JP2000302441A - 二酸化チタン前駆体組成物および二酸化チタン - Google Patents

二酸化チタン前駆体組成物および二酸化チタン

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JP2000302441A
JP2000302441A JP11103874A JP10387499A JP2000302441A JP 2000302441 A JP2000302441 A JP 2000302441A JP 11103874 A JP11103874 A JP 11103874A JP 10387499 A JP10387499 A JP 10387499A JP 2000302441 A JP2000302441 A JP 2000302441A
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titanium
dioxide precursor
group
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Toshio Ono
寿男 小野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱により親水性を示す二酸化チタンを生成
する二酸化チタン前駆体を含む組成物および該組成物か
ら得られる二酸化チタンを得られる。 【解決手段】 (A)加熱により二酸化チタンを生成する
二酸化チタン前駆体、(B)珪素化合物、アルミニウム化
合物およびセリウム化合物から選ばれる少なくとも1種
ならびに(C)溶媒を含んでなることを特徴とする二酸化
チタン前駆体組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱により親水性
を示す二酸化チタンを生成する二酸化チタン前駆体を含
む組成物および該組成物から得られる二酸化チタンに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、フィルム状の二酸化チタンは、効
率的な光触媒や半導体電極として、しばしば用いられて
いる(T Sakata,in Photocatalysis,ed.N Serepone and
E Pelizzetti,Wiley,New York,1989,p311;and D E Sca
ife,Sol.Energy,1980,25,41 )。また、二酸化チタン
は、活性試薬や不活性坦体としても用いられており、こ
のような用途の二酸化チタンの製造方法として、不活性
坦体上に触媒としてTiO2 およびV2 O3 の混合物を
用い、o−キシレンを無水フタル酸に触媒酸化する方法
が、商業的なプロセスとしてよく知られている(M S Wa
inwright and N R Foster,Catal.Rev.Sci.Eng.(1917),1
9(2),211)。また、二酸化チタンを使用して水を光触媒
的に分解し、水素を発生させて、燃料に用いる研究もな
されている(A.J. Bard,Sciennce,(1980),207,139;E
Borgarello et al,J Am.Chem.Soc.(1982),104(11),299
6)。このように二酸化チタンの光触媒作用を利用し
た、二酸化チタン膜としてWO96/29375号公報
に示される超親水性膜が知られている。しかし、この方
法では光が当たらないと超親水性を示さないことや強い
強度の光が必要であるなど超親水性膜として問題があっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、加熱
によって親水性を示す光触媒能とフィルム強度の優れた
二酸化チタン膜を製造することのできる二酸化チタン前
駆体組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)加熱によ
り二酸化チタンを生成する二酸化チタン前駆体、(B)珪
素化合物、アルミニウム化合物およびセリウム化合物か
ら選ばれる少なくとも1種ならびに(C)溶媒を含んでな
ることを特徴とする二酸化チタン前駆体組成物および該
組成物を焼成して得られる二酸化チタンを提供するもの
である。
【0005】(A)二酸化チタン前駆体 本発明で使用することのできる二酸化チタン前駆体は、
加熱により二酸化チタンを生成する化合物であり、水ま
たは有機溶媒に溶解するものが好ましい。二酸化チタン
前駆体は具体的には、テトラメトキシチタン、テトラエ
トキシチアン、テトライソプロポキチタン、テトラブト
キシチタンなどのアルコキシチタン、チタン酸、四塩化
チタン、チタン酸硫酸などの無機チタン化合物およびこ
れらのチタン化合物とアルカノールアミン類、アセチル
アセトン錯体等のβジケトン類、乳酸、クエン酸などの
ヒドロキシカルボン酸塩、シュウ酸、酢酸、無水フタル
酸などのカルボン酸類から選ばれる化合物との反応生成
物などが挙げられる。
【0006】二酸化チタン前駆体としては、チタンアル
コキシドとアルコールアミンを反応させてなるチタン化
合物と水とを混合してなり、アルコール含有量が10重
量%以下であるチタン化合物水溶液が好ましい。本発明
で使用されるチタンアルコキシドは下記一般式(1)で
表される化合物である。なお、かかるチタンアルコキシ
ドは、アルコキシル基以外の加水分解性基を含む場合が
あるが、このような場合であっても、本発明において
は、チタンアルコキシドと称する場合がある。
【0007】一般式(1) Ti(OR14 ここで、一般式(1)中におけるR1としてのアルキル
基、アリール基またはアシル基の種類としては、特に制
限されるものではないが、具体的に、好ましいアルキル
基の種類としては、特に制限されるものではないが、例
えば、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル
基、n−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基等が
挙げられる。また同様に、好ましいアリール基として、
フェニル基、ベンジル基、ナフチル基等が挙げられる。
さらに好ましいアシル基として、ホルミル基、アセチル
基、プロピオニル基等が挙げられる。また、より安定し
たチタン化合物、例えば保存安定性に優れたチタンアミ
ノアルコール錯体が得られることより、R1は直鎖また
は分岐を有するアルキル基であることがより好ましく、
特に、分岐を有するアルキル基、例えばi−プロピル基
であることがさらに好ましい。
【0008】好ましいチタンアルコキシドとしては、高
いアナターゼ型結晶構造を有する二酸化チタンが得られ
ることから、テトラエトキシチタン、テトラプロポキシ
チタン、テトライソプロポキチタン、テトラブトキシチ
タン等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げら
れ、特に、テトライソプロポキシチタンが好ましい。
【0009】本発明で使用されるアミノアルコールは、
下記一般式(2)で表される化合物である。 一般式(2) (HOR2sN(R3t [一般式(2)中、R2は、アルキレン基またはアリー
レン基であり、sは、1,2または3であり、R3は、
水素、アルキル基またはアリール基であり、tは(3−
s)である。] ここで、一般式(2)におけるR2のアルキレン基また
はアリーレン基の種類としては、特に制限されるもので
はないが、より保存安定性に優れたチタン化合物が得ら
れることから、好ましいアルキレン基としては、メチレ
ン基、エチレン基、i−プロピレン基、n−プロピレン
基、i−ブチレン基、n−ブチレン基等が好ましい。ま
た好ましいアリーレン基としては、フェニレン基、ベン
ジレン基、ナフチレン基が挙げられる。また、さらに安
定したチタン化合物が得られることより、一般式(2)
におけるR2は直鎖または分岐を有するアルキレン基で
あることがより好ましく、特に、分岐を有するアルキレ
ン基であることが好ましい。
【0010】したがって、好ましいアミノアルコールの
具体例として、トリエタノールアミン、ジエタノールア
ミン、トリイソプロパノールアミン、ジイソプロパノー
ルアミン、メチルジエタノールアミン、エチルジエタノ
ールアミン等の一種単独または二種以上の組合わせが挙
げられる。これらのアミノアルコールのうち、特にトリ
エタノールアミン、ジエタノールアミンおよびこれらの
混合物が好ましい。この理由は、これらの混合物からな
るアミノアルコールを使用することにより、チタン化合
物の保存安定性をより高めることができるためである。
なお、トリエタノールアミンとジエタノールアミンと混
合比率につき、当該トリエタノールアミン1モルに対し
て、ジエタノールアミンの混合量を0.2〜1.5モル
の範囲内の値とすることが好ましい。
【0011】チタンアルコキシドとアミノアルコールと
の反応割合は、特に制限されるものではないが、チタン
アルコキシド1モルに対して、アミノアルコールの反応
割合を0.5モル以上、好ましくは1〜4モルの範囲
内、特に好ましくは1〜3モルの範囲内の値とすること
である。この理由は、アミノアルコールの反応割合が
0.5モル未満となると、加水分解後の安定性に劣る場
合があるためであり、逆に、反応割合が4モルを超える
と、酸化後の金属酸化物の平滑性や透明性が低下する場
合があるためである。
【0012】チタンアルコキシドとアミノアルコールと
の反応温度についても、特に制限されるものではない
が、具体的に、当該反応温度を室温(20℃)〜170
℃の範囲内とするのが好ましく、室温〜150℃の範囲
内の値とするのがより好ましい。この理由は、反応温度
が室温未満となると、チタンアルコキシドとアミノアル
コールとの反応性が著しく低下する場合があり、一方、
反応温度が170℃を超えると、反応を制御することが
困難となる場合があるためである。
【0013】チタンアルコキシドとアミノアルコールと
を反応させる際に有機溶媒を使用し、有機溶媒の沸点も
しくはその近傍温度で加熱することが好ましい。このよ
うに有機溶媒の沸点付近で加熱することにより、有機溶
媒を還流させることができ、反応温度を一定に調整する
ことが容易となる。ここで、有機溶媒を使用した場合、
反応温度を50〜160℃の範囲内の値とすることが好
ましく、70〜100℃の範囲内の値とすることがより
好ましい。また、反応時間については、反応温度との関
係があるが、当該反応時間を好ましくは1〜10時間の
範囲内の値、より好ましくは、2〜9時間の範囲内の値
とすることである。この理由は、反応時間が1時間未満
となると、チタンアルコキシドとアミノアルコールとの
反応が不均一となる場合があり、一方、反応時間が10
時間を超えると、チタン化合物の生産性が著しく低下す
る傾向があるためである。
【0014】チタンアルコキシドとアミノアルコールと
の反応における圧力についても、特に制限されるもので
はないが、当該反応圧力を好ましくは0〜1.0気圧
(760Torr)の範囲内の値、より好ましくは0〜
0.2気圧の範囲内の値とすることである。反応圧力が
1気圧を超えると、副成するアルコールの沸点が上昇
し、除去することが困難となる場合があるためである。
【0015】本発明においては、さらに反応を制御し、
チタンアルコキシドより生じるアルコールを除去して、
反応をスムーズに進めるために、反応器の圧力を下げる
とともに、温度を徐々に上昇させることが好ましい。こ
の場合、通常開始温度は室温から50℃の範囲内であ
り、その後80℃程度まで、1〜2時間かけて上昇させ
ることが好ましい。そのほか、チタンアルコキシドとア
ミノアルコールとを反応させるに際して、不活性ガス、
例えば、アルゴンガスや窒素ガスを反応容器中で使用す
ることが好ましい。このように反応させることにより、
チタンアルコキシドと、空気中の水分との反応により生
成する沈殿物の発生を有効に防止することができる。
【0016】チタンアルコキシドとアミノアルコールと
の反応は、無溶媒下に行うこともできるが、反応生成物
の粘度を低下させたり、チタンアルコキシドとアミノア
ルコールとの反応を均一に生じさせるために有機溶媒の
存在下に行うことが好ましい。このような有機溶媒とし
ては、例えばモノアルコール、ジオールまたはトリオー
ルのアルコール化合物が挙げられる。また、有機溶媒と
して、過剰のアミノアルコールを使用することも、ゲル
化防止の観点から好ましい。
【0017】具体的に、好ましいモノアルコールとして
は、R5OHで示されるアルコール化合物が挙げられ、
式中のR5は炭素数6〜10の直鎖状または分岐状のア
ルキル基、もしくは炭素数5〜10の直鎖状または分岐
状の酸素結合を有するアルキル基である。したがって、
好ましいモノアルコールとして、2−エチルヘキサノー
ル、3、3、5−トリメチル−1−ヘキサノール、オク
タノール、メトキシエトキシエタノール等が挙げられ
る。また、ジオールとしては、HO(R6)OHで示さ
れるアルコール化合物が挙げられ、式中のR6は炭素数
2〜12の、直鎖状または分岐状のアルキレン基であ
る。したがって、好ましいジオールとして、エチレング
リコール、プロピレングリコール、1、2−ブタンジオ
ール、1、3−ブタンジオール、ヘキサメチレンジオー
ルなどの1種、または2種以上の組み合わせを挙げるこ
とができる。さらに、好ましいトリオールとしては、グ
リセリン、1,2,6−ヘキサントリオールなどを挙げ
ることができる。これらのジオール、トリオールのなか
でエチレングリコールおよびグリセリンが最も好まし
い。
【0018】なお、本発明においては、チタンアルコキ
シドとアミノアルコールとを反応させてチタン化合物を
形成した後に、またはチタン化合物の形成中において副
成するアルコールを除去する。ここで副成するアルコー
ルとは下記一般式(3)で表される化合物である。 一般式(3) R1(OH) [一般式(3)中、R1は、アルキル基、アリール基ま
たはアシル基である。] なお、副成アルコールの除去方法としては、特に制限さ
れるものではないが、例えば、一般式(3)で表わされ
る副成アルコールの沸点以上の温度、または沸点の近傍
温度で加熱することが好ましい。したがって、チタンア
ルコキシドとアミノアルコールとの反応温度T1(℃)
とし、一般式(3)で表わされる副成アルコールの沸点
をT2(℃)としたときに、T1≧T2の関係を満足す
るのが好ましく、より好ましくは、T1≧T2+10℃
の関係を満足することである。
【0019】上記の方法で得られるチタン化合物の金属
(Ti)とチッソ元素(N)とのモル比(Ti:N)に
おいて、2:1〜1:4の範囲内の値であることが好ま
しい。この理由は、金属(Ti)とチッソ元素(N)と
のモル比が2:1よりも大きくなると、反応生成物の保
存安定性が低下する場合があるためであり、一方、かか
るモル比が1:4よりも小さくなると、酸化時に不要な
ガスが多量に発生するとともに、生成した酸化チタンの
透明性や平滑性を損なう場合があるためである。
【0020】本発明において、チタン化合物水溶液中
の、チタン化合物の濃度は、チタン化合物を二酸化チタ
ンに換算して通常、0.05〜5モル/リットル、好ま
しくは0.12〜2モル/リットルである。本発明にお
いて、二酸化チタン前駆体組成物中のアルコール濃度
は、通常50重量%以下、好ましくは20重量%以下、
さらに好ましくは10重量%以下である。二酸化チタン
前駆体水組成物中のアルコール濃度が50重量%を超え
ると、引火性が高くなり焼成時に溶媒が残っていると爆
発などの危険性があり取り扱いに注意を要するとともに
環境に対して好ましくなく、時には製膜した酸化チタン
膜の品質が劣るからである。
【0021】また、二酸化チタン前駆体としては、チタ
ン酸とアルコールアミンとを反応させることにより得ら
れる下記一般式(4)で表される化合物も挙げられる。 一般式(4) Ti[(OR7)nNR8m]x(OR7)y (4) [一般式(1)中、R7 はアルキレン基またはアリーレ
ン基を示し、R8は水素、アルキル基またはアリール基
をしめす。xは1〜4の数を、yは4−xの数を、nは
1〜3の数をmは3−xの数を示す。]
【0022】一般式(4)中においてR7 で表されるア
ルキレン基が、エチレン基、プロピレン基およびブチレ
ン基からなる群から選択される少なくとも一つの基であ
ることが好ましい。なお、これらのアルキレン基は、直
鎖状でも、分岐状でもよい。一般式(1)で表される構
造を有する化合物の製造に用いられるチタン酸は、通
常、TiO(OH)2 ・pH2 OまたはTi(OH)4
・pH2 O(pは水の数を表し、1以上の数である。)
で表される化合物である。また、アルコールアミンとし
ては、前記一般式(2)で表される化合物を挙げること
ができる。
【0023】(B)珪素化合物 本発明で使用することのできる珪素化合物としてはコロ
イダルシリカ、シリコン、ケイ酸塩化合物などが挙げら
れる。コロイダルシリカとしては粒子径が1〜100n
mのもので電気透析法、ケイ酸塩の酸による中和法、イ
オン交換樹脂法、解膠法、有機珪素化合物の加水分解
法、四塩化ケイ素の加水分解法、気相法シリカの解重合
法などの方法で製造されたものを用いることが出来る。
シリコン化合物としてはテトラメトキシシラン、テトラ
エトキシシラン、テトラプロポキシシランなどのテトラ
アルコキシシランやメチルトリメトキシシラン、メチル
トリエトキシシランなどのトリメトキシシランやジメチ
ルジメトキシシラン、ジメチルトリエトキシシランなど
のジメトキシシラン化合物が挙げられる。ケイ酸塩化合
物としては水ガラス、シリカゲルなどSiO2構造を含
有する化合物が挙げられる。これらの珪素化合物として
は、コロイダルシリカが好ましい。特に粒子径が2−3
0nmのものが特に好ましい。
【0024】アルミニウム化合物本発明で使用すること
のできるアルミニウム化合物としては気相や液層で酸化
して合成される酸化アルミニウム(アルミナ)や水酸化
アルミニウムや硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウムな
どの無機アルミニウム塩、トリイソプロポキシアルミニ
ウム、乳酸アルミニウムなどの有機アルミニウム化合物
が挙げられる。酸化アルミニウムの粒径は特に制限はな
いが粒子径が1nm〜10ミクロンのものが好ましい。
粒子径がこれ以上大きいと外観が不透明になり好ましく
なく、磨耗性も劣る。
【0025】セリウム化合物 本発明で使用することのできるセリウム化合物としては
気相や液層で酸化して合成される酸化セリウム(セリ
ア)や水酸化セリウムや硫酸セリウム、硝酸セリウムな
どの無機セリウム塩、アルコキシセリウム、酢酸セリウ
ムなどの有機セリウム化合物が挙げられる。酸化アルミ
ニウムの粒径は特に制限はないが粒子径が1nm〜1ミ
クロンのものが好ましい。粒子径がこれ以上大きいと外
観が不透明になり好ましくなく、磨耗性も劣る。
【0026】ゼオライト化合物 本発明で使用することのできるゼオライト化合物として
はケイ素とアルミの比が10/0.5〜10/4のもの
が使用できる。また、ケイ素化合物とアルミニウム化合
物を共存させて焼成してつくることもできる。また、ゼ
オライト化合物の粒径は特に制限はないが粒子径が10
nm〜10ミクロンのものが好ましい。粒子径がこれ以
上大きいと外観が不透明になり好ましくなく、磨耗性も
劣る。
【0027】(C)溶媒 本発明の組成物は、通常、二酸化チタン前駆体および高
分子化合物以外に水および有機溶媒またはいずれか一方
の溶媒を含有する。本発明で使用できる溶媒としては、
水、ヘキサエチレングリコール、イソプロピレングリコ
ール、メタノール、エタノールなどの炭素数1〜10の
アルコール性溶媒を挙げることができる。これらのアル
コールは、トルエン、クロロホルムなどの非アルコール
性溶媒との混合物であってもよい。溶媒としては環境に
対する影響や引火に対する危険性が無いことから水溶媒
が特に好ましい。
【0028】組成物 本発明の組成物は、二酸化チタン前駆体の濃度が、TiO2
に換算して、通常、0.1〜2.0モル/リットル、好
ましくは0.12〜2.0モル/リットルである。ま
た、水を溶媒として使用する場合には、TiO2 濃度換
算で0.06〜1.6モル/リットルまで希釈すること
が好ましい。本発明の組成物は、珪素化合物の濃度が、
通常1〜90重量%、好ましくは3〜10重量%であ
る。本発明の組成物には、相当割合の不揮発性オリゴマ
ー状またはポリマー状のアミン、例えばポリエチレング
リコール、ポリビニルアルコールなど、シリコンオリゴ
マー、シリカゾル、界面活性剤などを添加してもよい。
さらに、本発明の組成物の粘度についても、特に制限さ
れるものではなく、用途に応じて、適宜変更することが
できる。
【0029】二酸化チタン 本発明の組成物は、加熱することにより二酸化チタンを
生成することができる。二酸化チタンを生成する際、二
酸化チタン前駆体を、膜化した後、加熱し、二酸化チタ
ンとすることが好ましい。
【0030】本発明の組成物の加熱温度は、通常、20
0℃〜1000℃、好ましくは400℃〜800℃、特
に好ましくは500℃〜650℃程度である。具体的に
は、本発明の組成物およびこれから得られるゾルまたは
ゲルを基体(ガラス等)上に塗布して層を形成し、次い
で、この層を加熱することにより、ルチル型結晶構造が
少ないあるいは存在しない、逆に言うとアナターゼ型結
晶構造が多い二酸化チタン膜を、基体上に形成すること
ができる。
【0031】本発明の二酸化チタンは、アナターゼ型結
晶構造の含有率が通常、60重量%以上という特徴を有
している。また、加熱条件等を調節することにより、ア
ナターゼ型結晶構造の含有率を80重量%以上の値を示
すことができ、95%重量以上の値とすることもでき
る。また、本発明の二酸化チタンは、650℃以上に長
期間加熱してもアナターゼ型結晶構造を維持し、ルチル
型結晶構造にほとんど変換しないという特徴がある。
【0032】用途 本発明の組成物は、ソーダガラスおよび石英ガラスなど
のガラス、ジルコニアおよびチタンなどのセラミック
ス、鉄およびステンレススチールなどの金属等の基体上
に塗布し、加熱することによりこれらの基体上に二酸化
チタン層を形成することができる。本発明の組成物の基
体上への形成方法は特に制限されるものではないが、例
えば、ディップ法、キャスト法、ロールコート法、スピ
ンコート法、スプレーコート法などの公知の方法で形成
被覆することができる。本発明の二酸化チタン(膜)を
表面に被覆形成した基体は、基体としてガラスを用いた
場合、自動車などの車輌用ガラス、住宅用ガラス、ビル
用ガラスなどの建築物用ガラス、蛍光灯、白熱球などの
電球やカバーガラスとして広く使用することができる。
【0033】
【実施例】以下実施例を基に、さらに本発明を詳細に説
明するが、言うまでもなく、本発明の範囲は実施例の記
載に制限されるものではない。
【0034】[参考例1]500mlの丸底フラスコ内
に、アミノアルコールとしてのトリエタノールアミン
(200mmol、29.8g)を収容した。次いで、
金属アルコキシドとしてのテトライソプロポキシドチタ
ン(100mmol、28.4g)を収容して、温度5
0℃、1時間、圧力760Torrの条件で、攪拌機を
用いて均一に攪拌しながら反応させて、金属酸化物前駆
体を含む反応液とした。この反応液をエバポレーターが
連結された真空槽に収容し、室温(25℃)、圧力20
〜40Torr、時間30分の条件で、揮発成分(副成
アルコールであるイソプロパノール)を吸引除去した。
次いで、ヒーターを用いて、丸底フラスコの周囲温度を
50℃に昇温させた状態で1時間放置した後、さらなる
泡立ちがなくなるまで温度を80℃に昇温させるととも
に、圧力を10Torrとして黄色のシロップ状物を得
た。なお、この時点で、シロップ状物(金属酸化物前駆
体)中のイソプロパノールの含有量を測定したところ、
7重量%であった。次いで、得られたシロップ状物に対
して15mlの水を添加した後、溶液が均一となるまで
攪拌し、さらに合計量が50mlになるまで水を添加し
て、約16重量%酸化チタン換算濃度のチタンアミノア
ルコール錯体溶液を得た。
【0035】実施例1 (1) 参考例1で調製したチタンアミノアルコール錯
体水溶液 gに、コロイダルシリカ(日産化学製
スノーテックス20粒子径 10〜20nm)を乾燥重
量で、酸化チタンに換算した溶液中のチタン含量に対し
て16.6重量%相当量加え、界面活性剤としてノニル
フェニルエーテルを0.1重量%、さらに酸化チタンに
換算した溶液中の酸化チタン換算含量が5重量%になる
よう蒸留水で希釈し、二酸化チタン前駆体組成物を調製
した。 (2) 次いで二酸化チタン前駆体組成物をガラス基体
表面上に広げ、その後基体を30秒間100rpm、次
いで1分間300rpmの回転速度で回転させた。これ
により基体上に薄い二酸化チタン前駆体組成物層を形成
した。次に、二酸化チタン前駆体組成物層を形成した基
体を120℃の温度で60分間乾燥し、さらに650℃
の温度で空気中5分間加熱し、二酸化チタン前駆体組成
物層を二酸化チタン層とした。表面状態が良好で均一な
膜厚の二酸化チタンフィルム層を形成し、厚さは、25
00Åであった。 (3)評価親水性の評価 焼成後の2時間以内の二酸化チタン薄膜の接触角を測定
した。また、室内に10日間放置後の接触角を測定し
た。結果を表1に示す。光触媒活性の評価 市販のメチレンブルー2水和物を水に溶解し、0.1重
量%のメチレンブルーの水溶液を調製した。このメチレ
ンブルーの水溶液中に二酸化チタン薄膜を浸せきし、室
温で乾燥後570nmにおける吸光度Aを測定した。次
に、ブラックライト(日立製FL20S・BL)で4m
W/cm2の照度で紫外光を所定時間照射したのち57
0nmの吸光度Bを測定し、メチレンブルーの分解率を
測定した。結果を表1に示す。 分解率=(吸光度B/吸光度A)×100%
【0036】実施例2〜6 実施例1において、コロイダルシリカの種類および添加
量を表1および表2に示すとおりとした以外は実施例1
と同様にして二酸化チタン前駆体組成物を調整し、二酸
化チタン層を形成し、評価を行った。結果を表1および
2に示す。 実施例7 実施例1において、二酸化チタン前駆体としてジイソプ
ロポキシジトリエタノールチタン(TiDIDTと略
す)を用いた以外は実施例1と同様にして二酸化チタン
前駆体組成物を調整し、二酸化チタン層を形成し、評価
を行った。結果を表2に示す。
【0037】実施例8 実施例1において、二酸化チタン前駆体としてに乳酸チ
タン(TiLACと略す)を用いた以外は実施例1と同
様にして二酸化チタン前駆体組成物を調整し、二酸化チ
タン層を形成し、評価を行った。結果を表2に示す。
【0038】比較例1 実施例1においてコロイダルシリカを用いずに実施例1
と同様に、乾燥後焼成したところの表面状態の良好な均
一な1300Aの膜厚の二酸化チタンフィルムを得た。
【0039】吸収波長の測定 実施例1および比較例3で調製したガラス基体上の二酸
化チタン薄膜について、UV波長の吸収を測定したとこ
ろ、得られた二酸化チタン薄膜は平坦な吸収を示し、肉
眼でも着色は認められなかった。他方比較例1の薄膜
は、薄茶色に着色していた。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【発明の効果】本発明の組成物は、加熱によって優れた
親水性を有し、かつ高い光触媒能を保持するとともに着
色することなく外観の優れた光触媒膜を製造することが
できる。また、本発明の二酸化チタン膜は、親水性と光
分解性に優れるため蛍光灯、電灯などの照明器具やビ
ル、住宅用の窓ガラス、自動車の窓ガラス、温室や水槽
のガラスなど広い用途に適用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G047 CA05 CB05 CB06 CC03 CD02 4G069 AA01 AA08 BA01B BA02A BA02B BA04A BA26B BA48A BB20B BC16A BC43A BD05A CD02 ED02 FB23 FB30 4G072 AA28 BB09 BB13 CC13 EE01 EE06 FF01 GG02 JJ45 JJ46 KK17 LL06 LL13 MM31 MM36 NN30 PP01 QQ09 UU15

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)加熱により二酸化チタンを生成する
    二酸化チタン前駆体、(B)珪素化合物、アルミニウム化
    合物およびセリウム化合物から選ばれる少なくとも1種
    ならびに(C)溶媒を含んでなることを特徴とする二酸化
    チタン前駆体組成物。
  2. 【請求項2】 加熱により二酸化チタンを生成する二酸
    化チタン前駆体が、アミノアルコール、アセチルアセト
    ン、アルコキシド基、カルボキシ基から選ばれる配位子
    を有することを特徴とする請求項1記載の二酸化チタン
    前駆体組成物。
  3. 【請求項3】 加熱により二酸化チタンを生成する二酸
    化チタン前駆体が、アミノアルコールであることを特徴
    とする請求項2記載の二酸化チタン前駆体組成物。
  4. 【請求項4】 珪素化合物がコロイダルシリカであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の二酸化チタン前駆体組成
    物。
  5. 【請求項5】 溶媒が水系溶媒を含むことを特徴とする
    請求項1記載の二酸化チタン前駆体組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の組成物を加熱して得られ
    る二酸化チタン。
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