JP3593720B2 - キースイッチ装置 - Google Patents

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【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ノート型のワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ等の薄型電子機器に付設されるキーボードに使用して好適なキースイッチ装置に関し、特に、2つのリンク部材を相互に回動可能に支持してなる案内支持部材を介してキートップの上下動を案内支持するとともに、案内支持部材が載置されるスイッチング部材をスライド可能に配設することにより、キー操作を行う際にキートップを動作位置に保持し、携帯時にはキートップを動作位置よりも低い非動作位置にロックし、もって薄型化を図りつつキー操作性を高く維持するとともに携帯性を向上することが可能なキースイッチ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ノート型のワードプロセッサ等は、何処へでも持ち運びができ操作できるという優れた携帯性を有することから、近年著しく普及されている。また、かかるワードプロセッサ等の携帯性を更に向上すべく種々の試みが行われている。
【0003】
例えば、特開平5−298000号公報には、キートップを弾性的に支持する復帰バネとメンブレンスイッチの接点を押下してスイッチングを行う接点押下バネとを一体に形成した板バネシートを蓋の開閉に連動してスライドさせるスライド機構を配設することによりキートップの高さを可変としたノート型ワードプロセッサ等に付設されるキーボード装置、また、キートップを上下動可能に支持するキースイッチベースを上下方向に移動可能とする移動機構を設けることによりキートップの高さを可変としたノート型ワードプロセッサ等に付設されるキーボード装置が提案されている。
【0004】
また、実開平5−69831号公報には、キー操作時にはキーボードフレーム上で上下動可能に支持されたキートップを板バネの当接部を介して弾性的に付勢してキー操作位置に保持し、一方、携帯時には、キーボードフレーム上でスライド可能に配設された可動支点部材をスライドして板バネの溝部との係合を解除することにより板バネの当接部によるキートップの付勢を解除してキートップの高さを低くすることが可能なブック型パソコン等に付設されるキースイッチ構造が記載されている。前記各公報に記載されたキーボード、キースイッチ構造は、いずれもその携帯時に、キートップの高さを低くすることにより、携帯性を向上するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記各公報に記載されたキーボード等はキー操作時と携帯時とでキートップの高さを可変として携帯性を向上できるものではあるが、いずれのキースイッチにおいても、キートップを上下動可能に支持するためにキー支持部材が使用されている。例えば、特開平5−298000号公報に記載されたキーボードのキースイッチでは、キートップがスイッチハウジングやキースイッチベースに形成されたキーステム部を介して上下動可能に支持されており、また、実開平5−69831号公報に記載されたキースイッチ構造では、キートップがキーボードフレームに形成されたサイロ(キーステム部に相当する)を介して上下動可能に支持されている。
【0006】
このように、キー支持部材におけるキーステム部を介してキートップが支持される構成においては、一般に、キー操作時におけるキースイッチの薄型化は困難なものである。例えば、キースイッチの薄型化が可能であるかどうかは、キートップの摺動案内を行うステム部の長さに大きく依存し、キースイッチの薄型化を図るためにはステム部の長さを一定以上に長くすることができない。一方、キートップの良好な操作性を保持するには、キートップのストローク量を一定以上確保する必要がある。従って、キースイッチの薄型化を図りつつキートップのストローク量を長くしようとすると、ステム部の長さを一定以上に長くすることができないことからステム部の摺動長さに不足を来し、キートップの押下時にステム部との間でこじれが発生し、キートップの操作を円滑に行うことができなくなる。
【0007】
かかる問題点を解消すべく種々の提案が従来よりなされている。例えば、特開平5−342943号公報や特開平5−290673号公報には、2つのリンク部材を相互に回動可能に支持した保持部材を介してキートップを案内支持するとともに、かかる保持部材をステム部が存在しないハウジングやホルダ部材に直接取り付けることにより構成された押釦スイッチ、キースイッチ装置が記載されている。この種のスイッチでは、キートップの保持部材が取り付けられるハウジングやホルダ部材にステム部が形成されていないことから、ステム部の長さに基づく制約がなくなり、従って、スイッチ全体の薄型化を図ることが可能となる。
【0008】
ところで、前記特開平5−342943号公報、特開平5−290673号公報に記載されたスイッチがノート型のワードプロセッサ等に使用される場合に、前記のように携帯性を向上するためには、携帯時にキートップの高さを更に低くする機構を配設することが望ましい。しかし、前記した特開平5−298000号公報に記載された板バネシートのスライド機構や実開平5−69831号公報に記載された可動支点部材のスライド機構は、それぞれのキースイッチの構造に着目して案出されたものであり、2つのリンク部材からなる保持部材にてキートップの上下動を案内支持する特開平5−342943号公報、特開平5−290673号公報に記載されたスイッチにそのまま適用することができるものではない。このように、2つのリンク部材からなる保持部材にてキートップの上下動を案内支持するスイッチにおいて、その携帯時にキートップの高さを更に低くして携帯性の向上を図る試みはまだ行われていないのが現状である。
【0009】
本発明は前記問題点を解消するためになされたものであり、2つのリンク部材を相互に回動可能に支持してなる案内支持部材を介してキートップの上下動を案内支持するとともに、案内支持部材が接触されるスイッチング部材をスライド可能に配設することにより、キー操作を行う際にキートップを動作位置に保持し、携帯時にはキートップを動作位置よりも低い非動作位置にし、もって薄型化を図りつつキー操作性を高く維持するとともに携帯性を向上することができるキースイッチ装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため請求項1記載のキースイッチ装置は、キートップと、キートップの下方に配置されたホルダ部材と、第1リンク部材と第2リンク部材とを軸支部を介して相互に回動自在に配置し、両リンク部材がキートップの下面とその下方のホルダ部材とに連結係止して、キートップの上下動を案内する案内支持部材と、案内支持部材の下方に配置されスイッチング電極が形成された回路基板と、回路基板が載置される支持板と、スイッチング電極に対応して回路基板上に設けられるとともに、スイッチング電極を短絡する可動電極を有し、キートップの上下動に対応してスイッチング動作を行うスイッチング部材と、そのスイッチング部材に形成されたストッパと、第2リンク部材に形成された係止溝とを備えたキースイッチ装置であって、案内支持部材を、スイッチング部材の上面と接触してキートップによるキー入力が可能な動作位置と、案内支持部材とスイッチング部材の上面との接触が外れてキートップによるキー入力が不可能となる動作位置よりも低い非動作位置との間で上下動させるべく、回路基板は、スイッチング部材とともに案内支持部材における各第1リンク部材及び第2リンク部材が開脚する方向に支持板上でスライド可能に構成され、ストッパは回路基板を非動作位置に方向にスライドさせた際に係止溝に係止されていることを特徴とする。
【0011】
また、前記キートップは前記軸支部を基準として所定長さの第1部分とその第1部分よりも長い第2部分とからなり、前記スイッチング部材は前記非動作位置において前記第2部分の下方に位置決めされるように構成されてもよい。
また、前記スイッチング部材と前記案内支持部材とが相互に当接する部位にてスイッチング部材と案内支持部材の双方には動作位置から非動作位置に向かって上方に傾斜した面取り部が形成されていることが望ましい。
【0012】
【作用】
前記構成を有する本発明に係るキースイッチ装置では、キートップのキー操作を行う際にキートップを押下すると、キートップの押下に伴って、案内支持部材における各第1リンク部材及び第2リンク部材は、軸支部を介して相互に回動可能に支持されていることから、各第1及び第2リンク部材は相互に開脚され、キートップを下方に移動案内する。
【0013】
かかるキートップの下方への移動に対応して案内支持部材も下方へ移動し、これに基づきスイッチング部材を介して回路基板に形成されたスイッチング電極との間でスイッチング動作が行われる。また、キートップの押下を解除すると、前記各第1リング部材、第2リンク部材、キートップ、及び、ホルダ部材の間で、前記の動作とは逆の動作が行われ、キートップはスイッチング部材の弾性力により上方に付勢されるとともに、第1リンク部材と第2リンク部材は相互に閉脚され、これにより元の位置に復帰される。
【0014】
また、キースイッチ装置の携帯時には、スイッチング部材が配設される回路基板が、支持板上で各第1リンク部材と第2リンク部材とが開脚する方向にスライドされ、これにより、キートップは、案内支持部材がスイッチング部材の上面と接触してキートップによるキー入力が可能な動作位置から案内支持部材とスイッチング部材の上面との接触が外れてキートップによるキー入力が不可能となる動作位置よりも低い非動作位置に配置される。この結果、キートップの高さは低くなり、携帯性が向上するものである。
【0015】
ここに、スイッチング部材にストッパが形成されるとともに、第2リンク部材にストッパを係止する係止溝が形成され、回路基板をキートップの非動作位置方向にスライドさせた際にストッパが係止溝に係止される構成を有するので、キートップは、ストッパと係止溝を介して、その動作位置よりも低い非動作位置にて保持されることとなり、従って、キースイッチ装置の携帯時にキートップが非動作位置で確実にロックされて携帯中にガタつくことを防止することが可能となる。
また、キートップが、軸支部を基準として第1部分と第1部分よりも長い第2部分とからなり、キートップの非動作位置においてスイッチング部材が第2部分の下方に位置決めされる構成を有する場合には、第2部分の下方に形成されるスペースを有効に利用してスイッチング部材を効率的にキートップの下方に収納することが可能となる。
【0016】
更に、スイッチング部材と案内支持部材とが相互に当接する部位にて、スイッチング部材と案内支持部材の双方に、動作位置から非動作位置に向かって上方に傾斜した面取り部が形成されている場合には、2つの面取り部を介して行われる摺動案内作用に基づいて、面取り部への案内支持部材の載置、及び、面取り部からの案内支持部材の離脱をスムーズに行うことが可能となり、これにより回路基板のスライド動作が円滑に行われ得るものである。
【0017】
【実施例】
以下、本発明に係るキースイッチ装置について、本発明を具体化した実施例に基づいて図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、第1実施例に係るキースイッチ装置の構成について図1乃至図5に基づき説明する。ここに、図1はキートップが動作位置にあるキースイッチ装置の側断面図、図2は一方のリンク部材の平面図、図3は他方のリンク部材の平面図、図4はラバースプリングをスライドする前のキートップの動作位置におけるホルダ部材とラバースプリングの関係を模式的に示す説明図、図5は操作ノブの係止構造を示す平面図である。
【0018】
図1において、キースイッチ装置1は、基本的に、キートップ2、キートップ2の水平状態を保持しつつ上下動を案内する案内支持部材としての案内部材3、キートップ2との間で案内部材3を保持するホルダ部材4、案内部材3の下方にラバースプリング5が固着されるとともにホルダ部材4の下方に配置された回路基板6、及び、回路基板6の下面を支持する支持板7とから構成されている。
【0019】
キートップ2はABS樹脂等から成形され、その上面にはキートップ2を特定する文字、記号等が印刷されている。また、キートップ2は、案内部材3を構成する第1リンク部材10と第2リンク部材11とを相互に可動可能に支持するため第1リンク部材10に設けられた枢支軸16(後述する)を通る垂線Lに関して、前方部分2A(図1中左側部分)と後方部分2B(図1中右側部分)とに分けられ、前方部分2Aの長さAは後方部分2Bの長さBよりも長くされている。キートップ2における前方部分2Aの裏面には、一対の長溝状の第1係止部8(図1には一方の第1係止部8のみを示す)が形成されており、各第1係止部8は、後述するように、第1リンク部材10に形成された各第1摺動ピン14を水平方向に摺動可能に保持する。また、後方部分2Bの裏面には、一対の円形穴状の第2係止部9(図1には一方の第2係止部9のみを示す)が形成されており、各第2係止部9は、後述するように、第2リンク部材11に形成された第2係止ピン20を回動可能に保持する。
【0020】
また、案内部材3は、第1リンク部材10と第2リンク部材11とを相互に回動可能に支持することにより構成される。ここで、各第1リンク部材10及び第2リンク部材11について図2、図3を参照して説明する。
【0021】
先ず、図2に従って第1リンク部材10の構成について説明する。第1リンク部材10はポリアセタール樹脂等から成形され、平面視略「H」状の形状を有する。かかる第1リンク部材10は、基部12と基部12の両側に形成された一対の板部13とからなり、各板部13の一端(図2中左側端)には第1摺動ピン14が外向きに設けられ、また、各板部13の他端(図2中右側端)には第1係止ピン15が外向き設けられている。ここに、各第1摺動ピン14は、前記のように、キートップ2の前方部分2Aに形成された第1係止部8に摺動可能に保持され、各第2係止ピン15は、後述するように、ホルダ部材4に形成された第4係止部24に回動可能に保持されるものである。また、各板部13の略中央位置からは枢支軸16が外向きに突設されている。これらの各枢支軸16は、後述の第2リンク部材11の各板部18に形成された枢支孔21に回動可能に枢支される。
【0022】
次に、図3に従って第2リンク部材11の構成について説明する。第2リンク部材11は、第1リンク部材10と同様、ポリアセタール樹脂等から成形され、平面視略「コ」字状の形状を有する。かかる第2リンク部材11は、基部17と基部17の両側に形成された一対の板部18とからなり、各板部18の一端(図3中左端)には第2摺動ピン19が外向きに設けられ、また、各板部18の他端(図3中右端)の間には第2係止ピン20が設けられている。ここに、各第2摺動ピン19は、後述するように、ホルダ部材4に形成された第3係止部23に摺動可能に保持され、第2係止ピン20は、前記のように、キートップ2の後方部分2Bに形成された第2係止部9に回動可能に保持されるものである。また、各板部18の略中央位置からは枢支孔21が穿設されており、各枢支孔21内には前記第1リンク部材10における各板部13に突設された各枢支軸16が回動可能に枢支される。更に、各板部18における各第2摺動ピン19の近傍位置には、係止溝M(図1参照。図1中には一方の板部18に形成された係止溝Mのみを示す)が形成されている。かかる係止溝Mは、後述するように、回路基板6をスライドさせた際に、ラバースプリング5に設けられた一対の各ストップ部5Cが係止され、その係止状態を保持する作用を行うものである。
【0023】
前記したように、案内部材3は、第1リンク部材10の枢支軸16を第2リンク部材11の枢支孔21に回動可能に枢支することにより構成され、これより各第1リンク部材10及び第2リンク部材11は、相互に開脚及び閉脚が可能となるものである。また、第1リンク部材10における枢支軸16の中心から第1摺動ピン14及び第1係止ピン15の中心までの距離と、第2リンク部材11における枢支孔21の中心から第2係止ピン20及び第2摺動ピン19の中心までの距離との4つのは、それぞれ等しくなるように設定されている。
【0024】
次に、キースイッチ装置1におけるホルダ部材4について図1、図4に基づき説明する。ホルダ部材4は、キートップ2と同様ABS樹脂等から成形され、キースイッチ装置1毎に設けられている。従って、本実施例に係るキースイッチ装置1が複数のキースイッチ装置を備えたキーボードに使用される場合には、ホルダ部材4は、キーボードに設けられた各キースイッチ装置1に対応して、キーボードの全体に1つの部材が一体に形成される。
【0025】
ホルダ部材4には取付孔22が設けられており、かかる取付孔22内で、後述するように回路基板6上に固着されたラバースプリング5がスライドされ得る。また、取付孔22の四隅位置の内、図4中右側隅位置には、一対の第3係止部23が形成されており、各第3係止部23は前記キートップ2の各第1係止部8に対向するとともに長溝状に形成されて第2リンク部材11の第2摺動ピン19を摺動可能に保持するものである。更に、ホルダ部材4において図4中左側隅位置には、一対の第4係止部24が形成されており、各第4係止部24はキートップ2の第2係止部9に対向するとともに円形穴状に形成されて第1リンク部材10の第1係止ピン15を回動可能に保持するものである。尚、取付孔22は略四角形状を有しているが、後述するようにラバースプリング5がスライドする際そのスライド動作に支障が生じないように、スライド方向における取付孔22の両側端縁(図4中左右両側端縁)の形状は、ラバースプリング5の形状に合致した円弧状にされている。
【0026】
次に、回路基板6について図1、図4、図5に基づき説明する。回路基板6は、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等に所定の回路パターンが形成されたフレキシブル回路基板、又は、紙−フェノール、ガラスエポキシ樹脂等からなる基板上に回路パターンが形成された硬質回路基板から構成され、その下面が支持板7上に支持されている。また、かかる回路基板6は支持板7上をスライド可能にされている。即ち、前記ホルダ部材4と支持板7とは、両者の間に所定のクリアランス(回路基板6の厚さよりも大きく設定されている)が形成されつつ、複数箇所において「かしめ」、若しくはネジ止めにより相互に結合されており、この結果、回路基板6は、ホルダ部材4と支持板7との間に形成されたクリアランスを介して、支持板7上をスライド可能とされるものである。
【0027】
回路基板6上には、図1及び図4に示すように、前記各第1リンク部材10と第2リンク部材11が相互に軸支される部分に対応する下方位置にラバースプリング5が固着されている。かかるラバースプリング5はシリコンゴム、EPDM等の弾性を有するゴム材から形成され、円錐状のドーム部5A、ドーム部5Aの周囲に形成された縁部5B、及び、縁部5Bから延長された2つのストッパ部5Cとから構成される(図4参照)。ドーム部5Aの内上壁には導電ゴムからなる可動電極25が固着されており、また、ドーム部5Aの頂部には前記第1リンク部材10の基部12が載置される。これにより、第1リンク部材10と第2リンク部材11とからなる案内部材3は、ラバースプリング5のドーム部5Aを介して弾性的に支持されるものである。ここに、ラバースプリング5は回路基板6上に固着されていることから、回路基板6のスライド動作に従って回路基板6と共にスライド移動される。この点については、後述する。また、ドーム部5Aの上端縁の周囲には面取り部N1が形成されており、かかる面取り部N1は、第1リンク部材10の基部12の側端(図1中左端)に形成された面取り部N2と協働して、案内部材3をスムーズに上方に案内するものである。
【0028】
また、ラバースプリング5のドーム部5Aにおける可動電極25に対応して、回路基板6上には一対の固定電極26が形成されており、かかる固定電極26は、後述するように、キートップ2の押下時に可動電極25を介して相互に短絡されてスイッチング動作が行われるものである。尚、図1に示すように、固定電極26は、可動電極25に対して垂線Lの若干左側にずらせて形成されている。これは、キートップ2の押下時に、第1リンク部材10の第1摺動ピン14、及び、第2リンク部材11の第2摺動ピン19が、それぞれ各第1係止部8、第3係止部23内で摺動されることに基づき、ラバースプリング5の可動電極25も図1中若干左側にシフトしつつ座屈して各固定電極26に当接されることから、スイッチング時に可動電極25がその中央部で固定電極26を短絡するようにするためである。
【0029】
更に、回路基板6上で、キースイッチ装置1から離間した位置には操作ノブ27が取り付けられており、かかる操作ノブ27は回路基板6をスライドする際に操作される。また、図5に示すように、操作ノブ27の両側には位置決め突起28が形成されており(図5中には一方の位置決め突起28のみを示す)、この位置決め突起28は、操作ノブ27の可動範囲に対応してホルダ部材4に形成された操作穴29の対向する両側縁(図5中上下側縁。尚、図5中には上側縁のみを示す)に形成された4つの位置決め溝29A、29B、29C、29Dの内の1つに位置決め嵌合される。これにより、回路基板6は、操作ノブ27を介してホルダ部材4と支持板7との間でスライドされた際に、任意の位置で多段階にホルダ部材4との間で位置決めを行うことができるものである。従って、ラバースプリング5は、回路基板6がスライドされるに従って回路基板6と共にスライド移動されることから、操作ノブ27の位置決め突起28を任意の位置決め溝に位置決め嵌合することにより、ラバースプリング5と案内部材3との位置関係を種々変更することが可能となるものである。かかる点についは後述する。因に、図5において操作ノブ27の位置決め突起28は、位置決め溝29Bに位置決め嵌合されているが、この状態ではキースイッチ装置1を構成する各部材間の関係は図1、図4に示す関係となる。また、位置決め突起28を位置決め溝29Aに位置決め嵌合した場合におけるキースイッチ装置1を構成する各部材間の関係は、図9、図10に示す関係となり、同様に、位置決め突起28を位置決め溝29Cに位置決め嵌合した場合にける各部材間の関係は、図11、図12に示す関係となる。更に、位置決め突起28を位置決め溝29Dに位置決め嵌合した場合における各部材間の関係は、図8に示す関係となる。
【0030】
続いて、前記した構成を有するキースイッチ装置1を組み立てる方法について説明する。先ず、支持板7とホルダ部材4との間に、ラバースプリング5を固着した回路基板6を挟んだ状態で、各支持板7とホルダ部材4とを両者間にクリアランスを保持しつつ、「かしめ」、若しくはネジ止めにより相互に結合する。この時点で、回路基板6は、支持板7とホルダ部材4との間でスライド可能に配置されることとなる。この後、第1リンク部材10の枢支軸16を第2リンク部材11の枢支孔21に回動可能に枢支して案内部材3が組み立てられる。次に、第2リンク部材11の各第2摺動ピン19をホルダ部材4の第3係止部23に係止し、更に、第1リンク部材10の各第1係止ピン15をホルダ部材4の第4係止部24内にスナップインする。これにより、案内部材3はホルダ部材4に対して保持される。
【0031】
そして、前記のように案内部材3をホルダ部材4に保持した後、キートップ2を案内部材3の上方に配置し、第1リンク部材10の各第1摺動ピン14をキートップ2の前方部分2Aに形成された第1係止部8内に係止するとともに、第2リンク部材11の第2係止ピン20をキートップ2後方部分2Bに形成された第2係止部9内にスナップインする。これにより、キースイッチ装置1が組み立てられる。尚、前記のようにキースイッチ装置1を組み立てた時点においては、第1リンク部材10の基部12がラバースプリング5のドーム部5A上に載置されていることから、キートップ2は、案内部材3と共にラバースプリング5の弾性力を介して上方に付勢されて図1に示す非押下位置に保持されている。尚、この時、操作ノブ27は位置決め溝29Bに嵌合されている。
【0032】
続いて、前記のように構成されたキースイッチ装置1のスイッチング動作について図1、及び、図6に基づき説明する。図6はキートップを押下した状態を示すキースイッチ装置1の側断面図である。尚、キートップ2の非押下状態においては、前記操作ノブ27の位置決め突起28は、図5に示すように、位置決め溝29Bに位置決め嵌合されているものとする。
【0033】
図1に示す状態からキートップ2を押下していくと、案内部材3における第1リンク部材10の各第1摺動ピン14は第1係止部8内で左側に摺動されるとともに、第1係止ピン15は第4係止部24内で反時計方向に回動される。これと同時に、案内部材3における第2リンク部材11の第2係止ピン20は第2係止部9内で時計方向に回動されるとともに、第2摺動ピン19は第3係止部23内で左側に摺動される。このとき、キートップ2は、各第1リンク部材10と第2リンク部材11の協働作用により、キートップ2の押下位置に拘らず水平状態を維持しつつ下方に移動される。
【0034】
キートップ2の下方への移動に伴い、第1リンク部材10の基部12は徐々にラバースプリング5のドーム部5Aを押下していき、押下力が一定の限度を越えた時点でドーム部5Aがクリック感を伴って座屈する。かかるラバースプリング5の座屈により、ドーム部5Aの内上壁に固着された可動電極25は、図6に示すように、回路基板6上に形成された各固定電極26を短絡してオン状態となり、これによりオンスイッチング動作が行われるものである。
【0035】
また、キートップ2の押下を解除すると、第1リンク部材10の基部12がラバースプリング5の弾性力(復帰力)を介して上方に付勢される。このとき、第1リンク部材10の各第1摺動ピン14は第1係止部8内で右側に摺動されるとともに、第1係止ピン15は第4係止部24内で時計方向に回動される。これと同時に、案内部材3における第2リンク部材11の第2係止ピン20は第2係止部9内で反時計方向に回動されるとともに、第2摺動ピン19は第3係止部23内で右側に摺動される。これに伴い、ラバースプリング5のドーム部5Aは徐々に元の状態に復帰していき、かかる過程で可動電極25は各固定電極26から離間する。この時点でオフ状態となり、オフスイッチング動作が行われる。そして、キートップ2は、ラバースプリング5の弾性力を介して、図1に示す元の非押下状態に復帰する。このとき、キートップ2は、前記押下時と同様、各第1リンク部材10と第2リンク部材11の協働作用により、水平状態を維持しつつ上方に移動される。
【0036】
前記したオンスイッチング時及びオフスイッチング時におけるキースイッチ装置1の動作曲線が図13の動作曲線Bに示されている。ここに、図13はキースイッチ装置1の動作時におけるキートップ2の押下荷重とキートップ2のストロークとの関係で示す動作曲線である。尚、図13中、縦軸はキートップ2の押下荷重(g)、横軸はキートップ2のストローク量(mm)を示す。
【0037】
図13の動作曲線Bにおいて、曲線B1はキートップ2の押下時における押下荷重とストローク量の変化を示し、曲線B2はキートップ2押下解除時における押下荷重とストローク量の変化を示す。かかる動作曲線Bは、ラバースプリング5と案内部材3における第1リンク部材10の基部12との位置関係を通常の状態(操作ノブ27の位置決め突起28を位置決め溝29Bに位置決め嵌合した状態)に設定してスイッチングを行う場合の変化を示すものであり、所定の操作特性をもってスイッチング動作が行われていることが分かる。尚、ラバースプリング5と第1リンク部材10の基部12との位置関係が変化した場合には、基部12を介してラバースプリング5に及ぼされる押下力、押下方向等が変化することから、かかる場合における動作曲線は、動作曲線A、Cに示すように変化する。かかる点については後述する。
【0038】
次に、前記のように構成されたキースイッチ装置1の携帯性を向上するについてキートップ2の高さを低くすべく、操作ノブ27を介して回路基板6を各第1リンク部材10、第2リンク部材11の開脚方向にスライドさせる場合の動作について図7、図8に基づき説明する。ここに、図7はラバースプリングをスライドした後のキートップ2の非動作位置におけるホルダ部材4とラバースプリング5の関係を模式的に示す説明図、図8はラバースプリングをスライドした後のキートップ2の非動作位置におけるキースイッチ装置1の様子を模式的に示す側断面図である。尚、回路基板6のスライド動作前にはホルダ部材4及びラバースプリング5は図4に示す状態にあるものとする。
【0039】
先ず、ホルダ部材4と支持板7との間で、操作ノブ27を介して回路基板6を図4中矢印C方向(図1中左方向)に移動させ、位置決め突起28が位置決め溝29Dに位置決め嵌合されるまでスライドする。かかる回路基板6のスライド時、ラバースプリング5のドーム部5Aは徐々に第1リンク部材10の基部12から外れていき、基部12がドーム部5Aの円錐壁部に当接されるようになると、ラバースプリング5の弾性力により上方に付勢されていた案内部材3の各第1リンク部材10及び第2リンク部材11は、その枢支軸16、枢支孔21を介して相互に折り畳まれていく。また、これに伴って、キートップ2の高さは、図1に示す状態から徐々に低くなっていく。そして、第1リンク部材10の基部12がラバースプリング5のドーム部5Aから完全に外れた時点で、各第1リンク部材10と第2リンク部材11は、図8に示すように、完全に折り畳まれて回路基板6上に載置され、これと同時に、キートップ2の高さは、ラバースプリング5からの弾性力を全く受けない状態となることから、図8に示すように最も低くなる。
【0040】
また、第1リンク部材10の基部12がラバースプリング5のドーム部5Aから完全に外れた時点では、ラバースプリング5に形成された各ストッパ5Cは、第2リンク部材11に形成された各係止溝Mに係止されており、これにより各第1リンク部材10、第2リンク部材11は折り畳まれた状態に保持される。従って、キートップ2は、その高さが最も低くされた状態で保持されることとなり、キースイッチ装置1の携帯中にキートップ2に対して上下方向の振動が加えられた場合においてもキートップ2がガタつくことを確実に防止することができる。
【0041】
更に、第1リンク部材10の基部12がラバースプリング5のドーム部5Aから完全に外れた時点において、ラバースプリング5はキートップ2の前方部分2Aの下方に完全に収納されている。このように、キートップ2の非動作位置までラバースプリング5を回路基板6と共にスライドさせるに際して、ラバースプリング5を後方部分2Bよりも長くされた前方部分2Aに向かってスライドさせるとともに、前方部分2Aの下方で収納するようにしたので、ラバースプリング5がキートップ2に当接して変形された状態で収納されることを確実に防止してラバースプリング5の特性を長期に渡って維持することができる。また、取付孔22の両側端縁(図4中左右両側端縁)の形状は、ラバースプリング5の形状に合致した円弧状にされているので、ラバースプリング5はホルダ部材4に当接されることなく取付孔22内でスムーズにスライドされ得る。
【0042】
また、キースイッチ装置1を使用するに際して、キートップ2を動作位置に復帰させる場合には、前記とは逆の動作に従って、操作ノブ27を介して回路基板6を図4中矢印D方向(図1中右方向)に移動させ、位置決め突起28が位置決め溝29Bに位置決め嵌合されるまでスライドする。かかる回路基板6のスライド時、先ず、係止溝Mとストッパ部5Cとの間の係止が解除され、ラバースプリング5のドーム部5Aは徐々に第1リンク部材10の基部12の下に潜り込んでいき、やがて基部12がドーム部5Aの頂部に載置されるようになる。これにより、折り畳まれていた各第1リング部材10及び第2リンク部材11は元の状態に復帰し、また、これに伴ってキートップ2の高さは徐々に高くなって図1に示す元の動作位置に復帰する。尚、前記のようにラバースプリング5のドーム部5Aが第1リンク部材10の下に潜り込む際、ドーム部5Aの上端縁の周囲には面取り部N1が形成されているととともに、基部12の端部には面取り部N1に合致する面取り部N2が形成されていることから、第1リンク部材10は各面取り斜部N1及びN2の協働作用を介してスムーズに上方に摺動案内されるものである。
【0043】
続いて、前記キースイッチ装置1におけるラバースプリング5と案内部材3との位置関係を多段階に位置決めしてキートップ2の操作特性を変更する構成について図9乃至図12を参照して説明する。ここに、図9は通常状態よりもラバースプリング5と案内部材3との当接面積を小さくしてキートップ2の操作特性を変えた場合におけるキースイッチ装置1の側断面図、図10は図9に対応するキートップ2を押下した状態を示すキースイッチ装置1の側断面図、図11は通常状態よりもラバースプリング5と案内部材3との当接面積を大きくしてキートップ2の操作特性を変えた場合におけるキースイッチ装置1の側断面図、図12は図11に対応するキートップ2を押下した状態を示すキースイッチ装置1の側断面図である。尚、当初においては、操作ノブ27の位置決め突起28は位置決め溝29Bに位置決め嵌合されて、ラバースプリング5と案内部材3との位置関係は図1に示す通常の状態に設定されているものとする。また、以下の説明においては、図1等で説明した構成と同一の構成については前記説明を参照することとしてその説明を省略し、特徴的な構成についてのみ同一の符号を付して説明することとする。
【0044】
キートップ2の操作特性を変える場合には、先ず、操作ノブ27を介して回路基板6を支持板7上でスライドさせ、操作ノブ27の位置決め突起28を位置決め溝29Bから位置決め溝29Aに移動するとともに位置決め嵌合する。この状態におけるラバースプリング5と案内部材3との位置関係は、図9に示す状態になっている。図9に示すラバースプリング5と案内部材3との位置関係においては、図1の通常の場合と比較して、案内部材3における第1リンク部材10の基部12とラバースプリング5のドーム部5Aとの当接面積が小さくなっており、また、当接部は図9中右方に位置している。
【0045】
このような当接関係を有する場合、キートップ2押下時に第1リンク部材10の基部12がラバースプリング5のドーム部5Aに及ぼす押圧力、押圧方向は変化し、この結果、キートップ2を押下して図10に示すようにオンスイッチング動作を行う場合、及び、キートップ2の押下を解除してオフスイッチング動作を行う場合には、図13の動作曲線Aに示すように、キートップ2の操作特性に変化が現れる。ここに、動作曲線A中、曲線A1はキートップ2の押下時における押下荷重とストローク量の変化を示し、曲線A2はキートップ2押下解除時における押下荷重とストローク量の変化を示す。動作曲線Aと動作曲線Bとを比較するに、動作曲線Aの方が少ない押下力でスイッチング動作が行われており、従って、キー操作特性としては軽いキー操作フィーリングが得られる。
【0046】
また、前記動作曲線Aにて得られるキー操作特性とは異なる特性に設定する場合には、操作ノブ27を介して回路基板6を支持板7上でスライドさせ、操作ノブ27の位置決め突起28を位置決め溝29Aから位置決め溝29Cに移動するとともに位置決め嵌合する。この状態におけるラバースプリング5と案内部材3との位置関係は、図11に示す状態になっている。図11に示すラバースプリング5と案内部材3との位置関係においては、図1の通常の場合と比較して、案内部材3における第1リンク部材10の基部12とラバースプリング5のドーム部5Aとの当接面積が大きくなっており、また、当接部は図11中若干左方に位置している。
【0047】
このような当接関係を有する場合、キートップ2の押下時に第1リンク部材10の基部12がラバースプリング5のドーム部5Aに及ぼす押圧力、押圧方向は前記図9の場合とは異なることとなり、この結果、キートップ2を押下して図12に示すようにオンスイッチング動作を行う場合、及び、キートップ2の押下を解除してオフスイッチング動作を行う場合には、図13の動作曲線Cに示すように、キートップ2の操作特性に変化が現れる。ここに、動作曲線C中、曲線C1はキートップ2の押下時における押下荷重とストローク量の変化を示し、曲線C2はキートップ2押下解除時における押下荷重とストローク量の変化を示す。動作曲線Cと動作曲線Bとを比較するに、動作曲線Cと動作曲線Bとは略同一のキー操作特性を有するが、動作曲線Bの場合よりも大きなクリック感をもってスイッチング動作が行われており、従って、キー操作特性としてはより明確なキー操作フィーリング(クリック感)が得られる。
【0048】
このように、操作ノブ27の位置決め突起28を各位置決め溝29A乃至29Cから1つの位置決め溝を選択して位置決め嵌合することにより、キートップ2のキー操作特性を自在に変更することが可能となり、操作者は自己のキー操作フィーリングに合致する操作特性に設定してキー操作を行うことができる。
【0049】
次に、本発明の第2実施例に係るキースイッチ装置1について図14に基づき説明する。図14はキートップ2が動作位置にあるキースイッチ装置1の側断面図である。尚、この実施例においては、回路基板6のスライド方向を勘案してラバースプリング5におけるドーム部5Aの頂部に傾斜した傾斜部30を形成することにより、回路基板6をスライドさせる際に、ラバースプリング5が、動作位置から非動作位置へ、及び、非動作位置から動作位置へスムーズに移動できるようにした構成に特徴を有するものであり、他の構成については前記第1実施例のキースイッチ装置1と同一である。従って、ここでは前記第1実施例のキースイッチ装置1と同一の部材等については同一の符号を付するとともに、その説明については前記説明を参照することとして省略し、その特徴的な構成についてのみ説明する。
【0050】
図14において、ラバースプリング5におけるドーム部5Aの頂部は、操作ノブ27を介して回路基板6がキートップ2の動作位置から非動作位置にスライドされる方向に向かって(図14中右から左に向かって)上方に傾斜した傾斜部30が形成されている。また、ドーム部5Aの内上壁に設けられた可動電極25は、その内上壁の中央部よりも左側の位置に配置されている。これは、ラバースプリング5が、上方から垂直方向に押下されるのではなく傾斜した傾斜部30を介して斜め方向に押下されることから、ラバースプリング5を押下した際、可動電極25は若干円弧運動しつつ下方に移動して回路基板6上の固定電極26に当接されることを考慮したものである。
【0051】
また、案内部材3における第1リンク部材10の基部12は、前記図1、図9、図11と比較すれば明かなように、傾斜部30の傾斜面に合致する傾斜面12Aが形成されている。これにより、基部12は、その傾斜面12Aを介してラバースプリング5の傾斜部30に密着した状態で載置される。
【0052】
そして、キースイッチ装置1の携帯時に、操作ノブ27を介して回路基板6をキートップ2の動作位置から非動作位置に向かってスライドさせると、ラバースプリング5のドーム部5Aの傾斜部30は第1リンク部材10の基部12の傾斜面12Aに沿って移動され、これによりラバースプリング5はスムーズに非動作位置の方向にスライド移動され得るものである。また、キースイッチ装置1のキー操作時に、前記とは逆に操作ノブ27を介して回路基板6をキートップ2の非動作位置から動作位置に向かってスライドさせると、ラバースプリング5のドーム部5Aの傾斜部30は第1リング部材10の基部12の傾斜面12Aに潜り込みつつ移動される。このとき、各傾斜部30と傾斜面12Aとは同一の傾斜方向を有し、傾斜部30は傾斜面12Aに沿って円滑に移動されることから、ラバースプリング5はスムーズに動作位置の方向にスライド移動され得るものである。
【0053】
このように、ラバースプリング5にキートップ2の動作位置から非動作位置に向かって上方に傾斜した傾斜部30を形成するとともに、案内部材3の第1リンク部材10の基部12に傾斜部30の傾斜面に合致する傾斜面12Aを形成することにより、ラバースプリング5は、キートップ2の動作位置から非動作位置の方向へスライド移動させる場合、及び、非動作位置から動作位置の方向へスライド移動させる場合のいずれの場合においても、傾斜部30と傾斜面12Aの協働作用を介してスムーズにスライド移動させることができる。
【0054】
以上詳細に説明した通り本実施例に係るキースイッチ装置1では、第1リンク部材10と第2リンク部材11とを相互に回動可能に支持してなる案内部材3を介してキートップ2をホルダ部材4上で上下動可能に配設するとともに、案内部材3における第1リンク部材10の基部12を載置するラバースプリング5が固着された回路基板6を操作ノブ27によりキートップ2の動作位置と非動作位置との間で第1リンク部材10と第2リンク部材11の開閉脚方向に支持板7上でスライド可能に構成したので、ホルダ部材4にキートップ2の摺動案内を行うステム部を不要としてキースイッチ装置1の薄型化を容易に図ることができ、また、キースイッチ装置1の携帯時には、回路基板6を非動作位置までスライドさせてラバースプリング5が案内部材3から外れた非動作位置まで移動させることによりラバースプリング5による案内部材3の付勢を解除して各第1リンク部材10と第2リンク部材11とを折り畳んでキートップ2の高さを低くすることができる。
【0055】
また、ラバースプリング5にストッパ部5Cを形成するとともに第2リンク部材11に係止溝Mを形成し、回路基板6を非動作位置までスライドさせた状態では、ストッパ部5Cを係止溝Mに係止する構成としたので、キートップ2をその非動作位置で保持することができる。従って、キースイッチ装置1の携帯時にキートップ2を非動作位置で確実にロックして携帯中にキートップ2がガタつくことを確実に防止することができる。
【0056】
更に、案内部材3における第1リンク部材10の枢支軸16を通る垂線Lを基準としてキートップ2を前方部分2Aと後方部分2Bとに分けた場合、前記のように回路基板6をキートップ2の非動作位置までスライドさせた状態で、ラバースプリング5が後方部分2Bよりも長い前方部分2Aの下方で収納位置決めされる構成としたので、前方部部2Aの下方に形成されるスペースを有効に利用してラバースプリング5を効率的にキートップ2の下方に収納することができる。これにより、ラバースプリング5は何ら負荷を与えられて変形されることなくキートップ2の下方に収納され得、ラバースプリング5が有する所定の特性を長期に渡って保持しつつ長寿命化を図ることができるものである。
【0057】
また、第1実施例のキースイッチ装置1では、ラバースプリング5のドーム部5Aの上端縁の周囲に面取り部N1を形成するとともに、第1リング部材1の基部12の端部に面取り部N1に合致する面と取り部N2を形成したので、携帯状態から元のキー操作可能状態にラバースプリング5を復帰させる際に、各面取り部N1とN2の協働作用を介して第1リンク部材10の基部12を上方に向かってスムーズに摺動案内することができる。更に、第2実施例のキースイッチ装置1においては、ラバースプリング5にキートップ2の動作位置から非動作位置に向かって上方に傾斜した傾斜部30を形成するとともに、案内部材3の第1リンク部材10の基部12に傾斜部30の傾斜面に合致する傾斜面12Aを形成した場合には、キートップ2の動作位置から非動作位置の方向へスライド移動させる場合、及び、非動作位置から動作位置の方向へスライド移動させる場合のいずれの場合においても、ラバースプリング5を傾斜部30と傾斜面12Aの協働作用を介してスムーズにスライド移動させることができる。
【0058】
尚、前記各実施例は本発明を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。例えば、前記各実施例においては、キートップ2の押下時に、ラバースプリング5のドーム部5Aの内上壁に固着された可動電極25と回路基板6上に形成された固定電極26とを当接してスイッチング動作を行うように構成したが、2つのスイッチングシート間にスペーサを介挿した、いわゆるメンブレンスイッチをホルダ部材4の下面に配置し、ドーム部5Aの内上壁には押圧部を形成する構成とした場合でも前記各実施例と同様の効果を得られることは明かである。また、操作ノブ27は1個のみではなく、回路基板6のスライドを容易にするためにキーボードの両端に1個ずつ設けるようにしてもよい。
【0059】
【発明の効果】
以上説明した通り本発明は、2つのリンク部材を相互に回動可能に支持してなる案内支持部材を介してキートップの上下動を案内支持するとともに、案内支持部材が接触されるスイッチング部材をスライド可能に配設することにより、キー操作を行う際にキートップを動作位置に保持し、携帯時にはキートップを動作位置よりも低い非動作位置にし、もって薄型化を図りつつキー操作性を高く維持するとともに携帯性を向上することができるキースイッチ装置を提供することができ、その産業上奏する効果は大である。
また、スイッチング部材にストッパが形成されるとともに、第2リンク部材にストッパを係止する係止溝が形成され、回路基板をキートップの非動作位置方向にスライドさせた際にストッパが係止溝に係止される構成を有するので、キートップは、ストッパと係止溝を介して、その動作位置よりも低い非動作位置にて保持されることとなり、従って、キースイッチ装置の携帯時にキートップが非動作位置で確実にロックされて携帯中にガタつくことを防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】キートップが動作位置にある第1実施例に係るキースイッチ装置の側断面図である。
【図2】一方のリンク部材の平面図である。
【図3】他方のリンク部材の平面図である。
【図4】ラバースプリングをスライドする前のキートップの動作位置におけるホルダ部材とラバースプリングの関係を模式的に示す説明図である。
【図5】操作ノブの係止構造を示す平面図である。
【図6】キートップを押下した状態を示すキースイッチ装置の側断面図である。
【図7】ラバースプリングをスライドした後のキートップの非動作位置におけるホルダ部材とラバースプリングの関係を模式的に示す説明図である。
【図8】ラバースプリングをスライドした後のキートップの非動作位置におけるキースイッチ装置の様子を模式的に示す側断面図である。
【図9】通常状態よりもラバースプリングと案内部材との当接面積を小さくしてキートップの操作特性を変えた場合におけるキースイッチ装置の側断面図である。
【図10】図9に対応するキートップを押下した状態を示すキースイッチ装置の側断面図である。
【図11】通常状態よりもラバースプリングと案内部材との当接面積を大きくしてキートップの操作特性を変えた場合におけるキースイッチ装置の側断面図である。
【図12】図11に対応するキートップを押下した状態を示すキースイッチ装置の側断面図である。
【図13】キースイッチ装置の動作時におけるキートップの押下荷重とキートップのストロークとの関係で示す動作曲線である。
【図14】キートップが動作位置にある第2実施例に係るキースイッチ装置の側断面図である。
【符号の説明】
1 キースイッチ装置
2 キートップ
2A 前方部分
2B 後方部分
3 案内部材
4 ホルダ部材
5 ラバースプリング
5A ドーム部
5B 縁部
5C ストッパ部
6 回路基板
7 支持板
8 第1係止部
9 第2係止部
10 第1リンク部材
11 第2リンク部材
12 基部
14 第1摺動ピン
15 第1係止ピン
16 枢支軸
19 第2摺動ピン
20 第2係止ピン
21 枢支孔
23 第3係止部
24 第4係止部
25 可動電極
26 固定電極
27 操作ノブ
28 位置決め突起
29A乃至29D 位置決め溝
30 傾斜部
M 係止溝

Claims (3)

  1. キートップと、
    前記キートップの下方に配置されたホルダ部材と、
    第1リンク部材と第2リンク部材とを軸支部を介して相互に回動自在に配置し、両リンク部材が前記キートップの下面とその下方のホルダ部材とに連結係止して、キートップの上下動を案内する案内支持部材と、
    前記案内支持部材の下方に配置されスイッチング電極が形成された回路基板と、
    前記回路基板が載置される支持板と、
    前記スイッチング電極に対応して回路基板上に設けられるとともに、スイッチング電極を短絡する可動電極を有し、キートップの上下動に対応してスイッチング動作を行うスイッチング部材と
    前記スイッチング部材に形成されたストッパと、
    前記第2リンク部材に形成された係止溝とを備えたキースイッチ装置であって、
    前記案内支持部材を、スイッチング部材の上面と接触してキートップによるキー入力が可能な動作位置と、案内支持部材とスイッチング部材の上面との接触が外れてキートップによるキー入力が不可能となる動作位置よりも低い非動作位置との間で上下動させるべく、前記回路基板は、スイッチング部材とともに前記案内支持部材における各第1リンク部材及び第2リンク部材が開脚する方向に前記支持板上でスライド可能に構成され
    前記ストッパは前記回路基板を前記非動作位置に方向にスライドさせた際に前記係止溝に係止されることを特徴とするキースイッチ装置。
  2. 前記キートップは前記軸支部を基準として所定長さの第1部分とその第1部分よりも長い第2部分とからなり、前記スイッチング部材は前記非動作位置において前記第2部分の下方に位置決めされることを特徴とする請求項1に記載のキースイッチ装置。
  3. 前記スイッチング部材と前記案内支持部材とが相互に当接する部位にスイッチング部材と案内支持部材の双方には動作位置から非動作位置に向かって上方に傾斜した面取り部が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のキースイッチ装置。
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