JP2000299123A - ニッケル水素二次電池 - Google Patents

ニッケル水素二次電池

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JP2000299123A
JP2000299123A JP11106506A JP10650699A JP2000299123A JP 2000299123 A JP2000299123 A JP 2000299123A JP 11106506 A JP11106506 A JP 11106506A JP 10650699 A JP10650699 A JP 10650699A JP 2000299123 A JP2000299123 A JP 2000299123A
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JP
Japan
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negative electrode
nickel
secondary battery
positive electrode
electrode
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JP11106506A
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English (en)
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Hideji Suzuki
秀治 鈴木
Koji Taguchi
幸治 田口
Kazuhiro Takeno
和太 武野
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FDK Twicell Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Battery Co Ltd
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
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    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

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  • Connection Of Batteries Or Terminals (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大電流放電時における作動電圧の低下を抑制
することが可能なニッケル水素二次電池を提供する。 【解決手段】 負極端子を兼ねる容器1と、前記容器1
内に収納され、正極11と負極6との間にセパレータ7
が介在された構造の電極群2とを具備したニッケル水素
二次電池において、前記正極11は、活物質を含む合剤
10が導電性基板9に保持された構造を有し、前記合剤
保持領域10の理論容量1Ah当たりの面積が30cm
2以上で、前記負極6は、飽和磁化が0.2emu/g
〜1.0emu/gであるニッケルを含有した水素吸蔵
合金粉末を含むことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、正極および水素吸
蔵合金を含む負極を改良したニッケル水素二次電池に関
する。
【0002】
【従来の技術】各種の電動工具や電動補助付き自転車、
さらに最近開発された電気自動車などの駆動電源として
は、充放電が可能で携帯に便利な点から各種の二次電池
が使用されている。
【0003】前記用途に適した二次電池としては、大電
流放電が可能であるという特徴を有するニッケル・カド
ミウム二次電池が多く採用されている。これは、前記ニ
ッケル・カドミウム二次電池はその内部抵抗が低く、か
つ時間率当たりの放電電流(放電率)が大きく、さらに
過充電・過放電を行なった場合でも電池特性の劣化を起
こし難いという特性を有することに起因する。
【0004】一方、ノート型パソコンや携帯電話などの
小形電子機器の駆動電源としては、ニッケル・水素二次
電池が広く用いられている。これは、ニッケル・水素二
次電池は同一サイズのニッケル・カドミウム二次電池に
比べてその内部抵抗が高く、かつ放電率も小さいもの
の、放電容量がその二次電池に比べて1.5〜2倍と大
きく、さらに形状が小型であっても、微小電流で駆動可
能な電子機器を長期間にわたって駆動することが可能で
あるためである。
【0005】また、水素吸蔵合金を含む負極は従来の代
表的なアルカリ二次電池用負極の材料であるカドミニウ
ムに比較して単位重量または単位容積当たりのエネルギ
ー密度を大きくすることができ、電池の高容量化を可能
にする他、環境汚染の恐れが少ないばかりか、電池特性
も優れているという特徴を有する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来よ
り市販されているニッケル・水素二次電池は、1時間率
の1〜3倍程度の放電時(満充電量を20分から1時間
で放電する時)に始めて公称容量を得ることができるた
め、微小電流で駆動可能な前記小型電子機器の電源とし
ては有効であるものの、大電流を必要とする電動工具や
電気自動車などの電源としては事実上、使用できないと
いう問題があった。例えば、従来のニッケル・水素二次
電池において1時間率の5倍を超えるような大電流で放
電させる、つまり満充電量を12分未満で放電させると
作動電圧が大幅に低下する。そのうえ、−10℃以下の
低温環境下で使用すると、1時間率の1〜3倍程度の放
電における作動電圧が著しく低下し、放電容量が公称容
量を下回るという問題点がある。
【0007】本発明は、大電流放電時における作動電圧
の低下を抑制することが可能なニッケル水素二次電池を
提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係わるニッケル
水素二次電池は、負極端子を兼ねる容器と、前記容器内
に収納され、正極と負極との間にセパレータが介在され
た構造の電極群とを具備したニッケル水素二次電池にお
いて、前記正極は、活物質を含む合剤が導電性基板に保
持された構造を有し、前記合剤保持領域の理論容量1A
h当たりの面積が30cm2以上で、前記負極は、飽和
磁化が0.2emu/g〜1.0emu/gであるニッ
ケルを含有した水素吸蔵合金粉末を含むことを特徴とす
るものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わるアルカリ二
次電池(円筒形ニッケル水素二次電池)を図1を参照し
て説明する。
【0010】有底円筒状の金属製容器1(例えば、表面
にニッケルメッキが施された鋼からなる)内には、電極
群2が収納されている。この電極群2は、図1および図
2に示すように、下側端部に無地部(無孔部)3を有す
る多孔質導電性基板4を有し、かつ少なくとも開口部領
域両面に水素吸蔵合金を含む負極合剤5が担持された帯
状負極6と帯状セパレータ7と上側端部に無地部(無孔
部)8を有する多孔質導電性基板9を有し、かつ少なく
とも開口部領域両面に活物質である水酸化ニッケル粒子
を含む正極合剤10が担持された帯状正極11とを前記
負極6の無地部3が一方の側に表出し、前記正極11の
無地部8が反対側に表出するように相互にずらして積層
し、この積層物を渦巻状に巻回することにより作製され
る。
【0011】前記電極群2の負極6の無地部3下端は、
例えば円板状の負極集電板12(例えば、ニッケルまた
は表面にニッケルメッキが施された鋼からなる)に溶接
されている。この負極集電板12は、前記容器1内に収
納された後に、その中心付近を前記容器1底面に溶接さ
れている。前記電極群2の正極11の無地部8上端は、
図1に示すように中央に穴13が開口された円板状正極
集電板14(例えば、ニッケルまたは表面にニッケルメ
ッキが施された鋼からなる)に溶接されている。アルカ
リ電解液は、前記容器1内に収容されている。
【0012】中央に孔15を有する円形の封口板16
は、前記容器1の上部開口部に配置されている。リング
状の絶縁性ガスケット17は、前記封口板16の周縁と
前記容器1の上部開口部内面の間に配置され、前記上部
開口部を内側に縮径するカシメ加工により前記容器1に
前記封口板16を前記ガスケット17を介して気密に固
定している。正極リード18は、一端が前記正極11の
正極集電板14に接続され、他端が前記封口板16の下
面に接続されている。
【0013】複数のガス抜き孔19を有する帽子形状を
なす正極端子20は、前記封口板16上にその封口板1
6の孔15を覆うように取り付けられている。ゴム製の
安全弁21は、前記封口板16と前記正極端子20で囲
まれた空間内に前記孔15を塞ぐように配置されてい
る。
【0014】次に、前記負極6、正極11、セパレータ
7および電解液について説明する。
【0015】1)負極6 この負極6は、前述したように下側端部に無地部3を有
する多孔質導電性基板4を有し、かつ多孔質導電性基板
4の少なくとも開口部領域両面に常温における飽和磁化
が0.2emu/g〜1.0emu/gであるNiを含
有した水素吸蔵合金を含む負極合剤5を形成した構造を
有する。この負極合剤は、例えば、飽和磁化が0.2e
mu/g〜1.0emu/gであるNiを含有した水素
吸蔵合金粉末に導電材を添加し、結着剤および水と共に
混練して調製したペーストを、前述した無地部を有する
多孔質導電性基板に充填し、乾燥した後、加圧成形する
ことにより形成される。
【0016】前記水素吸蔵合金としては、少なくとも希
土類元素及びニッケルを含むものが好ましい。具体的に
は、LaNi5 、MmNi5 (Mmはミッシュメタ
ル)、LmNi5 (LmはLa富化したミッシュメタ
ル)、これら合金のNiの一部を少なくともAl及びM
nで置換した多元素系のものを挙げることができる。前
述した多元素系の水素吸蔵合金は、Niの置換元素とし
てAl及びMnの他に、Co、Ti、Cu、Zn、Z
r、Cr及びBから選ばれる少なくとも1種の元素を含
んでいても良い。中でも、一般式LnNiw Cox Al
y Mnz (ただし、Lnは希土類元素、原子比w、x,
y,zはそれぞれ3.30≦w≦4.50、0.50≦
x≦1.10、0.20≦y≦0.50、0.05≦z
≦0.20で、かつその合計値が4.90≦w+x+y
+z≦5.50を示す)で表されるものを用いることが
好ましい。前記原子比w、x,y,zのより好ましい値
は、それぞれ3.80≦w≦4.20、0.70≦x≦
0.90、0.30≦y≦0.40、0.08≦z≦
0.13で、かつその合計値が5.00≦w+x+y+
z≦5.20である。
【0017】前記水素吸蔵合金の飽和磁化を前記範囲に
規定するのは次のような理由によるものである。飽和磁
化は、水素吸蔵合金表面のニッケルリッチ層(強磁性成
分)によるものである。前記飽和磁化を0.2emu/
g未満にすると、ニッケルリッチ層が少ないため、反応
活性が劣り、低温での大電流放電特性を向上することが
困難になる。一方、前記飽和磁化が1.0emu/gを
超えるものは、表面に腐食が生じているため、大電流放
電特性を改善することができないばかりか、長寿命を得
られない。特に、飽和磁化は、0.3emu/g〜0.
8emu/gの範囲内にすることが好ましい。
【0018】飽和磁化が前述した特定範囲内にある水素
吸蔵合金粉末は、例えば、少なくとも希土類元素及びニ
ッケルを含む水素吸蔵合金粉末に酸またはアルカリ処理
を施して表面付近のニッケルを選択的に残留させること
により得られる。
【0019】酸処理には、例えば、HCl水溶液、H2
SO4水溶液などを使用することができる。
【0020】酸性水溶液の濃度は、0.01〜1.0N
の範囲にすることが好ましい。濃度をかかる範囲内にす
ると、飽和磁化が前述した特定範囲内にある水素吸蔵合
金粉末が得られやすくなる。
【0021】また、酸性水溶液の温度は、0〜40℃の
範囲にすることが好ましい。液温をかかる範囲内にする
と、飽和磁化が前述した特定範囲内にある水素吸蔵合金
粉末が得られやすくなる。
【0022】アルカリ処理には、例えば、KOH水溶液
などを使用することができる。
【0023】アルカリ水溶液の濃度は、0.1〜8.0
Nの範囲にすることが好ましい。濃度をかかる範囲内に
すると、飽和磁化が前述した特定範囲内にある水素吸蔵
合金粉末が得られやすくなる。
【0024】また、アルカリ水溶液の温度は、40〜1
00℃の範囲にすることが好ましい。液温をかかる範囲
内にすると、飽和磁化が前述した特定範囲内にある水素
吸蔵合金粉末が得られやすくなる。
【0025】前記結着剤としては、例えばカルボキシメ
チルセルロース、メチルセルロース、ポリアクリル酸ナ
トリウム、ポリテトラフルオロエチレン等を挙げること
ができる。
【0026】前記導電材としては、例えばカーボンブラ
ック等を用いることができる。
【0027】前記導電性基板としては、パンチドメタ
ル、エキスパンデッドメタル、穿孔剛板、ニッケルネッ
トなどの二次元基板や、フェルト状金属多孔体や、スポ
ンジ状金属基板などの三次元基板を挙げることができ
る。
【0028】2)正極11 この正極11は、前述したように上側端部に無地部8を
有する多孔質導電性基板9を有し、かつ多孔質導電性基
板9の少なくとも開口部領域両面に活物質である水酸化
ニッケル粒子を含む正極合剤10を形成した構造を有す
る。この正極合剤は、例えば活物質である水酸化ニッケ
ル粒子に導電材料を添加し、結着剤および水と共に混練
して調製したペーストを、前述した導電性基板に充填
し、乾燥した後、成形することにより形成される。ま
た、正極合剤保持領域の理論容量1Ah当たりの面積
は、30cm2以上である。
【0029】前記水酸化ニッケル粒子としては、例えば
単一の水酸化ニッケル粒子、または亜鉛、コバルト、ビ
スマス、銅のような金属を金属ニッケルと共に共沈され
た水酸化ニッケル粒子を用いることができる。特に、後
者の水酸化ニッケル粒子を含む正極は、高温状態におけ
る充電効率をより一層向上することが可能になる。
【0030】前記水酸化ニッケル粒子は、X線粉末回折
法による(101)面のピーク半価幅が0.8゜/2θ
(Cu−Kα)以上であることが好ましい。より好まし
い水酸化ニッケル粒子のピーク半価幅は0.9〜1.0
゜/2θ(Cu−Kα)である。
【0031】前記導電材料としては、例えば金属コバル
ト、コバルト酸化物、コバルト水酸化物等を挙げること
ができる。
【0032】前記高分子結着剤としては、例えばカルボ
キシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリアクリ
ル酸ナトリウム、ポリテトラフルオロエチレン等を挙げ
ることができる。
【0033】前記導電性基板としては、例えばニッケ
ル、ステンレスまたはニッケルメッキが施された金属か
ら形成された網状、スポンジ状、繊維状、もしくはフェ
ルト状の金属多孔体等を挙げることができる。
【0034】前記正極合剤領域の理論容量1Ah当たり
の面積を30cm2未満にすると、正極と負極との対向
面積が小さくなるため、単位対向面積当たりの放電電流
が大きくなり、放電時の抵抗が高くなる。トータル放電
電流が大きくなるほど、放電時の内部抵抗の増加が顕著
になるため、前述したように正極合剤領域の面積が小さ
い二次電池は大電流放電時の作動電圧の低下を抑制する
ことが困難になる。ところで、特定サイズの電池におい
て使用される電極群の径及び高さはほぼ一定であるた
め、理論容量1Ah当たりの面積を大きくするには正極
の厚さを薄くして正極の捲回数を多くする必要がある。
理論容量1Ah当たりの面積が100cm 2を超える
と、正極が薄くなり強度が低下するため、正負極をセパ
レータを介在させて渦巻き状に捲回することにより電極
群を作製する際に正極に亀裂を生じたり、あるいは破断
を生じる恐れがある。また、正極の反応面積の増加に伴
ってセパレータの反応面積を増加させる必要があること
から、セパレータの占有体積が多くなり、容量が低下す
る恐れがある。よって、正極合剤領域の理論容量1Ah
当たりの面積は、30cm2〜100cm2の範囲にする
ことが好ましい。特に好ましい範囲は、38cm2〜8
0cm2である。
【0035】3)セパレータ7 このセパレータ7としては、例えばポリアミド繊維製不
織布、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフ
ィン繊維製不織布、またはこれらの不織布に親水性官能
基を付与したものを挙げることができる。
【0036】4)アルカリ電解液 このアルカリ電解液としては、例えば水酸化ナトリウム
(NaOH)と水酸化リチウム(LiOH)の混合液、
水酸化カリウム(KOH)とLiOHの混合液、KOH
とLiOHとNaOHの混合液等を用いることができ
る。
【0037】なお、本発明に係わるニッケル水素二次電
池は円板状の負極集電板を負極の無地部下端に接続させ
る形態に限らず、複数の帯状の負極集電板を負極の無地
部下端に接続し、これら帯状の負極集電板を容器底部の
内面にスポット溶接等により接続した形態にしてもよ
い。
【0038】また、前述した図1においては、正極の上
端部にある無地部に正極集電板を接続させる構成にした
が、本発明に係わるニッケル水素二次電池は正極の上端
部に無地部を形成する変わりに帯状の正極タブを接続
し、この正極タブを封口板16の下面に接続する構成に
しても良い。
【0039】また、前述した図1においては、正極と負
極とをセパレータを介して渦巻き状に捲回した電極群が
有底円筒状容器内に収納された構造の円筒形ニッケル水
素二次電池に適用した例を説明したが、正極と負極とを
その間にセパレータを介在させながら交互に積層した電
極群が有底矩形筒状容器内収納された構造の角形ニッケ
ル水素二次電池に同様に適用することができる。
【0040】以上説明した本発明によれば、負極端子を
兼ねる容器と、前記容器内に収納され、正極と負極との
間にセパレータが介在された構造の電極群とを具備した
ニッケル水素二次電池において、前記正極が活物質を含
む合剤が導電性基板に保持された構造を有し、前記合剤
保持領域の理論容量1Ah当たりの面積を30cm2
上にし、前記負極に飽和磁化が0.2emu/g〜1.
0emu/gであるニッケルを含有した水素吸蔵合金粉
末を含ませることによって、常温並びに低温における大
電流放電容量を向上することができる。
【0041】すなわち、ニッケル水素二次電池は一般的
にニッケルカドミウム二次電池に比べてその容積エネル
ギー密度が大きいため、同一サイズの電池を同じ時間率
で放電させた場合、放電電流が大きくなり、作動電圧が
低下する。前述したニッケル水素二次電池において、高
い放電率で作動させても電池作動電圧の低下を抑制ない
し防止するにはその内部抵抗を可能な限り低くする必要
がある。
【0042】正極合剤保持領域の理論容量1Ah当たり
の面積を30cm2以上にすることによって、正極と負
極との対向面積を大きくすることができるため、単位対
向面積当たりの放電電流を小さくすることができ、大電
流で放電する際の内部抵抗を低減することが可能にな
る。
【0043】また、低温下で大電流放電を行うと常温に
比べて作動電圧が低下するのは、アルカリ電解液の凍結
を除けば、負極に含まれる水素吸蔵合金粉末の表面活性
が失活していることが主な原因である。水素吸蔵合金粉
末の表面活性の失活は、主に負極を作製する際に生じ
る。飽和磁化が0.2emu/g〜1.0emu/gで
あるニッケルを含有する水素吸蔵合金粉末は、強磁性を
示すニッケルリッチ層が表面に適量形成されているた
め、負極を作製する際に表面が酸化されるのを抑制する
ことができる。よって、得られた負極に含まれる水素吸
蔵合金粉末は、表面活性を向上することができるため、
低温下で大電流放電した際に作動電圧が低下するのを抑
制することができる。
【0044】従って、正極合剤保持領域の理論容量1A
h当たりの面積と少なくともニッケルを含有する水素吸
蔵合金粉末の飽和磁化とを規制することによって、大電
流放電時の内部抵抗を低減することができると共に、水
素吸蔵合金粉末の表面活性を向上することができるた
め、常温並びに低温において大電流で放電した際に、作
動電圧が低下するのを抑制することができ、放電容量を
向上することができる。
【0045】ところで、ニッケル水素二次電池は、負極
が外周に配置された電極群を容器(例えば有底円筒状容
器)内に収納し、前記負極を前記容器の内周面に接触さ
せることにより導通を取っている。このような構造の二
次電池では、微小電流を取出す場合には前記負極−容器
間の接触抵抗は大きな電圧低下を誘発しないものの、放
電電流が大きくなると、前記接触抵抗は作動電圧の低下
に大きく影響を与える。
【0046】このようなことから、前記負極を前記水素
吸蔵合金粉末を含む合剤が導電性基板に下端部を除いて
担持された構造にし、前記負極の下端を前記電極群にお
いて前記正極の下端よりも突出させると共に、負極集電
板を介して前記容器の底部と電気的に接続することによ
って、負極と容器との間の接触抵抗を著しく低減できる
ため、大電流放電時における作動電圧の低下を効果的に
抑制することができる。
【0047】また、前記負極集電板を備える二次電池に
おいて、前述した図1に示すように電極群2の正極11
の無地部8上端に中央に穴13が開口された円板状正極
集電板14をスポット溶接し、この正極集電板14に接
続された正極リード18を通して正極端子として機能す
る封口板16に接続すれば、電池の内部抵抗をより一層
低減でき、さらに負極6の無地部3下端を円板状の負極
集電板12に接続した構造との相互作用により、渦巻状
に巻回した電極群2の形状安定性を向上できるため、電
池の組み立ても容易に行なうことができる。
【0048】
【実施例】以下、本発明の好ましい実施例を図面を参照
して詳細に説明する。
【0049】まず、正極I,II及び負極A〜Fを以下に
説明する方法で作製した。
【0050】<正極Iの作製>水酸化ニッケル粉末10
0重量部に対し、一酸化コバルト粉末11重量部、カル
ボキシメチルセルロース(CMC)0.33重量部、ポ
リテトラフルオロエチレンのディスパージョン(比重
1.5、固形分60重量%)を固形分換算で0.56重
量部及び水50重量部を配合し、混練することによりペ
ーストを調製した。つづいて、このペーストをニッケル
メッキ繊維基板内に充填し、乾燥した後、ローラプレス
を行って圧延し、さらに裁断することにより上側端に無
地部を有し、正極合剤保持領域の理論容量1Ah当たり
の面積が20cm2である正極を作製した。
【0051】<正極IIの作製>正極の長さ及び厚さを変
更して正極合剤保持領域の理論容量1Ah当たりの面積
を30cm2にすること以外は、前述した正極Iと同様
にして正極IIを得た。
【0052】<負極Aの作製>LmNi4.0Co0.8Mn
0.1Al0.35(但し、Lmは、La富化したミッシュメ
タルである)で表され、平均粒径が35μmで、常温に
おける飽和磁化が下記表1に示す値である水素吸蔵合金
粉末100重量部にアクリル酸ナトリウムとビニルアル
コールとの共重合体0.3重量部、カルボキシメチル化
スチレンブタジエンゴム(トルエン不溶分60重量%)
1重量部、カーボンブラック1重量部、ニッケル粉末1
重量部及び水50重量部を添加し、混練することにより
ペーストを調製した。これらのペーストを下側端に無地
部を有する導電性基板としてのパンチドメタルシートに
塗布、乾燥、プレス、さらに裁断して下側端に無地部を
有する負極を作製した。
【0053】<負極Bの作製>LmNi4.0Co0.8Mn
0.1Al0.35(但し、Lmは、La富化したミッシュメ
タルである)で表される平均粒径が35μmの水素吸蔵
合金粉末を8NのKOH水溶液に25℃で30分間浸漬
した後、濾過し、水洗し、常温乾燥することにより常温
における飽和磁化が下記表1に示す値である水素吸蔵合
金粉末を得た。
【0054】得られた水素吸蔵合金粉末100重量部に
アクリル酸ナトリウムとビニルアルコールとの共重合体
0.3重量部、カルボキシメチル化スチレンブタジエン
ゴム(トルエン不溶分60重量%)1重量部、カーボン
ブラック1重量部、ニッケル粉末1重量部及び水50重
量部を添加し、混練することによりペーストを調製し
た。これらのペーストを下端に無地部を有する導電性基
板としてのパンチドメタルシートに塗布、乾燥、プレ
ス、さらに裁断して下側端に無地部を有する負極を作製
した。
【0055】<負極C〜Dの作製>8N−KOH水溶液
の液温を下記表1に示すように変更すること以外は前述
した負極Bで説明したのと同様にしてアルカリ処理を行
うことにより飽和磁化が下記表1に示す値である水素吸
蔵合金粉末を得た。得られた水素吸蔵合金粉末を用いる
こと以外は、前述した負極Bで説明したのと同様にして
負極C〜Dを作製した。
【0056】<負極Eの作製>LmNi4.0Co0.8Mn
0.1Al0.35(但し、Lmは、La富化したミッシュメ
タルである)で表される平均粒径が35μmの水素吸蔵
合金粉末を1NのH2SO4水溶液に25℃で30分間浸
漬した後、濾過し、水洗し、常温乾燥することにより常
温における飽和磁化が下記表1に示す値である水素吸蔵
合金粉末を得た。得られた水素吸蔵合金粉末を用いるこ
と以外は、前述した負極Bで説明したのと同様にして負
極Eを作製した。
【0057】<負極Fの作製>H2SO4水溶液への浸漬
時間を下記表1に示すように変更すること以外は前述し
た負極Eで説明したのと同様にして酸処理を行うことに
より飽和磁化が下記表1に示す値である水素吸蔵合金粉
末を得た。得られた水素吸蔵合金粉末を用いること以外
は、前述した負極Bで説明したのと同様にして負極Fを
作製した。
【0058】(実施例1)前記負極B、親水化ポリプロ
ピレン繊維製不織布からなるセパレータおよび前記正極
IIを前述した図2に示すように前記負極6の無地部3が
下部側に表出し、前記正極11の無地部8が上部側に表
出するように相互にずらして積層し、この積層物を渦巻
状に巻回することにより電極群を作製した。つづいて、
前記電極群2の負極6の無地部3下端にニッケル製で円
板状の負極集電板12をスポット溶接した。また、前記
電極群2の正極11の無地部8上端に前述した図1に示
すように中央に穴13が開口された円板状をなすニッケ
ル製正極集電板14をスポット溶接した。このような電
極群を有底円筒状容器に収納した後、前記正極集電板1
4の穴13および前記電極群2の中央の円柱状空洞部を
通して前記負極集電板12の中心付近を前記容器1底面
にスポット溶接した。この後、7Nの水酸化カリウムお
よび1Nの水酸化リチウムからなる電解液を収容し、封
口等を行うことにより前述した図1に示す構造を有する
4/5Aサイズの円筒状ニッケル水素二次電池を組み立
てた。
【0059】(実施例2)負極として負極Cを用いるこ
と以外は、前述した実施例1と同様にして円筒状ニッケ
ル水素二次電池を組み立てた。
【0060】(実施例3)負極として負極Dを用いるこ
と以外は、前述した実施例1と同様にして円筒状ニッケ
ル水素二次電池を組み立てた。
【0061】(実施例4)負極として負極Eを用いるこ
と以外は、前述した実施例1と同様にして円筒状ニッケ
ル水素二次電池を組み立てた。
【0062】(実施例5)負極として負極Fを用いるこ
と以外は、前述した実施例1と同様にして円筒状ニッケ
ル水素二次電池を組み立てた。
【0063】(比較例1)負極として負極Aを用いるこ
と以外は、前述した実施例1と同様にして円筒状ニッケ
ル水素二次電池を組み立てた。
【0064】(比較例2)正極として正極Iを、負極と
して負極Aを用いること以外は、前述した実施例1と同
様にして円筒状ニッケル水素二次電池を組み立てた。
【0065】(比較例3)正極として正極Iを、負極と
して負極Bを用いること以外は、前述した実施例1と同
様にして円筒状ニッケル水素二次電池を組み立てた。
【0066】(比較例4)正極として正極Iを、負極と
して負極Dを用いること以外は、前述した実施例1と同
様にして円筒状ニッケル水素二次電池を組み立てた。
【0067】(比較例5)正極として正極Iを、負極と
して負極Fを用いること以外は、前述した実施例1と同
様にして円筒状ニッケル水素二次電池を組み立てた。
【0068】得られた実施例1〜5および比較例1〜5
の二次電池について、下記(i)〜(iv)の充放電試験
を行った。
【0069】(i)室温下において1時間率で1.2時
間の充電を行ない、30分間休止した後、―10℃にお
いて1時間率の1倍の電流で放電し、その時の作動電圧
が1000mVに達するまでの放電容量を測定した。
【0070】(ii)室温下において1時間率で1.2時
間の充電を行ない、30分間休止した後、―10℃にお
いて1時間率の3倍の電流で放電し、その時の作動電圧
が1000mVに達するまでの放電容量を測定した。
【0071】(iii)室温下において1時間率で1.2
時間の充電を行ない、30分間休止した後、―10℃に
おいて1時間率の5倍の電流で放電し、その時の作動電
圧が1000mVに達するまでの放電容量を測定した。
【0072】(iv)室温下において1時間率で1.2時
間の充電を行ない、30分間休止した後、―10℃にお
いて1時間率の10倍の電流で放電し、その時の作動電
圧が1000mVに達するまでの放電容量を測定した。
【0073】なお、(i)〜(iv)の各充放電試験後、
常温において1時間率の1倍の電流で電池電圧が100
0mVになるまで放電し、次の充放電試験前の残存容量
を揃えた。
【0074】このようにして得られた結果を図3に示
す。なお、図3の縦軸は(i)〜(iv)の各放電容量の
公称容量に対する比率を示し、横軸は1時間率に対する
放電率を示す。
【0075】
【表1】
【0076】図3から明らかなように合剤保持領域の理
論容量1Ah当たりの面積が30cm2以上である正極
と飽和磁化が0.2emu/g〜1.0emu/gであ
るニッケルを含有した水素吸蔵合金粉末を含む負極とを
備えた実施例1〜5の二次電池は、飽和磁化が前記範囲
より小さい比較例1の二次電池、正極合剤の面積及び飽
和磁化の双方が小さい比較例2の二次電池及び正極合剤
の面積が小さい比較例3〜5の二次電池に比べて、低温
において高率放電した際に高い放電容量を維持できるこ
とがわかる。
【0077】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、常
温並びに低温下での大電流放電時における作動電圧の低
下を抑制することが可能で、各種の電動工具や電動補助
付き自転車、電気自動車などの駆動電源として有用なニ
ッケル水素二次電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるニッケル水素二次電池を示す断
面図。
【図2】図1の二次電池に組込まれる電極群の展開図。
【図3】実施例1〜4、比較例1〜6の1時間率に対す
る放電率と放電容量との関係を示す線図。
【符号の説明】
1…容器、 2…電極群、 3,8…無地部、 6…負極、 7…セパレータ、 11…正極、 12…負極集電板、 16…封口板、 17…絶縁ガスケット。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01M 10/28 H01M 10/28 A (72)発明者 武野 和太 東京都品川区南品川3丁目4番10号 東芝 電池株式会社内 Fターム(参考) 5H003 AA01 BB02 BD00 5H016 AA02 AA05 BB09 EE01 HH00 HH04 5H022 AA04 CC08 CC16 CC22 5H028 AA01 AA05 CC11 HH00 HH10

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 負極端子を兼ねる容器と、前記容器内に
    収納され、正極と負極との間にセパレータが介在された
    構造の電極群とを具備したニッケル水素二次電池におい
    て、 前記正極は、活物質を含む合剤が導電性基板に保持され
    た構造を有し、前記合剤保持領域の理論容量1Ah当た
    りの面積が30cm2以上で、 前記負極は、飽和磁化が0.2emu/g〜1.0em
    u/gであるニッケルを含有した水素吸蔵合金粉末を含
    むことを特徴とするニッケル水素二次電池。
  2. 【請求項2】 前記負極は、前記水素吸蔵合金粉末を含
    む合剤が導電性基板に下端部を除いて担持された構造を
    有し、前記負極の下端は前記電極群において前記正極の
    下端よりも突出していると共に、負極集電板を介して前
    記容器の底部と電気的に接続されていることを特徴とす
    る請求項1記載のニッケル水素二次電池。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004066421A1 (ja) * 2003-01-20 2004-08-05 Yuasa Corporation 密閉型ニッケル水素蓄電池とその製造法
CN100359722C (zh) * 2003-01-20 2008-01-02 株式会社汤浅开发 密闭型镍氢蓄电池及其制造方法

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WO2004066421A1 (ja) * 2003-01-20 2004-08-05 Yuasa Corporation 密閉型ニッケル水素蓄電池とその製造法
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