JPH1197006A - アルカリ蓄電池用正極 - Google Patents

アルカリ蓄電池用正極

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JPH1197006A
JPH1197006A JP9255265A JP25526597A JPH1197006A JP H1197006 A JPH1197006 A JP H1197006A JP 9255265 A JP9255265 A JP 9255265A JP 25526597 A JP25526597 A JP 25526597A JP H1197006 A JPH1197006 A JP H1197006A
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JP
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positive electrode
particles
storage battery
nickel hydroxide
cobalt
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JP9255265A
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Makoto Wakabayashi
誠 若林
Tetsuya Yamane
哲哉 山根
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FDK Twicell Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Battery Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導電マトリックスの形成を容易に行うことが
でき、高温環境下における充電効率が向上され、サイク
ル寿命が長いアルカリ蓄電池用正極を提供することを目
的とする。 【解決手段】 水酸化ニッケルを主成分とする粒子を含
むアルカリ蓄電池用正極であって、前記粒子は、表面の
少なくとも一部にコバルト化合物とイットリウムの混晶
物が存在していることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水酸化ニッケルを
活物質として含むアルカリ蓄電池用正極に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、高容量タイプのアルカリ蓄電池の
正極には、主に、水酸化ニッケル粒子に導電剤、結着剤
及び水を添加、混合してペーストを調製し、このペース
トをスポンジ状金属多孔体、金属繊維マットのような三
次元構造の導電性芯体に充填することにより製造される
ペースト式正極が使用されている。このペースト式正極
は、前記導電性芯体の多孔度及び平均粒径が焼結式正極
に比べて大きいために活物質の充填が容易で、かつ充填
量を増加させることができるという利点を有する。
【0003】ところで、近年、携帯型コンピュータに使
用されるCPUの高速化が進んできており、それに伴い
CPUの発熱量が増大するため、これの近隣に存在する
アルカリ畜電池は常温よりもかなり高い温度環境下にさ
らされることとなる。
【0004】高温環境下でアルカリ蓄電池の性能を十分
に引き出すためには、ペースト式正極における良好な導
電マトリックスの確保と高温環境下での充放電効率の向
上が必要である。
【0005】導電マトリックスは、通常、前記導電剤と
してコバルトもしくはコバルト化合物を用い、このコバ
ルトもしくはコバルト化合物を例えば初充電等でオキシ
水酸化コバルトのような高次コバルト酸化物に変換する
ことによって形成される。しかしながら、前記導電剤を
活物質とは別に添加するという方法であると、導電剤の
分散性に問題が残る。一方、特開昭56−59460号
公報には、表面がコバルト化合物で被覆された水酸化ニ
ッケル粒子が開示されている。このような水酸化ニッケ
ル粒子を用いると、導電マトリックスを均一に形成する
ことが容易になる。また、特開平6−103973号公
報には、ペースト式正極中にY23 粉末を添加するこ
とにより充電効率を改善することが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、導電マトリ
ックスの形成を容易に行うことができ、高温環境下にお
ける充電効率が向上され、サイクル寿命が長いアルカリ
蓄電池用正極を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によると、水酸化
ニッケルを主成分とする粒子を含むアルカリ蓄電池用正
極であって、前記粒子は、表面の少なくとも一部にコバ
ルト化合物とイットリウムの混晶物が存在していること
を特徴とするアルカリ蓄電池用正極が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るアルカリ蓄電
池用正極を詳細に説明する。この正極は、水酸化ニッケ
ルを主成分とする粒子を含む合剤が導電性基板に保持さ
れた構造を有し、前記粒子の表面の少なくとも一部にコ
バルト化合物とイットリウム(Y)の混晶物が存在して
いることを特徴とするものである。
【0009】前記コバルト化合物としては、水酸化コバ
ルト、一酸化コバルト等が挙げられる。前記粒子中のコ
バルト化合物の含有量は、金属換算で水酸化ニッケルを
主成分とする粒子に対して0.5〜10重量%の範囲に
することが好ましい。前記含有量のより好ましい範囲
は、2.0〜5.0の重量%である。
【0010】前記粒子中のイットリウムの含有量は、金
属換算で水酸化ニッケルを主成分とする粒子に対して
0.1〜10.0重量%の範囲にすることが好ましい。
このような粒子を含む正極が組み込まれたアルカリ蓄電
池は、高温環境下において放電容量などの性能が低下す
るのを抑制することができる。前記含有量のより好まし
い範囲は、0.2〜5.0の重量%である。
【0011】前記水酸化ニッケルは、粉末X線回折(C
u−Kα、2θ)の(101)面におけるピークの半価
幅(FWHM)が0.8deg 以上であることが望まし
い。前記水酸化ニッケルがこのような半価幅を有するも
のであることによって、正極の高温での充電効率及びサ
イクル寿命を更に向上することができる。前記半価幅の
より好ましい範囲は、0.9〜1.1deg である。
【0012】前記粒子は、亜鉛、コバルト及びイットリ
ウムから選ばれる少なくとも1種の元素を含むことが好
ましい。このような元素を含有することによって、正極
の高温での充電効率及びアルカリ蓄電池のサイクル寿命
をより一層向上することができる。特に、前記元素と水
酸化ニッケルとが固溶体を形成していることが好まし
い。
【0013】前記粒子の亜鉛、コバルト及びイットリウ
ムの含有量は、金属換算で水酸化ニッケルを主成分とす
る粒子に対して0.1〜10.0重量%の範囲にするこ
とが好ましい。このような粒子を含む正極が組み込まれ
たアルカリ蓄電池は、高温環境下において放電容量など
の性能が低下するのを抑制することができる。前記含有
量のより好ましい範囲は、0.5〜8.0の重量%であ
る。
【0014】前記粒子は、平均粒径が5〜30μm、タ
ップ密度が1.8g/cm3 以上であることが好まし
い。前記粒子は、比表面積が25m2 /g以下であるこ
とが好ましい。
【0015】前記粒子は、例えば、以下に説明する方法
で作製することができる。まず、金属ニッケルと、コバ
ルト、亜鉛及びイットリウムから選ばれる少なくとも1
種の金属とを硫酸水溶液に溶解させ、ニッケル錯イオン
及び添加金属の錯イオンを生成させた後、アンモニアを
添加する。得られた溶液を水酸化ナトリウム水溶液に滴
下することによりコバルト、亜鉛及びイットリウムから
選ばれる少なくとも1種が固溶された水酸化ニッケル粒
子を成長させる。得られた水酸化ニッケル粒子を弱塩基
領域にpHをコントロールしたアルカリ水溶液中に浸積
する。一方、コバルトとイットリウムを硫酸中に溶解
し、コバルト錯イオン及びイットリウム錯イオンを含む
水溶液を調製する。前記水酸化ニッケル含有アルカリ溶
液中に、前記コバルトとイットリウム混合溶液を徐々に
滴下し、対流させつつ、水酸化ニッケル粒子表面に析出
させ、水酸化コバルト及びイットリウムの混晶物で表面
の少なくとも一部が被覆された水酸化ニッケルを主成分
とする粒子を作製することができる。このような方法に
より得られた粒子に存在する混晶物の結晶構造は、水酸
化コバルト中のコバルト原子がイットリウム原子で置換
された形態をなしている。
【0016】前記正極は、例えば、前記粒子及び結着剤
を水の存在下で混練してペーストを調製し、前記ペース
トを前記導電性基板に充填した後、乾燥し、圧延成形を
施すことにより製造される。
【0017】前記結着剤としては、例えばフッ素樹脂
(例えば、ポリテトラフルオロエチレン)、カルボキシ
メチルセルロース、メチルセルロース、ポリアクリル酸
塩(例えば、ポリアクリル酸ナトリウム)、ヒドロキシ
メチルセルロース、ポリビニルアルコールを挙げること
ができる。
【0018】前記導電性基板としては、例えば、スポン
ジ状多孔体、金属繊維マット、パンチドメタル、金属平
板などを挙げることができる。以下、本発明に係わる正
極が組み込まれるアルカリ蓄電池を図1を参照して詳細
に説明する。
【0019】有底円筒状の容器1内には、前述した構成
の正極2とセパレータ3と負極4とを積層してスパイラ
ル状に捲回することにより作製された電極群5が収納さ
れている。前記負極4は、前記電極群5の最外周に配置
されて前記容器1と電気的に接触している。アルカリ電
解液は、前記容器1内に収容されている。中央に孔6を
有する円形の第1の封口板7は、前記容器1の上部開口
部に配置されている。リング状の絶縁性ガスケット8
は、前記封口板7の周縁と前記容器1の上部開口部内面
の間に配置され、前記上部開口部を内側に縮径するカシ
メ加工により前記容器1に前記封口板7を前記ガスケッ
ト8を介して気密に固定している。正極リード9は、一
端が前記正極2に接続、他端が前記封口板7の下面に接
続されている。帽子形状をなす正極端子10は、前記封
口板7上に前記孔6を覆うように取り付けられている。
ゴム製の安全弁11は、前記封口板7と前記正極端子1
0で囲まれた空間内に前記孔6を塞ぐように配置されて
いる。中央に穴を有する絶縁材料からなる円形の押え板
12は、前記正極端子10上に前記正極端子10の突起
部がその押え板12の前記穴から突出されるように配置
されている。外装チューブ13は、前記押え板12の周
縁、前記容器1の側面及び前記容器1の底部周縁を被覆
している。
【0020】以下、前記負極4、セパレータ3およびア
ルカリ電解液について詳細に説明する。 1)負極4 この負極4は、負極活物質、導電材、結着剤および水と
共に混練してペーストを調製し、前記ペーストを導電性
基板に充填し、乾燥した後、成形することにより製造さ
れる。
【0021】前記負極活物質としては、例えば金属カド
ミウム、水酸化カドミウムなどのカドミウム化合物、水
素等を挙げることができる。水素のホスト・マトリック
スとしては、例えば、水素吸蔵合金を挙げることができ
る。
【0022】中でも、前記水素吸蔵合金は、前記カドミ
ウム化合物を用いた場合よりも蓄電池の容量を向上でき
るため、好ましい。前記水素吸蔵合金は、格別制限され
るものではなく、電解液中で電気化学的に発生させた水
素を吸蔵でき、かつ放電時にその吸蔵水素を容易に放出
できるものであればよい。例えば、LaNi5 、MmN
5 (Mmはミッシュメタル)、LmNi5 (LmはL
aを含む希土類元素から選ばれる少なくとも一種)、こ
れら合金のNiの一部をAl、Mn、Co、Ti、C
u、Zn、Zr、Cr、Bのような元素で置換した多元
素系のもの、またはTiNi系、TiFe系のものを挙
げることができる。特に、一般式LmNiw Cox Mn
y Alz (原子比w,x,y,zの合計値は5.00≦
w+x+y+z≦5.50である)で表される組成の水
素吸蔵合金は充放電サイクルの進行に伴う微粉化を抑制
して充放電サイクル寿命を向上できるための好適であ
る。
【0023】前記導電材としては、例えばカーボンブラ
ック、黒鉛等を挙げることができる。前記結着剤として
は、例えばポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリル酸カリ
ウムなどのポリアクリル酸塩、ポリテトラフルオロエチ
レン(PTFE)などのフッ素系樹脂、またはカルボキ
シメチルセルロース(CMC)等を挙げることができ
る。
【0024】前記導電性基板としては、例えばパンチド
メタル、エキスパンデッドメタル、穿孔剛板、ニッケル
ネットなどの二次元基板や、フェルト状金属多孔体や、
スポンジ状金属多孔体などの三次元基板を挙げることが
できる。
【0025】前記負極の理論容量は、前記正極の理論容
量に対して1.1〜1.6倍の範囲であると良い。 3)セパレータ3 このセパレータ3としては、例えば、ポリアミド繊維製
不織布、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレ
フィン繊維製不織布に親水性官能基を付与したものを挙
げることができる。
【0026】4)アルカリ電解液 前記アルカリ電解液としては、例えば、水酸化ナトリウ
ム(NaOH)、水酸化リチウム(LiOH)、水酸化
カリウム(KOH)、水酸化セシウム(CsOH)及び
水酸化ルビジウムのうち少なくとも2種以上を含む水溶
液を挙げることができる。
【0027】前記アルカリ電解液量と前記正極の理論容
量との比率は、0.6〜2.0cm3 /Ahの範囲にす
ることが好ましい。なお、前述した図1では負極4およ
び正極2の間にセパレータ3を介在して渦巻状に捲回
し、有底円筒状の容器1内に収納したが、複数の負極お
よび複数の正極の間にセパレータをそれぞれ介在して積
層物とし、この積層物を有底矩形筒状の容器内に収納し
てもよい。
【0028】以上詳述したように本発明に係るアルカリ
蓄電池用正極によれば、好ましい形態を持つ導電マトリ
ックスが形成され、かつ高温での充電効率が高い正極を
備え、サイクル寿命に優れるアルカリ蓄電池を提供する
ことができる。
【0029】
【実施例】以下、本発明の好ましい実施例を詳細に説明
する。 (実施例1) <正極の作製>まず、金属ニッケル(Ni)、亜鉛(Z
n)を硫酸水溶液に溶解させてニッケルと亜鉛の錯イオ
ンを含む溶液を調製した。続いて、得られた溶液を水酸
化ナトリウム水溶液に滴下し、この中和過程において前
記水酸化ナトリウム水溶液に対流を起こさせて水酸化ニ
ッケル結晶を徐々に成長させ、かつ反応系の温度及びp
Hをコントロールすることにより亜鉛と水酸化ニッケル
が固溶された粒子を作製した。
【0030】得られた粒子中の水酸化ニッケルの粉末X
線回折(Cu−Kα、2θ)における(101)面のピ
ークの半価幅は、0.8degであった。また、前記粒
子中の亜鉛の含有量は、金属換算で5重量%であった。
前記水酸化ニッケル粒子は、形状が球状で、平均粒径が
10μm、タップ密度が2.2g/cm3 であった。
【0031】なお、前記半価幅は、島津製作所の商品名
がXD−3Aの粉末X線回折分析装置(管球はCu・K
α)を用いて粉末X線回折(2θ)における回折図(例
えば、図2に示す)を得て、この回折図の(101)面
に相当する38.7deg付近のピークの半価幅を測定
することによって算出した。前記平均粒径は得られた水
酸化ニッケル粒子をレーザ法により粒度分布を測定し、
その累積の50%から求めた。前記タップ密度は、SEIS
HIN CO,LTDの商品名;SEISHIN TAPDENSER KYT3000を使
用し、その容器(容量;20cm3 )内に得られた水酸
化ニッケル粒子を充填した後、200回のタッピングを
行って測定することにより求めた。
【0032】次いで、コバルトとイットリウムを硫酸中
に溶解させ、錯イオンを含む水溶液を調製した。一方、
pHを12にコントロールした水溶液中に前記水酸化ニ
ッケル粒子を浸した。この水酸化ニッケル含有アルカリ
水溶液中に、前記コバルトとイットリウムの混合溶液を
徐々に滴下し、対流させつつ、前記水酸化ニッケル粒子
表面に水酸化コバルトとイットリウムを混晶した状態で
析出させ、表面が前記混晶物の層で被覆され、亜鉛を含
有する複合水酸化ニッケル粒子を作製した。得られた複
合粒子の水酸化コバルト含有量は、金属換算で、コバル
ト層形成前の水酸化ニッケル粒子に対して5重量%であ
った。また、前記複合粒子のイットリウム含有量は、金
属換算で、コバルト層形成前の水酸化ニッケル粒子に対
して3重量%であった。
【0033】次いで、得られた複合水酸化ニッケル粒子
100重量部に、結着剤(カルボキシルメチルセルロー
ス、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン))を1.
0重量部添加し、純水と共に混練することによりペース
トを調製した。このペーストを多孔度96%、平均孔径
200μmのニッケルメッキ金属多孔体に充填した後、
乾燥し、所定の厚さにプレスすることによりペースト式
ニッケル正極を作製した。 <負極の作製>市販のMm(ミッシュ・メタル;希土類
元素の混合物)、Ni、Co、Mn、Alを重量比でそ
れぞれ4.0:0.4:0.3:0.3の割合になるよ
うに秤量した後、高周波溶解炉で溶解し、その溶湯を冷
却することによりMmNi4.0Co0.4 Mn0.3 Al0.3
の組成からなる合金インゴットを作製した。つづい
て、前記合金インゴットを機械粉砕し、篩分けすること
により粒径50μm以下の水素吸蔵合金粉末とした。ひ
きつづき、この水素吸蔵合金粉末97重量%に結着剤
(カルボキシメチルセルロース、カーボン、PTFE)
を3重量%と、水を加えてペーストを調製した。その
後、前記ペーストをパンチドメタルに塗布し、乾燥し、
成形することにより負極を作製した。
【0034】得られた正極および負極の間に親水処理し
たポリプロピレン不織布からなるセパレータを配置し、
渦巻状の電極群を作製した。前記電極群を金属容器に収
納した後、7Nの水酸化カリウムおよび0.5Nの水酸
化リチウムからなるアルカリ電解液を前記容器内に収容
し、金属蓋体等の各部材を用い、AAサイズで、理論容
量が1300mAhの円筒形ニッケル水素蓄電池を組み
立てた。 (比較例1)以下に説明するような正極を用いること以
外は、実施例1と同様なアルカリ蓄電池を組み立てた。
【0035】まず、実施例1と同様な亜鉛と水酸化ニッ
ケルの固溶体粒子の表面に水酸化コバルト層が形成され
たものを用意した。この粒子の水酸化コバルトの含有量
は、金属換算で、コバルト層形成前の固溶体粒子に対し
て5重量%であった。
【0036】次いで、得られた水酸化ニッケル粒子に対
して金属換算でYが3wt%になるようにY23 粉末
を加え、その混合粉末に結着剤(カルボキシルメチルセ
ルロース、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン))
を1.0重量部添加し、純水と共に混練することにより
ペーストを調製した。このペーストを実施例1と同様な
ニッケルメッキ金属多孔体に充填した後、乾燥し、所定
の厚さにプレスすることによりペースト式ニッケル正極
を作製した。 (比較例2)以下に説明するような正極を用いること以
外は、実施例1と同様なアルカリ蓄電池を組み立てた。
【0037】まず、表面が水酸化コバルト層で被覆さ
れ、かつ水酸化ニッケルにイットリウム及び亜鉛がそれ
ぞれ固溶された粒子を用意した。この粒子中の水酸化ニ
ッケルの粉末X線回折(Cu−Kα、2θ)における
(101)面のピークの半価幅は、0.8degであっ
た。また、前記粒子中のイットリウムの含有量は、金属
換算で3重量%であった。前記粒子中の亜鉛の含有量
は、金属換算で5重量%であった。さらに、前記粒子の
水酸化コバルトの含有量は、金属換算で、コバルト層形
成前の固溶体粒子に対して5重量%であった。前記粒子
は、形状が球状で、平均粒径が10μm、タップ密度が
2.2g/cm3 であった。
【0038】次いで、得られた水酸化ニッケル粒子10
0重量部に、結着剤(カルボキシルメチルセルロース、
PTFE(ポリテトラフルオロエチレン))を1.0重
量部添加し、純水と共に混練することによりペーストを
調製した。このペーストを実施例1と同様なニッケルメ
ッキ金属多孔体に充填した後、乾燥し、所定の厚さにプ
レスすることによりペースト式ニッケル正極を作製し
た。
【0039】得られた実施例1および比較例1〜2の蓄
電池について、25℃、15時間のエージングを行い、
0.1CmAの電気量で15時間充電し、30分間の休
止をおいて1.0CmA/1.0Vのカットの放電して
初充放電を行った。
【0040】初充放電が施された実施例1および比較例
1〜2の蓄電池を25℃下で0.5CmAの電流で12
0%の深度まで充電し、1.0CmA/1.0Vのカッ
トの放電を行った。この時の放電容量を25℃の基準容
量とした。その後、60℃において25℃の場合と同様
な条件で充放電を行い、その放電容量の基準容量に対す
る比率を求め、これを60℃における充電効率とした。
その結果を図3に示す。また、基準容量を正極の理論容
量(正極の重量から算出する)で割った数値を利用率と
し、その結果を図4に示す。
【0041】さらに、実施例1および比較例1〜2の蓄
電池について、1C(−dV)充電を行った後、1Cで
放電する充放電サイクルを行い、放電容量が1サイクル
目の放電容量の60%に達するまでのサイクル数を測定
し、その結果を図5に示す。
【0042】図3〜図5から明らかなように、表面に水
酸化コバルト及びイットリウムの混晶物が存在する水酸
化ニッケルと亜鉛の固溶体粒子を含む正極を備えた実施
例1の蓄電池は、利用率、正極の高温での充電効率及び
サイクル寿命を向上できることがわかる。
【0043】これに対し、イットリウムを粉末の形態で
添加した正極を備えた比較例1の蓄電池と、水酸化ニッ
ケルにイットリウムを固溶させた正極を備えた比較例2
の蓄電池は、実施例1に比べて利用率、正極の高温での
充電効率及びサイクル寿命のいずれかが低いことがわか
る。 (実施例2)水酸化ニッケルの粉末X線回折(Cu−K
α、2θ)における(101)面のピークの半価幅を
0.5degにすること以外は、実施例1と同様なニッ
ケル水素蓄電池を組み立てた。 (実施例3)水酸化ニッケルの粉末X線回折(Cu−K
α、2θ)における(101)面のピークの半価幅を
0.7degにすること以外は、実施例1と同様なニッ
ケル水素蓄電池を組み立てた。 (実施例4)水酸化ニッケルの粉末X線回折(Cu−K
α、2θ)における(101)面のピークの半価幅を
1.1degにすること以外は、実施例1と同様なニッ
ケル水素蓄電池を組み立てた。
【0044】得られた実施例2〜4の蓄電池について、
前述したのと同様な条件で初充放電を施した。次いで、
これら蓄電池について、前述したのと同様にして60℃
における充電効率、利用率及びサイクル寿命を測定し、
充電効率を図6に、利用率を図7に、サイクル寿命を図
8に示す。
【0045】本実施例では以上のような結果が得られた
が、実施例のみにとらわれず、水酸化ニッケルを主成分
とする粒子表面の少なくとも一部にコバルト化合物とイ
ットリウムの混晶物が存在していることにより良い効果
が発現したものと考える。
【0046】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、導
電マトリックスの形成が容易で、高温環境下における充
電効率に優れ、サイクル寿命の長いアルカリ蓄電池用正
極を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアルカリ蓄電池用正極が組み込ま
れるアルカリ蓄電池の一例(例えば、円筒形アルカリ蓄
電池)を示す部分切欠斜視図。
【図2】水酸化ニッケルの粉末X線回折(Cu−Kα、
2θ)の回折図の一例を示す特性図。
【図3】本発明に係る実施例1の蓄電池及び比較例1〜
2の蓄電池における正極の60℃の充電効率を示す特性
図。
【図4】本発明に係る実施例1の蓄電池及び比較例1〜
2の蓄電池における正極の利用率を示す特性図。
【図5】本発明に係る実施例1の蓄電池及び比較例1〜
2の蓄電池における充放電サイクル寿命を示す特性図。
【図6】本発明に係る実施例2〜4の蓄電池における正
極の60℃の充電効率を示す特性図。
【図7】本発明に係る実施例2〜4の蓄電池における正
極の利用率を示す特性図。
【図8】本発明に係る実施例2〜4の蓄電池における充
放電サイクル寿命を示す特性図。
【符号の説明】
1…容器、 2…正極、 4…負極、 5…電極群、 7…封口板。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸化ニッケルを主成分とする粒子を含
    むアルカリ蓄電池用正極であって、前記粒子は、表面の
    少なくとも一部にコバルト化合物とイットリウムの混晶
    物が存在していることを特徴とするアルカリ蓄電池用正
    極。
  2. 【請求項2】 前記粒子は、亜鉛、コバルト及びイット
    リウムから選ばれる少なくとも1種の元素を含有するこ
    とを特徴とする請求項1記載のアルカリ蓄電池用正極。
  3. 【請求項3】 前記水酸化ニッケルは、粉末X線回折
    (Cu−Kα、2θ)の(101)面におけるピークの
    半価幅(FWHM)が0.8deg 以上であることを特徴
    とする請求項1記載のアルカリ蓄電池用正極。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2014049966A1 (ja) * 2012-09-26 2014-04-03 パナソニック株式会社 アルカリ蓄電池用正極活物質、それを含むアルカリ蓄電池用正極およびアルカリ蓄電池、ならびにニッケル水素蓄電池
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