JP3270422B2 - ガラス物品 - Google Patents
ガラス物品Info
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- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
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- C03C17/34—Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with at least two coatings having different compositions
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- Materials Applied To Surfaces To Minimize Adherence Of Mist Or Water (AREA)
Description
る。
スについては、雨天時の安全を確保する必要があり、ま
た、特に旅客輸送を目的とする場合には、外周の景観を
確保する必要があるために、ガラス表面に防曇性を付与
することが望まれている。また、自動車のサイドミラー
に用いる鏡については、雨天時に水滴が付着すると後方
の安全確認が困難となり易いという問題点があり、ま
た、浴室・洗面等で用いる鏡については、水蒸気や湯気
が接触すると鏡表面で水の凝結が起こって曇りが生じ、
鏡本来の機能を損う場合が多々見られる。
品の表面を親水化する試みがなされている。例えば、界
面活性剤を含有する有機または無機薄膜のコーティング
(特開平7−117202)、親水ポリマーのコーティ
ング(特許1344292)、親水性有機官能基を含有
する有機無機複合膜のコーティング(特開平6−220
428)等をガラス表面に形成することが試みられてい
る。
製品の表面状態は、外部からの汚れ等により大きな影響
を受けるために、防曇効果を長期にわたって維持するこ
とは困難である。また、表面の汚れを除去する為に、強
アルカリ性や強酸性の家庭用洗剤を使用すると、防曇効
果の復元どころか、成膜した面が大きくダメージを受け
るという不都合が見られる。更に、建築物の窓ガラス等
の構造材として用いるためには、上記処理方法では、表
面強度が不十分である。
親水化する試みもなされているが、この方法では、10
μW/cm2程度の紫外光を常時照射することが必要で
あり(工業材料、1999年6月号、56〜61頁)、
しかも一旦汚れが表面に付着した場合には、十分な紫外
線強度の光源を持つ装置を用いて光を照射するか、天日
などで紫外線を照射して再度表面を清浄にする必要があ
り、室内で利用するガラス製品に適用することは品質保
障の点で不都合が生じる。
優れた防曇性、流水性、保水性等を有し、しかも、高強
度で耐薬品性の良好なガラス物品を提供することであ
る。
き課題に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、ガラス基材表面
に、コロイド状金属水酸化物及びコロイド状金属水酸化
物の少なくとも一種を含む親水性保水層を形成し、更
に、この上に、特定の有機金属化合物の縮重合反応生成
物により形成された多孔質層を積層することによって、
優れた防曇性、流水性、保水性等を有すると同時に、高
強度及び耐薬品性も付与されたガラス物品が得られるこ
とを見出し、ここに本発明を完成するに至った。
するものである。 1.ガラス基材上に親水性保水層及び多孔質層が順次積
層されたガラス物品であって、該親水性保水層が、コロ
イド状金属酸化物及びコロイド状金属水酸化物の少なく
とも一種を含む分散液を塗布し乾燥して形成された層で
あり、該多孔質層が、加水分解縮重合可能な有機金属化
合物の縮重合反応生成物により形成された直径1nm〜
1μmの細孔を有する層であることを特徴とするガラス
物品。 2.親水性保水層が、加水分解縮重合可能な有機金属化
合物の縮重合反応生成物により形成された層中にコロイ
ド状金属酸化物及びコロイド状金属水酸化物の少なくと
も一種が分散した層である上記項1に記載のガラス物
品。 3.コロイド状金属酸化物及びコロイド状金属水酸化物
の少なくとも一種が、珪素、ジルコウム、アルミニウ
ム、チタニウム又はこれらの混合物を金属成分として含
む酸化物及び水酸化物の少なくとも一種である上記項1
又は2に記載のガラス物品。 4.コロイド状金属酸化物及びコロイド状金属水酸化物
の少なくとも一種が、平均粒径5〜30nmのコロイド
状シリカである上記項1〜3のいずれかに記載のガラス
物品。 5.親水性保水層及び多孔質層を形成するために用いる
有機金属化合物が、一般式(1) MCla(OH)bR1c(OR2)d (1) (式中、MはSi、Ti又はZrであり、R1は、水素
原子又は炭素数1〜10のアルキル基であり、R2は、
炭素数1〜10のアルキル基又はアシル基であり、aは
0〜4の整数、bは0〜4の整数、cは0〜3の整数、
dは0〜4の整数であり、且つa+b+c+d=4であ
る)で表される化合物及びその縮合物の少なくとも一種
である上記項1〜4のいずれかに記載のガラス物品。 6.親水性保水層の膜厚が50nm〜1μmであり、多
孔質層の膜厚が20nm〜1μmである上記項1〜5の
いずれかに記載のガラス物品。
材表面に、親水性保水層と多孔質層が順次積層されたも
のである。
ス表面に親水性と保水性を有する層と多孔質の吸水性を
有する層を積層することによって、外部からの水分をガ
ラス表面に吸収して、表面上に擬似的な水膜を形成する
ことができ、更に、吸水・保水効果によって、ガラス表
面に防曇・流水現象を生じさせて、ガラス物品の曇りを
防止できる。また、形成される層は、無機酸化物の焼付
け膜であるために、機械的強度や耐薬品性等も良好であ
る。
層は、コロイド状金属酸化物及びコロイド状金属水酸化
物の少なくとも一種を含むことが必要である。
水酸化物(以下、単に「コロイド状物質」ということが
ある)としては、珪素、ジルコウム、アルミニウム、チ
タニウム、これらの混合物等を金属成分として含む酸化
物、水酸化物等のコロイド粒子を用いることができる。
例えば、コロイド状シリカ、コロイド状アルミナ、コロ
イド状ジルコニア、コロイド状チタニア、コロイド状水
酸化珪素、コロイド状水酸化アルミニウム、コロイド状
水酸化ジルコニウム等を用いることができ、コロイド状
シリカが特に好ましい。これらのコロイド状物質は、親
水性が良好なものが好ましく、例えば、表面に水酸基等
の親水性基を有するものを好適に用いることができる。
コロイド状物質は、一種単独又は二種以上混合して用い
ることができる。コロイド状物質の平均粒径は、4〜1
00nm程度が好ましく、10〜30nm程度がより好
ましい。コロイド状物質の粒径が小さすぎると十分な保
水力が得られず、一方、大きすぎると被覆した膜の表面
が凸凹が顕著となり、ひっかき強度等の機械的強度が弱
くなるので好ましくない。
散ゾルの形で、溶媒中に分散した状態で市販されている
ものを用いることができる。この様なゾルの具体例とし
ては、「スノーテックス−O」、「スノーテックス−O
L」、「スノーテックス−20」、「スノーテックス−
20L」、「スノーテックス−UP」、「スノーテック
ス−OUP」(いずれも日産化学株式会社製シリカゾ
ル)、「アルミナゾル520」(アルミナゾル、日産化
学株式会社製)、「ジルコニアゾルNZS−30A」
(ジルコニアゾル日産化学株式会社製)、「チタニアゾ
ルCS−N」(チタニアゾル、石原産業株式会社製)等
の水分散ゾルや「メタノールシリカゾル」「IPA−S
T」(シリカゾル、日産化学株式会社製)等の有機溶剤
分散シリカゾル等が挙げられる。これらの溶媒分散ゾル
は、そのまま、或いは必要に応じて、水やメタノール、
エタノール、プロパノール等に分散させて用いることが
できる。コロイド粒子の濃度については、特に限定はな
く、塗布が可能であって、造膜が可能な濃度となるよう
に適宜調整すればよい。
によって形成しても良いが、これだけでは十分な密着性
が得られない場合や膜強度が不足する場合には、加水分
解縮重合可能な有機金属化合物をバインダーとして用い
て、該有機金属化合物の縮重合生成物により形成された
層中にコロイド状物質を分散させることが好ましい。
ば、金属成分として、珪素、アルミニウム、ジルコニウ
ム、チタニウム等を含む金属アルコキシド又は金属ヒド
ロキシド等を用いることができる。
には、一般式(1) MCla(OH)bR1c(OR2)d (1) (式中、MはSi、Ti又はZrであり、R1は、水素
原子又は炭素数1〜10のアルキル基であり、R2は、
炭素数1〜10のアルキル基又はアシル基であり、aは
0〜4の整数、bは0〜4の整数、cは0〜3の整数、
dは0〜4の整数であり、且つa+b+c+d=4であ
る)で表される化合物、その縮合物等を用いることがで
きる。
0のアルキル基としては、直鎖状又は分枝鎖状のアルキ
ル基でよく、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、
イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル等
を例示できる。
としては、使用する溶媒に溶解可能なものであればよ
く、上記一般式(1)の化合物が溶液中で加水分解縮合
したものや市販されている縮合物等を用いることができ
る。市販品の具体例としては、高分子量タイプのアルキ
ルシリケート「エチルシリケート40」(コルコート株
式会社製)や「MS−51」、「MS−56」(三菱化
学株式会社製)等を挙げることができる。
のその他の例として、クロロシリル基(−SiClnX
3-n、ここではnが1〜3の整数であり、Xは、同一又
は異なって、水素、炭素数1〜10のアルキル基、アル
コキシ基又はアシロキシ基である。)を分子内に少なく
とも1つ有するクロロシリル基含有化合物を用いること
ができる。その中でも少なくとも2個の塩素を有する化
合物が好ましい。この様な化合物は、シランSinH
2n+2(nは1〜5の倍数)の中の少なくとも2個の水素
を塩素で置換し、他の水素を必要に応じて上記アルキル
基、アルコキシ基またはアシロキシ基で置換したクロロ
シランおよびその縮重合物が望ましい。例えば、テトラ
クロロシラン,トリクロロシラン、トリクロロモノメチ
ルシラン、ジクロロシランおよびCl−(SiCl
2O)n−SiCl3(nは1〜10の整数)等をあげる
ことができる。
イド状物質と有機金属化合物の使用割合は、両者を酸化
物に換算し、合計量を100重量%として、コロイド状
物質を50重量%以上用いることが好ましい。特に、親
水性膜の膜強度、密着性等が良好であって、しかも良好
な親水性、保水性等を保持するためには、コロイド状物
質の量が60〜95重量%程度が好ましく、70〜90
重量%程度がより好ましい。
要に応じて、有機金属化合物を含有する分散液をガラス
基材に塗布し、乾燥させることによって形成することが
できる。
合物の濃度については、特に限定はなく、これらの各成
分を安定に溶解乃至分散でき、しかもこの分散液をガラ
ス基材に塗布した際に、必要な厚さの層を形成できる量
であればよい。通常、有機金属化合物を配合する場合に
は、該有機金属化合物の濃度は、1〜30重量%程度と
することが適当である。
ド状物質及び有機金属化合物を溶解乃至分散できるもの
であればよく、水、有機溶媒、これらの混合物等を用い
ることができる。有機溶媒としては、例えば、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコ
ール類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メチ
ルセルソルブ、エチルセルソルブ等のセルソルブ類、エ
ーテル類、ケトン類等を用いることができる。
限定はなく、分散媒中にコロイド状物質と有機金属化合
物を均一に分散乃至溶解できる方法であればよい。例え
ば、有機金属化合物を溶解した溶液中にコロイド状物質
を含むゾルを添加してもよく、コロイド状物質を含むゾ
ル中に有機金属化合物を添加しても良い。
合には、該有機金属化合物を加水分解縮重合させるため
に該分散液中に水を添加することが好ましい。水の添加
量は、特に限定的ではないが、有機金属化合物1モルに
対して0.1〜100モル程度が好ましい。水分量が少
なすぎると加水分解が進行し難いが、例えば、クロロシ
リル基等の水との反応性が高い基を有する化合物は、該
分散液中に水が含まれない場合にも、空気中の水分と反
応して加水分解縮重合が可能である。一方、水分量が多
すぎる場合には、該分散液が急速にゲル化したり、沈殿
が生じ易くなるので好ましくない。
する場合には、該分散液中に加水分解縮重合を促進する
ための触媒として、酸を配合することが好ましい。この
様な酸としては、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、クエン酸、
p―トルエンスルホン酸等を例示できる。原料として用
いるゾル等に酸が含まれる場合には、これらの酸が触媒
として作用するので、別途酸を添加することなく使用す
ることも可能であるが、必要に応じて、酸を添加して使
用しても良い。酸の配合量は、特に限定はされないが、
通常、有機金属化合物1モルに対して0.001〜5モ
ル程度とすることが好ましい。
性が不十分な場合には、該分散液に界面活性剤を添加し
て濡れ性を向上させることもできる。
ルコニウム、アルミニウム等の金属アルコキシドを用い
る場合等には、加水分解速度が非常に速いために成膜時
に白化を起こしたり、液の安定性が不十分となる場合が
ある。この様な場合には、常法に従って、アセチルアセ
トン等によるβ−ジケトン錯体を形成した後成膜する方
法やモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N
−エチルジエタノールアミン、N,N−ジメチルジアミ
ノエタノール等のアミン類やグリコール類を添加して液
を安定化させる方法等を適宜採用すればよい。
いては特に限定はなく、適宜公知の方法を用いれば良
い。例えば、スピンコート法、ロールコート法、スプレ
ー法、カーテンコート法、ディップコート法、フローコ
ート法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法等の方法を
適用することができる。
に含まれる溶媒が十分除去されればよく、通常、空気中
で、室温〜150℃程度で3〜30分程度保持すればよ
い。
該親水性保水層を150℃〜ガラス基材の軟化点の範囲
の温度、好ましくは200℃〜ガラス基材の軟化点の範
囲の温度で、5〜60分程度加熱することが好ましく、
これによって、多孔質層を形成する際に、多孔質層の形
成用溶液によって親水性保水層が浸食されることを防止
できる。
程度とすることが好ましく、100nm〜300nm程
度とすることがより好ましい。膜厚が小さすぎると十分
な保水力が得られず、大きすぎると生産性の低下を招く
ばかりか、ひび割れ等により失透等を引き起こし易く、
しかも保水効果が大きく向上することはない。
加水分解縮重合可能な有機金属化合物の縮重合反応生成
物により形成された層中に、直径1nm〜1μm程度の
細孔を形成したものである。
形成する場合に用いるものと同様の有機金属化合物を含
む溶液中に、該溶液に分散可能であって、多孔質層を加
熱処理する際に熱分解して消失する高分子化合物を分散
させた溶液を用いて、これを親水性保水層上に塗布し、
乾燥させた後、焼成することによって形成できる。
レングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリエ
ーテル類、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルセルロース等のヒドロキシアルキルセルロース
類、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリビニルアルコール、
ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド等を例
示できる。これらの高分子化合物は、平均分子量が60
0程度以上であって、多孔質層を形成するために用いる
溶液中に溶解又は均一に分散可能なものが好ましく、特
に、溶解可能なものが好ましい。分子量が小さすぎると
十分な細孔を形成できないので不適切である。
水層を形成する場合に用いるものと同様のものを使用で
き、この溶液中に上記高分子化合物を分散させればよ
い。該高分子化合物の使用量は、該有機金属化合物を金
属酸化物に換算し、これを100重量%として、高分子
化合物量を40〜90重量%程度とすることが好まし
い。
更に、必要に応じて、上記親水性保水層を形成するため
に用いたものと同様のコロイド状金属酸化物及びコロイ
ド状金属水酸化物の少なくとも一種を配合することがで
きる。この様なコロイド状物質を配合することによっ
て、多孔質層の親水性を向上させることができる。コロ
イド状物質の配合量は、コロイド状物質と有機金属化合
物の両者を酸化物に換算し、合計量を100重量%とし
て、コロイド状物質の量を50重量%以下とすることが
好ましく、20重量%程度以下とすることがより好まし
い。
については、特に限定はなく、上記した親水性保水層を
形成する場合と同様の方法を適宜採用すればよい。
することによって、層中に含まれる高分子化合物が熱分
解して消失し、細孔が形成される。
れる溶媒が十分に除去されればよく、通常、空気中で、
室温〜150℃程度で3〜30分程度保持すればよい。
ス基材の軟化点の範囲の温度とすればよく、例えば、ガ
ラス基材として、一般に広く用いられているソーダライ
ムガラスを用いる場合には、400〜600℃程度とす
ることが好ましく、450〜550℃程度とすることが
より好ましい。
囲気とすればよい。加熱時間は、通常、5〜60分程度
とすればよい。
m程度の細孔が形成されたものであり、厚さは20nm
〜1μm程度が好ましい。
るガラスの素材については特に限定はなく、例えば、ソ
ーダライムガラスの他、パイレックスガラスや石英ガラ
スにも適用できる。また、ガラス物品の種類についても
特に限定はないが、特に、自動車・船舶・航空機・電車
等の窓ガラスや自動車のサイドミラー、浴室・洗面等で
用いる鏡等に適用することが有効である。
ラス物品は、そのまま使用することによって優れた防曇
性、流水性、保水性等の特性を発揮できるが、更に、使
用前に、該ガラス物品に水をかけることによって、早期
に防曇性を向上させることができる。この場合には、特
に、中性洗剤等の界面活性剤を適量添加した水を用いる
ことによって、早期に防曇性を向上させる効果がより顕
著となる。
層によって空気中の水分が吸収され、親水性保水層でそ
の水分を保水することによって、長期にわたって防曇性
を維持することができる。また、水の吸着機能を利用し
ている為に、湿度の高い場所や水滴の付着する場所で用
いる場合にも、良好な防曇性を発揮できる。また、無機
酸化物の焼付け膜であるために、機械的強度や耐久性も
良好であり、自動車、建築材料等のガラスとして、或い
は、鏡に用いるガラス材料として好適に用いることがで
きる。
するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるもので
はない。 <実施例1>テトラエトキシシラン(和光純薬株式会社
特級試薬)をエタノールに酸化珪素換算で5重量%と
なるように溶解した溶液を十分攪拌した後、蒸留水に対
して0.05倍重量の塩酸(36%水溶液、和光純薬株
式会社製、試薬)を添加した溶液を、テトラエトキシシ
ランに対して、水の量が10倍モル量となるように攪拌
しながらゆっくりと添加した後、さらに1時間攪拌し
て、溶液(A)を得た。
−O、日産化学社製、粒径10〜20nm)を酸化珪素
換算で5重量%になるようにエタノールで希釈し、1時
間攪拌して溶液(B)得た。
加し、添加終了後1時間の攪拌を行った後に、20時間
熟成させて、親水性保水層形成用のコーティング液
(C)を得た。この時の溶液(A)と溶液(B)の混合
比は重量比で1:3とした。
に酸化珪素換算で10重量%となるように溶解した溶液
を十分に撹拌した後、蒸留水に対して0.05倍重量の
塩酸(36%水溶液、和光純薬株式会社製、試薬)を添
加した溶液を撹拌しながらゆっくりと滴下し、テトラエ
トキシシランの酸化珪素換算量が5重量%となるまで希
釈して、溶液(D)を調製した。この溶液(D)中にポ
リエチレングリコール20,000(和光純薬株式会社
製、試薬)をテトラエトキシシランの酸化珪素換算量の
70重量%添加し、十分に溶解するまで攪拌した後、2
0時間室温で熟成して、多孔質層形成用のコーティング
液(E)を得た。
を溶液(C)中に浸漬し、十分なじませた後、引き上げ
速度200mm/minで引き上げて薄膜を形成し、1
20℃で20分間乾燥させた後、500℃で30分間焼
成した。この基板を室温まで冷却した後、溶液(E)中
に浸漬し、十分なじませた後、引き上げ速度200mm
/minで引き上げて薄膜を形成し、120℃で20分
間乾燥させた後、500℃で30分間焼成してサンプル
を作製した。
の状態から湿度90%、室温25度の恒温・恒湿槽に入
れても透明性が失われなかった。この際、非常に多湿の
為に、サンプルの表面には水膜が形成されていることが
確認できた。このサンプルを湿度30%、室温20℃の
標準的な化学実験室で保管し、2週間後および4週間後
に同様の実験を行なったが水滴形成による失透は認めら
れなかった。 実施例2〜5及び比較例1〜2 親水性保水層形成用の有機金属化合物及びコロイド状物
質と、多孔質層形成用の有機金属化合物として、下記表
1に示す化合物を使用し、多孔質層形成用に用いるポリ
エチレングリコールの分子量と使用量(テトラエトキシ
シランの酸化珪素換算量に対する重量%)を下記表1に
示す通りとする他は、実施例1と同様にして、ソーダラ
イムガラス上に親水性保水層と多孔質層を形成した。こ
の様にして得られた各サンプルについて、実施例1と同
様にして防曇性試験を行った。★
プルについては、実施例1と同様に湿度90%、室温2
5度の恒温・恒湿槽に入れた場合にも透明性は失われな
かったが、比較例1及び2のサンプルについては、高湿
度の恒温・恒湿槽に入れた場合に、曇りが発生して透明
性が失われた。
Claims (5)
- 【請求項1】ガラス基材上に親水性保水層及び多孔質層
が順次積層されたガラス物品であって、 該親水性保水層が、加水分解縮重合可能な有機金属化合
物の縮重合反応生成物により形成された層中に、コロイ
ド状金属酸化物及びコロイド状金属水酸化物の少なくと
も一種(酸化物半導体を除く)が分散した層であり、 該多孔質層が、加水分解縮重合可能な有機金属化合物の
溶液を塗布し、乾燥させた後400℃〜ガラス基材の軟
化点の範囲の温度で加熱処理する方法によって、該有機
金属化合物の縮重合反応生成物により形成された直径1
nm〜1μmの細孔を有する層であることを特徴とする
ガラス物品。 - 【請求項2】コロイド状金属酸化物及びコロイド状金属
水酸化物の少なくとも一種が、珪素、ジルコウム、アル
ミニウム又はこれらの混合物を金属成分として含む酸化
物及び水酸化物の少なくとも一種である請求項1に記載
のガラス物品。 - 【請求項3】コロイド状金属酸化物及びコロイド状金属
水酸化物の少なくとも一種が、平均粒径5〜30nmの
コロイド状シリカである請求項1又は2に記載のガラス
物品。 - 【請求項4】親水性保水層及び多孔質層を形成するため
に用いる有機金属化合物が、一般式(1) MCla(OH)bR1c(OR2)d (1) (式中、MはSi、Ti又はZrであり、R1は、水素
原子又は炭素数1〜10のアルキル基であり、R2は、
炭素数1〜10のアルキル基又はアシル基であり、aは
0〜4の整数、bは0〜4の整数、cは0〜3の整数、
dは0〜4の整数であり、且つa+b+c+d=4であ
る)で表される化合物及びその縮合物の少なくとも一種
である請求項1〜3のいずれかに記載のガラス物品。 - 【請求項5】親水性保水層の膜厚が50nm〜1μmで
あり、多孔質層の膜厚が20nm〜1μmである請求項
1〜4のいずれかに記載のガラス物品。
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