JP3352347B2 - アルカリ二次電池 - Google Patents

アルカリ二次電池

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JP3352347B2
JP3352347B2 JP03643297A JP3643297A JP3352347B2 JP 3352347 B2 JP3352347 B2 JP 3352347B2 JP 03643297 A JP03643297 A JP 03643297A JP 3643297 A JP3643297 A JP 3643297A JP 3352347 B2 JP3352347 B2 JP 3352347B2
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セパレータを改良
したアルカリ二次電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アルカリ二次電池としては、現在、多く
のポータブル機器の電源として用いられているニッケル
カドミウム二次電池、ニッケル水素二次電池などが挙げ
られる。このアルカリ二次電池は、ニッケル正極と負極
(例えば、水素吸蔵合金負極や、カドミウム負極との間
にセパレータを介在して作製された電極群とアルカリ電
解液が容器内に収納された構造を有する。
【0003】前記セパレータとしては、従来、親水性に
優れるポリアミド系樹脂繊維製の不織布が用いられてい
た。この不織布をセパレータとして備えたアルカリ二次
電池は、ポリアミド樹脂が酸化分解されて発生する硝酸
イオン、亜硝酸イオン、アンモニアなどが正極を還元
し、自己放電を起こしやすい傾向がある。このため、耐
酸化性に優れるポリオレフィン系樹脂繊維を含むセパレ
ータが多用されている。このポリオレフィン系樹脂は、
ポリアミド系樹脂に比較して親水性が低いため、親水化
処理によって親水基を付与する必要がある。
【0004】ところで、アルカリ二次電池には、高温雰
囲気で貯蔵された際に内部短絡が生じるという問題点が
ある。内部短絡が生じると、発熱や、内圧上昇、漏液を
生じる恐れがある。
【0005】すなわち、アルカリ二次電池を高温環境下
で貯蔵すると、正極や、負極中に含まれる金属元素がア
ルカリ電解液に溶解し、これがセパレータ中にデンドラ
イト状(樹脂状)に析出し、これを介して正極と負極と
が電気的に接続されるため、内部短絡を生じるものと考
えられる。
【0006】アルカリ二次電池の正極活物質として水酸
化ニッケルが用いられる場合、この活物質の導電性を向
上させるために正極にコバルト化合物が添加される。こ
のコバルト化合物としては、酸化コバルトのようなアル
カリ電解液に溶解しやすいものが用いられる。前記コバ
ルト化合物は、初充電等により酸化され、前記正極中に
より高次のコバルト化合物として存在する。このような
正極を備えた二次電池を長期間に亘り高温で貯蔵する
と、自己放電が進行し、正極中のコバルト化合物がアル
カリ電解液に溶出しやすい電位に達し、アルカリ電解液
中に溶解し、これがセパレータ中に析出するために内部
短絡が生じるものと推測される。
【0007】また、コバルトやマンガンを含有する水素
吸蔵合金を含む負極を備えたニッケル水素二次電池を高
温環境下で貯蔵すると、前記水素吸蔵合金中のコバルト
や、マンガンがアルカリ電解液中に溶出し、セパレータ
中に析出するため、内部短絡が生じるものと考えられ
る。
【0008】一方、特公平5ー87942号公報には、
ポリエチレンなどの合成高分子フィルムにアクリル酸ま
たはメタクリル酸をグラフト共重合したグラフト膜に、
微量の鉄、クロム、ニッケル、銅などが含まれているた
め、このようなグラフト膜をセパレータとして備えたア
ルカリ電池は、内部短絡を生じ、寿命が短いことが記載
されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高温
環境下で保管した際の内部短絡が防止されたアルカリ二
次電池を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、正極と、負極
と、前記正極および前記負極の間に介装されるセパレー
タと、アルカリ電解液とを具備し、前記セパレータは、
不織布と、前記不織布に元素換算で10ppm〜500
ppm付着され、平均粒径が10μm〜30μmで、T
i、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zr、
Mg、Al、Mo及びSiから選ばれる少なくとも1種
の元素の酸化物粒子とを含むことを特徴とするアルカリ
二次電池である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の二次電池をアルカ
リ二次電池を図1を参照して説明する。図1は、このア
ルカリ二次電池の一例(例えば円筒形アルカリ二次電
池)を示す。負極端子を兼ねる有底円筒状の金属製容器
1内には、底面に円板状の絶縁板2が配置されている。
前記容器1内の前記絶縁板2上には、正極3とセパレー
タ4と負極5とを積層してスパイラル状に捲回すること
により作製された電極群6が収納されている。前記負極
5は、前記電極群6の最外周に配置されて前記容器1と
電気的に接触している。アルカリ電解液は、前記容器1
内に収容されている。中央に孔7を有する円形の第1の
封口板8は、前記容器1の上部開口部に配置されてい
る。リング状の絶縁性ガスケット9は、前記封口板8の
周縁と前記容器1の上部開口部内面の間に配置されてい
る。前記封口板8は、前記容器1に前記ガスケット9を
介して前記容器1の上部開口部を内側に縮径するカシメ
加工によって気密に固定されている。正極リード10
は、一端が前記正極3に接続、他端が前記封口板8の下
面に接続されている。帽子形状をなす正極端子11は、
前記封口板8上に前記孔7を覆うように取り付けられて
いる。ゴム製の安全弁12は、前記封口板8と前記正極
端子11で囲まれた空間内に前記孔7を塞ぐように配置
されている。中央に穴を有する絶縁材料からなる円形の
押え板13は、前記正極端子11上に前記正極端子11
の突起部がその押え板13の前記穴から突出されるよう
に配置されている。外装チューブ14は、前記押え板1
2の周縁、前記容器1の側面及び前記容器1の底部周縁
を被覆している。
【0012】次に、前記正極3、負極5、セパレータ4
および電解液について説明する。 1)正極3 この正極3は、水酸化ニッケル粒子及び結着剤を含む正
極材料が集電体に担持されたものから形成される。
【0013】水酸化ニッケル粒子としては、例えば単一
の水酸化ニッケル粒子、または亜鉛および/またはコバ
ルトが金属ニッケルと共沈された水酸化ニッケル粒子を
用いることができる。後者の水酸化ニッケル粒子を含む
正極は、高温状態における充電効率を更に向上すること
が可能になる。
【0014】前記アルカリ蓄電池の充放電効率を向上す
る観点から、前記水酸化ニッケル粒子のX線粉末回折法
による(101)面のピーク半価幅は、0.8゜/2θ
(Cu−Kα)以上にすることが好ましい。より好まし
い水酸化ニッケル粉末の粉末X線回折法による(10
1)面のピークの半価幅は、0.9〜1.0゜/2θ
(Cu−Kα)である。
【0015】前記結着剤としては、例えば、ポリテトラ
フルオロエチレン、カルボキシメチルセルロース、メチ
ルセルロース、ポリアクリル酸塩、ポリビニルアルコー
ルを挙げることができる。
【0016】前記集電体としては、例えばニッケル、ス
テンレス等の金属や、ニッケルメッキが施された樹脂な
どからなるスポンジ状、繊維状、フェルト状の多孔質構
造を有するものを挙げることができる。
【0017】前記正極は、例えば、水酸化ニッケル粒
子、導電助剤、結着剤および水を含むペーストを調製
し、前記ペーストを集電体に充填し、これを乾燥、加圧
成形した後、所望のサイズに切断することにより水酸化
ニッケル粒子及び結着剤を含む正極材料が集電体に担持
された構造の正極を作製する。
【0018】前記導電助剤は、例えば三酸化二コバルト
(Co23 )、コバルト金属(Co)、一酸化コバル
ト(CoO)、水酸化コバルト{Co(OH)2 }等か
ら形成することができる。
【0019】2)負極5 この負極5は、負極活物質および結着剤を含む負極材料
が集電体に担持されたものから形成される。
【0020】前記負極活物質としては、例えば金属カド
ミウム、水酸化カドミウムなどのカドミウム化合物、水
素等を挙げることができる。水素のホスト・マトリック
スとしては、例えば、水素吸蔵合金を挙げることができ
る。
【0021】中でも、前記水素吸蔵合金は、前記カドミ
ウム化合物を用いた場合よりも二次電池の容量を向上で
きるため、好ましい。前記水素吸蔵合金は、格別制限さ
れるものではなく、電解液中で電気化学的に発生させた
水素を吸蔵でき、かつ放電時にその吸蔵水素を容易に放
出できるものであればよい。例えば、LaNi5 、Mm
Ni5 (Mmはミッシュメタル)、LmNi5 (Lmは
Laを含む希土類元素から選ばれる少なくとも一種)、
これら合金のNiの一部をAl、Mn、Co、Ti、C
u、Zn、Zr、Cr、Bのような元素で置換した多元
素系のもの、ABx (ただし、AはTi及び/またはZ
rであり、BはNi、Mn、V、Co、Cr、Al、F
e、Cu、Mo、La、Ce、Pr及びNdから選ばれ
た1種以上の元素であり、原子比xは1.8≦x≦2.
5を示す)で表されるものを挙げることができる。特
に、一般式LmNiw Cox Mny Alz (原子比w,
x,y,zの合計値は5.00≦w+x+y+z≦5.
50である)で表される組成の水素吸蔵合金は充放電サ
イクルの進行に伴う微粉化を抑制して充放電サイクル寿
命を向上できるために好適である。
【0022】前記結着剤としては、例えばポリアクリル
酸ソーダ、ポリアクリル酸カリウムなどのポリアクリル
酸塩、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの
フッ素系樹脂、またはカルボキシメチルセルロース(C
MC)等を挙げることができる。
【0023】前記集電体としては、例えばパンチドメタ
ル、エキスパンデッドメタル、穿孔剛板、ニッケルネッ
トなどの二次元基板や、フェルト状金属多孔体や、スポ
ンジ状金属多孔体などの三次元基板を挙げることができ
る。
【0024】この負極5は、例えば、前記負極活物質、
前記導電材及び前記結着剤を水と共に混練してペースト
を調製し、前記ペーストを前記導電性基板に充填し、乾
燥した後、成形することにより製造される。
【0025】前記導電材としては、例えばカーボンブラ
ック、黒鉛等を挙げることができる。 3)セパレータ4 このセパレータ4は、遷移金属元素、Mg、Al、Mo
及びSiから選ばれる少なくとも1種の元素及び/また
はその化合物を元素換算で10ppm〜500ppm含
有するシートから形成される。前記遷移金属元素として
は、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu等
を挙げることができる。
【0026】前記シートとしては、不織布や、織布を挙
げることができる。前記不織布の製造方法は、特に限定
されるものではなく、例えば、乾式法、湿式法、スパン
ボンド法、メルトブロー法を採用することができる。前
記シートを構成する繊維としては、ナイロン繊維のよう
なポリアミド系繊維、ポリオレフィン系繊維等を挙げる
ことができる。かかるポリオレフィン系繊維としては、
ポリオレフィン単一繊維、ポリオレフィン繊維からなる
芯材表面に前記ポリオレフィン繊維とは異なるポリオレ
フィン繊維が被覆された芯鞘構造の複合繊維、互いに異
なるポリオレフィン繊維同士が円形に接合された分割構
造の複合繊維等を挙げることができる。前記ポリオレフ
ィンとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレンな
どを挙げることができる。特に、自己放電特性を改善す
る観点から、前記シートを構成する繊維としてはポリオ
レフィン系繊維が好ましい。
【0027】前記ポリオレフィン系繊維は、例えばOH
基、COOH基、SO3 H基のようなイオン交換基を有
すると良い。前記イオン交換基は、例えば、界面活性剤
の塗布などにより形成することができる。
【0028】前記シートを構成する繊維の平均直径は、
0.1〜15μmにすることが好ましい。このような平
均直径を有する繊維から形成された不織布は、緻密であ
るため、高温保管時及び組み立て時の内部短絡発生率を
低減するという点で有利である。
【0029】前記セパレータに含有される前述した元素
や、化合物は、アルカリ二次電池の充放電反応に支障を
きたすような副反応を生じ難いものである。前述した元
素の化合物は、金属酸化物、有機金属化合物、有機酸塩
の形態で前記正極中に存在していると良い。前述した元
素や、化合物の中でも、Fe、Fe23 、Al2
3 、SiO2 、TiO2 、ZrO2 が好ましい。
【0030】前記セパレータ中の元素含有量を前記範囲
に限定するのは次のような理由によるものである。前記
含有量を10ppm未満にすると、正極や、負極中の金
属元素が析出する際に核となる部分がセパレータ中に少
ないため、この核となる部分に前記金属元素の析出が集
中して起こり、デンドライト状の大きな結晶が生成し、
内部短絡発生率が高くなる。一方、前記含有量が500
ppmを越えると、前記セパレータ中に析出した金属
と、予め前記セパレータ中に含有された元素や、化合物
との間で導電パスが形成されやすくなるため、正極と負
極とが電気的に接続される確率が高くなり、内部短絡発
生率が高くなる。より好ましい含有量は、50〜300
ppmの範囲である。
【0031】前記セパレータは、例えば以下の(1)、
(2)の方法によって作製することができる。 (1)ポリオレフィン系繊維を含む不織布の両面に親水
性高分子及び遷移金属元素、Mg、Al、Mo及びSi
から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する粒子を含
む溶液を塗布することによって、表面に前記元素を含有
する粒子が元素換算で10〜500ppm付着されたセ
パレータを作製する。
【0032】前記親水性高分子としては、例えば、界面
活性剤(例えば、ポリビニルアルコール、ポリアクリル
アミド、ポリエチレングリコール)、親水性粘着剤(例
えばポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース、ポ
リエチレンオキシド)を挙げることができる。
【0033】前記元素を含有する粒子は、遷移金属元
素、Mg、Al、Mo及びSiから選ばれる1種以上か
らなる金属、前記金属の酸化物、前記金属の有機化合
物、前記金属の有機酸塩等から形成することができる。
特に、Fe23 粒子、SiO2粒子、TiO2 粒子が
好ましい。前記元素を含有する粒子には、前述した種類
の中から選ばれる1種類、または2種類以上を用いるこ
とができる。
【0034】前記粒子の平均粒径は、10μm〜30μ
mの範囲にすることが好ましい。なお、平均粒径は、レ
ーザー回折法によって求めることができる。これは次の
ような理由によるものである。前記平均粒径を10μm
未満にすると、正極や、負極中の金属元素が析出する
際、核となる部分の粒子が小さいために析出が起こりに
くく、極部的に析出が生じやすくなるため、短絡発生率
が高くなる恐れがある。一方、前記平均粒径が30μm
を越えると、金属元素の析出によって導電パスが形成さ
れやすくなるため、正極と負極とが電気的に接続される
確率、つまり、短絡発生率が高くなる恐れがある。
【0035】(2)セパレータの原料モノマーと前記元
素を含有する粒子を混合し、これをシート状に成形する
ことにより前記セパレータを作製する。特に、析出箇所
を分散させ、結晶の大きさを小さくする観点から、前記
セパレータは、前述した(1)の方法で作製すると良
い。
【0036】4)アルカリ電解液 前記アルカリ電解液としては、例えば、水酸化ナトリウ
ム(NaOH)の水溶液、水酸化リチウム(LiOH)
の水溶液、水酸化カリウム(KOH)の水溶液、NaO
HとLiOHの混合液、KOHとLiOHの混合液、K
OHとLiOHとNaOHの混合液等を用いることがで
きる。
【0037】以上説明した本発明に係るアルカリ二次電
池は、遷移金属元素、Mg、Al、Mo及びSiから選
ばれる少なくとも1種の元素及び/またはその化合物を
元素換算で10ppm〜500ppm含有するセパレー
タを備える。このような二次電池においては、高温環境
下で保管され、正極や負極中の金属元素(たとえばM
n、Co)がアルカリ電解液に溶出し、前記金属元素が
酸化や、還元によって前記セパレータ中に析出する際
に、前記セパレータ中の前記元素または化合物を核とし
て結晶が成長する。この核となる部分が前記セパレータ
中には適度な割合で存在するため、析出箇所を分散させ
ることができる。その結果、前記セパレータ中に生成す
る結晶の大きさを小さくすることができ、正極及び負極
に到達するようなデンドライト状の大きな結晶に成長す
るのを防止することができる。また、前記二次電池は、
前記セパレータ中に生成した結晶と、前記セパレータに
予め含有されている元素または化合物との間で導電パス
が形成されるのを防止することができる。従って、前記
二次電池は、高温環境下で保管した際の内部短絡が生じ
るのを抑制ないし回避することができ、高温保管特性を
改善することができる。
【0038】前述した図1においては、有底円筒形容器
を備える円筒形アルカリ二次電池に適用したが、本発明
は有底矩形筒形容器を備える角形アルカリ二次電池にも
同様に適用することができる。
【0039】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細
に説明する。 (実施例1〜4) <セパレータの作製>ポリプロピレン樹脂及びポリエチ
レン樹脂を用いて湿式法により目付け量が50g/m2
で、厚さが0.20mmの不織布を作製した。ポリアク
リル酸の0.5%水溶液に粒径が15μmのFe23
粒子を分散させ、これを前記不織布の両面に塗布するこ
とによって、表面にFe23 粒子が付着され、この粒
子の含有量がFe元素換算で下記表1に示すような量で
ある7種類のセパレータを作製した。
【0040】各セパレータから下記に説明する方法でニ
ッケル水素二次電池を組み立てた。 <水酸化ニッケル正極の作製>水酸化ニッケル粉末90
重量部に対して、導電助剤として酸化コバルト粉末を1
0重量部を加え、結着剤(カルボキシメチルセルロース
0.3重量部及びポリテトラフルオロエチレンのディス
パージョンを固形分にして0.5重量部)を添加し、4
5重量部の水と共に混練してペースト状のニッケル合剤
を調製した。前記ニッケル合剤をニッケルメッキ金属多
孔体(耐アルカリ性金属多孔体)に充填後、乾燥、成形
してペースト式ニッケル正極を作製した。
【0041】<負極の作製>LmNi4.0 Co0.4 Mn
0.3 Al0.3 (Lmはランタン富化したミッシュメタ
ル)の組成からなる水素吸蔵合金粉末100重量部に、
カーボン粉末1.0重量部及び結着剤{ポリテトラフル
オロエチレンのディスパージョン(比重1.5、固形分
60重量%)を固形分にして2.5重量部、カルボキシ
メチルセルロース0.125重量部及びポリアクリル酸
ナトリウム0.5重量部}を添加し、水50重量部と共
に混合することによって、ペーストを調製した。このペ
ーストをパンチドメタルに塗布、乾燥した後、加圧成形
することによって水素吸蔵合金負極を作製した。
【0042】前記正極と前記負極との間に前記セパレー
タを介装し、前記負極が最外周に位置するように渦巻状
に捲回して電極群を作製した。AAサイズの容器内に前
記電極群を収納した後、7NのKOHおよび1NのLi
OHからなるアルカリ電解液を注入し、封口することに
より前述した図1に示す構造を有するAAサイズ(公称
容量(理論容量);1300mAh)の円筒形ニッケル
水素二次電池を30個組み立てた。
【0043】得られた実施例1〜4及び比較例1〜3の
二次電池それぞれ30個ずつについて、1Cで150%
充電し、1Cで電池電圧が1.0Vに達するまで放電す
る充放電サイクルを3サイクル繰り返した。次いで、1
Cで150%まで充電し、60℃の高温槽に保管し、1
カ月後と3カ月後に、内部短絡により電池電圧が低下し
た電池の個数を調べ、その結果を下記表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】表1から明らかなように、Fe23 をF
e元素換算で10〜500ppm含有するセパレータを
備えた実施例1〜4の二次電池は、60℃の高温で3カ
月間保管した際の内部短絡発生率を低減できることがわ
かる。これに対し、Fe23 の含有量が前記範囲を外
れるセパレータを備えた比較例1〜3の二次電池は、内
部短絡発生率が高いことがわかる。 (実施例5) <セパレータの作製>ポリプロピレン樹脂及びポリエチ
レン樹脂を用いて湿式法により目付け量が50g/m2
で、厚さが0.20mmの不織布を作製した。ポリアク
リル酸の0.5%水溶液に粒径が20μmのSiO2
子を分散させ、これを前記不織布の両面に塗布すること
によって、表面にSiO2 粒子が付着され、この粒子の
含有量がSi元素換算で150ppmであるセパレータ
を作製した。
【0046】得られたセパレータを用いて実施例1〜4
で説明したのと同様にして円筒形ニッケル水素二次電池
を30個組み立てた。得られた実施例5の二次電池30
個について、1Cで150%充電し、1Cで電池電圧が
1.0Vに達するまで放電する充放電サイクルを3サイ
クル繰り返した。次いで、1Cで150%まで充電し、
60℃の高温槽に保管し、1カ月後と3カ月後に、内部
短絡により電池電圧が低下した電池の個数を調べたとこ
ろ、内部短絡が生じた電池の個数は、1か月後が0個
で、3か月後が0個であった。 (実施例6) <セパレータの作製>ポリプロピレン樹脂及びポリエチ
レン樹脂を用いて湿式法により目付け量が50g/m2
で、厚さが0.20mmの不織布を作製した。ポリアク
リル酸の0.5%水溶液に粒径が25μmのTiO2
子を分散させ、これを前記不織布の両面に塗布すること
によって、表面にTiO2 粒子が付着され、この粒子の
含有量がTi元素換算で150ppmであるセパレータ
を作製した。
【0047】得られたセパレータを用いて実施例1〜4
で説明したのと同様にして円筒形ニッケル水素二次電池
を30個組み立てた。得られた実施例6の二次電池30
個について、1Cで150%充電し、1Cで電池電圧が
1.0Vに達するまで放電する充放電サイクルを3サイ
クル繰り返した。次いで、1Cで150%まで充電し、
60℃の高温槽に保管し、1カ月後と3カ月後に、内部
短絡により電池電圧が低下した電池の個数を調べたとこ
ろ、内部短絡が生じた電池の個数は、1か月後が0個
で、3か月後が0個であった。 (実施例7) <セパレータの作製>ポリプロピレン樹脂及びポリエチ
レン樹脂を用いて湿式法により目付け量が50g/m2
で、厚さが0.20mmの不織布を作製した。ポリアク
リル酸の0.5%水溶液に粒径が15μmのAl23
粒子を分散させ、これを前記不織布の両面に塗布するこ
とによって、表面にAl23 粒子が付着され、この粒
子の含有量がAl元素換算で150ppmであるセパレ
ータを作製した。
【0048】得られたセパレータを用いて実施例1〜4
で説明したのと同様にして円筒形ニッケル水素二次電池
を30個組み立てた。得られた実施例7の二次電池30
個について、1Cで150%充電し、1Cで電池電圧が
1.0Vに達するまで放電する充放電サイクルを3サイ
クル繰り返した。次いで、1Cで150%まで充電し、
60℃の高温槽に保管し、1カ月後と3カ月後に、内部
短絡により電池電圧が低下した電池の個数を調べたとこ
ろ、内部短絡が生じた電池の個数は、1か月後が0個
で、3か月後が2個であった。
【0049】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、高
温環境下で保管した際の内部短絡発生率を低減すること
ができ、高温時における貯蔵特性が改善されたアルカリ
二次電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアルカリ二次電池の一例(円筒形
アルカリ二次電池)を示す部分切欠斜視図。
【符号の説明】
1…容器、3…正極、4…セパレータ、5…負極、6…
電極群、8…封口板。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 2/16 H01M 10/24

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極と、負極と、前記正極および前記負
    極の間に介装されるセパレータと、アルカリ電解液とを
    具備し、 前記セパレータは、不織布と、前記不織布に元素換算で
    10ppm〜500ppm付着され、平均粒径が10μ
    m〜30μmで、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、
    Ni、Cu、Zr、Mg、Al、Mo及びSiから選ば
    れる少なくとも1種の元素の酸化物粒子とを含むことを
    特徴とするアルカリ二次電池。
  2. 【請求項2】 前記酸化物粒子は、Fe 2 3 粒子、Si
    2 粒子及びZrO 2 粒子よりなる群から選択される少な
    くとも1種類の粒子であることを特徴とする請求項1記
    載のアルカリ二次電池。
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