JP2001006721A - アルカリ二次電池 - Google Patents

アルカリ二次電池

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JP2001006721A
JP2001006721A JP11169666A JP16966699A JP2001006721A JP 2001006721 A JP2001006721 A JP 2001006721A JP 11169666 A JP11169666 A JP 11169666A JP 16966699 A JP16966699 A JP 16966699A JP 2001006721 A JP2001006721 A JP 2001006721A
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storage alloy
secondary battery
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Koichi Mukai
宏一 向井
Koji Taguchi
幸治 田口
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Toshiba Battery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高容量、長寿命で、かつ大電流放電時におけ
る作動電圧の低下を抑制することが可能なアルカリ二次
電池を提供する。 【解決手段】 水素吸蔵合金粉末を含む負極と、負極に
セパレータを挟んで配置され、活物質を含む正極層を集
電体に担持させた正極と、アルカリ電解液とを具備し、
前記集電体を除く正極の面積は電池の理論容量(Ah)
当たり30cm2以上であり、負極中の水素吸蔵合金は
一般式LmNixMnyMz(ただし、式中のLmは70
〜100重量%のLaを含む希土類元素、MはCo,A
l,FeおよびZrから選ばれる少なくとも1つの元素
を示し、原子比x,y,zは3.30≦x≦4.50、
0.01≦y≦0.30、0.20≦z≦1.70、
4.90≦x+y+z≦5.50を示す)にて表され、
かつ所定の条件の下での表面の強磁性成分による飽和磁
化が3.4〜9.0emu/m2 である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素吸蔵合金を含
む負極およびその接続構造を改良したアルカリ二次電池
に関する。
【0002】
【従来の技術】各種の電動工具や電動補助付き自転車、
さらに最近開発された電気自動車などの駆動電源として
は、充放電が可能で携帯に便利な点から各種の二次電池
が使用されている。
【0003】前記用途に適した二次電池としては、大電
流放電が可能であるという特徴を有するニッケル・カド
ミウム二次電池が多く採用されている。これは、前記ニ
ッケル・カドミウム二次電池はその内部抵抗が低く、か
つ時間率当たりの放電電流(放電率)が大きく、さらに
過充電・過放電を行なった場合でも電池特性の劣化を起
こし難いという特性を有することに起因する。
【0004】一方、ノート型パソコンや携帯電話などの
小形電子機器の駆動電源としては、ニッケル・水素二次
電池が広く用いられている。これは、ニッケル・水素二
次電池は同一サイズのニッケル・カドミウム二次電池に
比べてその内部抵抗が高く、かつ放電率も小さいもの
の、放電容量がその二次電池に比べて1.5〜2倍と大
きく、さらに形状が小型であっても、微小電流で駆動可
能な電子機器を長期間にわたって駆動することが可能で
あるためである。
【0005】また、水素吸蔵合金を含む負極は従来の代
表的なアルカリ二次電池用負極の材料であるカドミニウ
ムに比較して単位重量または単位容積当たりのエネルギ
ー密度を大きくすることができ、電池の高容量化を可能
にする他、環境汚染の恐れが少ないばかりか、電池特性
も優れているという特徴を有する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来よ
り市販されているニッケル・水素二次電池は、1時間率
の1〜3倍程度の放電時(満充電量を20分から1時間
で放電する時)に始めて公称容量を得ることができるた
め、微小電流で駆動可能な前記小型電子機器の電源とし
ては有効であるものの、大電流を必要とする電動工具や
電気自動車などの電源としては事実上、使用できないと
いう問題があった。例えば、従来のニッケル・水素二次
電池において1時間率の5倍を超えるような大電流で放
電させる、つまり満充電量を12分未満で放電させると
作動電圧が大幅に低下する。特に、高容量化された電池
では、前記作動電圧の低下が顕著に現れ、作動電圧の低
下のみならず、サイクル寿命においても、実用に耐え得
ないという問題があった。
【0007】本発明は、高容量、長寿命で、かつ大電流
放電時における作動電圧の低下を抑制することが可能な
アルカリ二次電池を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係わるアルカリ
二次電池は、水素吸蔵合金粉末を含む負極と、この負極
にセパレータを挟んで配置され、活物質を含む正極層を
集電体に担持させた正極と、アルカリ電解液とを具備
し、前記集電体を除く前記正極の面積は、電池の理論容
量(Ah)当たり30cm 2以上であり、前記負極中の
水素吸蔵合金は、一般式LmNixMnyMz(ただし、
式中のLmは70〜100重量%のLaを含む希土類元
素、MはCo,Al,FeおよびZrから選ばれる少な
くとも1つの元素を示し、原子比x,y,zは3.30
≦x≦4.50、0.01≦y≦0.30、0.20≦
z≦1.70、4.90≦x+y+z≦5.50を示
す)にて表され、かつ8Nの水酸化カリウム水溶液に6
0℃で48時間浸漬した後の表面の強磁性成分による飽
和磁化が3.4〜9.0emu/m2 であることを特徴
とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わるアルカリ二
次電池(円筒形ニッケル水素二次電池)を図1を参照し
て説明する。
【0010】有底円筒状の容器1内には、正極2とセパ
レータ3と負極4とを積層してスパイラル状に捲回する
ことにより作製された電極群5が収納されている。前記
負極4は、前記電極群5の最外周に配置されて前記容器
1と電気的に接触している。アルカリ電解液は、前記容
器1内に収容されている。中央に孔6を有する円形の封
口板7は、前記容器1の上部開口部に配置されている。
リング状の絶縁性ガスケット8は、前記封口板7の周縁
と前記容器1の上部開口部内面の間に配置され、前記上
部開口部を内側に縮径するカシメ加工により前記容器1
に前記封口板7を前記ガスケット8を介して気密に固定
している。正極リード9は、一端が前記正極2に接続、
他端が前記封口板7の下面に接続されている。帽子形状
をなす正極端子10は、前記封口板7上に前記孔6を覆
うように取り付けられている。ゴム製の安全弁11は、
前記封口板7と前記正極端子10で囲まれた空間内に前
記孔6を塞ぐように配置されている。中央に穴を有する
絶縁材料からなる円形の押え板12は、前記正極端子1
0上に前記正極端子10の突起部がその押え板12の前
記穴から突出されるように配置されている。外装チュー
ブ13は、前記押え板12の周縁、前記容器1の側面及
び前記容器1の底部周縁を被覆している。
【0011】次に、前記負極4、正極2、セパレータ3
および電解液について説明する。
【0012】1)負極4 この負極は、一般式LmNixMnyMz(ただし、式中
のLmは70〜100重量%のLaを含む希土類元素、
MはCo,Al,FeおよびZrから選ばれる少なくと
も1つの元素を示し、原子比x,y,zは3.30≦x
≦4.50、0.01≦y≦0.30、0.20≦z≦
1.70、4.90≦x+y+z≦5.50を示す)に
て表される水素吸蔵合金を含有する。前記水素吸蔵合金
は、8Nの水酸化カリウム水溶液に60℃で48時間浸
漬した後の表面の強磁性成分による飽和磁化が3.0〜
9.0emu/m2 である特性を有する。
【0013】前記水素吸蔵合金は、高い水素吸蔵量を有
するため、これを負極材料として備えた二次電池は高率
放電、大電流放電が可能で、かつ高容量化を実現でき
る。
【0014】前記一般式のLm中に占めるLa量を70
重量%未満にすると、高い水素吸蔵量を有する水素吸蔵
合金を得ることが困難になる。なお、La以外の希土類
元素としてはCe,Nd,Pr,Smが好ましい。より
好ましいLm中に占めるLa量は、75〜95重量%で
ある。
【0015】前記一般式中のMnは、高温下での容量低
下を抑え、かつ耐食性を改善する作用をなす。このMn
量(y)を0.01未満にすると、Mnによる前記作用
を十分に発揮することが困難になる。一方、Mn量
(y)が0.30を超えると、アルカリ電解液が被毒さ
れる恐れがある。
【0016】前記一般式中のMは、特にCo,Alが好
ましい。
【0017】前記特定の条件下での飽和磁化を規定した
水素吸蔵合金は、前記Lm中のLa量を増加させたこと
に伴う腐食を抑制することが可能になる。前記飽和磁化
を3.4emu/m2未満にすると、水素吸蔵合金自体
の反応性が低下し、電池内圧の上昇等を招く恐れがあ
る。一方、前記飽和磁化が9.0emu/m2を超える
と高温下での使用に際しての水素吸蔵合金の腐食を抑制
することが困難になる。
【0018】前記負極は、例えば前記水素吸蔵合金粉末
に導電材を添加し、高分子結着剤および水と共に混練し
てペーストを調製し、このペーストを集電体に充填し、
乾燥した後、成形することにより製造される。
【0019】前記高分子結着剤としては、例えばカルボ
キシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリアクリ
ル酸ナトリウム、ポリテトラフルオロエチレン等を挙げ
ることができる。
【0020】前記導電材としては、例えばカーボンブラ
ック等を用いることができる。
【0021】前記導電性基板としては、パンチドメタ
ル、エキスパンデッドメタル、穿孔剛板、ニッケルネッ
トなどの二次元基板や、フェルト状金属多孔体や、スポ
ンジ状金属基板などの三次元基板を挙げることができ
る。
【0022】2)正極2 この正極は、活物質である水酸化ニッケル粒子を含有す
る。
【0023】前記水酸化ニッケル粒子としては、例えば
単一の水酸化ニッケル粒子、または亜鉛、コバルト、ビ
スマス、銅のような金属を金属ニッケルと共に共沈され
た水酸化ニッケル粒子を用いることができる。特に、後
者の水酸化ニッケル粒子を含む正極は、高温状態におけ
る充電効率をより一層向上することが可能になる。
【0024】前記水酸化ニッケル粒子は、X線粉末回折
法による(101)面のピーク半価幅が0.8゜/2θ
(Cu−Kα)以上であることが好ましい。より好まし
い水酸化ニッケル粒子のピーク半価幅は0.9〜1.0
゜/2θ(Cu−Kα)である。
【0025】前記正極は、例えば活物質である水酸化ニ
ッケル粒子に導電材料を添加し、高分子結着剤および水
と共に混練してペーストを調製し、このペーストを集電
体に充填し、乾燥した後、成形することにより作製され
る。
【0026】前記導電材料としては、例えば金属コバル
ト、コバルト酸化物、コバルト水酸化物等を挙げること
ができる。
【0027】前記高分子結着剤としては、例えばカルボ
キシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリアクリ
ル酸ナトリウム、ポリテトラフルオロエチレン等を挙げ
ることができる。
【0028】前記集電体としては、例えばニッケル、ス
テンレスまたはニッケルメッキが施された金属から形成
された網状、スポンジ状、繊維状、もしくはフェルト状
の金属多孔体等を挙げることができる。
【0029】前記正極は、その集電体を除く面積が電池
の理論容量(Ah)当たり30cm 2以上である。この
正極面積を電池の理論容量(Ah)当たり30cm2
満にすると、大電流放電が困難になる。
【0030】3)セパレータ3 このセパレータとしては、例えばポリアミド繊維製不織
布、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィ
ン繊維製不織布、またはこれらの不織布に親水性官能基
を付与したものを挙げることができる。
【0031】4)アルカリ電解液 このアルカリ電解液としては、例えば水酸化ナトリウム
(NaOH)と水酸化リチウム(LiOH)の混合液、
水酸化カリウム(KOH)とLiOHの混合液、KOH
とLiOHとNaOHの混合液等を用いることができ
る。
【0032】以上説明した本発明に係るアルカリ二次電
池は、水素吸蔵合金粉末を含む負極と、この負極にセパ
レータを挟んで配置され、活物質を含む正極層を集電体
に担持させた正極と、アルカリ電解液とを具備し、前記
集電体を除く前記正極の面積は、電池の理論容量(A
h)当たり30cm 2以上であり、前記負極中の水素吸
蔵合金は、一般式LmNixMnyMz(ただし、式中の
Lmは70〜100重量%のLaを含む希土類元素、M
はCo,Al,FeおよびZrから選ばれる少なくとも
1つの元素を示し、原子比x,y,zは3.30≦x≦
4.50、0.01≦y≦0.30、0.20≦z≦
1.70、4.90≦x+y+z≦5.50を示す)に
て表され、かつ8Nの水酸化カリウム水溶液に60℃で
48時間浸漬した後の表面の強磁性成分による飽和磁化
が3.4〜9.0emu/m2 である構成を有する。
【0033】このような構成の二次電池は、高容量、長
寿命で、かつ大電流放電時における作動電圧の低下を抑
制することができる。
【0034】すなわち、ニッケル・水素二次電池は一般
的にニッケル・カドミウム二次電池に比べてその容積エ
ネルギー密度が大きいため、同一サイズの電池を同じ時
間率で放電させた場合、放電電流が大きくなり、作動電
圧の低下が生じる。特に、高容量化されたニッケル・水
素二次電池ではその傾向が顕著になる。
【0035】このようなことから、本発明は正極と負極
の対向面積、基本的には集電体を除く正極面積を電池の
理論容量(Ah)当たり30cm2以上にすることによ
って、正負極間を流れる電流の密度を小さくすることが
できる。その結果、作動電圧の低下を抑制して大電流放
電を実現できる。
【0036】ただし、正極面積の単純な増大は電池内に
おいて一定体積中に正負極およびセパレータを保持しな
ければならないという電池の基本的な制約から、必然的
に正極の薄肉化に繋がる。一般的に非焼結式の正極の場
合、活物質含有物は集電体に嘆じされ、その集電体に占
める体積はその製造条件によってそれ程変化しない。し
たがって、正極の薄肉化に伴なって活物質量は減少する
傾向になり、結果として電池の高容量化を妨げたり、サ
イクル寿命の低下を引き起こす。
【0037】そこで、本発明は、負極材料である前記一
般式(特にLm中のLaが70〜100%占める)にて
表される水素吸蔵合金を用いることによって、水素吸蔵
量を増大でき、負極の単位面積当たりの容量を増加させ
ることができ、結果として電池そのものの高容量化が可
能になる。
【0038】ところで、負極に含有される水素吸蔵合金
の耐食性が低下すると、電池寿命も低下する。本発明で
用いられる一般式にて表される水素吸蔵合金は、その成
分元素であるLm中に占めるLa量が70〜100重量
%と極めて多いために、それ自体の耐食性が低下し、サ
イクルの進行に伴って水素吸蔵合金の水素吸蔵放出能が
低下する。その結果、負極の放電容量が低下し、正負極
の容量バランスが早い時期に崩れ、電池寿命の短縮化を
招く。
【0039】通常、水素吸蔵合金の劣化の原因としては
水素吸蔵合金自体の腐食による成分元素のアルカリ電解
液中への溶出が挙げられる。この腐食による溶出は、特
に濃度むらの箇所で起こり易い。この成分溶出により水
素吸蔵合金表面にニッケル層が形成され、強磁性を示
す。つまり、水素吸蔵合金の強磁性(飽和磁化)を腐食
の発生指標として利用できる。例えば、飽和磁化が小さ
い水素吸蔵合金は濃度むらも少なく、均質性が優れてい
るため、腐食等によるサイクル寿命の劣化を抑えること
が可能になる。ただし、飽和磁化が小さくなりすぎる
と、逆に反応性が低下して高率放電時にその影響が多大
になる。
【0040】このようなことから、本発明は一般式で表
される水素吸蔵合金において、所定の条件下での表面の
強磁性成分による飽和磁化が3.4〜9.0emu/m
2であるものを用いることによって、前記水素吸蔵合金
自体の腐食によるサイクル寿命の低下を抑制することが
できる。
【0041】したがって、集電体を除く正極面積を電池
の理論容量(Ah)当たり30cm 2以上にすると共
に、前記一般式LmNixMnyMz(特にLmが70〜
100重量%のLa)で表され、所定の条件下での表面
の強磁性成分による飽和磁化を有する水素吸蔵合金の使
用することによって、高容量、長寿命で、かつ大電流放
電時における作動電圧の低下を抑制することが可能なア
ルカリ二次電池を得ることができる。
【0042】
【実施例】以下、本発明の好ましい実施例を図面を参照
して詳細に説明する。
【0043】(実施例1〜4および比較例1〜4) <負極の作製>Laが65重量%,75重量%,80重
量%,95重量%,100重量%のLmと、Ni、C
o、Mo、Alの各元素とからなるLmNi3.6 Co
0.8 Mn0. 3 Al0.3の5種の水素吸蔵合金を作製し
た。これら合金を1000℃のアルゴン雰囲気中で10
時間熱処理して合金組成を均質化した。これら合金につ
いて、8Nの水酸化カリウム水溶液に60℃で48時間
浸漬した後の表面の強磁性成分による飽和磁化を測定
し、下記表1に示す8つの水素吸蔵合金を得た。
【0044】次いで、前記各水素吸蔵合金を機械的に粉
砕し、篩い分けを行なって25〜75μmの粉末を取出
した。得られた各水素吸蔵合金粉末100重量部にポリ
アクリル酸ナトリウム0.5重量部、カルボキシメチル
セルロース(CMC)0.12重量部、ポリテトラフル
オロエチレンのディスパージョン(比重1.5、固形分
60重量%)を固形分換算で1.0重量部、および導電
性材料としてのカーボンブラック1.0重量部を添加
し、水30重量部と共に混合することによりペーストを
調製した。これらのペーストを集電体としてのパンチド
メタルシートに塗布、乾燥、プレス、さらに裁断して8
種の負極を作製した。
【0045】<正極の作製>水酸化ニッケル粉末90重
量部および一酸化コバルト粉末10重量部からなる混合
粉体に、カルボキシメチルセルロース(CMC)0.3
重量部、ポリテトラフルオロエチレンのディスパージョ
ン(比重1.5、固形分60重量%)を固形分換算で
0.5重量部を添加し、純水45重量部と共に混合する
ことによりペーストを調製した。つづいて、このペース
トを集電体であるニッケル発泡基板内に充填し、乾燥し
た後、ローラプレスを行って圧延した。この時、活物質
含有物の前記集電体への充填量および厚さを変化させる
ことにより、電極群を組立てた時の電池容量当たりの面
積が40cm2/Ahになるように正極を作製した。
【0046】次いで、前記各負極、ポリプロピレン繊維
製不織布からなるセパレータおよび前記正極を積層し、
この積層物を渦巻状に巻回することにより電極群を作製
した。つづい、これら電極群を有底円筒状容器に収納し
た後、7Nの水酸化カリウムおよび1Nの水酸化リチウ
ムからなる電解液を収容し、封口等を行うことにより前
述した図1に示す構造を有する4/3Aサイズの8種の
円筒状ニッケル水素二次電池を組み立てた。
【0047】(実施例5〜8および比較例5〜8)活物
質含有物の量を実施例1と同様とし、活物質含有物の集
電体への充填量および厚さを変化させることにより電極
群を組立てた時の電池容量当たりの面積が30cm2
Ahになるように正極を作製した。この正極を用いた以
外、実施例1〜4および比較例1〜4と同様、前述した
図1に示す構造を有する4/3Aサイズの8種の円筒状
ニッケル水素二次電池を組み立てた。
【0048】(比較例9〜16)活物質含有物の量を実
施例1と同様とし、活物質含有物の集電体への充填量お
よび厚さを変化させることにより電極群を組立てた時の
電池容量当たりの面積が20cm2/Ahになるように
正極を作製した。この正極を用いた以外、実施例1〜4
および比較例1〜4と同様、前述した図1に示す構造を
有する4/3Aサイズの8種の円筒状ニッケル水素二次
電池を組み立てた。
【0049】得られた実施例1〜8および比較例1〜1
6の二次電池について、1時間率で1.2時間の放電を
行ない、30分間休止した後、1時間率の10倍の電流
で放電し、その時の各電池の作動電圧を測定した。その
結果を図2に示す。
【0050】また、得られた実施例1〜8および比較例
1〜16の二次電池について、45℃の高温下で1時間
率の2倍の電流で45分間充電し、1時間率の2倍の電
流でカットオフ電圧1.0Vまで放電する加速条件下で
充放電を繰り返した。このような充放電において、放電
容量が初期値の80%以下になった時の充放電サイクル
数を求めた。その結果を下記表1〜3に示す。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】
【0054】前記表1〜表3から明らかなように一般式
LmNixMnyMz(特にLmが70〜100重量%の
La)で表され、所定の条件の下での表面の強磁性成分
による飽和磁化が3.4〜9.0emu/m2である水
素吸蔵合金粉末を含む負極を備えた実施例1〜8および
比較例12,14〜16の二次電池は、Lm中のLa量
が70重量%未満か、所定の条件の下での表面の強磁性
成分による飽和磁化が3.4〜9.0emu/m2の範
囲を外れるか、いずれかである水素吸蔵合金粉末を含む
負極を備えた比較例1〜11,13に比べて優れた充放
電サイクル寿命を有することがわかる。
【0055】一方、図2から明らかなように集電体を除
く正極面積が電池の理論容量(Ah)当たり30cm2
以上にすると共に、一般式LmNixMnyMz(特にL
mが70〜100重量%のLa)で表され、所定の条件
の下での表面の強磁性成分による飽和磁化が3.4〜
9.0emu/m2である水素吸蔵合金粉末を含む負極
を備えた実施例1〜8の二次電池は、高い作動電圧を維
持できることがわかる。これに対し、同様な水素吸蔵合
金粉末を含む負極を備えるものの、集電体を除く正極面
積が電池の理論容量(Ah)当たり30cm2未満であ
る比較例12,14〜16の二次電池は大電流放電時に
おいて作動電圧の低下が顕著に現れる。
【0056】なお、前述した実施例では正極と負極の間
にセパレータを介在して渦巻状に捲回し、有底円筒状の
容器1内に収納したが、本発明のニッケル水素二次電池
はこのような構造に限定されない。例えば、正極と負極
との間にセパレータを介在し、これを複数枚積層した積
層物を有底矩形筒状の容器内に収納して角形ニッケル水
素二次電池にも同様に適用できる。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、高
容量、長寿命で、かつ大電流放電時における作動電圧の
低下を抑制することが可能で、各種の電動工具や電動補
助付き自転車、電気自動車などの駆動電源として有用な
アルカリ二次電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるニッケル水素二次電池を示す断
面図。
【図2】実施例1〜8および比較例1〜16の二次電池
における放電容量と作動電圧との関係を示す特性図
【符号の説明】
1…容器、 2…正極、 3…セパレータ、 4…負極、 5…電極群、 7…封口板、 8…絶縁ガスケット。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素吸蔵合金粉末を含む負極と、この負
    極にセパレータを挟んで配置され、活物質を含む正極層
    を集電体に担持させた正極と、アルカリ電解液とを具備
    し、 前記集電体を除く前記正極の面積は、電池の理論容量
    (Ah)当たり30cm 2以上であり、 前記負極中の水素吸蔵合金は、一般式LmNixMnyM
    z(ただし、式中のLmは70〜100重量%のLaを
    含む希土類元素、MはCo,Al,FeおよびZrから
    選ばれる少なくとも1つの元素を示し、原子比x,y,
    zは3.30≦x≦4.50、0.01≦y≦0.3
    0、0.20≦z≦1.70、4.90≦x+y+z≦
    5.50を示す)にて表され、かつ8Nの水酸化カリウ
    ム水溶液に60℃で48時間浸漬した後の表面の強磁性
    成分による飽和磁化が3.4〜9.0emu/m2 であ
    ることを特徴とするアルカリ二次電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002279993A (ja) * 2001-03-22 2002-09-27 Hitachi Maxell Ltd アルカリ蓄電池

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JP2002279993A (ja) * 2001-03-22 2002-09-27 Hitachi Maxell Ltd アルカリ蓄電池

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