JP2000264893A - 金属錯体、金属錯体の製造方法、金属錯体水溶液および金属酸化物 - Google Patents

金属錯体、金属錯体の製造方法、金属錯体水溶液および金属酸化物

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JP2000264893A
JP2000264893A JP11227497A JP22749799A JP2000264893A JP 2000264893 A JP2000264893 A JP 2000264893A JP 11227497 A JP11227497 A JP 11227497A JP 22749799 A JP22749799 A JP 22749799A JP 2000264893 A JP2000264893 A JP 2000264893A
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metal
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Timothy Kemmitt
ティモシー ケミット
Naja Arusarimu
ナジャ アルサリム
Marie Anne Mills
マリー アン ミルズ
Fenton David Gurantoteiraa
フェントン デビッド グラントテイラー
Marie Joriin Sutton
マリー ジョリーン サットン
Toshio Ono
寿男 小野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 保存安定性や製膜性に優れた金属錯体あるい
はそれから得られる金属錯体水溶液、およびこのような
金属錯体が効率的に得られる製造方法、並びに触媒活性
に優れた金属酸化物を提供する。 【解決手段】 M(OR1mで表される金属アルコキシ
ド(Mは、チタン等の金属であり、R1は、アルキル基
等であり、mは、金属Mの原子価である。)と、(HO
2sN(R3tで表されるアミノアルコール(R
2は、アルキレン基等で あり、sは、1、2または3で
あり、R3は、水素等であり、tは(3−s)である。)
とを反応してなる金属錯体であり、金属錯体中に含まれ
るR1(OH)で表されるアルコール量を金属アルコキ
シドの加水分解により生成するアルコール量の80重量
%以下の値とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属錯体、金属錯
体の製造方法、金属錯体水溶液および金属酸化物に関す
る。より詳しくは、保存安定性や製膜性に優れた金属錯
体あるいはそれから得られる金属錯体溶液、およびこの
ような金属錯体が効率的に得られる製造方法、並びに触
媒活性に優れた金属酸化物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、フィルム状の二酸化チタンは、効
率的な光触媒や半導体電極として、しばしば用いられて
おり、ティー サカタ(T Sakata)らによる文献1「フ
ォトキャタリシス、イーディー エヌ セルポン、イー
ペリゼッチ、ウィリー、ニューヨーク(Photocatalys
is,ed.N Serepone and E Pelizzetti,Wiley,New Yor
k)、ページ311、1989年」、ディーイー スカ
イフフェ(D E Scaife)らによる文献2「ゾルエネルギ
ー(Sol.Energy)vol 25、ページ41、1980
年」に開示されている。また、二酸化チタンは、活性試
薬や不活性坦体としても用いられており、このような用
途に適した二酸化チタンの製造方法として、不活性坦体
上に触媒であるTiO2およびV23の混合物を担持し
ておき、当該触媒を用いて、o−キシレンを無水フタル
酸に触媒酸化する方法が知られており、エム エス ウ
エインライト、エヌ アール フォスター(M.S.Wainwr
ight and N R Foster)らによる文献3「キャタリスト
レヴュー オブ サイエンスエンジニアリング(Catalyst
Review of Science Eng. )vol 19(2)、ページ
211、1917年」に開示されている。さらにまた、
二酸化チタンを使用して水を光触媒的に分解し、発生さ
せた水素を燃料に用いる研究もなされており、文献4
「エー ジェー バード(A.J.Bard)らによるサイエン
ス(Science)、vol 207、139ページ、198
0年」や、文献5「イー バルガレッロ(E.Borgarell
o)らによるジャーナル オブアメリカンケミカルソサ
イエティー(J.Am.Chem.Soc.)、vol 104(1
1)、ページ2996」に開示されている。
【0003】このように二酸化チタンは近年注目されて
いるものの、高いアナターゼ比率を有し、かつ、光触媒
能を極大化するために大きい表面積を有する二酸化チタ
ンの成形物を作成することは困難であった。したがっ
て、従来の二酸化チタンの成形物は、光触媒能が低いと
いう問題が見られた。また、このような高いアナターゼ
比率を有する粒子状の二酸化チタンを作成する方法とし
て、従来、イルメナイトを原料として硫酸法により硫酸
化チタンを得て、この硫酸化チタンを熱加水分解してメ
タチタン酸(TiO(OH)2またはTiO2・H2O)
を作成し、さらにこのメタチタン酸を硝酸などの一塩基
性酸で解膠する方法が知られていた。しかしながら、こ
れらのチタンゾルは、pHが1〜2程度の強酸であるた
め取り扱いに留意する必要があり、また、フィルムにし
た場合、被着体への接着力が弱く、摩擦等により容易に
剥がれてしまうという問題点を有していた。
【0004】また、蒸留を繰り返して精製された四塩化
チタン、(NH42(TiO(C242)およびイソ
プロピルチタネート等が二酸化チタン原料として検討さ
れている。しかしながら、いずれも充分なアナターゼ型
結晶構造を含有する二酸化チタンをあたえるものではな
かった。具体的に、文献6「ジャーナル オブ ヨーロピ
アン セラミック ソサイエティー(J.European Ceramic
Society)、ページ287〜297、1988年」に
は、二酸化チタンをトリエタノールアミンおよびエチレ
ングリコールと反応させて得られる前駆体から製造され
る二酸化チタン粉末が記載されているが、このようにし
て得られた二酸化チタンは、ルチル型結晶構造を10〜
15%の範囲内で含んでおり、アナターゼ型結晶構造の
含有率が未だ高いとは言えなかった。
【0005】また、最近開発されているゾル−ゲル法に
よれば、イソプロピルチタネート等のチタンアルコキサ
イドを出発原料として用い、チタン化合物(チタン酸化
物)からなる製品を、粉末状、繊維状、フィルム状など
の形態で得ることができるようになった。しかしなが
ら、チタンアルコキサイドからなる溶液あるいはゾル
は、水により容易に加水分解してゲル化するため保存安
定性が乏しく、安定して、均一な特性を有するチタン化
合物を得ることが困難であった。また、これらの溶液は
アルコールを含むため、危険物指定となり、使用設備に
おいて防爆設備が必要となるなどの問題点を有してい
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような状況下、発
明者らは、上述した問題を鋭意検討し、特定の金属錯体
を用いることにより、保存安定性や製膜性に優れ、しか
も金属酸化物を作成した場合に、優れた触媒活性が得ら
れることを見出し、本発明を完成させたものである。ま
た、特定の金属アルコキシドとアミルアルコールとを用
いることにより、特定の金属酸化物が効率的に得られる
ことを見出し、本発明の金属酸化物の製造方法を完成さ
せたものである。
【0007】すなわち、本発明の目的は、保存安定性や
製膜性に優れており、しかも金属酸化物を安定して得る
ことができる金属錯体あるいは金属錯体溶液を提供する
ことにある。また、本発明の別の目的は、このような金
属錯体からなる、触媒活性に優れた金属酸化物を提供す
ることにある。さらに、本発明の別の目的は、このよう
な金属酸化物を効率的に、しかも安定して得ることがで
きる金属酸化物の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記一般式
(1)で表される金属アルコキシドと、下記一般式
(2)で表されるアミノアルコールとを反応してなる金
属錯体であり、金属錯体中に含まれる下記一般式(3)
で表されるアルコール量を金属アルコキシドの加水分解
により生成する当該アルコール量の80重量%以下の値
とした金属錯体である。 M(OR1m (1) [一般式(1)中、Mは、シリコン、チタン、アルミニ
ウム、亜鉛、鉄、マンガン、銅、ジルコニウム、スズ、
ストロンチウム、およびバリウムのいずれかの金属であ
り、R1は、アルキル基、アリール基またはアシル基で
あり、mは、金属Mの原子価を表す。] (HOR2sN(R3t (2) [一般式(2)中、R2は、アルキレン基またはアリー
レン基であり、sは、1、2または3であり、R3は、
水素、アルキル基またはアリール基であり、tは(3−
s)である。] R1(OH) (3) [一般式(3)中、R1は、アルキル基、アリール基ま
たはアシル基である。]
【0009】また、本発明の別の態様は、下記一般式
(1)で表される金属アルコキシドと、下記一般式
(2)で表されるアミノアルコールとを反応させて金属
錯体を形成する第1の工程と、金属錯体中に含まれる下
記一般式(3)で表されるアルコール量を金属アルコキ
シドの加水分解により生成する当該アルコール量の80
重量%以下の値とする第2の工程とを含む金属錯体の製
造方法である。 M(OR1m (1) [一般式(1)中、Mは、シリコン、チタン、アルミニ
ウム、亜鉛、鉄、マンガン、銅、ジルコニウム、スズ、
ストロンチウム、およびバリウムのいずれかの金属であ
り、R1は、アルキル基、アリール基またはアシル基で
あり、mは、金属Mの原子価を表す。] (HOR2sN(R3t (2) [一般式(2)中、R2は、アルキレン基またはアリー
レン基であり、sは、1、2または3であり、R3は、
水素、アルキル基またはアリール基であり、tは(3−
s)である。] R1(OH) (3) [一般式(3)中、R1は、アルキル基、アリール基ま
たはアシル基である。]
【0010】また、本発明のさらに別の態様は、上述し
た金属錯体を水に溶解してなる金属錯体溶液である。こ
のように構成することにより、保存安定性がより向上す
るばかりか、使い勝手が良好となり、薄膜の金属酸化物
を容易に形成することができる。
【0011】さらに、本発明の別の態様は、上述した金
属錯体を酸化(加熱)してなる金属酸化物(膜)であ
る。このようにして得られた金属酸化物は、触媒活性が
高いという特徴があり、また、ナトリウムイオン等のバ
リアー膜あるいは保護膜としても有効に使用することが
できる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明における金属錯体(第1の
実施形態)、金属錯体の製造方法(第2の実施形態)、
金属酸化物(第3の実施形態)をそれぞれ具体的に説明
する。
【0013】[第1の実施の形態]第1の実施の形態
は、一般式(1)で表される金属アルコキシドと、一般
式(2)で表されるアミノアルコールとを反応してなる
金属錯体であり、金属錯体中に含まれる一般式(3)で
表されるアルコール量を金属アルコキシドの加水分解に
より生成する当該アルコール量の80重量%以下の値に
した金属錯体である。以下、具体的に説明する。
【0014】(1)金属アルコキシド 第1の実施の形態において使用される金属アルコキシド
は、一般式(1)で表される化合物である。なお、かか
る金属アルコキシドは、アルコキシル基以外の加水分解
性基を含む場合があるが、このような場合であっても、
本発明においては、金属アルコキシドと称する場合があ
る。ここで、一般式(1)中におけるR1としてのアル
キル基、アリール基またはアシル基の種類としては特に
制限するものではないが、具体的に、好ましいアルキル
基の種類としては、例えば、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、i−プロピル基、n−プロピル基、n−ブチル
基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基等が挙
げられる。また同様に、好ましいアリール基として、フ
ェニル基、ベンジル基、ナフチル基等が挙げられる。さ
らに好ましいアシル基として、ホルミル基、アセチル
基、プロピオニル基等が挙げられる。また、より安定し
た金属錯体、例えば保存安定性に優れたチタンアミノア
ルコール錯体が得られることより、R1は直鎖または分
岐を有するアルキル基であることがより好ましく、特
に、分岐を有するアルキル基、例えばi−プロピル基、
またはs−ブチル基であることがさらに好ましい。
【0015】一般式(1)におけるMは、シリコン、チ
タン、アルミニウム、亜鉛、鉄、マンガン、銅、ジルコ
ニウム、スズ、ストロンチウム、およびバリウムのいず
れかの金属であるが、より好ましくはチタンもしくはア
ルミニウムである。したがって、酸化することにより酸
化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、
酸化鉄、酸化マンガン、酸化銅、酸化ジルコニウム、酸
化スズ、酸化ストロンチウム、および酸化バリウムから
なる群から選択される少なくとも一つの酸化物を生成可
能な金属錯体であることが好ましい。なお、金属がチタ
ンの場合には、一般式(1)における金属の原子価mは
4であり、アルミニウムの場合には、原子価mは3とな
る。
【0016】ここで、具体的に、好ましい金属アルコキ
シドとしては、チタンアルコキシドおよびアルミニウム
アルコキシドが挙げられる。チタンアルコキシドとして
は、アルコール含有量を少なくすることにより、保存安
定性に優れた金属錯体、および高いアナターゼ型結晶構
造を有する二酸化チタンが得られることから、テトラメ
トキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラ−i−プ
ロポキシチタン、テトラ−n−プロポキシチタン、テト
ラ−n−ブトキシチタン、テトラ−i−ブトキシチタ
ン、テトラ−s−ブトキシチタン、テトラ−t−ブトキ
シチタン等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙
げられ、特に、テトラ−i−プロポキシチタンが好まし
い。また、アルミニウムアルコキシドとしては、同様に
アルコール含有量を少なくすることにより、保存安定性
に優れた金属錯体が得られることから、トリメトキシア
ルミニウム、トリエトキシアルミニウム、トリ−n−プ
ロポキシアルミニウム、トリ−i−プロポキシアルミニ
ウム、トリ−n−ブトキシアルミニウム、トリ−i−ブ
トキシアルミニウム、トリ−s−ブトキシアルミニウ
ム、トリ−t−ブトキシアルミニウム等の一種単独ある
いは二種以上の組み合せが挙げられ、特に、トリ−i−
プロポキシアルミニウムまたはトリ−s−ブトキシアル
ミニウムが好ましい。
【0017】(2)アミノアルコール 第1の実施の形態において使用されるアミノアルコール
は、一般式(2)で表される化合物である。ここで、一
般式(2)におけるR2のアルキレン基またはアリーレ
ン基の種類としては、特に制限されるものではないが、
より保存安定性に優れた金属錯体が得られることから、
好ましいアルキレン基としては、メチレン基、エチレン
基、i−プロピレン基、n−プロピレン基、i−ブチレ
ン基、n−ブチレン基、s−ブチレン基、t−ブチレン
基等が好ましい。また好ましいアリーレン基としては、
フェニレン基、ベンジレン基、ナフチレン基が挙げられ
る。また、さらに安定した金属錯体が得られることよ
り、一般式(2)におけるR2は直鎖または分岐を有す
るアルキレン基であることがより好ましく、特に、分岐
を有するアルキレン基であることが好ましい。
【0018】したがって、好ましいアミノアルコールの
具体例として、トリエタノールアミン、ジエタノールア
ミン、トリイソプロパノールアミン、ジイソプロパノー
ルアミン、メチルジエタノールアミン、エチルジエタノ
ールアミン等の一種単独または二種以上の組合わせが挙
げられる。こらのアミノアルコールのうち、特にトリエ
タノールアミン、ジエタノールアミンおよびこれらの混
合物が好ましい。この理由は、これらの混合物からなる
アミノアルコールを使用することにより、金属錯体の保
存安定性をより高めることができるためである。なお、
トリエタノールアミンとジエタノールアミンと混合比率
につき、当該トリエタノールアミン3モルに対して、ジ
エタノールアミンの混合比率を0.6〜4.5モルの範
囲内の値とすることが好ましい。また、アルミニウム錯
体を作成する場合、トリエタノールアミン3モルに対し
て、ジエタノールアミンの混合比率を0.5〜2.0モ
ルの範囲内の値とすることが特に好ましい。
【0019】(3)金属アルコキシドとアミノアルコー
ルとの反応比率 金属錯体を形成する際の、金属アルコキシドとアミノア
ルコールとの反応比率は特に制限されるものではない
が、例えば、金属錯体中の金属(M)とチッソ元素
(N)とのモル比(M:N)において、2:1〜1:4
の範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、金属
(M)とチッソ元素(N)とのモル比が2:1よりも大
きくなると、反応生成物の保存安定性が低下する場合が
あるためであり、一方、かかるモル比が1:4よりも小
さくなると、酸化時に不要なガスが多量に発生するとと
もに、生成した金属酸化物の透明性や平滑性を損なう場
合があるためである。したがって、金属(M)とチッソ
元素(N)とのモル比が、2:1〜1:3の範囲内の値
となるように、金属アルコキシドとアミノアルコールと
の反応比率を設定することがより好ましい。なお、金属
がアルミニウム元素(Al)である場合、反応比率をモ
ル比(Al:N)で1:1〜1:4の範囲内の値とする
ことが好ましく、1:1.5〜1:2.5とすることが
特に好ましい。
【0020】(4)アルコールの含有量 金属錯体中に含まれる一般式(3)で表されるアルコー
ル量を金属アルコキシドの加水分解により生成する当該
アルコール量の80重量%以下の値とすることが必要で
ある。このように一般式(3)で表されるアルコールの
含有量を制限することにより、金属錯体の安定性を向上
させることができる。したがって、より好ましくは、一
般式(3)で表されるアルコールの含有量を50重量%
以下の値とすることであり、さらに好ましくは、20重
量%以下のより好ましくは5重量%以下の値とすること
である。なお、一般式(3)で表される副成アルコール
の含有量の調整方法としては、特に制限されるものでは
ないが、例えば、一般式(3)で表わされる副成アルコ
ールの沸点以上の温度、または沸点の近傍温度で加熱し
たり、あるいは低圧状態にして蒸発させることが好まし
い。
【0021】(5)金属錯体溶液 また、第1の実施形態において、水、ヘキサエチレング
リコール、イソプロピレングリコール、メタノール、エ
タノールなどの炭素数1〜10のアルコール性溶媒、あ
るいはこれらのアルコール性溶媒と、トルエン、クロロ
ホルムなどの非アルコール性溶媒との混合物を添加し
て、金属錯体を金属錯体溶液(なお、溶媒として、水を
使用した場合、金属錯体水溶液と称する場合がある。)
とすることが好ましい。このように金属錯体を金属錯体
溶液とすると、使い勝手が良好となるばかりか、保存安
定性が良好となるためである。なお、使用する溶媒とし
ては、環境への影響が少なく、製膜したときの性能がよ
り良好となる観点から、水を使用することが最も好まし
い。
【0022】ここで、金属錯体を金属錯体溶液とする場
合、粘度は通常0.1〜1000cps(温度25℃)
の範囲内であり、より好ましくは、1〜100cps
(温度25℃)の範囲内である。このような粘度であれ
ば、金属錯体溶液の使い勝手や保存安定性がさらに良好
となる。金属錯体を金属錯体溶液とする場合、具体的に
金属錯体の濃度を、金属濃度に換算して、0.1〜2.
0モル/リットルの範囲内の値とするのが好ましく、よ
り好ましくは0.4〜1.5モル/リットルの範囲内の
値とすることである。なお、アルミニウム錯体溶液の場
合には、金属錯体の濃度を1.0〜1.5モル/リット
ルの範囲内の値とすることが特に好ましく、さらにアル
ミニウム錯体溶液が水溶液の場合には、アルミニウム錯
体水溶液の濃度を酸化アルミニウム濃度として、0.5
〜5モル/リットルの範囲内の値とすることが特に好ま
しい。
【0023】(6)加水分解 また、金属錯体の段階で、金属錯体における加水分解
基、例えばアルコキシ基等の一部または全部を加水分解
しても良い。このように加水分解することにより、平滑
で透明性に優れた金属酸化物を得ることができる。な
お、金属錯体における加水分解性基を加水分解するにあ
たり、具体的には、金属錯体に水を添加したり、あるい
は金属錯体を含水有機溶媒に溶解させることにより行う
ことができる。また、加水分解用の水を、水と金属錯体
に含まれる金属(M)とのモル比(H2O:M)が、
2:1〜200:1の範囲内の値となるように添加する
のが好ましく、より好ましくは、5:1〜100:1の
範囲内の値とすることである。なお、アルミニウム錯体
においては、加水分解用の水をモル比(H2O:Al)
で0.2:1〜2:1の範囲内の値となるように添加す
ることが好ましく、0.5:1〜1:1の範囲内の値と
なるように添加することがさらに好ましい。
【0024】(7)添加剤 当該金属錯体溶液に、各種用途に応じて、下記の各種化
合物等を添加することも好ましい。
【0025】 安定化剤 安定化剤の種類は特に制限されるものではないが、乳
酸、グリセロール、グリコール酸(例えばポリエチレン
グリコール)等が挙げられる。また、これら安定化剤の
添加量を、金属錯体の金属1モルに対して、0.2〜4
モルの範囲内の値とすることが好ましく、0.2〜2モ
ルの範囲内の値とすることがより好ましく、0.5〜1
モルの範囲内の値とすることがさらに好ましい。また、
安定化剤の添加時期を、金属アルコキシドとアミノアル
コールとの反応後とするか、あるいは金属アルコキシド
の加水分解中や加水分解後とするのが好ましい。
【0026】 界面活性剤 界面活性剤(消泡剤)の種類は特に制限されるものでは
ないが、平滑な酸化金属フィルムを形成するための加湿
剤の効果を発揮させることができることから、陰イオン
界面活性剤、非イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤
等が挙げられる。また、非イオン界面活性剤は消泡剤と
しても使用することができる。また、上述した界面活性
剤以外に、高級アルコールやエチレングリコール等の油
状物質を消泡剤として使用することもできる。なお、界
面活性剤の添加量についても特に制限されるものではな
いが、全体量の0.001〜10重量%の範囲内の値と
するのが好ましく、0.01〜5重量%の範囲内の値と
するのがさらに好ましい。
【0027】 ドーパント ドーパントの種類は特に制限されるものではないが、ベ
リリウム、ホウ素、バリウム、および鉛等の一種単独ま
たは二種以上の組み合せが挙げられる。
【0028】 その他 その他、金属錯体には、メタクリル酸、アクリル酸等に
由来するオリゴマーもしくはポリマー、ポリエチレング
リコール、ポリビニルアルコール、シリコーンオリゴマ
ー、コロイドケイ酸等の化合物を加えても良い。このよ
うな化合物を添加することにより、乾燥膜の強度を上げ
たり、製膜の際の延性を向上させて、触媒活性をより高
めることができる。
【0029】(8)状態温度等 さらに、金属錯体(金属錯体溶液を含む。)の状態温度
を変えることにより、ゲル化を容易に起こしたり、ある
いはゲル化を有効に防止して、安定化させることができ
る。例えば、金属錯体としてチタンアミノアルコール錯
体(溶液)を用いた場合、50℃以上に加熱することに
より、ゲル化速度を速めることができる。また、金属錯
体の状態温度を調整するために加熱する場合には、後に
酸化して金属酸化物を容易に形成することができるよう
に、酸素の存在下に実施することが好ましい。
【0030】[第2の実施の形態]本発明における第2
の実施の形態は、金属錯体の製造方法に関し、一般式
(1)で表される金属アルコキシドと、一般式(2)で
表されるアミノアルコールとを反応させて金属錯体を形
成する第1の工程と、金属錯体中に含まれる一般式
(3)で表されるアルコール量を金属アルコキシドの加
水分解により生成する当該アルコール量の80重量%以
下の値とする第2の工程と、を含むことを特徴とする。
なお、金属アルコキシド、アミノアルコールあるいは形
成した金属錯体については、第1の実施形態で説明した
内容と同様のものが使用できるため、ここでの説明は省
略する。
【0031】(1)金属アルコキシドとアミノアルコー
ルとの反応割合 金属アルコキシドとアミノアルコールとの反応割合は、
特に制限されるものではないが、金属アルコキシド1モ
ルに対して、アミノアルコールの反応割合を0.5モル
以上、好ましくは1〜4モルの範囲内、より好ましくは
1〜3モルの範囲内の値とすることである。この理由
は、アミノアルコールの反応割合が0.5モル未満とな
ると、加水分解後の安定性に劣る場合があるためであ
り、逆に、反応割合が4モルを超えると、酸化後の金属
酸化物の平滑性や透明性が低下する場合があるためであ
る。また、特にアルミニウム錯体においては、アルミニ
ウムアルコキシド1モルに対して、アミノアルコールの
反応割合を1モル以上、好ましくは1.5〜4モル、特
に好ましくは2〜3モルの範囲内の値にすることが好ま
しい。この理由は、アミノアルコールの反応割合が1.
5モル未満であると、気泡を巻き込みやすくなり、また
同時に、アルミニウム錯体の保存安定性が劣る場合があ
るためである。一方、反応割合が4モルを超えると、ア
ルミニウム錯体の使用性が低下する場合があるためであ
る。
【0032】(2)金属アルコキシドとアミノアルコー
ルとの反応条件 また、金属アルコキシドとアミノアルコールとの反応温
度についても、特に制限されるものではないが、具体的
に、当該反応温度を室温(20℃)〜170℃の範囲内
とするのが好ましく、室温(20℃)〜150℃の範囲
内の値とするのがより好ましい。また、金属アルコキシ
ドがアルミニウムアルコキシドである場合、室温(20
℃)〜100℃の範囲内の値とすることが特に好まし
い。この理由は、反応温度が室温未満となると、金属ア
ルコキシドとアミノアルコールとの反応性が著しく低下
する場合があり、一方、反応温度が170℃を超える
と、反応を制御することが困難となる場合があるためで
ある。
【0033】また、金属アルコキシドとアミノアルコー
ルとを反応させる際に有機溶媒を使用し、有機溶媒の沸
点もしくはその近傍温度で加熱することが好ましい。こ
のように有機溶媒の沸点付近で加熱することにより、有
機溶媒を還流させることができ、反応温度を一定に調整
することが容易となる。ここで、有機溶媒を使用した場
合、反応温度を50〜160℃の範囲内の値とするのが
好ましく、70〜100℃の範囲内の値とするのがより
好ましい。また、反応時間については、反応温度との関
係があるが、当該反応時間を好ましくは1〜10時間の
範囲内の値、より好ましくは、2〜9時間の範囲内の値
とすることである。また、反応する際に使用する金属ア
ルコキシドがアルミニウムアルコキシドである場合、特
に当該反応時間を好ましくは1〜9時間の範囲内の値、
より好ましくは2〜4時間の範囲内の値とすることが好
ましい。この理由は、反応時間が1時間未満となると、
金属アルコキシドとアミノアルコールとの反応が不均一
となる場合があり、一方、反応時間が10時間を超える
と、金属錯体の生産性が著しく低下する傾向があるため
である。
【0034】さらに、反応圧力についても、特に制限さ
れるものではないが、当該反応圧力を好ましくは0.0
13〜1.0気圧(10〜760Torr)の範囲内の
値、より好ましくは0.026〜0.11気圧(20〜
80Torr)の範囲内の値とすることである。この理
由は、反応圧力が1気圧を超えると、副成するアルコー
ルの沸点が上昇し、除去することが困難となる場合があ
るためである。
【0035】なお、さらに反応を制御し、金属アルコキ
シドより生じるアルコールを除去して、反応をスムーズ
に進めるために、反応器の圧力を下げるとともに、温度
を徐々に上昇させることが好ましい。この場合、通常開
始温度は室温から50℃の範囲内であり、その後80℃
程度まで、1〜2時間かけて上昇させることが好まし
い。そのほか、金属アルコールとアミノアルコールとを
反応させるに際して、不活性ガス、例えば、アルゴンガ
スや窒素ガスを反応容器中で使用することが好ましい。
このように反応させることにより、金属アルコキシド
と、空気中の水分との反応により生成する沈殿物の発生
を有効に防止することができる。
【0036】(3)有機溶媒 金属アルコキシドとアミノアルコールとの反応は、無溶
媒下に行うこともできるが、反応生成物の粘度を低下さ
せたり、金属アルコキシドとアミノアルコールとの反応
を均一に生じさせるために有機溶媒の存在下に行うのが
好ましい。このような有機溶媒としては、例えばモノア
ルコール、ジオールまたはトリオールのアルコール化合
物が挙げられる。また、有機溶媒として、過剰のアミノ
アルコールを使用することも、ゲル化防止の観点から好
ましい。
【0037】具体的に、好ましいモノアルコールとして
は、R5OHで示されるアルコール化合物が挙げられ、
式中のR5は炭素数6〜10の直鎖状または分岐状のア
ルキル基、もしくは炭素数5〜10の直鎖状または分岐
状の酸素結合を有するアルキル基である。したがって、
好ましいモノアルコールとして、2−エチルヘキサノー
ル、3、3、5−トリメチル−1−ヘキサノール、オク
タノール、メトキシエトキシエタノール等が挙げられ
る。また、ジオールとしては、HO(R6)OHで示さ
れるアルコール化合物が挙げられ、式中のR6は炭素数
2〜12の、直鎖状または分岐状のアルキレン基であ
る。したがって、好ましいジオールとして、エチレング
リコール、プロピレングリコール、1、2−ブタンジオ
ール、1、3−ブタンジオール、ヘキサメチレンジオー
ルなどの1種、または2種以上の組み合わせを挙げるこ
とができる。さらに、好ましいトリオールとしては、グ
リセリン、1,2,6−ヘキサントリオールなどを挙げ
ることができる。これらのジオール、トリオールのなか
でもエチレングリコールおよびグリセリンが最も好まし
い。
【0038】(4)副成アルコールの除去 第2の実施形態では、金属アルコキシドとアミノアルコ
ールとを反応させて金属錯体を形成した後に、金属錯体
中の一般式(3)で表されるアルコールの含有量を金属
アルコキシドの加水分解により生成する当該アルコール
量の80重量%以下、好ましくは50重量%以下、さら
に好ましくは20重量%以下の値とする第2の工程が必
要である。この理由は、副成アルコールが80重量%を
超えて存在すると、金属錯体の保存安定性が著しく低下
する場合があるためである。なお、金属錯体の形成中に
おいても副成アルコールを除去することが好ましく、そ
の場合にも、最終的に、アルコールの含有量を、金属ア
ルコキシドの加水分解により生成する理論アルコール量
(100重量%)の80重量%以下の値とすれば良い。
【0039】また、副成アルコールの除去方法として
は、特に制限されるものではないが、例えば、第1の実
施形態で説明したように、一般式(3)で表わされる副
成アルコールの沸点以上の温度、または沸点の近傍温度
で加熱することが好ましい。したがって、金属アルコキ
シドとアミノアルコールとの反応温度T1(℃)とし、
一般式(3)で表わされる副成アルコールの沸点をT2
(℃)としたときに、T1≧T2の関係を満足するのが
好ましく、より好ましくは、T1≧T2+10℃の関係
を満足することである。
【0040】[第3の実施の形態]本発明における第3
の実施形態は金属酸化物に関し、第1の実施形態の金属
錯体を加熱(酸化)して得ることができる。すなわち、
第3の実施形態は、第1の実施形態である金属錯体、例
えばチタンアミノアルコール錯体を所定温度で加熱する
ことにより得られる金属酸化物(例えば、二酸化チタ
ン)であり、かかる金属酸化物は、優れた触媒活性有し
ているという特徴がある。
【0041】(1)加熱温度 金属錯体を酸化するための加熱温度(焼成温度)を、4
00℃〜1200℃の範囲内の値とするのが好ましく、
500℃〜700℃の範囲内の値とすることがより好ま
しく、最も好ましくは550〜650℃範囲内の値とす
ることである。この理由は、金属錯体の加熱温度が40
0℃未満となると、有機物が残り、金属酸化物の純度が
低下する場合があるためであり、一方、金属錯体の加熱
温度が1000℃を超えると、過度に酸化されて、逆に
特定の結晶構造を有する金属酸化物を得ることが困難と
なる場合があるためである。なお、酸化アルミニウム層
をソーダガラス上に形成する場合には、基材を損傷しな
いように、加熱温度を400〜600℃の範囲内の温度
とすることが好ましく、また、石英ガラスまたはセラミ
ック上に形成するときには、400〜1000℃の範囲
内の温度とすることが好ましい。
【0042】(2)加熱方法 また、金属錯体の加熱方法も特に制限されるものではな
いが、より具体的には、金属錯体(金属錯体水溶液、あ
るいはこれから得られるゲル)を基体上に形成した後、
金属酸化物とするために、通常、加熱炉や赤外線ヒータ
あるいは電熱炉等の手法を用いて、加熱することが好ま
しい。また、基体上への形成方法についても特に制限さ
れるものでなく、例えば、ディップ法、キャスト法、ロ
ールコート法、スピンコート法、スプレーコート法、熱
加水分解法、CVD法等を採ることができる。
【0043】(3)粒子径 また、金属酸化物が結晶粒子の場合、その平均粒子径を
10〜100nmの範囲内の値とするのが好ましい。こ
の理由は、平均粒子径が10nm未満となると、光触媒
活性が十分得られない場合があり、一方、平均粒子径が
100nmを超えると、粒子や結晶構造に不規則性を生
じる場合があるためである。したがって、金属酸化物の
平均粒子径を15〜80nmの範囲内の値とするのがよ
り好ましく、20〜50nmの範囲内の値とするのがさ
らに好ましい。
【0044】(4)フィルム厚さ また、金属酸化物が膜(フィルム)の場合、その厚さを
50〜700nmの範囲内の値とするのが好ましい。こ
の理由は、フィルムの厚さが50nm未満となると、光
触媒活性が不十分となる場合があり、一方、厚さが70
0nmを超えると、均一な厚さに形成するのが困難とな
る場合があるためである。
【0045】(5)基材 また、金属酸化物を形成する基材についても特に制限さ
れるものでなく、例えば、板状や繊維状のソーダガラス
および石英ガラスなどのガラス、ジルコニアおよびアル
ミナなどのセラミックス、鉄およびステンレススチール
などの金属等を挙げることができる。したがって、金属
酸化物として、例えば、二酸化チタン(膜)をガラス上
に形成した場合、自動車などの車輌用ガラス、住宅用ガ
ラス、ビル用ガラスなどの建築物用ガラス、あるいは蛍
光灯、ハロゲンランプ、HIDランプなどの照明器具用
ガラスとして広く使用することができる。また、酸化ア
ルミニウム(膜)についても上述した基材の他、ナトリ
ウムイオン等を透過させない性質を有することから、液
晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等のバリア膜、
あるいは、強化セメントの保護膜等に使用することがで
きる。
【0046】
【実施例】以下実施例を基に、さらに本発明を詳細に説
明する。ただし、言うまでもなく、本発明の範囲は実施
例の記載に制限されるものではない。
【0047】[実施例1] (金属錯体の作成)500mlの丸底フラスコ内に、ア
ミルアルコールとしてのトリエタノールアミン(200
mmol、29.8g)、および金属アルコキシドとし
てのテトライソプロポキシドチタン(100mmol、
28.4g)をそれぞれ収容した後、温度25℃、常圧
の条件で、撹拌機を用いて均一に撹拌しながら反応させ
て、金属錯体を含む反応液とした。この反応液をエバポ
レーターポンプが連結された真空槽に収容し、室温(2
5℃)条件で、常圧から開始し、40Torrになるま
で30分かけて徐々に減圧し、揮発成分(副成アルコー
ルであるイソプロパノール)を吸引除去した。次いで、
ヒーターを用いて、丸底フラスコの周囲温度を50℃に
昇温させた状態で1時間放置した後、さらなる泡立ちが
なくなるまで温度を80℃に昇温させるとともに、圧力
を10Torrとして黄色のシロップ状物を得た。この
時点で、シロップ状物(金属錯体)中のイソプロパノー
ルの含有量を測定したところ、7重量%であった。得ら
れた結果を表1に示す。なお、表中、トリエタノールア
ミンをTEAと表記してあり、以下同様である。
【0048】(金属錯体および金属酸化物の評価) (1)溶液の安定性 得られたシロップ状の金属錯体に対して15mlの水を
添加した後、溶液が均一となるまで撹拌し、さらに合計
量が50mlになるまで水を添加して、約2mol/l
のチタンアミノアルコール錯体溶液を得た。得られたチ
タンアミノアルコール錯体溶液の初期粘度(25℃)
を、B型粘度計で測定するとともに、これを、温度40
℃の条件で、10日放置させた後の保存粘度を同様に測
定し、下記式から粘度変化比を求め、溶液の安定性を評
価した。その結果、粘度変化比の比は、1.2であっ
た。得られた結果を表1に示す。 粘度変化比=保存粘度/初期粘度
【0049】(2)製膜性 得られたシロップ状物に対して15mlの水を添加した
後、溶液が均一となるまで撹拌し、さらに合計量が50
mlになるまで水を添加して、約2mol/lのチタン
アミノアルコール錯体溶液を得た。このチタンアミノア
ルコール錯体溶液25mlに対して、フッ素系界面活性
剤FC−170(住友スリーエム(株)製)を0.75
gと、所定量の水とを加えて、濃度1mol/lの界面
活性剤入りチタンアミノアルコール錯体溶液を調製し
た。この界面活性剤入りチタンアミノアルコール錯体溶
液を、スピンコータを用いてガラス板(厚さ2mm、5
0mm角)上に、回転数1000rpm、時間60秒の
条件で塗工した。次いで、換気された炉内に収容した
後、温度150℃、2時間の条件で加熱乾燥し、さら
に、温度600℃、5分間の条件で加熱することによ
り、厚さ210nmのフィルム状の二酸化チタンを得
た。得られたフィルム状の二酸化チタンの外観を、光学
顕微鏡で観察し、製膜性(金属酸化物膜状態)を以下の
基準で評価した。結果を表1に示す。 良好:均一な厚さを有しており、表面が平滑である。 不良:厚さが不均一であり、異常状態(粉ふきや蜘蛛の
巣状態)が観察される。
【0050】(3)光触媒性 製膜性の評価で得られたフィルム状の二酸化チタンに、
ブラックライトを24時間照射した後、2mmol/l
のメチレンブルー水溶液に浸漬塗布し、さらに乾燥し
た。次いで、基材であるガラス面に付着したメチレンブ
ルーを除去した後、ガラス面と反対側から、フィルム状
の二酸化チタンにブラックライトを照射して、メチレン
ブルーの分解率を測定し、光触媒性を評価した。すなわ
ち、紫外線吸収測定器により、波長570nmにおける
メチレンブルー塗布前の吸光度(logIg)と、メチ
レンブルー塗布直後の吸光度(logIo)と、ブラッ
クライトを20分間照射後の吸光度(logI)とをそ
れぞれ測定し、下式からメチレンブルーの分解率を算出
した。その結果、フィルム状の二酸化チタンによるメチ
レンブルーの分解率は83%であった。得られた結果を
表1に示す。 分解率=(1−(logI−logIg)/(logI
o−logIg))
【0051】[実施例2] (金属錯体の作成)1000mlの丸底フラスコ内に、
アミノアルコールとしてのトリエタノールアミン(10
0mmol、14.9g)およびジエタノールアミン
(50mmol、5.3g)の混合溶液と、金属アルコ
キシドとしてのテトライソプロポキシドチタン(100
mmol、28.4g)とをそれぞれ収容した後、温度
250℃、常圧の条件で、撹拌機を用いて均一に撹拌し
ながら反応させて、金属錯体を含む反応液とした。この
反応液をエバポレーターポンプが連結された真空槽に収
容し、室温(25℃)、圧力60Torr、時間30分
の条件で、揮発成分(副成アルコールであるイソプロパ
ノール)を吸引除去した。次いで、ヒーターを用いて、
丸底フラスコの周囲温度を50℃に昇温させた状態で1
時間放置した後、さらに泡立ちがなくなるまで、80℃
に昇温させた状態で、1時間放置した。さらに真空圧力
を40Torrにして2時間放置し、黄色のシロップ状
物を得た。この時点で、シロップ状物(金属錯体)中の
イソプロパノールの含有量を測定したところ、12重量
%であった。得られた結果を表1に示す。なお、表中、
ジエタノールアミンをDEAと表記してある。
【0052】(金属錯体および金属酸化物の評価)実施
例1と同様に、得られた金属錯体から金属酸化物を作成
し、光触媒性等を評価した。得られた結果を表1に示
す。
【0053】[実施例3]実施例2におけるジエタノー
ルアミン量を、50mmol(5.3g)から100m
mol(10.6g)としたほかは、実施例2と同様
に、黄色のシロップ状の金属錯体(チタンアミノアルコ
ール錯体)を得た。この時点で、シロップ状物(金属錯
体)中のイソプロパノールの含有量を測定したところ、
6重量%であった。また、実施例1と同様に、得られた
金属錯体から金属酸化物を作成し、光触媒性等を評価し
た。それぞれ得られた結果を表1に示す。
【0054】[実施例4]実施例3におけるトリエタノ
ールアミン量を、100mmol(14.9g)から1
50mmol(22.4g)としたほかは、実施例3と
同様に、黄色のシロップ状の金属錯体(チタンアミノア
ルコール錯体)を得た。この時点で、シロップ状物(金
属錯体)中のイソプロパノールの含有量を測定したとこ
ろ、8重量%であった。また、実施例1と同様に、得ら
れた金属錯体から金属酸化物を作成し、光触媒性等を評
価した。それぞれ得られた結果を表1に示す。
【0055】[実施例5]実施例2におけるジエタノー
ルアミンのかわりに、N−メチルジエタノールアミンを
50mmol(6.0g)を用いたほかは、実施例2と
同様に、黄色のシロップ状の金属錯体(チタンアミノア
ルコール錯体)を得た。この時点で、シロップ状物(金
属錯体)中のイソプロパノールの含有量を測定したとこ
ろ、5重量%であった。また、実施例1と同様に、得ら
れた金属錯体から金属酸化物を作成し、光触媒性等を評
価した。それぞれ得られた結果を表1に示す。なお、表
中、N−メチルジエタノールアミンをMDEAと表記し
てある。
【0056】[実施例6]実施例3におけるジエタノー
ルアミンのかわりに、N−メチルジエタノールアミンを
100mmol(12.0g)を用いたほかは、実施例
3と同様に、黄色のシロップ状の金属錯体(チタンアミ
ノアルコール錯体)を得た。この時点で、シロップ状物
(金属錯体)中のイソプロパノールの含有量を測定した
ところ、3重量%であった。また、実施例1と同様に、
得られた金属錯体から金属酸化物を作成し、光触媒性等
を評価した。それぞれ得られた結果を表1に示す。
【0057】[実施例7]実施例4におけるジエタノー
ルアミン100mmlのかわりに、N−メチルジエタノ
ールアミンを50mmol(6.0g)を用いたほか
は、実施例4と同様に、黄色のシロップ状の金属錯体
(チタンアミノアルコール錯体)を得た。この時点で、
シロップ状物(金属錯体)中のイソプロパノールの含有
量を測定したところ、4.5重量%であった。また、実
施例1と同様に、得られた金属錯体から金属酸化物を作
成し、光触媒性等を評価した。それぞれ得られた結果を
表1に示す。
【0058】
【表1】
【0059】[実施例8〜14]表2に示すように、金
属アルコキシドのチタン比で、エチレングリコールを1
モル(6.2g)添加したほかは、実施例1〜7と同様
に、金属錯体を含む反応液を得た。この反応液をエバポ
レーターポンプが連結された真空槽に収容し、50℃、
圧力40Torr、時間60分の条件で、揮発成分(副
成アルコールであるイソプロパノール)を吸引除去し
た。次いで、ヒーターを用いて、丸底フラスコの周囲温
度を150℃に徐々に昇温させ、圧力を10Torrと
して、エチレングリコールを完全に除去した黄色のシロ
ップ状物を得た。なお、この時点で、シロップ状物(金
属錯体)中のイソプロパノールの含有量を測定したとこ
ろ、0.5〜2.3重量%であった。また、実施例1と
同様に、得られた金属錯体から金属酸化物を作成し、光
触媒性等を評価した。それぞれ得られた結果を表2に示
す。
【0060】
【表2】
【0061】[実施例15] (金属錯体の作成)500mlの丸底フラスコ内に、ア
ミルアルコールとしてのトリエタノールアミン(200
mmol、29.8g)、および金属アルコキシドとし
てのトリ−sec−ブトキシドアルミニウム(100mm
ol、24.6g)をそれぞれ収容した後、温度25
℃、常圧の条件で、撹拌機を用いて均一に撹拌しながら
反応させて、金属錯体を含む反応液とした。この反応液
をエバポレーターポンプが連結された真空槽に収容し、
50℃まで昇温するとともに、常圧(760Torr)
から80Torrになるまで30分かけて徐々に減圧
し、揮発成分(副成アルコールであるイソプロパノー
ル)を吸引除去した。次いで、ヒーターを用いて、丸底
フラスコの周囲温度を30分以上かけて徐々に加熱して
100℃に昇温させた後、圧力をさらに1時間かけて2
0Torrとしてシロップ状物を得た。この時点で、シ
ロップ状物(金属錯体)中のイソプロパノールの含有量
を測定したところ、10重量%であった。得られた結果
を表3に示す。
【0062】(金属錯体および金属酸化物の評価) (1)溶液の安定性 実施例1と同様に、溶液の安定性について評価を行っ
た。得られた結果を表3に示す。
【0063】(2)製膜性 得られたシロップ状物(2M溶液)7mlに対して、穏
やかに撹拌しながら水2gと、重合度が20であるポリ
オキシエチレンからなるオレイルエステル界面活性剤
(2重量%水溶液)1gとを添加し、アルミニウムアミ
ノアルコール錯体溶液を調製した。この界面活性剤入り
アルミニウムアミノアルコール錯体溶液を、0.45ミ
クロンミリポアフィルター(アドバンテック社製)でろ
過したのち、スピンコータを用いてガラス板(厚さ2m
m、縦75mm、横7mm)上に、回転数1000rp
m、時間60秒の条件で塗工した。次いで、換気された
炉内に収容した後、温度120℃、1時間の条件で加熱
乾燥し、さらに、温度600℃、5分間の条件で加熱す
ることにより、フィルム状の酸化アルミニウムを得た。
得られたフィルム状の酸化アルミニウムの外観を、光学
顕微鏡で観察し、製膜性(金属酸化物膜状態)を実施例
1と同様の基準で評価した。結果を表3に示す。
【0064】(3)光触媒性 製膜性の評価で得られたフィルム状の二酸化アルミニウ
ムにつき、実施例1と同様に光触媒活性の評価を行っ
た。得られた結果を表3に示す。
【0065】[実施例16]実施例15におけるチタン
アミノアルコール錯体に、乳酸5gを添加した他は実施
例15と同様にチタンアミノアルコール錯体を作製し、
評価等をおこなった。この時点で、シロップ状物(金属
錯体)中のイソプロパノールの含有量を測定したとこ
ろ、8重量%であった。それぞれ得られた結果を表3に
示す。
【0066】
【表3】
【0067】[比較例1]実施例1と同様に500ml
の丸底フラスコ内に、トリエタノールアミン(200m
mol、29.8g)および金属アルコキシドとしての
チタニウムテトライソプロポキシド(100mmol、
28.4g)を収容して、温度50℃、1時間、圧力7
60Torrの条件で、撹拌機を用いて均一に撹拌しな
がら反応させて、金属錯体を含む反応液とした。ただ
し、副成アルコールを除去することなく、さらに水15
mlを添加して、全量を50mlとした。その結果、丸
底フラスコ内の液は白濁しており、一部沈殿を生じてい
た。また、実施例1と同様に、得られた金属錯体から金
属酸化物を作成し、光触媒性等を評価した。それぞれ得
られた結果を表4に示す。
【0068】[比較例2]実施例1におけるトリエタノ
ールアミンの代わりに、乳酸とエチレングリコールとを
用いたほかは、実施例1と同様に反応させた。淡黄色の
均一な溶液が得られたが、ガラス板上にスピンコート
し、150℃、2時間の条件で加熱処理したところ、蜘
蛛の巣状の不均一な酸化チタン膜を生じた。したがっ
て、酸化チタン膜の光触媒性能を測定することができな
かった。得られた結果を表4に示す。
【0069】[比較例3]実施例1におけるトリエタノ
ールアミンの代わりに、グリセリンとエチレングリコー
ルとを用いたほかは、実施例1と同様に反応させた。沈
殿が観察される白色のスラリー液が得られたが、ガラス
板上にスピンコートし、150℃、2時間の条件で加熱
処理したところ、塗布した酸化チタン膜が基材から容易
に剥離した。したがって、酸化チタン膜の光触媒性能を
測定することができなった。得られた結果を表4に示
す。
【0070】
【表4】
【0071】
【発明の効果】本発明の金属錯体あるいはそれから得ら
れる金属錯体水溶液によれば、加水分解により生成した
アルコールを一定量以下の値としているため、保存安定
性にすぐれていることが確認された。また、このような
金属錯体あるいは金属錯体水溶液を酸化(加熱)するこ
とにより、薄膜にした場合にも、均一で、平滑な酸化チ
タン膜が得られ、しかも得られた金属酸化物、例えば、
酸化チタンおよび酸化アルミニウムは触媒活性に優れて
いることが確認された。よって、本発明の金属酸化物、
例えば二酸化チタンまたは酸化アルミニウムを含む製品
は、建築、車両部品、照明器具などの表面改質用途、あ
るいはナトリウムイオン等に対するバリア膜あるいは保
護膜等に用いることが期待できる。また、本発明の金属
錯体の製造方法によれば、沈殿物が生じたりすることが
なく、上述した触媒活性に優れた金属酸化物が効率的に
得られるようになった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07F 5/06 C07F 5/06 E (72)発明者 アルサリム ナジャ ニュージーランド国 ロウワーハット ロ パタクレッセント 4B (72)発明者 ミルズ マリー アン ニュージーランド国 ロウワーハット デ イズベイ コリマコロード 10 (72)発明者 グラントテイラー フェントン デビッド ニュージーランド国 ロウワーハット ウ ォータールー コリンウッドストリート 14 (72)発明者 サットン マリー ジョリーン ニュージーランド国 ワンガヌイ グラス ゴーストリート 67 (72)発明者 小野 寿男 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表される金属アルコ
    キシドと、下記一般式(2)で表されるアミノアルコー
    ルとを反応してなる金属錯体であり、前記金属錯体中に
    含まれる一般式(3)で表されるアルコール量を前記金
    属アルコキシドの加水分解により生成する当該アルコー
    ル量の80重量%以下の値とすることを特徴とする金属
    錯体。 M(OR1m (1) [一般式(1)中、Mは、シリコン、チタン、アルミニ
    ウム、亜鉛、鉄、マンガン、銅、ジルコニウム、スズ、
    ストロンチウム、およびバリウムのいずれかの金属であ
    り、R1は、アルキル基、アリール基またはアシル基で
    あり、mは、金属Mの原子価を表す。] (HOR2sN(R3t (2) [一般式(2)中、R2は、アルキレン基またはアリー
    レン基であり、sは、1、2または3であり、R3は、
    水素、アルキル基またはアリール基であり、tは(3−
    s)である。] R1(OH) (3) [一般式(3)中、R1は、アルキル基、アリール基ま
    たはアシル基である。]
  2. 【請求項2】 前記金属錯体が、チタンアミノアルコー
    ル錯体であることを特徴とする請求項1に記載の金属錯
    体。
  3. 【請求項3】 前記金属錯体が、アルミニウムアミノア
    ルコール錯体であることを特徴とする請求項1に記載の
    金属錯体。
  4. 【請求項4】 前記チタンアミノアルコール錯体中のチ
    タン元素(Ti)と窒素元素(N)とのモル比(Ti:
    N)を、2:1〜1:4の範囲内の値とすることを特徴
    とする請求項1または2に記載の金属錯体。
  5. 【請求項5】 前記アルミニウムアミノアルコール錯体
    中のアルミニウム元素(Al)と窒素元素(N)とのモ
    ル比(Al:N)を、1:1〜1:4の範囲内の値とす
    ることを特徴とする請求項1または3に記載の金属錯
    体。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一項に記載の金
    属錯体を水に溶解してなる金属錯体溶液。
  7. 【請求項7】 前記金属錯体溶液中に安定剤、界面活性
    剤、粘度調整剤、および消泡剤からなる群から選択され
    る少なくとも一つの化合物を添加してなる請求項6に記
    載の金属錯体溶液。
  8. 【請求項8】 前記金属錯体溶液中にドーパントとし
    て、ベリリウム、ホウ素、バリウム、および鉛からなる
    群から選択される少なくとも一つの元素を含んでなる請
    求項6または7に記載の金属錯体溶液。
  9. 【請求項9】 請求項1〜5のいずれか一項に記載の金
    属錯体を酸化してなる金属酸化物。
  10. 【請求項10】 厚さ500〜7000オングストロー
    ムの膜であることを特徴とする請求項9に記載の金属酸
    化物。
  11. 【請求項11】 下記一般式(1)で表される金属アル
    コキシドと、下記一般式(2)で表されるアミノアルコ
    ールとを反応させて金属錯体を形成する第1の工程と、 前記金属錯体中に含まれる下記一般式(3)で表される
    アルコール量を前記金属アルコキシドの加水分解により
    生成する当該アルコール量の80重量%以下の値とする
    第2の工程とを含むことを特徴とする金属錯体の製造方
    法。 M(OR1m (1) [一般式(1)中、Mは、シリコン、チタン、アルミニ
    ウム、亜鉛、鉄、マンガン、銅、ジルコニウム、スズ、
    ストロンチウム、およびバリウムのいずれかの金属であ
    り、R1は、アルキル基、アリール基またはアシル基で
    あり、mは、金属Mの原子価を表す。] (HOR2sN(R3t (2) [一般式(2)中、R2は、アルキレン基またはアリー
    レン基であり、sは、1、2または3であり、R3は、
    水素、アルキル基またはアリール基であり、tは(3−
    s)である。] R1(OH) (3) [一般式(3)中、R1は、アルキル基、アリール基ま
    たはアシル基である。]
  12. 【請求項12】 前記第1の工程を、グリコール化合物
    の存在下に行うことを特徴とする請求項11に記載の金
    属錯体の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記アミノアルコールが、トリエタノ
    ールアミンおよびジエタノールアミンあるいはいずれか
    一方であることを特徴とする請求項11または12に記
    載の金属錯体の製造方法。
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