JP2000030736A - ニッケル・水素二次電池 - Google Patents

ニッケル・水素二次電池

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JP2000030736A
JP2000030736A JP10199010A JP19901098A JP2000030736A JP 2000030736 A JP2000030736 A JP 2000030736A JP 10199010 A JP10199010 A JP 10199010A JP 19901098 A JP19901098 A JP 19901098A JP 2000030736 A JP2000030736 A JP 2000030736A
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nickel
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negative electrode
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JP10199010A
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Hideji Suzuki
秀治 鈴木
Koji Taguchi
幸治 田口
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FDK Twicell Co Ltd
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Toshiba Battery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 常温下は勿論のこと、低温下でも大電流放電
が可能なニッケル・水素二次電池を提供する。 【解決手段】 集電体シートにニッケル化合物を主体と
する正極合剤が担持されている正極2と、集電体シート
に水素吸蔵合金を主体とする負極合剤が担持されている
負極1とをセパレータ3を介して積層または巻回して成
る電極群Aが電池缶5の中に電解液と一緒に収容され、
電池缶5の開口部は正極端子を備えた封口板8で密閉さ
れており、電極群Aにおける正極2の正極合剤が担持さ
れている部分の面積が電池の理論容量(単位:Ah)当た
り30cm2以上の値であり、かつ、水素吸蔵合金の表面
が酸またはアルカリで処理され、好ましくは更にEr2
3が付着しており、電極群Aにおける負極1の下端部
1Aが正極2の下端部2Aよりも突出しており、かつ少
なくとも負極の下端部1Aが集電板6aを介して電池缶
5と導通しているニッケル・水素二次電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はニッケル・水素二次
電池に関し、更に詳しくは、電池の内部抵抗が低く、従
来のニッケル・水素二次電池に比べると、常温下は勿論
のこと低温下でも大電流を取り出すことができるニッケ
ル・水素二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】各種の電動工具や電動補助付き自転車、
また最近開発が進められている電気自動車などの駆動電
源としては、充放電が可能でかつ携帯可能という点で各
種の二次電池が使用されている。
【0003】上記用途に適合する二次電池には、大電流
放電が可能であるという特性が必要事項とされ、従来か
らは、ニッケル・カドミウム二次電池を採用するケース
が多い。これは、つぎのような理由による。すなわち、
ニッケル・カドミウム二次電池は、その内部抵抗が低
く、時間率当たりの放電電流(放電率)は大きく、また
過充・過放電した場合であっても電池特性の劣化を起こ
しにくいという特性を備えているからである。
【0004】一方、ノート型パソコンや携帯電話などの
小型電子機器の駆動電源としては、前記したニッケル・
カドミウム二次電池よりもニッケル・水素二次電池が広
く使用されている。これはつぎの理由による。すなわ
ち、ニッケル・水素二次電池は、同一サイズのニッケル
・カドミウム二次電池に比べると、その内部抵抗が高
く、放電率も小さいとはいえ、その放電容量は1.5〜
2倍と大きいので、形状が小型であっても、微小電流で
駆動可能な電子機器を長時間に亘って駆動せしめること
ができるからである。
【0005】このニッケル・水素二次電池には円筒形の
ものと角形のものがあるが、円筒形のものについて、そ
の概略を以下に説明する。
【0006】最初に、正極と負極の製造について説明す
る。
【0007】正極の製造に際しては、活物質である水酸
化ニッケルのようなニッケル化合物の粉末を主体とし、
これとPTFEのような結着剤と例えばコバルト酸化物
やコバルト水酸化物のようなコバルト化合物の導電材と
水とを混練して正極合剤のペーストを調製する。
【0008】ついで、このペーストの所定量を、例えば
3次元網状構造を有するスポンジ状の金属多孔体や金属
繊維マットなどの耐アルカリ性の金属多孔構造体(集電
体シート)に充填したのち、乾燥、必要に応じては加圧
成形,裁断などを行って、所定の厚みと所定の平面形状
を有するシート状の正極にする。したがって、得られた
正極は、集電体シートの内部空隙部と表面に、乾燥した
正極合剤が担持された状態になっている。そして、正極
の上端部には、小片形状をした例えばニッケル製のタブ
端子が取り付けられる。
【0009】一方、負極の製造に際しては、まず、水素
吸蔵合金の粉末を主体とし、更にはカルボキシメチルセ
ルロースのような増粘剤や炭素粉末のような導電材が配
合されている負極合剤のペーストを調製する。
【0010】ついで、このペーストの所定量を、所定の
開口率を有する例えばニッケルパンチングシート(集電
体シート)に塗着,乾燥したのち、圧延処理,裁断を行
って、所定の厚みと平面形状を有するシート状の負極に
する。したがって、得られた負極は、集電体シートの開
口部と表面に乾燥した負極合剤が担持された状態になっ
ている。
【0011】そして、この負極の場合、正極の場合と同
じように、端部にタブ端子を取り付けることもある。
【0012】このようにして製造された正極と負極を用
いて、次に、電極群が製造される。
【0013】まず、負極と、一方の端部にタブ端子が取
り付けられている正極の間に、保液性と電機絶縁性を備
えたセパレータを挟んでシート積層体を製造する。そし
て、このシート積層体の正極側に巻き芯を配置したの
ち、負極が外側となるように巻回して渦巻形状をした所
定外径の電極群にする。
【0014】したがって、この電極群の断面構造は、図
3で示したように、負極1と正極2がセパレータ3を介
して交互に積層して成る積層構造になっていて、その中
心部に巻き芯を脱抜したのちに残る空孔4が形成され、
また上端部にはタブ端子2aが突出している。
【0015】そして、この電極群Aがタブ端子2a側を
上にして所定内径の電池缶の中に挿入され、かつ所定の
アルカリ電解液が注液され、正極端子を備えた封口板で
電池缶の上部開口が密閉される。このとき、電極群の負
極1は電池缶の内壁と接触するので電池缶は負極端子と
して機能する。そして、電極群の電池缶への挿入時には
正極2のタブ端子2aが封口板に接続される。
【0016】なお、角形電池の電極群の場合は、負極と
正極をセパレータを介して複数枚交互に重ね合わせて所
定の厚みにしたものが用いられる。したがって、この場
合も電極群の断面構造は積層構造になっている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記したニ
ッケル・カドミウム二次電池は、大電流を取り出すこと
ができるにもかかわらず、電極中のカドミウムが環境に
悪影響を及ぼす虞があるとのことから最近では前記した
電動工具などの駆動電源としては敬遠されはじめ、無公
害でかつニッケル・カドミウム二次電池よりも高容量な
ニッケル・水素二次電池と置換することが検討されてい
る。
【0018】しかしながら、従来から市販されているニ
ッケル・水素二次電池は、1時間率の1〜3倍程度の放
電時にはじめて公称容量に相当する容量を得ることがで
きる。しかも、そのことは、常温下における事態であっ
て、−10℃以下の低温環境下にあっては上記した効果
も得られない。
【0019】したがって、従来のニッケル・水素二次電
池は、微小電流で駆動可能な前記小型電子機器の電源と
しては有効であるとはいえ、大電流を必要とし、とりわ
け低温下で使用される電動工具や電気自動車などの電源
としては事実上使用できないという問題があった。
【0020】例えば、従来のニッケル・水素二次電池の
場合、1時間率の5倍を超えるような大電流で放電させ
ると、作動電圧は大幅に低下してしまい、また低温下に
おいて使用した場合に作動電圧が著しく低下し、実用に
耐え得ないという現状にある。
【0021】本発明は、従来のニッケル・水素二次電池
における上記した問題を解決し、高容量であり、かつ常
温下,低温下で大電流放電を行っても作動電圧が低下す
ることを抑制することができる新規構造のニッケル・水
素二次電池の提供を目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するための研究を進めるに当たり、以下のような
考察を行った。
【0023】(1)ニッケル・水素二次電池はニッケル
・カドミウム二次電池に比べてその容積エネルギー密度
が大きいので、同一サイズの電池を同じ時間率で放電さ
せた場合、ニッケル・水素二次電池の放電電流の方が大
きくなる。
【0024】したがって、ニッケル・水素二次電池を高
い放電率で作動させても電池の作動電圧が低下しないよ
うにするためには、正極と負極の両極間を流れる電流値
を小さくすることが必要になる。その場合、電極群にお
いて、正極と負極との対向面積を大きくすれば、両極間
を流れる電流の電流密度は小さくなるので、作動電圧の
低下を抑制することが可能となる。
【0025】したがって、正極と負極との対向面積、基
本的には正極における正極合剤を担持している部分の面
積を大きくすることは、大電流放電の実現にとって有効
であると考えられる。
【0026】(2)一方、低温下で作動電圧が著しく低
下するという現象は、アルカリ電解液の凍結という問題
を除けば、負極を構成して水素の吸蔵・放出を行う水素
吸蔵合金粉末の表面活性が失活していることに基づくも
のであると考えられる。
【0027】この水素吸蔵合金粉末は、そのインゴット
を例えばAr雰囲気のような不活性雰囲気下で粉砕して
製造されたのち、前記した負極合剤ペーストの調製に使
用されているが、これらの一連の過程で表面活性を失活
することも考えられる。
【0028】したがって、負極合剤ペーストの調製に先
立ち、対象とする水素吸蔵合金粉末の表面を活性化させ
ることにより低温下における電池の作動電圧の低下も抑
制することができるものと考えられる。また、表面を活
性化させた水素吸蔵合金粉末で負極合剤ペーストを調製
した場合、その過程で表面酸化を受けることが考えられ
るので、それを抑制することも必要であると考えられ
る。
【0029】(3)従来のニッケル・水素二次電池の場
合には、負極と電池缶の内壁との接触界面が一方の導通
経路であった。そして微小電流の取り出し時には、その
接触抵抗は大きな電圧低下を引き起こすことはないが、
放電電流が大きくなると、上記接触抵抗は作動電圧の低
下に大きな影響を与えることになる。
【0030】したがって、別の低抵抗な導通経路を組み
込めば、電池の内部抵抗が下がり更なる大電流放電は可
能になるものと考えられる。
【0031】以上の観点に立って、本発明者らは鋭意研
究を進め、本発明のニッケル・水素二次電池を開発する
に至った。
【0032】すなわち、本発明のニッケル・水素二次電
池は、集電体シートにニッケル化合物を主体とする正極
合剤が担持されている正極と、集電体シートに水素吸蔵
合金を主体とする負極合剤が担持されている負極とをセ
パレータを介して積層または巻回して成る電極群が電池
缶の中に電解液と一緒に収容され、前記電池缶の開口部
は正極端子を備えた封口板で密閉されているニッケル・
水素二次電池において、前記電極群における前記正極の
正極合剤が担持されている部分の面積が電池の理論容量
(単位:Ah)当たり30cm2以上の値であり、かつ、前
記水素吸蔵合金の表面が酸またはアルカリで処理されて
いることを特徴とする。
【0033】とくに、本発明においては、前記水素吸蔵
合金の前記表面の少なくとも一部にはEr23を好適例
とする希土類元素化合物が付着しており、また、前記電
極群における前記負極の下端部が前記正極の下端部より
も突出しており、かつ少なくとも前記負極の下端部が集
電板を介して前記電池缶と導通しているニッケル・水素
二次電池が提供される。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、図面に則して本発明のニッ
ケル・水素二次電池を詳細に説明する。
【0035】図1は、電極群の下部と上部の双方に集電
板を配設した本発明の円筒形ニッケル・水素二次電池の
好適な1例を示す断面図である。
【0036】図1において、電池缶5の中には、負極1
とセパレータ3と正極2のシート積層体を渦巻状に巻回
して成る電極群Aが図示しないアルカリ電解液と一緒に
収容されている。
【0037】そして、電池缶5の缶底には、所定の直径
を有する円板形状の集電板6aが溶接して配設され、そ
の上に前記電極群Aが配設され、そして電極群Aの上に
は、正極端子10を備えた封口板8に溶接されたリード
7に接続して所定の直径を有する集電板6bが配設さ
れ、封口板8はガスケット9を介して電池缶5の上部開
口に嵌め込まれ、そこに加締め加工を施すことにより全
体が密閉された構造になっている。
【0038】本発明の電池の場合、上記した電極群Aに
巻回されている正極2において正極合剤を担持している
部分の面積が、製造目的の電池の理論容量(単位:Ah)
当たり30cm2以上、すなわち30cm2/Ah以上になって
いる。
【0039】この値が30cm2/Ahより小さい場合に
は、低温下はもとよりのこと常温下であっても、大電流
放電時における電池の作動電圧が低下してしまうからで
ある。
【0040】正極2の上記した面積を大きくするために
は、例えば電極群Aの外径や高さが一定であれば、正極
2の厚みを薄くすればよい。電極群Aに巻回される正極
2の長さは長くなり、その結果、巻回後の正極の層数も
多くなり、電極群Aにおける正極の面積が広くなるから
である。しかし、あまり薄くすると、正極の強度が低下
して巻回時にワレや亀裂などが発生し電極群Aの不良本
数が増加したり、電池内のセパレータの占有体積が増加
する結果、電池容量の低下を招いてしまうので、厚みの
上限は100cm2/Ahに設定することが好ましい。
【0041】また、本発明の電池において、負極1に担
持されている負極合剤を構成する水素吸蔵合金粉末は、
次のような表面処理が施されたものである。
【0042】すなわち、インゴットを粉砕して得られた
粉末を酸またはアルカリで処理したものである。
【0043】このような処理を施すことにより、粉末表
面の例えば酸化皮膜などが除去され、水素の吸蔵・放出
にとって好適な活性表面が表出することになる。
【0044】酸としては例えばHCl水溶液などを用い
ることができ、またアルカリとしては例えばKOH水溶
液などを用いることができる。
【0045】この表面処理は次のような条件下で進めら
れる。
【0046】例えば酸がHCl水溶液である場合、その
濃度は0.01〜0.5Nのものが用いられる。濃度が低
すぎるものは粉末表面を充分に活性化することができ
ず、逆に濃度が高すぎるものは、粉末表面を腐食して水
素吸蔵能を奪うようになるからである。
【0047】また液温が低すぎると表面の活性化を充分
に進めることができず、逆に液温を高くしすぎると、合
金の表面を腐食して水素吸蔵能を奪うような問題が生じ
てくるので、液温は0〜40℃に設定することが好まし
い。更に処理時間が短すぎると表面の活性化は充分に進
まず、逆に処理時間が長くなりすぎると表面腐食が起こ
るようになるので、処理時間は1〜60分間程度に設定
することが好ましい。
【0048】また例えばアルカリがKOH水溶液である
場合、上記したHCl水溶液の場合と同様の理由で、そ
の濃度は0.1〜8.0N,液温は40〜100℃,処理
時間は10〜120分に設定することが好ましい。
【0049】上記した酸またはアルカリに水素吸蔵合金
粉末を投入し、上記した条件下で全体を撹拌したのち、
粉末を取り出し、更にそれを水洗して負極合剤ペースト
用の素材が製造される。
【0050】なお、このとき、酸またはアルカリに所定
量の希土類元素化合物を添加して共存させておくと、こ
の希土類元素化合物が水素吸蔵合金粉末の活性表面に付
着する。そして、活性化した粉末表面に付着しているこ
の希土類元素は、負極合剤ペーストの調製時に水素吸蔵
合金粉末の前記活性表面の失活を防止する働きをする。
すなわち、酸またはアルカリの処理によって実現された
水素吸蔵合金粉末の表面の活性状態を保持し、もって低
温下における電池の作動電圧の低下を抑制するのであ
る。
【0051】このような働きをする希土類元素化合物と
しては、例えば、Er23,Y23,Yb23などをあ
げることができる。これらは単独で用いてもよく、また
2種以上を混合して用いてもよい。これらのうち、とく
にEr23は好適である。
【0052】希土類元素化合物の添加量が少なすぎる
と、上記した効果は充分に発揮されず、負極合剤ペース
トの調製過程で合金粉末は表面酸化されて表面活性を失
活するようになり、また添加量が過多であっても上記し
た効果は飽和に達するのみならず、徒に高価な希土類元
素化合物を浪費することになるので、添加量は、処理対
象の水素吸蔵合金粉末100重量部に対し、0.1〜3.
0重量部に設定することが好ましい。
【0053】図1で示した本発明の電池例において、集
電板6a,6bはいずれも電池の内部抵抗を下げるため
の手段である。これらは、図1で示したように、電極群
Aの下端面と上端面にそれぞれ配設されることが好まし
い。
【0054】なお、本発明の電池においては、少なくと
も電極群Aの下端部1Aに集電板6aを配設することが
好適であり、正極2の上端部2Bへの集電板6bの配設
は必ずしも必要としない。そして、電極群Aの上端部2
Bに集電板6bを配設することに代えて、例えば正極の
製造時に、その上端に複数個のタブ端子を取り付けた態
様になっていてもよい。しかしながら、複数個のタブ端
子の取り付けの場合に比べると、図1で示したように、
電極群Aの上端部にも集電板6bを配設した場合は、電
池の内部抵抗が下がるという点で有利であるとともに、
電池の組立作業も容易になるので好適である。
【0055】電極群Aは次のようにして製造される。
【0056】一方の端部1Aに負極合剤が担持されてい
ない前記した負極1と、一方の端部2Bには正極合剤が
担持されていない前記した正極2を製造し、上記した下
端部1Aと上端部2Bが互いに反対方向を向くようにし
て負極1と正極2をセパレータ3を介して重ね合わせた
のち負極1を外側にして巻回する。
【0057】したがって、得られた電極群Aは、その下
端面に負極集電体シートの下端部1Aが渦巻状に突出し
ており、また上端面には、正極集電体シートの上端部2
Bが同じく渦巻状に突出している。
【0058】ここで、上記した電極群Aの下端面への集
電板6aの配設を実現するためには、製造された電極群
Aの下端面において、図1で示したように、負極1の下
端部1Aを少なくとも正極2の下端部2Aよりも突出さ
せることが必要である。仮に正極2の下端部2Aの方が
負極1の下端部1Aより突出していると、集電板6aは
正極2と導通してしまうからである。
【0059】そして、得られた電極群Aを電池缶5に挿
入するに際しては、まず、渦巻状に突出している負極集
電体シートの下端部1Aの上に後述する集電板6aを配
置して当該集電板と前記下端部1Aの端面を接触させた
のち、その接触部の複数箇所を溶接して電極群Aと集電
板6aを一体化する。
【0060】その後、電極群Aにおける正極の上端部2
Bに集電板6bを配設して両者を溶接したのち、電池缶
5の開口部が封口体8で密閉され、図1で示した電池が
組み立てられる。
【0061】
【実施例】実施例1〜4,比較例1〜6 (1)負極の製造 組成:LmNi4.35Co0.40Mn0.29Al0.30(ただ
し、LmはLa富化ミッシュメタル)の水素吸蔵合金粉
末(平均粒径35μm)を用意した。
【0062】上記合金粉末500gを8N−KOH水溶
液(液温80℃)に投入して30分間撹拌したのち取り
出し、充分に水洗して温度80℃のAr雰囲気中で乾燥
した。これを処理粉末Aとする。合金粉末500gとE
23粉末5gとを8N−KOH水溶液(液温80℃)
に投入して30分間撹拌したのち取り出し、充分に水洗
して温度80℃のAr雰囲気中で乾燥した。これを処理
粉末Bとする。合金粉末500gを0.5N−HCl水
溶液(液温20℃,pH1)に投入して30分間撹拌し
たのち取り出し、充分に水洗して温度80℃のAr雰囲
気中で乾燥した。これを処理粉末Cとする。合金粉末5
00gとEr23粉末5gとを0.5N−HCl水溶液
(液温80℃,pH1)に投入して30分間撹拌したの
ち取り出し、充分に水洗して温度80℃のAr雰囲気中
で乾燥した。これを処理粉末Dとする。これら4種類の
処理粉末のそれぞれ100重量部に対し、アクリル酸ナ
トリウムとビニルアルコールとの共重合体0.3重量
部,カルボキシル化スチレン・ブタジエンゴム(トルエ
ン不溶分60重量%)1重量部,カーボンブラック1重
量部,Ni粉末1重量部を混合し、ここに水50重量部
を添加して撹拌し、4種類の負極合剤ペーストを調製し
た。
【0063】ついで、各ペーストを、ニッケルパンチン
グシートに塗着し、温度80℃で0.5時間乾燥したの
ちロール圧延し、図1の下端部1Aに相当する箇所の乾
燥ペーストを除去して4種類の負極を製造した。
【0064】ここで、処理粉末Aを担持する負極を負極
A,処理粉末Bを担持する負極を負極B,処理粉末Cを
担持する負極を負極C,処理粉末Dを担持する負極を負
極Dとする。
【0065】なお、比較のために、未処理の合金粉末を
用いて同様の条件で負極合剤ペーストを調製し、それを
用いて負極を製造した。この負極を負極Eとする。 (2)正極の製造 水酸化ニッケル粉末100重量部に対し、一酸化コバル
ト粉末11重量部,カルボキシメチルセルロース0.3
3重量部,PTFEディスパージョン(比重1.5,固
形分60重量%)0.56重量部,水50重量部を配合
して全体を混練することにより正極合剤ペーストを調製
した。
【0066】このペーストを、Niめっき繊維基板に充
填し、更にその両面にも塗着したのち乾燥し、ロール圧
延して正極を製造した。
【0067】このとき、正極合剤ペーストの充填量や塗
着厚みを変えることにより、合剤の量は一定のまま、電
池の理論容量当たりの面積が20cm2/Ah,30cm2/Ah
となるようにした。
【0068】ここで、前者の正極を正極A,後者の正極
を正極Bとする。
【0069】(3)電池の組み立て 図1で示した4/5Aサイズの円筒形ニッケル・水素二
次電池を次のようにして組み立てた。
【0070】まず、上記した各正極と各負極を表1で示
したように組み合わせ、両極間に親水化ポリオレフィン
製不織布のセパレータを挟んでシート積層体とし、これ
を負極が外側となるように巻回して図1で示した電極群
Aを製造した。
【0071】各電極群Aにおける下端部1AをNi製の
集電板6aに圧接したのち20箇所を点溶接して両者を
一体化した。
【0072】ついで、電極群Aを集電板6aを下にして
電池缶5の中に挿入して缶底に集電板6aを接触させた
のち、電極群Aの空孔4から上部溶接電極(図示しな
い)を挿入して集電板6aを加圧し、また電池缶5の外
側には下部溶接電極(図示しない)を配置して前記電池
缶5の缶底を上方に加圧し、両電極間に溶接電流を通電
することにより、集電板6aを電池缶5の缶底に溶接し
た。そして電池缶5の中に7N−KOHと1N−LiO
Hを主体とする電解液を注液した。
【0073】更に電極群Aの上に同じNi製集電板6b
を配置し、20箇所を点溶接し、更に集電板6bにNi
製のリード7を溶接したのち封口板8にも溶接した。そ
して、ガスケット9を介して封口板8を電池缶5の上部
開口に嵌め込み、全体に加締め加工を行って電池を組み
立てた。
【0074】
【表1】 (4)電池の特性 以上の各電池につき、下記の仕様で電池特性を調査し
た。
【0075】(i)室温下において1時間率で1.2時
間の充電を行い、30分の休止後に、−10℃の温度下
において1時間率の1倍の電流で放電を実施し、(ii)
室温下において1時間率で1.2時間の充電を行い、3
0分の休止後に、−10℃の温度下において1時間率の
3倍の電流で放電を実施し、(iii)室温下において1
時間率で1.2時間の充電を行い、30分の休止後に、
−10℃の温度下において1時間率の5倍の電流で放電
を実施し、(iv)室温下において1時間率で1.2時間
の充電を行い、30分の休止後に、−10℃の温度下に
おいて1時間率の10倍の電流で放電を実施し、それぞ
れの場合、電池の作動電圧が1000mVに達するまでの
放電容量を測定した。
【0076】なお、(i)〜(iv)の各場合の充放電後に
は、1時間率の1倍の電流で電池電圧が1000mVにな
るまでの放電を行い、充電前の残存容量に揃えた。
【0077】以上の結果を、放電率と放電容量との関係
として図2に示した。
【0078】図1から次のことが明らかである。
【0079】(1)正極合剤が担持されている部分の面
積が30cm2/Ahである正極Bと、水素吸蔵合金粉末が
酸またはアルカリで処理されている負極A,B,C,D
とを組み合わせた実施例電池1〜4は、いずれも、上記
2つの要件のいずれかまたは全てを欠いている比較例電
池1〜6に比べて、−10℃という低温下においても大
電流放電が実現されている。
【0080】とくに、従来のニッケル・水素二次電池に
相当する比較例電池1に比べると、低温下における放電
特性が著しく向上している。
【0081】(2)実施例電池2,4と実施例電池1,
3を対比して明らかなように、前者の方が低温下におけ
る放電特性は優れている。これは、水素吸蔵合金粉末の
表面処理時に配合したEr23の効果を明瞭に示す事実
である。
【0082】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
ニッケル・水素二次電池は、従来のニッケル・水素二次
電池では実現できなかった大電流放電が可能である。と
くに、低温下でも大電流放電が可能な電池になってい
る。
【0083】したがって、この電池は、常温下は勿論の
こと低温下でも使用可能な電動工具や電気自動車などの
駆動電源としてその工業的価値は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のニッケル・水素二次電池の好適例を示
す断面図である。
【図2】放電率と放電容量との関係を示すグラフであ
る。
【図3】従来の電極群の断面構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 負極 1A 負極1の下端部 1B 負極1の上端部 2 正極 2A 正極2の下端部 2B 正極2の上端部 2a タブ端子 3 セパレータ 4 空孔 5 電池缶 6a,6b 集電板 7 リード 8 封口板 9 ガスケット 10 正極端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H003 AA01 BA00 BB02 BB04 BD00 5H016 AA02 AA05 BB12 EE01 EE05 HH04 5H028 AA01 AA05 BB10 CC12 EE01 EE05 HH05 HH10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 集電体シートにニッケル化合物を主体と
    する正極合剤が担持されている正極と、集電体シートに
    水素吸蔵合金を主体とする負極合剤が担持されている負
    極とをセパレータを介して積層または巻回して成る電極
    群が電池缶の中に電解液と一緒に収容され、前記電池缶
    の開口部は正極端子を備えた封口板で密閉されているニ
    ッケル・水素二次電池において、 前記電極群における前記正極の正極合剤が担持されてい
    る部分の面積が電池の理論容量(単位:Ah)当たり30
    cm2以上の値であり、かつ、前記水素吸蔵合金の表面が
    酸またはアルカリで処理されていることを特徴とするニ
    ッケル・水素二次電池。
  2. 【請求項2】 前記水素吸蔵合金の前記表面の少なくと
    も一部には希土類元素化合物が付着している請求項1の
    ニッケル・水素二次電池。
  3. 【請求項3】 前記希土類化合物がEr23である請求
    項2のニッケル・水素二次電池。
  4. 【請求項4】 前記電極群における前記負極の下端部が
    前記正極の下端部よりも突出しており、かつ少なくとも
    前記負極の下端部が集電板を介して前記電池缶と導通し
    ている請求項1のニッケル・水素二次電池。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007165277A (ja) * 2005-11-16 2007-06-28 Matsushita Electric Ind Co Ltd アルカリ蓄電池、電極用複合材料およびその製造法
CN1330039C (zh) * 2004-05-19 2007-08-01 三星Sdi株式会社 电极组件和使用其的蓄电池
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