JP4128635B2 - ニッケル水素蓄電池の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、負極を改良したニッケル水素蓄電池の製造方法に係わる。
【0002】
【従来の技術】
負極として水素吸蔵合金を用いた構造のニッケル水素蓄電池は、従来のニッケルカドミウム蓄電池よりも体積当たりで大容量を有するため、携帯機器の電源として広く利用されている。一方、携帯機器は、より高性能が求められ、これにつれて消費電力の増加が顕著となりつつある。このため、ニッケル水素蓄電池においては、より大電流による放電が要求される傾向にある。また、ニッケル水素蓄電池の大電流放電特性は、充放電の進行に伴って水素吸蔵合金の微粉化が進行し、前記合金の表面積が増加することによって改善されるものの、合金の表面積が少ない充放電サイクル初期が特に低い。
【0003】
大電流放電特性向上の手段としては、水素吸蔵合金粉末を高濃度のアルカリ水溶液か、あるいは希薄な酸水溶液に浸漬し、粉末表面をエッチングし、合金中に含まれる成分のうち水素電極反応に高い触媒能を有する成分(例えばニッケル)を多く含む表面層を合金粉末に形成すると共に合金粉末の表面積を増加させ、このような合金粉末を用いて負極を作製する方法が知られている。
【0004】
しかしながら、アルカリ水溶液処理は、極めてアルカリ濃度が高い水溶液を使用することが必須条件であり、さらに室温付近では進行が遅いため処理に際して液温を高温に保持する必要があるなど、操作性に問題がある。一方、酸による処理は、アルカリ水溶液処理に比較して腐食力が大きいため、室温での処理が可能であり、かつ人体に影響を及ぼさない程度の希薄な溶液での処理が可能である反面、処理条件が変動すると腐食が進行していても高い触媒能を有する表面が得られない場合があり、安定した特性が得られにくいという問題点がある。しかも、酸処理によると、合金表面に目的とする成分のみを選択的に残存させることが困難であるため、表面層の触媒能が不十分なものになりやすく、満足のゆく大電流放電特性が得られなかった。
【0005】
また、ニッケルや銅を含む溶液に水素吸蔵合金粉末を浸漬し、これに還元剤を添加することによって析出してくる金属で合金粒子を被覆する無電解メッキ法も知られているが、処理手順が複雑であるという問題点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、水素吸蔵合金粉末に水素電極反応に高い触媒能を有する表面層をより簡単な操作で、かつ安定して形成し、かかる材料を負極構成材料として用いることにより特にサイクル初期における大電流放電特性及び低温特性が改善されたニッケル水素蓄電池の製造方法を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係わるニッケル水素蓄電池の製造方法は、水酸化ニッケルを含む正極と、負極と、アルカリ電解液とを具備するニッケル水素蓄電池の製造方法であって、
ニッケルイオン及びコバルトイオンが溶解された酢酸水溶液からなる酸性水溶液中に水素吸蔵合金粉末を浸漬する工程と、
前記水素吸蔵合金粉末を含む負極を作製する工程と
を具備することを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係わる方法で製造されるニッケル水素蓄電池の一例(円筒形ニッケル水素蓄電池)を図1を参照して説明する。
有底円筒状の容器1内には、正極2とセパレータ3と負極4とを積層してスパイラル状に捲回することにより作製された電極群5が収納されている。前記負極4は、前記電極群5の最外周に配置されて前記容器1と電気的に接触している。アルカリ電解液は、前記容器1内に収容されている。中央に孔6を有する円形の第1の封口板7は、前記容器1の上部開口部に配置されている。リング状の絶縁性ガスケット8は、前記封口板7の周縁と前記容器1の上部開口部内面の間に配置され、前記上部開口部を内側に縮径するカシメ加工により前記容器1に前記封口板7を前記ガスケット8を介して気密に固定している。正極リード9は、一端が前記正極2に接続、他端が前記封口板7の下面に接続されている。帽子形状をなす正極端子10は、前記封口板7上に前記孔6を覆うように取り付けられている。ゴム製の安全弁11は、前記封口板7と前記正極端子10で囲まれた空間内に前記孔6を塞ぐように配置されている。中央に穴を有する絶縁材料からなる円形の押え板12は、前記正極端子10上に前記正極端子10の突起部がその押え板12の前記穴から突出されるように配置されている。外装チューブ13は、前記押え板12の周縁、前記容器1の側面及び前記容器1の底部周縁を被覆している。
【0009】
次に、前記正極2、負極4、セパレータ3および電解液について説明する。
1)正極2
この正極2は、例えば、活物質である水酸化ニッケル粉末に導電材料を添加し、高分子結着剤および水と共に混練してペーストを調製し、前記ペーストを導電性基板に充填し、乾燥した後、成形することにより作製される。
【0010】
前記導電材料としては、例えばコバルト酸化物、コバルト水酸化物、金属コバルト、金属ニッケル、炭素等を挙げることができる。
前記高分子結着剤としては、例えばカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリテトラフルオロエチレンを挙げることができる。
【0011】
前記導電性基板としては、例えばニッケル、ステンレスまたはニッケルメッキが施された金属から形成された網状、スポンジ状、繊維状、もしくはフェルト状の金属多孔体を挙げることができる。
【0012】
2)負極4
この負極4は、例えば、ニッケルイオンを含む酸性水溶液中に水素吸蔵合金粉末を浸漬する工程と、前記合金粉末を水洗し、不活性雰囲気中で乾燥させる工程と、前記合金粉末、導電材および結着剤を溶媒(例えば水)の存在下で混練してペーストを調製する工程と、前記ペーストを導電性基板に充填する工程と、乾燥する工程と、加圧成形する工程とを具備する方法により製造することができる。
【0013】
前記水素吸蔵合金としては、格別制限されるものではなく、電解液中で電気化学的に発生させた水素を吸蔵でき、かつ放電時にその吸蔵水素を容易に放出できるものであればよい。この水素吸蔵合金としては、例えば、(a)希土類−ニッケル系水素吸蔵合金(例えば、LaNi5 、MmNi5 (Mm;ミッシュメタル)、LmNi5 (Lm;ランタン富化したミッシュメタル)、またはこれらのNiの一部をAl、Mn、Co、Ti、Cu、Zn、Zr、Cr、Bのような元素で置換した多元素系のもの)、(b)Ti−Ni系水素吸蔵合金、(c)Ti−Fe系水素吸蔵合金、(e)Ti−V−Ni系水素吸蔵合金、(f)Zr−V−Ni系水素吸蔵合金、(g)Mg系水素吸蔵合金、(h)ラーベス相水素吸蔵合金等を挙げることができる。中でも、希土類−ニッケル系水素吸蔵合金が良い。特に、一般式LmNix Mny Az (ただし、AはAl,Coから選ばれる少なくとも一種の金属、原子比x,y,zはその合計値が4.8≦x+y+z≦5.4を示す)で表されるものが好ましい。
【0014】
前記水素吸蔵合金粉末の平均粒径は、20μm〜50μmの範囲にすると良い。
前記ニッケルイオンを含む酸性水溶液とは、pHが1以上、かつ7未満の範囲であるニッケルイオンを含む水溶液を意味する。中でも、合金の表面酸化物の除去がある程度迅速に起こり、かつ合金の溶出速度を適度な範囲に抑制する観点から、pHは、2〜4が適当である。
【0015】
前記ニッケルイオンの濃度は、0.05mol/l〜0.5mol/lの範囲にすることが好ましい。これは次のような理由によるものである。前記濃度を0.05mol/l未満にすると、反応に要する時間が長くなり、作業性が低下する恐れがある。一方、前記濃度が0.5mol/lを越えると、他の塩やpHを調整するための酸を加える際に沈殿を生じる場合がある。より好ましい濃度は、0.08mol/l〜0.4mol/lの範囲である。
【0016】
前記ニッケルイオンを含む酸性水溶液は、コバルトイオンが添加されていても良い。このような水溶液で水素吸蔵合金粉末を処理することによって、ニッケル水素蓄電池の大電流放電特性及び低温特性をさらに改善することができる。
【0017】
前記コバルトイオンの濃度は、前述したニッケルイオンの濃度において説明したのと同様な理由により0.05mol/l〜0.5mol/lの範囲にすることが好ましい。より好ましい濃度は、0.08mol/l〜0.4mol/lの範囲である。
【0018】
前記結着剤としては、前記正極2で用いたのと同様なものを挙げることができる。
前記導電材としては、例えばカーボンブラック等を用いることができる。
【0019】
前記導電性基板としては、パンチドメタル、エキスパンデッドメタル、穿孔剛板、ニッケルネットなどの二次元基板や、フェルト状金属多孔体や、スポンジ状金属基板などの三次元基板を挙げることができる。
【0020】
3)セパレータ3
このセパレータ3は、例えばポリプロピレン不織布、ナイロン不織布、ポリプロピレン繊維とナイロン繊維を混繊した不織布のような高分子不織布からなる。特に、表面が親水化処理されたポリプロピレン不織布はセパレータとして好適である。
【0021】
4)アルカリ電解液
このアルカリ電解液としては、例えば水酸化ナトリウム(NaOH)と水酸化リチウム(LiOH)の混合液、水酸化カリウム(KOH)とLiOHの混合液、KOHとLiOHとNaOHの混合液等を用いることができる。
【0022】
なお、前述した図1では正極2と負極4の間にセパレータ3を介在して渦巻状に捲回し、有底円筒状の容器1内に収納したが、本発明の方法で得られるニッケル水素蓄電池はこのような構造に限定されない。例えば、正極と負極とをその間にセパレータを介在して複数枚積層した積層物を有底矩形筒状の容器内に収納した構成の角形ニッケル水素蓄電池にも同様に適用することができる。
【0023】
以上詳述したように本発明に係るニッケル水素蓄電池の製造方法によれば、少なくともニッケルイオンを含む酸性水溶液中に水素吸蔵合金粉末を浸漬する工程を具備する方法により負極を作製する。このような浸漬処理を施すことにより、合金粉末の表面に形成された酸化被膜を前記水溶液中に溶出させて除去することができると共に、ニッケルや、ニッケル化合物を合金粉末表面に析出させることができる。このような合金粉末から負極を作製し、ニッケル水素蓄電池を製造すると、前記合金粉末表面に析出したニッケル化合物の多くは最初の充電で金属に還元されるため、合金粉末表面に金属ニッケルの存在比率が高い層を形成することができる。表面層の金属ニッケルの存在比率を高めることによって、前記表面層の水素電極反応における触媒能を向上することができる。その結果、前記蓄電池は、充放電サイクル初期においても優れた大電流放電特性及び低温放電特性を実現することができる。また、前記酸性水溶液中にコバルトイオンを添加することによって、合金粉末表面に金属ニッケル及び金属コバルトの存在比率が高い層を形成することができる。このような表面層は、水素電極反応における触媒能を向上できるばかりか、合金の水素吸蔵・放出反応速度及び耐酸化性を改善できるものと推測され、結果としてサイクル初期における大電流放電特性及び低温放電特性をさらに向上することができる。
【0024】
このような浸漬処理により合金粉末表面に金属ニッケル層を選択的に形成できるのは、以下に説明するメカニズムによるものと推測される。
すなわち、水素吸蔵合金(例えば希土類−ニッケル系)は、水素との反応性が大きく、かつ電気化学的に卑な元素(例えば、Laなど)を含む。このような合金粉末をニッケルイオンのような電気化学的に貴なイオンを含む酸性水溶液中に浸漬すると、前述した卑な元素が前記溶液中に溶出すると共に、この貴なイオンが還元されて前記合金粉末表面に析出する。酸性水溶液では水素イオンが比較的多量に存在するため、例えばニッケルのような水素と酸化還元電位が近い元素が金属に還元されるかどうかは、通常、この溶液の酸濃度に依存する。水素吸蔵合金には前述したように電気化学的に卑な元素が含まれているため、仮に金属への還元が起こりにくい条件であっても、前記合金の卑な元素が酸性水溶液に溶出することによって徐々に水素イオン濃度が下がり、前記水溶液中のニッケルイオンは合金粉末表面近傍において加水分解し、例えば水酸化物のような化合物を形成し、合金粒子表面に析出する。このような合金粉末を原料として負極を作製し、ニッケル水素蓄電池を製造すると、充電の際に負極電位は卑な値となり、この電位で金属に還元される元素は水素吸蔵合金表面に金属層を形成することができる。ニッケルは、このような負極電位において金属まで還元される元素である。このため、本願発明のような浸漬処理を施すことによって、水素吸蔵合金粉末に金属ニッケルの存在比率が向上された表面層を形成することができる。
【0025】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。
(参照例1)
<ペースト式負極の作製>
誘導溶解法によって作製したMmNi4.0Co0.4Mn0.3Al0.3(Mm;ミッシュメタル)の組成からなる水素吸蔵合金を作製した。前記水素吸蔵合金を不活性雰囲気で粉砕し、200メッシュ以下(約75μm以下)の粉末とした。この粉末の一部を分取し、合金粉末100gに対して、酢酸を添加してpHを3に調整した硫酸ニッケル0.2mol/l水溶液500mlを添加し、室温において3時間撹拌した。その後、上澄みを捨て、残った合金粉末を水洗し、不活性雰囲気で乾燥させた。
【0026】
乾燥後の水素吸蔵合金粉末100重量部、ポリアクリル酸ナトリウム0.2重量部、カルボキシメチルセルロース(CMC)0.2重量部及びポリテトラフルオロエチレン1.5重量部を水50重量部と共に混合することによって、ペーストを調製した。このペーストを穿孔ニッケルメッキ鉄薄板に塗布し、乾燥した後、プレス調圧することによってペースト式負極を作製した。
<ペースト式正極の作製>
水酸化ニッケル粒子、一酸化コバルト、カルボキシメチルセルロース及び水を、100:5:0.3:30の重量比で混練し、ペーストを調製した。前記ペーストをスポンジ状ニッケル多孔体に充填し、乾燥し、圧延した後、リードを溶接することによってペースト式ニッケル正極を作製した。
<電池の組み立て>
前記正極と前記負極の間にセパレータとしてポリプロピレン繊維を主体とする不織布を介し、これらを渦巻状に捲回することにより電極群を作製した。有底円筒形容器内に得られた電極群を収納し、7mol/lのKOH及び1mol/lのLiOHからなるアルカリ電解液を収容し、密閉し、前述した図1に示す構造を有し、理論容量が1300mAhのニッケル水素蓄電池を組み立てた。
(実施例2)
以下に説明する負極を用いること以外は、参照例1と同様な構成のニッケル水素蓄電池を組み立てた。
【0027】
参照例1と同様にして誘導溶解法及び粉砕を行うことによって得られた水素吸蔵合金粉末100gに対して、酢酸を添加してpHを3に調整した硫酸ニッケル及び硫酸コバルトがそれぞれ0.1mol/lずつ溶解された水溶液500mlを添加し、3時間撹拌した。その後、上澄みを捨て、残った合金粉末を水洗し、参照例1と同様な不活性雰囲気で乾燥させた。乾燥後の水素吸蔵合金粉末から参照例1と同様にしてペースト式負極を作製した。
(比較例1)
以下に説明する負極を用いること以外は、参照例1と同様な構成のニッケル水素蓄電池を組み立てた。
【0028】
参照例1と同様にして誘導溶解法及び粉砕を行うことによって得られた水素吸蔵合金粉末100重量部、ポリアクリル酸ナトリウム0.2重量部、カルボキシメチルセルロース(CMC)0.2重量部及びポリテトラフルオロエチレン1.5重量部を水50重量部と共に混合することによって、ペーストを調製した。このペーストを穿孔ニッケルメッキ鉄薄板に塗布し、乾燥した後、プレス調圧することによってペースト式負極を作製した。
(比較例2)
以下に説明する負極を用いること以外は、参照例1と同様な構成のニッケル水素蓄電池を組み立てた。
【0029】
参照例1と同様にして誘導溶解法及び粉砕を行うことによって得られた水素吸蔵合金粉末100gに対して、酢酸を添加してpHを3に調整した硫酸コバルト0.2mol/l水溶液500mlを添加し、3時間撹拌した。その後、上澄みを捨て、残った合金粉末を水洗し、参照例1と同様な不活性雰囲気で乾燥させた。乾燥後の水素吸蔵合金粉末から参照例1と同様にしてペースト式負極を作製した。
(比較例3)
以下に説明する負極を用いること以外は、参照例1と同様な構成のニッケル水素蓄電池を組み立てた。
【0030】
参照例1と同様にして誘導溶解法及び粉砕を行うことによって得られた水素吸蔵合金粉末100gに対して、pHが3の酢酸水溶液500mlを添加し、3時間撹拌した。その後、上澄みを捨て、残った合金粉末を水洗し、参照例1と同様な不活性雰囲気で乾燥させた。乾燥後の水素吸蔵合金粉末から参照例1と同様にしてペースト式負極を作製した。
【0031】
得られた参照例1、実施例2及び比較例1〜3の蓄電池について、室温(20℃)にて130mAで15時間充電した後、130mAにて1.0Vまで放電する充放電を施し、活性化を施した。次いで、室温において130mAで15時間充電した後、これら蓄電池を−20℃に冷却して650mAで放電し、電池電圧が1.0Vに達するまでの放電容量を測定した。その結果を下記表1に示す。
【0032】
表1
放電容量(mAh)
参照例1 630
実施例2 680
比較例1 290
比較例2 280
比較例3 210
表1から明らかなように、水素吸蔵合金粉末にニッケルイオンを含む酸性水溶液で浸漬処理を施し、このような合金粉末から負極を作製する方法により得られる参照例1、実施例2の二次電池は、低温での放電容量を向上することができることがわかる。特に、前記酸性水溶液にコバルトイオンが添加されている実施例2の二次電池は、コバルトイオンが添加されていない参照例1に比べて低温放電特性が高いことがわかる。
【0033】
これに対し、浸漬処理を行わない比較例1の二次電池、コバルトイオンのみを含む酸性水溶液で処理が行われる比較例2の二次電池及び金属イオンを含まない酸性水溶液で処理が行われる比較例3の二次電池は、参照例1、実施例2に比べて低温での放電容量が低いことがわかる。
【0034】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、使用開始直後の高率放電特性及び低温特性が向上されたニッケル水素蓄電池の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る方法で製造されるニッケル水素蓄電池の一例を示す部分切欠斜視図。
【符号の説明】
1…容器、2…正極、3…セパレータ、4…負極、7…封口板、8…絶縁ガスケット。
Claims (1)
- 水酸化ニッケルを含む正極と、負極と、アルカリ電解液とを具備するニッケル水素蓄電池の製造方法であって、
ニッケルイオン及びコバルトイオンが溶解された酢酸水溶液からなる酸性水溶液中に水素吸蔵合金粉末を浸漬する工程と、
前記水素吸蔵合金粉末を含む負極を作製する工程と
を具備することを特徴とするニッケル水素蓄電池の製造方法。
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