JP3742149B2 - アルカリ二次電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルカリ二次電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アルカリ二次電池、例えばニッケル水素二次電池は、水酸化ニッケルを活物質として含むペースト式正極と水素吸蔵合金を含むペースト式負極との間にセパレータを介装して作製した電極群をアルカリ電解液と共に容器内に収納した構造を有する。このようなニッケル水素二次電池は、前記水素吸蔵合金を含む負極の代りにカドミウムを含む負極を用いたニッケルカドミウム二次電池に比べて高容量化、高エネルギー密度化が可能であるため、有用である。
【0003】
前記アルカリ二次電池に用いられる負極としては、水素吸蔵合金、導電材および高分子結着剤を水の存在下で混練してペーストを調製し、このペーストをパンチドメタル、フェルト状金属多孔体などの導電性基板に充填したペースト式のものが用いられている。なお、前記水素吸蔵合金としてはLaNi5 、La,Ce,Pr,Nd,Smなどのランタン系元素の混合物であるミッシュメタル(以下、Mmという)とNiとの合金、すなわちMmNi5 、50〜80重量%のLaを含む希土類元素の混合物とNiとの合金、すなわちLmNi5 またはNiの一部をAl,Mn,Coのような元素で置換した多元素系などの希土類−ニッケル系水素吸蔵合金が使用されている。
【0004】
ところで、前述したペースト負極を備えたアルカリ二次電池において、より一層の高容量化を図るために容器内に収納される正極及び負極の容量を可能な限り多くすることが試みられている。しかしながら、正極及び負極の容量増大は容器内に収容されるアルカリ電解液の液比を必然的に減少させるため、前述した希土類−ニッケル系水素吸蔵合金を含む負極を用いると次のようなアルカリ電解液の消費によりサイクル特性が低下するという問題があった。
【0005】
すなわち、前述した希土類−ニッケル系水素吸蔵合金を含む負極を備えたアルカリ二次電池を充放電させ、これを繰り返すと、前記負極中の水素吸蔵合金粒子の割れが発生する。水素吸蔵合金粒子に割れが生じると、その割れた間隙にアルカリ電解液が滲み込んだり、水素吸蔵合金の活性の高い割れ面で腐食が進行したりするために電解液が消費される。このように電解液が消費されると、もともと容器内に収容される電解液量が少ないために、電解液の枯渇等に起因して充放電サイクル特性が著しく低下する。
【0006】
なお、液比を所定の範囲内で低くする、つまり負極表面を覆う電解液量を低くすることによって、比較的短時間での充電操作において、発生する酸素と負極中の水素との反応場を増加させて電池内圧を抑制できるため、サイクル寿命の向上の点で有益である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、充放電サイクル時のアルカリ電解液の消費を抑制し、より一層の高容量化を図るためにアルカリ電解液量を少なくしても長い充放電サイクル寿命を維持し得るアルカリ二次電池を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係わるアルカリ二次電池は、
容器と、
前記容器内に収納され、ジルコニウムが原子比で0.001以上、0.01未満の範囲で含む希土類−ニッケル系からなり、BET法による比表面積が0.05〜0.2m2 /gの水素吸蔵合金を含有するペースト式負極と、
前記容器内に前記負極に対してセパレータを挟んで配置するように収納されたペースト式正極と、
前記容器内に液比が0.8〜1.5ml/Ahになるように収容されたアルカリ電解液と
を具備したことを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施例の形態】
以下、本発明のアルカリ二次電池の一例である円筒形ニッケル水素二次電池を図1を参照して詳細に説明する。
有底円筒状の容器1内には、ペースト式正極2とセパレータ3とペースト式負極4とを積層してスパイラル状に捲回することにより作製された電極群5が収納されている。前記負極4は、前記電極群5の最外周に配置されて前記容器1と電気的に接触している。アルカリ電解液は、前記容器1内に収容されている。中央に孔6を有する円形の第1の封口板7は、前記容器1の上部開口部に配置されている。リング状の絶縁性ガスケット8は、前記封口板7の周縁と前記容器1の上部開口部内面の間に配置され、前記上部開口部を内側に縮径するカシメ加工により前記容器1に前記封口板7を前記ガスケット8を介して気密に固定している。正極リード9は、一端が前記正極2に接続、他端が前記封口板7の下面に接続されている。帽子形状をなす正極端子10は、前記封口板7上に前記孔6を覆うように取り付けられている。ゴム製の安全弁11は、前記封口板7と前記正極端子10で囲まれた空間内に前記孔6を塞ぐように配置されている。中央に穴を有する絶縁材料からなる円形の押え板12は、前記正極端子10上に前記正極端子10の突起部がその押え板12の前記穴から突出されるように配置されている。外装チューブ13は、前記押え板12の周縁、前記容器1の側面及び前記容器1の底部周縁を被覆している。
【0010】
次に、前記ペースト式正極2、ペースト式負極4、セパレータ3および電解液について説明する。
1)ペースト式正極2
このペースト式正極2は、水酸化ニッケル粉末、導電材、結着剤および水を含むペーストを調製し、前記ペーストを導電性基板に充填し、これを乾燥した後、加圧成形することにより作製される。
【0011】
前記水酸化ニッケル粉末としては、例えば単一の水酸化ニッケル粉末、または亜鉛および/またはコバルトが金属ニッケルと共沈された水酸化ニッケル粉末を用いることができる。後者の水酸化ニッケル粉末を含む正極は、高温状態における充電効率を更に向上することが可能になる。
【0012】
前記導電材としては、例えば一酸化コバルト、三酸化二コバルト、水酸化コバルト等のコバルト化合物を挙げることができる。
前記結着剤としては、例えばポリテトラフルオロエチレン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアルコール等を挙げることができる。
【0013】
前記導電性基板としては、パンチドメタル、エキスパンデッドメタル、穿孔剛板、ニッケルネットなどの二次元基板や、フェルト状金属多孔体や、スポンジ状金属基板などの三次元基板を挙げることができる。
【0014】
2)ペースト式負極4
このペースト式負極4は、水素吸蔵合金、導電材および結着剤を水と共に混練してペーストを調製し、このペーストを導電性基板に充填し、乾燥した後、成形することにより作製される。
【0015】
前記水素吸蔵合金は、ジルコニウムが原子比で0.001以上、0.01未満の範囲で含む希土類−ニッケル系からなる。具体的には、ジルコニウムが原子比で0.001以上、0.01未満含むLaNix 、MmNix (Mm;ミッシュメタル)、LmNix (Lm;50〜80重量%のLaで富化されたミッシュメタル)等を挙げることができる。水素吸蔵合金中のジルコニウムの含有量を原子比で0.001未満にすると、ジルコニウムの添加効果である充放電サイクル時の割れ抑制効果を発揮することが困難になる。一方、水素吸蔵合金中のジルコニウムの含有量が原子比で0.01以上にすると、偏析層が生じやすくなって充放電サイクル時に割れ易くなる恐れがある。より好ましい水素吸蔵合金中のジルコニウムの含有量は、原子比で0.003〜0.009である。
【0016】
特に、LmNia Cob Mnc Ald Zre (ただし、Lm;50〜80重量%のLaで富化されたミッシュメタル、a、b、c、d、eは原子比でそれぞれ3.20≦a≦4.50、0.20≦b≦1.20、0≦c≦0.50、0≦d≦0.50、0.001≦e<0.01、かつa、b、cおよびdの合計量が原子比で4.90≦a+b+c+d≦5.50である。)にて表される水素吸蔵合金が好ましい。
【0017】
前記水素吸蔵合金は、BET法による比表面積が0.05〜0.2m2 /gである。ここで、BET法による比表面積とは水素吸蔵合金を2〜30℃、5〜10気圧(ゲージ圧)の圧力下で1回の水素化粉砕を行った時の値である。前記比表面積を0.08m2 /g未満にすると大電流放電特性が低下する恐れがある。一方、前記比表面積が0.2m2 /gを越えると二次電池の充放電サイクル時に負極中に含有させた前記水素吸蔵合金粉末の割れが発生し易くなる。前記水素吸蔵合金は、BET法による比表面積が0.06〜0.15m2 /gであることがより好ましい。
【0018】
前記導電材としては、例えばカーボンブラック、黒鉛等を用いることができる。
前記結着剤としては、例えばポリテトラフルオロエチレン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアルコール等を挙げることができる。
【0019】
前記導電性基板としては、パンチドメタル、エキスパンデッドメタル、穿孔剛板、ニッケルネットなどの二次元基板や、フェルト状金属多孔体や、スポンジ状金属基板などの三次元基板を挙げることができる。
【0020】
前記ペースト式負極は、前記ペースト式正極に対して容量比率で1.0〜1.5倍にして正極規制の二次電池にすることが好ましい。
3)セパレータ3
このセパレータ3としては、例えばポリプロピレン不織布、ナイロン不織布、ポリプロピレン繊維とナイロン繊維を混繊した不織布等からなるものを挙げることができる。特に、表面が親水化処理されたポリプロピレン不織布はセパレータ3として好適である。前記セパレータ3は、厚さが100〜200μmのものを用いることが好ましい。
【0021】
4)アルカリ電解液
このアルカリ電解液としては、例えば水酸化ナトリウム(NaOH)と水酸化リチウム(LiOH)の混合液、水酸化カリウム(KOH)とLiOHの混合液、又はNaOH、KOH及びLiOHの混合液等を用いることができる。特に、KOHとLiOHの混合液をアルカリ電解液として用いることが好ましい。
【0022】
前記アルカリ電解液は、前記容器内に液比が0.8〜1.5ml/Ahになるように収容される。前記アルカリ電解液の液比を0.8ml/Ah未満にすると、所望の容量を有するアルカリ二次電池を得ることが困難になる。一方、前記アルカリ電解液の液比が1.5ml/Ahを越えると正負極の容量が相対的に低下してより一層高容量のアルカリ二次電池を得ることが困難になる。また、前記アルカリ電解液の液比が1.5ml/Ahを越えると、負極表面を覆う電解液量が増大して比較的短時間での充電操作において、発生する酸素と負極中の水素との反応場が減少して電池内圧が高くなり、サイクル寿命が短くなる恐れがある。より好ましいアルカリ電解液の液比は、0.9〜1.4ml/Ahである。
【0023】
以上説明した本発明に係わるアルカリ二次電池は、容器と、この容器内に収納され、ジルコニウムが原子比で0.001以上、0.01未満の範囲で含む希土類−ニッケル系からなり、BET法による比表面積が0.05〜0.2m2 /gの水素吸蔵合金を含有するペースト式負極と、前記容器内に前記負極に対してセパレータを挟んで配置するように収納されたペースト式正極と、前記容器内に液比が0.8〜1.5ml/Ahになるように収容されたアルカリ電解液とを具備した構成を有する。
【0024】
このようにアルカリ電解液の液比を0.8〜1.5ml/Ahにすることによって、容器内に収納されるペースト式の正負極の容量を増大できるため、より一層の高容量化を図ることができる。
【0025】
また、アルカリ電解液の液比を0.8〜1.5ml/Ahにすることによって負極表面を覆う電解液量を減少させることができるため、比較的短時間での充電操作において、発生する酸素と負極中の水素との反応場を増加させて電池内圧を抑制できる。その結果、電池内圧の抑制によるサイクル寿命の向上を図ることが可能になる。
【0026】
さらに、ペースト式負極に含有される水素吸蔵合金としてジルコニウムが原子比で0.001以上、0.01未満の範囲で含む希土類−ニッケル系からなり、かつBET法による比表面積が0.05〜0.2m2 /gのものを用いることによって、充放電サイクル時において、前記水素吸蔵合金の割れ発生を抑制できる。その結果、水素吸蔵合金の割れに起因して水素吸蔵合金の割れた間隙へのアルカリ電解液の滲み込みや水素吸蔵合金の活性の高い割れ面での腐食の進行によるアルカリ電解液の消費を抑制して前記容器内のアルカリ電解液を充放電の初期時に近似した量に維持することができる。
【0027】
したがって、より一層高容量で、かつ充放電の繰り返しによる内圧上昇を抑制すると共に電解液の消費、枯渇を抑制して長期間に亘って高い放電容量を維持し得る充放電サイクル寿命の長いアルカリ二次電池を提供できる。
【0028】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。
(例1)
<ペースト式負極の作製>
市販のランタン富化したミッシュメタル(Lm)、Ni、Co、Mn、AlおよびZrを用いて高周波炉によって、LmNi3.6 Co0.8 Mn0.3 Al0.3 Zr0.005 の組成からなる水素吸蔵合金を作製した。前記水素吸蔵合金を機械粉砕し、これを200メッシュのふるいを通過させた後、室温、10気圧(ゲージ圧)の圧力下で1回の水素化粉砕を行った。得られた水素吸蔵合金粉末は、BET法による比表面積が0.02m2 /gであった。
【0029】
前記水素吸蔵合金粉末100重量部にポリアクリル酸ナトリウム0.5重量部、カルボキシメチルセルロース(CMC)0.12重量部、ポリテトラフルオロエチレンのディスパージョン(比重1.5,固形分60重量%)を固形分換算で1.5重量部および導電材としてカーボン粉末1.0重量部を水30重量部と共に混合することによって、ペーストを調製した。つづいて、このペーストを導電性基板としてのパンチドメタルに塗布、乾燥した後、加圧成型することによってペースト式負極を作製した。
【0030】
<ペースト式正極の作製>
水酸化ニッケル粉末90重量部および一酸化コバルト粉末10重量部からなる混合粉体に、カルボキシメチルセルロース0.3重量部、ポリテトラフルオロエチレンのディスパージョン(比重1.5,固形分60重量%)を固形分換算で0.5重量部添加し、これらに純水を45重量部添加して混練することによりペーストを調製した。つづいて、このペーストを導電性基板としてのニッケルメッキ繊維基板内に充填した後、乾燥し、ローラプレスを行って圧延することによりペースト式正極を作製した。
【0031】
次いで、前記負極と前記正極との間にポリオレフィン系繊維製不織布からなるセパレータを介装し、これらを渦巻状に捲回して電極群を作製した。このような電極群と7NのKOHおよび1NのLiOHからなる電解液を有底円筒状容器に収納して前述した図1に示す構造を有する理論容量が2800mAhで電解液の液比が異なる8種の4/3A型の円筒形ニッケル水素二次電池を組み立てた。なお、前記電解液の液比は0.5ml/Ah、0.8ml/Ah、1ml/Ah、1.2ml/Ah、1.4ml/Ah、1.5ml/Ah、1.8ml/Ahおよび2.0ml/Ahとした。後述する例2〜8においても同様な電解液の液比とした。
【0032】
(例2〜8)
水素吸蔵合金として
LmNi3.6 Co0.8 Mn0.3 Al0.3 Zr0.005 の組成からなり、BET法による比表面積が0.06m2 /gのもの(例2)、
LmNi3.6 Co0.8 Mn0.3 Al0.3 Zr0.005 の組成からなり、BET法による比表面積が0.15m2 /gのもの(例3)、
LmNi3.6 Co0.8 Mn0.3 Al0.3 Zr0.005 の組成からなり、BET法による比表面積が0.24m2 /gのもの(例4)、
LmNi3.6 Co0.8 Mn0.3 Al0.3 の組成からなり、BET法による比表面積が0.09m2 /gのもの(例5)、
LmNi3.6 Co0.8 Mn0.3 Al0.3 Zr0.003 の組成からなり、BET法による比表面積が0.09m2 /gのもの(例6)、
LmNi3.6 Co0.8 Mn0.3 Al0.3 Zr0.009 の組成からなり、BET法による比表面積が0.09m2 /gのもの(例7)および
LmNi3.6 Co0.8 Mn0.3 Al0.3 Zr0.015 の組成からなり、BET法による比表面積が0.09m2 /gのもの(例8)、
を用いた以外、例1と同様で前述した図1に示す構造を有する理論容量が2800mAhで電解液の液比が異なる56種の4/3A型の円筒形ニッケル水素二次電池を組み立てた。
【0033】
得られた例1〜8の負極に用いられる水素吸蔵合金のZr量(原子比)およびBET法による比表面積を下記表1に示す。
また、例1〜8のニッケル水素二次電池について、2800mAの電流で90分間で充電し、2800mAの電流で終止電圧1.0Vまで放電する充放電を繰り返し行った。各二次電池におけるアルカリ電解液の液比と充放電サイクル数との関係を下記表2および図2に示す。ただし、充放電サイクル数は二次電池の放電容量が初期値の80%以下になった時点で算出した。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
前記表2および図2から明らかなように例2、3、6、7においてZrが原子比で0.001以上、0.01未満の範囲で含む希土類−ニッケル系からなり、かつBET法による比表面積が0.05〜0.20m2 /gである水素吸蔵合金を含むペースト式負極を備え、かつアルカリ電解液の液比が0.8〜1.5の範囲であるニッケル−水素二次電池は、長い充放電サイクル数を示すことがわかる。
【0037】
これに対し、BET法による比表面積が0.05〜0.20m2 /gの範囲であるが、Zrが原子比で0.001以上、0.01未満の範囲を外れる希土類−ニッケル系からなる水素吸蔵合金を含むペースト式負極を備えた例5、8のうち、アルカリ電解液の液比が0.8〜1.5の範囲内のニッケル−水素二次電池でも液比が同範囲の例2、3、6、7の電池に比べて充放電サイクル数が短くなることがわかる。
【0038】
また、Zrが原子比で0.001〜0.01含む希土類−ニッケル系からなるが、BET法による比表面積が0.05〜0.20m2 /gを外れる水素吸蔵合金を含むペースト式負極を備えた例1、4のうち、アルカリ電解液の液比が0.8〜1.5の範囲内のニッケル−水素二次電池では、アルカリ電解液の液比が0.8〜1.5の範囲内の例5、8の電池に比べてさらに充放電サイクル数が短くなることがわかる。
【0039】
したがって、希土類−ニッケル系の水素吸蔵合金においてZrの原子比とBET法による比表面積の両方が本発明の請求項1に記載された範囲を満たすことによって初めてアルカリ電解液の液比が0.8〜1.5の範囲内、つまりより一層の高容量化が図れる範囲内、で極めて長いサイクル寿命を有するニッケル水素二次電池を得ることができることがわかる。
【0040】
さらに、電解液の液比(ml/Ah)の増大は、緩慢な充電条件では一般的に充放電サイクルの長寿命に有利に働く。ただし、実施例のように電池の充電を1時間以内でその容量の100%に達するように比較的短時間で行う条件では、電池内の空間に占める電解液の量が多くなると、充電時に発生したガスを有効に消費することが困難になる。これは、電池の容器内では充電時に発生した酸素を負極中の水素と反応させて水に還元させることにより内圧上昇を抑えているが、電解液の量が多くなると、負極表面を覆う電解液の量が増加してガスの消費反応の場が減少するためである。その結果、電池内圧が上昇し、電池内からのガスの放出等が起こってサイクル寿命を低下させる。
【0041】
図2に示すように高容量化された例1〜8の二次電池において、電解液の液比が1.5ml/Ahを越えると、容器の空間に占める電解液の量が増大するため、サイクル寿命が低下する。したがって、今後の高容量化された二次電池を設計するためには電解液の液比を1.5ml/Ah以下にする必要がある。
【0042】
前記実施例では、円筒形ニッケル−水素二次電池に適用した例を説明したが、正極、セパレータおよび負極が層状に積層して有底角形容器内に収納した角形ニッケル−水素二次電池荷も同様に適用することができる。
【0043】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、より一層高容量で、かつ充放電の繰り返しによる内圧上昇を抑制すると共に電解液の消費、枯渇を抑制して長期間に亘って高い放電容量を維持し得る充放電サイクル寿命の長いアルカリ二次電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアルカリ二次電池の一例であるニッケル水素二次電池の斜視図。
【図2】本発明の実施例1〜4および比較例1〜4のニッケル水素二次電池におけるアルカリ電解液の液比と充放電サイクル数との関係を示す特性図。
【符号の説明】
1…容器、
2…ペースト式正極、
3…セパレータ、
4…ペースト式負極、
7…封口板、
8…絶縁ガスケット。
Claims (1)
- 容器と、
前記容器内に収納され、ジルコニウムが原子比で0.001以上、0.01未満の範囲で含む希土類−ニッケル系からなり、BET法による比表面積が0.05〜0.2m2 /gの水素吸蔵合金を含有するペースト式負極と、
前記容器内に前記負極に対してセパレータを挟んで配置するように収納されたペースト式正極と、
前記容器内に液比が0.8〜1.5ml/Ahになるように収容されたアルカリ電解液と
を具備したことを特徴とするアルカリ二次電池。
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