してカム頂点を乗り越えて第1当接状態から第2当接
    状態に移行する際に、クリック感を伴って押下されるこ
    とを特徴とする請求項3記載のキースイッチ装置。
  5. 【請求項5】 前記第1カム面、カム頂点及び第2カム
    面で形成される角度は鈍角に設定されていることを特徴
    とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載のキース
    イッチ装置。
  6. 【請求項6】 前記キートップの裏面に形成された第1
    係止部と、 前記キートップの下方に配置された支持プレート上に設
    けられた第2係止部と、 前記第1リンク部材に形成され、第1係止部に対応する
    第1軸部及び第2係止部に対応する第2軸部と、 前記第2リンク部材に形成され、第1係止部に対応する
    第3軸部及び第2係止部に対応する第4軸部とを備え、 前記第1軸部及び第3軸部は第1係止部にて回動可能に
    係止されるとともに、前記第2軸部及び第4軸部は第2
    係止部にて摺動可能に係止されていることを特徴とする
    請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のキースイッチ
    装置。
  7. 【請求項7】 前記キートップの裏面に形成された第1
    係止部と、 前記キートップの下方に配置された支持プレート上に設
    けられた第2係止部と、 前記第1リンク部材に形成され、第1係止部に対応する
    第1軸部及び第2係止部に対応する第2軸部と、 前記第2リンク部材に形成され、第1係止部に対応する
    第3軸部及び第2係止部に対応する第4軸部とを備え、 前記第1軸部及び第3軸部は第1係止部にて回動可能に
    係止されるとともに、前記第2軸部は第2係止部にて摺
    動可能に係止、且つ、第4軸部は第2係止部にて回動可
    能に係止されていることを特徴とする請求項1乃至請求
    項5のいずれかに記載のキースイッチ装置。
  8. 【請求項8】 前記第1軸部及び第3軸部の中心と第2
    カム面との距離は、第1軸部及び第3軸部の中心と第1
    カム面との距離よりも大きく設定されていることを特徴
    とする請求項6又は請求項7記載のキースイッチ装置。
  9. 【請求項9】 前記スイッチ部は支持プレート上に配置
    されたメンブレンスイッチシートから構成され、キート
    ップを押下した際に少なくとも第1カム部及び第2カム
    部の一方を介してメンブレンスイッチシートにおけるス
    イッチングが行われることを特徴とする請求項6乃至請
    求項8のいずれかに記載のキースイッチ装置。
  10. 【請求項10】 前記第2係止部は、メンブレンスイッ
    チシートの上面に接着固定されたチップ状の係止部材か
    ら構成されたことを特徴とする請求項9記載のキースイ
    ッチ装置。
  11. 【請求項11】 前記第1カム部及び第2カム部の一方
    は、キートップの押下時にカム頂点を乗り越えて第1当
    接状態から第2当接状態に移行する前に、前記メンブレ
    ンスイッチシートのスイッチングを行うことを特徴とす
    る請求項9記載のキースイッチ装置。
  12. 【請求項12】 前記第1カム部及び第2カム部は、第
    1リンク部材及び第2リンク部材が相互に対向する位置
    に形成されており、 前記弾性部材は、第1カム部及び第2カム部に隣接して
    形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項1
    1のいずれかに記載のキースイッチ装置。
  13. 【請求項13】 前記請求項1記載のキースイッチ装置
    を少なくとも1以上備えたキーボード。
  14. 【請求項14】 キートップと、キートップの下方にて
    可動状態で配置された一対の第1及び第2リンク部材を
    有し、第1及び第2リンク部材を介してキートップの上
    下動を案内しつつスイッチ部のスイッチングを行うキー
    スイッチ装置であって、 第1リンク部材に形成された第1カム部及び第2リンク
    部材に形成された第2カム部と、 前記第1及び第2カム部に形成されるとともに、第1及
    び第2カム部が当接する方向に付勢する弾性部材とを備
    えたキースイッチ装置を備え、文字や記号等を入力する
    キーボードと、 文字や記号等を表示する表示手段と、 前記キーボードからの入力データに基づいて前記表示手
    段に文字や記号等を表示させる制御手段とを備えたこと
    を特徴とする電子機器。
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