JP2000331712A - 高分子ゲル電解質を用いたリチウム二次電池 - Google Patents

高分子ゲル電解質を用いたリチウム二次電池

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JP2000331712A JP11137477A JP13747799A JP2000331712A JP 2000331712 A JP2000331712 A JP 2000331712A JP 11137477 A JP11137477 A JP 11137477A JP 13747799 A JP13747799 A JP 13747799A JP 2000331712 A JP2000331712 A JP 2000331712A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高負荷充放電でも優れたサイクル特性を示す
リチウム二次電池を提供する。 【解決手段】 アクリル系ポリマー、リチウム塩及び溶
媒を含有してなる高分子ゲル電解質を有するリチウム二
次電池において、該高分子ゲル電解質中に含まれるナト
リウムの量が、該ポリマー中のカルボニル基のα位の炭
素に結合している水素の0.01モル%以下であること
を特徴とするリチウム二次電池。該高分子ゲル電解質は
正極と負極との間の電解質層に含まれてもよく、活物質
と共に電極を構成してもよい。この電解質層は多孔状の
スペーサを有することが好ましく、該高分子ゲル電解質
はスペーサの少なくとも内部、とりわけスペーサの内部
と表面とに存在することが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高分子ゲル電解質
を用いたリチウム二次電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】リチウム電池の電解質として固体電解質
を用いることにより液漏れを抑制した電池の検討が広く
行われている。特に固体電解質の中でも高分子ゲル電解
質を用いた電池が高負荷放電に耐えうるという点で注目
されている。
【0003】高分子ゲル電解質はリチウム塩等の支持電
解質を非水系溶媒に溶解した電解液をポリマーによって
ゲル化することによって得ることができる。このような
高分子ゲル電解質に使用されるポリマーとしては、ポリ
エチレンオキシド(PEO)、ポリビニリデンフルオラ
イド(PVdF)、ポリアクリロニトリル(PAN)、
ポリエチレングリコールジアクリレート類の共重合体な
どが知られている。中でも、ポリエチレングリコールジ
アクリレートのようなアクリル系モノマーの重合体は、
モノマーからの重合速度が速いので、例えば、電解液に
モノマーを含有させた低粘度状態で塗布等の操作を行っ
た後、モノマーを重合させてゲルとすることができるの
で、生産性が高く特に有用なポリマーである(特公平7
−25838号公報)。
【0004】リチウム電池で使用される高分子ゲル電解
質は通常若干量のナトリウムを含有している。ゲル電解
質を構成する各材料に予めナトリウムが混入している場
合もあれば、モルキュラーシーブによる脱水処理等の操
作を行う際にモルキュラーシーブからナトリウムが混入
する場合もある。
【0005】特開平10―112315号公報には、正
極活物質であるリチウム遷移金属複合酸化物中に不純物
として混入するナトリウム量が2000ppm以上50
00ppm以下の場合にサイクル特性が向上することが
記載されているが、高分子ゲル電解質中に含まれるナト
リウム量と電池のサイクル特性との間の相関関係につい
ては記述されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、アク
リル系ポリマーを用いた高分子ゲル電解質を使用したリ
チウム二次電池において、高負荷充放電でも優れたサイ
クル特性を示すリチウム二次電池を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のリチウム二次電
池は、アクリル系ポリマー、リチウム塩及び溶媒を含有
してなる高分子ゲル電解質を有するリチウム二次電池に
おいて、該高分子ゲル電解質中に含まれるナトリウムの
量が、該ポリマー中のカルボニル基のα位の炭素に結合
している水素の0.01モル%以下であることを特徴と
するものである。
【0008】本発明者等は、上記の課題を解決すべく鋭
意検討した結果、アクリロイル基を有するモノマーを重
合することにより得られるポリマーをマトリックス成分
として含有する高分子ゲル電解質においては、含有する
ナトリウムの量をカルボニル基のα位の炭素に結合して
いる水素(通常、「α―水素」と呼ばれる。)に対して
0.01モル%以下にすることにより電池のサイクル性
能が大幅に改善されることを見出した。
【0009】この高分子ゲル電解質中のナトリウム量を
α―水素に対して0.01モル%以下にすることにより
電池のサイクル特性が向上する理由の詳細は必ずしも明
らかではないが、α―水素の引き抜きに起因する負極近
傍のゲル電解質の変質が抑制されるためであると推定さ
れる。
【0010】即ち、α―水素は弱酸性であり、塩基によ
り引き抜かれることが知られている。一方電解質中に含
有されたナトリウムは充電時に負極に析出する。ナトリ
ウムはリチウムに比べて塩基性が高いためにα―水素を
引き抜きやすい。α―水素の引き抜きにより生成したカ
ルボアニオンは、クライゼン縮合等の反応によりポリマ
ーを変質させ、ついには負極近傍のゲル電解質の崩壊を
招きサイクル特性の悪化を引き起こすものと考えられ
る。したがって、含有するナトリウム量をα―水素に対
して0.01モル%以下と微量にすることにより、ポリ
マーの変質が抑制され、優れたサイクル特性を持つリチ
ウム二次電池を提供することが可能になるものと推定さ
れる。
【0011】本発明のリチウム二次電池は、正極/電解
質層/負極の積層構造を有することが好ましい。高分子
ゲル電解質はこの電解質層に含有されることが好まし
い。高分子ゲル電解質は、また、正極及び/又は負極に
含有されていてもよい。高分子ゲル電解質を含む電解質
層としては、多数の空隙(空孔)を有した多孔性のスペ
ーサと、このスペーサの空隙中に存在する高分子ゲル電
解質とで構成されたものが例示される。正極、負極は、
箔状の集電体と、該集電体の表面に形成された活物質含
有層とを有するものが好ましい。この活物質含有層に活
物質と前記高分子ゲル電解質とが含まれていてもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい形態につ
いて詳述する。
【0013】本発明のリチウム二次電池で用いるアクリ
ル系ポリマーとしては、アクリロイル基を有するモノマ
ーを重合することにより得られるポリマーが好ましい。
このモノマーとしては、アクリロイル基を含有している
ものであれば特に限定はされないが、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリルア
ミド、2−エトキシエチルアクリレート、ジエチレング
リコールエチルエーテルアクリレート、ポリエチレング
リコールアルキルエーテルアクリレート、ポリプロピレ
ングリコールアルキルエーテルアクリレート、2―シア
ノエチルアクリレートなどモノアクリレート類、1、2
―ブタンジオールジアクリレート、1、3―ブタンジオ
ールジアクリレート、1、4―ブタンジオールジアクリ
レート、ネオペンタンジオールジアクリレート、1、6
―ヘキサンジオールジアクリレートなどのアルカンジオ
ールジアクリレート類、エチレングリコールジアクリレ
ート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチ
レングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコ
ールジアクリレートなどのポリエチレングリコールジア
クリレート類、プロピレングリコールジアクリレート、
ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレ
ングリコールジアクリレート、テトラプロピレングリコ
ールジアクリレートなどのポリプロピレングリコールジ
アクリレート類、ビスフェノールFエトキシレートジア
クリレート、ビスフェノールFエトキシレートジメタア
クリレート、ビスフェノールAエトキシレートジアクリ
レート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ト
リメチロールプロパンエトキシレートトリアクリレー
ト、トリメチロールプロパンプロポキシレートトリアク
リレート、イソシアヌル酸エトキシレートトリアクリレ
ート、グリセロールエトキシレートトリアクリレート、
グリセロールプロポキシレートトリアクリレート、ペン
タエリスリトールエトキシレートテトラアクリレート、
ジトリメチロールプロパンエトキリレートテトラアクリ
レート、ジペンタエリスリトールエトキシレートヘキサ
アクリレートなどが用いられる。これらのモノマーを2
種類以上使用してもよい。
【0014】本発明においては、アクリル系ポリマーと
して上記のモノマー成分と他のモノマー成分との共重合
体を用いることができる。即ち、モノマー成分として上
記のモノマーの他に別の構造を有するモノマーを共存さ
せて重合させてもよい。特に、メタクリロイル基、ビニ
ル基、アリル基等の不飽和二重結合を有する基を有する
モノマーを共存させると高分子ゲル電解質の強度及び保
液性が向上する場合がある。このようなモノマーとして
は、メタクリル酸メチル、メタクリルアミド、ブタジエ
ン、アクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビ
ニルなどの化合物が使用できる。
【0015】アクリロイル基を有するモノマーの全モノ
マーに対する存在率は特に限定されないが、通常50重
量%以上、特に80重量%であることが好ましい。上記
存在率が高い方が、重合速度が早く、ゲル電解質の生産
性を高めることができる点で有利である。
【0016】高分子ゲル電解質中のポリマー含量は、8
0重量%以下、特に50%以下、とりわけ20%以下で
あることが好ましい。ポリマー含量が多すぎると電解液
の濃度低下によりイオン伝導度が低下してレート特性な
どの電池特性が低下する傾向がある。また、ポリマーの
割合が少な過ぎる場合は、ゲルの形成が困難となり溶媒
の保持性が低下して流動及び液漏れの問題が生じる傾向
があるので、2重量%以上のポリマー含量とするのが好
ましい。
【0017】本発明で用いるリチウム塩としては、Li
PF6、LiAsF6、LiBF4、LiSbF6、LiA
lCl4、LiClO4、CF3SO3Li、C49SO3
Li、CF3COOLi、(CF3CO)2NLi、(C
3SO22NLi、(C25SO2)NLiなどのリチ
ウム塩が挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。特に溶媒に溶けやすく高い解離度を示すLiP
6、LiClO4、LiBF4、CF3SO3Li及び
(CF3SO22NLiからなる群から選ばれる少なく
とも一種は好適に用いられる。
【0018】リチウム塩の量は、高分子ゲル電解質の全
量に対して1重量%以上、特に5重量%以上であること
が好ましい。また、リチウム塩の量は30重量%以下、
特に20重量%以下であることが好ましい。リチウム塩
の量が少なすぎても多すぎてもイオン導電度は低下する
傾向にある。また、リチウム塩の液成分に対する濃度は
通常0.5〜2.5mol/L程度である。
【0019】本発明で用いる溶媒としては、リチウム塩
を溶解させる各種のものを用いることができるが、α―
水素を持たず、高いイオン導電性を発現させる溶媒とし
て、ジメチルカーボネート(DMC)、エチレンカーボ
ネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、プ
ロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート
(BC)、メチルエチルカーボネート(MEC)などの
アルキルカーボネート類、1,2−ジメトキシエタン、
テトラヒドロフランなどのエーテル類、あるいはこれら
の溶媒の混合液が好ましい。これらの溶媒に予め所定量
のリチウム塩を溶解させたものを用いてもよい。
【0020】γ―ブチロラクトン、酢酸メチルなどのα
―水素を有しているエステル類も溶媒として使用可能で
ある。このエステル系溶媒の量は、全溶媒全量に対して
30%重量以下、特に15%重量以下であることが好ま
しい。この場合、通常、エステル系溶媒間の反応が優先
されるので、ゲルを構成するマトリックスポリマーには
影響を与えない。
【0021】溶媒の高分子ゲル電解質全量に対する割合
は、30重量%以上、特に50重量%以上であることが
好ましく、また95重量%以下、特に90重量%以下で
あることが好ましい。溶媒が少なすぎるとイオン導電度
が低下し、多すぎると電解質の強度が弱くなる傾向にあ
る。
【0022】本発明の高分子ゲル電解質には、その他必
要に応じて他の成分を含有させることができる。例え
ば、電池としての安定性や性能、寿命を高めるために、
トリフルオロプロピレンカーボネート、ビニレンカーボ
ネート、カテコールカーボネート、スピロジラクトン、
12−クラウン−4−エーテル等の添加剤を使用でき
る。
【0023】高分子ゲル電解質の各原料は、予め脱水し
ておくのが好ましい。水分量は50ppm以下特に30
ppm以下が好ましい。水が多量に存在すると、水の電
気分解及びリチウム金属との反応、リチウム塩の加水分
解などが起こる可能性があり電池用の電解質として不適
当な場合がある。脱水の手段としては特に制限はない
が、モノマー、溶媒などの液体の場合はモレキュラーシ
ーブ等を用いればよい。またリチウム塩などの固体の場
合は分解が起きる温度以下で乾燥すればよい。
【0024】本発明で使用される高分子ゲル電解質中に
含まれるナトリウムの量は、ポリマー中のカルボニル基
のα位の炭素に結合している水素に対して、0.01モ
ル%以下、好ましくは0.08モル%以下である。高分
子ゲル電解質中のナトリウムの量を0.01モル%以下
とするために、ナトリウム含有量が極力少ない原料を使
用したり、原料や生成物をイオン交換樹脂にて処理した
りすることが望ましい。またモノマー、溶媒などの脱水
処理の際には理想的にはリチウム置換のモレキュラーシ
ーブを用いるのが望ましいが、非常に高価である。ナト
リウム型のモレキュラーシーブでも機械的な攪拌等を避
ければ使用可能である。脱水処理時に使用する容器の材
質はステンレス、ポリプロピレンなどのナトリウム溶出
の少ないものが好ましい。ガラスはナトリウムが溶出す
るので好ましくない。
【0025】Naがあまりに少ないのは、手間がかかる
割に効果の向上の割合が大きくならないので通常0.0
001モル%以上、好ましくは0.001モル%以上で
ある。また、Naの電解質中の量は通常1.5ppm以
下、好ましくは1.2ppm以下であり、通常0.01
ppm以上、好ましくは0.1ppm以上である。多す
ぎるとサイクル特性が悪化することがあり、少なすぎて
も効果が顕著に向上しない割に手間がかかる傾向にあ
る。
【0026】本発明における高分子ゲル電解質は、前記
のアクリル系ポリマー、リチウム塩、溶媒及び必要に応
じてその他の成分を含有する。この高分子ゲル電界質中
の溶媒は、ポリマーのネットワーク中に保持されてお
り、該高分子ゲル電界質は全体として流動性が著しく低
下している。このような高分子ゲル電解質は、イオン伝
導性などの特性は通常の電解液に近い特性を示すが、流
動性や揮発性などは著しく抑制されて安全性が高められ
ている。
【0027】高分子ゲル電解質を製造する方法には、L
i塩の存在下にモノマー成分を重合させる方法とLi塩
の非存在下でモノマー成分を重合させる方法とがある。
Li塩の存在下で重合させる方法においては、モノマ
ー、Li塩及び溶媒を含有する組成物(以下単に「電解
液」と呼ぶ場合がある)を重合させる。Li塩の非存在
下で重合させる方法では、モノマーを必要に応じ溶媒の
存在下で重合させて得られたポリマーに対してLi塩及
び溶媒を加えて加熱溶解させた後、冷却して硬化させ
る。
【0028】いずれの方法においてもモノマーを重合さ
せる際には、開始剤を加えることなく直接電子線やγ線
などの放射線を照射する方法、光増感剤等の紫外線重合
開始剤を添加して紫外線を照射する方法や有機過酸化物
などの熱重合開始剤を添加して加熱する方法、酸化還元
系の開始剤を用いたレドックス系常温硬化法などが適用
できる。特に紫外線照射法は低温重合が可能で硬化に要
する時間が短い点で、また熱硬化法は特別な装置を必要
とせず簡便である点で、好ましく用いられる。紫外線開
始剤としては、ベンゾイル、ベンジル、アセトフェノ
ン、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ビアセチル、ベ
ンゾイルパーオキサイド等が挙げられる。熱重合開始剤
としては、1,1−ジ(ターシャルブチルパーオキシ)
−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビ
ス−[4,4−ジ(ターシャルブチルパーオキシシクロ
ヘキシル)プロパン]、1,1−ジ(ターシャルブチル
パーオキシ)−シクロヘキサン、ターシャリブチルパー
オキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノネート、ター
シャリブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、
ベンゾイルパーオキサイド、2、2―アゾビスイソブチ
ロニトリル等が挙げられる。
【0029】なお、上記高分子ゲル電解質の製造は、水
分、酸素、二酸化炭素を極力排除した雰囲気で行うのが
望ましい。特に水分については前述のように注意が必要
である。また酸素及び二酸化炭素が組成物中に多量存在
すると重合する際に、これらの分子がポリマー鎖中に取
り込まれ電気化学的に不安定なマトリックスが形成され
る可能性がある。
【0030】上記高分子ゲル電解質は、リチウム二次電
池の電解質層に使用されるのが好ましい。また、活物質
と共に、電極の構成成分として使用することも有効であ
る。上記高分子ゲル電解質が電解質層にも使用され、且
つ正極及び/又は負極にも使用されることによって、サ
イクル特性にもレート特性にも著しく優れたリチウム二
次電池を得ることができる。
【0031】本発明のリチウム二次電池の基本的構成
は、従来公知の電池と同様であり、例えば、正極と負極
とが電解質層を介して積層されてなる単セルをケースに
収納した構成とされる。もちろん単セルをさらに積層し
てケースに入れることも可能である。
【0032】この正極及び負極について説明する。この
正極、負極は、集電体と、その上に形成された活物質及
び電解液を含有する活物質含有層とを有するものが好ま
しい。
【0033】集電体としては、通常、アルミ箔や鋼箔な
どの金属箔が使用される。集電体の厚さは適宜選択され
るが、好ましくは1〜50μm特に好ましくは1〜30
μmである。集電体の厚さが薄過ぎる場合は、機械的強
度が弱くなり、生産上問題になり、厚過ぎる場合は、電
池全体としての容量が低下する。集電体は、活物質含有
層の接着強度を高めるため、予め粗面化処理して使用す
るのが好ましい。粗面化方法としては、機械的研磨法、
電解研磨法、化学研磨法などが挙げられる。機械的研磨
法においては、研磨剤粒子を固着した研磨布紙、砥石、
エメリバフ、鋼線などを備えたワイヤーブラシ等が使用
される。また、活物質含有層との接着強度や導電性を高
めるために、集電体表面に中間層を形成してもよい。
【0034】リチウムイオンの吸蔵放出可能な正極活物
質は、無機化合物と有機化合物とに大別される。無機化
合物から成る正極活物質としては、遷移金属酸化物、リ
チウムと遷移金属との複合酸化物、遷移金属硫化物など
が挙げられる。上記の遷移金属としては、Fe、Co、
Ni、Mn等が例示される。正極活物質に使用される無
機化合物の具体例としては、MnO、V23、V
612、TiO2等の遷移金属酸化物、ニッケル酸リチウ
ム、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム等のリチ
ウムと遷移金属との複合酸化物、TiS2、FeS、M
oS2等の遷移金属硫化物が挙げられる。これらの化合
物は、その特性を向上させるため、部分的に元素置換し
たものであってもよい。
【0035】有機化合物から成る正極活物質としては、
例えば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセン、ジ
スルフィド系化合物、ポリスルフィド系化合物、N−フ
ルオロピリジウム塩などが挙げられる。正極活物質は、
上記の無機化合物と有機化合物の混合物であってもよ
い。
【0036】正極活物質の粒径は、電池の他の構成要素
との兼ね合いで適宜選択されるが、レート特性、サイク
ル特性などの電池特性の向上の観点から、好ましくは1
〜30μm、特に好ましくは1〜10μmとされる。
【0037】リチウムイオンの吸蔵放出可能な負極活物
質としては、グラファイトやコークス等の炭素系活物質
が挙げられる。斯かる炭素系活物質は、金属、金属塩、
酸化物などとの混合体や被覆体の形態で利用することも
出来る。また、負極活物質としては、ケイ素、錫、亜
鉛、マンガン、鉄、ニッケル等の酸化物や硫酸塩、金属
リチウム、Li−Al、Li−Bi−Cd、Li−Sn
−Cd等のリチウム合金、リチウム遷移金属窒化物、シ
リコン等を使用できる。
【0038】負極活物質の粒径は、電池の他の構成要件
との兼ね合いで適宜選択されるが、初期効率、レート特
性、サイクル特性などの電池特性の向上の観点から、1
μm以上特に15μm以上であることが好ましく、また
50μm以下、特に30μm以下であることが好まし
い。
【0039】活物質含有層に含有される電解液は、前記
高分子ゲル電解質で使用した電解液と同様のものを使用
することができる。
【0040】活物質含有層中には、必要に応じ、導電材
料、補強材などの各種の機能を発現する添加剤を含有さ
せることが出来る。導電材料としては、活物質に適量混
合して導電性を付与できるものであれば特に制限されな
いが、通常、アセチレンブラック、カーボンブラック、
黒鉛などの炭素粉末、各種金属のファイバーや箔などが
挙げられる。また、電池の安全性や寿命を高めるため、
トリフルオロプロピレンカーボネート、ビニレンカーボ
ネート、カテコールカーボネート、スピロジラクトン、
1,2−クラウン−4−エーテル等が使用できる。更
に、補強材として、各種の無機および有機の球状、板
状、棒状または繊維状のフィラーが使用できる。
【0041】活物質含有層は、活物質を固定するため及
び/又は電解液を保持するために1種以上のバインダー
を含有するのが好ましい。この場合、バインダーとして
上記のアクリル系ポリマーを使用し、上記の特定ナトリ
ウム量の高分子ゲル電解質を有する電極としてもよい。
【0042】また、2種類のバインダーを使用して、活
物質を固定するための機能と電解液を保持するための機
能とを分けても良い。この場合、電解液を保持するため
のポリマーとして上記のアクリル系ポリマーを使用する
のが好ましい。
【0043】高分子ゲル電解質に使用するポリマーと共
に活物質含有層に使用できる他のバインダーとしては、
シリケートやガラスの様な無機化合物や各種の樹脂が挙
げられる。この樹脂としては、例えば、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリ−1,1−ジメチルエチレン等の
アルカン系ポリマー、ポリブタジエン、ポリイソプレン
等の不飽和系ポリマー、ポリスチレン、ポリメチルスチ
レン、ポリビニルピリジン、ポリ−N−ビニルピロリド
ン等の環を有するポリマー、ポリメタクリル酸メチル、
ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポ
リアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアク
リル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド等のア
クリル系ポリマー、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニ
リデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹
脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンシアニド等
のCN基含有ポリマー、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルア
ルコール等のポリビニルアルコール系ポリマー、ポリ塩
化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン含有ポリマ
ー、ポリアニリン等の導電性ポリマー等が挙げられる。
また、これらのポリマーの混合物、変成体、誘導体、ラ
ンダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体、ブ
ロック共重合体などであっても使用できる。この樹脂の
分子量は、通常10000〜3000000、好ましく
は100000〜1000000とされる。分子量が低
過ぎる場合は活物質含有層の強度が低下する傾向にあ
り、高過ぎる場合は、粘度が高くなり形成が困難になる
ことがある。
【0044】上記2種類のバインダーを使用する場合、
活物質及び上記他のバインダーを含有する電極用塗料を
集電体上に塗布して乾燥することにより空隙を有する層
を形成し、当該層にモノマーを含有する電解液を塗布し
て空隙中に含浸させた後にモノマーを重合させて高分子
ゲル電解質を形成させて活物質含有層とすることができ
る。この場合、電解液の粘度が低いため、活物質層の空
隙中に電解液を含浸させるのが容易である。また、高分
子ゲル電解質を単独で作成した後、これを加熱して粘度
を下げた状態で前記空隙を有する層に含浸させて後冷却
して再びゲルとする方法も採用できる。さらに、活物
質、上記他のバインダー、電解液及びモノマーの混合物
を集電体上に塗布した後に重合してモノマーを重合する
方法も採用することができる。2種類のバインダーと活
物質とを含有する電極用塗料を集電体上に塗布して乾燥
することにより空隙を有する層を形成し、当該層に電解
液を塗布して空隙中に含浸させる方法によって得ること
も可能である。なお、前記空隙を有する層は、活物質を
バインダーとの混合物を加熱により軟化させた状態で集
電体上に圧着または吹き付ける方法によっても形成する
ことができる。
【0045】何れの方法による場合もいずれかの製造段
階においてカレンダー処理を加えることにより、圧密し
て活物質の充填量を高めることができる。
【0046】また、活物質100重量部に対する前記他
のバインダーの配合量は、0.1〜30重量部、とくに
1〜15重量部であることが好ましい。バインダーの配
合量が少な過ぎる場合は電極の強度が低下し、多過ぎる
場合は電解液を含浸させることが困難となる傾向にあ
る。
【0047】活物質含有層の厚さは、通常1μm以上、
好ましくは20μmであり、また通常1000μm以
下、好ましくは200μm以下である。活物質含有層が
厚すぎるとレート特性が悪化する傾向にあり、薄すぎる
と電池全体としての容量が低下する傾向にある。
【0048】次に、電解質層について説明する。電解質
層は、上記の高分子ゲル電解質で構成することができ
る。この電解質層を構成する高分子ゲル電解質は、その
強度を高めて正極と負極との短絡を防止するために、多
孔性のスペーサに含浸、保持されることが好ましい。
【0049】このスペーサは、電解質層の保液性を一層
高めるため、圧縮に対する初期弾性率が1×105(N
/m2)以上であることが好ましい。斯かる初期弾性率
は、応力−歪み曲線における、応力0近傍の線形応答領
域の直線の傾きから求められる。スペーサの初期弾性率
が高いほど、荷重が小さい段階からスペーサの変形が小
さいものとなる。従って、初期弾性率が高いスペーサに
より、高分子ゲル電解質に加わる圧力を効果的に支える
ことが可能となる。
【0050】この多孔性スペーサは、イオン移動度を高
めるため、大部分の空隙が電極と略垂直方向に延在した
構造になっていることが好ましい。スペーサの空隙率
は、10体積%以上、特に30体積%以上、とりわけ4
0体積%以上であることが好ましく、また、95体積%
以下、特に90体積%、とりわけ80体積%以下である
ことが好ましい。この空隙率が小さすぎる場合は、イオ
ンが拡散しにくくなるために伝導度が低下する傾向にあ
る。また空隙率が大きすぎる場合は、スペーサとしての
機能を発揮しにくくなる。上記の空隙率は、体積と重さ
から見掛け比重を算出し、スペーサの材質の真比重との
比較から算出することが出来る。
【0051】上記スペーサの材質としては、例えば、洋
紙、和紙などの紙類、各種の天然繊維及び/又は合成繊
維から作られる布類、分離精製などに使用される市販の
フィルター類、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポ
リオレフィンなどが挙げられる。スペーサは電解液との
親和性を制御するために表面処理されていても良い。
【0052】スペーサに電解質を含有させる方法は、正
極および負極における電解質の形成方法と同様の方法を
採用することが出来る。
【0053】電解質層の電解質は、その全てがスペーサ
の内部に存在してもよく、スペーサの内部と表面とに存
在していてもよい。なお、スペーサの表面にもある程度
の厚みの高分子ゲル電解質の層が存在するとは、電解質
層と電極との積層界面の抵抗が低減する。
【0054】電解質層の厚みは、1μm以上、とくに5
μm以上、とりわけ10μm以上であることが好まし
く、また200μm以下、とくに100μm以下、とり
わけ60μm以下であることが好ましい。電解質層の厚
みが小さすぎる場合は、強度が低下し、安全上問題にな
り、しかも、製造時の位置決め等が困難になる傾向にあ
る。また、電解質層の厚みが大きすぎると、電解質層の
厚さ方向の抵抗が高くなると共に電池全体としての容量
が低下する傾向にある。
【0055】単セルは、通常、正極と負極とが電解質層
を介して積層されてなる。高分子ゲル電解質の形成方法
として、モノマーを含有する電解液を使用して該モノマ
ーを重合させる方法を採用し、且つ正極と電解質層と負
極との積層後にモノマーを重合させると、電極及び電解
質層中の高分子ゲル電解質が界面のない状態で連続して
存在することとなるので、レート特性やサイクル特性が
向上する。
【0056】次に、単セルを収納するケースについて説
明する。本発明においては、高容量を達成するために単
セルを積層してケースに入れるのが好ましい。ケースと
しては、柔軟性、屈曲性、可撓性などを有する形状可変
性のケースが好適に使用される。その材質としては、プ
ラスチック、高分子フィルム、金属フィルム、ゴム、薄
い金属板などが挙げられる。ケースの具体例としては、
ビニール袋の様な高分子フィルムから成る袋、高分子フ
ィルムから成る真空包装用袋もしくは真空パック、金属
箔と高分子フィルムのラミネート素材から成る真空包装
用袋もしくは真空パック、プラスチックで形成された
缶、または、プラスチック板で挟んで周囲を溶着、はめ
込み等で固定したケース等が挙げられる。
【0057】上記の中では、気密性および形状可変性の
点で高分子フィルムから成る真空包装用袋もしくは真空
パック、または、金属箔と高分子フィルムのラミネート
素材から成る真空包装用袋もしくは真空パックが好まし
い。これらのケースは、金属缶の様な重量や剛性がな
く、柔軟性、屈曲性、可撓性であるため、電池の収納後
に曲げたり出来る形状自由性があると共に軽量化が図れ
るという利点を有する。
【0058】本発明のリチウム二次電池は、円筒型、箱
形、ペーパー型、カード型など様々の形状を軽量で実現
できる。勿論、電池の機器への装着などの利便を図るた
め、形状可変性のケースに電池を封入して好ましい形状
に変形した後、剛性の外装ケースに収納することも可能
である。
【0059】好ましい一態様としては、正極と電解質層
と負極が平板的に積層され且つ形状可変性のケースに真
空シールされて収納されているリチウム二次電池が挙げ
られる。
【0060】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限
り以下に示す実施例に限定されるものではない。
【0061】実施例1 [正極の製造]正極活物質であるLiCoO2(本荘化学
社製)を90部、導電材であるアセチレンブラック(電
気化学工業製)を5部、結着剤であるポリフッ化ビニリ
デン(呉羽化学製)を5部、さらに溶剤としてのN−メ
チルピロリドン80部を混合し、サンドミルで0.5時
間混練・分散処理を行った。この混合物を厚さ20μm
のアルミ箔上にドクターブレードを用いて塗布し、12
0℃で乾燥して溶剤を除去した後にカレンダー工程を加
えて厚さが約80μmの正極を製造した。
【0062】[負極の製造]負極活物質であるグラファイ
ト(大阪ガス社製)を95部、結着剤であるポリフッ化
ビニリデン(呉羽化学製)を5部、溶剤としてのN−メ
チルピロリドン80部を混合し、サンドミルで0.5時
間混練・分散処理を行った。この混合物を厚さ20μm
の銅箔上にドクターブレードを用いて塗布し、120℃
で乾燥して溶剤を除去した後にカレンダー工程を加えて
厚さが約100μmの負極を製造した。
【0063】[硬化前電解質組成物の調製]ポリエチレン
製容器にテトラエチレングリコールジアクリレート50
0g及びモレキュラーシーブ4A(和光純薬社製)50
gを入れ、5℃下で14日間静置させた。こうして脱水
したテトラエチエングリコールジアクリレート9部、ソ
ルライト(三菱化学社製、プロピレンカーボネートとエ
チレンカーボネートの等重量混合液にLiClO4を1
mol/Lの濃度となるように溶解させたもの)91
部、トリゴノックス23−C70(化薬アクゾ社製)
0.1部を三角フラスコに秤取し不活性な雰囲気下で混
合した。調液直後に気泡が発生したので、15分間室温
で放置し熟成させ発泡を抑制させた。こうして調製した
硬化前電解質組成物中のナトリウム量を原子吸光法によ
り測定したところ、0.4ppmであった。テトラエチ
レングリコールジアクリレートは1分子中に2つのα―
水素を持つことから、ナトリウムの存在率はα―水素の
0.003mol%であると算出された。
【0064】[電池の作製及び充放電試験]正極、ポリエ
チレン製多孔膜、負極にそれぞれ硬化前電解質組成物を
塗布し活物質層内に含浸させた後に、正極と負極でポリ
オレフィン多孔膜を挟み、90℃で5分加熱して硬化さ
せることにより正極/高分子ゲル電解質/多孔膜/高分
子ゲル電解質/負極で構成された電池を作製した。この
電池を用いて25℃で充放電サイクル試験を行った。充
電電流密度0.96mA/cm2で4.1Vまで充電し
た後、放電電流密度1.92mA/cm2で2.7Vま
で放電させる充放電を10回繰り返した。20回サイク
ル後の放電容量低下率(初回サイクル時の放電容量と比
較)を求めたところ、98.0%であった。
【0065】実施例2 ベンダーの異なるテトラエチレングリコールジアクリレ
ートを用いた以外は、実施例1と同様に脱水処理及び硬
化前電解質組成物の調製を行った。組成物中のナトリウ
ム量を測定したところ1.0ppmであり、ナトリウム
の存在率はα―水素の0.007mol%であると算出
された。この硬化前電解質組成物を用い、実施例1と同
様の手法により電池を作製し、充放電試験を行ったとこ
ろ、20回サイクル後の放電容量低下率は97.9%で
あった。
【0066】比較例1 脱水時にガラス製容器を用い、室温下で2ヶ月静置させ
たこと以外は実施例1と同様にして脱水処理及び硬化前
電解質組成物の調製を行った。組成物中のナトリウム量
を測定したところ1.8ppmであり、ナトリウムの存
在率はα―水素の0.012mol%であると算出され
た。この硬化前電解質組成物を用い、実施例1と同様の
手法により電池を作製し、充放電試験を行ったところ、
20回サイクル後の放電容量低下率は94.8%であっ
た。
【0067】比較例2 テトラエチレングリコールジアクリレートの代わりにテ
トラエチレングリコールジメタクリレートを用いた以外
は、実施例1と同様に脱水処理及び硬化前電解質組成物
の調製を行った。組成物中のナトリウム量を測定したと
ころ1.9ppmであった。この硬化前電解質組成物を
用い、実施例1と同様の手法により電池を作製し、充放
電試験を行ったところ、20回サイクル後の放電容量低
下率は97.1%であった。
【0068】以上の結果を表1にまとめた。
【0069】
【表1】
【0070】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のリチウム
二次電池は、レート特性が優れており、特に高負荷放電
において良好なサイクル特性を示す。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル系ポリマー、リチウム塩及び溶
    媒を含有してなる高分子ゲル電解質を有するリチウム二
    次電池において、該高分子ゲル電解質中に含まれるナト
    リウムの量が、該ポリマー中のカルボニル基のα位の炭
    素に結合している水素の0.01モル%以下であること
    を特徴とするリチウム二次電池。
  2. 【請求項2】 請求項1において、アクリル系ポリマー
    はアクリロイル基を有するモノマーを重合させたポリマ
    ーであることを特徴とするリチウム二次電池。
  3. 【請求項3】 請求項2において、アクリロイル基を有
    するモノマーの全モノマーに対する割合が50重量%以
    上であることを特徴とするリチウム二次電池。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項におい
    て、高分子ゲル電解質中のポリマー含量が2〜80重量
    %であることを特徴とするリチウム二次電池。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項におい
    て、該リチウム二次電池は電解質層を介して積層された
    正極及び負極を有しており、該電解質層は前記高分子ゲ
    ル電解質を含むものであることを特徴とするリチウム二
    次電池。
  6. 【請求項6】 請求項5において、該電解質層は、多孔
    性のスペーサと、該スペーサに保持された前記高分子ゲ
    ル電解質とを有することを特徴とするリチウム二次電
    池。
  7. 【請求項7】 請求項6において、該高分子ゲル電解質
    は該スペーサの内部に存在することを特徴とするリチウ
    ム二次電池。
  8. 【請求項8】 請求項6において、該高分子ゲル電解質
    は該スペーサの内部と表面とに存在することを特徴とす
    るリチウム二次電池。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれか1項におい
    て、該リチウム二次電池は、集電体と、該集電体上に形
    成された活物質含有層とを有した電極を備えており、 該活物質含有層は活物質及び前記高分子ゲル電解質を含
    むことを特徴とするリチウム二次電池。
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