JP3352338B2 - アルカリ蓄電池の製造方法 - Google Patents

アルカリ蓄電池の製造方法

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JP3352338B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非焼結式ニッケル
正極を備えたアルカリ蓄電池及びその製造方法に係わ
り、特に非焼結式ニッケル正極を改良したアルカリ蓄電
池及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アルカリ蓄電池の正極としては、焼結式
とペースト式に大別され、高容量化等の観点から水酸化
ニッケルの粒状体を活物質として含むペーストを集電体
に充填あるいは塗着するペースト方式のものが多く用い
られている。このペースト式正極においては、粒子状活
物質と集電体の間の電気的接続が十分にとれていること
が利用率向上に必須であるため、一般にペースト中に導
電助剤としてコバルト金属またはコバルト化合物を添加
することが行われている。
【0003】具体的には、水酸化ニッケル粒子表面に水
酸化コバルトを形成し、このような粒子をアルカリ共存
下で加熱処理を行うことにより導電性の高い高次コバル
ト酸化物を水酸化ニッケル粒子表面に形成することが行
われている。
【0004】しかしながら、このような導電助剤を添加
するペースト式正極を備えたアルカリ蓄電池において
は、長期間あるいは高温環境下において放置した際の容
量回復率の向上が要望されている。
【0005】J.Electrochem.Soc,1
36(1989)の1590頁には、ペースト式ニッケ
ル電極において導電網として形成された高次コバルト酸
化物が通常の充放電中に安定に存在することが押谷らに
より開示されている。一方、DENKI KAGAKU
63,No.1(1995)の952頁には、ペース
ト式ニッケル正極を備えたアルカリ蓄電池を長期間に亘
ってあるいは高温下において放置すると、電池電圧が低
下し、再充電時の容量回復率が低下することが記載され
ている。
【0006】また、特開平5−314983号公報に
は、正極にカルシウム化合物を添加し、40〜70℃の
雰囲気で初充電を施すと、前記カルシウム化合物が速や
かに溶解するため、初期性能が安定したアルカリ蓄電池
を得られることが開示されている。一方、特開平5−2
75082号公報には、ニッケル正極とAB2 系水素吸
蔵合金を含む負極とを備え、50〜70℃の雰囲気で初
充電を施すことにより前記正極の充電効率を低下させて
前記負極の初期性能を高めたニッケル水素蓄電池を製造
することが記載されている。しかしながら、これらの初
充電によって長期間あるいは高温環境下において放置し
た際の容量回復率を十分に高めることは困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ペー
スト式ニッケル正極を改良することにより活物質利用率
の向上と、長期間放置あるいは高温環境下放置による放
電容量の低下が抑制されたアルカリ蓄電池及びその製造
方法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係るアルカリ畜
電池の製造方法は、水酸化ニッケル及び導電助剤を含む
ペーストを集電体に充填ないし塗布することにより形成
される正極と負極との間にセパレータを介在して作製さ
れた電極群と、0.5M以上の水酸化リチウムを含むア
ルカリ電解液を容器内に収納する工程と、 前記正極中の
導電助剤がオキシ水酸化コバルトと四三酸化コバルトに
変換するように40℃〜100℃の範囲内で初充電を施
す工程とを具備することを特徴とするものである。
【0009】
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明のアルカリ二次電池
(例えば円筒形アルカリ二次電池)を図1を参照して説
明する。有底円筒状の容器1内には、正極2とセパレー
タ3と負極4とを積層してスパイラル状に捲回すること
により作製された電極群5が収納されている。前記負極
4は、前記電極群5の最外周に配置されて前記容器1と
電気的に接触している。アルカリ電解液は、前記容器1
内に収容されている。中央に孔6を有する円形の第1の
封口板7は、前記容器1の上部開口部に配置されてい
る。リング状の絶縁性ガスケット8は、前記封口板7の
周縁と前記容器1の上部開口部内面の間に配置され、前
記上部開口部を内側に縮径するカシメ加工により前記容
器1に前記封口板7を前記ガスケット8を介して気密に
固定している。正極リード9は、一端が前記正極2に接
続、他端が前記封口板7の下面に接続されている。帽子
形状をなす正極端子10は、前記封口板7上に前記孔6
を覆うように取り付けられている。ゴム製の安全弁11
は、前記封口板7と前記正極端子10で囲まれた空間内
に前記孔6を塞ぐように配置されている。中央に穴を有
する絶縁材料からなる円形の押え板12は、前記正極端
子10上に前記正極端子10の突起部がその押え板12
の前記穴から突出されるように配置されている。外装チ
ューブ13は、前記押え板12の周縁、前記容器1の側
面及び前記容器1の底部周縁を被覆している。
【0011】次に、前記正極2、負極4、セパレータ3
および電解液について説明する。 1)正極2 この正極2は、水酸化ニッケル{Ni(OH)2 }粒
子、オキシ水酸化コバルト(CoOOH)及び四三酸化
コバルト(Co34 )を含む正極材が集電体に担持さ
れたものから形成される。
【0012】前記水酸化ニッケル粒子としては、例えば
単一の水酸化ニッケル粒子、または亜鉛および/または
コバルトが金属ニッケルと共沈された水酸化ニッケル粒
子を用いることができる。後者の水酸化ニッケル粒子を
含む正極は、高温状態における充電効率を更に向上する
ことが可能になる。
【0013】前記アルカリ蓄電池の充放電効率を向上す
る観点から、前記水酸化ニッケル粒子のX線粉末回折法
による(101)面のピーク半価幅は、0.8゜/2θ
(Cu−Kα)以上であることが好ましい。より好まし
い水酸化ニッケル粉末の粉末X線回折法による(10
1)面のピークの半価幅は、0.9〜1.0゜/2θ
(Cu−Kα)である。
【0014】前記集電体としては、例えばニッケル、ス
テンレス等の金属や、ニッケルメッキが施された樹脂な
どからなるスポンジ状、繊維状、フェルト状の多孔質構
造を有するものを挙げることができる。
【0015】前記正極材には前記集電体との密着性を向
上させるために結着剤を添加すると良い。前記結着剤と
しては、例えばポリテトラフルオロエチレン、カルボキ
シメチルセルロース、メチルセルロース、ポリアクリル
酸ナトリウム、ポリビニルアルコールを挙げることがで
きる。
【0016】2)負極4 この負極4は、負極活物質、導電材、結着剤および水と
共に混練してペーストを調製し、前記ペーストを導電性
基板に充填し、乾燥した後、成形することにより製造さ
れる。
【0017】前記負極活物質としては、例えば金属カド
ミウム、水酸化カドミウムなどのカドミウム化合物、水
素等を挙げることができる。水素のホスト・マトリック
スとしては、例えば、水素吸蔵合金を挙げることができ
る。
【0018】中でも、前記水素吸蔵合金は、前記カドミ
ウム化合物を用いた場合よりも二次電池の容量を向上で
きるため、好ましい。前記水素吸蔵合金は、格別制限さ
れるものではなく、電解液中で電気化学的に発生させた
水素を吸蔵でき、かつ放電時にその吸蔵水素を容易に放
出できるものであればよい。例えば、LaNi5 、Mm
Ni5 (Mmはミッシュメタル)、LmNi5 (Lmは
Laを含む希土類元素から選ばれる少なくとも一種)、
これら合金のNiの一部をAl、Mn、Co、Ti、C
u、Zn、Zr、Cr、Bのような元素で置換した多元
素系のもの、またはTiNi系、TiFe系のものを挙
げることができる。特に、一般式LmNiw Cox Mn
y Alz (原子比w,x,y,zの合計値は5.00≦
w+x+y+z≦5.50である)で表される組成の水
素吸蔵合金は充放電サイクルの進行に伴う微粉化を抑制
して充放電サイクル寿命を向上できるための好適であ
る。
【0019】前記導電材としては、例えばカーボンブラ
ック、黒鉛等を挙げることができる。前記結着剤として
は、例えばポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリル酸カリ
ウムなどのポリアクリル酸塩、ポリテトラフルオロエチ
レン(PTFE)などのフッ素系樹脂、またはカルボキ
シメチルセルロース(CMC)等を挙げることができ
る。
【0020】前記導電性基板としては、例えばパンチド
メタル、エキスパンデッドメタル、穿孔剛板、ニッケル
ネットなどの二次元基板や、フェルト状金属多孔体や、
スポンジ状金属多孔体などの三次元基板を挙げることが
できる。
【0021】3)セパレータ3 このセパレータ3としては、例えば、ポリアミド繊維製
不織布、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレ
フィン繊維製不織布に親水性官能基を付与したものを挙
げることができる。
【0022】4)アルカリ電解液 前記アルカリ電解液としては、例えば、水酸化ナトリウ
ム(NaOH)の水溶液、水酸化リチウム(LiOH)
の水溶液、水酸化カリウム(KOH)の水溶液、NaO
HとLiOHの混合液、KOHとLiOHの混合液、K
OHとLiOHとNaOHの混合液等を用いることがで
きる。
【0023】なお、前述した図1においては、正極及び
負極の間にセパレータを介在し、これを渦巻状に捲回す
ることにより作製された電極群を容器内に収納したが、
例えば、正極と負極とをその間にセパレータを介在して
交互に重ねることによって作製された積層物を有底矩形
筒状の容器内に収納してもよい。
【0024】このようなアルカリ蓄電池は、例えば、以
下の方法によって製造することができる。 (1)正極の作製 水酸化ニッケル及び導電助剤を含むペーストを集電体に
充填ないし塗布することにより形成される正極は、以下
の(a)または(b)の方法により作製される。
【0025】(a)水酸化ニッケル粒子、導電助剤とし
てのコバルト系粒子、結着剤および水を含むペーストを
調製し、前記ペーストを集電体に充填し、これを乾燥、
加圧成形した後、所望のサイズに切断することにより水
酸化ニッケル粒子、コバルト化合物粒子及び結着剤を含
む正極材が集電体に担持された構造の正極を作製する。
【0026】前記コバルト系粒子を形成するコバルト化
合物としては、例えば三酸化二コバルト(Co2
3 )、コバルト金属(Co)、一酸化コバルト(Co
O)、水酸化コバルト{Co(OH)2 }等を挙げるこ
とができる。
【0027】前記コバルト系粒子の添加量は、初充電に
より前記コバルト系粒子を構成するコバルト化合物がC
oOOHとCo34 に変換するように設定される。 (b)表面に導電助剤としてのコバルト系層が形成され
た複合水酸化ニッケル粒子、結着剤および水を含むペー
ストを調製し、前記ペーストを集電体に充填し、これを
乾燥、加圧成形した後、所望のサイズに切断することに
より複合水酸化ニッケル粒子及び結着剤を含む正極材が
集電体に担持された構造の正極を作製する。
【0028】前記コバルト系層を形成するコバルト化合
物としては、例えば、コバルト金属(Co)、一酸化コ
バルト(CoO)、水酸化コバルト{Co(OH)
2 }、三酸化二コバルト(Co23 )等を挙げること
ができる。特に、水酸化コバルトが好適である。
【0029】前記コバルト系層の付着量は、初充電によ
り前記コバルト系層を構成するコバルト化合物がCoO
OHとCo34 に変換するように設定される。 (2)電池の組み立て 前記正極、前述した方法で作製した負極の間に前記セパ
レータを介在して電極群を作製する。前記電極群、アル
カリ電解液を容器内に収納し、封口することによりアル
カリ蓄電池を組み立てる。
【0030】前記アルカリ電解液としては、0.5M
(mol/l)以上のLiOHを含むものを用いる。L
iOHの濃度を0.5M未満にすると、初充電によって
前記正極材中の導電助剤をCoOOHとCo34 に変
換させることが困難になる。一方、LiOHの上限値は
1.5Mにすると良い。LiOHの濃度が1.5Mを越
えると、電解液の導電性が低下してサイクル寿命が低下
する恐れがある。さらに、LiOHは比較的溶解度が低
いため、1.5Mを越える溶解は困難であり、また低温
域で析出する可能性がある。より好ましいLiOHの濃
度(M)は0.5〜1.2である。
【0031】また、前記アルカリ蓄電池における特に高
温充電効率及びサイクル寿命の双方をより一層優れたも
のにするには、前記電解液のうち、2.0〜6.0Mの
KOH、2.0〜5.0MのNaOHおよび0.5〜
1.5MのLiOHからなる組成の電解液を用いること
が好ましい。
【0032】(3)初充電 前記正極材中の導電助剤がCoOOHとCo34 に変
換するように40〜100℃の範囲で初充電を施す。
【0033】初充電温度が前記範囲を外れると、前記導
電助剤をCoOOHとCo34 に変換することが困難
になる。より好ましい初充電温度は、70℃〜90℃の
範囲内である。
【0034】また、充電電流(充電電圧)、充電時間
は、40〜100℃の初充電温度で前記導電助剤がCo
OOHとCo34 に変換するように設定される。以上
説明したように本発明に係るアルカリ蓄電池によれば、
水酸化ニッケル{Ni(OH)2 }、オキシ水酸化コバ
ルト(CoOOH)及び四三酸化コバルト(Co3
4 )を含む正極材が集電体に担持されたものから形成さ
れる正極を備えることによって、高い活物質(水酸化ニ
ッケル)利用率を確保しつつ、長期間放置後並びに高温
環境下での放置後の容量回復率を向上することができ
る。
【0035】すなわち、アルカリ蓄電池を長期間に亘っ
てあるいは高温下において放置すると、電池電圧が低下
し、再充電時の容量回復率が低下するという現象がみら
れる原因は、放置中に高導電性を有するCoOOHが還
元されて導電性を失い、活物質利用率が低下するためで
あると推測される。Co34 はCoOOHに比べてア
ルカリ電解液への溶解度が低く、安定であるため、Co
OOHを含む正極中にCo34 を存在させることによ
って放置時のCoOOHの還元反応を抑制することがで
き、活物質利用率の低下を低く抑えることができる。こ
のため、放置後の容量回復率を改善することができる。
このCo34 によるCoOOHの還元抑制効果は、N
i(OH)2 粒子表面をCo34 とCoOOHが共存
(共晶)する層が被覆する形態でNi(OH)2 、Co
OOH及びCo34 が正極中に存在する場合に最も効
果的に発現される。
【0036】本発明に係るアルカリ蓄電池の製造方法
は、水酸化ニッケル{Ni(OH)2}及び導電助剤
(例えば、Co、CoO、Co(OH)2 のような2価
以下のコバルト化合物)を含むペーストを集電体に充填
ないし塗布することにより形成される正極と負極の間に
セパレータを介在して作製された電極群と、0.5M以
上の水酸化リチウムを含むアルカリ電解液を容器内に収
納する工程と、前記正極中の導電助剤がオキシ水酸化コ
バルト(CoOOH)と四三酸化コバルト(Co3
4 )に変換するように40℃〜100℃の範囲内で初充
電を施す工程とを具備する。このような方法によると、
高利用率を確保しつつ、長期間放置後並びに高温下での
放置後の容量回復率が飛躍的に改善されたアルカリ蓄電
池を提供することができる。前記2価以下のコバルト化
合物は、前記初充電により以下の化1に示す反応を経て
CoOOHに酸化される。
【0037】
【化1】 この時、同時に、または追って以下の化2に示す反応に
よりCo34 が生成すると推測される。
【0038】
【化2】
【0039】このような初充電によって正極中の2価以
下のコバルト化合物をCoOOHとCo34 に変換す
ると、Co34 によるCoOOHの還元反応抑制作用
を効果的に発現させることができる。これは、Ni(O
H)2 粒子表面にCoOOH及びCo34 が共存(共
晶)している層が形成されるためであると推測される。
また、アルカリ蓄電池が長期間あるいは高温下で放置さ
れた際、前記正極中に2価以下のコバルト化合物が存在
していると、このコバルト化合物が核となってCoOO
Hの還元反応が促進される恐れがある。このため、2価
以下のコバルト化合物は少なくとも2価より高次になっ
ていることが好ましい。前記初充電によると、前述した
化2に示すように2価以下のコバルト化合物をCo3
4 に酸化させることができ、2価以下のコバルト化合物
を低減することができるため、このコバルト化合物が核
となってCoOOHの還元反応が生じるのを抑制するこ
とができる。従って、本発明に係る製造方法によると、
長期間及び高温下における放置時のCoOOHの還元反
応を大幅に抑制することができるため、放置後の容量回
復率が飛躍的に高められたアルカリ蓄電池を提供するこ
とができる。
【0040】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細
に説明する。 (実施例) <正極の作製>水酸化ニッケル粉末90重量部および導
電助剤としての一酸化コバルト粉末10重量部からなる
混合粉末にカルボキシメチルセルロース0.25重量
部、ポリアクリル酸ナトリウム0.25重量部およびポ
リテトラフルオロエチレン3.0重量部を添加し、さら
にこの混合物に水30重量部を添加、混練してペースト
を調製した。このペーストを集電体としての厚さが1.
1mmで、多孔度95%のニッケルメッキ繊維基板に充
填し、乾燥した後、ローラプレスして圧延成形すること
により水酸化ニッケル粒子及び一酸化コバルト粒子を含
む正極材が集電体に担持された構造の正極を作製した。 <負極の作製>LaNi4.0 Co0.4 Mn0.3 Al0.3
の組成からなる水素吸蔵合金粉末95重量部にポリテト
ラフルオロエチレン粉末3重量部と、カーボン粉末1重
量部と、結着剤としてカルボキシメチルセルロースを1
重量部添加し、水50重量部と共に混合することによっ
て、ペーストを調製した。このペーストをニッケル製ネ
ットに塗布、乾燥した後、加圧成形することによって水
素吸蔵合金負極を作製した。
【0041】次いで、前記正極と前記負極との間にポリ
プロピレン製不織布からなるセパレータを介装して渦巻
状に捲回して電極群を作製した。これらの電極群と1.
0MのLiOH及び7.0MのKOHからなるアルカリ
電解液を有底円筒状容器に収納して前述した図1に示す
構造を有するAAサイズ(理論容量;1200mAh)
の円筒形ニッケル水素蓄電池を組み立てた。 <初充電>得られた蓄電池について90℃の雰囲気にお
いて0.1Cで15時間かけて150%充電した後、
0.2Cで1Vまで放電を行った。 (比較例)8.0MのKOHからなるアルカリ電解液を
用いると共に、25℃の雰囲気において0.1Cで15
時間かけて150%充電する初充電を行うこと以外は、
実施例と同様にして円筒形ニッケル水素蓄電池を製造し
た。
【0042】実施例及び比較例の蓄電池について、0.
1CmAの電流で16時間充電した後、1.0CmAの
電流で端子電圧が1.0Vになるまで放電し、この放電
持続時間から初期容量を算出し、活物質利用率{(初期
容量/理論容量)×100}を求め、その結果を図2に
示す。さらにこれら蓄電池を放電状態で1カ月65℃中
に貯蔵後、0.1CmAの電流で16時間充電した後、
1.0CmAの電流で端子電圧が1.0Vになるまで放
電する充放電を3回繰り返し、放電容量を測定し、回復
容量とした。得られた回復容量から、回復率{(回復容
量/初期容量)×100}を求め、その結果を図3に示
す。
【0043】図2及び図3から明らかなように、実施例
の蓄電池は、初期の活物質利用率が99%と高く、かつ
高温貯蔵後の回復率が比較例の蓄電池に比べて高いこと
がわかる。
【0044】また、実施例及び比較例の電池の正極に存
在するコバルト化合物の確認を行うため、以下のような
実験を行った。 <試験セルの組み立て> (試験セル1)水酸化ニッケル粉末の代りに一酸化コバ
ルト粉末を用いること以外は、実施例と同様な試験セル
を組み立てた。得られたセルに実施例と同様な条件で初
充電を施した。 (試験セル2)水酸化ニッケル粉末の代りに一酸化コバ
ルト粉末を用いること以外は、比較例と同様な試験セル
を組み立てた。得られたセルに比較例と同様な条件で初
充電を施した。 <X線粉末回折測定>初充電が施された試験セル1、2
を解体し、各正極についてX線粉末回折測定を行い、そ
の結果を図4に示す。
【0045】図4から明らかなように、試験セル1のX
線粉末回折パターンにはCoOOHのピーク(〇で示
す)及びCo34 のピーク(△で示す)が存在し、こ
のことから実施例の蓄電池の正極中にCoOOH及びC
34 が存在することを確認できた。一方、試験セル
2のX線粉末回折パターンにはCoOOHのピーク(〇
で示す)及びCo(OH)2 のピーク(×で示す)が存
在し、このことから比較例の蓄電池の正極中にはCo3
4 がなく、CoOOHとCo(OH)2 が存在するこ
とを確認できた。
【0046】従って、図2の初期活物質利用率、図3の
高温貯蔵後の回復率及び図4の正極におけるX線粉末回
折パターンより、水酸化ニッケル、オキシ水酸化コバル
ト及び四三酸化コバルトを含む正極材が集電体に担持さ
れたものからなる正極を備えた実施例の蓄電池は、初期
の活物質利用率を高い値に保持しつつ、四三酸化コバル
トを含まない正極を備えた比較例の蓄電池に比べて高温
貯蔵後の容量回復率を向上できることがわかる。
【0047】なお、前述した実施例の初期活性法(初充
電)はコバルトの導電マトリックスの形成とNi(O
H)2 活物質の充電を同時に行っているものであり、コ
バルト導電マトリックス形成に主眼をおく場合、CoO
の添加量に対して100%になるように同レート、同雰
囲気で充電し、その後は任意の条件で充電を行っても同
様の効果が得られるものである。
【0048】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、充
放電サイクル初期における活物質利用率を高い値に保持
しつつ、長期間放置及び高温下における放置の際の容量
低下が抑制されたアルカリ蓄電池及びその製造方法を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアルカリ蓄電池(例えば円筒形ア
ルカリ蓄電池)を示す部分切欠斜視図。
【図2】本発明の実施例の蓄電池及び比較例の蓄電池に
おける初期の活物質利用率を示す特性図。
【図3】本発明の実施例の蓄電池及び比較例の蓄電池に
おける高温貯蔵後の容量回復率を示す特性図。
【図4】試験セル1、2における正極のX線粉末回折パ
ターンを示す特性図。
【符号の説明】
1…容器、2…正極、3…セパレータ、4…負極、7…
封口板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小見山 健 東京都品川区南品川3丁目4番10号 東 芝電池株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−75255(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 10/30 H01M 4/32 H01M 4/52 H01M 10/26

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸化ニッケル及び導電助剤を含むペー
    ストを集電体に充填ないし塗布することにより形成され
    る正極と負極との間にセパレータを介在して作製された
    電極群と、0.5M以上の水酸化リチウムを含むアルカ
    リ電解液を容器内に収納する工程と、 前記正極中の導電助剤がオキシ水酸化コバルトと四三酸
    化コバルトに変換するように40℃〜100℃の範囲内
    で初充電を施す工程とを具備することを特徴とするアル
    カリ畜電池の製造方法。
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