JP2003045480A - 薄型ニッケル水素二次電池、ハイブリッドカー及び電気自動車 - Google Patents

薄型ニッケル水素二次電池、ハイブリッドカー及び電気自動車

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JP2003045480A
JP2003045480A JP2001233800A JP2001233800A JP2003045480A JP 2003045480 A JP2003045480 A JP 2003045480A JP 2001233800 A JP2001233800 A JP 2001233800A JP 2001233800 A JP2001233800 A JP 2001233800A JP 2003045480 A JP2003045480 A JP 2003045480A
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positive electrode
constituent member
negative electrode
container constituent
secondary battery
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Masaaki Yamamoto
雅秋 山本
Takamichi Inaba
隆道 稲葉
Isao Sakai
勲 酒井
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Original Assignee
Toshiba Corp
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  • Gas Exhaust Devices For Batteries (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)
  • Connection Of Batteries Or Terminals (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高容量で、かつ大電流放電特性が向上された
薄型ニッケル水素二次電池を提供することを目的とす
る。 【解決手段】 正極端子を兼ねる容器構成部材1と、前
記正極容器構成部材1内に配置され、導電性基板3及び
前記導電性基板3に保持される活物質含有合剤4を含む
正極2と、負極端子を兼ねる容器構成部材8と、前記負
極容器構成部材8内に配置される水素吸蔵合金を含む負
極7とを具備する薄型ニッケル水素二次電池において、
前記正極容器構成部材1の内面と対向している正極表面
の少なくとも一部に前記導電性基板3が露出しており、
この導電性基板露出領域3が前記正極容器構成部材1の
内面に溶接されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄型ニッケル水素
二次電池及びこの薄型ニッケル水素二次電池を用いたハ
イブリッドカーと電気自動車に関するものである。この
薄型ニッケル水素二次電池としては、例えば、ボタン型
あるいはコイン型形状を有する扁平型ニッケル水素二次
電池が挙げられる。また、この薄型ニッケル水素二次電
池は、ハイブリッドカー及び電気自動車の他に、携帯電
子機器などにも搭載可能である。
【0002】
【従来の技術】ボタン型あるいはコイン型と呼ばれる扁
平型ニッケル水素電池は、一般的な円筒型電池が大きな
面積を有する正極および負極をセパレータを介して捲回
して充填されているのに対して、正極および負極とも1
枚ずつの電極から構成される場合が多い。従って電池の
容量当たりで比較すると、電極の対向面積が小さく、大
電流での充放電が困難である。
【0003】とくにニッケル水素電池の正極の活物質で
ある水酸化ニッケルは負極構成物質である水素吸蔵合金
に比べて電気伝導性が小さいため、電極としての電気伝
導性を向上させるためにスポンジ状のニッケル基板のよ
うな多孔性3次元基板に水酸化ニッケル粒子を充填した
り、金属ニッケル微粉末と水酸化ニッケル粒子を混合し
て圧縮したペレットを形成したりすることが行われてい
る。さらに一般的な円筒型電池の場合、スポンジ状ニッ
ケル基板の一部に水酸化ニッケル粒子を充填しない状態
で残し、この部分に例えばニッケル金属タブの一端を溶
接してもう一方の端部を電池の正極端子に溶接すること
により、電気的な抵抗を下げる工夫がなされている。こ
れに対してボタン型あるいはコイン型電池では、円筒型
電池と異なり、正極と正極端子とを溶接するためのタブ
を設けるスペースがとりにくい構造であるため、正極の
片側の面を電池缶に接して配置し、その接触面を通して
集電がなされる。よって、ボタン型あるいはコイン型電
池の導電性を高めるために、例えば、正極を網状のニッ
ケルで被覆する方法などが提案されているものの、正極
に溶接されているタブを正極端子に溶接する構成の円筒
型電池に比べると大電流放電特性が劣るという問題点が
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高容量で、
かつ大電流放電特性が向上された薄型ニッケル水素二次
電池およびこの薄型ニッケル水素二次電池を用いるハイ
ブリッドカー並びに電気自動車を提供することを目的と
する。
【0005】また、本発明は、初期容量が高く、かつサ
イクル寿命に優れる薄型ニッケル水素二次電池およびこ
の薄型ニッケル水素二次電池を用いるハイブリッドカー
並びに電気自動車を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る第1の薄型
ニッケル水素二次電池は、正極端子を兼ねる容器構成部
材と、前記正極容器構成部材内に配置され、導電性基板
及び前記導電性基板に保持される活物質含有合剤を含む
正極と、負極端子を兼ねる容器構成部材と、前記負極容
器構成部材内に配置される水素吸蔵合金を含む負極とを
具備し、前記正極容器構成部材と前記負極容器構成部材
との間に絶縁ガスケットを介在させて密閉容器とする薄
型ニッケル水素二次電池において、前記正極容器構成部
材の内面と対向している正極表面の少なくとも一部に前
記導電性基板が露出しており、この導電性基板露出領域
が前記正極容器構成部材の内面に溶接されていることを
特徴とするものである。
【0007】本発明に係る第2の薄型ニッケル水素二次
電池は、正極端子を兼ねる容器構成部材と、前記正極容
器構成部材内に配置され、導電性基板及び前記導電性基
板に保持される活物質含有合剤を含む正極と、負極端子
を兼ねる容器構成部材と、前記負極容器構成部材内に配
置される水素吸蔵合金を含む負極とを具備し、前記正極
容器構成部材と前記負極容器構成部材との間に絶縁ガス
ケットを介在させて密閉容器とする薄型ニッケル水素二
次電池において、前記正極容器構成部材は、内方に突出
した窪み部を有し、前記正極容器構成部材の内面と対向
している正極表面の少なくとも一部に前記導電性基板が
露出しており、この導電性基板露出領域が前記正極容器
構成部材の前記窪み部に溶接されていることを特徴とす
るものである。
【0008】また、本発明に係る第2の薄型ニッケル水
素二次電池は、正極端子を兼ねる容器構成部材と、前記
正極容器構成部材内に配置され、導電性基板及び前記導
電性基板に保持される活物質含有合剤を含む正極と、負
極端子を兼ねる容器構成部材と、前記負極容器構成部材
内に配置される水素吸蔵合金を含む負極とを具備し、前
記正極容器構成部材と前記負極容器構成部材との間に絶
縁ガスケットを介在させて密閉容器とする薄型ニッケル
水素二次電池において、前記正極容器構成部材は、内方
に突出した第1の窪み部と第2の窪み部を有し、前記正
極容器構成部材の内面と対向している正極表面の少なく
とも一部に前記導電性基板が露出しており、この導電性
基板露出領域が前記正極容器構成部材の前記第1の窪み
部に溶接されており、前記第2の窪み部に開口されたガ
ス抜き孔と、前記第2の窪み部内に点溶接された押え板
と、前記第2の窪み部と前記押え板により囲まれた空間
内に前記ガス抜き孔を覆うように圧縮状態で配置された
弾性弁体とを備える安全弁機構を備えることを特徴とす
るものである。
【0009】本発明に係る第3の薄型ニッケル水素二次
電池は、正極端子を兼ねる容器構成部材と、前記正極容
器構成部材内に配置される正極と、負極端子を兼ねる容
器構成部材と、前記負極容器構成部材内に配置され、導
電性基板及び前記導電性基板に保持される水素吸蔵合金
含有合剤を含む負極とを具備し、前記正極容器構成部材
と前記負極容器構成部材との間に絶縁ガスケットを介在
させて密閉容器とする薄型ニッケル水素二次電池におい
て、前記負極を溶接を利用して前記負極容器構成部材に
電気的に接続することを特徴とするものである。
【0010】また、本発明に係る第3の薄型ニッケル水
素二次電池は、正極端子を兼ねる容器構成部材と、前記
正極容器構成部材内に配置される正極と、負極端子を兼
ねる容器構成部材と、前記負極容器構成部材内に配置さ
れ、導電性基板及び前記導電性基板に保持される水素吸
蔵合金含有合剤を含む負極とを具備し、前記正極容器構
成部材と前記負極容器構成部材との間に絶縁ガスケット
を介在させて密閉容器とする薄型ニッケル水素二次電池
において、前記負極は、導電性基板と、前記導電性基板
の表面に形成された集電部と、前記導電性基板に保持さ
れた水素吸蔵合金含有合剤とを有し、前記集電部が前記
負極容器構成部材の内面に溶接されていることを特徴と
するものである。
【0011】さらに、本発明に係る第3の薄型ニッケル
水素二次電池は、正極端子を兼ねる容器構成部材と、前
記正極容器構成部材内に配置される正極と、負極端子を
兼ねる容器構成部材と、前記負極容器構成部材内に配置
される負極とを具備し、前記正極容器構成部材と前記負
極容器構成部材との間に絶縁ガスケットを介在させて密
閉容器とする薄型ニッケル水素二次電池において、前記
負極は、導電性基板と、一端が前記導電性基板の表面に
固定されていると共に他端が前記導電性基板から延出し
ている帯状の集電板と、前記導電性基板に保持された水
素吸蔵合金含有合剤層とを有し、前記帯状の集電板が折
り返された状態で前記負極容器構成部材の内面に溶接さ
れていることを特徴とするものである。
【0012】本発明に係る第1〜第3の薄型ニッケル水
素二次電池において、薄型とは、正極容器構成部材と負
極容器構成部材の対向する外部表面の間の最大距離に比
較して、前記最大距離方向と直交する方向の正極容器構
成部材または負極容器構成部材の最大差し渡し長さの方
が大きい形状を意味する。
【0013】本発明に係る第1〜第3の薄型ニッケル水
素二次電池においては、正極端子を兼ねる容器構成部材
を正極缶または蓋体とすることができると共に、負極端
子を兼ねる容器構成部材を負極缶または蓋体として使用
することができる。
【0014】本発明に係るハイブリッドカーは、電気駆
動手段と、前記電気駆動手段用の電源とを具備したハイ
ブリッドカーにおいて、前記電源は、前記第1〜第3の
うちいずれかの薄型ニッケル水素二次電池を備えること
を特徴とするものである。
【0015】本発明に係る電気自動車は、駆動電源とし
て前記第1〜第3のうちいずれかの薄型ニッケル水素二
次電池を具備することを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る第1〜第3の
薄型ニッケル水素二次電池について説明する。
【0017】本発明に係る第1の薄型ニッケル水素二次
電池は、正極端子を兼ねる容器構成部材と、前記正極側
容器構成部材内に収納され、導電性基板及び前記導電性
基板に保持される活物質含有合剤を含む正極と、負極端
子を兼ねる容器構成部材と、前記負極側容器構成部材内
に収納される負極と、前記正極及び前記負極の間に配置
されるセパレータと、前記セパレータに含浸されるアル
カリ電解液とを具備する。この薄型ニッケル水素二次電
池では、前記正極側容器構成部材と前記負極側容器構成
部材の間に絶縁ガスケットを介在させることにより密閉
容器とする。前記正極の表面のうち前記正極側容器構成
部材の内面と対向している表面の少なくとも一部に前記
導電性基板が露出しており、この導電性基板露出領域が
前記正極側容器構成部材の内面に溶接されている。
【0018】この第1の薄型ニッケル水素二次電池の一
例を図1〜図3に示す。
【0019】有底円筒形状をなす金属製の正極缶1内に
は、ペレット形状の正極2が収納されている。正極2
は、導電性基板3と、前記導電性基板3に保持される活
物質含有合剤4とを有するものである。正極2の片側の
面の少なくとも一部には、前記導電性基板3が露出して
いる。導電性基板露出領域3は、前記正極缶1の内面に
溶接されている。溶接箇所5は、1箇所でも良いし、複
数設けることも可能である。円板状のセパレータ6は、
前記正極2上に配置されている。ペレット形状の負極7
は、前記セパレータ6上に配置されている。アルカリ電
解液は、前記正極2、前記セパレータ6及び前記負極7
に含浸されている。負極端子を兼ねる蓋体8は、前記正
極缶1に環状の絶縁ガスケット9を介してかしめ固定さ
れている。正極缶1および蓋体8は、例えば、ニッケ
ル、表面にニッケルが配されている金属材料(例えば、
鉄、ステンレス)などから形成することができる。一
方、絶縁ガスケットは、例えば、ポリプロピレンやポリ
エチレンのようなポリオレフィン、ポリアミド等から形
成することができる。また、この薄型ニッケル水素二次
電池では、正極缶1(正極容器構成部材)と蓋体8(負
極容器構成部材)の対向する外部表面の間の最大距離d
maxに比較して、前記最大距離dmax方向と直交する方向
の正極缶1(正極容器構成部材)または蓋体8(負極容
器構成部材)の最大差し渡し長さの方が大きくなってい
る。図1〜図3の場合、最大差し渡し長さL maxは、正
極缶1の外径である。なお、薄型ニッケル水素二次電池
が例えば楕円形状をなす場合、図9に示すように、正極
容器構成部材及び負極容器構成部材の長径のうち大きい
方が、正極容器構成部材または負極容器構成部材31の
最大差し渡し長さLmaxに該当する。
【0020】以下、正極2、負極7、セパレータ6およ
びアルカリ電解液について説明する。
【0021】1)正極2 この正極2は、例えば、活物質である水酸化ニッケル粉
末に導電材料を添加し、高分子結着剤および水とともに
混練してペーストを調製し、前記ペーストを導電性基板
に充填し、乾燥した後、プレス成形し、所望の寸法に裁
断することにより作製される。得られた正極2の表面を
研磨することにより正極表面に導電性基板3を露出させ
ることができる。また、表面に導電性基板が露出した正
極は、導電性基板にペーストを充填し、乾燥し、基板を
露出させたい側の表面に付着しているペーストをブラシ
がけや拭き取りなどの方法によって除去した後にプレス
成形を施し、所望の寸法に裁断することにより作製して
も良い。
【0022】前記水酸化ニッケル粉末は、亜鉛酸化物、
コバルト酸化物、亜鉛水酸化物及びコバルト水酸化物の
群から選択される少なくとも1つの化合物を含んでいて
も良い。
【0023】前記水酸化ニッケル粉末において、粒子表
面が、オキシ水酸化コバルト(CoOOH)を含有する
層で被覆されていても良い。このような構成を有する水
酸化ニッケルは、導電性を改善することができる。
【0024】前記導電材料としては、例えば、コバルト
酸化物、コバルト水酸化物、金属コバルト、金属ニッケ
ル、炭素などを挙げることができる。
【0025】前記高分子結着剤としては、例えば、カル
ボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリアク
リル酸ナトリウムのようなポリアクリル酸塩、ポリテト
ラフルオロエチレン、スチレンブタジエンゴム等を挙げ
ることができる。
【0026】前記導電性基板には、二次元多孔体基板
や、三次元多孔体基板を使用することができる。二次元
多孔体基板としては、例えば、パンチドメタル、エキス
パンデッドメタル、ニッケルネット等を挙げることがで
きる。また、二次元多孔体基板の表面に凹凸を形成した
ものを導電性基板として用いても良い。一方、三次元多
孔体基板としては、例えば、フェルト状金属多孔体、ス
ポンジ状金属多孔体、ニッケル繊維焼結体等を挙げるこ
とができる。これら導電性基板を形成する材料として
は、例えば、ニッケル、表面にニッケルが配された金属
材料(例えば、ステンレス、鉄)などを挙げることがで
きる。導電性基板には、三次元多孔体基板を使用するこ
とが望ましい。
【0027】2)負極7 この負極は、導電性基板と、前記導電性基板に保持され
る水素吸蔵合金含有合剤とを有する。
【0028】この負極は、例えば、水素吸蔵合金の粉末
に導電材を添加し、高分子結着剤および水とともに混練
してペーストを調製し、前記ペーストを導電材基板に充
填し、乾燥した後、プレス成形することにより作製され
る。
【0029】前記水素吸蔵合金としては、たとえば、
(a)CaCu5型構造を有する希土類−ニッケル系水素
吸蔵合金(例えば、LaNi5、MmNi5(Mmはミッ
シュメタルを示す)、LmNi5(Lmはランタン富化
したミッシュメタルを示す)、またはこれらのNiの一
部をAl、Mn、Co、Ti、Cu、Zn、Zr、C
r、Bのような元素で置換した多元素系のもの)、(b)
希土類−マグネシウム−ニッケル系水素吸蔵合金、(c)
Ti−Ni系水素吸蔵合金、(d)Ti−Fe系水素吸蔵
合金、(e)Ti−Ni系水素吸蔵合金、(f)Zr−V−
Ni系水素吸蔵合金、(g)Mg系水素吸蔵合金、(h)ラ
ーべス相水素吸蔵合金等を挙げることができる。前記水
素吸蔵合金としては、前述した(a)〜(h)に示され
る合金相からなる単相合金を使用しても良いが、前述し
た(a)〜(h)に示される合金相を主相として含む多
相合金を使用することも可能である。
【0030】中でも、希土類−ニッケル系水素吸蔵合金
と希土類−マグネシウム−ニッケル系水素吸蔵合金が好
ましい。希土類−ニッケル系水素吸蔵合金としては、一
般式LnNi5-x-y Cox My(ただし、LnはYを含
む希土類元素から選ばれる少なくとも1種の元素、Mは
Mn,Al,Cu,Fe及びCrからなる群より選ばれ
る1種以上の元素、原子比x、yは0.2≦x≦0.
8、0.2≦y≦1.0を示す)で表されるものが好ま
しい。また、希土類−マグネシウム−ニッケル系水素吸
蔵合金では、特に、一般式R1-a-bMgabNiz-xx
(ただし、式中、RはYを含む希土類元素から選ばれる
少なくとも1種の元素、TはCa、Ti、ZrおよびH
fよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、Mは
Co、Mn、Fe、Al、Ga、Zn、Sn、Cu、S
i、B、Nb、W、Mo、V、Cr、Ta、PおよびS
よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、原子比
a、b、x及びzは0.15≦a≦0.35、0≦b≦
0.3、0≦x≦2.0、3≦z≦3.8を示す)で表
されるものが好ましい。
【0031】特に、一般式R1-a-bMgabNiz-xx
で表される組成を有する水素吸蔵合金を含む負極は、初
期活性の立ち上りが速いため、二次電池の放電容量を向
上することができる。
【0032】前記結着剤としては、前記正極で説明した
のと同様なものを挙げることができる。
【0033】前記導電材としては、例えば、ニッケル粉
末、カーボンブラック等を挙げることができる。
【0034】前記ペースト中に、Y23、Er23、Y
23、Sm23、Mn34、LiMn24、Nb
25、SnO2などの酸化物を添加しても良い。負極中
に前記酸化物を含有させることによって、高温でのサイ
クル寿命を改善することが可能となる。また、添加する
酸化物の種類は、1種類もしくは2種類以上にすること
ができる。酸化物の添加量は、前記水素吸蔵合金に対し
て0.2〜5wt%の範囲にすることが好ましい。より
好ましい範囲は0.4〜2wt%の範囲である。
【0035】前記導電性基板には、二次元多孔体基板
や、三次元多孔体基板を使用することができる。二次元
多孔体基板としては、例えば、パンチドメタル、エキス
パンデッドメタル、ニッケルネット等を挙げることがで
きる。また、二次元多孔体基板の表面に凹凸を形成した
ものを導電性基板として用いても良い。一方、三次元多
孔体基板としては、例えば、フェルト状金属多孔体、ス
ポンジ状金属多孔体、ニッケル繊維焼結体等を挙げるこ
とができる。これら導電性基板を形成する材料として
は、例えば、ニッケル、表面にニッケルが配された金属
材料(例えば、ステンレス、鉄)などを挙げることがで
きる。導電性基板には、二次元多孔体基板を使用するこ
とが望ましい。
【0036】3)セパレータ6 このセパレータ6としては、例えば、ポリプロピレン不
織布、ナイロン不織布、ポリプロピレン繊維とナイロン
繊維を混繊した不織布のような高分子不織布等を挙げる
ことができる。特に、表面が親水化処理されたポリプロ
ピレン不織布はセパレータとして好適である。
【0037】4)アルカリ電解液 このアルカリ電解液としては、例えば、水酸化ナトリウ
ム(NaOH)の水溶液、水酸化リチウム(LiOH)
の水溶液、水酸化カリウム(KOH)の水溶液、NaO
HとLiOHの混合液、KOHとLiOHの混合液、K
OHとLiOHとNaOHの混合液等を用いることがで
きる。また、本発明に係るニッケル水素二次電池は、ア
ルカリ電解液にアルカリ電解液を保持もしくはゲル化さ
せる機能を有するポリマーを添加することによりアルカ
リ電解液をゲル化させ、これをアルカリ電解液として使
用したものにも適用可能である。
【0038】以上説明した本発明に係る第1の薄型ニッ
ケル水素二次電池によれば、正極の片面の少なくとも一
部に導電性基板を露出させ、この導電性基板露出領域
を、正極端子を兼ねる容器構成部材の内面に溶接するこ
とによって、正極側容器構成部材と正極の電気的接続を
大幅に改善することができるため、放電容量及び大電流
での放電特性を向上することができる。さらに、ニッケ
ル水素二次電池は充放電に伴って電極に体積変化を生じ
るが、正極が正極側容器構成部材に溶接により固定され
ているため、電極の体積変化に起因して生じる容器の変
形や圧接力の変化に伴う電気抵抗変化を少なくすること
ができる。このため、電極にかかる押圧力を安定化させ
るために板バネを設置したり、あるいは変形を抑えるた
めに容器を厚くするということが不要になり、電池の薄
型化を図る上で有効である。
【0039】なお、前述した図1〜3においては、正極
端子を兼ねる容器構成部材を収納容器として使用する例
を説明したが、負極端子を兼ねる容器構成部材を収納容
器とし、この負極収納容器に正極端子を兼ねる蓋体を絶
縁性ガスケットを介してかしめ固定する構成の薄型ニッ
ケル水素二次電池にも同様に適用することができる。
【0040】本発明に係る第2の薄型ニッケル水素二次
電池は、正極端子を兼ねる容器構成部材と、前記正極容
器構成部材内に収納され、導電性基板及び前記導電性基
板に保持される活物質含有合剤を含む正極と、負極端子
を兼ねる容器構成部材と、前記負極容器構成部材内に収
納される負極とを具備する。この薄型ニッケル水素二次
電池では、前記正極容器構成部材と前記負極容器構成部
材の間に絶縁ガスケットを介在させることにより密閉容
器とする。前記正極容器構成部材は、内方に突出した窪
み部を有し、また、前記正極の表面のうち前記正極容器
構成部材の内面と対向している表面の少なくとも一部に
前記導電性基板が露出している。この導電性基板露出領
域が前記正極容器構成部材の前記窪み部に溶接されてい
る。
【0041】この第2の薄型ニッケル水素二次電池の一
例を図4を参照して説明する。
【0042】有底円筒形状をなす金属製の正極缶10
は、例えば、ニッケル、表面にニッケルが配されている
金属材料(例えば、ステンレス、鉄)などから形成する
ことができる。この正極缶10の底部の中央付近には、
内方に突出した段付き窪み部11aが形成されている。
また、この正極缶10の底部には、内方に突出した形状
の環状窪み部11bも形成されている。この正極缶10
内には、中央に円形のガス通過孔12が形成されている
こと以外は前述した第1のニッケル水素二次電池で説明
したのと同様な構成の正極2が収納されている。正極2
の片面の少なくとも一部に露出している導電性基板領域
は、前記正極缶10の前記環状窪み部11bの凸部に溶
接されている。前記段付き窪み部11aには、復帰式の
安全弁機構が設けられている。すなわち、安全弁機構
は、前記段付き窪み部11aの凸部に開口されたガス抜
き孔13と、前記段付き窪み部11a内に前記ガス抜き
孔13を覆うように配置された球状の弾性弁体14と、
前記窪み部11aの段部に点溶接(例えば、スポット溶
接)された金属製押え板15とを有する。窪み部11a
と押え板15との溶接箇所は、1箇所または2箇所以上
にすることができる。弾性弁体14は、前記窪み部11
aと前記押え板15とにより囲まれた空間内に圧縮状態
で配置されている。弾性弁体としては、前述した球形状
のものの他に、例えば円柱形状のものを使用することが
できる。弾性弁体を形成する材料としては、例えば、耐
アルカリ性を有するゴム(例えば、ニトリルゴム、クロ
ロプレンゴム、天然ゴム)等を挙げることができる。
【0043】このような正極2上には、図示しないもの
の、円板状のセパレータ及びペレット形状の負極がこの
順番に配置されている。また、アルカリ電解液は、前記
正極2、前記セパレータ及び前記負極に含浸されてい
る。さらに、負極端子を兼ねる蓋体は、前記正極缶10
に環状の絶縁ガスケットを介してかしめ固定されてい
る。
【0044】この薄型ニッケル水素二次電池の正極、負
極、セパレータ及びアルカリ電解液には、前述した第1
のニッケル水素二次電池で説明したのと同様なものを使
用することができる。
【0045】図4に示すようなニッケル水素二次電池に
おいて、例えば、過充電等によりガスが発生すると、こ
のガスが前記正極2のガス通過孔12及び前記ガス抜き
孔13を通して前記弾性弁体14に圧力を加える。その
結果、前記弾性弁体14が変形し、前記弾性弁体14と
前記ガス抜き孔13の間に隙間が生じると、この隙間を
ガスが通過し、さらに、押え板15は段付き窪み部11
aにスポット溶接されており、スポット間の隙間をガス
が通り抜けるため、ガスを外部に逃散させることができ
る。従って、過充電等により内圧が上昇した際に、破裂
が生じるのを未然に回避することができる。また、ガス
が外部に放出されて電池内圧が低下すると、弾性弁体1
4が元の形状に復元し、密閉性を保つことができるた
め、安全弁の作動に伴うサイクル寿命の短縮を最小限に
抑えることができる。
【0046】以上説明した本発明に係る第2の薄型ニッ
ケル水素二次電池によれば、正極の片面の少なくとも一
部に露出している導電性基板を、正極容器構成部材に形
成されている内方に突出した窪み部に溶接するため、正
極側容器構成部材と正極の電気的接続を大幅に改善する
ことができるばかりか、溶接痕が正極側容器構成部材の
表面に突出するのを防止することができる。したがっ
て、薄型化を妨げることなく、ニッケル水素二次電池の
放電容量及び大電流での放電特性を向上することができ
る。
【0047】また、この第2の薄型ニッケル水素二次電
池において、前記正極容器構成部材に内方に突出した形
状の窪み部(以下、第2の窪み部と称す)を別に設け、
前記第2の窪み部に開口されたガス抜き孔と、前記第2
の窪み部内に点溶接された押え板と、前記第2の窪み部
と前記押え板により囲まれた空間内に前記ガス抜き孔を
覆うように圧縮状態で配置された弾性弁体とを備える安
全弁機構を形成することによって、放電容量と大電流放
電特性の向上を達成しつつ、かつ薄型化に支障をきたす
ことなく、復帰式安全弁機構を備えることが可能にな
る。
【0048】すなわち、ニッケル水素二次電池の充電反
応においては、正極が完全充電される以前から酸素発生
反応が競争反応として起こるため、電池の放電容量を大
きくとるためには正極の酸化に要する当量の電気量より
も大きな電気量の充電を行う必要がある。この過充電に
よって発生する酸素は、負極の表面で還元されて水に戻
るが、その還元速度も電極の対向面積が大きいほど速
く、対向面積が小さい薄型電池では大電流で過充電領域
まで充電すると再結合反応が間に合わずに電池の内圧が
上昇しやすい。ところで、円筒型のニッケル水素二次電
池では、一般に、封口板と正極端子キャップの間にゴム
製の安全弁を配置する構造の復帰型安全弁が設置されて
おり、万一、電池内圧が上昇した場合でもこの復帰型安
全弁により電池缶内のガスを逃がし得るのに対して、ボ
タン型あるいはコイン型のような扁平型ニッケル水素二
次電池では電池缶および蓋がそれぞれ正極端子・負極端
子を兼ねているため、復帰型の安全弁を設置するスペー
スがとりにくい。そこで、扁平型ニッケル水素二次電池
に、薄肉部を有する非復帰型安全弁を設置すると、電池
内圧が上昇した際にガスを外部に逃がすことが可能にな
るものの、安全弁作動後は密閉性が低下するため、外部
への電解液中の水分の蒸発による損失や空気中の炭酸ガ
スと電解液の反応による電気伝導率の低下などにより、
長寿命を得られ難くなる。
【0049】本願発明のように、正極端子を兼ねる容器
構成部材に、内方に突出した窪み部を形成し、この窪み
部内に復帰式の安全弁機構を設けることによって、安全
弁機構が容器の表面に突出しなくなるため、二次電池を
縦に積み上げて積層構造の組み電池を構成することが可
能になり、また二次電池の容器にリード線を溶接したり
する際に邪魔にならず、リード溶接の作業性を改善する
ことができる。
【0050】また、安全弁機構作動による充放電特性の
低下を最小限に抑えることができると共に、ボタン型や
コイン型のような扁平型ニッケル水素二次電池では従来
困難であった急速充電を行うことが可能となる。さら
に、複数の電池を直列に接続して使用する場合に問題と
なる電池容量ばらつきに起因する過放電や過充電が生じ
た場合でも、電池内部に発生するガスを逃がしたあとは
再び密閉構造を回復できるため、その後の電池の急速な
特性低下を防止することができる。
【0051】なお、前述した図4においては、正極端子
を兼ねる容器構成部材を収納容器として使用する例を説
明したが、負極端子を兼ねる容器構成部材を収納容器と
し、この負極収納容器に正極端子を兼ねる蓋体を絶縁性
ガスケットを介してかしめ固定する構成のニッケル水素
二次電池にも同様に適用することができる。
【0052】また、前述した図4においては、導電性基
板露出領域が溶接される窪み部の形状を環状にしたが、
正極缶に窪み部を点在させ、そこに導電性基板露出領域
を溶接しても良い。
【0053】次いで、本発明に係る第3の薄型ニッケル
水素二次電池について説明する。
【0054】この第3の薄型ニッケル水素二次電池は、
正極端子を兼ねる容器構成部材と、前記正極側容器構成
部材内に配置される正極と、負極端子を兼ねる容器構成
部材と、前記負極側容器構成部材内に配置され、導電性
基板及び前記導電性基板に保持される水素吸蔵合金含有
合剤を含む負極とを具備する。この薄型ニッケル水素二
次電池では、前記正極容器構成部材と前記負極容器構成
部材の間に絶縁ガスケットを介在させることにより密閉
容器とする。また、前記負極は、溶接を利用して前記負
極容器構成部材に電気的に接続されている。
【0055】この第3の薄型ニッケル水素二次電池の一
例(以下、ニッケル水素二次電池Aと称する)を図5〜
図7を参照して説明する。なお、前述した図1〜4で説
明したのと同様な部材については、前述した図1〜4と
同様な符号を付して説明を省略する。
【0056】有底円筒形状をなす金属製の正極缶1内に
は、ペレット形状の正極16が収納されている。正極1
6は、導電性基板と、前記導電性基板に保持される活物
質含有合剤を有するものである。円板状のセパレータ6
は、前記正極16上に配置されている。負極は、前記セ
パレータ6上に配置されている。この負極は、円形の導
電性基板17と、一端が前記導電性基板17の周縁に溶
接された帯状の金属板(集電部)18と、前記導電性基
板17の両面に担持された水素吸蔵合金含有層19とを
有する。帯状の金属板18は、点線で折り返されて重ね
られ、この状態での上面(18b)が負極端子を兼ねる
蓋体8の内面に溶接されている。帯状の金属板18は、
例えば、ニッケル、表面にニッケルが配されている金属
材料(例えば、ステンレス、鉄)などから形成すること
ができる。アルカリ電解液は、前記正極16、前記セパ
レータ6及び前記負極に含浸されている。負極端子を兼
ねる蓋体8は、前記正極缶1に環状の絶縁ガスケット9
を介してかしめ固定されることにより前記正極缶1を封
口している。
【0057】前記正極16には、前述した第1のニッケ
ル水素二次電池で説明したのと同様な正極を用いて、こ
れを正極缶1に溶接しても良いが、表面に導電性基板の
露出していないものを使用することも可能である。ま
た、負極、セパレータ及びアルカリ電解液には、前述し
た第1のニッケル水素二次電池で説明したのと同様なも
のを用いることができる。
【0058】また、第3の薄型ニッケル水素二次電池
は、図8に示すような構成にすることも可能である(以
下、ニッケル水素二次電池Bと称する)。なお、前述し
た図1〜7で説明したのと同様な部材については、前述
した図1〜7と同様な符号を付して説明を省略する。
【0059】このニッケル水素二次電池Bは、負極の構
造が異なる以外は、ニッケル水素二次電池Aと同様な構
成を有するものである。すなわち、負極は、円形の導電
性基板17と、前記導電性基板17の両面に前記導電性
基板17の中心付近を除いて担持された水素吸蔵合金含
有層19とを有する。導電性基板17の中心付近に存在
する水素吸蔵合金含有層非保持領域20のうち、蓋体8
と対向する側に集電板(集電部)21が溶接されてい
る。この集電板21は、蓋体8の内面に溶接されてい
る。
【0060】なお、前述した図8においては、導電性基
板17の水素吸蔵合金含有層非保持領域20に集電板2
1を溶接し、これを蓋体8の内面に溶接したが、集電板
21を用いる代わりに、蓋体8に内方に突出した窪み部
を設け、この窪み部を導電性基板17の水素吸蔵合金含
有層非保持領域に溶接することも可能である。
【0061】また、負極全体を金属製のネット(集電
部)で被覆し、この金属ネットを蓋体8の内面に溶接し
ても良い。
【0062】以上説明した本発明に係る第3の薄型ニッ
ケル水素二次電池によれば、負極を溶接を利用して前記
負極容器構成部材に電気的に接続することによって、初
期放電容量及び充放電サイクル寿命が向上された薄型ニ
ッケル水素二次電池を提供することができる。
【0063】ニッケル水素二次電池の負極は、初充電に
より膨張した後、放電により収縮するものの、初充電開
始前の厚みに戻らず、そればかりか充放電を繰り返すこ
とによりそこから徐々に膨れが蓄積していく性質を有す
る。一般的に、角型ニッケル水素二次電池の電池缶は厚
くできており、電池缶により電極群を圧迫することがで
きるために電極の膨れを十分に抑えることが可能である
ばかりか、負極が電池缶に接しているだけで十分に電気
的導通をとることができる。また、円筒型ニッケル水素
二次電池の場合、電池缶の厚さは角型電池に比べると薄
いものの、円筒という形状のため円の中心から外方向へ
働く力に対しては強く、電極の膨れを利用して電気的導
通を確保することができる。
【0064】ところが、ボタン型およびコイン型のよう
な扁平型ニッケル水素二次電池は、構造上膨れに対して
は弱く、負極端子を兼ねる容器構成部材内の負極の充填
量を大きくして負極容器構成部材と負極の圧着を高めて
電気的導通を確保すると、負極の膨れにより負極容器構
成部材が押し上げられ、絶縁性ガスケットと負極容器構
成部材との間に隙間ができ、そこから電解液が漏れ出て
しまったり、密閉性が損なわれるなどの問題を生じる場
合がある。それを防ぐために、充放電に伴う膨れを考慮
して負極厚さを薄くすると、特に初充電前の状態におけ
る負極と負極端子との電気的導通が劣り、初充電時の抵
抗が大きくなって十分に充電することができなくなる。
その解決策として負極をニッケル製の網で包んだり、負
極と負極容器構成部材との間にバネを入れることが提案
されている。しかしながら、網で包んだ構造だけでは初
充電での活性化が十分ではなく、一方、バネを用いる場
合には、バネの占有体積の分、活物質を充填し得る体積
が減少し、高容量化を阻害するという問題がある。ま
た、前述したように負極は充放電により膨れと収縮を繰
り返すため、負極と負極容器構成部材とを単に接触させ
るだけでは負極と負極端子との間の電気的導通の安定性
が劣り、長寿命を得られなくなる場合がある。
【0065】本願発明のように、負極を溶接を利用して
前記負極容器構成部材に電気的に接続することによっ
て、負極と負極容器構成部材との接触状態は初充電の時
か充放電中かで、あるいは充放電に伴う負極の膨張・収
縮度合いにより変化するものの、この接触状態の如何に
拘わらず、負極と負極端子との電気的導通を常に十分な
ものとすることができる。その結果、初充電を十分に施
すことができるため、充放電サイクル初期から高容量を
得ることができる。また、溶接によりインピーダンスを
低く押えることができるので、サイクル寿命も良好とな
る。更に、この様な構造をとることにより、ボタン型お
よびコイン型のような薄型電池では困難であった急速充
電が可能となる。
【0066】特に、負極を、導電性基板と前記導電性基
板の表面に形成された集電部と前記導電性基板に保持さ
れた水素吸蔵合金含有合剤層とを有するものとし、前記
集電部を前記負極容器構成部材の内面に溶接することに
よって、二次電池の初期容量とサイクル寿命をさらに向
上することができる。
【0067】また、負極を、導電性基板と、一端が前記
導電性基板の表面に固定されていると共に他端が前記導
電性基板から延出している帯状の集電板と、前記導電性
基板に保持された水素吸蔵合金含有合剤層とを有するも
のとし、前記帯状の集電板が折り返されたものが前記負
極容器構成部材の内面に溶接されていることによって、
集電部を形成することに伴う合剤層の減少量を最小限度
にすることができるため、高い電池容量を得ることがで
きる。その結果、充放電サイクル初期から高い放電容量
が得られ、かつ長寿命なニッケル水素二次電池を実現す
ることができる。さらに、集電板を折り返した状態での
総厚さを、水素吸蔵合金含有合剤層の厚さと等しくする
ことによって、水素吸蔵合金含有合剤層から集電部が突
出するのを避けることができるため、電池内に無駄な空
間が発生せず、体積エネルギー密度の低下を防止するこ
とができる。
【0068】なお、前述した図5においては、正極端子
を兼ねる容器構成部材を収納容器として使用する例を説
明したが、負極端子を兼ねる容器構成部材を収納容器と
し、この負極収納容器に正極端子を兼ねる蓋体を絶縁性
ガスケットを介してかしめ固定する構成のニッケル水素
二次電池にも同様に適用することができる。
【0069】また、本発明に係る第1または第2のニッ
ケル水素二次電池の正極及び正極端子を兼ねる容器構成
部材と、本発明に係る第3のニッケル水素二次電池の負
極及び負極端子を兼ねる容器構成部材との双方を用いて
ニッケル水素二次電池を構成しても良い。
【0070】次いで、本発明に係るハイブリッドカー及
び電気自動車について説明する。
【0071】本発明に係るハイブリッドカーは、外燃機
関もしくは内燃機関と、例えばモータからなる電気駆動
手段と、前記電気駆動手段用の電源とを具備する。前記
電源は、前述した第1〜第3のニッケル水素二次電池の
うちのいずれかの二次電池を具備する。
【0072】ここでいう“ハイブリッドカー”には、外
燃機関もしくは内燃機関が発電機を駆動し、発電した電
力と前記二次電池からの電力により電気駆動手段が車輪
を駆動するものと、外燃機関もしくは内燃機関ならびに
電気駆動手段の双方の駆動力を使い分けて車輪を駆動す
るものとが包含される。
【0073】本発明に係る電気自動車は、駆動電源とし
て前述した第1〜第3のニッケル水素二次電池のうちの
いずれかの二次電池を具備する。
【0074】また、本発明に係る第1〜第3のニッケル
水素二次電池が搭載されたハイブリッドカー及び電気自
動車は、燃費等の走行性能を高くすることができる。
【0075】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0076】(実施例1) <正極の作製>球状水酸化ニッケル粒子表面にオキシ水
酸化コバルトをコートして得た複合水酸化ニッケル粉末
と、ポリアクリル酸塩と、ポリテトラフルオロエチレン
と、カルボキシメチルセルロースとを水の存在下で混練
することによりペーストを調製した。これをニッケルか
らなるスポンジ状金属基板に充填し、乾燥した後、ロー
ルプレスにより圧縮成形し、次いで直径16mmの円盤
状に打ち抜いた。ひきつづき、スポンジ状ニッケル基板
が明確に露出するまで片面を研磨し、厚さが0.6mm
で、容量が70mAhの正極体2を得た。
【0077】<負極の作製>合金組成がMm0.79Mg
0.21Ni3.3 Al0.1 (但し、MmはYを含む希土類混
合物である)で表わされる水素吸蔵合金を平均粒径50
μmに粉砕し、得られた水素吸蔵合金粉末に、導電材で
あるカーボンブラック、結着剤であるカルボキシメチル
セルロースおよび水を添加し、混練することによりペー
ストを調製した。このペーストをパンチドメタルに塗布
し、乾燥した後、ロールプレスにより圧縮成形し、次い
で直径16mmの円盤状に打ち抜き、厚さが0.35m
mで、容量が110mAhの負極体7を得た。
【0078】<電池の組立て>得られた正極体2を導電
性基板露出面を下にして、ニッケルめっきされた鉄から
なるカップ状の正極缶1の中心部に配し、外側からのス
ポット溶接により正極体2の基板露出面における複数箇
所を正極缶1の内面に溶接した。このような正極缶内に
7mol/1の水酸化カリウムと1mol/1の水酸化
リチウムからなるアルカリ電解液を100マイクロリッ
トル注液した。ひきつづき、正極体2の片面表面を覆う
ようにセパレータ6として親水化処理を施したポリオレ
フィン繊維不織布を円形に打ち抜いたものを配置した。
次いで、このセパレータ6上に負極体7を配置した。
【0079】正極缶1内に環状の絶縁ガスケット9を挿
入した後、負極端子を兼ねるニッケルめっき鉄製蓋体8
を正極缶1内に挿入し、正極缶1の上端を内方に折り曲
げることにより、正極缶1に蓋体8を絶縁ガスケット9
を介してかしめ固定し、前述した図1〜3に示す構造を
有し、直径が20mmで、厚さが1.6mmのコイン型
ニッケル水素二次電池を得た。
【0080】得られたコイン型ニッケル水素二次電池
に、45℃で、1日間エージングを行った後、7mAで
12時間充電し、14mAで電池電圧が1Vに達するま
で放電するサイクルを2回繰り返して活性化を行った。
活性化後の放電容量を初期容量として下記表1に示す。
次いで、14mAの電流で6時間充電し、35mAの電
流で1Vまでの放電を行う充放電を3サイクル、14m
Aの電流で6時間充電し、70mAで1Vまでの放電を
行う充放電を3サイクル行い、それぞれ3サイクル目の
放電容量を測定した。結果を表1に示す。
【0081】(実施例2)水素吸蔵合金として、組成が
MmNi3.8 Co0.6 Mn0.2 Al0.4(但し、Mmは
Yを含む希土類混合物である)で表わされる水素吸蔵合
金を用いること以外は、前述した実施例1と同様な構成
のコイン型ニッケル水素二次電池を得た。
【0082】得られたコイン型ニッケル水素二次電池
に、前述した実施例1で説明したのと同様な条件で活性
化を行った後、前述した実施例1で説明したのと同様に
して35mAでの放電容量と70mAでの放電容量を測
定し、その結果を下記表1に示す。
【0083】(比較例1)正極体の表面に研磨処理を施
さず、かつ正極体と正極缶を溶接しないこと以外は、前
述した実施例1と同様な構成のコイン型ニッケル水素二
次電池を得た。
【0084】得られたコイン型ニッケル水素二次電池
に、前述した実施例1で説明したのと同様な条件で活性
化を行った後、前述した実施例1で説明したのと同様に
して35mAでの放電容量と70mAでの放電容量を測
定し、その結果を下記表1に示す。
【0085】(比較例2)正極体と正極缶を溶接しない
こと以外は、前述した実施例1と同様な構成のコイン型
ニッケル水素二次電池を得た。
【0086】得られたコイン型ニッケル水素二次電池
に、前述した実施例1で説明したのと同様な条件で活性
化を行った後、前述した実施例1で説明したのと同様に
して35mAでの放電容量と70mAでの放電容量を測
定し、その結果を下記表1に示す。
【0087】
【表1】
【0088】表1から明らかなように、正極の表面に導
電性基板を露出させ、この露出した導電性基板を正極缶
内面に溶接した構成の実施例1,2の二次電池は、放電
電流を高くした際の放電容量低下率が比較例1,2に比
べて小さいことがわかる。
【0089】これに対し、正極と正極缶を単に接触させ
ただけの構成を持つ比較例1の二次電池は、70mAで
の放電容量が初期容量に比べて28mAhも低下するこ
とがわかる。また、正極の表面に導電性基板を露出さ
せ、このような正極を正極缶に単に接触させた比較例2
の二次電池は、初期容量と比較した際の70mAでの放
電容量の低下が比較例1よりも小さいものの、23mA
hと実施例1,2に比べて大きいことがわかる。
【0090】(実施例3) <正極の作製>前述した実施例1で説明したのと同様に
して、ペースト調製、ペースト充填、乾燥、ロールプレ
スによる圧縮成形、裁断および表面の研磨を行うことに
より、直径が16mmで、厚さが1.6mmの正極体2
を得た。これの中心部分にガス通過孔12として直径4
mmの円形開口部を打ち抜いた。打抜き後の正極容量
は、190mAhであった。
【0091】<負極の作製>前述した実施例1で説明し
たのと同様にして、直径が16mm、厚さが0.9m
m、容量が280mAhの負極体を得た。
【0092】<電池の組立て>前述した図4に示すよう
な構造を有する復帰式安全弁機構を備える正極缶10を
用意した。この正極缶本体は、カップ状で、ニッケルめ
っきされた鉄からなる。正極缶本体の底部中央には、内
方に突出した段付き窪み部11aが形成されている。ま
た、この正極缶本体の底部周縁には、内方に突出した形
状の環状窪み部11bが形成されている。段付き窪み部
11aには、円形のガス抜き孔13が開口されている。
この段付き窪み部11a内に、前記ガス抜き孔13を覆
うように球状のゴム製弾性弁体14を配置した後、この
弾性弁体14が圧縮された状態となるように前記窪み部
11aの段部に金属製押え板15を配置し、この押え板
15をスポット溶接により固定し、復帰式安全弁機構を
形成した。
【0093】得られた正極体2を導電性基板露出面を下
にして、前記正極缶10の中心部に配し、外側からのス
ポット溶接により正極体2の基板露出面における複数箇
所を正極缶10の環状窪み部11bの凸部に溶接した。
このような正極缶内に前述した実施例1で説明したのと
同様なアルカリ電解液を270マイクロリットル注液し
た後、かかる構造の正極体2の片面表面を覆うように前
述した実施例1で説明したのと同様なセパレータ6を配
置した。次いで、このセパレータ6上に負極体を配置し
た。
【0094】正極缶1内に環状の絶縁ガスケット9を挿
入した後、負極端子を兼ねるニッケルめっき鉄製蓋体8
をかぶせ、正極缶1の上端を内方に折り曲げることによ
り、正極缶1に蓋体8を絶縁ガスケット9を介してかし
め固定し、直径が20mmで、厚さが3.2mmのコイ
ン型ニッケル水素二次電池を得た。
【0095】得られたコイン型ニッケル水素二次電池
に、19mAにて12時間充電し、30分休止の後、3
8mAhで1Vに到達するまで放電するサイクルを3サ
イクル実施して活性化したのち、100mAの電流で
2.5時間充電し、100mAで1Vに達するまで放電
する充放電を100サイクル繰り返し、100サイクル
目の放電容量を活性化3サイクル目の放電容量と比較し
た。活性化3サイクル目の容量を基準とした100サイ
クル目容量のパーセンテージを下記表2に示す。
【0096】(実施例4)正極缶に復帰式安全弁機構を
設置しないこと以外は、前述した実施例3で説明したの
と同様な構成のコイン型ニッケル水素二次電池を得た。
【0097】
【表2】
【0098】表2から明らかなように、復帰式安全弁機
構を備える実施例3の二次電池は、安全弁機構を持たな
い実施例4の二次電池に比べて、100サイクル後の容
量維持率が高いことがわかる。これは、実施例3の二次
電池は、大電流での過充電時の内圧が閾値を超えた場合
に圧力を逃がし得る構造であるのに対して、実施例4の
二次電池は圧力を逃がしえないために電池缶が変形しや
すく、電極群の電池缶による押圧が部分的に不足して電
極としての機能が低下したためと考えられる。
【0099】(実施例5) <負極の作製>組成がMm0.8 Mg0.2 Ni3.28Al
0.12(MmはY希土類元素の混合物)で表わされる水素
吸蔵合金粉末を導電材であるカーボンブラック、結着剤
であるカルボキシメチルセルロースおよび水と共に混練
してペーストを調製し、前記ペーストを導電性基板であ
る厚さが0.06mmのパンチドメタルに塗布し、乾燥
した後、プレスし、図6のようなφ16mmの円板形状
に打ち抜いた。図6中の19はペーストが塗布されてい
る部分で、18がタブである。タブ18は、溶接に使用
するため、予め塗布したペーストを掻き落とすか、ペー
ストを塗らないようにする。また、タブ18は、組立て
の際に点線で折り返し、18bが18aに重なるような
構造となっており、折り返した際に18bが塗布面19
より出っ張ることがなく、無駄なスペースを作らずに済
む。このようにして約120mAh容量の負極電極を得
た。
【0100】<正極の作製>水酸化ニッケル粉末を導電
材であるコバルト水酸化物、結着剤であるポリビニルア
ルコールおよび水と共に混練してペーストを調製し、前
記ペーストを導電性基板である発泡メタルに充填し、乾
燥した後、プレスし、直径16mmに打ち抜き、容量が
約60mAhの正極を得た。
【0101】<組立て>前述した図7に示すように、負
極の帯状タブ18の先端18aに、負極端子を兼ねる蓋
体8を溶接した。次いで、帯状タブ18を折り返すこと
により重ね合わせ、蓋体8内に負極を収納した。この
際、折り畳まれた状態での帯状タブの総厚みが水素吸蔵
合金含有層の厚さと等しかった。正極16を正極缶1内
に入れ、7mol/1の水酸化カリウムと1mol/1
の水酸化リチウムからなるアルカリ電解液を90マイク
ロ・リットル注液した後、前述した実施例1で説明した
のと同様なセパレータ6を正極16上に配置した。この
ような正極缶1内に環状の絶縁ガスケット9をはめ込ん
だ後、正極缶1上に蓋体8をかぶせ、正極缶1の上端を
内方に折り曲げることにより、正極缶1に蓋体8を絶縁
ガスケット9を介してかしめ固定し、前述した図5に示
す構造を有するコイン型ニッケル水素二次電池を得た。
【0102】<評価>得られたコイン型ニッケル水素二
次電池に初充電を施した。初充電の充放電条件は、6m
Aの電流値で12時間充電したのち、30分休止し、6
mAの電流値で電池電圧が1000mVになるまで放電
させるというものである。このときの放電容量を初充電
の放電容量とし、下記表3に示す。
【0103】また、初充電終了後、2サイクル目以降は
24mAの電流値で3時間充電したのち30分休止し、
24mAの電流値で電池電圧が1000mVになるまで
放電させたのち1分休止し、この一連の充放電過程を繰
り返した。このときの初充電を含めた5サイクル目の放
電容量を基準とした場合の、150サイクル目の放電容
量の割合を下記表3に示す。
【0104】(実施例6) <負極の作製>前述した実施例5で説明したのと同様な
組成を有する水素吸蔵合金粉末を導電材であるカーボン
ブラック、結着剤であるカルボキシメチルセルロースお
よび水と共に混練してペーストを調製し、前記ペースト
を導電性基板であるパンチドメタルに塗布し、乾燥した
後、プレスし、φ16mmの円板形状に打ち抜いた。次
いで、パンチドメタルに保持されている水素吸蔵合金含
有層両方について中心部分を掻き取り、両面にパンチド
メタルを露出させた。水素吸蔵合金含有層と同じ厚さを
持つ直径が2mmの円形のニッケル板を用意し、一方の
基板露出部にスポット溶接により固定し、前述した図8
に示す構造を有する厚さが0.35mmで、容量が約1
20mAhの負極を得た。
【0105】<組立て>負極端子を兼ねる蓋体8内に負
極をニッケル板21が溶接されている面を接触させて収
納した。次いで、蓋体8の内面に負極のニッケル板21
を溶接した。前述した実施例5で説明したのと同様な正
極を正極缶内に入れ、前述した実施例5で説明したのと
同様なアルカリ電解液を90マイクロ・リットル注液し
た後、前述した実施例1で説明したのと同様なセパレー
タを正極上に配置した。このような正極缶内に環状の絶
縁ガスケットをはめ込んだ後、正極缶上に蓋体をかぶ
せ、正極缶の上端を内方に折り曲げることにより、正極
缶に蓋体を絶縁ガスケットを介してかしめ固定し、コイ
ン型ニッケル水素二次電池を得た。
【0106】<評価>実施例5で説明したのと同様にし
て初充電での放電容量を測定し、その結果を下記表3に
示す。また、実施例5で説明したのと同様にして充放電
を繰り返したときの、初充電を含めた5サイクル目の放
電容量を基準とした場合の、150サイクル目の放電容
量の割合を表3に示す。
【0107】(比較例3) <負極の作製>前述した実施例5で説明したのと同様な
組成を有する水素吸蔵合金粉末を導電材であるカーボン
ブラック、結着剤であるカルボキシメチルセルロースお
よび水と共に混練してペーストを調製し、前記ペースト
を導電性基板であるパンチドメタルに塗布し、乾燥した
後、プレスし、φ16mmの円板形状に打ち抜き、容量
が約120mAhの負極電極を作製した。
【0108】<組立て>前述した実施例5で説明したの
と同様な正極を正極缶内に入れ、前述した実施例5で説
明したのと同様なアルカリ電解液を90マイクロ・リッ
トル注液した後、前述した実施例1で説明したのと同様
なセパレータを正極上に配置した。このような正極缶内
に環状の絶縁ガスケットをはめ込んだ後、負極を配置
し、負極端子を兼ねる蓋体をかぶせ、正極缶の上端を内
方に折り曲げることにより、正極缶に蓋体を絶縁ガスケ
ットを介してかしめ固定し、コイン型ニッケル水素二次
電池を得た。
【0109】<評価>実施例5で説明したのと同様にし
て初充電での放電容量を測定し、その結果を下記表3に
示す。また、実施例5で説明したのと同様にして充放電
を繰り返したときの、初充電を含めた5サイクル目の放
電容量を基準とした場合の、150サイクル目の放電容
量の割合を表3に示す。
【0110】
【表3】
【0111】表3から明らかなように、負極を溶接を用
いて負極端子を兼ねる容器構成部材に溶接した構成の実
施例5〜6の二次電池は、初充放電後の放電容量と15
0サイクル後の容量維持率が比較例3に比べて高いこと
がわかる。
【0112】これに対し、負極端子を兼ねる容器構成部
材に負極を単に接触させただけの比較例3の二次電池
は、初充放電後の放電容量が32mAhで、150サイ
クル後の容量維持率が67%と低いことがわかる。
【0113】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、初
期容量および大電流放電特性が向上された薄型ニッケル
水素二次電池とこの薄型ニッケル水素二次電池を用いる
ハイブリッドカー及び電気自動車を提供することができ
る。また、本発明によれば、初期容量とサイクル寿命が
向上された薄型ニッケル水素二次電池とこの薄型ニッケ
ル水素二次電池を用いるハイブリッドカー及び電気自動
車を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の薄型ニッケル水素二次電池
の一例であるコイン型ニッケル水素二次電池を示す断面
図。
【図2】図1のA部を示す拡大断面図。
【図3】図1のコイン型ニッケル水素二次電池における
容器構成部材の最大差し渡し長さを説明するための平面
図。
【図4】本発明に係る第2の薄型ニッケル水素二次電池
の一例であるコイン型ニッケル水素二次電池の要部を示
す断面図。
【図5】本発明に係る第3の薄型ニッケル水素二次電池
の一例であるコイン型ニッケル水素二次電池を示す断面
図。
【図6】図5のコイン型ニッケル水素二次電池に組み込
まれる負極を示す平面図。
【図7】図5のコイン型ニッケル水素二次電池における
負極缶と負極の集電部との溶接状態を示す斜視図。
【図8】本発明に係る第3の薄型ニッケル水素二次電池
の別な一例であるコイン型ニッケル水素二次電池の要部
を示す断面図。
【図9】本発明に係る第1の薄型ニッケル水素二次電池
の別な例における正極容器構成部材または負極容器構成
部材の最大差し渡し長さを説明するための平面図。
【符号の説明】
1…正極缶、 2…正極、 3…導電性基板露出領域、 4…活物質含有合剤、 5…溶接箇所 6…セパレータ、 7…負極、 8…蓋体、 9…絶縁ガスケット。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 酒井 勲 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 Fターム(参考) 5H012 AA04 BB01 BB02 DD04 EE09 GG05 5H022 AA04 BB11 CC01 CC08 CC21 5H028 AA02 AA07 BB05 CC02 CC04 CC05 CC11 5H050 AA07 AA08 BA14 CA03 CB16 FA01 GA07 HA02

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極端子を兼ねる容器構成部材と、前記
    正極容器構成部材内に配置され、導電性基板及び前記導
    電性基板に保持される活物質含有合剤を含む正極と、負
    極端子を兼ねる容器構成部材と、前記負極容器構成部材
    内に配置される水素吸蔵合金を含む負極とを具備し、前
    記正極容器構成部材と前記負極容器構成部材との間に絶
    縁ガスケットを介在させて密閉容器とする薄型ニッケル
    水素二次電池において、 前記正極容器構成部材の内面と対向している正極表面の
    少なくとも一部に前記導電性基板が露出しており、この
    導電性基板露出領域が前記正極容器構成部材の内面に溶
    接されていることを特徴とする薄型ニッケル水素二次電
    池。
  2. 【請求項2】 正極端子を兼ねる容器構成部材と、前記
    正極容器構成部材内に配置され、導電性基板及び前記導
    電性基板に保持される活物質含有合剤を含む正極と、負
    極端子を兼ねる容器構成部材と、前記負極容器構成部材
    内に配置される水素吸蔵合金を含む負極とを具備し、前
    記正極容器構成部材と前記負極容器構成部材との間に絶
    縁ガスケットを介在させて密閉容器とする薄型ニッケル
    水素二次電池において、 前記正極容器構成部材は、内方に突出した窪み部を有
    し、前記正極容器構成部材の内面と対向している正極表
    面の少なくとも一部に前記導電性基板が露出しており、
    この導電性基板露出領域が前記正極容器構成部材の前記
    窪み部に溶接されていることを特徴とする薄型ニッケル
    水素二次電池。
  3. 【請求項3】 正極端子を兼ねる容器構成部材と、前記
    正極容器構成部材内に配置され、導電性基板及び前記導
    電性基板に保持される活物質含有合剤を含む正極と、負
    極端子を兼ねる容器構成部材と、前記負極容器構成部材
    内に配置される水素吸蔵合金を含む負極とを具備し、前
    記正極容器構成部材と前記負極容器構成部材との間に絶
    縁ガスケットを介在させて密閉容器とする薄型ニッケル
    水素二次電池において、 前記正極容器構成部材は、内方に突出した第1の窪み部
    と第2の窪み部を有し、 前記正極容器構成部材の内面と対向している正極表面の
    少なくとも一部に前記導電性基板が露出しており、この
    導電性基板露出領域が前記正極容器構成部材の前記第1
    の窪み部に溶接されており、 前記第2の窪み部に開口されたガス抜き孔と、前記第2
    の窪み部内に点溶接された押え板と、前記第2の窪み部
    と前記押え板により囲まれた空間内に前記ガス抜き孔を
    覆うように圧縮状態で配置された弾性弁体とを備える安
    全弁機構を備えることを特徴とする薄型ニッケル水素二
    次電池。
  4. 【請求項4】 正極端子を兼ねる容器構成部材と、前記
    正極容器構成部材内に配置される正極と、負極端子を兼
    ねる容器構成部材と、前記負極容器構成部材内に配置さ
    れ、導電性基板及び前記導電性基板に保持される水素吸
    蔵合金含有合剤を含む負極とを具備し、前記正極容器構
    成部材と前記負極容器構成部材との間に絶縁ガスケット
    を介在させて密閉容器とする薄型ニッケル水素二次電池
    において、 前記負極を溶接を利用して前記負極容器構成部材に電気
    的に接続することを特徴とする薄型ニッケル水素二次電
    池。
  5. 【請求項5】 正極端子を兼ねる容器構成部材と、前記
    正極容器構成部材内に配置される正極と、負極端子を兼
    ねる容器構成部材と、前記負極容器構成部材内に配置さ
    れる負極とを具備し、前記正極容器構成部材と前記負極
    容器構成部材との間に絶縁ガスケットを介在させて密閉
    容器とする薄型ニッケル水素二次電池において、 前記負極は、導電性基板と、前記導電性基板の表面に形
    成された集電部と、前記導電性基板に保持された水素吸
    蔵合金含有合剤とを有し、前記集電部が前記負極容器構
    成部材の内面に溶接されていることを特徴とする薄型ニ
    ッケル水素二次電池。
  6. 【請求項6】 正極端子を兼ねる容器構成部材と、前記
    正極容器構成部材内に配置される正極と、負極端子を兼
    ねる容器構成部材と、前記負極容器構成部材内に配置さ
    れる負極とを具備し、前記正極容器構成部材と前記負極
    容器構成部材との間に絶縁ガスケットを介在させて密閉
    容器とする薄型ニッケル水素二次電池において、 前記負極は、導電性基板と、一端が前記導電性基板の表
    面に固定されていると共に他端が前記導電性基板から延
    出している帯状の集電板と、前記導電性基板に保持され
    た水素吸蔵合金含有合剤層とを有し、 前記帯状の集電板が折り返された状態で前記負極容器構
    成部材の内面に溶接されていることを特徴とする薄型ニ
    ッケル水素二次電池。
  7. 【請求項7】 前記負極の水素吸蔵合金は、一般式R
    1-a-bMgabNiz-xx(ただし、式中、RはYを含
    む希土類元素から選ばれる少なくとも1種の元素、Tは
    Ca、Ti、ZrおよびHfよりなる群から選ばれる少
    なくとも1種の元素、MはCo、Mn、Fe、Al、G
    a、Zn、Sn、Cu、Si、B、Nb、W、Mo、
    V、Cr、Ta、PおよびSよりなる群から選ばれる少
    なくとも1種の元素、原子比a、b、x及びzは0.1
    5≦a≦0.35、0≦b≦0.3、0≦x≦2.0、
    3≦z≦3.8を示す)で表される組成を有することを
    特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載の薄型ニッケ
    ル水素二次電池。
  8. 【請求項8】 電気駆動手段と、前記電気駆動手段用の
    電源とを具備したハイブリッドカーにおいて、 前記電源は、請求項1〜請求項7のいずれか1項記載の
    薄型ニッケル水素二次電池を備えることを特徴とするハ
    イブリッドカー。
  9. 【請求項9】 駆動電源として請求項1〜請求項7のい
    ずれか1項記載の薄型ニッケル水素二次電池を具備する
    ことを特徴とする電気自動車。
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