JP2002108536A - キーボード装置 - Google Patents

キーボード装置

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JP2002108536A
JP2002108536A JP2000297149A JP2000297149A JP2002108536A JP 2002108536 A JP2002108536 A JP 2002108536A JP 2000297149 A JP2000297149 A JP 2000297149A JP 2000297149 A JP2000297149 A JP 2000297149A JP 2002108536 A JP2002108536 A JP 2002108536A
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JP2000297149A
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Mitsumasa Kako
光政 加古
Naoki Hayashi
直樹 林
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Brother Industries Ltd
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Brother Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】比較的小さな力で、キーボード装置に複数のキ
ースイッチ装置にてキートップを上方に付勢する付勢部
材の付勢力を制御することにより、キースイッチ装置を
使用状態と不使用状態とに切り換えることが可能なキー
ボード装置を提供する。 【解決手段】スライドプレート33を一方向にスライド
させ、スライドプレート3の係合片34とゴム弾性体3
0との係合に基づきゴム弾性体30の付勢力を第1リン
ク部材3の軸体14に作用させることによりキートップ
2を操作可能な非押下位置に保持し、また、スライドプ
レート33を他方向にスライドさせ、スライドプレート
33の係合片34とゴム弾性体30との係合をリリース
させてゴム弾性体30による付勢力を第1リンク部材3
の軸体14に作用させなくして、キートップ2を操作不
可能な位置に保持するように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ノート型パーソナルコ
ンピュータ、ワードプロセッサ等に付設されるキーボー
ド装置に関し、特に、キーボード装置に設けられている
複数のキースイッチ装置にてキートップを上方に付勢す
る付勢部材の付勢力を制御することにより、キースイッ
チ装置を使用状態と不使用状態とに切り換えることが可
能なキーボード装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ノート型パーソナルコンピュ
ータ等の使用時には、キーボード装置における複数の各
キースイッチ装置のキートップを高い位置に保持して使
用可能な状態とし、また、不使用時には、各キースイッ
チ装置のキートップを低い位置に保持して使用不可能な
状態に切り換えるように構成された各種のキーボード装
置が提案されている。
【0003】例えば、特開平9−63402号公報や特
許第2857353号公報には、一対のリンク部材を交
叉状に相互軸支した案内部材を介してキートップの上下
動を案内するとともに、キートップの下方に配置された
メンブレンスイッチシートに逆カップ状のラバースプリ
ングを固定し、また、各リンク部材の軸支部をラバース
プリングの頂部に載置してキートップを高い位置に保持
することによりキースイッチ装置を使用状態にするキー
ボード装置が記載されている。
【0004】かかるキーボード装置において、例えば、
携帯時にキートップを低い位置に移動させてキースイッ
チ装置を不使用状態にする場合には、ラバースプリング
が固定されたメンブレンスイッチシートを水平方向に移
動させる。これにより、ラバースプリングにより支持さ
れていた各リンク部材の軸支部は、ラバースプリングに
よる支持状態が解除されて下方に移動することとなり、
この結果、キートップは低い位置に移動してキースイッ
チ装置は不使用状態になるものである。
【0005】前記したキーボード装置によれば、ラバー
スプリングを固定しているメンブレンスイッチシートを
水平方向に移動させることにより、キースイッチ装置の
使用状態と不使用状態とを切り換えることが可能となる
ものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記キ
ーボード装置においては、メンブレンスイッチシートを
水平方向に移動させる際に、各リンク部材の軸支部とラ
バースプリングの頂部との間で比較的大きな摩擦力が発
生する。
【0007】このとき、メンブレンスイッチシートは、
キーボード装置の全体をカバーするように単一の部材と
して設けられており、また、キーボード装置には100
前後のキースイッチ装置が配設されていることから、メ
ンブレンスイッチシートを水平方向に移動させるには、
各キースイッチ装置においてリンク部材の軸支部とラバ
ースプリングの頂部との間に発生する摩擦力を全てのキ
ースイッチ装置に渡って合計した摩擦力以上の力で移動
させなければならない。
【0008】このようにメンブレンスイッチシートを移
動させる力は、キーボード装置全体では非常に大きな力
となり、簡単且つ容易にメンブレンスイッチシートを移
動させることができないという問題がある。
【0009】本発明は前記従来における問題点を解消す
るためになされたものであり、比較的小さな力で、キー
ボード装置に設けられている複数のキースイッチ装置に
てキートップを上方に付勢する付勢部材の付勢力を制御
することにより、キースイッチ装置を使用状態と不使用
状態とに切り換えることが可能なキーボード装置を提供
することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
請求項1に係るキーボード装置は、下面に複数の上側係
止部が設けられたキートップと、前記キートップ下方に
配置され、複数の下側係止部が設けられた支持板と、上
端部が前記上側係止部に係止されるとともに下端部が前
記下側係止部に係止される一対のリンク部材を有し、キ
ートップの上下動を案内支持する案内支持部材と、前記
各リンク部材の下端部に付勢力を作用させ、前記キート
ップを上方に付勢して操作可能な第1位置に保持する環
状の付勢部材と、前記キートップの押下操作に対応して
スイッチング動作を行うスイッチング部材と、前記支持
板に対してスライド可能に配置され、前記付勢部材に係
合する係合部が形成されたスライド板と、前記スライド
板を一方向にスライドさせ、前記係合部と付勢部材との
係合に基づき付勢部材による付勢力を各リンク部材の下
端部に作用させてキートップを前記第1位置に保持し、
前記スライド板を他方向にスライドさせ、前記係合部と
付勢部材との係合をリリースさせて付勢部材による付勢
力を各リンク部材の下端部に作用させなくしてキートッ
プを前記第1位置よりも低い第2位置に保持する駆動手
段とを備えたことを特徴とする。
【0011】請求項1のキーボード装置では、駆動手段
によりスライド板を一方向にスライドさせ、スライド板
の係合部と付勢部材との係合に基づき付勢部材の付勢力
を各リンク部材の下端部に作用させることによりキート
ップを操作可能な第1位置に保持し、また、駆動手段に
よりスライド板を他方向にスライドさせ、スライド板の
係合部と付勢部材との係合をリリースさせて付勢部材に
よる付勢力を各リンク部材の下端部に作用させなくする
ことにより、キートップを第1位置よりも低い第2位置
に保持するように構成したので、比較的小さな力で、キ
ーボード装置に設けられている複数のキースイッチ装置
にてキートップを上方に付勢する付勢部材の付勢力を制
御することが可能となる。これにより、キースイッチ装
置を使用状態と不使用状態とに切り換えることが可能な
キーボード装置を実現することができる。尚、使用状態
として時における付勢部材の付勢力を張設することによ
り、例えば、スライド位置を張設することによりキート
ップの押下特性を変化させることができる。
【0012】ここに、前記環状の付勢部材は、請求項2
に記載されているように、環状のゴム弾性体から構成す
ることが望ましい。
【0013】また、請求項3に係るキーボード装置は、
請求項2のキーボード装置において、前記キートップの
下面に形成された押下突起と、前記支持板に形成された
固定接点部と、前記環状のゴム弾性体に設けられた導電
部とを有し、前記キートップの押下時に押下突起を介し
て前記導電部を弾性変形させることにより導電部と固定
接点部とを導通させることを特徴とする。請求項3のキ
ーボード装置では、ゴム弾性体は環状を有することから
各リンク部材の外側に配置することが可能となり、ま
た、このように各リンク部材の外側に配置される環状の
ゴム弾性体に導電部を形成し、キートップの押下時に
は、その下面に形成された押下突起を介してゴム弾性体
の導電部を弾性変形して導電部と支持板上の固定接点部
とを導通させるように構成されていることから、各リン
ク部材の外側でスイッチング動作を行うことが可能とな
る。従って、スイッチング動作を行う部材がキートップ
の下方に形成されるスペースに影響を及ぼすことはなく
なり、かかるスペースの有効活用を行うことが可能とな
る。
【0014】更に、請求項4に係るキーボード装置は、
請求項3のキーボード装置において、前記導電部は、環
状のゴム弾性体において対称関係を有する少なくとも2
つの位置に設けられていることを特徴とする。請求項4
のキーボード装置では、導電部が環状ゴム弾性体におい
て対称関係を有する少なくとも2つの位置に設けられて
いることから、ゴム弾性体をキーボード装置のキースイ
ッチ装置に組み込む際にゴム弾性体の方向性を特に配慮
することなく組み込むことが可能となり、これよりキー
ボード装置の組み立てを容易に行うことができる。
【0015】
【発明の実施形態】以下、本発明に係るキーボード装置
について、本発明を具体化した実施形態に基づき図面を
参照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施形態に係るキ
ーボード装置が配設されるノート型パーソナルコンピュ
ータについて図1(A)、(B)に基づき説明する。図
1はノート型パーソナルコンピュータを示し、図1
(A)はノート型パーソナルコンピュータの斜視図、図
1(B)はノート型パーソナルコンピュータの電気的構
成を示すブロック図である。
【0016】図1(A)において、ノート型パーソナル
コンピュータは100は、基本的に、各種演算を行うC
PUを内蔵した本体部102、及び、本体部102に対
して開閉可能に支持され、内側にディプレイ103が配
設された蓋体111から構成されている。ここに、蓋体
111は、本体部102の連結部104に回動可能に支
持されており、これより本体部102に対して開閉可能
に構成されている。本体部102には、複数のキースイ
ッチ装置1が配設されてなるキーボード105が設けら
れている。
【0017】また、図1(B)において、CPU101
には、パーソナルコンピュータ100の各部を制御する
ためのプログラムが記憶されたROM106、各種デー
タを記憶するためのRAM107がバス108を介して
接続されている。また、CPU101には、バス108
を介して入出力インターフェース109が接続されてお
り、この入出力インターフェース109には、前記ディ
スプレイ103、キーボード105、文書や表計算等の
プログラムが記憶されたハードディスク装置110が接
続されている。前記CPU101は、キーボード105
からの入力データに基づいて、文書作成や表計算等のプ
ログラムをハードディスク装置110から読み込んで実
行したり、ディスプレイ103に文字や記号等を表示す
る。
【0018】次に、前記したノート型パーソナルコンピ
ュータ100における本実施形態のキーボード105に
適用されるキースイッチ装置について図2に基づき説明
する。図2は本実施形態のキーボード装置105に適用
されるキースイッチ装置の分解斜視図である。
【0019】図2において、キースイッチ装置1は、基
本的に、キートップ2、一対の第1リンク部材3、第2
リンク部材4からなりキートップ2の上下動を案内する
案内部材5、案内部材5における第1リンク部材3の下
端部に形成されている軸体14及び第2リンク部材4の
下端部に形成された軸体17を囲むように接触配置され
て付勢力を作用させる環状のゴム弾性体30、及び、キ
ースイッチ装置1の全体を支持する支持プレート9から
構成されている。
【0020】ここに、キートップ2はABS樹脂等から
成形されており、その表面上には印刷等により文字、数
字等のキャラクタが形成されている。また、キートップ
2の裏面には押下突起2Aが形成されている。かかる押
下突起2Aは、後述するゴム弾性体30に設けられた導
電部30Aを押下して弾性変形させるものである。ま
た、キートップ2の下面には、第1リンク部材3に対応
して2つの回動係止部が一体形成されており、また、第
2リンク部材14に対応して2つの摺動係止部が一体に
形成されている。各回動係止部には、第1リンク部材3
の上端部に形成された軸部材12、12が回動可能に係
止され、また、各摺動係止部には、第2リンク部材4の
上端部に形成された軸部材13、13が摺動可能に係止
されている。尚、これらの回動係止部及び摺動係止部の
構成、並びに、第1リンク部材3の各軸部材12、第2
リンク部材4の各軸部材13との係止関係については公
知であるので、図2ではその図示を省略する。更に、キ
ートップ2の裏面における側部(図2中右側部)には、
押下突起2Aが形成されている。かかる押下突起2A
は、後述するゴム弾性体30に設けられた導電部30A
を押下して弾性変形させるものである。
【0021】また、案内部材5は、第1リンク部材3と
第2リンク部材4とを相互に組み合わせてなる。第1リ
ンク部材3は、各軸部材7を一体に有する軸体14と各
軸部材12とを、2つの連結部材16、16を介して連
結するように一体成形されてなり、平面視でコ字状の形
状を有する。各連結部材16の中央部には、支持軸が形
成されている。第2リンク部材4は、基本的に第1リン
ク部材3と同様の構成を有しており、各軸部材6を一体
に有する軸体17と各軸部材13を一体に有する軸体1
8とを、2つの連結部材19を介して連結するように一
体成形されてなり、平面視でロ字状の形状を有する。各
連結部材19には、第1リンク部材3の各連結部材16
の形成された支持軸を挿通する挿通孔が形成されてい
る。そして、第1リンク部材3と第2リンク部材4と
は、連結部材16、16形成された支持軸を連結部材1
9に形成された挿通孔に挿通することにより交叉状に組
み立てられ、案内部材5を構成する。
【0022】更に、ゴム弾性体30は、シリコンゴム等
のゴム材から形成されており、平面視でロ字状の環状に
形成されている。かかるゴム弾性体30において、対称
関係を有する2箇所に導電部30Aが設けられている。
このように対称関係にある2箇所に導電部30Aを形成
すれば、ゴム弾性体30をキースイッチ装置1に組み込
む際に組み込み方向の制限が少なくなり、ゴム弾性体3
0を容易に組み込んでキースイッチ装置の組立が簡単に
なる。ゴム弾性体30は、その各導電部30Aが前記し
たキートップ2の押下突起2Aに対応するように配置さ
れる。尚、ゴム弾性体30の配置方法については後述す
る。
【0023】案内部材5の下方には、アルミニウム、鉄
等から形成された金属薄板からなる支持プレート9が配
置されている。支持プレート9には、切起し加工を行う
ことにより、キースイッチ1に対応して2つの切起し片
20が一体に形成されている。ここに、キースイッチ装
置1に対応する各切起し片20の切起し加工は、先ず、
支持プレート9の2箇所をコ字状に切り込んで切り込み
片を形成し、この後、切り込み片の一部を上方へ折曲加
工することにより行われる。
【0024】各切起し片20は同一の構成を有してお
り、各切起し片20には、回動孔21及び摺動溝22が
形成されている。各回動孔21には第2リンク部材4の
各軸部材6が回動可能に係止され、また、各摺動溝22
には、第1リンク部材3の各軸部材7が摺動可能に係止
される。各切起し片20の間において、一端が片持ち梁
状に支持プレート9に連結された平板部31が設けられ
ており、かかる平板部30の周囲には、コ字状の間隙3
2が形成されている。
【0025】平板部31の端部と支持プレート9との連
結部近傍には、スイッチングを行うための一対の固定電
極23、23、及び、各固定電極23に接続された所定
の回路パターン(図示せず)が、導電塗料等により印刷
形成されている。固定電極23、23や回路パターンを
印刷形成するには、先ず、支持プレート9の上面に絶縁
材料を塗布して絶縁被膜を形成した後、導電塗料を介し
て固定電極23、23及び回路パターンを印刷形成す
る。また、平板部31の略中央部には、LED部品24
が配置されており、このLED部品24はキートップ2
を押下してスイッチング動作が行われた時に点灯され
る。
【0026】支持プレート9の下側には、スライドプレ
ート33が配置されており、かかるスライドプレート3
3は支持プレート9に対して矢印方向に相対移動可能と
されている。スライドプレート33の側端には、各キー
スイッチ装置1毎に2つの係合片34が形成されてお
り、各係合片34は、図2に示すように、平板部31の
自由端側に存在する間隙32に挿嵌されるとともに、ス
ライドプレート33のスライド動作に従って、後述する
ようにゴム弾性体30を伸張させたり、元に戻したりす
る。尚、支持プレート33のスライド機構及びスライド
動作については後述する。
【0027】ここで、前記ゴム弾性体30を配置方法に
ついて説明する。前記したように、第2リンク部材4の
軸体17における各軸部材6、6は各切起し片20に形
成された回動孔21に係止され、第1リンク部材3の軸
体14における各軸部材7は各切起し片20に形成され
た摺動溝22に係止されるが、ゴム弾性体30は、この
ように各切起し片20の回動孔21、摺動溝22に係止
された第2リンク部材4の軸体17、第1リンク部材3
の軸体14を囲むように配置される。具体的には、ゴム
弾性体30にて導電部30Aが設けられた一方の部分
(図2中右側の部分)は、スライドプレート33の各係
合片34、34に係合され、また、導電部30Aが設け
られた他方の部分(図7中左側の部分)は第1リンク部
材3の軸体14に接触するように配置される。また、導
電部30Aを有する各部分を連結する部分は、それぞれ
各切起し片20に沿って配置される。この状態で導電部
30A(図2中左側の導電部30A)は、一対の固定電
極23、23に渡って配置されている。また、ゴム弾性
体30の弾性力は、スライドプレート33の各係合片3
4と当接係合して伸張されている状態において、第1リ
ンク部材3の軸体14に及ぼされている。この弾性力
は、スライドプレート33のスライド位置を張設するこ
とにより変化させることができるので、オペレータの好
みに応じて変更することができる。かかるゴム弾性体3
0の弾性力は、第1リンク部材3及び第2リンク部材4
を相互に閉脚する方向に付勢する作用を行い、キートッ
プ2を上方の操作可能な非押下位置に保持する。一方、
ゴム弾性体30とスライドプレート33の各係合片34
が当接係合していない状態においては、ゴム弾性体30
には付勢力が発生しておらず、従って、かかる付勢力が
第1リンク部材3の軸体14に及ぼされることはない。
このとき、第1リンク部材3と第2リンク部材4とは、
相互に開脚した状態にあり、これよりキートップ2は非
押下位置よりも下方で操作不可能な低い位置に保持され
る。
【0028】尚、導電部30Aは、ゴム弾性体30の成
形時に2色成形により一体に形成される。また、図3に
示すように、導電部30Aは、外方へ突出するように形
成してもよい。この場合、導電ゴムを接着剤等により固
着してもよいし、また、一体成形してもよい。このと
き、キートップ2の裏面に形成される押下突起2Aの形
成位置は導電部30Aの形成位置に対応させる必要があ
る。
【0029】また、前記したように、平板部31の略中
央部には、LED部品24が配置されているが、このよ
うにLED部品24が配置可能となるのは、前記のよう
に、第1リンク部材3及び第2リンク部材4を付勢する
ゴム弾性体30を、第1リンク部材3及び第2リンク部
材4の周囲に配置するように構成し、また、第1リンク
部材3をコ字状に、第2リンク部材4をロ字状に形成す
ることにより、キートップ2の下方にスペースを確保す
ることが可能となることに基づくものである。
【0030】次に、前記したスライドプレート33のス
ライド機構について図4に基づき説明する。図4はスラ
イドプレート33をスライドさせる機構を模式的に示す
説明図である。
【0031】図4において、支持プレート9には、キー
ボード装置105に配設されるキースイッチ装置1の数
に応じて、キーステーションSが設けられている。各キ
ーステーションSにおいては、前記したようにキースイ
ッチ装置1を構成するため、一対の切起し片20、2
0、平板部31、間隙32、固定電極23、23等が設
けられている。
【0032】また、スライドプレート33において、各
キーステーションSに対応して、一対の係合片34切起
し加工により形成されている。スライドプレート33の
側端部(図4中上側端部)には、連結片35が一体に形
成されており、かかる連結片35は、リンク部材36の
一端に連結されている。リンク部材36の他端上面には
ラック37が固着されており、また、ラック37には、
間に中間ギア38を介して、ノート型パーソナルコンピ
ュータ100の連結部104に配設されて蓋体111を
回動可能に支持する支持軸39に固着された回動ギア4
0に噛合されている。
【0033】更に、スライドプレート33の両側縁部下
方には、規制ラック部41(図4には一方のみを示す)
が形成されている。これらの各規制ラック部41は、ノ
ート型パーソナルコンピュータ100の本体部102内
に回動可能に支持されたシャフト42の両端に固定され
た規制ギア43に噛合されている。尚、各規制ラック4
1と各規制ギア43は、スライドプレート33がスライ
ドする際に相互に噛合することにより、スライドプレー
ト33の斜行を防止する作用を行う。
【0034】前記構成において、ノート型パーソナルコ
ンピュータ100の蓋体111の開閉動作に連動してキ
ースイッチ装置1の使用状態と不使用状態とを切り換え
る動作について図4及び図5に基づき説明する。図5は
キースイッチ装置1の模式断面図を示し、図5(A)は
使用可能状態にあるキースイッチ装置1の模式断面図、
図5(B)は不使用状態にあるキースイッチ装置1の模
式断面図である。ここに、蓋体111はキーボード装置
105を閉塞している状態にあるものとする。
【0035】先ず、ノート型パーソナルコンピュータ1
00を使用する場合、キーボード装置105を開放する
方向に蓋体111を回動する。このように、蓋体111
がキーボード装置105を開放する方向に回動される
と、支持軸39は矢印A方向に回動される。これによ
り、中間ギア38は矢印B方向に回動されることから、
ラック37は矢印C方向に移動する。従って、リンク部
材36、連結片35を介して、スライドプレート33も
矢印Cで示す水平方向にスライドされることとなる。
【0036】このとき、スライドプレート33の各係合
片34は、ゴム弾性体30に係合しており、また、ゴム
弾性体30は、第1リンク部材3の軸体14に接触して
いることから、前記したように蓋体111の開放方向へ
の回動に基づきスライドプレート33が水平方向にスラ
イドされると、各係合片34はゴム弾性体30を若干伸
張させることとなる。従って、ゴム弾性体30により発
生する付勢力は、第1リンク部材3の軸体14に作用す
る。これにより、第2リンク部材4における軸体17の
各軸部材6、6が切起し片20の回動孔21に回動係止
されていることから、ゴム弾性体30の付勢力に基づき
第1リンク部材3及び第2リンク部材4は、相互に閉脚
する方向に付勢される。この結果、キートップ2は上方
へ移動されて非押下状態(キースイッチ装置1の使用可
能状態)に保持される。この状態が図5(A)に示され
ている。
【0037】図5(A)に示すキースイッチ装置1の使
用可能状態において、キースイッチ装置1の動作を図6
に基づき説明する。図6はキートップ2の非押下状態か
らキートップ2を押下してスイッチング動作が行われる
に至る状態を模式的に示すキースイッチ装置1の模式断
面図であり、図6(A)はキートップ2の非押下状態を
示し、図6(B)はスイッチング動作が行われるまでキ
ートップ2を押下した状態を示す。
【0038】図6(A)に示すキートップ2の非押下状
態においては、スライドプレート33がスライドされる
ことにより、その係合片34を介してゴム弾性体30が
若干伸張されることに基づき第1リンク部材3と第2リ
ンク部材4とは閉脚する方向に付勢されていることか
ら、キートップ2は上方の非押下位置に保持されてい
る。この後キートップ2を押下していくと、第1リンク
部材3と第2リンク部材4とは、ゴム弾性体30の弾性
力に抗して除々に開脚していく。このとき、第2リンク
部材4の各軸部材6は切起し片20の回動孔21内で回
動していき、各軸部材13はキートップ2の摺動係止部
を摺動していく。同時に、第1リンク部材3の各軸部材
7は切起し片20の摺動溝22を摺動していき、各軸部
材12はキートップ2の回動係止部内で回動していく。
このとき、第1リンク部材3の軸体14がゴム弾性体3
0を伸張させる作用を行うので、ゴム弾性体30は更に
伸張された状態にある。
【0039】更に、キートップ2を押下していくと、キ
ートップ2の押下に伴って前記した動作が連続して行わ
れていき、キートップ2の押下突起2Aが最も伸張され
た位置でゴム弾性体30の導電部30Aを押圧して弾性
変形させる。このようにキートップ2の押下突起2Aが
ゴム弾性体30の導電部30Aを加圧する際には、導電
部30Aは押下突起2Aの緩衝材として作用し、押下突
起2Aによる衝撃を吸収することができる。この時、ゴ
ム弾性体30と支持プレート9とは密着するので、支持
プレート9の振動を防止することができ、キートップ2
の押下に伴う操作音を低減することができる。前記した
ように、導電部30Aが弾性変形すると、導電部30A
は、支持プレート9上に形成されている固定電極23、
23を相互に短絡して導通させる。これにより、所定の
スイッチング動作が行われる。この状態が図6(B)に
示されている。
【0040】キートップ2の押下を解除すると、キート
ップ2は、ゴム弾性体30の弾性力に基づいて上方へ付
勢され、前記した動作と逆の動作を行って元の非押下位
置に復帰する。
【0041】キースイッチ装置1による各種入力作業が
終了してノート型パーソナルコンピュータ100の蓋体
111が閉じられると、前記動作と逆の動作が行われ
る。具体的には、支持軸39は反矢印A方向に回動され
る。これにより、中間ギア38は反矢印B方向に回動さ
れることから、ラック37は反矢印C方向に移動する。
従って、リンク部材36、連結片35を介して、スライ
ドプレート33も反矢印Cで示す水平方向にスライドさ
れることとなる。
【0042】このとき、スライドプレート33の各係合
片34は、ゴム弾性体30との係合が解除されることか
ら、ゴム弾性体30は元の状態(伸張が解除された状
態)に戻る。従って、ゴム弾性体30の付勢力は消失
し、これより第1リンク部材3の軸体14を付勢しなく
なる。これにより、第1リンク部材3及び第2リンク部
材4は、相互に開脚される。この結果、キートップ2は
下方へ移動されて使用不可能な状態に移行する。この状
態が図5(B)に示されている。
【0043】以上詳細に説明した通り本実施形態に係る
キーボード105装置では、ノート型パーソナルコンピ
ュータ100の蓋体111を本体部102の開放方向に
回動させてスライドプレート33を一方向にスライドさ
せ、スライドプレート3の係合片34とゴム弾性体30
との係合に基づきゴム弾性体30の付勢力を第1リンク
部材3の軸体14に作用させることによりキートップ2
を操作可能な非押下位置に保持し、また、蓋体111を
本体部102の閉塞方向に回動させてスライドプレート
33を他方向にスライドさせ、スライドプレート33の
係合片34とゴム弾性体30との係合をリリースさせて
ゴム弾性体30による付勢力を第1リンク部材3の軸体
14に作用させなくすることにより、キートップ2を非
押下位置よりも低い操作不可能な位置に保持するように
構成したので、蓋体111の開閉動作に連動する比較的
小さな力で、キーボード装置105に設けられている複
数のキースイッチ装置1にてキートップ2を上方に付勢
するゴム弾性体30の付勢力を制御することができる。
これにより、キースイッチ装置1を使用状態と不使用状
態とに切り換えることが可能なキーボード装置105を
実現することができるものである。
【0044】また、ゴム弾性体30は環状を有すること
から第1リンク部材3及び第2リンク部材4の外側に配
置することが可能となり、また、このように各リンク部
材3、4の外側に配置される環状のゴム弾性体30に導
電部30Aを形成し、キートップ2の押下時には、その
下面に形成された押下突起2Aを介してゴム弾性体30
の導電部30Aを弾性変形して導電部30Aと支持プレ
ート9上の固定電極23、23を短絡して導通させるよ
うに構成されていることから、各リンク部材3、4の外
側でスイッチング動作を行うことが可能となる。従っ
て、スイッチング動作を行う部材がキートップ2の下方
に形成されるスペースに影響を及ぼすことはなくなり、
かかるスペースの有効活用を行うことができる。
【0045】更に、導電部30Aが環状のゴム弾性体3
0において対称関係を有する少なくとも2つの位置に設
けられていることから、ゴム弾性体30をキースイッチ
装置1に組み込む際にゴム弾性体30の方向性を特に配
慮することなく組み込むことが可能となり、これよりキ
ースイッチ装置1の組み立てを容易に行うことができ
る。
【0046】尚、前記実施形態は、本発明の要旨を限定
するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で
種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
【0047】例えば、スライドプレート33をスライド
させる機構として、図7に示すように、スライドプレー
ト33の側端縁から延設した延設部50の下面に係合ピ
ン51を形成しておき、かかる係合ピン51をギア付カ
ム板52のカム溝53に係合させるとともに、蓋体11
1の開放及び閉塞動作に連動させてギア付カム板52の
ギア部54を介してギア付カム板52を回転させること
により、スライドプレート33をスライドさせるように
構成してもよい。このギア付カム板52をパーソナルコ
ンピュータ100の蓋体111の開閉に連動させた場合
は、一旦蓋体111を最大角度回動させてカム板52を
回動させると、キートップ2は非押下位置に移動され
る。この後、オペレータが蓋体111を多少閉鎖方向に
戻しても係合ピン51とカム溝53の係合に遊びがある
ため、キートップ2は非押下1ちに保持されたままとな
る。
【0048】また、上記キーボード装置105は、パー
ソナルコンピュータの入力装置として使用されるだけで
なく、入力端末一般に使用可能である。そして、キース
イッチ装置1の数は他又は複数とすることができる。更
に、付勢部材として環状ゴム弾性体30を使用する他
に、シート状若しくはロッド状の有端弾性体を使用する
ことができる。この場合は、有端弾性体の両端にそれぞ
れ係止部を設ければよい。
【0049】
【発明の効果】以上説明した通り請求項1のキーボード
装置では、駆動手段によりスライド板を一方向にスライ
ドさせ、スライド板の係合部と付勢部材との係合に基づ
き付勢部材の付勢力を各リンク部材の下端部に作用させ
ることによりキートップを操作可能な第1位置に保持
し、また、駆動手段によりスライド板を他方向にスライ
ドさせ、スライド板の係合部と付勢部材との係合をリリ
ースさせて付勢部材による付勢力を各リンク部材の下端
部に作用させなくすることにより、キートップを第1位
置よりも低い第2位置に保持するように構成したので、
比較的小さな力で、キーボード装置に設けられている複
数のキースイッチ装置にてキートップを上方に付勢する
付勢部材の付勢力を制御することが可能となる。これに
より、キースイッチ装置を使用状態と不使用状態とに切
り換えることが可能なキーボード装置を実現することが
できる。
【0050】また、請求項2に係るキーボード装置で
は、環状のゴム弾性体を使用しているので容易に係合部
とリンク部材との間にこれを装着することができ、係合
・リリース時にも外れ難くすることができる。
【0051】また、請求項3に係るキーボード装置で
は、付勢部材を構成するゴム弾性体は環状を有すること
から各リンク部材の外側に配置することが可能となり、
また、このように各リンク部材の外側に配置される環状
のゴム弾性体に導電部を形成し、キートップの押下時に
は、その下面に形成された押下突起を介してゴム弾性体
のの導電部を弾性変形して導電部と支持板上の固定接点
部とを導通させるように構成されていることから、各リ
ンク部材の外側でスイッチング動作を行うことが可能と
なる。従って、スイッチング動作を行う部材がキートッ
プの下方に形成されるスペースに影響を及ぼすことはな
くなり、かかるスペースの有効活用を行うことが可能と
なる。
【0052】更に、請求項4に係るキーボード装置で
は、導電部が環状ゴム弾性体において対称関係を有する
少なくとも2つの位置に設けられていることから、ゴム
弾性体をキーボード装置のキースイッチ装置に組み込む
際にゴム弾性体の方向性を特に配慮することなく組み込
むことが可能となり、これよりキーボード装置の組み立
てを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ノート型パーソナルコンピュータを示し、図1
(A)はノート型パーソナルコンピュータの斜視図、図
1(B)はノート型パーソナルコンピュータの電気的構
成を示すブロック図である。
【図2】キースイッチ装置の分解斜視図である。
【図3】ゴム弾性体の別の例を示す説明図である。
【図4】スライドプレートをスライドさせる機構を模式
的に示す説明図である。
【図5】キースイッチ装置の模式断面図を示し、図5
(A)は使用可能状態にあるキースイッチ装置の模式断
面図、図5(B)は不使用状態にあるキースイッチ装置
の模式断面図である。
【図6】キートップの非押下状態からキートップを押下
してスイッチング動作が行われるに至る状態を模式的に
示すキースイッチ装置の模式断面図であり、図6(A)
はキートップの非押下状態を示し、図6(B)はスイッ
チング動作が行われるまでキートップを押下した状態を
示す。
【図7】スライドプレートをスライドさせる機構の別の
例を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
1 キースイッチ装置 2 キートップ 2A 押下突起 3 第1リンク部材 4 第2リンク部材 5 案内部材 6 軸部材 7 軸部材 9 支持プレート 10 回動係止部 11 摺動係止部 12 軸部材 13 軸部材 14 軸体 17 軸体 20 切起し片 21 回動孔 22 摺動孔 23 固定電極 30 環状ゴム弾性体 30A 導電部 33 スライドプレート 34 係合片 100 ノート型パーソナルコンピュータ 102 本体部 105 キーボード装置 111 蓋体
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年10月12日(2000.10.
12)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 キーボード装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ノート型パーソナルコ
ンピュータ、ワードプロセッサ等に付設されるキーボー
ド装置に関し、特に、キーボード装置に設けられている
複数のキースイッチ装置にてキートップを上方に付勢す
る付勢部材の付勢力を制御することにより、キースイッ
チ装置を使用状態と不使用状態とに切り換えることが可
能なキーボード装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ノート型パーソナルコンピュ
ータ等の使用時には、キーボード装置における複数の各
キースイッチ装置のキートップを高い位置に保持して使
用可能な状態とし、また、不使用時には、各キースイッ
チ装置のキートップを低い位置に保持して使用不可能な
状態に切り換えるように構成された各種のキーボード装
置が提案されている。
【0003】例えば、特開平9−63402号公報や特
許第2857353号公報には、一対のリンク部材を交
叉状に相互軸支した案内部材を介してキートップの上下
動を案内するとともに、キートップの下方に配置された
メンブレンスイッチシートに逆カップ状のラバースプリ
ングを固定し、また、各リンク部材の軸支部をラバース
プリングの頂部に載置してキートップを高い位置に保持
することによりキースイッチ装置を使用状態にするキー
ボード装置が記載されている。
【0004】かかるキーボード装置において、例えば、
携帯時にキートップを低い位置に移動させてキースイッ
チ装置を不使用状態にする場合には、ラバースプリング
が固定されたメンブレンスイッチシートを水平方向に移
動させる。これにより、ラバースプリングにより支持さ
れていた各リンク部材の軸支部は、ラバースプリングに
よる支持状態が解除されて下方に移動することとなり、
この結果、キートップは低い位置に移動してキースイッ
チ装置は不使用状態になるものである。
【0005】前記したキーボード装置によれば、ラバー
スプリングを固定しているメンブレンスイッチシートを
水平方向に移動させることにより、キースイッチ装置の
使用状態と不使用状態とを切り換えることが可能となる
ものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記キ
ーボード装置においては、メンブレンスイッチシートを
水平方向に移動させる際に、各リンク部材の軸支部とラ
バースプリングの頂部との間で比較的大きな摩擦力が発
生する。
【0007】このとき、メンブレンスイッチシートは、
キーボード装置の全体をカバーするように単一の部材と
して設けられており、また、キーボード装置には100
前後のキースイッチ装置が配設されていることから、メ
ンブレンスイッチシートを水平方向に移動させるには、
各キースイッチ装置においてリンク部材の軸支部とラバ
ースプリングの頂部との間に発生する摩擦力を全てのキ
ースイッチ装置に渡って合計した摩擦力以上の力で移動
させなければならない。
【0008】このようにメンブレンスイッチシートを移
動させる力は、キーボード装置全体では非常に大きな力
となり、簡単且つ容易にメンブレンスイッチシートを移
動させることができないという問題がある。
【0009】本発明は前記従来における問題点を解消す
るためになされたものであり、比較的小さな力で、キー
ボード装置に設けられている複数のキースイッチ装置に
てキートップを上方に付勢する付勢部材の付勢力を制御
することにより、キースイッチ装置を使用状態と不使用
状態とに切り換えることが可能なキーボード装置を提供
することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
請求項1に係るキーボード装置は、下面に複数の上側係
止部が設けられたキートップと、前記キートップ下方に
配置され、複数の下側係止部が設けられた支持板と、上
端部が前記上側係止部に係止されるとともに下端部が前
記下側係止部に係止される一対のリンク部材を有し、キ
ートップの上下動を案内支持する案内支持部材と、前記
各リンク部材の下端部に付勢力を作用させ、前記キート
ップを上方に付勢して操作可能な第1位置に保持する環
状の付勢部材と、前記キートップの押下操作に対応して
スイッチング動作を行うスイッチング部材と、前記支持
板に対してスライド可能に配置され、前記付勢部材に係
合する係合部が形成されたスライド板と、前記スライド
板を一方向にスライドさせ、前記係合部と付勢部材との
係合に基づき付勢部材による付勢力を各リンク部材の下
端部に作用させてキートップを前記第1位置に保持し、
前記スライド板を他方向にスライドさせ、前記係合部と
付勢部材との係合をリリースさせて付勢部材による付勢
力を各リンク部材の下端部に作用させなくしてキートッ
プを前記第1位置よりも低い第2位置に保持する駆動手
段とを備えたことを特徴とする。
【0011】請求項1のキーボード装置では、駆動手段
によりスライド板を一方向にスライドさせ、スライド板
の係合部と付勢部材との係合に基づき付勢部材の付勢力
を各リンク部材の下端部に作用させることによりキート
ップを操作可能な第1位置に保持し、また、駆動手段に
よりスライド板を他方向にスライドさせ、スライド板の
係合部と付勢部材との係合をリリースさせて付勢部材に
よる付勢力を各リンク部材の下端部に作用させなくする
ことにより、キートップを第1位置よりも低い第2位置
に保持するように構成したので、比較的小さな力で、キ
ーボード装置に設けられている複数のキースイッチ装置
にてキートップを上方に付勢する付勢部材の付勢力を制
御することが可能となる。これにより、キースイッチ装
置を使用状態と不使用状態とに切り換えることが可能な
キーボード装置を実現することができる。尚、使用状態
として時における付勢部材の付勢力を調節することによ
り、例えば、スライド板のスライド位置を調節すること
によりキートップの押下特性を変化させることができ
る。
【0012】ここに、前記環状の付勢部材は、請求項2
に記載されているように、環状のゴム弾性体から構成す
ることが望ましい。
【0013】また、請求項3に係るキーボード装置は、
請求項2のキーボード装置において、前記キートップの
下面に形成された押下突起と、前記支持板に形成された
固定接点部と、前記環状のゴム弾性体に設けられた導電
部とを有し、前記キートップの押下時に押下突起を介し
て前記導電部を弾性変形させることにより導電部と固定
接点部とを導通させることを特徴とする。請求項3のキ
ーボード装置では、ゴム弾性体は環状を有することから
各リンク部材の外側に配置することが可能となり、ま
た、このように各リンク部材の外側に配置される環状の
ゴム弾性体に導電部を形成し、キートップの押下時に
は、その下面に形成された押下突起を介してゴム弾性体
の導電部を弾性変形して導電部と支持板上の固定接点部
とを導通させるように構成されていることから、各リン
ク部材の外側でスイッチング動作を行うことが可能とな
る。従って、スイッチング動作を行う部材がキートップ
の下方に形成されるスペースに影響を及ぼすことはなく
なり、かかるスペースの有効活用を行うことが可能とな
る。
【0014】更に、請求項4に係るキーボード装置は、
請求項3のキーボード装置において、前記導電部は、環
状のゴム弾性体において対称関係を有する少なくとも2
つの位置に設けられていることを特徴とする。請求項4
のキーボード装置では、導電部が環状ゴム弾性体におい
て対称関係を有する少なくとも2つの位置に設けられて
いることから、ゴム弾性体をキーボード装置のキースイ
ッチ装置に組み込む際にゴム弾性体の方向性を特に配慮
することなく組み込むことが可能となり、これよりキー
ボード装置の組み立てを容易に行うことができる。
【0015】
【発明の実施形態】以下、本発明に係るキーボード装置
について、本発明を具体化した実施形態に基づき図面を
参照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施形態に係るキ
ーボード装置が配設されるノート型パーソナルコンピュ
ータについて図1(A)、(B)に基づき説明する。図
1はノート型パーソナルコンピュータを示し、図1
(A)はノート型パーソナルコンピュータの斜視図、図
1(B)はノート型パーソナルコンピュータの電気的構
成を示すブロック図である。
【0016】図1(A)において、ノート型パーソナル
コンピュータは100は、基本的に、各種演算を行うC
PUを内蔵した本体部102、及び、本体部102に対
して開閉可能に支持され、内側にディプレイ103が配
設された蓋体111から構成されている。ここに、蓋体
111は、本体部102の連結部104に回動可能に支
持されており、これより本体部102に対して開閉可能
に構成されている。本体部102には、複数のキースイ
ッチ装置1が配設されてなるキーボード105が設けら
れている。
【0017】また、図1(B)において、CPU101
には、パーソナルコンピュータ100の各部を制御する
ためのプログラムが記憶されたROM106、各種デー
タを記憶するためのRAM107がバス108を介して
接続されている。また、CPU101には、バス108
を介して入出力インターフェース109が接続されてお
り、この入出力インターフェース109には、前記ディ
スプレイ103、キーボード105、文書や表計算等の
プログラムが記憶されたハードディスク装置110が接
続されている。前記CPU101は、キーボード105
からの入力データに基づいて、文書作成や表計算等のプ
ログラムをハードディスク装置110から読み込んで実
行したり、ディスプレイ103に文字や記号等を表示す
る。
【0018】次に、前記したノート型パーソナルコンピ
ュータ100における本実施形態のキーボード105に
適用されるキースイッチ装置について図2に基づき説明
する。図2は本実施形態のキーボード装置105に適用
されるキースイッチ装置の分解斜視図である。
【0019】図2において、キースイッチ装置1は、基
本的に、キートップ2、一対の第1リンク部材3、第2
リンク部材4からなりキートップ2の上下動を案内する
案内部材5、案内部材5における第1リンク部材3の下
端部に形成されている軸体14及び第2リンク部材4の
下端部に形成された軸体17を囲むように接触配置され
て付勢力を作用させる環状のゴム弾性体30、及び、キ
ースイッチ装置1の全体を支持する支持プレート9から
構成されている。
【0020】ここに、キートップ2はABS樹脂等から
成形されており、その表面上には印刷等により文字、数
字等のキャラクタが形成されている。また、キートップ
2の裏面には押下突起2Aが形成されている。かかる押
下突起2Aは、後述するゴム弾性体30に設けられた導
電部30Aを押下して弾性変形させるものである。ま
た、キートップ2の下面には、第1リンク部材3に対応
して2つの回動係止部が一体形成されており、また、第
2リンク部材14に対応して2つの摺動係止部が一体に
形成されている。各回動係止部には、第1リンク部材3
の上端部に形成された軸部材12、12が回動可能に係
止され、また、各摺動係止部には、第2リンク部材4の
上端部に形成された軸部材13、13が摺動可能に係止
されている。尚、これらの回動係止部及び摺動係止部の
構成、並びに、第1リンク部材3の各軸部材12、第2
リンク部材4の各軸部材13との係止関係については公
知であるので、図2ではその図示を省略する。更に、キ
ートップ2の裏面における側部(図2中右側部)には、
押下突起2Aが形成されている。かかる押下突起2A
は、後述するゴム弾性体30に設けられた導電部30A
を押下して弾性変形させるものである。
【0021】また、案内部材5は、第1リンク部材3と
第2リンク部材4とを相互に組み合わせてなる。第1リ
ンク部材3は、各軸部材7を一体に有する軸体14と各
軸部材12とを、2つの連結部材16、16を介して連
結するように一体成形されてなり、平面視でコ字状の形
状を有する。各連結部材16の中央部には、支持軸が形
成されている。第2リンク部材4は、基本的に第1リン
ク部材3と同様の構成を有しており、各軸部材6を一体
に有する軸体17と各軸部材13を一体に有する軸体1
8とを、2つの連結部材19を介して連結するように一
体成形されてなり、平面視でロ字状の形状を有する。各
連結部材19には、第1リンク部材3の各連結部材16
の形成された支持軸を挿通する挿通孔が形成されてい
る。そして、第1リンク部材3と第2リンク部材4と
は、連結部材16、16形成された支持軸を連結部材1
9に形成された挿通孔に挿通することにより交叉状に組
み立てられ、案内部材5を構成する。
【0022】更に、ゴム弾性体30は、シリコンゴム等
のゴム材から形成されており、平面視でロ字状の環状に
形成されている。かかるゴム弾性体30において、対称
関係を有する2箇所に導電部30Aが設けられている。
このように対称関係にある2箇所に導電部30Aを形成
すれば、ゴム弾性体30をキースイッチ装置1に組み込
む際に組み込み方向の制限が少なくなり、ゴム弾性体3
0を容易に組み込んでキースイッチ装置の組立が簡単に
なる。ゴム弾性体30は、その各導電部30Aが前記し
たキートップ2の押下突起2Aに対応するように配置さ
れる。尚、ゴム弾性体30の配置方法については後述す
る。
【0023】案内部材5の下方には、アルミニウム、鉄
等から形成された金属薄板からなる支持プレート9が配
置されている。支持プレート9には、切起し加工を行う
ことにより、キースイッチ1に対応して2つの切起し片
20が一体に形成されている。ここに、キースイッチ装
置1に対応する各切起し片20の切起し加工は、先ず、
支持プレート9の2箇所をコ字状に切り込んで切り込み
片を形成し、この後、切り込み片の一部を上方へ折曲加
工することにより行われる。
【0024】各切起し片20は同一の構成を有してお
り、各切起し片20には、回動孔21及び摺動溝22が
形成されている。各回動孔21には第2リンク部材4の
各軸部材6が回動可能に係止され、また、各摺動溝22
には、第1リンク部材3の各軸部材7が摺動可能に係止
される。各切起し片20の間において、一端が片持ち梁
状に支持プレート9に連結された平板部31が設けられ
ており、かかる平板部30の周囲には、コ字状の間隙3
2が形成されている。
【0025】平板部31の端部と支持プレート9との連
結部近傍には、スイッチングを行うための一対の固定電
極23、23、及び、各固定電極23に接続された所定
の回路パターン(図示せず)が、導電塗料等により印刷
形成されている。固定電極23、23や回路パターンを
印刷形成するには、先ず、支持プレート9の上面に絶縁
材料を塗布して絶縁被膜を形成した後、導電塗料を介し
て固定電極23、23及び回路パターンを印刷形成す
る。また、平板部31の略中央部には、LED部品24
が配置されており、このLED部品24はキートップ2
を押下してスイッチング動作が行われた時に点灯され
る。
【0026】支持プレート9の下側には、スライドプレ
ート33が配置されており、かかるスライドプレート3
3は支持プレート9に対して矢印方向に相対移動可能と
されている。スライドプレート33の側端には、各キー
スイッチ装置1毎に2つの係合片34が形成されてお
り、各係合片34は、図2に示すように、平板部31の
自由端側に存在する間隙32に挿嵌されるとともに、ス
ライドプレート33のスライド動作に従って、後述する
ようにゴム弾性体30を伸張させたり、元に戻したりす
る。尚、支持プレート33のスライド機構及びスライド
動作については後述する。
【0027】ここで、前記ゴム弾性体30を配置方法に
ついて説明する。前記したように、第2リンク部材4の
軸体17における各軸部材6、6は各切起し片20に形
成された回動孔21に係止され、第1リンク部材3の軸
体14における各軸部材7は各切起し片20に形成され
た摺動溝22に係止されるが、ゴム弾性体30は、この
ように各切起し片20の回動孔21、摺動溝22に係止
された第2リンク部材4の軸体17、第1リンク部材3
の軸体14を囲むように配置される。具体的には、ゴム
弾性体30にて導電部30Aが設けられた一方の部分
(図2中右側の部分)は、スライドプレート33の各係
合片34、34に係合され、また、導電部30Aが設け
られた他方の部分(図7中左側の部分)は第1リンク部
材3の軸体14に接触するように配置される。また、導
電部30Aを有する各部分を連結する部分は、それぞれ
各切起し片20に沿って配置される。この状態で導電部
30A(図2中左側の導電部30A)は、一対の固定電
極23、23に渡って配置されている。また、ゴム弾性
体30の弾性力は、スライドプレート33の各係合片3
4と当接係合して伸張されている状態において、第1リ
ンク部材3の軸体14に及ぼされている。この弾性力
は、スライドプレート33のスライド位置を調節するこ
とにより変化させることができるので、オペレータの好
みに応じて変更することができる。かかるゴム弾性体3
0の弾性力は、第1リンク部材3及び第2リンク部材4
を相互に閉脚する方向に付勢する作用を行い、キートッ
プ2を上方の操作可能な非押下位置に保持する。一方、
ゴム弾性体30とスライドプレート33の各係合片34
が当接係合していない状態においては、ゴム弾性体30
には付勢力が発生しておらず、従って、かかる付勢力が
第1リンク部材3の軸体14に及ぼされることはない。
このとき、第1リンク部材3と第2リンク部材4とは、
相互に開脚した状態にあり、これよりキートップ2は非
押下位置よりも下方で操作不可能な低い位置に保持され
る。
【0028】尚、導電部30Aは、ゴム弾性体30の成
形時に2色成形により一体に形成される。また、図3に
示すように、導電部30Aは、外方へ突出するように形
成してもよい。この場合、導電ゴムを接着剤等により固
着してもよいし、また、一体成形してもよい。このと
き、キートップ2の裏面に形成される押下突起2Aの形
成位置は導電部30Aの形成位置に対応させる必要があ
る。
【0029】また、前記したように、平板部31の略中
央部には、LED部品24が配置されているが、このよ
うにLED部品24が配置可能となるのは、前記のよう
に、第1リンク部材3及び第2リンク部材4を付勢する
ゴム弾性体30を、第1リンク部材3及び第2リンク部
材4の周囲に配置するように構成し、また、第1リンク
部材3をコ字状に、第2リンク部材4をロ字状に形成す
ることにより、キートップ2の下方にスペースを確保す
ることが可能となることに基づくものである。
【0030】次に、前記したスライドプレート33のス
ライド機構について図4に基づき説明する。図4はスラ
イドプレート33をスライドさせる機構を模式的に示す
説明図である。
【0031】図4において、支持プレート9には、キー
ボード装置105に配設されるキースイッチ装置1の数
に応じて、キーステーションSが設けられている。各キ
ーステーションSにおいては、前記したようにキースイ
ッチ装置1を構成するため、一対の切起し片20、2
0、平板部31、間隙32、固定電極23、23等が設
けられている。
【0032】また、スライドプレート33において、各
キーステーションSに対応して、一対の係合片34切起
し加工により形成されている。スライドプレート33の
側端部(図4中上側端部)には、連結片35が一体に形
成されており、かかる連結片35は、リンク部材36の
一端に連結されている。リンク部材36の他端上面には
ラック37が固着されており、また、ラック37には、
間に中間ギア38を介して、ノート型パーソナルコンピ
ュータ100の連結部104に配設されて蓋体111を
回動可能に支持する支持軸39に固着された回動ギア4
0に噛合されている。
【0033】更に、スライドプレート33の両側縁部下
方には、規制ラック部41(図4には一方のみを示す)
が形成されている。これらの各規制ラック部41は、ノ
ート型パーソナルコンピュータ100の本体部102内
に回動可能に支持されたシャフト42の両端に固定され
た規制ギア43に噛合されている。尚、各規制ラック4
1と各規制ギア43は、スライドプレート33がスライ
ドする際に相互に噛合することにより、スライドプレー
ト33の斜行を防止する作用を行う。
【0034】前記構成において、ノート型パーソナルコ
ンピュータ100の蓋体111の開閉動作に連動してキ
ースイッチ装置1の使用状態と不使用状態とを切り換え
る動作について図4及び図5に基づき説明する。図5は
キースイッチ装置1の模式断面図を示し、図5(A)は
使用可能状態にあるキースイッチ装置1の模式断面図、
図5(B)は不使用状態にあるキースイッチ装置1の模
式断面図である。ここに、蓋体111はキーボード装置
105を閉塞している状態にあるものとする。
【0035】先ず、ノート型パーソナルコンピュータ1
00を使用する場合、キーボード装置105を開放する
方向に蓋体111を回動する。このように、蓋体111
がキーボード装置105を開放する方向に回動される
と、支持軸39は矢印A方向に回動される。これによ
り、中間ギア38は矢印B方向に回動されることから、
ラック37は矢印C方向に移動する。従って、リンク部
材36、連結片35を介して、スライドプレート33も
矢印Cで示す水平方向にスライドされることとなる。
【0036】このとき、スライドプレート33の各係合
片34は、ゴム弾性体30に係合しており、また、ゴム
弾性体30は、第1リンク部材3の軸体14に接触して
いることから、前記したように蓋体111の開放方向へ
の回動に基づきスライドプレート33が水平方向にスラ
イドされると、各係合片34はゴム弾性体30を若干伸
張させることとなる。従って、ゴム弾性体30により発
生する付勢力は、第1リンク部材3の軸体14に作用す
る。これにより、第2リンク部材4における軸体17の
各軸部材6、6が切起し片20の回動孔21に回動係止
されていることから、ゴム弾性体30の付勢力に基づき
第1リンク部材3及び第2リンク部材4は、相互に閉脚
する方向に付勢される。この結果、キートップ2は上方
へ移動されて非押下状態(キースイッチ装置1の使用可
能状態)に保持される。この状態が図5(A)に示され
ている。
【0037】図5(A)に示すキースイッチ装置1の使
用可能状態において、キースイッチ装置1の動作を図6
に基づき説明する。図6はキートップ2の非押下状態か
らキートップ2を押下してスイッチング動作が行われる
に至る状態を模式的に示すキースイッチ装置1の模式断
面図であり、図6(A)はキートップ2の非押下状態を
示し、図6(B)はスイッチング動作が行われるまでキ
ートップ2を押下した状態を示す。
【0038】図6(A)に示すキートップ2の非押下状
態においては、スライドプレート33がスライドされる
ことにより、その係合片34を介してゴム弾性体30が
若干伸張されることに基づき第1リンク部材3と第2リ
ンク部材4とは閉脚する方向に付勢されていることか
ら、キートップ2は上方の非押下位置に保持されてい
る。この後キートップ2を押下していくと、第1リンク
部材3と第2リンク部材4とは、ゴム弾性体30の弾性
力に抗して除々に開脚していく。このとき、第2リンク
部材4の各軸部材6は切起し片20の回動孔21内で回
動していき、各軸部材13はキートップ2の摺動係止部
を摺動していく。同時に、第1リンク部材3の各軸部材
7は切起し片20の摺動溝22を摺動していき、各軸部
材12はキートップ2の回動係止部内で回動していく。
このとき、第1リンク部材3の軸体14がゴム弾性体3
0を伸張させる作用を行うので、ゴム弾性体30は更に
伸張された状態にある。
【0039】更に、キートップ2を押下していくと、キ
ートップ2の押下に伴って前記した動作が連続して行わ
れていき、キートップ2の押下突起2Aが最も伸張され
た位置でゴム弾性体30の導電部30Aを押圧して弾性
変形させる。このようにキートップ2の押下突起2Aが
ゴム弾性体30の導電部30Aを加圧する際には、導電
部30Aは押下突起2Aの緩衝材として作用し、押下突
起2Aによる衝撃を吸収することができる。この時、ゴ
ム弾性体30と支持プレート9とは密着するので、支持
プレート9の振動を防止することができ、キートップ2
の押下に伴う操作音を低減することができる。前記した
ように、導電部30Aが弾性変形すると、導電部30A
は、支持プレート9上に形成されている固定電極23、
23を相互に短絡して導通させる。これにより、所定の
スイッチング動作が行われる。この状態が図6(B)に
示されている。
【0040】キートップ2の押下を解除すると、キート
ップ2は、ゴム弾性体30の弾性力に基づいて上方へ付
勢され、前記した動作と逆の動作を行って元の非押下位
置に復帰する。
【0041】キースイッチ装置1による各種入力作業が
終了してノート型パーソナルコンピュータ100の蓋体
111が閉じられると、前記動作と逆の動作が行われ
る。具体的には、支持軸39は反矢印A方向に回動され
る。これにより、中間ギア38は反矢印B方向に回動さ
れることから、ラック37は反矢印C方向に移動する。
従って、リンク部材36、連結片35を介して、スライ
ドプレート33も反矢印Cで示す水平方向にスライドさ
れることとなる。
【0042】このとき、スライドプレート33の各係合
片34は、ゴム弾性体30との係合が解除されることか
ら、ゴム弾性体30は元の状態(伸張が解除された状
態)に戻る。従って、ゴム弾性体30の付勢力は消失
し、これより第1リンク部材3の軸体14を付勢しなく
なる。これにより、第1リンク部材3及び第2リンク部
材4は、相互に開脚される。この結果、キートップ2は
下方へ移動されて使用不可能な状態に移行する。この状
態が図5(B)に示されている。
【0043】以上詳細に説明した通り本実施形態に係る
キーボード105装置では、ノート型パーソナルコンピ
ュータ100の蓋体111を本体部102の開放方向に
回動させてスライドプレート33を一方向にスライドさ
せ、スライドプレート3の係合片34とゴム弾性体30
との係合に基づきゴム弾性体30の付勢力を第1リンク
部材3の軸体14に作用させることによりキートップ2
を操作可能な非押下位置に保持し、また、蓋体111を
本体部102の閉塞方向に回動させてスライドプレート
33を他方向にスライドさせ、スライドプレート33の
係合片34とゴム弾性体30との係合をリリースさせて
ゴム弾性体30による付勢力を第1リンク部材3の軸体
14に作用させなくすることにより、キートップ2を非
押下位置よりも低い操作不可能な位置に保持するように
構成したので、蓋体111の開閉動作に連動する比較的
小さな力で、キーボード装置105に設けられている複
数のキースイッチ装置1にてキートップ2を上方に付勢
するゴム弾性体30の付勢力を制御することができる。
これにより、キースイッチ装置1を使用状態と不使用状
態とに切り換えることが可能なキーボード装置105を
実現することができるものである。
【0044】また、ゴム弾性体30は環状を有すること
から第1リンク部材3及び第2リンク部材4の外側に配
置することが可能となり、また、このように各リンク部
材3、4の外側に配置される環状のゴム弾性体30に導
電部30Aを形成し、キートップ2の押下時には、その
下面に形成された押下突起2Aを介してゴム弾性体30
の導電部30Aを弾性変形して導電部30Aと支持プレ
ート9上の固定電極23、23を短絡して導通させるよ
うに構成されていることから、各リンク部材3、4の外
側でスイッチング動作を行うことが可能となる。従っ
て、スイッチング動作を行う部材がキートップ2の下方
に形成されるスペースに影響を及ぼすことはなくなり、
かかるスペースの有効活用を行うことができる。
【0045】更に、導電部30Aが環状のゴム弾性体3
0において対称関係を有する少なくとも2つの位置に設
けられていることから、ゴム弾性体30をキースイッチ
装置1に組み込む際にゴム弾性体30の方向性を特に配
慮することなく組み込むことが可能となり、これよりキ
ースイッチ装置1の組み立てを容易に行うことができ
る。
【0046】尚、前記実施形態は、本発明の要旨を限定
するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で
種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
【0047】例えば、スライドプレート33をスライド
させる機構として、図7に示すように、スライドプレー
ト33の側端縁から延設した延設部50の下面に係合ピ
ン51を形成しておき、かかる係合ピン51をギア付カ
ム板52のカム溝53に係合させるとともに、蓋体11
1の開放及び閉塞動作に連動させてギア付カム板52の
ギア部54を介してギア付カム板52を回転させること
により、スライドプレート33をスライドさせるように
構成してもよい。このギア付カム板52をパーソナルコ
ンピュータ100の蓋体111の開閉に連動させた場合
は、一旦蓋体111を最大角度回動させてカム板52を
回動させると、キートップ2は非押下位置に移動され
る。この後、オペレータが蓋体111を多少閉鎖方向に
戻しても係合ピン51とカム溝53の係合に遊びがある
ため、キートップ2は非押下位置に保持されたままとな
る。
【0048】また、上記キーボード装置105は、パー
ソナルコンピュータの入力装置として使用されるだけで
なく、入力端末一般に使用可能である。そして、キース
イッチ装置の数は又は複数とすることができる。更
に、付勢部材として環状ゴム弾性体30を使用する他
に、シート状若しくはロッド状の有端弾性体を使用する
ことができる。この場合は、有端弾性体の両端にそれぞ
れ係止部を設ければよい。
【0049】
【発明の効果】以上説明した通り請求項1のキーボード
装置では、駆動手段によりスライド板を一方向にスライ
ドさせ、スライド板の係合部と付勢部材との係合に基づ
き付勢部材の付勢力を各リンク部材の下端部に作用させ
ることによりキートップを操作可能な第1位置に保持
し、また、駆動手段によりスライド板を他方向にスライ
ドさせ、スライド板の係合部と付勢部材との係合をリリ
ースさせて付勢部材による付勢力を各リンク部材の下端
部に作用させなくすることにより、キートップを第1位
置よりも低い第2位置に保持するように構成したので、
比較的小さな力で、キーボード装置に設けられている複
数のキースイッチ装置にてキートップを上方に付勢する
付勢部材の付勢力を制御することが可能となる。これに
より、キースイッチ装置を使用状態と不使用状態とに切
り換えることが可能なキーボード装置を実現することが
できる。
【0050】また、請求項2に係るキーボード装置で
は、環状のゴム弾性体を使用しているので容易に係合部
とリンク部材との間にこれを装着することができ、係合
・リリース時にも外れ難くすることができる。
【0051】また、請求項3に係るキーボード装置で
は、付勢部材を構成するゴム弾性体は環状を有すること
から各リンク部材の外側に配置することが可能となり、
また、このように各リンク部材の外側に配置される環状
のゴム弾性体に導電部を形成し、キートップの押下時に
は、その下面に形成された押下突起を介してゴム弾性体
のの導電部を弾性変形して導電部と支持板上の固定接点
部とを導通させるように構成されていることから、各リ
ンク部材の外側でスイッチング動作を行うことが可能と
なる。従って、スイッチング動作を行う部材がキートッ
プの下方に形成されるスペースに影響を及ぼすことはな
くなり、かかるスペースの有効活用を行うことが可能と
なる。
【0052】更に、請求項4に係るキーボード装置で
は、導電部が環状ゴム弾性体において対称関係を有する
少なくとも2つの位置に設けられていることから、ゴム
弾性体をキーボード装置のキースイッチ装置に組み込む
際にゴム弾性体の方向性を特に配慮することなく組み込
むことが可能となり、これよりキーボード装置の組み立
てを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ノート型パーソナルコンピュータを示し、図1
(A)はノート型パーソナルコンピュータの斜視図、図
1(B)はノート型パーソナルコンピュータの電気的構
成を示すブロック図である。
【図2】キースイッチ装置の分解斜視図である。
【図3】ゴム弾性体の別の例を示す説明図である。
【図4】スライドプレートをスライドさせる機構を模式
的に示す説明図である。
【図5】キースイッチ装置の模式断面図を示し、図5
(A)は使用可能状態にあるキースイッチ装置の模式断
面図、図5(B)は不使用状態にあるキースイッチ装置
の模式断面図である。
【図6】キートップの非押下状態からキートップを押下
してスイッチング動作が行われるに至る状態を模式的に
示すキースイッチ装置の模式断面図であり、図6(A)
はキートップの非押下状態を示し、図6(B)はスイッ
チング動作が行われるまでキートップを押下した状態を
示す。
【図7】スライドプレートをスライドさせる機構の別の
例を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】 1 キースイッチ装置 2 キートップ 2A 押下突起 3 第1リンク部材 4 第2リンク部材 5 案内部材 6 軸部材 7 軸部材 9 支持プレート 10 回動係止部 11 摺動係止部 12 軸部材 13 軸部材 14 軸体 17 軸体 20 切起し片 21 回動孔 22 摺動孔 23 固定電極 30 環状ゴム弾性体 30A 導電部 33 スライドプレート 34 係合片 100 ノート型パーソナルコンピュータ 102 本体部 105 キーボード装置 111 蓋体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5B020 DD02 GG51 5G006 AA02 AB02 AC03 AZ01 BA02 BB07 BC04 CB01 CB03 CD01 FB14 NB02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下面に複数の上側係止部が設けられたキ
    ートップと、 前記キートップ下方に配置され、複数の下側係止部が設
    けられた支持板と、 上端部が前記上側係止部に係止されるとともに下端部が
    前記下側係止部に係止される一対のリンク部材を有し、
    キートップの上下動を案内支持する案内支持部材と、 前記各リンク部材の下端部に付勢力を作用させ、前記キ
    ートップを上方に付勢して操作可能な第1位置に保持す
    る環状の付勢部材と、 前記キートップの押下操作に対応してスイッチング動作
    を行うスイッチング部材と、 前記支持板に対してスライド可能に配置され、前記付勢
    部材に係合する係合部が形成されたスライド板と、 前記スライド板を一方向にスライドさせ、前記係合部と
    付勢部材との係合に基づき付勢部材による付勢力を各リ
    ンク部材の下端部に作用させてキートップを前記第1位
    置に保持し、 前記スライド板を他方向にスライドさせ、前記係合部と
    付勢部材との係合をリリースさせて付勢部材による付勢
    力を各リンク部材の下端部に作用させなくしてキートッ
    プを前記第1位置よりも低い第2位置に保持する駆動手
    段とを備えたことを特徴とするキーボード装置。
  2. 【請求項2】 前記付勢部材は、環状のゴム弾性体から
    構成されていることを特徴とする請求項1記載のキーボ
    ード装置。
  3. 【請求項3】 前記キートップの下面に形成された押下
    突起と、 前記支持板に形成された固定接点部と、 前記環状のゴム弾性体に設けられた導電部とを有し、 前記キートップの押下時に押下突起を介して前記導電部
    を弾性変形させることにより導電部と固定接点部とを導
    通させることを特徴とする請求項2記載のキーボード装
    置。
  4. 【請求項4】 前記導電部は、環状のゴム弾性体におい
    て対称関係を有する少なくとも2つの位置に設けられて
    いることを特徴とする請求項3記載のキーボード装置。
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