JPH10233229A - アルカリ蓄電池の製造方法 - Google Patents

アルカリ蓄電池の製造方法

Info

Publication number
JPH10233229A
JPH10233229A JP9345209A JP34520997A JPH10233229A JP H10233229 A JPH10233229 A JP H10233229A JP 9345209 A JP9345209 A JP 9345209A JP 34520997 A JP34520997 A JP 34520997A JP H10233229 A JPH10233229 A JP H10233229A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cobalt
storage battery
positive electrode
charging
active material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9345209A
Other languages
English (en)
Inventor
Hidekazu Otohata
秀和 乙幡
Seiji Ishizuka
清司 石塚
Kenichi Sugano
憲一 菅野
Naomi Bando
直美 坂東
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
FDK Twicell Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Battery Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Battery Co Ltd filed Critical Toshiba Battery Co Ltd
Priority to JP9345209A priority Critical patent/JPH10233229A/ja
Publication of JPH10233229A publication Critical patent/JPH10233229A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 一般的な急速充電制御システムにおいて、ペ
ースト式ニッケル正極を改良することにより長期間放置
後の再充電時、特に低電流による充電時の電圧の立上が
り特性が改善されたアルカリ蓄電池の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 水酸化ニッケルを主成分とする活物質
と、前記活物質に対してコバルト元素換算で6重量%以
下のコバルト及びコバルト化合物から選ばれる少なくと
も1種からなる導電剤とを含む正極を備えるアルカリ蓄
電池を組み立てる工程;前記蓄電池に40〜100℃の
温度で初充電を施す工程;を具備することを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非焼結式ニッケル
正極を備えたアルカリ蓄電池の製造方法に係わるもので
ある。
【0002】
【従来の技術】アルカリ蓄電池の正極としては、焼結式
とペースト式に大別され、高容量化等の観点から水酸化
ニッケルの粒状体を活物質として含むペーストを集電体
に充填あるいは塗着するペースト方式のものが多く用い
られている。このペースト式正極においては、粒子状活
物質と集電体の間の電気的接続が十分にとれていること
が利用率向上に必須であるため、一般にペースト中に導
電助剤としてコバルト金属またはコバルト化合物を添加
することが行われている。
【0003】ところで、近年、さまざまな電子機器のポ
ータブル化が進み、前記アルカリ蓄電池においてはより
便利な使用が要望されている。そのひとつとして急速充
電がある。一般的には急速充電制御システムでは、通
常、充電開始直後に電池検査として低い電流値による充
電が一定時間に亘って行われ、その際に電池電圧のチェ
ックが行われる。この時の電池電圧が設定電圧に達して
いる場合に急速充電が施され、設定電圧より高い場合に
は補充電が施される。一方、設定電圧より低い場合には
蓄電池に欠陥があるものとみなし、充電が行われない場
合がある。
【0004】しかしながら、前記アルカリ蓄電池は、長
期間に亘り放置されると電池電圧が低下し、しかも放置
後の再充電時の電圧回復時間が遅い。このため、長期間
放置後のアルカリ蓄電池に前述したシステムの急速充電
を施すと、電圧検査の段階で蓄電池に異常があるものと
誤認されて充電が中断され、電子機器の使用時間が短く
なったり、あるいは使用できなかったりして、ユーザー
に電池不良という誤った認識をされるという問題点があ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、これ
までの低レート充電では問題なかったが、今日の一般的
な急速充電制御システムにおいて、ペースト式ニッケル
正極を改良することにより長期間放置後の再充電時、特
に低電流による充電時の電圧の立上がり特性が改善され
たアルカリ蓄電池の製造方法を提供しようとするもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係るアルカリ蓄
電池の製造方法は、水酸化ニッケルを主成分とする活物
質と、前記活物質に対してコバルト元素換算で6重量%
以下のコバルト及びコバルト化合物から選ばれる少なく
とも1種からなる導電剤とを含む正極を備えるアルカリ
蓄電池を組み立てる工程;前記蓄電池に40〜100℃
の温度で初充電を施す工程;を具備することを特徴とす
るものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明のアルカリ蓄電池の
製造方法を説明する。 (第1工程)水酸化ニッケルを主成分とする活物質と、
前記活物質に対してコバルト元素換算で6重量%以下の
コバルト及びコバルト化合物から選ばれる少なくとも1
種からなる導電剤とを含む正極;負極;前記正極及び前
記負極の間に介在されるセパレータ;及びアルカリ電解
液を備えるアルカリ蓄電池を組み立てる。この蓄電池
は、例えば、図1に示すような構造を有する。
【0008】すなわち、有底円筒状の容器1内には、正
極2とセパレータ3と負極4とを積層してスパイラル状
に捲回することにより作製された電極群5が収納されて
いる。前記負極4は、前記電極群5の最外周に配置され
て前記容器1と電気的に接触している。アルカリ電解液
は、前記容器1内に収容されている。中央に孔6を有す
る円形の第1の封口板7は、前記容器1の上部開口部に
配置されている。リング状の絶縁性ガスケット8は、前
記封口板7の周縁と前記容器1の上部開口部内面の間に
配置され、前記上部開口部を内側に縮径するカシメ加工
により前記容器1に前記封口板7を前記ガスケット8を
介して気密に固定している。正極リード9は、一端が前
記正極2に接続、他端が前記封口板7の下面に接続され
ている。帽子形状をなす正極端子10は、前記封口板7
上に前記孔6を覆うように取り付けられている。ゴム製
の安全弁11は、前記封口板7と前記正極端子10で囲
まれた空間内に前記孔6を塞ぐように配置されている。
中央に穴を有する絶縁材料からなる円形の押え板12
は、前記正極端子10上に前記正極端子10の突起部が
その押え板12の前記穴から突出されるように配置され
ている。外装チューブ13は、前記押え板12の周縁、
前記容器1の側面及び前記容器1の底部周縁を被覆して
いる。
【0009】次に、前記正極2、負極4、セパレータ3
および電解液について説明する。 1)正極2 この正極2は、水酸化ニッケルを主成分とする活物質
と、前記活物質に対してコバルト元素換算で6重量%以
下のコバルト及びコバルト化合物から選ばれる少なくと
も1種からなる導電剤とを含む。
【0010】水酸化ニッケルを主成分とする活物質とし
ては、例えば、水酸化ニッケルからなる粒子、または亜
鉛および/またはコバルトが共晶された水酸化ニッケル
粒子を用いることができる。後者の水酸化ニッケル粒子
を含む正極は、高温状態における充電効率を更に向上す
ることが可能になる。
【0011】前記アルカリ蓄電池の充放電効率を向上す
る観点から、前記水酸化ニッケルのX線粉末回折法によ
る(101)面のピーク半価幅は、0.8゜/2θ(C
u−Kα)以上にすることが好ましい。より好ましいピ
ークの半価幅は、0.9〜1.1゜/2θ(Cu−K
α)である。
【0012】前記コバルト化合物としては、例えば、三
酸化二コバルト(Co23 )、一酸化コバルト(Co
O)、水酸化コバルト{Co(OH)2 }等を挙げるこ
とができる。前記コバルト化合物としては、前述した種
類の中から選ばれる1種または2種以上を用いることが
できる。
【0013】前記正極の導電剤の含有量が少なければ少
ないほど、長期間放置した後の再充電初期における電圧
回復時間は改善され、活物質に対するコバルト元素換算
での量が6重量%を越えると困難になる。しかしなが
ら、前記含有量が少なすぎると、正極の初期の利用率が
低下し、サイクル初期の放電容量が低下する恐れがある
ため、前記含有量は前記活物質に対してコバルト元素換
算で1重量%以上にすることが好ましい。前記含有量の
さらに好ましい範囲は、前記活物質に対してコバルト元
素換算で1重量%〜5重量%である。
【0014】前記正極は、例えば、以下の(a)〜
(c)に説明する方法によって作製することができる。 (a)水酸化ニッケルを主成分とする粒子に、コバルト
粒子及びコバルト化合物粒子から選ばれる1種以上の粒
子と、結着剤と、水とを添加し、混練してペーストを調
製し、前記ペーストを集電体に充填し、これを乾燥、加
圧成形することにより前記正極を作製する。
【0015】(b)まず、水酸化ニッケルを主成分とす
る粒子の表面の少なくとも一部をコバルト及びコバルト
化合物から選ばれる少なくとも1種で被覆し、複合水酸
化ニッケル粒子を作製する。この複合水酸化ニッケル粒
子、結着剤および水を混練してペーストを調製し、前記
ペーストを集電体に充填し、これを乾燥、加圧成形する
ことにより前記正極を作製する。
【0016】(c)前記複合水酸化ニッケル粒子、コバ
ルト粒子及びコバルト化合物粒子から選ばれる1種以上
の粒子、結着剤および水を混練してペーストを調製し、
前記ペーストを集電体に充填し、これを乾燥、加圧成形
することにより前記正極を作製する。
【0017】前記集電体としては、例えばニッケル、ス
テンレス等の金属や、ニッケルメッキが施された樹脂な
どからなるスポンジ状、繊維状、フェルト状の多孔質構
造を有するものを挙げることができる。
【0018】前記結着剤としては、例えば、ポリテトラ
フルオロエチレン、カルボキシメチルセルロース、メチ
ルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニル
アルコール等を挙げることができる。
【0019】2)負極4 この負極4は、負極活物質、導電材、結着剤および水と
共に混練してペーストを調製し、前記ペーストを導電性
基板に充填し、乾燥した後、成形することにより製造さ
れる。
【0020】前記負極活物質としては、例えば金属カド
ミウム、水酸化カドミウムなどのカドミウム化合物、水
素等を挙げることができる。水素のホスト・マトリック
スとしては、例えば、水素吸蔵合金を挙げることができ
る。
【0021】中でも、前記水素吸蔵合金は、前記カドミ
ウム化合物を用いた場合よりも二次電池の容量を向上で
きるため、好ましい。前記水素吸蔵合金は、格別制限さ
れるものではなく、電解液中で電気化学的に発生させた
水素を吸蔵でき、かつ放電時にその吸蔵水素を容易に放
出できるものであればよい。例えば、LaNi5 、Mm
Ni5 (Mmはミッシュメタル)、LmNi5 (Lmは
Laを含む希土類元素から選ばれる少なくとも一種)、
これら合金のNiの一部をAl、Mn、Co、Ti、C
u、Zn、Zr、Cr、Bのような元素で置換した多元
素系のもの、またはTiNi系、TiFe系のものを挙
げることができる。特に、一般式LmNiw Cox Mn
y Alz (原子比w,x,y,zの合計値は5.00≦
w+x+y+z≦5.50である)で表される組成の水
素吸蔵合金は充放電サイクルの進行に伴う微粉化を抑制
して充放電サイクル寿命を向上できるための好適であ
る。
【0022】前記導電材としては、例えばカーボンブラ
ック、黒鉛等を挙げることができる。前記結着剤として
は、例えばポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリル酸カリ
ウムなどのポリアクリル酸塩、ポリテトラフルオロエチ
レン(PTFE)などのフッ素系樹脂、またはカルボキ
シメチルセルロース(CMC)等を挙げることができ
る。
【0023】前記導電性基板としては、例えばパンチド
メタル、エキスパンデッドメタル、穿孔剛板、ニッケル
ネットなどの二次元基板や、フェルト状金属多孔体や、
スポンジ状金属多孔体などの三次元基板を挙げることが
できる。
【0024】3)セパレータ3 このセパレータ3としては、例えば、ポリアミド繊維製
不織布、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレ
フィン繊維製不織布に親水性官能基を付与したものを挙
げることができる。
【0025】4)アルカリ電解液 前記アルカリ電解液としては、例えば、水酸化ナトリウ
ム(NaOH)の水溶液、水酸化リチウム(LiOH)
の水溶液、水酸化カリウム(KOH)の水溶液、NaO
HとLiOHの混合液、KOHとLiOHの混合液、K
OHとLiOHとNaOHの混合液等を用いることがで
きる。
【0026】(第2工程)前記蓄電池に40〜100℃
の温度で初充電を施す。充電温度をこのような範囲に設
定しての初充電は、少なくとも開始から導電剤の充電が
完了するまで行うと良い。少なくともこのような期間
中、充電温度を前記範囲に設定することによって、正極
中に均一に導電マトリックスを形成することができると
共に、導電マトリックスの耐還元性を高めることが可能
になるため、導電剤の添加量が前記範囲に制限されてい
る際の利用率を高い値に維持しつつ、放置後の再充電に
おける電圧回復時間をより短縮することができる。な
お、初充電工程は、全ての期間に亘って充電温度を40
〜100℃に設定しても良い。より好ましい初充電温度
は、60℃〜90℃の範囲内である。
【0027】本発明に係るアルカリ蓄電池の製造方法
は、初充電前にエージングを施すことを許容する。な
お、前述した図1においては、正極及び負極の間にセパ
レータを介在し、これを渦巻状に捲回することにより作
製された電極群を容器内に収納したが、例えば、正極と
負極とをその間にセパレータを介在して交互に重ねるこ
とによって作製された積層物を有底矩形筒状の容器内に
収納してもよい。
【0028】以上説明したように本発明に係るアルカリ
蓄電池の製造方法は、水酸化ニッケルを主成分とする活
物質と、前記活物質に対してコバルト元素換算で6重量
%以下のコバルト及びコバルト化合物から選ばれる少な
くとも1種からなる導電剤とを含む正極を備えるアルカ
リ蓄電池を組み立てる工程と、前記蓄電池に40〜10
0℃の充電温度で初充電を施す工程とを具備する。その
結果、導電剤の含有量が前記活物質に対してコバルト元
素換算で1重量%と少ない場合にも前記正極中に均一に
導電マトリックスを形成することができるため、前記蓄
電池は高い利用率を確保することができる。また、前記
蓄電池は、長期間放置後並びに高温環境下での放置後、
再充電の際の電圧の立上がり特性を改善することができ
るため、放置後も急速充電をすることができる。本発明
によると、放置後、再充電の際の電圧の立上がり特性を
改善できるのは次のようなメカニズムによるものと推測
される。
【0029】すなわち、アルカリ蓄電池を長期間に亘っ
てあるいは高温下において放置すると、電池電圧が低下
する現象がみられるのは、自己放電のためであり、それ
と共に導電マトリックスの構成要素である高導電性のオ
キシ水酸化コバルト(CoOOH)が還元されて導電性
を失うためであると考えられる。放置後、再充電を施す
と、コバルトの還元量に対応した再酸化反応が生じてオ
キシ水酸化コバルトが再形成され、この反応による充電
電圧を示す。さらに充電を続行すると、水酸化ニッケル
の酸化反応による充電電圧を示し、電池電圧が回復す
る。正極中に添加される導電剤の量が多いと、初充電に
より生成するオキシ水酸化コバルト量が多くなるもの
の、その分、放置の際に還元されるオキシ水酸化コバル
ト量が多くなるため、再形成のための充電に長時間を有
し、目的とする電圧まで回復するのに時間が掛かる。そ
の結果、急速充電の際の電圧検査で異常があるものと誤
認され、急速充電ができなくなる。
【0030】本発明のように正極に添加する導電剤の量
を活物質に対してコバルト換算で6重量%以下にするこ
とによって、放置により還元されるオキシ水酸化コバル
ト量を低減することができるため、再酸化反応時間を短
縮することができ、再充電の際に目的とする電圧まで速
やかに回復させることができる。その結果、放置後に急
速充電を行うことが可能になる。
【0031】また、40〜100℃で初充電を行うこと
によって、導電剤の添加量が少ない場合でもオキシ水酸
化コバルトのような導電性のコバルト化合物の生成反応
を正極全体に亘って均一に生じさせることができるた
め、導電剤添加量が少ない場合でも高い利用率を確保す
ることができ、放電容量が高いアルカリ蓄電池を提供す
ることができる。さらに、このような初充電により形成
されたオキシ水酸化コバルトは、長期間放置後並びに高
温下での放置後の際に還元され難いため、放置後の電圧
低下を抑制することができる。従って、このことからも
放置後、再充電の際に再酸化反応に要する時間を短縮す
ることができる。
【0032】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細
に説明する。 (実施例1) <正極の作製>水酸化ニッケル粉末90重量%に対して
一酸化コバルト粉末をコバルトの元素換算で6.0重量
%と、結着剤(カルボキシメチルセルロース0.25重
量%、ポリアクリル酸ナトリウム0.25重量%および
ポリテトラフルオロエチレン3.0重量%)と、水30
重量%を添加し、混練してペーストを調製した。このペ
ーストを集電体としての厚さが1.1mmで、多孔度9
5%のニッケルメッキ繊維基板に充填し、乾燥した後、
ローラプレスして圧延成形することにより正極を作製し
た。 <負極の作製>LaNi4.0 Co0.4 Mn0.3 Al0.3
の組成からなる水素吸蔵合金粉末95重量部にポリテト
ラフルオロエチレン粉末3重量部と、カーボン粉末1重
量部と、結着剤としてカルボキシメチルセルロースを1
重量部添加し、水50重量部と共に混合することによっ
て、ペーストを調製した。このペーストをニッケル製ネ
ットに塗布、乾燥した後、加圧成形することによって水
素吸蔵合金負極を作製した。
【0033】次いで、前記正極と前記負極との間にポリ
プロピレンを主体とする不織布からなるセパレータを介
装して渦巻状に捲回して電極群を作製した。これらの電
極群と8.0MのKOHからなるアルカリ電解液を有底
円筒状容器に収納して前述した図1に示す構造を有し、
単3サイズ(理論容量;1100mAh)の円筒形ニッ
ケル水素蓄電池を組み立てた。 (実施例2)正極の一酸化コバルト粉末の含有量をコバ
ルトの元素換算で水酸化ニッケル粉末に対して3.0重
量%にすること以外は、実施例1と同様な円筒形ニッケ
ル水素蓄電池を組み立てた。 (実施例3)正極の一酸化コバルト粉末の含有量をコバ
ルトの元素換算で水酸化ニッケル粉末に対して1.0重
量%にすること以外は、実施例1と同様な円筒形ニッケ
ル水素蓄電池を組み立てた。 (比較例1)正極の一酸化コバルト粉末の含有量をコバ
ルトの元素換算で水酸化ニッケル粉末に対して8.0重
量%にすること以外は、実施例1と同様な円筒形ニッケ
ル水素蓄電池を組み立てた。 (比較例2)正極に一酸化コバルト粉末を添加しないこ
と以外は、実施例1と同様な円筒形ニッケル水素蓄電池
を組み立てた。 <初充電>得られた実施例1〜3及び比較例1〜2の蓄
電池について90℃の雰囲気において0.1Cで15時
間かけて初充電を施した。 (参照例1)実施例1と同様にして組み立てられたニッ
ケル水素蓄電池に室温雰囲気において0.1Cで15時
間かけて初充電を施すことによりニッケル水素蓄電池を
製造した。 (参照例2)実施例3と同様にして組み立てられたニッ
ケル水素蓄電池に室温雰囲気において0.1Cで15時
間かけて初充電を施すことによりニッケル水素蓄電池を
製造した。
【0034】初充電が施された実施例1〜3、比較例1
〜2及び参照例1〜2の蓄電池について、0.2Cで
1.0Vまで放電した際の正極活物質の利用率を測定し
た。ついで、45℃で1カ月間保管した後、50mAで
90分間充電を施し、電池電圧が0.6Vに上昇するの
に要する時間を測定し、得られた立上がり時間と、先程
測定した正極の初期の利用率を下記表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】表1から明らかなように、正極の一酸化コ
バルト粉末含有量が水酸化ニッケル粉末に対してコバル
ト元素換算で6重量%以下である実施例1〜3の蓄電池
は、一酸化コバルト含有量が6重量%を越える比較例1
の蓄電池に比べて電圧が0.6Vまで回復するのに要す
る時間が短いことがわかる。しかも、実施例1〜3の蓄
電池は、再充電の際の充電量の10%以内、つまり9分
以内に電圧を0.6Vまで回復させることができた。
【0037】また、一酸化コバルトを含まない正極を用
いる比較例2の蓄電池は、正極の利用率が著しく低い
が、コバルト量を減らす程、再充電の際の電圧回復時間
は短くなることがわかる。
【0038】一方、参照例1の蓄電池は、利用率は10
0%と高いものの、電圧が0.6Vまで回復するのに要
した時間が13.2分と比較例1の蓄電池よりも長かっ
た。また、実施例3の蓄電池の利用率と参照例2の蓄電
池の利用率を比較することによって、実施例3の蓄電池
は、参照例2の蓄電池に比べて利用率を高くできること
がわかる。従って、本発明のように少なくとも一部の充
電温度を40〜100℃の範囲内にする初充電を施すこ
とによって、長期間放置及び高温下における放置の際の
電圧低下を抑制して目的とする電圧までの回復時間を短
縮でき、かつコバルトの添加量を減らしても高い利用率
を確保できることがわかる。
【0039】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、充
放電サイクル初期における活物質利用率を高い値に保持
しつつ、長期間放置及び高温下における放置後の再充電
における電圧回復時間を短縮することができ、放置後の
急速充電が可能なアルカリ蓄電池の製造方法を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る方法で製造されるアルカリ蓄電池
の一例を示す部分切欠斜視図。
【符号の説明】 1…容器、2…正極、3…セパレータ、4…負極、7…
封口板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂東 直美 東京都品川区南品川3丁目4番10号 東芝 電池株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸化ニッケルを主成分とする活物質
    と、前記活物質に対してコバルト元素換算で6重量%以
    下のコバルト及びコバルト化合物から選ばれる少なくと
    も1種からなる導電剤とを含む正極を備えるアルカリ蓄
    電池を組み立てる工程;前記蓄電池に40〜100℃の
    温度で初充電を施す工程;を具備することを特徴とする
    アルカリ蓄電池の製造方法。
JP9345209A 1996-12-17 1997-12-15 アルカリ蓄電池の製造方法 Pending JPH10233229A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9345209A JPH10233229A (ja) 1996-12-17 1997-12-15 アルカリ蓄電池の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33685596 1996-12-17
JP8-336855 1996-12-17
JP9345209A JPH10233229A (ja) 1996-12-17 1997-12-15 アルカリ蓄電池の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10233229A true JPH10233229A (ja) 1998-09-02

Family

ID=26575595

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9345209A Pending JPH10233229A (ja) 1996-12-17 1997-12-15 アルカリ蓄電池の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10233229A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001250546A (ja) * 1999-12-28 2001-09-14 Toshiba Battery Co Ltd アルカリ二次電池用正極活物質およびその製造方法、ならびにその正極活物質を用いたアルカリ二次電池

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001250546A (ja) * 1999-12-28 2001-09-14 Toshiba Battery Co Ltd アルカリ二次電池用正極活物質およびその製造方法、ならびにその正極活物質を用いたアルカリ二次電池

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH11162468A (ja) アルカリ二次電池
JP3352338B2 (ja) アルカリ蓄電池の製造方法
JP3567021B2 (ja) アルカリ二次電池
JP2989877B2 (ja) ニッケル水素二次電池
JP3748122B2 (ja) アルカリ蓄電池の製造方法
JPH10233229A (ja) アルカリ蓄電池の製造方法
JPH11297353A (ja) ニッケル水素二次電池の製造方法
JP3151379B2 (ja) アルカリ二次電池の製造方法
JP2001223000A (ja) アルカリ二次電池
JP4118991B2 (ja) ニッケル水素蓄電池の製造方法
JPH08315850A (ja) アルカリ二次電池及びその製造方法
JPH1040950A (ja) アルカリ二次電池
JP3213684B2 (ja) アルカリ二次電池の製造方法
JPH11162469A (ja) 電極、アルカリ二次電池及びアルカリ二次電池の製造方法
JPH10275620A (ja) アルカリ蓄電池用正極、アルカリ蓄電池及びアルカリ蓄電池の製造方法
JPH10223205A (ja) 二次電池
JP2000012073A (ja) ニッケル水素二次電池の製造方法
JP2001006723A (ja) アルカリ二次電池およびアルカリ二次電池の製造方法
JP2001006724A (ja) 円筒形アルカリ二次電池
JPH10154525A (ja) アルカリ蓄電池の製造方法
JPH10255788A (ja) アルカリ二次電池用正極及びアルカリ二次電池
JPH10289728A (ja) アルカリ二次電池
JP2000113901A (ja) アルカリ二次電池
JPH11176445A (ja) ペースト式ニッケル正極、アルカリ蓄電池およびその製造方法
JPH09129222A (ja) アルカリ二次電池の製造方法