JP3109497B2 - リチウム二次電池およびその製造方法 - Google Patents
リチウム二次電池およびその製造方法Info
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Description
ム二次電池に関し、詳しくは非水系電解液特に高分子電
解質膜を用いるリチウム二次電池に用いられる電極およ
びその製造方法、並びにそれを用いた二次電池に関す
る。
活物質としてリチウムイオンが出入り可能な金属酸化物
を用い、負極活物質としてリチウムメタルあるいはリチ
ウムイオンが出入り可能なカーボンを用い、電解質とし
て高分子電解質膜を用いたリチウムポリマー二次電池に
対して、大きな期待が寄せられている。
は完全固体の高分子電解質膜を用いているために漏液の
心配が少ないこと、減圧封入を行った際も気泡の発生が
少ないということ等から、従来の金属外装材に代えて、
薄型化に有利なラミネートフィルムを利用することが可
能になるという利点を有する。
正極あるいは負極に粒子状の活物質を用いたものにおい
ては、正極あるいは負極としては以下のような構成が知
られている。
膨潤したビニリデンフロライド−ヘキサフルオロプロピ
レン共重合体(以下VdF−HFP共重合体)からなる
イオン伝導性ゲルで活物質粒子を結着させた構成の正極
及び負極が開示されている。これは、VdF−HFP共
重合体、活物質粒子、電解液、及び低沸点溶媒からなる
混合物を、集電体上に塗布し、低沸点溶媒を蒸発させる
ことにより作製される。
いては、電解液で膨潤したエチレンオキサイド系網目ポ
リマーからなるイオン伝導性ゲルで活物質粒子を結着さ
せた構成の正極及び負極が開示されている。これは、エ
チレンオキサイドユニットとアクリロイル基とを有する
モノマー、電解液、及び活物質粒子からなる混合物を、
集電体上に塗布し、放射線照射によりモノマーを重合さ
せてゲル化することにより作製される。
物質からなる正極あるいは負極を用いたリチウムポリマ
ー二次電池において、活物質粒子間のイオン伝導路にゲ
ル状のイオン伝導体が充填された構成である。しかしな
がら従来公知のこれらの構成には、次のような問題点が
ある。
物質粒子を結着させているものはVdF−HFP共重合
体と電解液からなるイオン伝導性ゲルであるため、活物
質粒子に対するイオン伝導性ゲルの量が少ないと、活物
質粒子の結着が不十分となる。活物質粒子の結着が不十
分であると、充放電を繰り返したり、電池全体に曲げの
力が繰り返し加わった際に、活物質粒子同士が離れ電気
的に孤立して容量低下を引き起こしたり、活物質層が集
電体から剥離して電池の内部抵抗が増大する等の問題を
生ずる。一方、活物質粒子に対するイオン伝導性ゲルの
量が多すぎると、電極中の活物質粒子の密度が減少し、
体積当たりのエネルギー密度が低くなるというデメリッ
トを生ずる。またこの場合、活物質粒子間の電気的接触
が取りにくくなるため、補助導電材を大量に添加しなけ
ればならなくなり、それにより相対的に電極中の活物質
粒子の密度が減少し、体積当たりのエネルギー密度が低
くなる。
の構成においても、活物質粒子を結着させているものは
エチレンオキサイド系網目ポリマー及び電解液からなる
イオン伝導性ゲルであるため、上記と同様、活物質粒子
に対するイオン伝導性ゲルの量が多い場合も少ない場合
もそれぞれ問題を生じる。また、エチレンオキサイド系
ポリマーは、非水系溶媒が無くともリチウム塩を固溶さ
せることができ、イオン伝導路とすることができるの
で、ゲルではなく非水系溶媒を含まない完全固体のエチ
レンオキサイド系ポリマーで活物質粒子を結着させて原
理的には電池電極として作動させることが可能である。
この場合活物質粒子を強固に結着させることができる。
しかし完全固体のエチレンオキサイド系ポリマーのイオ
ン導電率はゲルに比べて非常に低いため電極の界面抵抗
が高くなり実用的な電池は得られにくい。そのため実用
性を考慮した場合、ゲルを用いざるを得ない。
活物質粒子を強固に結着させることと、活物質粒子を高
密度に結着させることの両立が難しかった。
なされたもので、粒子状の活物質からなる正極あるいは
負極(以下まとめて電極と呼ぶ)において、電極の活物
質が強固にかつ高密度に結着しており、その空隙にゲル
状のイオン伝導体が形成された電極を提供するものであ
り、二次電池に用いた場合に、繰り返し充放電や曲げの
力に対して電池特性の劣化が少なく、かつ体積エネルギ
ー密度が大きいリチウム二次電池用電極を提供すること
を目的とする。また、繰り返し充放電や曲げの力に対し
て電池特性の劣化が少なく、かつ体積エネルギー密度が
大きいリチウム二次電池を提供することを目的とする。
子を結着させる工程と、活物質粒子間のイオン伝導路に
ゲル状のイオン伝導層を充填する工程を別工程とした、
特定の製造方法により電極を作製することにより、上記
課題を解決できることを見出し、本発明に至った。
が可能な活物質粒子の結着体と、この結着体の空隙に充
填されたポリマーゲル組成物からなるイオン伝導層とを
有し、前記ポリマーゲル組成物は、マトリクスポリマー
と、非水系溶媒と、リチウム塩とを含み、前記マトリク
スポリマーは、同一分子内に重合性反応基を2つ以上有
する少なくとも1種類のモノマーを含むモノマーの重合
体からなるリチウム二次電池用電極を正極または負極の
少なくとも一方に備えるリチウム二次電池であって、正
負極間に、高分子電解質膜を有し、この高分子電解質膜
が、非水系溶媒及びリチウム塩を含有するフッ化ビニリ
デン系重合体からなる薄膜であるリチウム二次電池に関
する。
スポリマーを1〜40重量%含むことが好ましい。
ート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネー
ト、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート
およびγ―ブチロラクトンからなる群より選ばれる少な
くとも1種以上の溶媒からなることが好ましい。
剤として用いて前記活物質粒子を結着したものであるこ
とが好ましい、さらに、前記結着体の空隙に対する前記
イオン伝導層の充填率は、90%以上であることが好ま
しい。
リチウムイオンの吸蔵放出が可能な活物質粒子を結着し
て結着体を形成する工程と、この結着体の空隙にモノマ
ーとリチウム塩と非水系溶媒とを含むモノマー混合液を
含浸させる工程と、前記モノマー混合液を含浸させた結
着体とポリマーゲル電解質からなる高分子電解質膜とを
密着させて加圧した状態で加熱して重合反応を行わせ、
それにより、前記結着体の空隙にポリマーゲル組成物か
らなるイオン伝導層を形成すると同時に、前記モノマー
の重合体と前記高分子電解質が混合した層を形成する工
程とを有する。
高分子電解質膜とを密着させる際に、予め前記高分子電
解質膜にモノマーを含ませておくことが、好ましい。
基を2つ以上有する少なくとも1種類のモノマーからな
ることが好ましい。
チウム塩を含有するフッ化ビニリデン系重合体からなる
薄膜であることが好ましい。
て製造されることが好ましい。
れる。
すでに強固に結着しており、その空隙にフリーな液体の
無いゲル状のイオン伝導層を形成することができること
から、繰り返し充放電や曲げの力に対して特性の劣化が
少なく、かつ体積エネルギー密度が大きい電極が得られ
る。
導層を形成する方法としては、モノマーではなくポリマ
ーの溶液を含浸する方法も考えられるが、この方法に比
べ本発明ではモノマーを含む混合液の粘度は低く、より
スムーズに粒子間の空隙に含浸でき、より高密度に結着
された活物質粒子間の微細な空隙にも含浸できるという
利点がある。さらに、ポリマーを溶解させる場合に良く
用いられる低沸点有機溶媒が本発明では不要であるた
め、電池動作に不要な溶媒が残存するという問題もな
い。
いる方法では、光、放射線などを用いた重合方法に比
べ、活物質粒子間の狭い空隙の奥まで均一に重合反応を
行わせることができる。それにより、繰り返し充放電や
曲げの力に対して特性の劣化がより少ない電極が得られ
る。
のマトリクスポリマーを構成するモノマーとして、同一
分子内に重合性反応基を2つ以上有する少なくとも1種
類のモノマーを、用いることにより、活物質粒子結着体
の空隙に、ゲル状であり流動性が無いながらも溶媒保持
性が優れリチウムイオン伝導度の高いイオン伝導層を形
成することができるため、繰り返し充放電を行ったり曲
げの力を加えた場合でも非水系溶媒が他の場所へ流れ出
すことがなく、劣化がより少ない電極が得られる。
を用いた二次電池では、上述したように優れた電極を正
極または負極として用いているので、繰り返し充放電や
曲げの力に対する特性の劣化を低減することができる。
電極で、結着体の空隙に対する前記イオン伝導層の充填
率を90%以上としておくと、電極活物質粒子結着体の
細孔の奥まで充放電に利用されるので、エネルギー密度
の高い二次電池とすることができる。また特に、減圧封
止を行う二次電池の場合には、減圧の際に電極活物質粒
子結着体の空隙において気泡の発生が抑えられ、繰り返
し充放電を行っても膨れが起きず、繰り返し充放電によ
る特性劣化が少ない二次電池が得られる。
おいて、高分子電解質膜として非水系溶媒及びリチウム
塩を含有するフッ化ビニリデン系重合体からなる薄膜を
用いると、高分子電解質膜と電極の密着性が向上し、電
極と高分子電解質膜との界面において剥がれが起きにく
くなり、繰り返し充放電や曲げの力に対して電池特性の
劣化がより少ない二次電池が得られる。
る。
が可能な活物質粒子としては、正極に用いる場合と、負
極に用いる場合によって異なり、正極に用いるものとし
ては金属酸化物粒子が好ましく、特に、LiMnO2、
LixMn2O4(0<x<2)等のマンガン酸リチウ
ム、スピネル構造を有するマンガン酸リチウム、MnO
2、LiCoO2、LiNiO2、またはLixV2O5(0
<x<2)が好ましい。このうち複数を組み合わせて用
いても良い。
以下、さらに好ましくは30μm以下である。また、粒
径が小さすぎても結着体を形成しにくくなるので、通常
0.5μm以上が用いられる。
鉛、石炭・石油ピッチを高温で熱処理して得られる黒鉛
化炭素のような結晶質カーボン、石油ピッチコークス、
石炭ピッチコークス、アセナフチレンピッチコークスを
熱処理して得られる非晶質カーボン等の粒子等が例とし
て挙げられる。
μm以下、さらに好ましくは30μm以下であり、ま
た、粒径が小さすぎても結着体を形成しにくくなるの
で、通常0.5μm以上が用いられる。
物質粒子同士が強固に結着しているものであり、結着剤
を用いて結着させて得られたものが好ましい。
ましく、例えばポリフッ化ビニリデン、ビニリデンフロ
ライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ビニリデ
ンフロライド−テトラフルオロエチレン共重合体、スチ
レン・ブタジエン共重合ゴム、ポリテトラフルオロエチ
レン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド等を
挙げることができる。このうち特にポリフッ化ビニリデ
ン、スチレン・ブタジエン共重合ゴム、ポリイミドが好
ましい。
質粒子を結着させるには、樹脂バインダーの有機溶剤溶
液に活物質粒子を分散させてスラリーを調製し、キャス
ト法、ドクターブレード法等により集電体上に塗布する
方法が挙げられる。この場合の有機溶剤としては、例え
ば樹脂バインダーとしてポリフッ化ビニリデンを用いた
場合、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセトア
ミド、ジメチルホルムアミド等が好適に用いられる。
シュが挙げられる。中でも正極の場合はアルミニウム
箔、負極の場合は銅箔が好ましい。
は、スラリー中の樹脂バインダーの量の2倍〜30倍の
重量であることが好ましい。2倍以下であると、樹脂バ
インダーが有機溶媒に均一に溶解せずスラリーがゲル化
してしまい塗布しにくくなる。30倍以上であると、活
物質粒子が沈降してしまい均一膜が塗布しにくくなる。
またスラリーから有機溶媒を除いた活物質粒子および樹
脂バインダーからなる固形分中、全固形分に対し活物質
粒子は70〜99.9重量%であることが好ましく、樹
脂バインダーは30〜0.1重量%であることが好まし
い。活物質粒子に対し樹脂バインダーが少なすぎると、
充分な結着力が得られない。活物質粒子に対し樹脂バイ
ンダーが多すぎると、活物質粒子の全表面を厚く覆って
しまうため、リチウムイオンが活物質粒子に到達しにく
くなったり、活物質粒子中のリチウムイオンが放出しに
くくなる上、粒子間の空隙が狭くなりすぎて、活物質粒
子を樹脂バインダーにより結着させた後モノマー等を導
入する際に充分な量のモノマー等が導入できず、本発明
の効果が得られにくい。
アセチレンブラック等の適当な炭素質微粒子からなる導
電付与剤、またはポリアニリン誘導体、ポリピロール誘
導体、ポリチオフェン誘導体等の導電性ポリマーをスラ
リーに添加して電極を形成してもよい。
の活物質粒子の結着体の空孔率は、好ましくは1%〜7
0%、さらに好ましくは5%〜50%である。この空孔
率が小さすぎると、活物質粒子の結着体にモノマー等を
導入する際に充分な量のモノマー等が導入できず、本発
明の効果が得られにくい。またこの空孔率が大きすぎる
と、相対的に電極中の活物質粒子の密度が小さくなるの
で二次電池の充放電容量が小さくなり、好ましくない。
この空孔率は、活物質粒子の粒径や、樹脂バインダーの
種類、あるいはこれら以外の添加物の種類や添加量に依
存する。例えば、樹脂バインダーが多すぎると、粒子間
が樹脂バインダーで埋まってしまい、空孔率が小さくな
りすぎることがある。
の結着体の全体としてのマクロ的な体積(バルクとして
の見かけの体積)の内、活物質粒子などの粒子が占める
ミクロなレベルでの体積を引いた残りの体積の占める割
合である。
ような活物質の結着体の空隙にポリマーゲル組成物から
なるイオン伝導層が充填されている。ポリマーゲル組成
物は、マトリクスポリマーと、非水系溶媒と、リチウム
塩とを含む。この際、ポリマーゲル組成物中に含まれる
マトリクスポリマーの割合は、1〜40重量%、好まし
くは3〜10重量%である。マトリクスポリマーを構成
するモノマー単位、非水系溶媒、リチウム塩は後述する
ようなものである。
は、ポリマーゲル組成物において、非水系溶媒の流動を
抑えて保持するためのフレームとしての役割をなすポリ
マーのことである。即ち、ポリマーゲル組成物中で、
(1)マトリクスポリマーが膨潤した状態であって分子
レベルでポリマーが非水系溶媒を包含しているゲル状で
ある場合、(2)マトリックスポリマーと非水系溶媒が
固相と液相とに分離している場合、(3)さらにその中
間的な状態である場合が挙げられる。ここで、(2)の
マトリックスポリマーと非水系溶媒が固相と液相とに分
離している場合は、マトリックスポリマーは多孔質状構
造をとる。(3)の中間的な状態では、マトリックスポ
リマーが、ポリマーゲル組成物中で固相として存在する
領域と膨潤してゲル状になっている領域が存在し、この
場合さらに、非水系溶媒が単独の液相を形成している場
合と単独の液相を形成していない場合がある。このよう
な状態の中で、(1)の場合と(3)の場合が好まし
く、特に(1)の場合が好ましい。
導層は、活物質粒子結着体の空孔率から求めた空孔体積
に対する割合(以下イオン伝導層充填率)として、90
%以上になることが好ましい。イオン伝導層充填率が少
ない場合は、活物質粒子結着体の内部に気泡が残存する
ことになり、充放電効率の低下の原因になる。特に、二
次電池をラミネートフィルムにより減圧封止する場合に
はその際に気泡の拡大が起き、充放電効率がさらに低下
する原因になる。
な方法を用いることにより容易に製造することができ
る。
隙にモノマーとリチウム塩と非水系溶媒とを含むモノマ
ー混合液を含浸させた状態で重合させることで、この結
着体の空隙にポリマーゲル組成物からなるイオン伝導層
を形成することができる。
を含むモノマー混合液を含浸させた状態で重合させて、
この結着体の空隙にポリマー層を形成した後、リチウム
塩を含む非水系溶媒に浸漬して、ポリマーゲル組成物か
らなるイオン伝導層を形成することができる。この浸漬
工程により、リチウム塩と非水系溶媒がポリマー層内に
導入される。この際、結着体の空隙に形成されるポリマ
ー層は、リチウム塩を含む非水系溶媒に浸漬したときに
前述のようなポリマーゲル組成物となるものであればよ
く、リチウム塩を含む非水系溶媒に浸漬することにより
溶媒の交換によってリチウム塩のみが添加される場合の
他に、ポリマー層が当初固体状であって非水系溶媒によ
りポリマー層が例えば膨潤して前述のようなポリマーゲ
ル組成物となる場合も含むものである。
未反応モノマー、残留水分などの不要な成分が低減除去
できるという利点がある。また、モノマーの重合工程の
後でリチウム塩を導入するので、この方法はリチウム塩
として熱に弱いリチウム塩を用いた場合に都合がよい。
を導入する方法として、結着体をモノマー混合液中に浸
漬して引き上げる方法、結着体の上にモノマー混合液を
塗布する方法等が挙げられる。浸漬または塗布の際に、
系を減圧にして結着体の細孔中の気泡を除去することに
より、モノマー混合液が結着体中の空隙に浸透するの
で、最終的な電極のイオン伝導層充填率を高くすること
ができる。
可能なものであれば特に制限はないが、同一分子内に重
合性反応基を2つ以上有するモノマーを少なくとも含む
ことが好ましい。その理由は、非水系溶媒の存在下で重
合反応を行わせた場合、流動性がほとんど無く溶媒保持
性に優れたポリマーゲル組成物からなるイオン伝導層が
得られるからである。
クリロイル基であることが好ましい。モノマーの例とし
て、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロ
パントリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコー
ル変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレングリコール変性ペンタエリスリトール
テトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド付加
ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート等を挙げるこ
とができる。これらは組み合わせて同時に用いて共重合
体としても良い。
上記の多官能性化合物と組み合わせても良い。特に、ア
ミド基、カーボネート基及びオキシアルキレン基を持つ
モノマーと組み合わせれば、非水系溶媒の存在下で重合
させた場合に、非水系溶媒保持性が優れたゲルが得られ
る。
て、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N
−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリ
ドン;カーボネート基を有するモノマーとして、エチレ
ングリコールエチルカーボネート(メタ)アクリレー
ト、ビニレンカーボネート、エチレンカーボネート(メ
タ)アクリレート;オキシアルキレン基を有するモノマ
ーとして、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリ
レート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリ
レート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アク
リレート、メトキシポリエチレングリコールビニルエー
テル、エトキシエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等が
挙げられる。その他にもメチル(メタ)アクリレート、
エチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)
アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラクト
ン(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、
アルキルビニルエーテル等も用いることができる。これ
らを組み合わせて同時に用いて共重合体としても良い。
以下であることが好ましい。その理由は、分子量が高す
ぎるとモノマーの粘度が高くなるために、活物質粒子の
結着体の空隙に導入する際に細孔の奥深くまで含浸しに
くくなるためである。
しては、LiPF6、LiClO4、LiBF4、LiC
F3SO3、Li(CF3SO2)2N、Li(C2F5S
O2)2N、Li(CF3SO2)3C、Li(C2F5S
O2)3C等が挙げられる。これらを複数組み合わせて用
いても良い。
は、リチウム塩を解離させうるものが好ましく、また揮
発しにくい方が好ましい。中でも、エチレンカーボネー
ト、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、
ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、γ
―ブチロラクトンから選ばれる少なくとも1つであるこ
とが好ましい。その他にも、例えばテトラヒドロフラ
ン、ジオキソラン、スルホラン、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリド
ンなどを用いてもよい。これらは単独で用いてもよく、
複数を組み合わせて用いてもよい。上記のような揮発し
にくい非水系溶媒を用いると、加熱重合の際に溶媒の揮
発が無く、体積変化が抑えられるので、モノマー混合液
での非水系溶媒の含有率をそのまま変化させずにポリマ
ーゲル組成物を形成することができる上、イオン伝導層
充填率の低下も防ぐことができる。
含浸させた後に重合反応を行わせるが、この方法として
は、加熱重合が好ましい。この際、モノマーに対して
0.01〜10mol%の加熱重合開始剤を上記混合液
に添加しておくと重合時間を短縮できる。加熱重合開始
剤の例としては、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾ
イルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイ
ド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオ
キシネオデカノエート、t−ヘキシルパーキシピバレー
ト、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエー
ト、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシ
ジカーボネート等が挙げられる。
負極の少なくとも一方の電極にこのような活物質粒子の
結着体の空隙にポリマーゲル組成物からなるイオン伝導
層が充填された電極を用いて、正極と負極の間に高分子
電解質膜を用いるものである。
に、上記の重合を行って結着体の空隙にゲル状ポリマー
を形成しても良いが、前記の加熱重合開始剤を、モノマ
ー混合液の方ではなく、高分子電解質膜の方に含ませて
おき、モノマー混合液を含浸した正極または負極と高分
子電解質膜を密着させることによって加熱重合開始剤を
正極内あるいは負極内に拡散させて、その後に加熱する
方法を用いてもよい。こうすれば、正極あるいは負極に
含浸するためのモノマー混合液を、寿命の長い安定な混
合液とすることができ、調製後の保存や貯蔵に都合がよ
い。
含ませている場合でも、高分子電解質膜と密着させてか
ら重合させて、活物質の結着体の空隙にポリマーゲル組
成物からなるイオン伝導層を形成するようにしても良
い。高分子電解質と密着させてから重合させる方法につ
いては後述する。
例としては、ポリマーゲル電解質が好ましい。中でも非
水系溶媒およびリチウム塩を含有するフッ化ビニリデン
系重合体からなる薄膜が好ましい。フッ化ビニリデン系
重合体の例としては、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビ
ニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化
ビニリデン−エチレン共重合体、フッ化ビニリデン−モ
ノフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリ
フルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−テトラ
フルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサ
フルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン三元共重
合体等が挙げられる。これらを複数混合して用いても良
い。
は非水系溶媒およびリチウム塩を含有するアクリロニト
リル系重合体からなる薄膜でもよい。アクリロニトリル
系重合体の例としては、アクリロニトリル−メチルメタ
クリレート共重合体、アクリロニトリル−メチル(メ
タ)アクリレート共重合体、アクリロニトリル−エチル
メタクリレート共重合体、アクリロニトリル−エチル
(メタ)アクリレート共重合体、アクリロニトリル−メ
タクリル酸共重合体、アクリロニトリル−アクリル酸共
重合体、アクリロニトリル−ビニルアセテート共重合体
等が挙げられる。
の含有量としては、好ましくは10〜90重量%、さら
に好ましくは50〜75重量%である。含有量が少なす
ぎると、高分子電解質膜のイオン導電率が低下し、電池
の内部抵抗を増大させることになる。また含有量が多す
ぎると、高分子電解質膜の力学強度が不足したり、液保
持性が不足し、好ましくない。この非水系溶媒として
は、前述のポリマーゲル組成物に含まれる非水系溶媒と
同じものを使用することができる。
上記に挙げた以外の材料からなる高分子電解質膜でもよ
く、ポリエチレンオキサイド、エチレンオキサイド−プ
ロピレンオキサイド共重合体、これらのアクリレート体
やメタクリレート体の重合体が非水系溶媒及びリチウム
塩を含むものでもよい。また、非水系溶媒を含まない完
全固体膜でもよい。また、不織布やポーラスセパレータ
に高分子電解質膜を担持させてもよい。
には、電極と高分子電解質を積層した後、プレスあるい
は熱プレスしてもよい。電極体をラミネート封止した後
電池全体に対してこれらを行ってもよい。これらの方法
により、電極表面の凹凸に高分子電解質膜が入り込み、
優れた密着性が得られる。特に、高分子電解質膜が非水
系溶媒およびリチウム塩を含有するフッ化ビニリデン系
重合体またはアクリロニトリル系重合体からなる薄膜で
ある場合、密着・加熱により電極表面の凹凸に高分子電
解質膜が良く入り込み効果が大きい。これは、これらが
熱可塑性のゲルであるためである。
着体を、重合反応させずにおいて、前述したように、高
分子電解質膜と積層する際に重合させても良く、高分子
電解質膜と密着させて高分子電解質膜と共に加熱して重
合反応を行わせることができる。重合の方法としては、
適度に加圧した状態で加熱する方法、熱プレスする方法
などが挙げられる。これらの方法により、電極表面の凹
凸に高分子電解質膜が入り込み、さらに、活物質粒子間
に導入したモノマーの一部が高分子電解質膜に拡散し、
それにより密着界面においてモノマーと高分子電解質膜
が混合した層が生成し、この状態で重合反応を行わせる
ことによりモノマーの重合体と高分子電解質膜が混合し
た層が形成され、優れた密着性が得られる。
系重合体またはアクリロニトリル系重合体が非水系溶媒
及びリチウム塩を含むものである場合、密着・加熱によ
り電極表面の凹凸に高分子電解質膜が良く入り込み、効
果が大きい。これは、これらが熱可塑性のゲルであるた
めである。
含ませておくことも好ましく、電極を高分子電解質膜に
密着させた状態で電極および電解質膜を加熱した時に、
高分子電解質膜の内部と電極の活物質粒子間とで連続し
て結合したポリマーが形成され、さらに強い密着性が得
られる。
としては、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、
N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニル
ピロリドン、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、α−(メタ)アクリロイルオキシ−
β,β−ジメチル−γ−ブチロラクトン、エチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メ
タ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリ
レートなどの、分子量をカルボニル基で割った値が小さ
いもの、特にこの値が130以下であるモノマーを用い
て、高分子電解質膜としてフッ化ビニリデン系重合体を
用いた場合、モノマーの重合体とフッ化ビニリデン系重
合体の相溶性が良好であるため、さらに良好な密着性が
得られる。
ポリマーが良く混ざり合った層ができ、さらに良好な密
着性が得られる。また特にモノマーの重合を電極と電解
質膜を貼り合わせた状態で行うことにより、界面に両者
のポリマーがさらに良く混ざり合った層ができ、さらに
良好な密着性が得られる。
極を正極に用い、負極としてリチウム金属系負極を用い
た二次電池とすることもできる。リチウム金属系負極の
例としては、リチウム金属箔、リチウム−アルミニウム
合金箔等が挙げられる。これらの箔を銅箔に貼り合わせ
た構成でも良い。
説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもので
はない。
酸リチウム粉末、炭素質導電性付与剤、ポリフッ化ビニ
リデン、N―メチル−2−ピロリドンを混合、分散し、
よく攪拌して電極スラリーとした。この電極スラリーを
ドクターブレード法により、電極集電体となる厚さ20
μmのアルミニウム箔の片面に均一に塗布し、100℃
で2時間真空乾燥させた。このときの塗膜の付着重量は
35mg/cm2であった。次にロールプレスを行っ
て、電極集電体に接着した電極活物質粒子結着体を得
た。この電極活物質粒子結着体の空孔率は、スピネル構
造を持つマンガン酸リチウム粉末、炭素質導電性付与
剤、およびポリフッ化ビニリデンの真密度と上記の塗膜
付着重量と膜厚から計算したところ、25%であった。
これを、1.5cm×1.5cmの正方形に切り出し
た。
(共栄社化学(株)、商品名:ライトエステル1・6H
X)2重量部、N−ビニルピロリドン6重量部、LiP
F6を3.2重量部、エチレンカーボネート14.4重
量部、プロピレンカーボネート14.4重量部、および
アゾビスイソブチロニトリル0.23重量部を混合し良
く攪拌した。この混合溶液をシャーレに注ぎ、混合溶液
中に上記の電極集電体/電極活物質粒子結着体を浸漬し
減圧にして、混合溶液を電極活物質粒子結着体の活物質
粒子間に導入した。
とホットプレートで70℃1時間の条件で加熱すること
により、重合反応を行わせた。このようにして電極活物
質粒子結着体の活物質粒子間にゲル状のイオン伝導層を
形成させた。イオン伝導層の形成前後での電極集電体/
電極活物質粒子結着体の重量変化から、活物質粒子間に
形成したイオン伝導層の重量を求め、この値と予め測定
したイオン伝導層の比重から、活物質粒子間に形成した
イオン伝導層の体積を求めた。また上記で計算した電極
活物質粒子結着体の空孔率から空孔体積を求めた。イオ
ン伝導層の体積と空孔体積から計算したイオン伝導層充
填率は99%であった。また、電極活物質粒子は強く結
着しており、カッターナイフで軽くこすった程度では全
く剥がれが起きなかった。
した二次電池を以下のようにして作製した。図1は本発
明の製造方法の一実施例により作製した二次電池の模式
的断面図である。本実施例の電池は、図1に示すよう
に、正極集電体1の一方の面上に形成された正極層2と
負極集電体5の面上に形成された負極層4とが高分子電
解質膜3に密着して挟むようにして積層され、ラミネー
トフィルム6により外装された構造を有している。正極
層2は結着された活物質粒子と、この活物質粒子間に上
記の方法によって形成されたイオン伝導層とで構成され
ている。この二次電池はアルゴン雰囲気中で次のように
製造した。
負極層となる厚さ30μmのリチウム箔を張り合わせ、
1.5cm×1.5cmの正方形に切り出すことにより
負極集電体5および負極層4を作製した。
製した。フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン
共重合体(ヘキサフルオロプロピレン含有率:15重量
%、エルフジャパン(株)、kynar2751、分子
量約40万、以下VdF−HFP共重合体と呼ぶ)を3
0重量部、LiPF6を7重量部、エチレンカーボネー
ト31.5重量部、プロピレンカーボネート31.5重
量部、テトラヒドロフラン270重量部を混合してよく
攪拌し、均一な溶液を調製した。この溶液を、鏡面研磨
したステンレス板上に薄く塗布し、30分間放置してテ
トラヒドロフランを蒸発させてから、2cm×2cmの
正方形に切り出した。これにより、膜厚100μmの高
分子電解質膜を得た。
極層と、負極集電体/負極層を、高分子電解質膜に密着
して挟むようにして積層した。さらに正極集電体に厚さ
20μmのアルミニウム箔を細長く裁断して作製した正
極リードを接触させ、負極集電体に厚さ10μmの銅箔
を細長く裁断して作製した負極リードを接触させ、これ
らを外部に伸ばした状態で、アルミニウムラミネートフ
ィルムにより上記積層体を減圧下で熱融着封止した。最
後にアルミニウムラミネートフィルムの外側から40
℃、3kg、10分間の熱プレスを行い、本発明の二次
電池を完成させた。
レート2重量部、N−ビニルピロリドン6重量部、エチ
レンカーボネート14.4重量部、プロピレンカーボネ
ート14.4重量部、およびアゾビスイソブチロニトリ
ル0.23重量部を混合し良く攪拌した。この混合溶液
をシャーレに注ぎ、混合溶液中に実施例1で用いたもの
と同じ電極集電体/電極活物質粒子結着体を1.5cm
×1.5cmの正方形に切り出したものを浸漬し減圧に
して、混合溶液を電極活物質粒子結着体の活物質粒子間
に導入した。
クリップではさみ、ガラス板ごとホットプレートで70
℃1時間の条件で加熱することにより、重合反応を行わ
せた。このようにして電極活物質粒子結着体の活物質粒
子間にゲル層を形成させた。
を、LiPF6、エチレンカーボネート、プロピレンカ
ーボネートの重量比2:9:9の混合溶液に3日間浸漬
して、LiPF6をゲル層の内部に導入することによ
り、リチウムイオンを含むイオン伝導層とした。実施例
1と同様な計算を行って求めたイオン伝導層充填率は9
9%であった。電極活物質粒子は強く結着しており、カ
ッターナイフで軽くこすった程度では全く剥がれが起き
なかった。以下、実施例1と同様にして二次電池を完成
させた。
モノマー混合液を電極活物質粒子結着体の活物質粒子間
に導入した後、実施例1と同じ高分子電解質膜に貼り合
わせてから、これらをまとめてガラス板にはさみ、ガラ
ス板ごと熱プレス機で3kg・70℃・1時間の条件で
加熱することにより、重合反応を行わせた。以下、実施
例1と同様にして二次電池を完成させた。
うにして作製した。VdF−HFP共重合体を30重量
部、LiPF6を7重量部、エチレンカーボネート3
1.5重量部、プロピレンカーボネート31.5重量
部、テトラヒドロフラン270重量部、ヘキサンジオー
ルジメタクリレート2重量部、N−ビニルピロリドン6
重量部、アゾビスイソブチロニトリル0.23重量部を
混合してよく攪拌し、均一な溶液を調製した。この溶液
を、鏡面研磨したステンレス板上に薄く塗布し、30分
間放置してテトラヒドロフランを蒸発させてから、2c
m×2cmの正方形に切り出した。これにより、モノマ
ーおよび重合開始剤を含む膜厚100μmの高分子電解
質膜を得た。
らなる混合溶液を正極活物質粒子結着体の活物質粒子間
に導入した後、モノマーおよび重合開始剤を含む上記の
高分子電解質膜に張り合わせてから、これらをまとめて
ガラス板にはさみ、ガラス板ごと熱プレス機で3kg・
70℃・1時間の条件で加熱することにより、重合反応
を行わせた。以下、実施例1と同様にして二次電池を完
成させた。
び負極層を以下のようにして作製した。アモルファスカ
ーボン粉末、炭素質導電性付与剤、ポリフッ化ビニリデ
ン、およびN−メチル−2−ピロリドンを混合、分散
し、よく攪拌して負極スラリーとした。この負極スラリ
ーをドクターブレード法により、負極集電体となる厚さ
10μmの銅箔の片面に均一に塗布し、100℃で2時
間真空乾燥させた。このときの塗膜の付着量は19mg
/cm2であった。なお、負極層中のアモルファスカー
ボン粉末の含有量は、負極層の単位面積当たりの理論容
量と正極層の単位面積当たりの理論容量が等しくなるよ
うに調節した。
接着した負極活物質粒子結着体を得た。この負極活物質
粒子結着体の空孔率は、アモルファスカーボン粉末、炭
素質導電性付与剤、およびポリフッ化ビニリデンの真密
度と上記の塗膜付着量と膜厚から計算したところ、35
%であった。これを、1.5cm×1.5cmの正方形
に切り出した。次に実施例1で用いたものと同じモノマ
ー等からなる混合溶液を実施例1と同様にして負極活物
質粒子結着体の負極活物質粒子間に導入した。一方、同
じ混合溶液を同様に正極活物質粒子結着体の活物質粒子
間にも導入した。
/負極層を、高分子電解質膜に密着して挟むようにして
積層し、これらをまとめてガラス板にはさみ、ガラス板
ごと熱プレス機で3kg・70℃・1時間の条件で加熱
することにより、重合反応を行わせた。以下、実施例1
と同様にして二次電池を完成させた。
下のようにして作製した。スピネル構造を持つマンガン
酸リチウム粉末、炭素質導電性付与剤、VdF−HFP
共重合体、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネ
ート、テトラヒドロフランからなる正極スラリーを調製
し、ドクターブレード法により厚み20μmのアルミニ
ウム箔に薄く塗布し、30分間室温で放置してテトラヒ
ドロフランを蒸発させることにより、正極層を形成させ
た。正極スラリーの組成については、エチレンカーボネ
ート:プロピレンカーボネートの重量比は1:1に固定
し、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートの
合計とVdF−HFP共重合体の重量比は8:2に固定
した。これは、本発明の実施例におけるイオン伝導層中
の非水系溶媒含有量と条件を等しくするためである。
件をそろえるため、正極層の膜厚が実施例で用いた正極
層の膜厚と等しくなるように、また、テトラヒドロフラ
ン蒸発後の正極層に空孔が生じないように、また、正極
層をカッターナイフで軽くこすった際に剥がれが起きな
いように正極スラリーの組成を調節した。このようにし
て作製した正極集電体および正極層と、実施例1と同じ
負極集電体/負極層、実施例1と同じ高分子電解質膜を
用いて、実施例1と同様に二次電池を作製した。
リー中、テトラヒドロフランを除いた残りの成分に対す
るマンガン酸リチウム粉末の含有量を、実施例1での正
極スラリー中のN−メチル−2−ピロリドンを除いた残
りの成分に対するマンガン酸リチウム粉末の含有量と等
しくして、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネ
ート、VdF−HFP共重合体の重量比は比較例1と同
様に固定した上で、他の成分の組成を種々変えて正極ス
ラリーを調製して塗布・成膜したが、いずれも粒子の結
着力が弱く、カッターナイフでこすった際に剥がれが起
きないような組成条件を見出すことができなかった。そ
こで、種々条件の中で最もはがれにくい条件で作製した
正極集電体および正極層と、実施例1と同じ負極集電体
/負極層、実施例1と同じ高分子電解質膜を用いて、実
施例1と同様に二次電池を作製した。
〜2における二次電池の充放電容量と曲げ耐性を以下の
ように評価した。まず0.7mAで定電流充電を行い、
端子間電圧が4.2Vとなったところで定電圧充電に切
り替え、定電圧充電を3時間行った。次に0.7mAで
定電流放電を行い、端子間電圧が3Vとなったところで
放電を停止した。次に二次電池を軽く10回曲げ、再び
上記の充放電を行った。このようにして、初回の充放電
時の放電に要した時間と、軽く10回曲げた後の充放電
時の放電に要した時間から、それぞれ初期容量、曲げ試
験後容量を計算した。表1に実施例1〜5及び比較例1
〜2における二次電池の初期容量、曲げ試験後容量を示
す。
施例のいずれにおいても、従来型の比較例1および比較
例2と比較し、高い容量が得られていることがわかる。
また、曲げ試験後の容量に関しても、比較例では曲げ試
験によって容量が著しく低下するのに対し、本発明によ
る実施例ではいずれにおいても曲げ試験による容量の低
下はわずかであった。
ち、繰り返し充放電や曲げの力に対して電池特性の劣化
が少なく、かつ体積エネルギー密度が大きい二次電池が
得られる。その理由は、予め強固にかつ高密度に結着さ
せた活物質粒子結着体の空隙に、高いイオン伝導度を持
ちながらもフリーな液体の無いゲル状のイオン伝導層を
形成することができるからであり、また別の理由は、活
物質粒子結着体の空隙にイオン伝導層を形成した正極ま
たは負極と高分子電解質膜の密着性が良好となり、繰り
返し充放電を行ったり曲げの力を加えた場合でも正極ま
たは負極と電解質膜界面での剥がれが起きにくくなるか
らである。
次電池の模式的断面図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 リチウムイオンの吸蔵放出が可能な活物
質粒子の結着体と、この結着体の空隙に充填されたポリ
マーゲル組成物からなるイオン伝導層とを有し、前記ポ
リマーゲル組成物は、マトリクスポリマーと、非水系溶
媒と、リチウム塩とを含み、前記マトリクスポリマー
は、同一分子内に重合性反応基を2つ以上有する少なく
とも1種類のモノマーを含むモノマーの重合体からなる
リチウム二次電池用電極を正極または負極の少なくとも
一方に備えるリチウム二次電池であって、 正負極間に、高分子電解質膜を有し、この高分子電解質
膜が、非水系溶媒及びリチウム塩を含有するフッ化ビニ
リデン系重合体からなる薄膜であるリチウム二次電池。 - 【請求項2】 前記ポリマーゲル組成物は、前記マトリ
クスポリマーを1〜40重量%含むことを特徴とする請
求項1記載のリチウム二次電池。 - 【請求項3】 前記非水系溶媒は、エチレンカーボネー
ト、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、
ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネートおよ
びγ―ブチロラクトンからなる群より選ばれる少なくと
も1種以上の溶媒からなることを特徴とする請求項1ま
たは2記載のリチウム二次電池。 - 【請求項4】 前記結着体は、樹脂バインダーを結着剤
として用いて前記活物質粒子を結着したものである請求
項1〜3のいずれかに記載のリチウム二次電池。 - 【請求項5】 前記結着体の空隙に対する前記イオン伝
導層の充填率が90%以上であることを特徴とする請求
項1〜4のいずれかに記載のリチウム二次電池。 - 【請求項6】 リチウムイオンの吸蔵放出が可能な活物
質粒子を結着して結着体を形成する工程と、 この結着体の空隙にモノマーとリチウム塩と非水系溶媒
とを含むモノマー混合液を含浸させる工程と、 前記モノマー混合液を含浸させた結着体とポリマーゲル
電解質からなる高分子電解質膜とを密着させて加圧した
状態で加熱して重合反応を行わせ、それにより 、前記結
着体の空隙にポリマーゲル組成物からなるイオン伝導層
を形成すると同時に、前記モノマーの重合体と前記高分
子電解質が混合した層を形成する工程と を有するリチウ
ム二次電池の製造方法。 - 【請求項7】 前記結着体と前記高分子電解質膜とを密
着させる際に、予め前記高分子電解質膜にモノマーを含
ませておく請求項6記載のリチウム二次電池の製造方
法。 - 【請求項8】 前記モノマー混合液が、モノマーと非水
系溶媒を含む混合液である請求項6または7記載のリチ
ウム二次電池の製造方法。 - 【請求項9】 前記モノマーは、同一分子内に重合性反
応基を2つ以上有する少なくとも1種類のモノマーから
なる請求項6〜8のいずれかに記載のリチウム二次電池
の製造方法。 - 【請求項10】 前記高分子電解質膜が、非水系溶媒及
びリチウム塩を含有するフッ化ビニリデン系重合体から
なる薄膜である請求項6〜9のいずれかに記載のリチウ
ム二次電池の製造方法。
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