JPH11260395A - 密閉型ニッケル水素二次電池 - Google Patents

密閉型ニッケル水素二次電池

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JPH11260395A
JPH11260395A JP10061137A JP6113798A JPH11260395A JP H11260395 A JPH11260395 A JP H11260395A JP 10061137 A JP10061137 A JP 10061137A JP 6113798 A JP6113798 A JP 6113798A JP H11260395 A JPH11260395 A JP H11260395A
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JP
Japan
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capacity
secondary battery
amount
nickel
negative electrode
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JP10061137A
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English (en)
Inventor
Koichi Mukai
宏一 向井
Kazuhiro Takeno
和太 武野
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FDK Twicell Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Battery Co Ltd
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 充放電サイクル寿命が長く、かつ高容量の密
閉型ニッケル水素二次電池を提供する。 【解決手段】 容量が310Wh/l以上、一般式Lm
Nix Mny Mez (ただし、LmはLa70重量%以
上からなる希土類元素、MeはCo、Al、Fe、Zr
から選ばれる少なくとも1種、原子比x,y,zはそれ
ぞれ3.30≦x≦4.50、0.01≦y≦0.2
0、0.20≦z≦1.70で、かつその合計値が4.
90≦w+x+y+z≦5.50を示す)で表される希
土類−ニッケル系水素吸蔵合金を含有する負極と、25
℃における電解液量と前記二次電池の理論容量の比(電
解液量/理論容量)が0.7〜1.3mL/Ahになる
ように容器内に収容されたアルカリ電解液とを具備した
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素吸蔵合金を含
む負極を改良した密閉型ニッケル水素二次電池に関す
る。
【0002】
【従来の技術】密閉型ニッケル水素二次電池は、例えば
水酸化ニッケルを活物質として含むペースト式正極と水
素吸蔵合金を含むペースト式負極の間にセパレータを介
在させた電極群をアルカリ電解液と共に容器内に収納
し、密閉した構造を有する。このような密閉型ニッケル
水素二次電池は、携帯用電話機や携帯型撮像機などの各
種の電子機器の作動電源として広く実用化され、近年、
さらなる高容量化と長寿命化が要望されている。
【0003】ところで、密閉型ニッケル水素二次電池を
高容量化するには電流密度を増大させたり、容量規制極
である正極容量に対する負極容量の比(以下、容量比と
称す)を小さくする必要がある。
【0004】また、ニッケル水素二次電池はノイマン方
式により過充電時に正極から発生する酸素ガスを負極で
消費するために密閉化している。このため、負極の容量
が正極の容量に比べて小さいと、過充電時に内圧が上昇
する。すなわち、前記水素吸蔵合金を含む負極は初期の
電気化学反応における活性が低いために、電池組立て後
の数サイクルは十分な充放電容量が得られない。従来
は、正負極間の容量比が十分に大きかったために問題に
ならなかったが、容量比を小さくすると、サイクル初期
での過充電時に内圧が上昇する。
【0005】したがって、従来の技術ではエネルギー密
度が310Wh/l以上の高容量で、充放電サイクル特
性が優れた特性を有する密閉型ニッケル水素二次電池を
作ることは困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、充放電サイ
クル寿命が長く、かつ高容量の密閉型ニッケル水素二次
電池を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる密閉型ニ
ッケル水素二次電池は、容量が310Wh/l以上であ
り、一般式LmNix Mny Mez (ただし、LmはL
a70重量%以上からなる希土類元素、MeはCo、A
l、Fe、Zrから選ばれる少なくとも1種、原子比
x,y,zはそれぞれ3.30≦x≦4.50、0.0
1≦y≦0.20、0.20≦z≦1.70で、かつそ
の合計値が4.90≦w+x+y+z≦5.50を示
す)で表される希土類−ニッケル系水素吸蔵合金を含有
する負極と、25℃における電解液量と電池の理論容量
の比(電解液量/理論容量)が0.7〜1.3mL/A
hになるように容器内に収容されたアルカリ電解液とを
具備したことを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わるニッケル水
素二次電池(円筒形ニッケル水素二次電池)を図1を参
照して説明する。
【0009】有底円筒状の容器1内には、正極2とセパ
レータ3と負極4とを積層してスパイラル状に捲回する
ことにより作製された電極群5が収納されている。前記
負極4は、前記電極群5の最外周に配置されて前記容器
1と電気的に接触している。アルカリ電解液は、前記容
器1内に収容されている。中央に孔6を有する円形の封
口板7は、前記容器1の上部開口部に配置されている。
リング状の絶縁性ガスケット8は、前記封口板7の周縁
と前記容器1の上部開口部内面の間に配置され、前記上
部開口部を内側に縮径するカシメ加工により前記容器1
に前記封口板7を前記ガスケット8を介して気密に固定
している。正極リード9は、一端が前記正極2に接続、
他端が前記封口板7の下面に接続されている。帽子形状
をなす正極端子10は、前記封口板7上に前記孔6を覆
うように取り付けられている。ゴム製の安全弁11は、
前記封口板7と前記正極端子10で囲まれた空間内に前
記孔6を塞ぐように配置されている。中央に穴を有する
絶縁材料からなる円形の押え板12は、前記正極端子1
0上に前記正極端子10の突起部がその押え板12の前
記穴から突出されるように配置されている。外装チュー
ブ13は、前記押え板12の周縁、前記容器1の側面及
び前記容器1の底部周縁を被覆している。
【0010】次に、前記負極4、正極2、セパレータ3
および電解液について説明する。
【0011】1)負極4 前記負極は、一般式LmNix Mny Mez (ただし、
LmはLa70重量%以上からなる希土類元素、Meは
Co、Al、Fe、Zrから選ばれる少なくとも1種、
原子比x,y,zはそれぞれ3.30≦x≦4.50、
0.05≦y≦0.20、0.20≦z≦1.70で、
かつその合計値が4.90≦w+x+y+z≦5.50
を示す)で表される希土類−ニッケル系水素吸蔵合金を
含有する。
【0012】前記水素吸蔵合金のLm中のLa量を規定
したのは、次のような理由によるものである。La量を
70重量%未満にすると、水素吸蔵合金の親水素性を高
めることができず、負極の単位体積当りの容量を増大さ
せることが困難になる。なお、Lmは、100重量%未
満のLaからなる場合、前記La以外の成分としてP
r、Ce、Ndから選ばれる少なくとも2種以上を用い
ることが好ましい。より好ましいLmは、La75〜9
5重量%以上である。
【0013】前記希土類−Ni系水素吸蔵合金におい
て、Mnは水素吸蔵・放出の平衡圧を低下させると共
に、LmのLa量の増大に起因する腐食を抑制すること
が可能になる。前記Mnの置換量を0.01未満にする
と水素吸蔵・放出の平衡圧を低下させること、およびL
mのLa量の増大に起因する腐食を抑制することが困難
になる。一方、前記Mnの置換量が0.20を越えると
Mnの電解液への溶出による被毒が生じる恐れがある。
【0014】前記希土類−ニッケル系水素吸蔵合金にお
いて、特に一般式LmNix MnyCoz1Alz2(ただ
し、LmはLa70重量%以上からなる希土類元素、原
子比x,y,z1,z2はそれぞれ3.30≦x≦4.
50、0.01≦y≦0.20、0.50≦z1≦1.
10、0.20≦z0.50で、かつその合計値が4.
90≦w+x+y+z≦5.50を示す)で表されるも
のを用いることが好ましい。
【0015】前記負極4は、例えば前記水素吸蔵合金粉
末に導電材を添加し、高分子結着剤および水と共に混練
してペーストを調製し、このペーストを導電性基板に充
填し、乾燥した後、成形することにより製造される。
【0016】前記高分子結着剤としては、例えばカルボ
キシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリアクリ
ル酸ナトリウム、ポリテトラフルオロエチレン等を挙げ
ることができる。
【0017】前記導電材としては、例えばカーボンブラ
ック等を用いることができる。
【0018】前記導電性基板としては、パンチドメタ
ル、エキスパンデッドメタル、穿孔剛板、ニッケルネッ
トなどの二次元基板や、フェルト状金属多孔体や、スポ
ンジ状金属基板などの三次元基板を挙げることができ
る。
【0019】2)正極2 この正極2は、活物質である水酸化ニッケル粒子、導電
材料および高分子結着剤を含む正極材料を導電性基板に
担持した構造を有する。
【0020】前記水酸化ニッケル粒子としては、例えば
単一の水酸化ニッケル粒子、または亜鉛、コバルト、ビ
スマス、銅のような金属を金属ニッケルと共に共沈され
た水酸化ニッケル粒子を用いることができる。特に、後
者の水酸化ニッケル粒子を含む正極は、高温状態におけ
る充電効率をより一層向上することが可能になる。
【0021】前記水酸化ニッケル粒子は、X線粉末回折
法による(101)面のピーク半価幅が0.8゜/2θ
(Cu−Kα)以上であることが好ましい。より好まし
い水酸化ニッケル粒子のピーク半価幅は0.9〜1.0
゜/2θ(Cu−Kα)である。
【0022】前記導電材料としては、例えば金属コバル
ト、コバルト酸化物、コバルト水酸化物等を挙げること
ができる。
【0023】前記高分子結着剤としては、例えばカルボ
キシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリアクリ
ル酸ナトリウム、ポリテトラフルオロエチレン等を挙げ
ることができる。
【0024】前記導電性基板としては、例えばニッケ
ル、ステンレスまたはニッケルメッキが施された金属か
ら形成された網状、スポンジ状、繊維状、もしくはフェ
ルト状の金属多孔体等を挙げることができる。
【0025】この正極2は、例えば活物質である水酸化
ニッケル粒子に導電材料を添加し、高分子結着剤および
水と共に混練してペーストを調製し、このペーストを導
電性基板に充填し、乾燥した後、成形することにより作
製される。
【0026】3)セパレータ3 このセパレータ3としては、例えばポリアミド繊維製不
織布、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフ
ィン繊維製不織布、またはこれらの不織布に親水性官能
基を付与したものを挙げることができる。
【0027】4)アルカリ電解液 このアルカリ電解液としては、例えば水酸化ナトリウム
(NaOH)と水酸化リチウム(LiOH)の混合液、
水酸化カリウム(KOH)とLiOHの混合液、KOH
とLiOHとNaOHの混合液等を用いることができ
る。
【0028】前記アルカリ電解液は、25℃における電
解液量と前記二次電池の理論容量の比(電解液量/理論
容量)が0.7〜1.3mL/Ahになるように前記容
器内に収容されている。のような電解液量/理論容量の
比を規定したのは、次のような理由によるものである。
前記電解液量比が1.3mL/Ahを越えると、容量を
310Wh/l以上にすることが困難になる恐れがあ
る。二次電池の理論容量に対する電解液量比を少なくす
るほど、高容量化に有利であるものの、0.7mL/A
h未満にすると、正極や負極表面の電解液量が少なくな
り、放電容量が低下する恐れがある。より好ましい二次
電池の理論容量に対する電解液量比は、0.90mL/
Ah〜1.15mL/Ahである。
【0029】前記二次電池は、容量が310Wh/l以
上である。この容量C(Wh/l)[体積エネルギー密
度]は、次式で定義される。
【0030】C=(CT ×Z)/V…(1) ここで、CT (Ah)は二次電池の理論容量、Z(V)
は二次電池の電圧、V(l)は二次電池の容積(容器の
内容積)を示す。
【0031】以上説明した本発明に係る密閉型ニッケル
水素二次電池は、容器内に収納された水素吸蔵合金粉末
を含む負極と、前記容器内に前記負極に対してセパレー
タを挟んで配置されるように収納された水酸化ニッケル
を活物質として含む正極と、前記容器内に収容されたア
ルカリ電解液とを具備した密閉型ニッケル水素二次電池
であって、前記二次電池の容量は、310Wh/l以上
であり、前記負極は、一般式LmNix Mny Me
z (ただし、LmはLa70重量%以上からなる希土類
元素、MeはCo、Al、Fe、Zrから選ばれる少な
くとも1種、原子比x,y,zはそれぞれ3.30≦x
≦4.50、0.01≦y≦0.20、0.20≦z≦
1.70で、かつその合計値が4.90≦w+x+y+
z≦5.50を示す)で表される希土類−ニッケル系水
素吸蔵合金を含有し、かつ前記アルカリ電解液は、25
℃における電解液量と前記二次電池の理論容量の比(電
解液量/理論容量)が0.7〜1.3mL/Ahになる
ように前記容器内に収容されている構造を有する。
【0032】このような構成の二次電池は、充放電サイ
クル寿命が長く、かつ310Wh/l以上の高容量の密
閉型ニッケル水素二次電池を得ることができる。
【0033】すなわち、水素吸蔵合金を含む負極を備え
たニッケル水素二次電池において、容量を増大させるに
は正極活物質である金属酸化物の含有量を増加させるこ
とが必要である。一方、電池内では充放電サイクルの進
行に伴って発生する酸素ガス等を効率よく消費させるた
めに正極に対してある一定量以上の予備充電量を負極に
担わせることが必要である。
【0034】したがって、高容量化するためには正極の
活物質量を増大させると、同時に負極の量も増大させる
ことが必要がある。このため、ニッケル水素二次電池に
おける高容量化は自ずと制限される。
【0035】このような問題は、負極の単位体積当りの
容量を増大させることにより容易に解決することができ
る。
【0036】負極の単位体積当りの容量を増大させるこ
とによって、正極に対する一定量以上の予備充電量を負
極で確保でき、結果として高容量化が可能になる。
【0037】負極のの単位体積当りの容量を増大させる
ためには、負極中に含有される水素吸蔵合金の水素吸蔵
量を増大させることが必要である。水素吸蔵合金中で親
水素性の高いLaの含有量を増大させることによって、
水素吸蔵合金の水素吸蔵量を増大できる。しかしなが
ら、水素吸蔵合金中のLaを増加(70重量%以上)さ
せると、充放電中において水素吸蔵合金が腐蝕し易くな
る。
【0038】このようなことから、水素吸蔵合金の一成
分として少量のMnを配合することによりLm中のLa
量の増大に起因する水素吸蔵合金の腐蝕を抑制すること
が可能になる。
【0039】一方、310Wh/l以上のようなニッケ
ル水素二次電池においては容器内に占める正極および負
極の割合が多くなり、必然的に電解液量が減少する。た
だし、電解液を所定の範囲内で低減することは、負極表
面を覆う電解液量が少なくなるので、比較的短時間での
充電操作において、発生する酸素と負極中の水素との反
応場を増大させて内圧上昇を抑制できる。このため、サ
イクル寿命の観点からは有益である。しかしながら、水
素吸蔵合金の劣化によって容量が低下することによる内
圧上昇、安全弁の作動が起こったり、水素吸蔵合金が腐
食することによって電解液が消費されて充放電サイクル
寿命が著しく低下する。
【0040】このようなことから、アルカリ電解液を容
器内に25℃における電解液量と前記二次電池の理論容
量の比(電解液量/理論容量)が0.7〜1.3mL/
Ahになるように収容することによって、前記安全弁の
作動や充放電サイクル寿命の低下を回避できる。
【0041】したがって、310Wh/l以上のような
密閉型ニッケル水素二次電池において一般式LmNix
Mny Mez で表され、特にLmとして70重量%以上
のLaを含む希土類元素を用いMn量(y)を規定した
希土類−ニッケル系水素吸蔵合金を含有する負極を用
い、かつアルカリ電解液の液量比を0.7〜1.3mL
/Ahにすることによって、安定した長い充放電サイク
ル寿命を有すると共に、310Wh/l以上の高容量の
密閉型ニッケル水素二次電池を得ることができる。
【0042】
【実施例】以下、本発明の好ましい実施例を図面を参照
して詳細に説明する。
【0043】(比較例1〜15) <負極の作製>La50重量%、Pr15重量%および
Ce35重量%の組成のLmと、Ni、Co、Al、M
nの各元素とからなるLmNi3.9-y Co0.8 Al0.3
Mny(ただし、y=0,0.05,0.10,0.2
0,0.30を示す)で表される5種の水素吸蔵合金を
作製した。これらの合金をそれぞれ1000℃のアルゴ
ン雰囲気中で10時間熱処理して合金組成を均質化し
た。つづいて、これらの水素吸蔵合金を粗粉砕し、さら
にボールミルで粉砕し、篩分けを行って粒径25〜75
μmの水素吸蔵合金粉末を得た。得られた各水素吸蔵合
金粉末100重量部にポリアクリル酸ナトリウム0.5
重量部、カルボキシメチルセルロース(CMC)0.1
2重量部、ポリテトラフルオロエチレンのディスパージ
ョン(比重1.5、固形分60重量%)を固形分換算で
1.0重量部、および導電性材料としてのカーボンブラ
ック1.0重量部を添加し、水30重量部と共に混合す
ることによりペーストを調製した。これらのペーストを
導電性基板としてのパンチドメタルに塗布、乾燥し、さ
らにプレスして5種の負極を作製した。
【0044】<正極の作製>水酸化ニッケル粉末90重
量部および一酸化コバルト粉末10重量部からなる混合
粉体に、カルボキシメチルセルロース(CMC)0.3
重量部、ポリテトラフルオロエチレンのディスパージョ
ン(比重1.5、固形分60重量%)を固形分換算で
0.5重量部を添加し、純水45重量部と共に混合する
ことによりペーストを調製した。つづいて、このペース
トを発泡ニッケル基板内に充填し、乾燥した後、ローラ
プレスを行って圧延することにより正極を作製した。
【0045】次いで、前記各負極と前記正極との間にポ
リアミド繊維製不織布からなる厚さ0.2mmのセパレ
ータを介装し、渦巻状に捲回して5種の電極群を作製し
た。このような電極群を有底円筒状容器に収納した後、
7Nの水酸化カリウムおよび1Nの水酸化リチウムから
なる電解液を25℃における電解液量と前記二次電池の
理論容量の比(電解液量/理論容量)が0.5mL/A
h,1.1mL/Ahおよび1.8mL/Ahになるよ
うに収容し、封口等を行うことにより前述した図1に示
す構造を有し、理論容量が3500mAh(容量310
Wh/l以上)である4/3Aサイズの密閉型円筒状ニ
ッケル水素二次電池を15種組み立てた。
【0046】得られた比較例1〜15の二次電池につい
て、3Aの電流で90分間充電し、3Aの電流で終始電
圧1.0Vまで放電する充放電を繰り返した。このよう
な充放電において、放電容量が初期値の80%以下にな
った時の充放電サイクル数を求めた。また、充電時の最
高内圧を測定した。その結果を下記表1に示す。なお、
下記表1にはLm中のLa量、水素吸蔵合金中のMn量
を併記する。
【0047】(実施例1〜3および比較例16〜27)
負極中の水素吸蔵合金としてLa75重量%、Pr8重
量%およびCe17重量%の組成のLmと、Ni、C
o、Al、Mnの各元素とからなるLmNi3.9- y Co
0.8 Al0.3 Mny (ただし、y=0,0.05,0.
10,0.20,0.30を示す)で表される5種のも
のを用いた以外、比較例1〜15と同様な方法により前
述した図1に示す構造を有し、理論容量が3000mA
h(容量310Wh/l以上)である4/3Aサイズの
15種の密閉型円筒状ニッケル水素二次電池を種組み立
てた。
【0048】得られた実施例1〜3および比較例16〜
27の二次電池について、3Aの電流で90分間充電
し、3Aの電流で終始電圧1.0Vまで放電する充放電
を繰り返した。このような充放電において、放電容量が
初期値の80%以下になった時の充放電サイクル数を求
めた。また、充電時の最高内圧を測定した。その結果を
下記表2に示す。なお、下記表2にはLm中のLa量、
水素吸蔵合金中のMn量を併記する。
【0049】(実施例4〜6および比較例28〜39)
負極中の水素吸蔵合金としてLa85重量%、Pr6重
量%およびCe17重量%の組成のLmと、Ni、C
o、Al、Mnの各元素とからなるLmNi3.9- y Co
0.8 Al0.3 Mny (ただし、y=0,0.05,0.
10,0.20,0.30を示す)で表される5種のも
のを用いてた以外、比較例1〜15と同様な方法により
前述した図1に示す構造を有し、理論容量が3000m
Ah(容量310Wh/l以上)である4/3Aサイズ
の15種の密閉型円筒状ニッケル水素二次電池を種組み
立てた。
【0050】(参照例1〜7)負極中の水素吸蔵合金と
してLa50重量%、Pr15重量%およびCe35重
量%の組成のLmと、Ni、Co、Al、Mnの各元素
とからなるLmNi3.9-y Co0.8 Al0.3 Mny(た
だし、y=0.05,0.30を示す)で表される2種
のもの、La75重量%、Pr8重量%およびCe17
重量%の組成のLmと、Ni、Co、Al、Mnの各元
素とからなるLmNi3.9-y Co0.8 Al0.3 Mn
y (ただし、y=0.05、0.30を示す)で表され
る2種もの、La85重量%、Pr6重量%およびCe
9重量%の組成のLmと、Ni、Co、Al、Mnの各
元素とからなるLmNi3.9-y Co0.8 Al0.3 Mny
(ただし、y=0.10を示す)で表されるもの、を用
い、かつ容器内に収容する7Nの水酸化カリウムおよび
1Nの水酸化リチウムからなる電解液た25℃における
電解液量と前記二次電池の理論容量の比(電解液量/理
論容量)が書き表4に示す値である以外、比較例1〜1
5と同様な正極、セパレータを用いて前述した図1に示
す構造を有し、理論容量が2800mAh(容量260
Wh/l)である4/3Aサイズの7種の密閉型円筒状
ニッケル水素二次電池を種組み立てた。
【0051】得られた参照例1〜7の二次電池につい
て、3Aの電流で90分間充電し、3Aの電流で終始電
圧1.0Vまで放電する充放電を繰り返した。このよう
な充放電において、放電容量が初期値の80%以下にな
った時の充放電サイクル数を求めた。また、充電時の最
高内圧を測定した。その結果を下記表4に示す。なお、
下記表4にはLm中のLa量、水素吸蔵合金中のMn量
を併記する。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
【0056】前記表1から明らかなように容量が310
Wh/l以上のニッケル水素二次電池において、70重
量%以上のLaを含む希土類元素からなるLmを含み、
かつMnの組成比が0.01〜0.20である水素吸蔵
合金を含有する負極を備え、容器内の電解液が25℃に
おける電解液量と前記二次電池の理論容量の比(電解液
量/理論容量)が0.7〜1.3mL/Ahになるよう
に収容した実施例1〜6の二次電池は充放電サイクルの
ばらつきが小さく、かつその寿命も長くなることがわか
る。ただし、前記表4に示すように容量が310Wh/
l未満の二次電池においては70重量%未満(50重量
%)のLaを含む希土類元素からなるLmを含み、かつ
Mnの組成比が0.01〜0.20である水素吸蔵合金
を含有する負極を備えた参照例1,2の二次電池では充
放電サイクルのばらつきが小さく、かつその寿命も長く
なるものの、容量が310Wh/l以上になると問題が
生じる。
【0057】これに対し、前記表1に示すように容量が
310Wh/l以上のニッケル水素二次電池において、
La量を70重量%未満であるLmを含む水素吸蔵合金
を含有する負極を備えた二次電池(比較例1〜15)
は、正極に対する予備充電量が不足するために前記水素
吸蔵合金中のMn量および電解液の液量比を適切な範囲
にしても、充放電サイクル数が短くなることがわかる。
【0058】また、前記表2,3に示すようにLa量が
70重量%以上のLmを含有するものの、Mnの組成比
が0.01以下の水素吸蔵合金を含む負極を備えた二次
電池(比較例16〜18,28〜30)では水素吸蔵合
金の容量が低下して正極に対する予備充電量が不足し、
充放電サイクル寿命が短くなることがわかる。
【0059】さらに、前記表2,3に示すように容器内
の電解液の液量比が0.7mL/Ah未満になるように
収容した二次電池(比較例16,19,21,23,2
5,28,31,33,35,37)は充放電サイクル
寿命が短くなり、容器内の電解液の液量比が1.3mL
/Ahを越えて収容した二次電池(比較例16,20,
22,24,27,30,32,34,36,39)は
内圧が上昇して結果として充放電サイクル寿命が短くな
る。
【0060】したがって、希土類−ニッケル系水素吸蔵
合金において希土類(Lm)中のLa量とMnの組成
比、および電解液の液量比の両者を所定の値に特定する
ことによって初めて310Wh/l以上の高容量で、ば
らつきのない長い充放電サイクル寿命を有するニッケル
水素二次電池を得ることができる。
【0061】なお、前述した実施例では正極と負極の間
にセパレータを介在して渦巻状に捲回し、有底円筒状の
容器1内に収納したが、本発明のニッケル水素二次電池
はこのような構造に限定されない。例えば、正極と負極
との間にセパレータを介在し、これを複数枚積層した積
層物を有底矩形筒状の容器内に収納して角形ニッケル水
素二次電池にも同様に適用できる。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、充
放電サイクル寿命が長く、かつ高容量の密閉型ニッケル
水素二次電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるニッケル水素二次電池を示す斜
視図。
【符号の説明】
1…容器、 2…正極、 3…セパレータ、 4…負極、 5…電極群、 7…封口板、 8…絶縁ガスケット。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容量が310Wh/l以上であり、 一般式LmNix Mny Mez (ただし、LmはLa7
    0重量%以上からなる希土類元素、MeはCo、Al、
    Fe、Zrから選ばれる少なくとも1種、原子比x,
    y,zはそれぞれ3.30≦x≦4.50、0.01≦
    y≦0.20、0.20≦z≦1.70で、かつその合
    計値が4.90≦w+x+y+z≦5.50を示す)で
    表される希土類−ニッケル系水素吸蔵合金を含有する負
    極と、 25℃における電解液量と電池の理論容量の比(電解液
    量/理論容量)が0.7〜1.3mL/Ahになるよう
    に容器内に収容されたアルカリ電解液とを具備したこと
    を特徴とする密閉型ニッケル水素二次電池。
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