JP2000303757A - 電動ブラインドの昇降装置及び電動ブラインドの制御装置 - Google Patents

電動ブラインドの昇降装置及び電動ブラインドの制御装置

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JP2000303757A
JP2000303757A JP11113592A JP11359299A JP2000303757A JP 2000303757 A JP2000303757 A JP 2000303757A JP 11113592 A JP11113592 A JP 11113592A JP 11359299 A JP11359299 A JP 11359299A JP 2000303757 A JP2000303757 A JP 2000303757A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】スラット昇降動作時に、昇降速度を所定速度に
速やかに安定させ得る電動ブラインドのスラット昇降装
置を提供する。 【解決手段】ブラインドコントローラ6には、理想起動
電圧設定モード時において、遮蔽材昇降軸が所定の回転
速度で回転するとき、モータ14に供給されている電源
電圧に基づいて理想起動電圧を設定する理想起動電圧設
定部9,11,17と、通常動作モード時において、理
想起動電圧設定部で設定された理想起動電圧をモータ1
4に電源電圧として供給する通常動作制御部9,11,
17とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電動横型ブライ
ンドのスラット昇降動作、電動プリーツカーテンあるい
は電動たくし上げカーテンのカーテン生地の昇降動作、
電動ロールブラインドのスクリーンの昇降動作を制御す
る電動ブラインドの昇降装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ビルの各フロアに設置された多数
の電動ブラインドの動作を、あらかじめ設定されたプロ
グラム、あるいは操作装置の手動操作により生成される
制御信号に基づいて制御する電動ブラインドの制御装置
が実用化されている。
【0003】このような電動ブラインドでは、各電動ブ
ラインドが信号線を介して接続され、その信号線にはす
べてのブラインドの動作を自動制御する中央制御装置
と、特定のエリアあるいはグループ毎のブラインドの動
作を手動操作により制御するエリアスイッチとが接続さ
れる。
【0004】そして、中央制御装置にあらかじめ設定さ
れたプログラムに基づいて、同中央制御装置から各電動
ブラインドに操作信号が出力されると、各電動ブライン
ドではその操作信号に基づいてヘッドボックスに内蔵さ
れるブラインドコントローラが動作して、スラットの昇
降動作及び角度調節動作が自動的に行われる。
【0005】また、エリアスイッチが操作されると、同
エリアスイッチから当該エリア内の各電動ブラインドに
操作信号が出力され、各電動ブラインドではその操作信
号に基づいて、スラットの昇降動作及び角度調節動作が
行われる。
【0006】前記エリアスイッチ以外の手動操作手段と
して、リモコン送信機が設定された電動ブラインドもあ
り、このような電動ブラインドでは、例えば前記エリア
スイッチがリモコン送信機から出力されるリモコン信号
を受信する受信機能を備えている。
【0007】そして、リモコン送信機の操作により、特
定のエリアスイッチに当該エリアの各電動ブラインドを
制御するためのリモコン信号が出力されると、そのリモ
コン信号を受信したエリアスイッチはそのリモコン信号
に基づいて当該エリア内の電動ブラインドの動作を制御
する。
【0008】前記電動ブラインドには、それぞれヘッド
ボックス内にブラインドコントローラが配設され、その
ブラインドコントローラは前記制御信号に基づいてスラ
ット昇降用モータあるいはスラット角度調節用モータを
駆動して、スラットの昇降動作あるいはスラットの角度
調節動作を行う。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記のような電動ブラ
インドでは、操作信号の入力に基づいてスラットが昇降
されるとき、ブラインドコントローラ内の電源部から一
定のモータ駆動電圧がスラット昇降用モータに供給さ
れ、そのモータ駆動電圧に基づいてスラット昇降用モー
タが作動して、スラットが昇降される。
【0010】ところが、モータ自身の特性のばらつき、
あるいはスラット昇降機構からモータに作用する負荷の
ばらつき等により、各電動ブラインドの昇降速度にばら
つきが生じ、各電動ブラインドを一斉に昇降させる場合
に、昇降完了までに要する時間にばらつきが生じるとい
う問題点がある。
【0011】特公平4−16591号公報に記載された
電動ブラインドでは、スラットの昇降動作時にリフティ
ングテープを昇降する巻取りドラムの回転速度を検出
し、その検出された回転速度と、あらかじめ設定された
基準回転速度とを比較し、巻取りドラムの回転速度が所
定の速度となるように、電動機をサーボ制御する構成が
開示されている。
【0012】ところが、このような電動ブラインドで
は、起動時にサーボ制御が動作すると、巻取りドラムの
回転速度が所定速度に達するまで、電動機への供給電力
が急激に増大して、やがて巻取りドラムの回転速度が所
定速度以上となる。
【0013】次いで、巻取りドラムの回転速度が所定速
度に達するまで、電動機への供給電力が急激に減少し
て、やがて巻取りドラムの回転速度が所定速度以下とな
る。この後、電動機への供給電力が再び増大し、このよ
うな動作が繰り返されて、巻取りドラムの回転速度が所
定速度に収束する。
【0014】従って、巻取りドラムの回転速度、すなわ
ちスラットの昇降速度が安定するまで時間を要するとい
う問題点がある。このような問題点を解決するために
は、巻取りの回転速度を検出する検出装置の分解能を向
上させ、かつ検出された回転速度に基づいて電動機に供
給する電力を演算する演算速度を向上させる必要がある
が、コスト上昇の原因となる。
【0015】一方、起動時に、スラット昇降機構に潤滑
剤として充填されたグリスが冷えて固まっている状態
で、巻取りドラムの回転速度が短時間で所定速度となる
ように電動機の回転速度を急激に変化させると、電動機
に過負荷がかかり、電動機に大きな負荷電流が流れるた
め、電動機及び同電動機の制御回路の耐久性が低下する
という問題点がある。
【0016】この発明の目的は、遮蔽材の昇降動作時
に、昇降速度を所定速度に速やかに安定させ得る電動ブ
ラインドの昇降装置を提供することにある。また、昇降
速度を速やかに安定させながら、耐久性の向上を図り得
る電動ブラインドの昇降装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1では、遮蔽材昇
降軸をモータで回転駆動可能とし、前記モータの動作を
ブラインドコントローラで制御可能とし、前記遮蔽材昇
降軸の回転に基づいて、遮蔽材を昇降可能とした電動ブ
ラインドにおいて、前記ブラインドコントローラには、
理想起動電圧設定モード時において、前記遮蔽材昇降軸
が所定の回転速度で回転するとき、前記モータに供給さ
れている電源電圧に基づいて理想起動電圧を設定する理
想起動電圧設定部と、通常動作モード時において、前記
理想起動電圧設定部で設定された理想起動電圧を前記モ
ータに電源電圧として供給する通常動作制御部とを備え
た。
【0018】請求項2では、前記理想起動電圧設定部
は、前記遮蔽材の昇降ストロークを細分割した細分割範
囲毎に、前記理想起動電圧を設定する。請求項3では、
前記理想起動電圧設定部は、前記遮蔽材の引き上げ方向
及び下降方向のそれぞれに前記理想起動電圧を設定す
る。
【0019】請求項4では、前記通常動作制御部には、
スラット昇降動作の起動時に、前記理想起動電圧を所定
の割合で降圧したスロー起動電圧を、所定時間に限り前
記スラット昇降用モータに供給するスロー起動電圧供給
部を設けた。
【0020】請求項5では、遮蔽材昇降軸をモータで回
転駆動可能とし、前記モータの動作をブラインドコント
ローラで制御可能とし、前記遮蔽材昇降軸の回転に基づ
いて、遮蔽材を昇降可能とした電動ブラインドにおい
て、前記ブラインドコントローラには、スラット昇降動
作の起動時に、通常動作時の電源電圧を所定の割合で降
圧したスロー起動電圧を、所定時間に限り前記モータに
供給するスロー起動電圧供給部を設けた。
【0021】請求項6では、前記ブラインドコントロー
ラには、ブラインドの種類毎のパラメータを設定可能と
する設定スイッチ部を設け、前記スロー起動電圧供給部
は、前記パラメータに基づいて前記スロー起動電圧を設
定する。
【0022】請求項7では、請求項1乃至6のいずれか
に記載の昇降装置を備えた複数の電動ブラインドの昇降
動作を、共通の操作信号で一括制御する。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、この発明を具体化した一実
施の形態を図面に従って説明する。図1に示すように、
多数の電動ブラインド1は、共通の信号線2で接続され
るとともに、特定のエリア毎に例えば第一〜第四のエリ
アA〜Dにグループ化されている。
【0024】前記電動ブラインド1は、ヘッドボックス
からラダーコード及び昇降テープを介して多数段のスラ
ットが吊下支持される。そして、ヘッドボックス内に配
設されるスラット昇降軸を後記スラット昇降用モータ1
4で回転駆動して昇降テープを昇降することにより、ス
ラットを昇降可能であり、後記スラット角度調節用モー
タ16で角度調節装置を駆動することにより、ラダーコ
ードを介して各スラットを角度調節可能である。
【0025】前記信号線2には、中央制御装置としてパ
ソコン3が接続される。前記パソコン3には、各エリア
A〜D内のブラインド1を自動制御するためのプログラ
ムがあらかじめ設定され、そのプログラムに基づいて動
作するパソコン3により各ブラインド1のスラット昇降
動作及びスラット角度調節動作が自動制御される。
【0026】前記信号線2には前記第一〜第四のエリア
A〜D毎にエリアスイッチ4a〜4dが接続され、その
操作により前記パソコン3による制御に優先して、対応
するエリア内のブラインドあるいは他のエリア内のブラ
インドのスラット昇降動作及びスラット角度調節動作を
制御可能となっている。
【0027】前記各電動ブラインド1のヘッドボックス
内には、それぞれブラインドコントローラが配設されて
いる。各ブラインドコントローラは、前記パソコン3あ
るいはエリアスイッチ4a〜4dから出力された操作信
号を受信する機能と、受信した操作信号に基づいてブラ
インドの動作制御信号を生成する信号解析機能と、動作
制御信号に基づいてヘッドボックス内に配設されたスラ
ット昇降用モータあるいはスラット角度調節用モータを
作動させて、スラット昇降動作あるいはスラット角度調
節動作を行うブラインド駆動機能と、スラットの開閉動
作の状態を検出して前記パソコン3あるいはエリアスイ
ッチ4a〜4dに発信する状態検出機能とを備える。
【0028】前記エリアスイッチ4a〜4dは、リモコ
ン送信機5から出力されるリモコン信号RSを受信可能
となっている。前記各電動ブラインド1のヘッドボック
ス内には、図2に示すブラインドコントローラ6が配設
される。前記ブラインドコントローラ6内の電源部7
は、この電動ブラインド1の各回路及びモータに電源を
供給する。
【0029】前記ブラインドコントローラ6内の入出力
部8は、CPU9に接続される。そして、前記パソコン
3あるいはエリアスイッチ4a〜4dから出力される操
作信号がその入出力部8を介してCPU9に入力され
る。また、CPU9で電動ブラインド1の動作状態を判
定した判定信号が、入出力部8を介してパソコン3ある
いはエリアスイッチ4a〜4dに出力される。
【0030】前記CPU9に接続されたLED表示部1
0は、ヘッドボックス下面に露出される発光ダイオード
を駆動するものであり、CPU9から出力される制御信
号に基づいて、各発光ダイオードを点灯させる。
【0031】前記CPU9に接続されたEEPROM1
1には、当該電動ブラインド1が属するエリアを設定す
るエリア設定データと、スラットを昇降する場合の上限
値及び下限値と、スラット定速昇降動作時におけるスラ
ット昇降軸の回転速度及びスラット昇降用モータに供給
される電源電圧値等が格納される。
【0032】前記CPU9に接続された設定スイッチ部
12は、電動ブラインド1のヘッドボックス下面に露出
されるディップスイッチで構成され、当該ブラインドの
アドレスや、当該ブラインドの型式や製品サイズ及びリ
モコン番号の設定等が可能である。そして、その設定信
号がCPU9に入力される。
【0033】前記CPU9に接続された第一のモータ駆
動部13は、CPU9から出力されるモータ制御信号に
基づいて、ヘッドボックス内に配設されるスラット昇降
用モータ14に電源電圧を供給して駆動する。
【0034】前記CPU9に接続された第二のモータ駆
動部15は、CPU9から出力されるモータ制御信号に
基づいて、ヘッドボックス内に配設されるスラット角度
調節用モータ16を駆動する。
【0035】前記CPU9に接続されたエンコーダ17
は、ヘッドボックス内において前記スラット昇降用モー
タ14で回転駆動されるスラット昇降軸の回転をパルス
信号に変換してCPU9に出力するものであり、CPU
9ではそのパルス数をカウントしてスラット昇降軸の回
転角度及び回転速度を検出する。
【0036】前記CPU9に接続された上限リミットス
イッチ18は、スラットが上限まで引上げられたとき、
検出信号をCPU9に出力する。前記CPU9に接続さ
れた下限リミットスイッチ19は、スラット昇降テープ
の弛みを検出して、その検出信号をCPU9に出力す
る。
【0037】前記CPU9に接続されたプログラム記憶
部20は、このブラインドコントローラ6の動作を制御
するためのプログラムが格納され、特にこの電動ブライ
ンドの最初の動作時にスラット昇降用モータ14を所定
の回転速度で動作させるための電源電圧値を設定するた
めのプログラム、スラット昇降用モータ14の回転速度
を所定速度に維持するためのプログラム、スラット昇降
動作の起動時には、起動から所定時間に限りスラット昇
降用モータ14を低速で回転させるプログラム等が格納
されている。
【0038】このようなブラインドコントローラ6で
は、CPU9がプログラム記憶部20にあらかじめ設定
されたプログラムと、入出力部8から入力された操作信
号と、EEPROM11及び設定スイッチ部12に設定
されたデータとに基づいて動作して、スラットの昇降動
作及び角度調節動作を行う。
【0039】リモコン送信機5の操作に基づいて、前記
エリアスイッチ4a〜4dのいずれかから信号線2を介
して各電動ブラインド1のブラインドコントローラ6に
操作信号が入力されると、各電動ブラインド1では、操
作信号中のエリア番号及びリモコン番号が、あらかじめ
設定されているエリア番号及びリモコン番号と一致した
場合にのみ、スラットの昇降動作及び角度調節動作を行
う。
【0040】そして、CPU9はあらかじめ設定された
ブラインド開度までスラットが昇降されたとき、エンコ
ーダ17から出力されるパルス信号のカウントに基づい
て、スラット昇降用モータ14の作動を停止する。
【0041】また、CPU9は、スラットの引上げ動作
時に上限リミットスイッチ18の検出信号に基づいてス
ラット昇降用モータ14のスラット引上げ方向の作動を
停止し、スラットの引上げ動作時あるいはスラットの下
降操作時に、下限リミットスイッチ19の検出信号に基
づいて、スラット昇降用モータ14の作動を停止する。
【0042】次に、上記のように構成された電動ブライ
ンド1のスラット昇降動作時におけるスラット昇降用モ
ータ14の回転速度制御動作を説明する。この電動ブラ
インド1を設置して、最初の昇降操作を開始すると、ブ
ラインドコントローラ6内のCPU9は、スラット昇降
動作を所定の速度で行うために、スラット昇降用モータ
14に供給する電源電圧の設定作業を開始する。
【0043】図3に示すように、電動ブラインド1に電
源が投入され、エリアスイッチ4a〜4dあるいはリモ
コン送信機5の操作により、昇降操作信号が入力される
と(ステップ1)、CPU9はスラットを所定の昇降速
度で昇降するための理想起動電圧が設定されているか否
かを判別する(ステップ2)。
【0044】ここでは、理想起動電圧が未だ設定されて
いないので、CPU9は第一のモータ駆動部13を駆動
して電源部7からスラット昇降用モータ14に電源電圧
を供給させ、スラット昇降動作を開始する(ステップ
3)。
【0045】次いで、CPU9はエンコーダ17からの
信号を入力しているか否か、すなわちスラット昇降用モ
ータ14への電源の供給に基づいてスラット昇降軸が正
常に回転されているか否かを判別する(ステップ4)。
【0046】そして、100msの間エンコーダ17か
らの信号が入力されないとき、CPU9はスラット昇降
軸が正常に回転されていないと判断して(ステップ
5)、スラット昇降用モータ14への電源の供給を停止
する(ステップ6)。
【0047】ステップ4において、エンコーダ17から
正常に信号が入力されていると、CPU9は図4に示す
理想起動電圧設定動作を開始し、まずエンコーダ17の
出力信号に基づいてスラット昇降軸の回転速度を検出す
る(ステップ7)。
【0048】次いで、CPU9はスラット昇降軸の回転
速度が例えば毎分40回転であるか否かを判別する(ス
テップ8)。そして、40回転以下である場合には、ス
ラット昇降用モータ14に供給する電源電圧を引き上げ
(ステップ9,10)、40回転以上である場合には、
スラット昇降用モータ14に供給する電源電圧を引き下
げて(ステップ9,11)、スラット昇降軸の回転速度
を毎分40回転に収束させる。
【0049】スラット昇降軸の回転速度が毎分40回転
となると、CPU9はスラット昇降ストロークを複数に
細分割した範囲での昇降が終了したか否かを判別する
(ステップ12)。
【0050】この細分割範囲は、エンコーダ17の出力
信号のパルス数に基づいてあらかじめ設定されており、
その昇降動作時にカウントしたパルス数と、あらかじめ
設定されたパルス数とを比較することにより、細分割範
囲を認識するようになっている。
【0051】このような細分割範囲を設定する理由を説
明すると、スラットの引き上げ動作時には、ラダーコー
ドに支持されていたスラットが順次ボトムレール上に積
層され、そのボトムレールがスラット昇降軸により巻上
げられる昇降テープで引上げられる。また、スラット昇
降軸に昇降テープが巻き取られると、その巻径が徐々に
増大する。
【0052】このため、ボトムレールが上昇するにつれ
てスラット昇降用モータ14に作用する負荷が増大する
ため、スラットの引き上げストロークを細分割し、その
分割範囲毎にスラット昇降用モータに供給する理想起動
電圧を設定するようにしている。
【0053】また、スラットの引下げ動作時には、ボト
ムレールが下降して、ボトムレール上に積層されていた
スラットが順次ラダーコードに支持される。また、スラ
ット昇降軸から昇降テープが巻戻されると、その巻径が
徐々に減少する。
【0054】このため、ボトムレールが下降するにつれ
て、スラット昇降用モータ14に作用する負荷が減少す
るため、スラットの下降ストロークを細分割し、その分
割範囲毎にスラット昇降用モータに供給する理想起動電
圧を設定するようにしている。
【0055】ステップ12において、一つの細分割範囲
が終了すると、CPU9は当該細分割範囲内でスラット
昇降用モータに供給された電源電圧のピーク値を検出し
(ステップ13)、そのピーク値にモータ起動時のマー
ジンを加えて理想起動電圧を算出し、その算出値をEE
PROM11に格納する(ステップ14)。
【0056】そして、CPU9はスラットの引き上げ方
向及び下降方向のすべての細分割範囲の理想起動電圧を
算出したか否かを判別し(ステップ15)、すべての細
分割範囲の理想起動電圧を算出するまで、ステップ8〜
ステップ15を繰り返す。
【0057】すべての細分割範囲の理想起動電圧を算出
すると、CPU9は理想起動電圧の算出動作を終了し
(ステップ15)、ステップ2を経て、図5に示すステ
ップ17に移行して、通常のスラット昇降動作を行う状
態となる。
【0058】ステップ16において、CPU9は設定ス
イッチ部12で設定されたパラメータを読み込み、スラ
ット昇降操作を行うための操作信号の入力を待つ状態と
なる(ステップ17)。前記設定スイッチ部12には、
スラット幅あるいは材質、ラダーコードのピッチ、傾斜
窓用あるいは天窓用であるか等のブラインドの種類を示
すデータがパラメータとして設定されている。
【0059】スラット引き上げ操作あるいはスラット下
降操作を行うための操作信号が入力されると、CPU9
はステップ14で算出された理想起動電圧の中から、ス
ラットの昇降方向及びブラインド開度に応じた理想起動
電圧をEEPROMから読み出す(ステップ18)。
【0060】次いで、CPU9は読み出した理想起動電
圧に基づいてスロー起動電圧を算出し、その電圧値を第
一のモータ駆動部13を介してスラット昇降用モータ1
4に供給する(ステップ19)。
【0061】このスロー起動電圧は、前記パラメータに
基づいて、理想起動電圧の50%〜90%の電圧値に設
定される。そして、スラット昇降動作の起動時にグリス
の流動性が十分でない状態では、起動電圧を抑制してス
ラット昇降用モータに過負荷電流が流れないようにして
いる。
【0062】次いで、CPU9はエンコーダ17からの
信号を入力しているか否か、すなわちスラット昇降用モ
ータ14へのスロー起動電圧の供給に基づいてスラット
昇降軸が正常に回転されているか否かを判別する(ステ
ップ20)。
【0063】そして、100msの間エンコーダ17か
らの信号が入力されないとき、CPU9はスラット昇降
軸が正常に回転されていないと判断して(ステップ2
1)、スラット昇降用モータ14への電源の供給を停止
する(ステップ22)。
【0064】ステップ20において、エンコーダ17か
ら正常に信号が入力されていると、CPU9は図6に示
すステップ23に移行し、スロー起動電圧の供給開始か
ら200msが経過したか否かを判別する。
【0065】そして、200msが経過して、グリスの
流動性が向上すると、CPU9はエンコーダ17の出力
信号に基づいて、スラット昇降軸の回転速度の検出を開
始した状態で(ステップ24)、スラット昇降用モータ
へのスラット引き上げ方向あるいは下降方向の理想起動
電圧の供給を開始する(ステップ25)。
【0066】次いで、CPU9は理想起動電圧に基づい
てスラット昇降軸が毎分40回転で回転されていると、
スラット昇降操作を停止させるための操作信号が入力さ
れるまで、スラット昇降用モータ14に理想起動電圧を
供給し(ステップ26,27)、操作信号が入力される
と、理想起動電圧の供給を停止して(ステップ28)、
昇降動作を停止する。
【0067】また、ステップ26において、スラット昇
降軸の回転速度が毎分40回転以下の場合には、CPU
9はスラット昇降用モータ14に供給する電圧を引上げ
(ステップ29,30)、スラット昇降軸の回転速度が
毎分40回転以上の場合には、CPU9はスラット昇降
用モータ14に供給する電圧を引下げて(ステップ2
9,31)、ステップ26に復帰する。
【0068】従って、理想起動電圧を供給しながら、ス
ラット昇降軸の回転速度が毎分40回転から僅かにずれ
ても、その回転速度は毎分40回転に速やかに収束す
る。上記のように構成された電動ブラインド1のスラッ
ト昇降装置では、次に示す作用効果を得ることができ
る。
【0069】(1)最初のスラット昇降動作時に、スラ
ット昇降軸を毎分40回転で回転するために必要となる
スラット昇降用モータ14の電源電圧を理想起動電圧と
して設定することができる。
【0070】(2)理想起動電圧は、スラットの昇降ス
トロークを細分割した各範囲で、スラット引き上げ方向
及びスラット下降方向においてそれぞれ設定することが
できるので、ブラインド開度の変化にともなってスラッ
ト昇降軸に作用する負荷が変化しても、各分割範囲で最
適な理想起動電圧を設定することができる。
【0071】(3)理想起動電圧は、ブラインドの種類
に応じたパラメータを使用して算出することができるの
で、ブラインドの種類に応じた最適な理想起動電圧を設
定することができる。
【0072】(4)ブラインドの種類に応じたパラメー
タを設定スイッチ部12で設定し、そのパラメータを使
用して理想起動電圧を設定することができるので、各種
ブラインドに共通のブラインドコントローラ6を取着す
ることができる。
【0073】(5)スラット昇降動作の起動時には、2
00msの間理想起動電圧より低いスロー起動電圧を供
給することができるので、スラット昇降用モータ14の
起動時にモータに流れる過電流の発生を防止して、スラ
ット昇降装置の耐久性を向上させることができる。
【0074】(6)理想起動電圧の設定により、スラッ
ト昇降用モータ14の特性のばらつきや、スラット昇降
機構のばらつきに関わらず、スラット昇降動作時にスラ
ット昇降軸の回転速度を毎分40回転に速やかに安定さ
せることができる。
【0075】(7)各エリアA〜Dの各電動ブラインド
1に理想起動電圧を設定することにより、各電動ブライ
ンド1を一斉に動作させたとき、各電動ブラインド1の
昇降速度を一致させて、昇降動作に要する時間を一致さ
せることができるとともに、昇降動作の美観を向上させ
ることができる。
【0076】上記実施の形態は、次に示すように変更す
ることもできる。 ・スラット昇降動作時のスラット昇降軸の回転速度は、
毎分40回転以外の任意の速度に設定してもよい。 ・理想起動電圧は、細分割範囲毎に設定することなく、
スラットの昇降ストロークの全範囲につき1つの理想起
動電圧を設定してもよい。 ・スラット昇降動作と、スラット角度調節動作を1つの
モータで行うようにしてもよい。 ・前記電動ブラインド1を、1台ずつ独立した状態で動
作させてもよい。 ・上記のようなブラインドコントローラで、電動モータ
でカーテン生地を昇降可能としたプリーツカーテンやた
くし上げカーテン、あるいは電動モータで巻取軸を回転
駆動してスクリーンを昇降可能としたロールブラインド
の昇降動作を制御するようにしてもよい。
【0077】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明は遮蔽材
の昇降動作時に、昇降速度を所定速度に速やかに安定さ
せ得る電動ブラインドの昇降装置を提供することができ
る。
【0078】また、昇降速度を速やかに安定させなが
ら、耐久性の向上を図り得る電動ブラインドの昇降装置
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 電動ブラインドの制御装置を示す概略図であ
る。
【図2】 ブラインドコントローラの電気的構成を示す
ブロック図である。
【図3】 ブラインドコントローラの動作を示すフロー
チャート図である。
【図4】 ブラインドコントローラの動作を示すフロー
チャート図である。
【図5】 ブラインドコントローラの動作を示すフロー
チャート図である。
【図6】 ブラインドコントローラの動作を示すフロー
チャート図である。
【符号の説明】
1 電動ブラインド 6 ブラインドコントローラ 9 理想起動電圧設定部、通常動作制御部
(CPU) 11 理想起動電圧設定部、通常動作制御部
(EEPROM) 14 モータ(スラット昇降用モータ) 17 理想起動電圧設定部、通常動作制御部
(エンコーダ)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遮蔽材昇降軸をモータで回転駆動可能と
    し、前記モータの動作をブラインドコントローラで制御
    可能とし、前記遮蔽材昇降軸の回転に基づいて、遮蔽材
    を昇降可能とした電動ブラインドにおいて、 前記ブラインドコントローラには、 理想起動電圧設定モード時において、前記遮蔽材昇降軸
    が所定の回転速度で回転するとき、前記モータに供給さ
    れている電源電圧に基づいて理想起動電圧を設定する理
    想起動電圧設定部と、 通常動作モード時において、前記理想起動電圧設定部で
    設定された理想起動電圧を前記モータに電源電圧として
    供給する通常動作制御部とを備えたことを特徴とする電
    動ブラインドの昇降装置。
  2. 【請求項2】 前記理想起動電圧設定部は、前記遮蔽材
    の昇降ストロークを細分割した細分割範囲毎に、前記理
    想起動電圧を設定することを特徴とする請求項1記載の
    電動ブラインドの昇降装置。
  3. 【請求項3】 前記遮蔽材の引き上げ方向及び下降方向
    のそれぞれに前記理想起動電圧を設定することを特徴と
    する請求項1乃至2のいずれかに記載の電動ブラインド
    の昇降装置。
  4. 【請求項4】 前記通常動作制御部には、スラット昇降
    動作の起動時に、前記理想起動電圧を所定の割合で降圧
    したスロー起動電圧を、所定時間に限り前記スラット昇
    降用モータに供給するスロー起動電圧供給部を設けたこ
    とを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電動
    ブラインドの昇降装置。
  5. 【請求項5】 遮蔽材昇降軸をモータで回転駆動可能と
    し、前記モータの動作をブラインドコントローラで制御
    可能とし、前記遮蔽材昇降軸の回転に基づいて、遮蔽材
    を昇降可能とした電動ブラインドにおいて、 前記ブラインドコントローラには、スラット昇降動作の
    起動時に、通常動作時の電源電圧を所定の割合で降圧し
    たスロー起動電圧を、所定時間に限り前記モータに供給
    するスロー起動電圧供給部を設けたことを特徴とする電
    動ブラインドの昇降装置。
  6. 【請求項6】 前記ブラインドコントローラには、ブラ
    インドの種類毎のパラメータを設定可能とする設定スイ
    ッチ部を設け、前記スロー起動電圧供給部は、前記パラ
    メータに基づいて前記スロー起動電圧を設定することを
    特徴とする請求項4乃至5のいずれかに記載の電動ブラ
    インドの昇降装置。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれかに記載の昇降
    装置を備えた複数の電動ブラインドの昇降動作を、共通
    の操作信号で一括制御することを特徴とする電動ブライ
    ンドの制御装置。
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JP2009525582A (ja) * 2006-02-02 2009-07-09 フローズ、ブラッド 照明窓のブラインドアセンブリ
JP2010180675A (ja) * 2009-02-09 2010-08-19 Tachikawa Blind Mfg Co Ltd 電動ブラインドの制御装置

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