JP2000306604A - 高分子ゲル電解質及びこれを用いたリチウム二次電池 - Google Patents

高分子ゲル電解質及びこれを用いたリチウム二次電池

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JP2000306604A
JP2000306604A JP11114596A JP11459699A JP2000306604A JP 2000306604 A JP2000306604 A JP 2000306604A JP 11114596 A JP11114596 A JP 11114596A JP 11459699 A JP11459699 A JP 11459699A JP 2000306604 A JP2000306604 A JP 2000306604A
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gel electrolyte
polymer gel
polymer
electrolyte
monomer
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Masamichi Onuki
正道 大貫
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高負荷充放電におけるサイクル特性に優れた
リチウム二次電池及びそれに適した高分子ゲル電解質を
提供する。 【解決手段】 Li塩及び溶媒をポリマーに含有させて
なる高分子ゲル電解質であって、該ポリマーが、平均で
4.5以下の連続したオキシアルキレンユニットを有す
る3官能以上のモノマーを含むモノマー成分を重合する
ことにより得られ、且つ、高分子ゲル電解質中の該ポリ
マー含量が20重量%以下であることを特徴とする高分
子ゲル電解質及びこれを用いたリチウム電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高分子ゲル電解質
及びこれを用いたリチウム二次電池に関するものであ
る。詳しくは、放電特性などに優れたリチウム二次電池
及に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、リチウム電池の電解質とし
て、非水系の電解液が使用されてきた。しかしながら液
漏れを起こす可能性があり安全上問題が残っていた。そ
こで近年、固体電解質が、原理上完全に液漏れを抑制で
きる電解質として期待されその検討が広く行われてい
る。特に固体電解質の中でも高分子ゲル電解質を用いた
電池が高負荷放電に耐え得るという点で注目されてい
る。高分子ゲル電解質は、リチウム塩等の支持電解質を
非水系溶媒に溶解した電解液をポリマーによって保持さ
せてゲルとすることによって得ることができる。このよ
うな高分子ゲル電解質に使用されるポリマーとして、オ
キシアルキレンユニットを含むポリマーが有用であるこ
とが知られている。例えば特開平3―177410では
連続したオキシアルキレンユニットを1〜30個含有す
るモノマーを熱硬化させたポリマーが開示されている。
また特開平10―77320にはオキシアルキレンユニ
ット数が1〜4のポリアルキレングリコールジアクリレ
ートから誘導されるアクリル酸エステル(共)重合体が
記載されている。しかしながら従来の技術においては電
解質中のポリマー含量が高いために電解質のイオン伝導
度が低く、電流密度の大きい充放電に不向きという問題
点が生じていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高負
荷充放電におけるサイクル特性に優れたリチウム二次電
池及びそれに適した高分子ゲル電解質を提供することに
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、多孔膜を併用してその
強度を高める一方で、電解質中のポリマー量を低減させ
ることを試みた。しかしながらこの場合においてもなお
サイクル特性が劣るという問題点があった。そこでさら
に検討を重ねた結果、電解質を構成するポリマー中の連
続したオキシアルキレンユニット数が重要であり、その
数を平均で4.5以下にすることで上記目的が達成され
ることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち
本発明の要旨は、Li塩及び溶媒をポリマーに含有させ
てなる高分子ゲル電解質であって、該ポリマーが、平均
で4.5以下の連続したオキシアルキレンユニットを有
する3官能以上のモノマーを含むモノマー成分を重合す
ることにより得られ、且つ、高分子ゲル電解質中の該ポ
リマー含量が20重量%以下であることを特徴とする高
分子ゲル電解質並びに正極と負極との間に多孔膜及びか
かる電解質を存在させたリチウム二次電池に存する。
【0005】完全固体電解質、即ちポリエチレンオキサ
イド(PEO)とLi塩により構成される電解質におい
ては、Liイオンがポリエチレンオキサイド中を移動す
るには通常10〜20のオキシエチレンユニットが協同
する運動、いわゆるセグメント運動を伴うとされてい
る。従って、セグメント運動によるLiイオンの輸送と
いう点ではオキシアルキレン鎖は長い方、例えば10以
上のオキシアルキレンユニットが好ましく、4.5以下
のオキシアルキレンユニットは、不利であると考えられ
る。しかしながら、ゲル電解質においてはゲル中に保持
された溶媒中でのLiイオンの比較的自由な拡散が期待
できるためにセグメント運動の重要性は低下する。この
傾向は高分子ゲル電解質中のポリマー含量が少ない場合
に顕著である。従って、特にポリマー含量が20重量%
以下である高分子ゲル電解質においてはゲル中の束縛溶
媒が少なくなるようなポリマーマトリックスを構築する
ことが重要であり、平均で4.5以下の連続したオキシ
アルキレンユニットを有する3官能以上の多官能モノマ
ーを含有するモノマーの重合により得られたポリマーは
この点で優れていると考えられる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳述する。
なお、本発明の高分子ゲル電解質は、通常ポリマーを構
成するモノマーをリチウム塩及び溶媒等の存在下で重合
させることによって得ることができる。以下において、
上記のモノマー、リチウム塩及び溶媒を含む組成物を便
宜上「硬化前電解質組成物」あるいは単に「組成物」と
いうことがある。
【0007】本発明で用いられるポリマーは平均で4.
5以下の連続したオキシアルキレンユニットを有する3
官能以上の多官能モノマーを重合することにより得られ
るポリマーである。連続したオキシアルキレンユニット
数は平均で4.5以下、好ましくは平均で4以下、1以
上である。また3官能以上の多官能モノマーとは、アク
リロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基等
の不飽和二重結合を有する基(官能基)を3つ以上有す
るモノマーである。この様な多官能モノマーは、例えば
下記一般式(1)で示される。
【0008】
【化1】
【0009】(式中、R1 は炭素数1〜10の直鎖もし
くは分岐鎖アルキレン基を、R2 は水素原子又は炭素数
1〜4のアルキル基を、- X- は - CO- 、- CH2-
を表す。mは1〜4.5(平均値)を、nは0又は1
を、pは3以上の整数を表し、Yはp価の連結基を表
す。) 一般式(1)につき更に説明すると、O−R1 は炭素数
1〜10のオキシアルキレンユニットであり、特にオキ
シエチレンユニット、オキシプロピレンユニットが好ま
しい。R2 は水素原子またはメチル基が好ましい。Yと
しては、例えば、トリメチロールプロパン、グリセリ
ン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールな
どから誘導される3価以上の基、好ましくは3〜6価の
基である。
【0010】本発明で使用される3官能モノマーの具体
例としては、トリメチロールプロパンエトキシレートト
リアクリレート(連続したオキシエチレンユニットは平
均4.5以下、以下同様)、トリメチロールプロパンエ
トキシレートトリメタクリレート、トリメチロールプロ
パンプロポキシレートトリアクリレート、トリメチロー
ルプロパンプロポキシレートトリメタクリレート、イソ
シアヌル酸エトキシレートトリアクリレート、グリセロ
ールエトキシレートトリアクリレート、グリセロールプ
ロポキシレートトリアクリレート、トリメチロールプロ
パンエトキシレートトリビニルエーテル、グリセロール
エトキシレートトリビニルエーテル、トリメチロールプ
ロパンエトキシレートトリアリルエーテル、グリセロー
ルプロポキシレートトリビニルエーテルなどが挙げられ
る。また4官能以上のモノマーとしては、ペンタエリス
リトールエトキシレートテトラアクリレート、ジトリメ
チロールプロパンエトキシレートテトラアクリレート、
ジペンタエリスリトールエトキシレートヘキサアクリレ
ートなどが挙げられる。本発明のモノマー成分は、上記
の如き3官能以上の多官能モノマーを必須成分として使
用する。これらの多官能モノマー、特に3官能モノマー
を使用したポリマーから得られた高分子ゲル電解質を含
むリチウム電池は、2官能モノマーあるいは1官能モノ
マーのみを使用した場合に比し、サイクル特性などの電
池特性が優れている。また、3官能以上の多官能モノマ
ーの使用量は、全モノマー中10重量%以上、好ましく
は20〜50重量%である。
【0011】均質で強いゲルを得るためにはモノマー成
分として、更に2官能のモノマーを含有することが好ま
しい。2官能モノマーとしては、平均4.5以下の連続
したオキシアルキレンユニットを有するモノマーであ
り、上記一般式(1)においてpが2であるモノマーが
挙げられる。例えば、エチレングリコールジアクリレー
ト、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレ
ングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコー
ルジアクリレートなどのポリエチレングリコールジアク
リレート類、プロピレングリコールジアクリレート、ジ
プロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレン
グリコールジアクリレート、テトラプロピレングリコー
ルジアクリレートなどのポリプロピレングリコールジア
クリレート類、エチレングリコールジメタクリレート、
ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレン
グリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコー
ルジメタクリレートなどのポリエチレングリコールジメ
タクリレート類、プロピレングリコールジメタクリレー
ト、ジプロピレングリコールジメタクリレート、トリプ
ロピレングリコールジメタクリレート、テトラプロピレ
ングリコールジメタクリレートなどのポリプロピレング
リコールジメタクリレート類、エチレングリコールジビ
ニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテ
ル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、テトラ
エチレングリコールジビニルエーテルなどのポリエチレ
ングリコールジビニルエーテル類、エチレングリコール
ジアリルエーテル、ジエチレングリコールジアリルエー
テル、トリエチレングリコールジアリルエーテル、テト
ラエチレングリコールジアリルエーテルなどのポリエチ
レングリコールジアリルエーテル類、ビスフェノールF
エトキシレートジアクリレート、ビスフェノールFエト
キシレートジメタアクリレート、ビスフェノールAエト
キシレートジアクリレート、ビスフェノールAエトキシ
レートジメタクリレート、イソシアヌル酸エトキシレー
トジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレー
トモノステアレートなどが挙げられる。
【0012】本発明に使用されるモノマー成分として
は、特に重合速度が早くしかも入手が容易で安価である
ことから、2官能モノマーとしてはポリエチレングリコ
ールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタク
リレートが、3官能モノマーとしてはトリメチロールプ
ロパンエトキシレートトリアクリレート、トリメチロー
ルプロパンエトキシレートトリメタクリレート、グリセ
ロールエトキシレートトリアクリレートが好適に用いら
れる。本発明におけるポリマーは上記のモノマーを重合
させて得られるが、モノマー成分として上記の多官能モ
ノマーの他に別の構造を有するモノマーを少量共存させ
て重合させてもよい。特に、アクリロイル基、メタクリ
ロイル基、ビニル基、アリル基等の不飽和二重結合を有
する基を有するモノマーを共存させると強度が向上する
ので好ましい。このようなモノマーとしては、2−エト
キシエチルアクリレート、ジエチレングリコールエチル
エーテルアクリレートなどのアクリレート系の化合物が
使用できる。共存可能なモノマーの中には平均で4.5
を越えるオキシアルキレンユニットを有するモノマーも
含まれる。ただし、本発明で使用される平均で4.5以
下のオキシアルキレンユニットを有する2官能以上のモ
ノマーの全モノマーに対する存在率は、通常80重量%
以上、好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは1
00重量%である。高分子ゲル電解質中のポリマー含量
は、通常20重量%以下、好ましくは15重量%以下、
更に好ましくは10重量%以下となるように使用され
る。ポリマー含量が多すぎると電解液の濃度低下により
イオン伝導度が低下してレート特性などの電池特性が低
下する傾向にある。またポリマーの割合が少な過ぎる場
合は、ゲルの形成が困難となり溶媒の保持性が低下して
流動及び液漏れの問題が生じる傾向があるので、ポリマ
ーが必要である。従って、硬化前電解質組成物中の、こ
れらのモノマーの量も、通常20重量%以下、好ましく
は15重量%以下、更に好ましくは10重量%以下で好
ましくは1重量%以上となるように使用される。
【0013】本発明で用いるリチウム塩としては、特に
制限はないが、LiPF6 、LiAsF6 、LiBF
4 、LiSbF6 、LiAlCl4 、LiClO4 、C
3 SO3 Li、C49 SO3 Li、CF3 COOL
i、(CF3 CO)2 NLi、(CF3 SO22 NL
i、(C25 SO2 )NLiなどのリチウム塩が挙げ
られる。特に溶媒に溶けやすく高い解離度を示すLiP
6 、LiClO4 、LiBF4 、CF3 SO3 Li及
び(CF3 SO22 NLiからなる群から選ばれる少
なくとも一種が好適に用いられる。
【0014】リチウム塩の量は、組成物の全量に対して
通常1重量%以上、好ましくは5重量%以上である。ま
た、通常は30重量%以下、好ましくは20重量%以下
である。リチウム塩の量が少なすぎても多すぎてもイオ
ン伝導度は低下する傾向にある。また、リチウム塩の液
成分に対する濃度は通常0.5〜2.5mol/L程度
である。
【0015】本発明で用いる溶媒としては、リチウム塩
を溶解させるものであれば特に限定されないが、高いイ
オン伝導性を得るために通常ジメチルカーボネート(D
MC)、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカー
ボネート(DEC)、プロピレンカーボネート(P
C)、ブチレンカーボネート(BC)、メチルエチルカ
ーボネート(MEC)などのアルキルカーボネート類、
γ−ブチロラクトン、ギ酸メチルなどのエステル類、
1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフランなどの
エーテル類、スルホラン、ジメチルスルホキシドなどの
含硫黄化合物類が好ましく用いられる。またこれらの溶
媒の混合液を用いてもよい。またこれらの溶媒に予め所
定量のリチウム塩を溶解させたものが市販されており、
これらを用いてもよい。好ましい溶媒は、ジメチルカー
ボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネ
ート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネー
ト、ジメトキシエタンからなる群から選ばれた少なくと
も一種である。溶媒の量は、組成物全量に対して通常5
0重量%以上、好ましくは70重量%以上である。一
方、通常は95重量%以下、好ましくは90重量%以下
である。溶媒が少なすぎるとイオン伝導度が低下し、多
すぎると電解質の強度が弱くなる傾向にある。
【0016】本発明の硬化前電解質組成物には、その他
必要に応じて他の成分を含有させることができる。 例
えば、電池としての安定性や性能、寿命を高めるため
に、トリフルオロプロピレンカーボネート、ビニレンカ
ーボネート、カテコールカーボネート、スピロジラクト
ン、12−クラウン−4−エーテル等の添加剤を使用で
きる。
【0017】また、熱や紫外線によりモノマーを重合さ
せる場合には、硬化前電解質組成物に紫外線重合開始剤
や熱重合開始剤を含有させることができる。紫外線開始
剤としては、ベンゾイル、ベンジル、アセトフェノン、
ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ビアセチル、ベンゾ
イルパーオキサイド等が挙げられる。熱重合開始剤とし
ては、1,1−ジ(ターシャリブチルパーオキシ)−
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス
−[4,4−ジ(ターシャリブチルパーオキシシクロヘ
キシル)プロパン]、1,1−ジ(ターシャリブチルパ
ーオキシ)−シクロヘキサン、ターシャリブチルパーオ
キシ−3,5,5−トリメチルヘキサノネート、ターシ
ャリブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、ジ
ベンゾイルパーオキサイド等が挙げられる。
【0018】硬化前電解質組成物の各成分は、予め脱水
しておくのが好ましい。水分量は50ppm以下好まし
くは30ppm以下がよい。水が多量に存在すると、水
の電気分解及びリチウム金属との反応、リチウム塩の加
水分解などが起こる可能性があり電池用の電解質として
不適当な場合がある。脱水の手段としては特に制限はな
いが、モノマー、溶媒などの液体の場合はモレキュラー
シーブ4A等を用いればよい。またリチウム塩などの固
体の場合は分解が起きる温度以下で乾燥すればよい。
【0019】上記硬化前電解質組成物の調合方法につい
ては、水分、酸素、二酸化炭素を極力排除した雰囲気で
行うのが望ましい。特に水分については前述のように注
意が必要である。また酸素及び二酸化炭素が組成物中に
多量存在すると、重合する際に、これらの分子がポリマ
ー鎖中に取り込まれ電気化学的に不安定なマトリックス
が形成される可能性があるので好ましくない。
【0020】本発明において硬化前電解質組成物から高
分子ゲル電解質を製造する方法としては、開始剤を加え
ることなく直接電子線やγ線などの放射線を照射する方
法、光増感剤等の紫外線重合開始剤を添加して紫外線を
照射する方法や有機過酸化物などの熱重合開始剤を添加
して加熱する方法、酸化還元系の開始剤を用いたレドッ
クス系常温硬化法などが挙げられる。特に紫外線照射法
は低温重合が可能で硬化に要する時間が短い点で、また
熱硬化法は特別な装置を必要とせず簡便である点で、好
ましく用いられる。
【0021】上記のような処理によって、モノマー成分
が重合してポリマーとなり、本発明で用いる高分子ゲル
電解質とすることができる。本発明の高分子ゲル電解質
は、前記のモノマー成分の重合によって得られたポリマ
ー、リチウム塩、溶媒及び必要に応じてその他の成分を
含有する。組成物中の溶媒は、ポリマーのネットワーク
中に保持されて、全体として流動性が著しく低下してい
る。このような高分子ゲル電解質は、イオン伝導性など
の特性は通常の電解液に近い特性を示すが、流動性や揮
発性などは著しく抑制されて安全性が高められている。
【0022】本発明における高分子ゲル電解質はリチウ
ム二次電池の電解質層として有用である。また電極の活
物質層内に形成されるイオン移動相としても用いること
もできる。本発明の高分子ゲル電解質をリチウム二次電
池の電解質として使用する場合は、薄膜状に成形してそ
のまま使用することもできるが、好ましくは多孔膜に保
持して使用する。以下、本発明のリチウム二次電池につ
いて説明する。
【0023】本発明の高分子ゲル電解質を適用できるリ
チウム二次電池の基本的構成は、従来公知の電池と同様
であり、正極と負極とが多孔膜及び高分子ゲル電解質を
介してケースに収納される。もちろん単セルを積層して
ケースに入れることも可能である。先ず、正極及び負極
について説明する。正極及び負極は、通常集電体上に設
けられたリチウムイオンの吸蔵及び放出が可能な活物質
含有層と当該層内に形成されるイオン移動相とから構成
される。イオン移動相は、電解質層を構成するのと同様
の電解質から構成され、正極及び負極のイオン移動相を
構成する電解質は、例えば、活物質、バインダー及び溶
剤を含有する電極用塗料を集電体上に塗布して乾燥する
ことにより空隙を有する活物質層を形成し、当該活物質
層に電解質形成用の前記本発明の硬化前電解質組成物等
のゲル前駆体を塗布して空隙中に含浸させた後にゲル化
させる方法により形成される。
【0024】集電体としては、通常、アルミ箔や銅箔な
どの金属箔が使用され、その厚さは適宜選択されるが、
通常1〜50μm、好ましくは1〜30μmである。集
電体の厚さが薄過ぎる場合は、機械的強度が弱くなり、
生産上問題があり、厚過ぎる場合は、電池全体としての
容量が低下する。集電体は、活物質含有層の接着強度を
高めるため、予め粗面化処理して使用するのが好まし
い。粗面化方法としては、機械的研磨法、電解研磨法、
化学研磨法などが挙げられる。機械的研磨法において
は、研磨剤粒子を固着した研磨布紙、砥石、エメリバ
フ、鋼線などを備えたワイヤーブラシ等が使用される。
また、活物質含有層の接着強度や導電性を高めるため
に、集電体表面に中間層を形成してもよい。
【0025】リチウムイオンの吸蔵及び放出が可能な正
極活物質は、無機化合物と有機化合物とに大別される。
無機化合物から成る正極活物質としては、遷移金属酸化
物、リチウムと遷移金属との複合酸化物、遷移金属硫化
物などが挙げられる。かかる遷移金属としては、Fe、
Co、Ni、Mn等が使用される。正極活物質に使用さ
れる無機化合物の具体例としては、MnO、V25
613、TiO2 等の遷移金属酸化物、ニッケル酸リ
チウム、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム等の
リチウムと遷移金属との複合酸化物、TiS2 、Fe
S、MoS2 等の遷移金属硫化物が挙げられる。これら
の化合物は、その特性を向上させるため、部分的に元素
置換したものであってもよい。
【0026】有機化合物から成る正極活物質としては、
例えば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセン、ジ
スルフィド系化合物、ポリスルフィド系化合物、N−フ
ルオロピリジニウム塩などが挙げられる。正極活物質
は、上記の無機化合物と有機化合物の混合物であっても
よい。正極活物質の粒径は、電池の他の構成要件との兼
ね合いで適宜選択されるが、レート特性、サイクル特性
などの電池特性の向上の観点から、通常1〜30μm、
好ましくは1〜10μmとされる。
【0027】リチウムイオンの吸蔵及び放出が可能な負
極活物質としては、グラファイトやコークス等の炭素系
活物質が挙げられる。斯かる炭素系活物質は、金属、金
属塩、酸化物などとの混合体や被覆体の形態で利用する
ことも出来る。また、負極活物質としては、ケイ素、
錫、亜鉛、Fe、Ni、Mn等の酸化物や硫酸塩、金属
リチウム、Li−Al、Li−Bi−Cd、Li−Sn
−Cd等のリチウム合金、リチウム遷移金属窒化物、シ
リコン等を使用できる。負極活物質の粒径は、電池の他
の構成要件との兼ね合いで適宜選択されるが、初期効
率、レート特性、サイクル特性などの電池特性の向上の
観点から、通常1〜50μm、好ましくは15〜30μ
mとされる。
【0028】電極中には、必要に応じ、導電材料、補強
材などの各種の機能を発現する添加剤を含有させること
が出来る。導電材料としては、活物質に適量混合して導
電性を付与できるものであれば特に制限されないが、通
常、アセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛など
の炭素粉末、各種金属のファイバーや箔などが挙げられ
る。また、電池の安定性や寿命を高めるため、トリフル
オロプロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、
カテコールカーボネート、スピロジラクトン、12−ク
ラウン−4−エーテル等が使用できる。更に、補強材と
して、各種の無機および有機の球状、板状、棒状または
繊維状のフィラーが使用できる。電極用塗料を構成する
バインダーとしては、シリケートやガラスの様な無機化
合物や各種の樹脂が挙げられる。
【0029】上記のバインダー用樹脂としては、例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1,1−ジ
メチルエチレン等のアルカン系ポリマー、ポリブタジエ
ン、ポリイソプレン等の不飽和系ポリマー、ポリスチレ
ン、ポリメチルスチレン、ポリビニルピリジン、ポリ−
N−ビニルピロリドン等の環を有するポリマー、ポリメ
タクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタ
クリル酸ブチル、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル
酸エチル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリア
クリルアミド等のアクリル系ポリマー、ポリフッ化ビニ
ル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレ
ン等のフッ素系樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニ
リデンシアニド等のCN基含有ポリマー、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール系
ポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハ
ロゲン含有ポリマー、ポリアニリン等の導電性ポリマー
等が挙げられる。また、上記のポリマーの混合物、変成
体、誘導体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフ
ト共重合体、ブロック共重合体などであっても使用でき
る。これらの樹脂の分子量は、通常10000〜300
0000、好ましくは100000〜1000000で
ある。分子量が低過ぎる場合は塗膜の強度が低下し、高
過ぎる場合は、粘度が高くなり電極の形成が困難にな
る。
【0030】電極用塗料の調製において、活物質100
重量部に対するバインダーの配合量は、通常0.1〜3
0重量部、好ましくは1〜15重量部である。バインダ
ーの配合量が少な過ぎる場合は電極の強度が低下し、多
過ぎる場合は活物質含有層中の空隙量が低下し、ゲル状
電解質形成用の電解液を含浸させることが困難となる。
電極用塗料の調製に使用する溶剤の種類は、活物質に対
して不活性であり、且つバインダーを溶解し得る限り特
に制限されず、無機または有機の何れの溶剤であっても
よい。好適な溶剤の一例としては、N−メチルピロリド
ンが挙げられる。また、電極用塗料の調製には、ボール
ミル、サンドミル、二軸混練機などが使用される。
【0031】また、空隙を有する活物質層は、活物質を
バインダーとの混合物を、加熱により軟化させた状態で
集電体上に圧着または吹き付ける方法によっても形成す
ることが出来る。この場合も活物質100重量部に対す
るバインダーの配合量は上記の範囲とされる。更に、集
電体上に活物質のみを焼き付ける方法も採用することが
出来る。
【0032】正極および負極のイオン移動相の電解質
は、好ましくは活物質層に硬化前電解質組成物を塗布し
て空隙中に含浸させた後にゲル化させる方法により形成
される。硬化前電解質組成物は粘度が低いため、活物質
層の空隙中に含浸させるのが容易である。活物質層の厚
さは通常1mm以下であるため、電解液の含浸は速やか
に完了する。勿論、活物質層を形成する成分と硬化前電
解質組成物を混合したものを塗布した後に重合してゲル
化する方法や、本発明の硬化前電解質組成物を活物質層
に含有させずに重合させて高分子ゲル電解質を作成した
後、これを加熱して粘度を下げた状態で活物質層に含浸
させて後冷却する方法も採用できる。また、何れの方法
による場合も塗膜にカレンダー処理を加えることにより
塗膜を圧密し、活物質の充填量を高めることが出来る。
【0033】本発明の二次電池においては、電解質層
は、多孔膜に含浸、保持されて使用される。多孔膜は電
解質層の保液性を一層高めるため圧縮に対する初期弾性
率が1×105 (N/m2 )以上であることが好まし
い。斯かる初期弾性率は、応力−歪み曲線における、応
力0近傍の線形応答領域の直線の傾きから求められる。
そして、初期弾性率の値が高いことは、荷重が小さい段
階から構造体の変形が少ないことを意味する。従って、
初期弾性率の値が高い多孔膜の使用により、高分子ゲル
電解質に加わる圧力を効果的に支えることが可能とな
る。
【0034】また、上記の多孔膜の空隙は、イオン移動
度を高めるため、大部分が垂直方向(電極方向)に通じ
た構造になっていることが好ましい。多孔膜の空隙率
は、60〜90体積%の範囲が好ましく、特に70〜9
0体積%の範囲が好ましい。空隙率が60%より小さい
場合は、イオンが拡散しにくくなるために伝導度が低下
する。また空隙率が90%を超える場合は柔らかくなり
過ぎ、電解質層の製造工程に困難を生じる様になる。多
孔膜の空隙率は、体積と重さから見掛け比重を算出し、
多孔膜の材質の真比重との比較から算出することが出来
る。
【0035】多孔膜の材質は、上記の物性を満足する限
り特に制限されず、例えば、洋紙、和紙などの紙類、各
種の天然、合成樹脂から作られる多孔質フィルムや布あ
るいは不織布類、分離精製などに使用される市販のフィ
ルター類等を使用することができる。合成樹脂として
は、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィ
ン、ポリアミド等が好ましい。多孔膜の厚みは、通常5
〜200μm、好ましくは10〜60μmである。厚み
が5μm未満の場合は、強度が低下し安全上問題にな
り、しかも、柔らかくなり過ぎて電池製作時の位置決め
等が困難になる。厚みが200μmを超える場合は、電
解質部分の抵抗が高くなると共に電池全体としての容量
が低下する。多孔膜の電解液と接触する部分は、電解液
との親和性をコントロールするため表面処理することも
出来る。
【0036】多孔膜に電解質を含有させる方法は、正極
および負極のイオン移動層の電解質の形成方法と同様の
方法を採用することが出来る。電解質層の電解質は、そ
の全てが多孔膜の内部に取り込まれていなくてもよい。
多孔膜−高分子ゲル電解質複合体から成る電解質層の表
面にある程度の厚みの高分子ゲル電解質単独層が存在す
ることは、電解質層と電極との積層界面の抵抗の低減に
も寄与し得る。従って、電解質層全体としての液保持性
に支障が生じない限り、電解質の全てが多孔膜の内部に
取り込まれていなくてもよい。
【0037】前記の様に構成された正極と負極は、多孔
膜に保持された電解質層を介してケースに収納されリチ
ウム二次電池を形成する。多くの場合は高容量を達成す
るために単セルを積層してケースに入れる。ケースとし
ては、柔軟性、屈曲性、可撓性などを有する形状可変性
のケースが好適に使用される。その材質としては、プラ
スチック、高分子フィルム、金属フィルム、ゴム、薄い
金属板などが挙げられる。ケースの具体例としては、高
分子フィルムから成る袋、高分子フィルムから成る真空
包装用袋もしくは真空パック、金属箔と高分子フィルム
のラミネート素材から成る真空包装用袋もしくは真空パ
ック、プラスチックで形成された缶、または、プラスチ
ック板で挟んで周囲を溶着、接着、はめ込み等で固定し
たケース等が挙げられる。
【0038】上記の中では、気密性および形状可変性の
点で高分子フィルムから成る真空包装用袋もしくは真空
パック、または、金属箔と高分子フィルムのラミネート
素材から成る真空包装用袋もしくは真空パックが好まし
い。これらのケースは、金属缶の様な重量や剛性がな
く、柔軟性、屈曲性、可撓性であるため、電池の収納後
に曲げたり出来る形状自由性があると共に軽量化が図れ
るという利点を有する。本発明のリチウム二次電池は、
円筒型、箱形、ペーパー型、カード型など種々の形状を
軽量で実現できる。勿論、電池の機器への装着などの利
便を図るため、形状可変性のケースに電池を封入して好
ましい形状に変形した後、剛性の外装ケースに収納する
ことも可能である。好ましい一態様としては、正極と電
解質層と負極が平板的に積層され且つ形状可変性のケー
スに真空シールされて収納されているリチウム二次電池
が挙げられる。
【0039】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限りこれらの
実施例により限定されるものではない。なお、以下の例
において「部」は「重量部」を意味する。
【0040】実施例1 <正極の作製>正極活物質であるLiCoO2 (本荘化
学社製)を90部、導電材であるアセチレンブラック
(電気化学工業製)を5部、結着剤であるポリフッ化ビ
ニリデン(呉羽化学製)を5部、さらに溶剤としてのN
−メチルピロリドン80部を混合し、サンドミルで0.
5時間混練・分散処理を行った。この混合物を厚さ20
μmのアルミ箔上にドクターブレードを用いて塗布し、
120℃で乾燥して溶剤を除去した後にカレンダー工程
を加えて厚さが約80μmの正極を得た。
【0041】<負極の作製>負極活物質であるグラファ
イト(大阪ガス社製)を95部、結着剤であるポリフッ
化ビニリデン(呉羽化学社製)を5部、溶剤としてN−
メチルピロリドン80部を混合し、サンドミルで0.5
時間混練・分散処理を行った。この混合物を厚さ20μ
mの銅箔上にドクターブレードを用いて塗布し、120
℃で乾燥して溶剤を除去した後にカレンダー工程を加え
て厚さが約100μmの負極を得た。
【0042】<硬化前電解質組成物の調製>テトラエチ
レングリコールジアクリレート(連続したエチレンオキ
シドユニット数=4、東亜合成社製)4.67部、トリ
メチロールプロパンエトキシレートトリアクリレート
(連続したエチレンオキシドユニット数=3、東亜合成
社製)2.33部、ソルライト(三菱化学社製、プロピ
レンカーボネートとエチレンカーボネートの等重量混合
液にLiClO4 を1mol/Lの濃度となるように溶
解させたもの)18.6部、スピロジラクトン(アルド
リッチ社製)4.65部、トリゴノックス23−C70
(重合開始剤、化薬アクゾ社製)0.1部を3角フラス
コに秤取し不活性な雰囲気下で混合した。調液直後に気
泡が発生したので、15分間室温で放置し熟成させ発泡
を抑制させた。
【0043】<電池の作製及び充放電試験>正極、ポリ
エチレン製多孔膜、負極にそれぞれ上記硬化前電解質組
成物を塗布し活物質層内に含浸させた後に、正極と負極
でポリオレフィン多孔膜を挟み、90℃で5分加熱して
硬化させることにより、正極/高分子ゲル電解質/多孔
膜/高分子ゲル電解質/負極で構成された電池を2個作
製した。これらの電池を用いて25℃で充放電サイクル
試験を行った。充電電流密度0.96mA/cm2
4.1Vまで充電した後、放電電流密度1.92mA/
cm2 で2.7Vまで放電させる充放電を50回繰り返
した。初回サイクル時の放電容量に対する50回サイク
ル後の放電容量を求めたところ、2個の電池のうち一方
は92.2%であり、他方は93.2%であった。
【0044】比較例1 硬化前電解質組成物を調製する際、実施例1で用いたト
リメチロールプロパンエトキシレートトリアクリレート
の代わりに、連続したエチレンオキシドユニット数が平
均で4.7のトリメチロールプロパンエトキシレートト
リアクリレート(ヘンケル社製、商品名フォトマー41
58)を用い、それ以外は実施例1と同様の手法により
電池を2個作製した。実施例1と同様に充放電サイクル
試験を行い、初回サイクル時の放電容量に対する50回
サイクル後の放電容量を求めたところ、2個の電池のう
ち一方は84.9%であり、他方は79.7%であっ
た。
【0045】実施例2 硬化前電解質組成物を調製する際、ソルライト(三菱化
学社製、プロピレンカーボネートとエチレンカーボネー
トの等重量混合液にLiClO4 を1mol/Lの濃度
となるように溶解させたもの)の支持電解質をLiCl
4 からLiPF6 に変え、それ以外は実施例1と同様
の手法により電池を作製した。実施例1と同様に充放電
サイクル試験を行い、初回サイクル時の放電容量に対す
る20回サイクル後の放電容量を求めたところ、95.
8%であった。
【0046】比較例2 硬化前電解質組成物を調製する際、連続したエチレンオ
キシドユニット数が平均で4.7のトリメチロールプロ
パンエトキシレートトリアクリレート(ヘンケル社製、
商品名フォトマー4158)を用い、さらにソルライト
(三菱化学社製、プロピレンカーボネートとエチレンカ
ーボネートの等重量混合液にLiClO 4 を1mol/
Lの濃度となるように溶解させたもの)の支持電解質を
LiClO4 からLiPF6 に変え、それ以外は実施例
1と同様の手法により電池を作製した。実施例1と同様
に充放電サイクル試験を行い、初回サイクル時の放電容
量に対する20回サイクル後の放電容量を求めたとこ
ろ、90.0%であった。以上の結果を下記の表に比較
表示した。
【0047】
【表1】 TMPEOTA; トリメチロールプロパンエトキシレートトリアクリレート
【0048】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のリチウム
二次電池においては、平均で4.5以下の連続したオキ
シアルキレンユニットを有する多官能モノマーを重合さ
せたポリマーを高分子ゲル電解質成分として用いること
によりサイクル特性が大幅に向上すると共に、電池性能
のバラツキを小さくすることが可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/109 C08K 5/109 C08L 33/14 C08L 33/14 55/00 55/00 // H01M 6/18 H01M 6/18 E Fターム(参考) 4J002 BE041 BG071 DE196 DH006 DK006 ED027 EH007 EV256 EV266 FD206 FD207 GQ00 4J011 PA06 PA08 PA09 PA10 PA14 PA26 PA30 PB40 PC02 PC08 QA03 QA13 QA17 QA19 QA20 QA39 QB16 QC01 QC10 SA01 SA21 SA41 SA76 UA01 WA10 XA02 4J027 AC03 AC04 AC06 AC07 AC09 AJ02 AJ08 BA07 BA17 BA20 BA21 CB03 CB10 CC02 CC05 CD00 5H024 AA02 AA12 DD09 EE02 EE06 EE07 EE09 FF15 FF16 FF18 FF19 FF23 FF31 GG01 GG08 HH01 5H029 AJ02 AJ05 AK02 AK03 AK05 AK16 AK18 AL01 AL02 AL04 AL06 AL11 AL12 AM03 AM04 AM05 AM07 AM16 DJ04 EJ12 HJ01 HJ02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Li塩及び溶媒をポリマーに含有させて
    なる高分子ゲル電解質であって、該ポリマーが、平均で
    4.5以下の連続したオキシアルキレンユニットを有す
    る3官能以上のモノマーを含むモノマー成分を重合する
    ことにより得られ、且つ、高分子ゲル電解質中の該ポリ
    マー含量が20重量%以下であることを特徴とする高分
    子ゲル電解質。
  2. 【請求項2】 高分子ゲル電解質中のポリマー含量が、
    1重量%以上であることを特徴とする請求項1に記載の
    高分子ゲル電解質。
  3. 【請求項3】 モノマー成分が、更に2官能モノマーを
    含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の高分
    子ゲル電解質。
  4. 【請求項4】 2官能モノマーが、ポリエチレングリコ
    ールジアクリレート及び/またはポリエチレングリコー
    ルジメタクリレートであることを特徴とする請求項3に
    記載の高分子ゲル電解質。
  5. 【請求項5】 3官能以上のモノマーが、トリメチロー
    ルプロパンエトキシレートトリアクリレート、トリメチ
    ロールプロパンエトキシレートトリメタクリレート及び
    グリセロールエトキシレートトリアクリレートからなる
    群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする
    請求項1乃至4の何れかに記載の高分子ゲル電解質。
  6. 【請求項6】 リチウム塩が、LiPF6 、LiClO
    4 、LiBF4 、CF3 SO3 Li、及び(CF3 SO
    22 NLiからなる群から選ばれた少なくとも1種で
    あることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の
    高分子ゲル電解質。
  7. 【請求項7】 溶媒が、プロピレンカーボネート、エチ
    レンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカ
    ーボネート、メチルエチルカーボネート、ジメトキシエ
    タンからなる群から選ばれた少なくとも1種であること
    を特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の高分子ゲ
    ル電解質。
  8. 【請求項8】 正極と負極との間に多孔膜及び請求項1
    乃至7の何れかに記載の高分子ゲル電解質を存在させる
    ことを特徴とするリチウム二次電池。
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