JP2000290306A - 重合体溶液の製造方法 - Google Patents

重合体溶液の製造方法

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JP2000290306A JP11100048A JP10004899A JP2000290306A JP 2000290306 A JP2000290306 A JP 2000290306A JP 11100048 A JP11100048 A JP 11100048A JP 10004899 A JP10004899 A JP 10004899A JP 2000290306 A JP2000290306 A JP 2000290306A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 未反応不飽和単量体の含有量が少ないため、
使用に際し、安全性が高く、臭気の少ない重合体溶液の
製造方法の提供。 【解決手段】 不飽和単量体及び重合体の溶媒、ラジカ
ル重合開始剤、並びに該溶媒の沸点より低い沸点を持つ
不飽和単量体を一種又は二種以上含む不飽和単量体を用
いてラジカル重合を行って重合体溶液を製造する方法に
おいて、下記(1)〜(4)の条件を用いることを特徴
とする重合体溶液の製造方法。 (1)不飽和単量体合計量と溶媒との仕込み重量比を不
飽和単量体合計量/溶媒=1/9〜7/3とする。 (2)溶媒の沸点より低い沸点を持つ不飽和単量体のう
ち、最も低い転化率の不飽和単量体の転化率が90%以
上となるまで重合する。 (3)重合終了後に理論段数3段以上、還流比0.5以
上の蒸留条件下で未反応の不飽和単量体を選択的に濃縮
除去する。 (4)留去後の溶媒の除去率を仕込み溶媒量の20重量
%以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、重合体溶液の製造
方法に関する。詳しくは、不飽和単量体を溶媒中でラジ
カル重合させて、反応後の重合溶液から残存する未反応
不飽和単量体を特定の条件下で効率的に除去するところ
の重合体溶液の製造方法に関する。本発明によれば、未
反応不飽和単量体の含有量が少ないため、使用に際し、
安全性が高く、臭気の少ない重合体溶液を製造すること
ができる。
【0002】
【従来の技術】重合反応終了後の重合溶液から残存不飽
和単量体を除去する方法は幾つか提案されている。例え
ば、1)窒素等を送り込んで不飽和単量体を揮散させ
る。2)単蒸留により不飽和単量体を溶剤と共に留去す
る。3)重合の終期に少量の開始剤を添加して、不飽和
単量体の重合を促進させる。4)重合終期にオゾン等を
系内に吹き込み、未反応不飽和単量体を除去する。5)
アクリル酸エステル不飽和単量体と反応するヒドラジン
等の塩基性物質を添加する。6)γ線等のイオン化性放
射線を照射する方法等が知られている。
【0003】しかしながら、1)、2)の方法では多量
の溶剤を同時に蒸留しなければならず、効率が悪いと同
時に、多成分溶剤の場合には次にその溶剤を使用するこ
とは困難である。3)の方法では未反応不飽和単量体を
非常に少量まで減少させるためには、非常に長時間の重
合反応時間を必要とする。4)、5)の場合には未反応
不飽和単量体を減少することは可能であるが、生成した
化合物は同じく低分子量化合物であり、安全性に関して
解決するとは言い難い。また、6)の場合には大きな装
置が必要となり、必ずしも経済的ではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、重合
溶液から残存する未反応モノマーを除去する従来法につ
いては、効率、安全性、経済性の面でいろいろな問題点
があり、満足し得るものではない。本発明は、残存不飽
和単量体含有量が少なく、その結果、安全性が高く、且
つ臭気の少ない重合体溶液の製造方法を提供することを
その目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かゝる事
情に鑑み鋭意検討した結果、不飽和単量体を溶媒中でラ
ジカル重合させて、得られた重合溶液から残存する未反
応不飽和単量体を特定の条件下で除去することにより、
未反応不飽和単量体の量を著しく低減し得ることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明の要旨は、 1.ラジカル重合開始剤、並びに該溶媒の沸点より低い
沸点を持つ不飽和単量体を一種又は二種以上含む不飽和
単量体を用いてラジカル重合を行って重合体溶液を製造
する方法において、下記(1)〜(4)の条件を用いる
ことを特徴とする重合体溶液の製造方法 (1)不飽和単量体合計量と溶媒との仕込み重量比を不
飽和単量体合計量/溶媒=1/9〜7/3とする。 (2)溶媒の沸点より低い沸点を持つ不飽和単量体のう
ち、最も低い転化率の不飽和単量体の転化率が90%以
上となるまで重合する。 (3)重合終了後に理論段数3段以上、還流比0.5以
上の蒸留条件下で未反応の不飽和単量体を選択的に濃縮
除去する。 (4)留去後の溶媒の除去率を仕込み溶媒量の20重量
%以下とする。 2.未反応の不飽和単量体及び溶媒を留去する際に、留
去液中の不飽和単量体濃度を70%以下とする1項に記
載の重合体溶液の製造方法 3.溶媒が多成分系混合溶媒である1又は2項に記載の
重合体溶液の製造方法 4.溶媒が炭化水素系溶媒である1ないし3項のいずれ
かに記載の重合体溶液の製造方法 5.溶媒がイソパラフィンである1ないし3項のいずれ
かに記載の重合体溶液の製造方法 6.溶媒が炭素数8〜18のイソパラフィンである1な
いし3項のいずれかに記載の重合体溶液の製造方法 7.不飽和単量体がアクリル酸、メタクリル酸、アクリ
ル酸又はメタクリル酸の置換基を有してもよいアルキル
エステル、N−置換アルキルアクリルアミド、N−置換
アルキルメタクリルアミド、アルキルビニルエステル、
スチレン、スチレン誘導体及びアルキルビニルエーテル
からなる群から選ばれる少なくとも一種である1ないし
6項のいずれかに記載の重合体溶液の製造方法 8.不飽和単量体がアクリル酸、メタクリル酸、アクリ
ル酸又はメタクリル酸の炭素数1〜6のアルキルエステ
ル及び置換基の炭素数1〜6のN−置換アクリルアミド
又はN−置換メタクリルアミドからなる群から選ばれる
少なくとも一種の不飽和単量体である1ないし6項のい
ずれかに記載の重合体溶液の製造方法、にある。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 (I)重合反応 本発明においては、先ず不飽和単量体を溶媒中でラジカ
ル重合させて重合体溶液を製造するが、その際、 (1)不飽和単量体合計量と溶媒との仕込み重量比を不
飽和単量体合計量/溶媒=1/9〜7/3とする (2)溶媒の沸点より低い沸点を持つ不飽和単量体のう
ち、最も低い転化率の不飽和単量体の転化率が90%以
上となるまで重合することが必要である。
【0008】(不飽和単量体)本発明で用いられる不飽
和単量体については、その沸点が反応に使用する溶媒の
沸点より低ければ特に制限は受けない。好ましい不飽和
単量体は、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸又は
メタクリル酸の置換基を有してもよいアルキルエステ
ル、N−置換アルキルアクリルアミド、N−置換アルキ
ルメタクリルアミド、アルキルビニルエステル、スチレ
ン、スチレン誘導体及びアルキルビニルエーテルからな
る群から選ばれる少なくとも一種である。
【0009】そして、アクリル酸又はメタクリル酸の置
換基を有してもよいアルキルエステル、N−置換アルキ
ルアクリルアミド、N−置換アルキルメタクリルアミ
ド、アルキルビニルエステル、スチレン誘導体及びアル
キルビニルエーテルの具体例としては、例えば、メチル
アルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、
ブチルアルコール、t−ブチルアルコール等の脂肪族ア
ルコールのアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステ
ル;ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチル
メタクリレートのようなアクリル酸又はメタクリル酸の
ヒドロキシアルキルエステル;ジメチルアミノエチルア
クリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレートのよ
うなアクリル酸又はメタクリル酸のアルキルアミノアル
キルエステル;N−メチルアクリルアミド、N−t−ブ
チルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミ
ド、酢酸ビニル、α−メチルスチレン、メチルビニルエ
ーテル等が挙げられる。
【0010】特にアクリル酸、メタクリル酸及びその炭
素数1〜6のアルキルエステル又は炭素数1〜6のN−
置換アクリルアミド又はN−置換メタクリルアミドが好
適に用いられる。炭素数が6を越えると不飽和単量体の
沸点が高くなり、使用する溶媒の種類が非常に限定され
てしまう。尚、使用する溶媒の沸点より高い沸点を持つ
不飽和単量体であっても、重合反応性が良好で容易に重
合反応後の未反応不飽和単量体量が非常に少なくなる場
合には、溶媒の沸点より低い沸点の不飽和単量体と同時
に使用しても良い。同様に、シリコーンマクロマーのよ
うに、分子量が1000以上の不飽和単量体はたとえ未
反応のままで残存していても臭気等の問題はなく、安全
性にも問題の無いため、溶媒の沸点より低い沸点の不飽
和単量体と併用して使用しても良い。
【0011】(溶媒)本発明で用いられる溶媒について
は、特に限定はされず、溶液重合反応に通常用いられる
溶媒が用いられるが、重合に用いる全ての不飽和単量体
及び重合体の両方を溶解するものが好ましい。具体的に
は、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、t
−ブタノール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノ
ール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、2−メチ
ル−1,3−プロパンジオール等のようなアルコール
類、ヘプタン、イソパラフィン、n−パラフィン等の脂
肪族炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素類、エチルアセテート、プロピルアセテート、イソプ
ロピルアセテート、ブチルアセテート、3−メトキシ−
3−メチル−ブチルアセテート等のエステル類、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、
オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシク
ロペンタシロキサン等の環状シリコーン系溶剤が用いら
れる。これらの溶剤は単独で用いても良いし、二種以上
を混合して使用しても良い。
【0012】特に多成分系混合溶剤を用いる場合に本発
明の製造方法が好ましく用いられる。何故ならば、単独
溶剤の場合には単蒸留法を用いて未反応不飽和単量体を
除去したとしても、蒸留時に未反応不飽和単量体と同伴
してくる多量の溶媒は未反応不飽和単量体を除去する
か、或いは未反応の不飽和単量体を含んだまま、次の重
合反応に用いることが可能である。しかしながら、多成
分系混合溶剤の場合には、単蒸留で留去してくる成分は
反応器内に残る重合体溶液中の溶媒の成分と異なり、次
回の反応に用いた場合は、その多成分溶剤系の組成が異
なることになり、重合反応時における分子量への影響
や、得られた重合体溶液中の溶剤の沸点や組成が変化す
るため、同じ品質の重合体溶液が得られないと言う問題
を生じるからである。多成分溶剤の中でも特にn−パラ
フィンやイソパラフィン等の炭化水素系溶媒の場合は非
常に多くの成分を含んでおり、本発明が好適に用いられ
る溶剤である。中でも一般に安価で且つ臭気が少ないた
めより広く使用されているイソパラフィンは異性体を含
めて非常に多くの成分を含んでおり、本発明の製造方法
に好適に用いることができる。使用する不飽和単量体の
沸点が溶媒の沸点より低いことを考慮に入れた場合、好
ましいイソパラフィンは炭素数8〜18のイソパラフィ
ンが好ましい。炭素数が8より少ないと沸点が100℃
より低くなり、使用可能な単量体の種類が非常に限定さ
れてしまう。
【0013】(ラジカル重合開始剤)本発明で用いられ
るラジカル重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル、過
酸化ラウロイル等の過酸化物、2,2′−アゾビスイソ
ブチロニトリル、2,2′−アゾビス−2,4−ジメチ
ルバレロニトリル、ジメチル−2,2′−アゾビスイソ
ブチレート等のアゾ化合物が挙げられる。重合反応は先
ず反応器に溶媒、不飽和単量体、ラジカル重合開始剤を
添加し、重合反応に必要な温度まで加熱して行われる。
この際、必要に応じて不飽和単量体或いはラジカル重合
開始剤は分割添加或いは滴下による連続添加を行っても
良い。この際、重合反応は不飽和単量体合計量と溶媒と
の仕込み重量比を不飽和単量体合計量/溶媒=1/9〜
7/3の割合で行われる。不飽和単量体の重量比が1/
9より低いと、重合反応速度も遅くなり、残存不飽和単
量体を減少させる意味でも効率的とは言えない。また不
飽和単量体の量が7/3より多いと重合反応熱の除去が
困難となり、また重合後の溶液粘度が非常に高くなるの
で現実的ではない。
【0014】重合反応温度は通常のラジカル重合開始剤
を好適に使用可能な範囲であれば良く、通常は40〜1
20℃の範囲で行われる。また反応時間は使用されるラ
ジカル重合開始剤、不飽和単量体の種類、反応温度等に
よって異なるが、通常4〜24時間行われる。以上の条
件は重合反応に用いられる不飽和単量体の転化率が90
%以上になるように選択される必要がある。90%より
も転化率が低いと重合体の収率が悪いばかりでなく、そ
の後に未反応不飽和単量体を除去する際の効率が悪くな
る。尚、重合反応に際し、メルカプト化合物等の分子量
調整剤を使用しても差し支えない。
【0015】(II)未反応不飽和単量体の除去 本発明においては、重合反応終了後、得られた重合溶液
から蒸留により未反応不飽和単量体をできるだけ除去す
るが、その際、 (3)重合終了後に理論段数3段以上、還流比0.5以
上の蒸留条件下で未反応の不飽和単量体を選択的に濃縮
除去する (4)留去後の溶媒の除去率を仕込み溶媒量の20重量
%以下とすることが必要である。
【0016】蒸留については、重合終了後に理論段数3
段以上、還流比0.5以上の蒸留条件下で未反応の不飽
和単量体及び溶媒を留去する。理論段数が3段より少な
いか、或いは還流比が0.5より少ないと、未反応不飽
和単量体を除くために多量の溶媒を留去することが必要
となり、効率的でない。同様に、蒸留条件は留去後の溶
媒の除去率を仕込み溶媒量の20重量%以下とするよう
に設定される。未反応の不飽和単量体及び溶媒を留去す
る際に、留去液中の不飽和単量体濃度を70%以下とす
ることが好ましい。留去液中の不飽和単量体濃度が70
%を越えると留去液中の不飽和単量体が重合反応を起こ
し、蒸留塔内及び還流槽等の中で重合体が生成し、目詰
まり等の問題が生じる危険性がある。通常、不飽和単量
体等の製造工程においてはこの重合反応を抑制するた
め、上部より重合禁止剤等を徐々に添加する等の処理が
行われるが、重合禁止剤を添加すると、蒸留過程におい
て重合禁止剤がボトムの重合体溶液中に入り、化粧品等
の基材として使用される場合、安全性等に問題となり、
本発明が目的とする安全性の高い重合体溶液の製造方法
の目的に合致しない。重合反応装置と蒸留装置が別にあ
り、重合反応後、重合液を蒸留装置に移送し未反応不飽
和単量体の蒸留留去を行っても良いし、蒸留塔を備え付
けた反応器を用いて、重合反応後、引き続いて未反応不
飽和単量体の蒸留留去を行っても良い。
【0017】このようにして得られた重合体溶液中に
は、未反応不飽和単量体を重合体に対し1000ppm
以下、好ましくは500ppm以下とすることが可能で
あり、その結果、安全性が高く、且つ臭気が少ないた
め、医療用或いは化粧品用基材等の安全性が重視される
用途に好適に用いることが可能である。得られた重合体
溶液はそのまま使用しても良く、若しくは他の溶剤で希
釈して使用しても良い。イソパラフィン等の溶媒を使用
した場合には、エマルジョンの形で水中に分散した形で
使用しても良い。
【0018】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限
り、これらの実施例に限定されるものではない。なお、
各実験例中における%及びppmは重量基準である。
【0019】実施例1 還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素導入管及び攪拌
装置を取り付けた五つ口フラスコにイソドデカン(沸点
180℃):150部、2,2′−アゾビス−2,4−
ジメチルバレロニトリル:1部を加えて、窒素気流下7
0℃まで加熱した。70℃に達した後、t−ブチルアク
リレート(沸点121℃):80部、2−エチルヘキシ
ルメタクリレート(沸点229℃):20部の混合溶液
を2時間かけて滴下した。滴下終了後70℃で更に1時
間反応を続けた後、85℃まで加熱し、更に5時間反応
を続行した。得られた重合体は分子量125,000、
未反応不飽和単量体が対重合体当りt−ブチルアクリレ
ートが4500ppm、2−エチルヘキシルメタクリレ
ートが180ppm残存している約40%の重合体溶液
が得られた。次いで反応器に理論段数7段の蒸留装置
(還流槽の大きさは仕込み溶媒の3%の容量)を取付
け、減圧下、80℃で還流比5で仕込み溶媒の8%を留
去した。その結果残存不飽和単量体は対重合体当り、t
−ブチルアクリレートが150ppm、2−エチルヘキ
シルメタクリレートが120ppmであった。尚、留去
溶媒中には2−エチルヘキシルメタクリレートが存在し
ないことから、未反応t−ブチルアクリレート留去時に
一部重合反応で減少したものである。本重合体溶液は全
未反応不飽和単量体が対重合体当り、合計270ppm
であり、不飽和単量体の臭気もせず、且つ未反応不飽和
単量体の残存量が少ない安全性の高い重合体溶液であっ
た。
【0020】実施例2 実施例1と同様な五つ口フラスコに炭素数10〜12の
市販イソパラフィン(アイソパーG;エクソン社;沸点
158〜175℃)を122部、ジメチル−2,2′−
アゾビスイソブチレート:1部を加えて、窒素気流下8
0℃まで加熱した。80℃に達した後、t−ブチルアク
リレート:90部、2−エチルヘキシルメタクリレー
ト:10部を4時間かけて滴下した。滴下終了後80℃
で更に4時間反応を続行した。得られた重合体は分子量
95,000、未反応不飽和単量体が対重合体当りt−
ブチルアクリレートが8200ppm、2−エチルヘキ
シルメタクリレートが40ppm残存している約45%
の重合体溶液が得られた。次いで反応器に理論段数7段
の蒸留装置(還流槽の大きさは仕込み溶媒の3%の容
量)を取付け、減圧下、80℃で全還流を行い、還流槽
の組成が安定した時点で三回に分けて、各2.5%ずつ
バッチ留去した(合計7.5%)。その結果残存未反応
不飽和単量体は対重合体当り、t−ブチルアクリレート
が90ppm、2−エチルヘキシルメタクリレートが3
0ppmであった。本重合体溶液は全未反応不飽和単量
体が対重合体当り、合計120ppmであり、不飽和単
量体の臭気もなく、且つ未反応不飽和単量体の残存量の
少ない安全性の高い重合体溶液であった。
【0021】実施例3 実施例1と同様な五つ口フラスコに炭素数12〜15の
市販イソパラフィン(アイソパーM;エクソン社;沸点
218〜253℃)を400部、アクリル酸(沸点14
1℃):5部、t−ブチルアクリレート:75部、分子
量5,000のシリコーンマクロマー(FM0721;
チッソ(株)製):20部、2,2′−アゾビスイソブ
チロニトリル:1部を加えて、窒素気流下80℃まで加
熱し、8時間かけて反応した。得られた重合体は分子量
140,000、未反応不飽和単量体が対重合体当りア
クリル酸が1200ppm、t−ブチルアクリレートが
12,000ppm残存している約25%の重合体溶液
が得られた。次いで反応器に理論段数10段の蒸留装置
(還流槽の大きさは仕込み溶媒の2%の容量)を取付
け、減圧下、80℃で全還流を行い、還流槽の組成が安
定した時点で三回に分けて、各1.5%ずつバッチ留去
した(合計4.5%)。その結果残存未反応不飽和単量
体は対重合体当り、アクリル酸が20ppm、t−ブチ
ルアクリレートが60ppmであった。本重合体溶液は
全未反応不飽和単量体が対重合体当り、合計80ppm
であり、不飽和単量体の臭気もなく、且つ未反応不飽和
単量体の残存量の少ない安全性の高い重合体溶液であっ
た。
【0022】比較例1 実施例2と同様に重合反応を行った。得られた重合体溶
液を単蒸留で未反応不飽和単量体を除去しようとした
が、未反応t−ブチルアクリレートを重合体当り200
ppmまで除去しようとすると、仕込み溶媒の40%を
留去する必要があった。しかしながら、留去した溶媒は
低沸点成分が多く、次回の重合反応に使用した場合、重
合体溶液の沸点範囲が異なってしまうため、得られた重
合体溶液製品が常に均一な品質のものが得られない問題
があった。
【0023】比較例2 実施例2と同様に重合反応を行った後、ジメチル−2,
2′−アゾビスイソブチレートを更に1部添加し、80
℃にて更に16時間重合反応を継続した。得られた重合
体溶液の未反応不飽和単量体は対重合体当り、t−ブチ
ルアクリレートが1800ppm、2−エチルヘキシル
メタクリレートが20ppm残存しており、不飽和単量
体の臭気がある重合体溶液であった。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、不飽和単量体を溶媒中
でラジカル重合させて重合体溶液を製造する際に、未反
応不飽和単量体の含有量が少ないため、使用に際し、安
全性が高く、臭気の少ない重合体溶液を得ることができ
る。
フロントページの続き (72)発明者 澤 幸平 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社四日市事業所内 (72)発明者 近藤 忠彦 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社四日市事業所内 (72)発明者 葉山 和秀 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社四日市事業所内 Fターム(参考) 4J011 HA03 HB15 4J100 AB02P AG04P AJ02P AL02P AM21P CA01 CA04 CA05 CA06 GD02 JA51 JA61

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不飽和単量体及び重合体の溶媒、ラジカ
    ル重合開始剤、並びに該溶媒の沸点より低い沸点を持つ
    不飽和単量体を一種又は二種以上含む不飽和単量体を用
    いてラジカル重合を行って重合体溶液を製造する方法に
    おいて、下記(1)〜(4)の条件を用いることを特徴
    とする重合体溶液の製造方法。 (1)不飽和単量体合計量と溶媒との仕込み重量比を不
    飽和単量体合計量/溶媒=1/9〜7/3とする。 (2)溶媒の沸点より低い沸点を持つ不飽和単量体のう
    ち、最も低い転化率の不飽和単量体の転化率が90%以
    上となるまで重合する。 (3)重合終了後に理論段数3段以上、還流比0.5以
    上の蒸留条件下で未反応の不飽和単量体を選択的に濃縮
    除去する。 (4)留去後の溶媒の除去率を仕込み溶媒量の20重量
    %以下とする。
  2. 【請求項2】 未反応の不飽和単量体及び溶媒を留去す
    る際に、留去液中の不飽和単量体濃度を70%以下とす
    る請求項1に記載の重合体溶液の製造方法。
  3. 【請求項3】 溶媒が多成分系混合溶媒である請求項1
    又は2に記載の重合体溶液の製造方法。
  4. 【請求項4】 溶媒が炭化水素系溶媒である請求項1な
    いし3のいずれかに記載の重合体溶液の製造方法。
  5. 【請求項5】 溶媒がイソパラフィンである請求項1な
    いし3のいずれかに記載の重合体溶液の製造方法。
  6. 【請求項6】 溶媒が炭素数8〜18のイソパラフィン
    である請求項1ないし3のいずれかに記載の重合体溶液
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 不飽和単量体がアクリル酸、メタクリル
    酸、アクリル酸又はメタクリル酸の置換基を有してもよ
    いアルキルエステル、N−置換アルキルアクリルアミ
    ド、N−置換アルキルメタクリルアミド、アルキルビニ
    ルエステル、スチレン、スチレン誘導体及びアルキルビ
    ニルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも一種で
    ある請求項1ないし6のいずれかに記載の重合体溶液の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 不飽和単量体がアクリル酸、メタクリル
    酸、アクリル酸又はメタクリル酸の炭素数1〜6のアル
    キルエステル及び置換基の炭素数1〜6のN−置換アク
    リルアミド又はN−置換メタクリルアミドからなる群か
    ら選ばれる少なくとも一種の不飽和単量体である請求項
    1ないし6のいずれかに記載の重合体溶液の製造方法。
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