JP2000311704A - 密閉型ニッケル水素二次電池 - Google Patents

密閉型ニッケル水素二次電池

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JP2000311704A
JP2000311704A JP11119675A JP11967599A JP2000311704A JP 2000311704 A JP2000311704 A JP 2000311704A JP 11119675 A JP11119675 A JP 11119675A JP 11967599 A JP11967599 A JP 11967599A JP 2000311704 A JP2000311704 A JP 2000311704A
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negative electrode
capacity
hydrogen storage
secondary battery
storage alloy
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JP11119675A
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Masahiro Endo
賢大 遠藤
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FDK Twicell Co Ltd
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Toshiba Battery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 容積エネルギー密度が高容量で、優れた充放
電サイクル特性を有する密閉型ニッケル水素二次電池を
提供する。 【解決手段】 水素吸蔵合金粉末を含む負極と、この負
極にセパレータを挟んで配置された水酸化ニッケルを活
物質として含む正極と、アルカリ電解液と、これら部材
を収納した容器とを具備したニッケル水素二次電池であ
って、前記二次電池の容量は310Wh/L以上であ
り、前記負極中の水素吸蔵合金は、一般式Ln1-xZrx
Niyzにて表され、かつ前記アルカリ電解液は前記容
器内に(電解液量/二次電池の理論容量)の比が0.8
〜1.25mL/Ahになるように収容されることを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素吸蔵合金を含
む負極を改良した密閉型ニッケル水素二次電池に関す
る。
【0002】
【従来の技術】密閉型ニッケル水素二次電池は、例えば
水酸化ニッケルを活物質として含むペースト式正極と水
素吸蔵合金を含むペースト式負極の間にセパレータを介
在させた電極群をアルカリ電解液と共に容器内に収納
し、密閉した構造を有する。このような密閉型ニッケル
水素二次電池は、携帯用電話機や携帯型撮像機などの各
種の電子機器の作動電源として広く実用化され、近年、
さらなる高容量化と長寿命化が要望されている。
【0003】ところで、密閉型ニッケル水素二次電池は
その特性が負極、正極および電解液のバランスにより支
配されている。前記水素吸蔵合金は、水素の吸蔵・放出
時の平衡プラトー圧が高いと、電池内圧が上昇して安全
性が低下する。
【0004】このようなことから、LaNi5系合金、
MmNi5系合金(Mm;La,Ce,Pr,Nd,S
m等のランタン系元素の混合物であるミッシュメタル)
のNiの一部をMn,Al,Co等で置換し、平衡圧を
コントロールすることが一般的に行われている。これら
の置換元素の中で、Mnは少量で水素の吸蔵・放出の平
衡圧を低下させることが可能であり、水素吸蔵合金にお
いて重要な役割を担っている。しかしながら、Mnは反
面、他の金属に比べて蒸気圧が高いため、水素吸蔵合金
を作製する際の溶解工程で蒸発して表面付近に偏析す
る。このため、Mnを含む水素吸蔵合金では均一な組成
にすることが困難になる。組成が不均質な水素吸蔵合金
を含む負極は、合金化されていない金属がアルカリ電解
液中で溶出し易くなる傾向がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】密閉型ニッケル水素二
次電池を高容量化するには電流密度を増大させたり、容
量規制である正極容量に対する負極容量の比(以下、容
量比と称す)を小さくする必要がある。前記正極に用い
られる水酸化ニッケルは、前述したように水素吸蔵合金
から溶出するMn,Alにより被毒されて放電時の抵抗
を増大させる。このようなAl,Mnの溶出は、従来の
実用域の電流値においては問題にならなかったが、電流
密度が増大すると被毒による放電抵抗の影響が無視でき
なくなる。
【0006】また、Coは水素吸蔵合金の吸蔵放出反応
に伴う堆積膨脹による割れを抑制し、新鮮な面による腐
食や電解液の消費を抑制している。しかしながら、Co
は高価な材料であり、かつ水素吸蔵量を減少させるもの
であり、その代替材料が模索されている。
【0007】したがって、従来の技術ではエネルギー密
度が310Wh/l以上の高容量で、サイクル特性の優
れた水素吸蔵合金を含む負極を有する密閉型ニッケル水
素二次電池を作ることは困難であった。
【0008】本発明は、容積エネルギー密度が高容量
(310Wh/l以上)で、サイクル特性の優れたニッ
ケル水素二次電池を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる密閉型ニ
ッケル水素二次電池は、水素吸蔵合金粉末を含む負極
と、この負極にセパレータを挟んで配置された水酸化ニ
ッケルを活物質として含む正極と、アルカリ電解液と、
これら部材を収納した容器とを具備したニッケル水素二
次電池であって、前記二次電池の容量は、310Wh/
L以上であり、前記負極中の水素吸蔵合金は、一般式L
1-xZrxNiyz(ただし、式中のLnはLaを80
重量%以上含む希土類元素、MはV,Nb,Ta,C
r,Mo,Mn,Fe,Co,Al,Ga,Zn,S
n,In,Cu,Si,PおよびBから選ばれる少なく
とも1つの元素を示し、モル比であるx,y,zは0.
001≦x≦0.010、4.20≦y≦4.95、
0.45≦z≦1.00を示す)にて表され、かつ前記
アルカリ電解液は前記容器内に(電解液量/二次電池の
理論容量)の比が0.8〜1.25mL/Ahになるよ
うに収容されることを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わるニッケル水
素二次電池(円筒形ニッケル水素二次電池)を図1を参
照して説明する。
【0011】有底円筒状の容器1内には、正極2とセパ
レータ3と負極4とを積層してスパイラル状に捲回する
ことにより作製された電極群5が収納されている。前記
負極4は、前記電極群5の最外周に配置されて前記容器
1と電気的に接触している。アルカリ電解液は、前記容
器1内に収容されている。中央に孔6を有する円形の封
口板7は、前記容器1の上部開口部に配置されている。
リング状の絶縁性ガスケット8は、前記封口板7の周縁
と前記容器1の上部開口部内面の間に配置され、前記上
部開口部を内側に縮径するカシメ加工により前記容器1
に前記封口板7を前記ガスケット8を介して気密に固定
している。正極リード9は、一端が前記正極2に接続、
他端が前記封口板7の下面に接続されている。帽子形状
をなす正極端子10は、前記封口板7上に前記孔6を覆
うように取り付けられている。ゴム製の安全弁11は、
前記封口板7と前記正極端子10で囲まれた空間内に前
記孔6を塞ぐように配置されている。中央に穴を有する
絶縁材料からなる円形の押え板12は、前記正極端子1
0上に前記正極端子10の突起部がその押え板12の前
記穴から突出されるように配置されている。外装チュー
ブ13は、前記押え板12の周縁、前記容器1の側面及
び前記容器1の底部周縁を被覆している。
【0012】次に、前記負極4、正極2、セパレータ3
および電解液について説明する。
【0013】1)負極4 この負極は、一般式Ln1-xZrxNiyz(ただし、式
中のLnはLaを80重量%以上含む希土類元素、Mは
V,Nb,Ta,Cr,Mo,Mn,Fe,Co,A
l,Ga,Zn,Sn,In,Cu,Si,PおよびB
から選ばれる少なくとも1つの元素を示し、モル比であ
るx,y,zは0.001≦x≦0.010、4.20
≦y≦4.95、0.45≦z≦1.00を示す)にて
表される水素吸蔵合金を含有する。
【0014】前記一般式のLn中のLa量を規定したの
は、La量を80重量%未満にすると、容量バランスの
観点から電解液の漏れ(漏液)を生じる恐れがある。
【0015】前記一般式のZrは、二次電池の充放電サ
イクルの進行に伴う水素吸蔵合金の微細化の進行を抑制
する作用を有する。このZrの水素吸蔵合金中の含有比
率であるxを0.001モル比未満にすると、水素吸蔵
合金の微細化の進行を抑制する効果を十分に発揮するこ
とが困難になる。一方、xが0.01モル比を超えると
Zrを主体とする偏析相が顕著に増加して水素吸蔵合金
の容量が低下する恐れがある。より好ましいZrの含有
率(x)は、0.003≦x≦0.007である。
【0016】前記一般式のM中には、Mnが0.05〜
0.30モル比占めることが好ましい。Mn量が0.0
5モル比未満の水素吸蔵合金は、容量が310Wh/L
以上のニッケル水素二次電池のサイクル寿命を向上でき
る点で好ましいものの、この二次電池(一般式のMとし
てCoを含む水素吸蔵合金を含む負極を有する)を高温
(40℃以上)の環境下で貯蔵した際、前記水素吸蔵合
金中のCo成分がアルカリ電解液に溶解、析出して正負
極間の導電パスを形成し、内部短絡を生じて容量回復率
が低下する恐れがある。一方、Mnが0.30モル比を
超えると容量が310Wh/L以上のニッケル水素二次
電池のサイクル寿命が低下する恐れがある。この原因の
一つとして充放電サイクルの進行に伴って前記水素吸蔵
合金中のMn成分がアルカリ電解液に多量溶解し、正極
を被毒することが挙げられる。このようなMn成分の溶
出は、二次電池を高温環境下で使用した際に特に顕著で
ある。このため、Mn成分が含有量の多い水素吸蔵合金
を含む負極を備えた二次電池は、高温環境下で貯蔵した
際の容量回復率が低下する。より好ましい前記一般式の
M中に占めるMnは、0.15〜0.25モル比であ
る。
【0017】前記一般式のM中には、Coが0.30〜
0.60モル比占めることが好ましい。Co成分は、充
放電サイクルの進行に伴う水素吸蔵合金の微細化を抑制
作用を有する。ただし、Coは高価な材料であり、原料
コストの削減の観点から少なくすることが好ましい。C
oを0.3モル比未満にすると、水素吸蔵合金の微細化
の進行を抑制する効果を十分に発揮することが困難にな
る。一方、Coが0.6モル比を超えるとコストが高く
なると共に、水素吸蔵合金の容量が低下する恐れがあ
る。
【0018】前記負極は、例えば前記水素吸蔵合金粉末
に導電材を添加し、高分子結着剤および水と共に混練し
てペーストを調製し、このペーストを導電性基板に充填
し、乾燥した後、成形することにより製造される。
【0019】前記高分子結着剤としては、例えばカルボ
キシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリアクリ
ル酸ナトリウム、ポリテトラフルオロエチレン等を挙げ
ることができる。
【0020】前記導電材としては、例えばカーボンブラ
ック等を用いることができる。
【0021】前記導電性基板としては、パンチドメタ
ル、エキスパンデッドメタル、穿孔剛板、ニッケルネッ
トなどの二次元基板や、フェルト状金属多孔体や、スポ
ンジ状金属基板などの三次元基板を挙げることができ
る。
【0022】2)正極2 この正極は、活物質である水酸化ニッケル粒子、導電材
料および高分子結着剤を含む正極材料を導電性基板に担
持した構造を有する。
【0023】前記水酸化ニッケル粒子としては、例えば
単一の水酸化ニッケル粒子、または亜鉛、コバルト、ビ
スマス、銅のような金属を金属ニッケルと共に共沈され
た水酸化ニッケル粒子を用いることができる。特に、後
者の水酸化ニッケル粒子を含む正極は、高温状態におけ
る充電効率をより一層向上することが可能になる。
【0024】前記水酸化ニッケル粒子は、X線粉末回折
法による(101)面のピーク半価幅が0.8゜/2θ
(Cu−Kα)以上であることが好ましい。より好まし
い水酸化ニッケル粒子のピーク半価幅は0.9〜1.0
゜/2θ(Cu−Kα)である。
【0025】前記導電材料としては、例えば金属コバル
ト、コバルト酸化物、コバルト水酸化物等を挙げること
ができる。
【0026】前記高分子結着剤としては、例えばカルボ
キシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリアクリ
ル酸ナトリウム、ポリテトラフルオロエチレン等を挙げ
ることができる。
【0027】前記導電性基板としては、例えばニッケ
ル、ステンレスまたはニッケルメッキが施された金属か
ら形成された網状、スポンジ状、繊維状、もしくはフェ
ルト状の金属多孔体等を挙げることができる。
【0028】前記正極は、例えば活物質である水酸化ニ
ッケル粒子に導電材料を添加し、高分子結着剤および水
と共に混練してペーストを調製し、このペーストを導電
性基板に充填し、乾燥した後、成形することにより作製
される。
【0029】3)セパレータ3 このセパレータとしては、例えばポリアミド繊維製不織
布、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィ
ン繊維製不織布、またはこれらの不織布に親水性官能基
を付与したものを挙げることができる。
【0030】4)アルカリ電解液 このアルカリ電解液としては、例えば水酸化ナトリウム
(NaOH)と水酸化リチウム(LiOH)の混合液、
水酸化カリウム(KOH)とLiOHの混合液、KOH
とLiOHとNaOHの混合液等を用いることができ
る。
【0031】前記アルカリ電解液は、前記容器内に(電
解液量/二次電池の理論容量)の比が0.8〜1.25
mL/Ahになるように収容される。前記電解液量比
は、小さいほど、高容量化に有利であるものの、0.8
mL/Ah未満にすると正負極表面の電解液量が少なく
なり、放電容量が低下する恐れがある。一方、前記電解
液量比が1.25mL/Ahを超えると容量が310W
h/L以上の二次電池を得ることが困難になる。より好
ましい前記電解液量比は、0.90〜1.15mL/A
hである。
【0032】前記負極の前記正極に対する容量比(正極
の設計容量を1とした時の負極の設計容量)は、1.1
0〜1.60にすることが好ましい。前記容量比は、小
さいほど、容量を前記範囲に設定し易くなるものの、そ
の容量比を1.10未満にすると、負極の充電リザーブ
が少なくなるため、負極の酸素ガスの還元能力が低下し
て、内圧特性が低下する恐れがある。一方、前記容量比
が1.60を超えると容量が310Wh/L以上の二次
電池を得ることが困難になる。より好ましい前記容量比
は、1.20〜1.40である。
【0033】前記二次電池は、容量が310Wh/L以
上である。この容量C(Wh/L)[体積エネルギー密
度]は、次式で定義される。
【0034】C=(CT ×Z)/V…(1) ここで、CT (Ah)は二次電池の理論容量、Z(V)
は二次電池の電圧、V(L)は二次電池の容積(容器の
内容積)を示す。
【0035】以上説明した本発明に係るニッケル水素二
次電池は、水素吸蔵合金粉末を含む負極と、この負極に
セパレータを挟んで配置された水酸化ニッケルを活物質
として含む正極と、アルカリ電解液と、これらの部材を
収納するための容器とを具備したニッケル水素二次電池
であって、前記二次電池の容量が310Wh/L以上で
あり、前記負極中の水素吸蔵合金が一般式Ln1-xZrx
Niyz(ただし、式中のLnはLaを80重量%以上
含む希土類元素、MはV,Nb,Ta,Cr,Mo,M
n,Fe,Co,Al,Ga,Zn,Sn,In,C
u,Si,PおよびBから選ばれる少なくとも1つの元
素を示し、モル比であるx,y,zは0.001≦x≦
0.010、4.20≦y≦4.95、0.45≦z≦
1.00を示す)にて表され、かつ前記アルカリ電解液
は前記容器内に(電解液量/二次電池の理論容量)の比
が0.8〜1.25mL/Ahになるように収容される
ものである。
【0036】このような構成の二次電池は、容積エネル
ギー密度が310Wh/L以上の高容量で、優れたサイ
クル特性を有する。
【0037】すなわち、水素吸蔵合金を含む負極を備え
たニッケル水素二次電池において、容量を増大させるに
は正極活物質である金属酸化物の含有量を増加させるこ
とが必要である。一方、電池内では充放電サイクルの進
行に伴って発生する酸素ガス等を効率よく消費させるた
めに正極に対してある一定量以上の予備充電量を負極に
担わせることが必要である。
【0038】したがって、高容量化するためには正極の
活物質量を増大させ、同時に負極の量も増大させること
が必要がある。このため、ニッケル水素二次電池におけ
る高容量化は自ずと制限される。
【0039】このような問題は、負極の単位体積当りの
容量を増大させることにより容易に解決することができ
る。
【0040】負極の単位体積当りの容量を増大させるこ
とによって、正極に対する一定量以上の予備充電量を負
極で確保でき、結果として高容量化が可能になる。
【0041】負極の単位体積当りの容量を増大させるた
めには、負極中に含有される水素吸蔵合金の水素吸蔵量
を増大させることが必要である。前記一般式に示すよう
に水素吸蔵合金中のLnに占める親水素性の高いLaの
含有量を増大(80重量%以上)させるとともに、アル
カリ電解液の液量比(電解液量/二次電池の理論容量の
比)を0.8〜1.25mL/Ahにすることによっ
て、水素吸蔵合金の水素吸蔵量を増大できる。しかしな
がら、前者のように水素吸蔵合金中のLaを増加させる
と、充放電中において水素吸蔵合金が腐蝕し易くなる。
【0042】このようなことから、一般式で表される水
素吸蔵合金中のLnの置換元素であるZr量(x)を
0.001〜0.010モル比にすることによって、水
素吸蔵合金の微粉化を抑制し、結果としてLa量が80
%以上と極めて多い水素吸蔵合金を用いても腐蝕の影響
を防止することができる。
【0043】したがって、310Wh/l以上のような
密閉型ニッケル水素二次電池において一般式に示すよう
にLn中にLa量を80重量%以上で、かつLnの置換
元素として所定量のZrを含む希土類−ニッケル系の水
素吸蔵合金を含む負極を備え、さらにアルカリ電解液の
液量比(電解液量/二次電池の理論容量の比)を0.8
〜1.25mL/Ahにすることにによって、充放電サ
イクル特性が優れ、かつ310Wh/l以上の高容量の
密閉型ニッケル水素二次電池を得ることができる。
【0044】特に、前記一般式に示す水素吸蔵合金中の
M中に0.05〜0.30モル比のMnを占有させるこ
とによって、水素吸蔵合金のMとしてCo成分を含有さ
せた場合、Coの溶出を抑制することができ、Coの配
合に起因する正負極間の短絡を防止することができる。
【0045】前記一般式に示す水素吸蔵合金中のM中に
0.30〜0.60モル比のCoを占有させることによ
って、水素吸蔵合金の微粉化を抑制し、結果としてLa
量が80%以上と極めて多い水素吸蔵合金を用いても腐
蝕の影響をより効果的に防止することが可能になる。
【0046】
【実施例】以下、本発明の好ましい実施例を図面を参照
して詳細に説明する。
【0047】(実施例1〜5、比較例1〜7) <負極の作製>La,Ce,Pr,Nd,Zr,Ni,
Co,Mn,Alの各元素をアーク溶解炉に入れて10
-4〜10-5torrまで真空にした後、アルゴンガス雰
囲気中でアーク放電し、加熱溶解し、さらに冷却するこ
とにより下記表1に示す水素吸蔵合金を作製した。な
お、下記表1にはLa,Ce,Pr,NdおよびZrを
Aサイト、Ni,Co,MnおよびAlをBサイトとし
た時、B/Aの比を併記した。
【0048】次いで、前記各水素吸蔵合金をそれぞれ粗
粉砕し、さらにボールミルで粉砕することにより平均粒
径35μmの水素吸蔵合金粉末を得た。得られた各水素
吸蔵合金粉末100重量部にポリアクリル酸ナトリウム
0.5重量部、カルボキシメチルセルロース(CMC)
0.12重量部、ポリテトラフルオロエチレンのディス
パージョン(比重1.5、固形分60重量%)を固形分
換算で1.0重量部、および導電性材料としてのカーボ
ンブラック1.0重量部を添加し、水30重量部と共に
混合することによりペーストを調製した。これらのペー
ストを導電性基板としてのパンチドメタルに塗布、乾燥
し、さらにプレスして10種の負極を作製した。
【0049】<正極の作製>水酸化ニッケル粉末90重
量部および一酸化コバルト粉末10重量部からなる混合
粉体に、カルボキシメチルセルロース(CMC)0.3
重量部、ポリテトラフルオロエチレンのディスパージョ
ン(比重1.5、固形分60重量%)を固形分換算で
0.5重量部を添加し、純水45重量部と共に混合する
ことによりペーストを調製した。つづいて、このペース
トを発泡ニッケル基板内に充填し、乾燥した後、ローラ
プレスを行って圧延することにより正極を作製した。
【0050】次いで、設計容量比(前記正極の設計容量
1に対する比)を異ならせ負極と前記正極との間にグラ
フト重合処理したポリプロピレン繊維製不織布からなる
厚さ0.2mmセパレータを介装し、渦巻状に捲回して
電極群を作製した。このような電極群を有底円筒状容器
に収納した後、7Nの水酸化カリウムおよび1Nの水酸
化リチウムからなる電解液を収容し、封口等を行うこと
により前述した図1に示す構造を有し、理論容量が44
00mAh(容量310Wh/L以上)である4/3A
サイズの12種の円筒状ニッケル水素二次電池を組み立
てた。なお、電解液比(電解液量/二次電池の理論容量
の比)は下記表1に示すように1.1mL/Ah,0.
9mL/Ah,1.2mL/Ah,0.7mL/Ahと
した。
【0051】得られた実施例1〜5および比較例1〜7
の二次電池について、20℃、0.1CmAで15時間
充電し、0.2CmA、1.0Vで放電する初期活性を
行なった後、45℃で3A、90分の充電および3Aで
終止電圧1.0Vまで放電する充放電を繰り返した。こ
のような充放電において、放電容量が初期値の80%以
下になった時の充放電サイクル数を求めた。
【0052】その結果を下記表1に併記する。
【0053】
【表1】
【0054】(参照例1〜3)容量を3500mAh
(310Wh/L未満)とした以外、下記表2に示すよ
うに実施例1、比較例1,2と同様な水素吸蔵合金を用
いると共に同様な電解液量比で前述した図1に示す構造
を有する4/3Aサイズの3種の円筒状ニッケル水素二
次電池を組み立てた。
【0055】得られた参照例1〜3の二次電池につい
て、実施例1〜5と同様、20℃、0.1CmAで15
時間充電し、0.2CmA、1.0Vで放電する初期活
性を行なった後、45℃で3A、90分の充電および3
Aで終止電圧1.0Vまで放電する充放電を繰り返し
た。このような充放電において、放電容量が初期値の8
0%以下になった時の充放電サイクル数を求めた。
【0056】その結果を下記表2に併記する。
【0057】
【表2】
【0058】前記表1から明らかなように容量が310
Wh/L以上で、一般式にて表される水素吸蔵合金を含
有する負極を備え、かつアルカリ電解液の液量比(電解
液量/二次電池の理論容量の比)を0.8〜1.25m
L/Ahにした実施例1〜5の二次電池は一般式に示す
成分、それら成分のモル比の範囲を外れる水素吸蔵合金
を含有する負極を備えるか、もしくはアルカリ電解液の
液量比が前記範囲を外れる比較例1〜7の二次電池に比
べて充放電サイクル寿命が長いことがわかる。
【0059】一方、表2に示すように容量当たりのエネ
ルギー密度が310Wh/L未満の従来の二次電池では
比較的温度上昇が低いために一般式に示す成分、それら
成分のモル比の範囲を外れる水素吸蔵合金を含有する負
極を備えた参照例2,3の二次電池において、著しい特
性低下が起きていないことがわかる。
【0060】換言すれば、容量の低い従来の二次電池に
おいて、サイクル寿命が比較的長くなるものの、310
Wh/L以上の容量当たりのエネルギー密度を高くする
使用形態ではサイクル寿命の低下の問題が生じることが
わかる。
【0061】したがって、容量が310Wh/L以上の
ニッケル水素二次電池において、本発明のように一般式
にて表される水素吸蔵合金を含有する負極を備え、かつ
所定のアルカリ電解液の液量比にすることは、サイクル
寿命の向上の点で極めて有効であることがわかる。
【0062】なお、前述した実施例では正極と負極の間
にセパレータを介在して渦巻状に捲回し、有底円筒状の
容器1内に収納したが、本発明のニッケル水素二次電池
はこのような構造に限定されない。例えば、正極と負極
との間にセパレータを介在し、これを複数枚積層した積
層物を有底矩形筒状の容器内に収納して角形ニッケル水
素二次電池にも同様に適用できる。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、容
積エネルギー密度が高容量(310Wh/L以上)で、
優れた充放電サイクル特性を有するニッケル水素二次電
池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるニッケル水素二次電池を示す斜
視図。
【符号の説明】
1…容器、 2…正極、 3…セパレータ、 4…負極、 5…電極群、 7…封口板、 8…絶縁ガスケット。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素吸蔵合金粉末を含む負極と、この負
    極にセパレータを挟んで配置された水酸化ニッケルを活
    物質として含む正極と、アルカリ電解液と、これら部材
    を収納した容器とを具備したニッケル水素二次電池であ
    って、 前記二次電池の容量は、310Wh/L以上であり、 前記負極中の水素吸蔵合金は、一般式Ln1-xZrxNi
    yz(ただし、式中のLnはLaを80重量%以上含む
    希土類元素、MはV,Nb,Ta,Cr,Mo,Mn,
    Fe,Co,Al,Ga,Zn,Sn,In,Cu,S
    i,PおよびBから選ばれる少なくとも1つの元素を示
    し、モル比であるx,y,zは0.001≦x≦0.0
    10、4.20≦y≦4.95、0.45≦z≦1.0
    0を示す)にて表され、かつ前記アルカリ電解液は、前
    記容器内に(電解液量/二次電池の理論容量)の比が
    0.8〜1.25mL/Ahになるように収容されるこ
    とを特徴とする密閉型ニッケル水素二次電池。
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