JP2000160054A - 親水性被膜形成用コーティング液、該コーティング液を用いた親水性被膜及びその形成方法 - Google Patents

親水性被膜形成用コーティング液、該コーティング液を用いた親水性被膜及びその形成方法

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JP2000160054A
JP2000160054A JP10334265A JP33426598A JP2000160054A JP 2000160054 A JP2000160054 A JP 2000160054A JP 10334265 A JP10334265 A JP 10334265A JP 33426598 A JP33426598 A JP 33426598A JP 2000160054 A JP2000160054 A JP 2000160054A
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titania
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weight
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Terubumi Sato
光史 佐藤
Riichi Nishide
利一 西出
Yoshiaki Sakashita
好顕 阪下
Tetsuya Otsuki
哲也 大槻
Satoko Sugawara
聡子 菅原
Yasuaki Kai
康朗 甲斐
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Nissan Motor Co Ltd
Teikoku Chemical Industry Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
Teikoku Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 親水性と耐久性に優れた親水性被膜を基材
上に形成することができる、長期保存性に優れ、優れた
親水性と成膜性能を有する廉価な親水性被膜形成用コー
ティング液、親水性被膜及び親水性被膜を形成する方法
を提供する。 【解決手段】 親水性被膜形成用コーティング液は、
a)アミノポリカルボン酸及び二酸化物イオンが配位し
たチタン錯体陰イオンとアミン陽イオンとを含有するチ
タニア前駆体溶液、b)非晶質相を形成する金属酸化物
の前駆体及び、c)コロイダルシリカを含有する。親水
性被膜は、本発明の親水性被膜形成用コーティング液を
用いて形成する。親水性被膜の形成方法は、上記親水性
被膜形成用コーティング液を基板に塗布し、乾燥し、次
いで焼成して形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、親水性被膜形成用
コーティング液、該コーティング溶液を用いた親水性被
膜及びその形成方法に関し、特にガラス、ミラー、金属
等の表面に親水性が持続するための親水性被膜形成用コ
ーティング液、該コーティング液を用いた親水性被膜及
びその形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】無機ガラス等は従来から透明基材として
の性質を活かして、例えば窓ガラス、鏡面及び眼鏡レン
ズ等の物品に広く利用されている。しかしながら、これ
らの基材を用いた物品の問題点は、高温高湿の場所など
において使用すると、物品基材の表面が曇りを帯びた
り、結露を生じたりすることである。また、屋外で使用
されるものについては、降雨によって雨滴が付着するこ
とも、透視性を損なったり、汚れ付着の原因になる。
【0003】従ってこれらの欠点に対する改良が要望さ
れており、これまでに透明基材をはじめとする各種物品
に対して親水性や耐久性を付与しようとする試みが種々
提案されている。
【0004】基材表面の曇りを防止する方法としては、
ガラス等の表面に親水性の被膜を形成することが行われ
ている。最も簡単な手段として、界面活性剤を表面に塗
布することで曇りを防ぐことができることは広く知られ
ており、界面活性剤にポリアクリル酸やポリビニルアル
コール等の水溶性ポリマーを配合することで、その効果
の持続性を向上する試みがなされており、例えば、特開
昭52−101680号公報等に開示されている。しか
しながら、この様な方法においては、一時的に親水性を
付与するのみであり、連続的かつ長期的な効果を期待す
ることはできない。
【0005】また、特開昭55−154351号公報に
は、ガラス基材表面に、モリブデン酸化物とタングステ
ン酸化物のうちいずれか一種以上とリン酸化物とを含む
薄膜を物理蒸着や化学蒸着等で形成することにより、親
水性に優れた親水性薄膜を得る方法が提案されており、
更には特開昭54−105120号公報に、P2 Oを含
むガラスに、P2 5 の液体または蒸気を接触させるこ
とにより親水性を付与する方法が提案されている。ま
た、特開昭53−58492号公報には、スルホン酸型
両性界面活性剤及び無機塩又は酢酸塩を含む組成物を低
級アルコール溶液を用いて基材に塗布することにより、
密着性に優れた親水膜を形成する方法が提案されてい
る。しかし、これらの方法においても、親水性能の長期
持続性に劣るという欠点があった。
【0006】一方、ガラス上にチタニア膜を形成し、光
触媒の特性によって水や空気中の汚染物質あるいは臭気
物質を分解したり、表面に付着する汚染物質を分解し
て、清浄な表面を保持しようとする試みが、行われてき
ており、例えば特開昭63−9723号公報、特開平0
2−223909号公報、特開平07−100378号
公報に開示されている。これらのチタニア膜に紫外線が
照射されると、膜表面が清浄化されるため、親水性を示
すようになる。また、ゾルゲル法によりチタニア膜を形
成する方法が、特開平07−100378号公報等に開
示されている。
【0007】このようなチタニア膜は光が照射されてい
る状況では親水性を示すが、夜間や屋内などの紫外線の
ない状態に放置されると、急速に親水性が低下し、ま
た、空気中の汚染成分がわずかに付着しても、親水性が
低下する。従って、親水性がある程度持続するような実
用的な性能を得るために、より親水性の高い他の金属酸
化物と混合した系とする方法が、特開平09−2410
37号公報や特開平10−68091号公報等に開示さ
れている。
【0008】ゾルゲル法でこのようなチタニア膜を形成
する方法としては、チタンアルコキシドを含む溶液を加
水分解して得られたチタニアゾルを用い、これにシリカ
やアルミナを添加してコーティング液としたものを、基
板上に塗布し、焼成する方法が一般的である。
【0009】しかし、この方法ではチタニアゾルのゲル
化が速いためにコーティング液の保管が長時間はでき
ず、コーティング溶液の保管安定性が悪く、長期間保存
することができないという問題点がある。また、基板に
塗布する際、スピンコート法を用いると、中心から周辺
に向って放射状の筋が無数にできやすく、成膜性能が悪
く、品質の良い膜を形成するために、希釈溶媒や乾燥速
度を選択する必要があるなど、工程が複雑になり、工程
条件が制限が加えられるという問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】請求項1〜9記載の発
明の目的は、親水性と耐久性に優れた親水性被膜を基材
上に形成することができる、長期保存性に優れ、優れた
親水性と成膜性能を有する廉価な親水性被膜形成用コー
ティング液を提供することにある。
【0011】請求項10記載の発明の目的は、上記本発
明の親水性被膜形成用コーティング液を用いて、優れた
親水性が長期に持続し、成膜性能にも優れた均質な親水
性被膜を提供することにある。
【0012】請求項11〜12記載の発明の目的は、上
記本発明の親水性被膜形成用コーティング液を用いて、
経済的かつ簡便に、上記本発明の親水性被膜を形成する
方法を提供するにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の親水性被
膜形成用コーティング液は、 a)アミノポリカルボン酸及び二酸化物イオンが配位し
たチタン錯体陰イオンとアミン陽イオンとを含有するチ
タニア前駆体溶液、 b)非晶質相を形成する金属酸化物の前駆体及び、 c)コロイダルシリカを含有することを特徴とする。
【0014】請求項2記載の親水性被膜形成用コーティ
ング液は、請求項1記載の親水性被膜形成用コーティン
グ液において、金属酸化物の前駆体(b)が、シリカ前
駆体及び/又はアルミナ前駆体である ことを特徴とす
る。
【0015】請求項3記載の親水性被膜形成用コーティ
ング液は、請求項1又は2記載の親水性被膜形成用コー
ティング液において、チタニア前駆体(a)がチタニア
換算で40〜90重量%、金属酸化物の前駆体(b)が
金属酸化物換算で5〜30重量%、コロイダルシリカ
(c)が5〜50重量%であることを特徴とする。
【0016】請求項4記載の親水性被膜形成用コーティ
ング液は、請求項1〜3いずれかの項記載の親水性被膜
形成用コーティング液において、チタニア前駆体を、チ
タンアルコキシドとアミノポリカルボン酸とアミンとを
反応させ、次いで酸化剤を加えて二酸化物イオンを配位
させることによって製造するものであることを特徴とす
る。
【0017】請求項5記載の親水性被膜形成用コーティ
ング液は、請求項1〜4いずれかの項記載の親水性被膜
形成用コーティング液において、アミン陽イオンが、次
の一般式(1) (R1)(R2)(R3)(R4)N+ (1) (式中、R1 ,R2 ,R3 及びR4 は水素または炭素数
が1〜10のアルキル基を示し、R1 〜R4 はそれぞれ
同じでも異なってもよい)で表されることを特徴とす
る。
【0018】請求項6記載の親水性被膜形成用コーティ
ング液は、請求項1〜5いずれかの項記載の親水性被膜
形成用コーティング液において、コロイダルシリカ
(c)の粒子径が、40nm以下であることを特徴とす
る。
【0019】請求項7記載の親水性被膜形成用コーティ
ング液は、請求項1〜6いずれかの項記載の親水性被膜
形成用コーティング液において、更に、アナターゼ型の
結晶構造を有するチタニア微粒子を含有することを特徴
とする。
【0020】請求項8記載の親水性被膜形成用コーティ
ング液は、請求項7記載の親水性被膜形成用コーティン
グ液において、チタニア前駆体とチタニア微粒子の合計
がチタニア換算で40〜90重量%(但し、チタニア前
駆体はチタニア換算で35重量%以上であり、かつチタ
ニア微粒子は50重量%以下である)、金属酸化物の前
駆体(b)が金属酸化物換算で5〜30重量%、コロイ
ダルシリカ(c)が5〜40重量%であることを特徴と
する。
【0021】請求項9記載の親水性被膜形成用コーティ
ング液は、請求項7又は8記載の親水性被膜形成用コー
ティング液において、アナターゼ型の結晶構造を有する
チタニア微粒子の粒径は、50nm以下であることを特
徴とする。
【0022】請求項10記載の親水性被膜は、請求項1
〜9いずれかの項記載の親水性被膜用コーティング液を
用いて形成することを特徴とする。
【0023】請求項11記載の親水性被膜の形成方法
は、請求項1〜9いずれかの項記載の親水性被膜形成用
コーティング液を基板に塗布し、乾燥し、次いで焼成し
て形成することを特徴とする。
【0024】請求項12記載の親水性被膜の形成方法
は、請求項11記載の親水性被膜の形成方法において、
焼成温度が400℃〜800℃であることを特徴とす
る。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の親水性被膜形成用コーテ
ィング液は、 a)アミノポリカルボン酸と二酸化物イオンが配位した
チタン錯体陰イオンとアミン陽イオンとを含有するチタ
ニア前駆体溶液、 b)焼成によって非晶質相を形成する金属酸化物の前駆
体溶液及び c)コロイダルシリカを含有する。
【0026】まず、チタニア前駆体中には、アミノポリ
カルボン酸と二酸化物イオンとが配位したチタン錯体陰
イオンとアミン陽イオンとが含有される。チタン錯体陰
イオンに配位するアミノポリカルボン酸としては、チタ
ニア前駆体溶液(a)を製造する際に、エチレンジアミ
ン四酢酸、1,3−プロパンジアミン四酢酸、N−ヒド
ロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、N,N′−ジヒ
ドロキシエチルエチレンジアミン二酢酸、2−ヒドロキ
シ−1,3−プロパンジアミン四酢酸及びトリエチレン
テトラミン六酢酸及び/又はその塩等を適宜用いること
ができるが、これらに限定されるものではない。また、
チタン錯体陰イオンに配位する二酸化物イオンとはO2
2- を示すものである。
【0027】このアミノポリカルボン酸と二酸化物イオ
ンとが配位したチタン錯体陰イオンの一般的な構造や化
学的特性については、Abvanced Inorganic Chemistry−
A Comprehensive Text-(F. A. Cotton and G. Wilkin
son)、無機化学(エフ.エー.コットンおよびジー.ウ
イルキンソン著、中原勝儼訳、第8版1980年、倍風
館)に金属錯体の説明として詳しく記載されており、本
発明においてもその配位子の配位数、配位位置等は特に
限定されない。
【0028】チタニア前駆体溶液中には、前記チタン錯
体陰イオンを電荷的に中和するための量のアミン陽イオ
ンが含まれ、アミン陽イオンとしては、例えば次の一般
式 (R1)(R2)(R3)(R4)N+ (1) (式中、R1 ,R2 ,R3 及びR4 は、水素または炭素
数が1〜10のアルキル基を示し、R1 〜R4 は各々同
じでも異なってもよい)で表される1種以上を好適に用
いることができる。
【0029】前記一般式(1)で表わされるアミン化合
物は、溶解性に寄与するものである。
【0030】また、前記一般式(1)中のR1 〜R5
ルキル基の炭素数は、1〜10が好ましく、これはかか
る範囲であると、親水性被膜を製造する際の焼成工程に
おいて容易に燃焼し、得られる被膜の緻密化が容易であ
り、また安価だからである。
【0031】また前駆体溶液中のチタン錯体陰イオンと
陽イオンとしての前記一般式(1)で表わされるアミン
化合物とは溶液中で均一に混合している。
【0032】かかるアミノポリカルボン酸と二酸化物イ
オンとが配位したチタン錯体陰イオンとアミン陽イオン
とを含有するチタニア前駆体は、チタンアルコキシド
と、アミノポリカルボン酸及び/又はその塩とアミン化
合物とを反応させ、次いでこれに酸化剤を添加して二酸
化物イオンを配位させることにより調製される。
【0033】チタンアルコキシドとしては、テトラメト
キシチタン、テトラエキシキチタン、テトラ−n−プロ
ポキシチタン、テトラ−イソプロポキシチタン、テトラ
−n−ブトキシチタン等の1種以上を好適に使用するこ
とができるが、これらに限定されるものではない。
【0034】また、アミノポリポルガン酸及びその塩は
前記したもの及びその塩が好適に使用でき、アミン化合
物としては、n−プロピルアミン、ジ−n−プロピルア
ミン、ジイソプロピルアミン、エチル−n−プロピルア
ミン、エチルイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミ
ン、ジイソブチルアミン、ジ−sec −ブチルアミン、ジ
−ter −ブチルアミン、エチル−n−ブチルアミン、イ
ソプロピル−n−ブチルアミン、ジ−n−ペンチルアミ
ン、n−ヘキシルアミン、ジヘキシルアミン、ジシクロ
ヘキシルアミン、n−オクチルアミン等のアルキル基の
炭素数が1〜10の脂肪族アミンを1種以上好適に用い
ることができるが、これらに限定されるものではない。
炭素数を1〜10としたのは、炭素数が10を超える場
合は、前駆体中の有機成分の割合が多くなり、焼成した
ときに緻密な膜を得ることが困難だからである。
【0035】また、チタンアルコキシドとアミノポリカ
ルボン酸及び/又はその塩とアミン化合物との反応は、
溶解性の点から、極性溶媒中で反応させることが好まし
く、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノー
ル、n−プロパノール、n−ブタノール、イソブタノー
ル、t−ブタノールなどの低級アルコールが適してお
り、これらの低級アルコールと混和する他の溶媒を併用
することも可能である。
【0036】具体的には、反応は、上記極性溶媒中に上
記アミノポリカルボン酸及び/又はその塩を懸濁あるい
は溶解させ、上記アミン化合物及び上記チタンアルコキ
シドを加えて全体が均一に溶解するまで攪拌する。溶解
を促進するために加温することもできる。特に、還流温
度まで昇温すると、短時間で均一な透明溶液を得ること
ができる。
【0037】このようにして得られた反応液に、次いで
酸化剤を添加して二酸化物イオンを配位させる。この酸
化剤としては、過酸化水素、過塩素酸、オゾン、酸化
鉛、過酸化バリウム等が挙げられるがこれらに限定され
るものではない。その量は、チタン錯体に対して等モル
量又は若干過剰に加えるのが反応生成物の溶媒への溶解
を促進し、液の安定性を高められる点から好ましい。こ
の場合還流温度にまで昇温された反応液に、当該酸化
剤、例えば過酸化水素を加える場合は、過剰のものが除
去されるという効果も期待できる。
【0038】金属酸化物の前駆体溶液(b)は得られる
親水性被膜の耐久性、特に耐摩耗性を向上するために添
加する。従って、かかる金属酸化物は、後の焼成によっ
て非晶質相を形成する金属酸化物であることが好まし
い。チタニア単独の場合は、焼成によって膜中に結晶が
よく成長するため、結晶粒のサイズが大きく、脆い膜に
なりやすい。そこで、チタニア前駆体を使用する場合
に、他の非晶質の金属酸化物の前駆体を添加することに
よって、結晶成長を遅れさせ、粒子径の小さな結晶を形
成されるため、膜が緻密になり耐久性に優れたものが得
られる。
【0039】非晶質相を形成する金属酸化物の前駆体と
しては、例えば金属アルコキシドや金属アセチルアセト
ナートを加水分解して得られる金属酸化物の前駆体や、
金属の硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩、ステアリン酸
塩等の金属塩化合物などが挙げられる。また、市販され
ている金属酸化物ゾルを用いることもできる。
【0040】具体的に、非晶質層を形成する金属酸化物
としては、シリカやアルミナ等が扱いやすく入手しやす
い点から好適に用いられる。シリカの前駆体としては、
例えばテトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、
モノメチルトリエトキシシラン、モノメチルトリメトキ
シシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエト
キシシラン、その他のテトラアルコキシシラン化合物、
その他のアルキルアルコキシシラン化合物を加水分解し
て得られるシリカゾルなどが挙げられる。市販品では、
例えば商品名スーパーセラ(大八化学工業所製)、商品
名セラミカ(日板研究所製)、商品名HAS(コルコー
ト社製)、商品名コルコート6P(コルコート社製)、
商品名アトロンSiN−500(日本曹達(株)製)、
商品名CGS−D1−0600(チッソ(株)製)など
を使用することができる。
【0041】また、アルミナの前駆体としては、例えば
アルミニウムのアルコキシドやアセチルアセトナート化
合物を加水分解して得られるアルミナゾルや、アルミニ
ウムの硝酸塩や有機酸塩などが挙げられる。市販品とし
ては、例えば商品名アルミナゾルー100、アルミナゾ
ルー200、アルミナゾルー520(日産化学工業
(株)製)、商品名カタロイドAS−3(触媒化成工業
(株)製)などを用いることができる。
【0042】コロイダルシリカ(c)は親水性被膜の親
水性を向上し、十分な実用性を付与するために用いる。
コロイダルシリカを添加することによって、紫外線のな
い環境下における親水維持性能が向上し、また疎水性の
汚染物質が付着しても量が少なければ膜の親水性能をあ
る程度維持することができる。さらに、汚染物質の付着
によって表面の親水性が損われても、光分解による効果
が現れやすく、光照射による親水性回復が速やかになる
という効果もある。
【0043】コロイダルシリカとしては、例えば一般的
に市販されているものを使用することができる。具体的
には、商品名ST−O、ST−S、ST−XS、ST−
UP、MA−ST−M、IPA−ST(日産化学(株)
製)、商品名CATALOID(触媒化成工業(株)
製)、商品名OSCAL(触媒化成工業(株)製)など
が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0044】使用するコロイダルシリカは、粒子径が4
0nm以下であることが望ましい。40nmを超える
と、得られる親水性被膜が濁りやすく、十分な透明性が
得られなくなるからであり、粒子径が小さい程好まし
い。
【0045】上記チタニア前駆体溶液(a)と、金属酸
化物前駆体(b)とコロイダルシリカ(c)とを混合し
て得られるコーティング液中における上記成分の配合比
としては、コーティング液中の固形分が、チタニア前駆
体がチタニア換算で40〜90重量%、金属酸化物の前
駆体が金属酸化物換算で5〜30重量%、コロイダルシ
リカが5〜50重量%の比率となるようにすることが望
ましい。チタニアが40重量%未満では光触媒性能が不
足し、90重量%を超えると膜の耐久性が十分に得られ
ない。金属酸化物が5重量%未満では、膜硬度が不十分
となり、30重量%を超えるとチタニアの結晶化を阻害
しすぎるため光触媒性能が十分に得られなくなる。ま
た、コロイダルシリカは5重量%未満では、得られる親
水性被膜は実用的に十分な親水性にはならず、50重量
%を超えると、チタニアの含有率が低下するため光触媒
性能が不足する上に、膜の硬度も低下するからである。
【0046】更にまた、親水性被膜形成用コーティング
液には、上記成分に加えてアナターゼ型の結晶構造を有
するチタニア粒子を添加してもよい。最初から溶液中に
アナターゼ構造を有しているチタニア粒子を添加するこ
とで、工程条件のバラツキなどに影響されずに親水性被
膜の光触媒性能を、より安定して得ることができる。使
用するチタニア微粒子としては、一般的に市販されてい
るチタニアコロイドなどを用いることができ、例えば商
品名ST−01,ST−21(石原産業(株)製)、商
品名TA−10,TA−15(日産化学工業(株)製)
などがある。
【0047】チタニア微粒子を用いる場合のコーティン
グ溶液の各成分の配合比としては、コーティング液中の
固形分が、チタニア前駆体とチタニア微粒子の合計がチ
タニア換算で40〜90重量%(但し、チタニア前駆体
がチタニア換算で35重量%以上、チタニア微粒子が5
0重量%以下である)、金属酸化物の前駆体が金属酸化
物換算で5〜30重量%、コロイダルシリカが5〜40
重量%の比率となるようにすることが望ましい。
【0048】前駆体から形成されるチタニアが35重量
%未満の場合と、チタニア微粒子が50重量%を超える
場合には、膜の硬度が十分に得られなくなる。その他の
金属酸化物の組成範囲が上記の範囲で望ましい理由は、
上記したチタニア微粒子を添加しない場合と同じであ
る。
【0049】使用するチタニア微粒子の粒径は、50n
m以下であることが望ましい。これより大きな粒子を使
用すると、膜の透明性が失われやすい。
【0050】親水性コーティング液は、必要に応じて溶
媒で希釈して用いることができる。希釈に使用する溶媒
としては、コーティング液中に含まれる金属酸化物ゾル
が溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、
メタノール、エタノール、プロピルアルコール等の一級
アルコール、イソプロピルアルコール等の二級アルコー
ル、ターシヤルブタノール等の三級アルコール、アセト
ン、メチルエチルケトン等のケトン類、エーテル類、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ペンタ
ン、へキサン、シクロへキサン等の脂肪族、芳香族、脂
環式の炭化水素等の一般的な溶媒が挙げられ、これらを
単独で、または混合して用いるができる。
【0051】このようにして得られたコーティング液を
基板表面に塗布し、乾燥し、次いで焼成処理を行なうこ
とによって、膜質が良く、親水性と耐久性に優れた親水
性被膜を形成することができる。
【0052】本発明に用いることができる基板として
は、任意のものが使用できるが、特に焼成温度に対する
耐性から、ソーダライムガラス、低膨脹ガラス、石英ガ
ラス等のガラス類、鉄、アルミニウム、SUS等の金属
類、シリカ、アルミナ、窒化アルミニウム等のセラミッ
クス類、シリコンウェーハ、コランダム等の結晶性基
板、ポリイミド等のポリマーフィルム等が好適に用いら
れる。また、かかる基板の他に、塗布液を任意の薄膜や
厚膜上にも塗布することができる。更に、透明基材、不
透明基材、あるいは透明基材の片面にミラー処理された
鏡体であっても使用することができる。
【0053】特に、基板として、ソーダライムガラスな
どのNa+ を含有する基板を使用する場合は、基板上に
金属酸化物膜からなる第1層を形成し、その上に第2層
として該親水性被膜を形成する2層構成とするのが好ま
しい。このような中間層を設けることによって、基板か
ら親水性被膜へのNa+ の拡散が抑制されるため、チタ
ニアの紫外線に対する反応効率が向上する場合がある。
中間層としては、例えばシリカ、アルミナ、ジルコニ
ア、チタニア等の金属酸化物を単独で、または2種類以
上を選択して用いることができる。
【0054】基板上に親水性被膜形成用のコーティング
液を塗布する方法としては、浸漬引き上げ法(デイッピ
ング法)、スプレー法、フローコート法、カーテン法、
スピンコート法などの既知の塗布手段が適宜採用でき
る。
【0055】コーティング液を塗布後、空気中で乾燥
し、次いで焼成、例えば空気、酸素ガス、窒素ガス又は
これらの混合ガス中400〜800℃で焼成することに
よって親水性被膜を得ることができる。かかる親水性被
膜中、チタニアはアナターゼ型であることが光触媒性の
点から好ましい。また、まず空気中で焼成し、次いで窒
素中で焼成するというように、焼成工程を複数とするこ
ともできる。焼成温度は、特に制限されず、例えばまず
400℃で焼成し、次いで700℃で焼成するというよ
うに、焼成温度を多段とするこもできる。400℃より
低温では膜硬度が不足し、800℃より高温ではチタニ
アがルチル型に相転移しやすく光触媒性が低下すること
がある。
【0056】
【実施例】以下、本発明を次の実施例及び比較例により
詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。 〔実施例1〕100mLフラスコにエタノール30g、
メタノール30g、エチレンジアミン四酢酸5.27g
を入れ、室温で攪拌しながらジ−n−ブチルアミン2.
6gを滴下した。昇温して約3時間還流した後、50℃
まで冷却し、チタンテトライソプロポキシド5.1gを
滴下した。還流温度に昇温して1時間半反応させた後、
25℃まで冷却した。この溶液に、30%過酸化水素水
2.6gを滴下し、還流温度で30分攪拌することによ
り、チタニア前駆体溶液を得た。
【0057】焼成によつて非晶質相シリカを形成するシ
リカゾルとして、CGS−D1−0600(チッソ
(株)製)を、コロイダルシリカとして、ST−XS
(日産化学(株)製、粒径4〜6nm)用い、金属酸化
物として換算した場合に、チタニア:非晶質相シリカ:
コロイダルシリカ=70:10:20(重量比)となる
ように混合液を作成した。これをイソプロピルアルコー
ル(IPA)で希釈し、金属酸化物として換算した固形
分濃度が2重量%となるように調製したものを、コーテ
ィング溶液とした。
【0058】基板上としては、ソーダライムガラスを中
性洗剤で洗浄し、水洗後、乾燥したものを用いた。この
ガラス上に、シリカゾルCGS−D1−0600(チッ
ソ(株)製)を、シリカ換算で2重量%となるようにエ
タノールで希釈したものを500rpmでスピンコート
し、200℃で5分間乾燥したものを中間層とした。
【0059】上記のように準備したシリカ層を形成した
ソーダライムガラス上に、調製した上記コーティング溶
液を、回転数500rpmでスピンコートした。塗布膜
を風乾し、表面が乾いてから100℃で10分間乾燥し
た後、600℃の電気炉で10分間焼成を行って、親水
性被膜を得た。
【0060】〔実施例2,3,4〕金属酸化物として換
算した場合に、チタニア:非晶質相シリカ:コロイダル
シリカの比率が表1に示す値になるように、コーティン
グ液を調製した以外は、実施例1と同様にしてガラス上
に親水性被膜を形成した。
【0061】[実施例5〕100mlのフラスコにエタ
ノール30g、メタノール30g、ジエチレントリアミ
ン5酢酸7.1gを入れ、室温で攪拌しながらジーn−
ブチルアミン2.6gを滴下した。50℃で約2時間攪
拌した後、チタンテトライソプロポキシド5.1gを滴
下した。還流温度に昇温して溶解するまで反応させた
後、25℃まで冷却した。この液に30%過酸化水素水
2.3gを滴下し、還流温度で1時間攪拌した。得られ
たチタニア前駆体溶液に、非晶質相のアルミナを形成す
るための硝酸アルミニウム、コロイダルシリカとしてS
T−O(日産化学(株)製、粒径10〜20nm)を、
チタニア:アルミナ:コロイダルシリカが80:5:1
5(重量比)となるように混合し、金属酸化物として換
算した固形分濃度が2重量%となるようにエタノールで
希釈したものをコーティング溶液とした。このコーティ
ング溶液を用いて、実施例1と同様にしてガラス上に親
水性被膜を形成した。
【0062】〔実施例6〕アナターゼ型の結晶構造を有
するチタニア微粒子として、ST−01(石原産業製、
粒径約7nm)を更に用い、金属酸化物として換算した
場合の比率が、前駆体から形成されるチタニア:微粒子
チタニア:非晶質層を形成するシリカ:コロイダルシリ
カが50:30:10:10となるようにコーティング
溶液を調製した以外は、実施例1と同様にして親水性ガ
ラスを作成した
【0063】〔実施例7,8,9〕アナターゼ型の結晶
構造を有するチタニア微粒子として、ST−21(石原
産業製、粒径約20nm)を用い、表1に示す配合比に
なるようにコーティング液を調製した以外は、実施例6
と同様にして、ガラス上に親水性被膜を形成した。
【0064】〔実施例10,11〕焼成温度を400℃
と800℃とした以外は実施例1と同様にして、ガラス
上に親水性被膜を形成した。
【0065】〔比較例1〕チタンのアルコキシドとして
チタンテトライソプロポキシドをエタノールに0.5モ
ル/Lとなるように溶解し、これに2−メチル−2,4
−ペンタンジオールをアルコキシド1モルに対して1モ
ル加えて1時間還流した。室温まで冷却し、この中に硝
酸を添加し、酸性になるよう調整した後、水をアルコキ
シドと等モル量滴下し、1時間の還流を行ない、チタニ
アゾルを得た。
【0066】このようにして得られたチタニアゾルをチ
タニア前駆体溶液とした以外は、実施例1と同様にして
ガラス上に親水性被膜を形成した。
【0067】〔比較例2〕コロイダルシリカとして、イ
ソプロピルアルコール分散系の、IPA−ST−S(日
産化学(株)製品、粒径8〜11nm)を使用した以外
は、比較例1と同様にしてガラス上に親水性被膜を形成
した。
【0068】〔比較例3,4〕非晶質相を形成するシリ
カまたはコロイダルシリカの量を表1に示すように変更
した以外は、実施例1と同様にしてガラス上に親水性被
膜を形成した。
【0069】〔比較例5,6,7〕コーティング液の組
成を、金属酸化物に換算して表1に示すような比率にな
るように変更した以外は、実施例1と同様にしてガラス
上に親水性被膜を形成した。
【0070】[比較例8〕コロイダルシリカとして、S
T−XL(日産化学(株)製品、粒径40〜60nm)
を使用した以外は、実施例1と同様にして親水性被膜を
形成した。
【0071】〔比較例9〕コーティング液の組成を表1
に示す比率になるようにした以外は、実施例6と同様に
して親水性被膜を形成した。
【0072】〔比較例10〕焼成温度を200℃,5分
とした以外は、実施例1と同様にして親水性被膜を形成
した。
【0073】〔比較例11〕基板として石英ガラスを用
い、焼成温度を1000℃,5分とした以外は、実施例
1と同様にして親水性被膜を形成した。
【0074】〔試験例〕上記実施例1〜11及び比較例
1〜11で得られた親水性被膜の性能を、以下の評価項
目により評価した。膜質評価 :目視で観察し、すじ、ゲル斑点、弾き等の有
無を調べた。 評価基準;○膜には欠陥がない △透明性はあるが欠略
がある ×濁りがある光触媒性評価 :得られた親水性被膜にオレイン酸を塗布
し、透明になるまで余分なオレイン酸を拭取ったものに
ブラックライトを用いて紫外線を照射した。紫外線照射
強度は1.5mW/cm2 とし、2時間後の水滴接触角
を測定した。 評価基準;○2時間後の接触角が10°以下 △2時間後の接触角が25°未満 ×2時間後の接触角
が25°以上 親水維持性 :暗室中に1週間保管し、水滴接触角を測定
した。 評価基準;○2時間後の接触角が10°以下 △2時間後の接触角が25°未満 ×2時間後の接触角
が25°以上 耐傷付き性 :キャンバス布を用い、親水性被膜表面を5
0回手拭きで摺勤した。 その後、目視で観察し傷の有無を調べた。 評価基準;○傷なし △傷が発生している ×膜が剥離
している液の保管安定性 :コーティング液を密封し室内に保管し
た。1ケ月後に液の状態を調べた。 評価基準;○変化なし △ゲル化した浮遊物が見られる
×完全にゲル化している
【0075】得られた結果を表1に示す。
【表1】
【0076】実施例で得られた被膜の方が比較例で得ら
れた被膜よりも後述する効果に優れていることが明らか
となった。
【0077】比較例1で得られた被膜の表面には、スピ
ンの中心から周辺方向へのスジが無数に発生し、また、
液は1日でゲル化し使用不可能な状態になっていた。
【0078】比較例2で得られた被膜は、比較例1と同
様に、得られた被膜の表面にはスピンの中心から周辺方
向へのスジが無数に発生し、また、液は1日後は異常は
なかったが、1ケ月後にはゲル化し使用不可能な状態に
なっていた。
【0079】コロイダルシリカを含まない比較例3では
維持性が悪く、非晶質相を形成するシリカを含まない比
較例4では膜の耐傷付きが悪かった。
【0080】比較例5〜7で得られた被膜は、各々光触
媒性、親水維持性、傷付き性のどれかに問題があり、本
比較例の配合比では十分な実用性を有する被膜は得られ
なかった。
【0081】比較例8で得られた被膜はやや濁ってお
り、透明性が不足していた。
【0082】比較例9で得られた被膜は、膜の耐傷付き
性に問題があるものであった。
【0083】比較例10で得られた被膜は、膜質以外の
すべての項目において不十分もなっであった。
【0084】比較例11で得られた被膜は、光触媒性能
において、十分な実用性を持つものは得られなかった。
【0085】
【発明の効果】請求項1〜10記載の親水性被膜形成用
コーティング液は、成膜性が良く、広く各種の塗布工法
に対応でき、また液の保管安定性に優れるため、工業的
にも非常に使い易いという効果が得られる。
【0086】また、前記コーティング液により得られた
請求項10記載の親水性被膜は、膜欠陥が発生しにく
く、優れた膜質のものが得られ、更に光触媒性能、親水
維持性、耐久性においても十分に実用に供することので
きる親水性被膜を得ることができる。
【0087】更に請求項11〜13記載の親水性被膜の
形成方法は、前記親水性被膜を簡単な工程により経済的
に安価に製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西出 利一 福島県郡山市本町2−21−5 テオリア郡 山307号 (72)発明者 阪下 好顕 兵庫県伊丹市千僧5丁目41番地 帝国化学 産業株式会社伊丹工場内 (72)発明者 大槻 哲也 兵庫県伊丹市千僧5丁目41番地 帝国化学 産業株式会社伊丹工場内 (72)発明者 菅原 聡子 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 甲斐 康朗 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 4G059 AA01 AC21 EA01 EA04 EA05 EB05 4J038 EA011 HA216 HA446 JC38 MA14 NA06 PC02 PC03

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a)アミノポリカルボン酸及び二酸化物イ
    オンが配位したチタン錯体陰イオンとアミン陽イオンと
    を含有するチタニア前駆体溶液、 b)非晶質相を形成する金属酸化物の前駆体及び、 c)コロイダルシリカを含有することを特徴とする親水
    性被膜形成用コーティング液。
  2. 【請求項2】 金属酸化物の前駆体(b)は、シリカ前
    駆体及び/又はアルミナ前駆体であることを特徴とする
    請求項1記載の親水性被膜形成用コーティング液。
  3. 【請求項3】 チタニア前駆体(a)がチタニア換算で
    40〜90重量%、金属酸化物の前駆体(b)が金属酸
    化物換算で5〜30重量%、コロイダルシリカ(c)が
    5〜50重量%であることを特徴とする請求項1又は2
    記載の親水性被膜形成用コーティング液。
  4. 【請求項4】 チタニア前駆体は、チタンアルコキシド
    とアミノポリカルボン酸及び/又はその塩とアミンとを
    反応させ、次いで酸化剤を加えて二酸化物イオンを配位
    させることによって製造されたものであることを特徴と
    する請求項1〜3いずれかの項記載の親水性被膜形成用
    コーティング液。
  5. 【請求項5】 アミン陽イオンは、次の一般式(1) (R1)(R2)(R3)(R4)N+ (1) (式中、R1 ,R2 ,R3 及びR4 は水素または炭素数
    が1〜10のアルキル基を示し、R1 〜R4 はそれぞれ
    同じでも異なってもよい)で表されることを特徴とする
    請求項1〜4いずれかの項記載の親水性被膜形成用コー
    ティング液。
  6. 【請求項6】 コロイダルシリカ(c)の粒子径は、4
    0nm以下であることを特徴とする請求項1〜5いずれ
    かの項記載の親水性被膜形成用コーティング液。
  7. 【請求項7】 更に、アナターゼ型の結晶構造を有する
    チタニア微粒子を含有することを特徴とする請求項1〜
    6いずれかの項記載の親水性被膜形成用コーティング
    液。
  8. 【請求項8】 チタニア前駆体とチタニア微粒子の合計
    がチタニア換算で40〜90重量%(但し、チタニア前
    駆体はチタニア換算で35重量%以上であり、かつチタ
    ニア微粒子は50重量%以下である)、金属酸化物の前
    駆体(b)が金属酸化物換算で5〜30重量%、コロイ
    ダルシリカ(c)が5〜40重量%であることを特徴と
    する請求項7記載の親水性被膜形成用コーティング液。
  9. 【請求項9】 アナターゼ型の結晶構造を有するチタニ
    ア微粒子の粒径は、50nm以下であることを特徴とす
    る請求項7又は8記載の親水性被膜形成用コーティング
    液。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9いずれかの項記載の親水
    性被膜用コーティング液を用いて形成することを特徴と
    する親水性被膜。
  11. 【請求項11】 請求項1〜9いずれかの項記載の親水
    性被膜形成用コーティング液を基板に塗布し、乾燥し、
    次いで焼成して親水性被膜を形成することを特徴とする
    親水性被膜の形成方法。
  12. 【請求項12】 焼成温度が400℃〜800℃である
    ことを特徴とする請求項11に記載の親水性被膜の形成
    方法。
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