JP2003221529A - インク組成物および画像形成方法 - Google Patents

インク組成物および画像形成方法

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JP2003221529A
JP2003221529A JP2002021721A JP2002021721A JP2003221529A JP 2003221529 A JP2003221529 A JP 2003221529A JP 2002021721 A JP2002021721 A JP 2002021721A JP 2002021721 A JP2002021721 A JP 2002021721A JP 2003221529 A JP2003221529 A JP 2003221529A
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Junichi Yamanouchi
淳一 山之内
Takahiro Ishizuka
孝宏 石塚
Kazue Sano
和江 佐野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 染料の分散安定性に優れたインク組成物、及
びそれを用いる画像形成方法を提供する。 【解決手段】 水性媒体に着色微粒子分散物が分散され
たインク組成物であって、該着色微粒子分散物が疎水性
エチレン性不飽和モノマー、及び少なくとも一種の油溶
性染料とを含み、インク組成物中に重合開始剤を含有す
ることを特徴とするインク組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水系の着色微粒子
分散物、該着色微粒子分散物を含有してなるインク組成
物ならびにそれを用いた画像形成方法に関し、更に詳し
くは、記録画像の品質が高く、吐出安定性に優れ、筆記
用水性インク、水性印刷インク、情報記録用インク等に
好適な着色微粒子分散物、サーマル、圧電、電界又は音
響インクジェット方式に好適なインク組成物及び画像形
成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピューターの普及に伴いイン
クジェットプリンターがオフィスだけでなく家庭で紙、
フィルム、布等に印字するために広く利用されている。
インク組成物は油性、水性、固体状インクが知られてい
るが、製造・取り扱い性・臭気・安全性等の点から水性
インクが主流となっている。
【0003】しかし、前記水性インクの多くは分子状態
で溶解する水溶性染料を用いているため、透明性、色濃
度が高いという利点があるものの染料が水溶性であるた
め、耐水性が悪くいわゆる普通紙に印字すると滲み(ブ
リード)を生じて著しく印字品質が低下したり、また耐
光性が悪いという問題がある。
【0004】そこで上記問題を解決する目的で顔料や分
散染料を用いた水性インクが、例えば特開昭56−15
7468号、特開平4−18468号、同8−1839
20号、同10−110126号、同10−19535
5号等の公報において提案されている。ところが、これ
らの水性インクの場合、耐水性はある程度向上するもの
の十分とは言い難く、該水性インク中での顔料や分散染
料の分散物の保存安定性に欠け、インク吐出口での目詰
まりを起こしやすいなどの問題がある。また、最近のイ
ンクジェット技術の高画質化志向の高まりによって出現
した、表面に多孔質無機顔料を含むインク受容層を設け
た記録紙(いわゆる写真画質用紙)を用いると、上記の
顔料や分散染料を用いた水性インクはしみ込み性に乏し
く、手でこすると表面から染顔料が剥離しやすいという
欠点がある事がわかった。
【0005】また特開昭58−45272号、特開平6
−340825号、同7−268254号、同7−26
8257号、同7−268260号、同10―2798
73号、同11−286637号の各公報には、アクリ
ルポリマーやポリウレタン、ポリエステル分散物粒子に
染料を内包させる方法が提案されている。しかしなが
ら、これらに記載の分散物では所望の濃度に染料を内包
すると分散安定性に優れた着色粒子が得られにくいとい
う欠点を有しており、また上記同様、染料の剥離の問題
を有していた。
【0006】一方、英国特許2314851号には、重
合性アクリレート、着色剤、UV光開始剤からなり、プラ
スチック基材への接着性に優れたUV硬化性インクジェッ
トインクが開示され、基材との良好な接着性が記載され
ている。しかしながら、該特許に記載された着色剤はい
ずれも顔料分散物であり、得られる色像の色調は十分と
言えるものではなく、また、選択する重合性アクリレー
トによっては顔料の分散安定性に問題が生じ、インクの
凝集が生じやすいという欠点を持っていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、取り扱い
性、安全性、着色微粒子の分散安定性に優れ、基材依存
性が無く、任意に選択した基材に印字した際の発色性・
色調に優れるとともに耐水性、耐光性が良好で印字直後
の汚れがなく、インク経時による染料の安定性に優れた
インク組成物及び画像形成方法を提供する事を目的とす
る。また、特に紙に印字した際にはインク浸透性に優
れ、印字直後の汚れを解消するとともに、耐水性、耐光
性にも優れるインク組成物及び画像形成方法を提供する
事を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段及びその好ましい態様は、以下の通りである。即
ち、 <1> 水性媒体に着色微粒子分散物が分散されたイン
ク組成物であって、該着色微粒子分散物が疎水性エチレ
ン性不飽和モノマー、及び少なくとも一種の油溶性染料
とを含み、インク組成物中に重合開始剤を含有するイン
ク組成物である。 <2> 油溶性染料が下記一般式(I)で表される<1
>に記載のインク組成物である。
【0009】
【化1】
【0010】式中Xはカラー写真カプラーの残基、Aは
−NR45またはヒドロキシ基を表わし、R4およびR5
はそれぞれ独立に水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素
環基であり、B1は=C(R6)−または=N−を表わ
し、B2は−C(R7)=または−N=を表わし、 R2
3、R6およびR7はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲ
ン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ、−O
51、−SR52、−CO 253、−OCOR54、−NR
5556、−CONR5758、−SO259、−SO 2NR
6061、−NR62CONR6364、−NR65CO
266、−COR67、−NR68COR69または−NR70
SO271であって、R51、R52、R53、R54、R5 5
56、R57、R58、R59、R60、R61、R62、R63、R
64、R65、R66、R6 7、R68、R69、R70およびR71
それぞれ独立に、水素原子、脂肪族基または芳香族基で
あり、 R2とR3、R3とR4、R4とR5、R5とR6およ
びR6とR7は互いに結合して環を形成してもよい。 <3> 疎水性エチレン性不飽和モノマーの含有量が着
色微粒子中に25質量%以上であることを特徴とする<
1>又は<2>に記載のインク組成物である。 <4> 重合開始剤が着色微粒子中に含まれることを特
徴とする<1>から<3>のいずれかに記載のインク組
成物である。
【0011】<5> 重合開始剤が加熱もしくは紫外線
によってラジカルを発生する開始剤であることを特徴と
する<1>から<4>に記載のインク組成物である。 <6> 疎水性エチレン性不飽和モノマーの沸点が15
0℃以上である事を特徴とする<1>から<5>に記載
のインク組成物である。 <7>着色微粒子分散物における着色微粒子の平均粒子
径が500nm以下である<1>から<6>のいずれか
に記載のインク組成物である。 <8>粘度が10mPa・s以下である事を特徴とする
<1>から<7>のいずれかに記載のインク組成物であ
る。 <9> <1>から<8>のいずれかに記載のインク組
成物を用いて記録を行った後に疎水性エチレン性不飽和
モノマーを重合させることを特徴とする画像形成方法で
ある。 <10> 記録を行う受像材料が、多孔性無機顔料を含
むインク受容層を支持体上に有してなる<9>に記載の
画像形成方法である。 <11> 疎水性エチレン性不飽和モノマー、及び油溶
性染料を少なくとも含有する溶液を水性媒体に乳化分散
して着色微粒子分散物を得る工程を含むことを特徴とす
る<1>に記載のインク組成物の製造方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】(インク組成物)以下、本発明の
インク組成物について説明する。本発明のインク組成物
は、疎水性エチレン性不飽和モノマー、及び少なくとも
一種の油溶性染料とを含む着色微粒子分散物、並びに重
合開始剤を含有してなる。
【0013】<着色微粒子分散物>ここでは前記着色微
粒子分散物について説明する。本発明の着色微粒子分散
物は、重合可能なエチレン性不飽和モノマー、油溶性染
料を少なくとも含む着色微粒子が、水性媒体に分散され
ているものである。更に詳しく述べると、本発明の着色
微粒子分散物とは、重合可能なエチレン性不飽和モノマ
ーと油溶性染料とを含む着色微粒子が、水性媒体に微粒
子状の油滴として分散され、いわゆる乳化状態になって
いるものである。なお、本発明における「水性媒体」と
は、水または少量の水混和性有機溶剤と水との混合物
に、必要に応じて界面活性剤、湿潤剤、安定剤、防腐剤
などの添加剤を添加したものを意味する。
【0014】<油溶性染料>ここでは、前記着色組成物
に含有される油溶性染料について説明する。本発明に使
用可能な油溶性染料のうち、イエロー染料としては、任
意のものを使用することができる。例えばカップリング
成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、
ピラゾロン類、ピリドン類、開鎖型活性メチレン化合物
類を有するアリール若しくはヘテリルアゾ染料;例えば
カップリング成分として開鎖型活性メチレン化合物類を
有するアゾメチン染料;例えばベンジリデン染料やモノ
メチンオキソノール染料等のようなメチン染料;例えば
ナフトキノン染料、アントラキノン染料等のようなキノ
ン系染料等があり、これ以外の染料種としてはキノフタ
ロン染料、ニトロ・ニトロソ染料、アクリジン染料、ア
クリジノン染料等を挙げることができる。
【0015】本発明に使用可能な油溶性染料のうちマゼ
ンタ染料としては、任意のものを使用することができ
る。例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフ
トール類、アニリン類を有するアリール若しくはヘテリ
ルアゾ染料;例えばカップリング成分としてピラゾロン
類、ピラゾロトリアゾール類を有するアゾメチン染料;
例えばアリーリデン染料、スチリル染料、メロシアニン
染料、オキソノール染料のようなメチン染料;ジフェニ
ルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染
料のようなカルボニウム染料、例えばナフトキノン、ア
ントラキノン、アントラピリドン等のようなキノン系染
料、例えばジオキサジン染料等のような縮合多環系染料
等を挙げることができる。
【0016】本発明に使用可能な油溶性染料のうちシア
ン染料としては、任意のものを使用することができる。
例えばインドアニリン染料、インドフェノール染料ある
いはカップリング成分としてピロロトリアゾール類を有
するアゾメチン染料;シアニン染料、オキソノール染
料、メロシアニン染料のようなポリメチン染料;ジフェ
ニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン
染料のようなカルボニウム染料;フタロシアニン染料;
アントラキノン染料;例えばカップリング成分としてフ
ェノール類、ナフトール類、アニリン類を有するアリー
ル若しくはヘテリルアゾ染料、インジゴ・チオインジゴ
染料を挙げることができる。
【0017】前記の各染料は、クロモフォアの一部が解
離して初めてイエロー、マゼンタ、シアンの各色を呈す
るものであってもよく、その場合のカウンターカチオン
はアルカリ金属や、アンモニウムのような無機のカチオ
ンであってもよいし、ピリジニウム、4級アンモニウム
塩のような有機のカチオンであってもよく、さらにはそ
れらを部分構造に有するポリマーカチオンであってもよ
い。
【0018】前記油溶性染料の中でも、好ましい具体例
としては、以下のものが挙げられるが、本発明はこれら
に何ら限定されるものではない。例えば、C.I.ソル
ベント・ブラック3,7,27,29及び34;C.
I.ソルベント・イエロー14,16,19,29,3
0,56,82,93及び162;C.I.ソルベント
・レッド1,3,8,18,24,27,43,49,
51,72,73,109,122,132及び21
8;C.I.ソルベント・バイオレット3;C.I.ソ
ルベント・ブルー2,11,25,35及び70;C.
I.ソルベント・グリーン3及び7;並びにC.I.ソ
ルベント・オレンジ2等が好ましい。これらの中でも、
Nubian Black PC−0850、Oil
Black HBB、Oil Yellow129、O
il Yellow105、Oil Pink312、
Oil Red5B、Oil Scarlet308、
Vali Fast Blue2606、Oil Bl
ue BOS(オリエント化学(株)製)、Neope
n Yellow075、Neopen Mazent
a SE1378、Neopen Blue808、N
eopen Blue FF4012、Neopen
Cyan FF4238(BASF社製)等がより好ま
しい。
【0019】また本発明においては、水非混和性有機溶
媒に溶解する範囲で分散染料を用いることもでき、その
好ましい具体例としては、以下のものが挙げられるが、
本発明はこれらに何ら限定されるものではない。例え
ば、C.I.ディスパーズイエロー5,42,54,6
4,79,82,83,93,99,100,119,
122,124,126,160,184:1,18
6,198,199,201,204,224及び23
7;C.I.ディスパーズオレンジ13,29,31:
1,33,49,54,55,66,73,118,1
19及び163;C.I.ディスパーズレッド54,6
0,72,73,86,88,91,92,93,11
1,126,127,134,135,143,14
5,152,153,154,159,164,16
7,177,181,204,206,207,22
1,239,240,258,277,278,28
3,311,323,343,348,356及び36
2;C.I.ディスパーズバイオレット33;C.I.
ディスパーズブルー56,60,73,87,113,
128,143,148,154,158,165,1
65:1,165:2,176,183,185,19
7,198,201,214,224,225,25
7,266,267,287,354,358,365
及び368;並びにC.I.ディスパーズグリーン6:
1及び9等が好ましい。
【0020】また、前記油溶性染料の中でも、カラー写
真材料における、カプラー及び現像主薬から酸化によっ
て生成する色素が好ましく、その中でも、下記一般式
(I)で表される化合物(本発明の染料と称することが
ある。)がより好ましい。なお、以下に、一般式(I)
で表される化合物の説明をするが、下記一般式(I)の
各基のうち、少なくとも1つが以下に示す好ましい範囲
である化合物が好ましく、より多くの基が好ましい範囲
である化合物がより好ましく、全ての基が好ましい範囲
である化合物が特に好ましい。
【0021】
【化2】
【0022】前記一般式(I)において、Xは、カラー
写真カプラーの残基を表す。Aは、−NR45又はヒド
ロキシ基を表す。前記R4及びR5は、各々独立に、水素
原子、脂肪族基、芳香族基、又は複素環基を表す。Aと
しては、−NR45が好ましい。R4及びR5としては、
各々独立に、水素原子及び脂肪族基が好ましく、水素原
子、アルキル基及び置換アルキル基がより好ましく、水
素原子、炭素原子数1〜18のアルキル基及び炭素原子
数1〜18の置換アルキル基が特に好ましい。
【0023】前記一般式(I)中、B1は、=C(R6
−又は=N−を表す。B2は、−C(R7)=又は−N=
を表す。B1及びB2が、同時に−N=とならないのが好
ましく、B1が=C(R6)−であり、B2が−C(R7
=であるのがより好ましい。
【0024】前記一般式(I)において、R2、R3、R
6及びR7は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、脂
肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、−OR51、−
SR 52、−CO253、−OCOR54、−NR5556
−CONR5758、−SO2 59、−SO2NR6061
−NR62CONR6364、−NR65CO266、−CO
67、−NR68COR69又は−NR70SO271を表
す。前記R51、R52、R53、R54、R55、R56、R57
58、R59、R60、R61、R62、R63、R64、R65、R
66、R67、R68、R69、R70及びR71は、各々独立に、
水素原子、脂肪族基又は芳香族基を表す。
【0025】これらの中でも、R2及びR7としては、各
々独立に、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、−OR
51、−NR62CONR6364、−NR65CO266、−
NR6 8COR69及び−NR70SO271が好ましく、水
素原子、フッ素原子、塩素原子、アルキル基、置換アル
キル基、−NR62CONR6364及び−NR68COR69
がより好ましく、水素原子、塩素原子、炭素原子数1〜
10のアルキル基及び炭素原子数1〜10の置換アルキ
ル基が特に好ましく、水素原子、炭素原子数1〜4のア
ルキル基及び炭素原子数1〜4の置換アルキル基が最も
好ましい。
【0026】また、これらの中でも、R3及びR6として
は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子及び脂肪族基
が好ましく、水素原子、フッ素原子、塩素原子、アルキ
ル基及び置換アルキル基がより好ましく、水素原子、塩
素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基及び炭素原子
数1〜10の置換アルキル基が特に好ましく、水素原
子、炭素原子数1〜4のアルキル基及び炭素原子数1〜
4の置換アルキル基が最も好ましい。
【0027】前記一般式(I)中、R2とR3と、R3
4と、R4とR5と、R5とR6と、及び、R6とR7
は、互いに結合して環を形成してもよい。該環を形成す
る組み合わせとしては、R3とR4、R4とR5及びR5
6の組み合わせが好ましい。
【0028】R2とR3と、又はR6とR7とが、互いに結
合して形成する環としては、5員環又は6員環が好まし
い。該環としては、芳香族環(例えば、ベンゼン環等)
又は、不飽和複素環(例えば、ピリジン環、イミダゾー
ル環、チアゾール環、ピリミジン環、ピロール環、フラ
ン環等)が好ましい。R3とR4と、又はR5とR6とが、
互いに結合して形成する環としては、5員環又は6員環
が好ましい。該環としては、テトラヒドロキノリン環及
びジヒドロインドール環が好ましい。R4とR5とが互い
に結合して形成する環としては、5員環又は6員環が好
ましい。該環としては、ピロリジン環、ピペリジン環及
びモルホリン環が好ましい。
【0029】本明細書において、脂肪族基とは、アルキ
ル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル
基、アルキニル基、置換アルキニル基、アラルキル基及
び置換アラルキル基を意味する。前記アルキル基は、分
岐状であってもよいし、環状であってもよい。前記アル
キル基における炭素原子数は1〜20が好ましく、1〜
18がより好ましい。前記置換アルキル基におけるアル
キル部分は、上記アルキル基の場合と同様である。前記
アルケニル基は、分岐状であってもよいし、環状であっ
てもよい。前記アルケニル基の炭素原子数は2〜20が
好ましく、2〜18がより好ましい。前記置換アルケニ
ル基におけるアルケニル部分は、上記アルケニル基の場
合と同様である。前記アルキニル基は、分岐状であって
もよいし、環状であってもよい。前記アルキニル基の炭
素原子数は2〜20が好ましく、2〜18がより好まし
い。前記置換アルキニル基におけるアルキニル部分は、
上記アルキニル基の場合と同様である。前記アラルキル
基及び置換アラルキル基におけるアルキル部分は、上記
アルキル基の場合と同様である。前記アラルキル基及び
置換アラルキル基におけるアリール部分は、下記アリー
ル基の場合と同様である。前記置換アルキル基、前記置
換アルケニル基、前記置換アルキニル基及び前記置換ア
ラルキル基におけるアルキル部分の置換基としては、例
えば、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、複素環基、
−OR111、−SR112、−CO2113、−NR
114115、−CONR116117、−SO2118及び−S
2NR119120が挙げられる。前記R111、R112、R
113、R114、R115、R116、R117、R118、R119及び
120は、各々独立に、水素原子、脂肪族基又は芳香族
基を表す。前記置換アラルキル基におけるアリール部分
の置換基としては、下記置換アリール基の置換基の例と
同様のものが挙げられる。
【0030】本明細書において、芳香族基とは、アリー
ル基及び置換アリール基を意味する。前記アリール基と
しては、フェニル基及びナフチル基が好ましく、フェニ
ル基がより好ましい。前記置換アリール基におけるアリ
ール部分は、上記アリール基の場合と同様である。前記
置換アリール基の置換基としては、ハロゲン原子、シア
ノ基、ニトロ基、脂肪族基、複素環基、−OR121、−
SR122、−CO2123、−NR124125、−CONR
126127、−SO2128及び−SO2NR129130が挙
げられる。前記R121、R122、R123、R124、R125
126、R127、R128、R129及びR130は、各々独立
に、水素原子、脂肪族基又は芳香族基を表す。
【0031】本明細書において、複素環基としては、飽
和複素環又は不飽和複素環を有する基の双方が含まれ
る。複素環は、5員又は6員環であるのが好ましい。ま
た、複素環には、脂肪族環、芳香族環又は他の複素環が
縮合していてもよい。該複素環におけるヘテロ原子とし
ては、例えば、ホウ素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄
原子、セレン原子及びテルル原子等が挙げられる。その
中でも、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子が好ましい。
該複素環を構成する原子のうち、炭素原子が遊離の原子
価(一価)を有する(複素環基は炭素原子において結合
する)複素環基が好ましい。前記飽和複素環としては、
例えば、ピロリジン環、モルホリン環、2−ボラ−1,
3−ジオキソラン環及び1,3−チアゾリジン環が挙げ
られる。前記不飽和複素環としては、イミダゾール環、
チアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾー
ル環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾセレナゾール環、
ピリジン環、ピリミジン環及びキノリン環が挙げられ
る。また、前記複素環基は、置換基を有していてもよ
い。該置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、ニト
ロ基、脂肪族基、芳香族基、複素環基、−OR131、−
SR132、−CO2133、−NR134135、−CONR
136137、−SO213 8及びSO2NR139140が挙げ
られる。前記R131、R132、R133、R134、R135、R
136、R137、R138、R139及びR140は、各々独立に、
水素原子、脂肪族基又は芳香族基を表す。
【0032】前記カプラーとしては、以下のカプラーが
好ましい。イエローカプラーとしては、米国特許3,9
33,501号、同4,022,620号、同4,32
6,024号、同4,401,752号、同4,24
8,961号、特公昭58−10739号、英国特許
1,425,020号、同1,476,760号、米国
特許3,973,968号、同4,314,023号、
同4,511,649号、欧州特許249,473A
号、同502,424A号の式(I),(II)で表さ
れるカプラー、同513,496A号の式(1),
(2)で表されるカプラー(特に18頁のY−28)、
同568,037A号のクレーム1の式(I)で表され
るカプラー、米国特許5,066,576号のカラム1
の45〜55行の一般式(I)で表されるカプラー、特
開平4−274425号の段落0008の一般式(I)
で表されるカプラー、欧州特許498,381A1号の
40頁のクレーム1に記載のカプラー(特に18頁のD
−35)、同447,969A1号の4頁の式(Y)で
表されるカプラー(特に、Y−1(17頁),Y−54
(41頁))、米国特許4,476,219号のカラム
7の36〜58行の式(II)〜(IV)で表されるカプ
ラー(特にII−17,19(カラム17),II−2
4(カラム19))が挙げられる。
【0033】マゼンタカプラーとしては、米国特許4,
310,619号、同4,351,897号、欧州特許
73,636号、米国特許3,061,432号、同
3,725,067号、リサーチ・ディスクロージャー
No.24220(1984年6月)、同No.242
30(1984年6月)、特開昭60−33552号、
同60−43659号、同61−72238号、同60
−35730号、同55−118034号、同60−1
85951号、米国特許4,500,630号、同4,
540,654号、同4,556,630号、国際公開
WO88/04795号、特開平3−39737号(L
−57(11頁右下),L−68(12頁右下),L−
77(13頁右下)、欧州特許456,257号の〔A
−4〕−63(134頁),〔A−4〕−73,−75
(139頁)、同486,965号のM−4,−6(2
6頁),M−7(27頁)、同571,959A号のM
−45(19頁)、特開平5−204106号の(M−
1)(6頁)、同4−362631号の段落0237の
M−22、が挙げられる。
【0034】シアンカプラーとしては、米国特許4,0
52,212号、同4,146,396号、同4,22
8,233号、同4,296,200号、欧州特許7
3,636号、特開平4−204843のCX−1,
3,4,5,11,12,14,15(14〜16
頁);特開平4−43345のC−7,10(35
頁),34,35(37頁),(I−1),(I−1
7)(42〜43頁);特開平6−67385の請求項
1の一般式(Ia)又は(Ib)で表されるカプラーが
挙げられる。
【0035】その他、特開昭62−215272号(9
1頁)、特開平2−33144号(3頁,30頁)、E
P355,660A(4頁,5頁,45頁,47頁)記
載のカプラーも有用である。
【0036】前記一般式(I)で表される化合物の中で
も、下記一般式(II)で表される化合物がよりに好まし
い。
【0037】
【化3】
【0038】前記一般式(II)において、R1は水素原
子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、−OR
11、−SR12、−CO213、−OCOR14、−NR15
16、−CONR1718、−SO219、−SO2NR20
21、−NR22CONR23 24、−NR25CO226
−COR27、−NR28COR29又は−NR30SO231
を表す。前記R11、R12、R13、R14、R15、R16、R
17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24
25、R26、R27、R28、R29、R30及びR31は、各々
独立に、水素原子、脂肪族基又は芳香族基を表す。ま
た、R2、R3、A、B1、及びB2は、前記一般式(I)
の場合と同義であり、それらの好ましい範囲も同様であ
る。
【0039】前記一般式(II)において、Dは、5員又
は6員の含窒素複素環を形成する原子群を表し、少なく
とも1つの置換基で置換されていてもよい。また、前記
複素環は、さらに別の環と縮合環を形成してもよい。D
で表される5員又は6員の含窒素複素環を形成する原子
群における、少なくとも1つの置換基としては、脂肪族
基、芳香族基、複素環基、シアノ基、−OR 81、−SR
82、−CO283、−OCOR84、−NR8586、−C
ONR8788、−SO289、−SO2NR9091、−N
92CONR9394、−NR95CO296、−CO
97、−NR98COR99及び−NR100SO2101が挙
げられる。前記R81、R82、R83、R84、R85、R86
87、R88、R89、R90、R91、R92、R93、R94、R
95、R96、R97、R98、R99、R100及びR101は、各々
独立に、水素原子、脂肪族基又は芳香族基を表す。
【0040】前記一般式(II)において、R1として
は、水素原子、脂肪族基、芳香族基、−OR11、−SR
12、−NR1516、−SO219、−NR22CONR23
24、−NR25CO226、−NR28COR29及び−N
30SO231が好ましく、水素原子、脂肪族基、芳香
族基、−OR11及び−NR1516がより好ましく、水素
原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換
アリール基、アルコキシ基、置換アルコキシ基、フェノ
キシ基、置換フェノキシ基、ジアルキルアミノ基、及び
置換ジアルキルアミノ基がさらに好ましく、水素原子、
炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10
の置換アルキル基、炭素原子数6〜10のアリール基及
び炭素原子数6〜10の置換アリール基が特に好まし
く、水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基及び炭素
原子数1〜6の置換アルキル基が最も好ましい。
【0041】前記一般式(II)においてAとしては、−
NR45が好ましい。また、Dとしては、5員の含窒素
複素環を形成するのが好ましく、5員の含窒素複素環と
しては、例えば、イミダゾール環、トリアゾール環、テ
トラゾール環がより好ましい。
【0042】前記一般式(II)で表される化合物の中で
も、下記一般式(III)で表される油溶性のピラゾロト
リアゾールアゾメチン化合物が特に好ましい。
【0043】
【化4】
【0044】前記一般式(III)において、R1,R2
3,R4,R5,R6、及びR7は、前記一般式(II)の
場合と同義である。また、X1及びYは、各々独立に、
−C(R8)=又は−N=を表す。R8は、水素原子、脂
肪族基又は芳香族基を表す。X 1及びYの一方は必ず−
N=であり、またX1及びYが同時に−N=となること
はない。
【0045】前記一般式(III)において、R8として
は、水素原子,アルキル基、置換アルキル基、アリール
基及び置換アリール基が好ましく,水素原子,炭素数1
〜150の置換アルキル基及び炭素数6〜150の置換
アリール基がより好ましく、炭素数1〜100の置換ア
ルキル基及び炭素数6〜100の置換アリール基が特に
好ましい。また、X1及びYが同時に−C(R8)=のと
き、各々のR8は、互いに結合して環を形成してもよ
く、該環は6員環が好ましい。該環としては、芳香族環
(例えば、ベンゼン環等)がより好ましい。
【0046】前記一般式(III)で表される化合物の中
でも、X1が−N=であり、Yが−C(R8)=となるピ
ラゾロトリアゾールアゾメチン化合物が好ましい。
【0047】次に、前記一般式(II)で表されるピラゾ
ロトリアゾールアゾメチン化合物の例示化合物(M−1
〜16)を以下に示すが、本発明は、これらに何ら限定
されるものではない。
【0048】
【化5】
【0049】
【化6】
【0050】
【化7】
【0051】
【化8】
【0052】
【化9】
【0053】
【化10】
【0054】本発明に使用可能な化合物としては、さら
に、特願2000−78491号明細書に記載されてい
る例示化合物が挙げられるが、これらに何ら限定される
ものではない。
【0055】前記一般式(II)で表される化合物は、例
えば特開平4−126772号、特公平7−94180
号公報及び特願2000−78491号明細書に記載さ
れた方法を参考にして、合成することができる。
【0056】また、シアン染料としては、下記式(IV−
1)〜(IV−4)で表されるピロロトリアゾールアゾメ
チン化合物が、特に好ましく用いられる。
【0057】
【化11】
【0058】前記式(IV−1)〜(IV−4)において、
A、R2、R3、B1及びB2は、前記一般式(I)の場合
と同義であり、それらの好ましい範囲も同じである。R
201、R202及びR203は、各々独立に、前記一般式(I
I)におけるR1と同義である。R201及びR202は、互い
に結合して環構造を形成してもよい。
【0059】さらに、前記式(IV−1)〜(IV−4)で
表されるピロロトリアゾールアゾメチン化合物における
201が、ハメット置換基定数σp値0.30以上の電子
吸引性基であるものは、吸収がシャープであり、より好
ましい。そして、ピロロトリアゾールアゾメチン化合物
におけるR201及びR202のハメット置換基定数σp値の
和が、0.70以上のものはシアン色として優れた色相
を呈し、特に好ましい。
【0060】ここでは、前記式(IV−1)〜(IV−4)
で表されるピロロトリアゾールアゾメチン化合物の色相
について説明する。前記式(IV−1)〜(IV−4)で表
されるピロロトリアゾールアゾメチン化合物は、
201、R202、R203、及びR2、R3、A、B1、B2
組合せにより、さまざまな色相を持つことができる。前
記式(IV−1)〜(IV−4)で表されるピロロトリアゾ
ールアゾメチン化合物は、R201が電子吸引性の置換基
であると、そうでない場合と比較して吸収波形がシャー
プとなり好ましい。そして、前記電子吸引性の程度が強
いほど吸収波形はよりシャープになる。この点からR
201としては、アルキル基やアリール基よりも、ハメッ
ト置換基定数σp値が0.30以上の電子吸引性基が好
ましく、0.45以上の電子吸引性基がより好ましく、
0.60以上の電子吸引性基が特に好ましい。
【0061】前記ピロロトリアゾールアゾメチン化合物
は、マゼンタ色素としても、シアン色素としても用いる
ことができるが、シアン色素として用いるのがより好ま
しい。なお、前記式(IV−1)〜(IV−4)で表される
ピロロトリアゾールアゾメチン化合物は、マゼンタ色素
としても使用することができる。前記式(IV−1)〜
(IV−4)で表されるピロロトリアゾールアゾメチン化
合物をシアン化合物とするためには、R201及びR202
ハメット置換基定数σp値の和が0.70以上なのが好
ましい。このσp値の和が0.70未満であると、吸収
極大波長がシアン色素としては短波長となり、人間の目
には青色に見え、好ましくない。その中でも、R202
ハメット置換基定数σp値が0.30以上のものがより
好ましい。また、R201とR202のハメット置換基定数σ
p値の和は、2.0以下のものが好ましい。
【0062】前記ハメット置換基定数σp値が、0.3
0以上の電子吸引性基としては、例えば、アシル基、ア
シルオキシ基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル
基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ
基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル
基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ス
ルファモイル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化ア
ルコキシ基、ハロゲン化アリールオキシ基、ハロゲン化
アルキルチオ基、2つ以上のσp値が0.15以上の電
子吸引性基で置換されたアリール基、複素環基などが挙
げられる。
【0063】さらに詳しくは、アシル基(例えば、アセ
チル、3−フェニルプロパノイル等)、アシルオキシ基
(例えば、アセトキシ等)、カルバモイル基[例えば、
N−エチルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイ
ル、N−(2−ドデシルオキシエチル)カルバモイル、
N−メチル−N−ドデシルカルバモイル等]、アルコキ
シカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、ブチル
オキシカルボニル、ドデシルオキシカルボニル、オクタ
デシルオキシカルボニル等)、アリールオキシカルボニ
ル基(例えば、フェノキシカルボニル等)、シアノ基、
ニトロ基、アルキルスルフィニル基(例えば、3−フェ
ノキシプロピルスルフィニル等)、アリールスルフィニ
ル基(例えば3−ペンタデシルフェニルスルフィニル
等)、アルキルスルホニル基(例えば、メタンスルホニ
ル、オクタンスルホニル等)、アリールスルホニル基
(例えば、ベンゼンスルホニル等)、スルファモイル基
(例えば、N−エチルスルファモイル、N,N−ジプロ
ピルスルファモイル等)、ハロゲン化アルキル基(例え
ば、トリフロロメチル、ヘプタフロロプロピル等)ハロ
ゲン化アルコキシ基(例えば、トリフロロメチルオキシ
等)、ハロゲン化アリールオキシ基(例えば、ペンタフ
ロロフェニルオキシ等)、ハロゲン化アルキルチオ基
(例えば、ジフロロメチルチオ等)、2つ以上のσp
が0.15以上の他の電子吸引性基で置換されたアリー
ル基(例えば、2,4−ジニトロフェニル、2,4,6
−トリクロロフェニル、ペンタクロロフェニル等)、複
素環基(例えば、2−ベンゾオキサゾリル、2−ベンゾ
チアゾリル、1−フェニルー2−ベンズイミダゾリル、
5−クロロ−1−テトラゾリル、1−ピロリル等)が挙
げられる。
【0064】前記ハメットσp値が0.45以上の電子
吸引性基としては、アシル基(例えば、アセチル、3−
フェニルプロパノイル等)、アルコキシカルボニル基
(例えば、メトキシカルボニル等)、アリールオキシカ
ルボニル基(例えば、m−クロロフェノキシカルボニル
等)、シアノ基、ニトロ基、アルキルスルフィニル基
(例えば、n−プロピルスルフィニル等)、アリールス
ルフィニル基(例えばフェニルスルフィニル等)、アル
キルスルホニル基(例えば、メタンスルホニル、n−オ
クタンスルホニル等)、アリールスルホニル基(例え
ば、ベンゼンスルホニル等)、スルファモイル基(例え
ば、N−エチルスルファモイル、N,N−ジメチルスル
ファモイル等)、ハロゲン化アルキル基(例えば、トリ
フロロメチル等)などが挙げられる。
【0065】前記ハメット置換基定数σp値が0.60
以上の電子吸引性基としては、シアノ基(0.66)、
ニトロ基(0.78)、メタンスルホニル基(0.7
2)などが挙げられる。
【0066】前記R201及びR202のハメット置換基定数
σp値の和が0.70以上の組合せとしては、R201がシ
アノ基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニル
基、アリールスルホニル基及びハロゲン化アルキル基か
ら選択され、R202がアシル基、アシルオキシ基、カル
バモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシ
カルボニル基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリ
ールスルホニル基、スルファモイル基及びハロゲン化ア
ルキル基から選択される組み合わせが好ましい。
【0067】本発明におけるピロロトリアゾールアゾメ
チン化合物の好ましい構造としては、下記一般式(IV−
1a)で表される化合物であって、R2が、水素原子、
炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4の置換アルキ
ル基、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素)、炭素数1
〜5のアシルアミノ基、炭素数1〜5のアミノカルボニ
ルアミノ基、又は炭素数2〜5のアルコキシカルボニル
アミノ基であり、R4及びR5が、各々独立に、水素原
子、炭素数1〜18のアルキル基又は炭素数1〜18の
置換アルキル基であり、R201及びR202が、各々独立
に、ハメット置換基定数σp値の和が0.30以上の電
子吸引性基であり、R203が、炭素原子数1〜18のア
ルキル基、炭素原子数1〜18の置換アルキル基、又は
炭素数6〜20の置換又は無置換のアリール基であるも
のが挙げられる。
【0068】そして前記ピロロトリアゾールアゾメチン
化合物を、シアン色素として用いる場合には、前記好ま
しい構造の中でも、R201とR202のハメット置換基定数
σp値の和が0.70以上の化合物が好ましく、ハメッ
ト置換基定数σp値の和が1.00以上のものがより好
ましい。本発明におけるピロロトリアゾールアゾメチン
化合物のうち、下記一般式(IV−1a)で表される構造
であって、R2が、水素原子又はメチル基であり、R4
びR5が、各々独立に、炭素原子数1〜5のアルキル基
であり、R201がシアノ基であり、R202がアルコキシカ
ルボニル基であり、R203がアリール基であるものが、
最も好ましい。
【0069】
【化12】
【0070】ここで、本明細書で用いられるハメット置
換基定数については、特願平11−365188号明細
書に記載があり、本発明のσp値も、その記載の中で定
めるものと同義である。
【0071】本発明におけるピロロトリアゾールアゾメ
チン化合物の例示化合物(C−1〜9)を以下に挙げる
が、本発明は、これらに何ら限定されるものではない。
【0072】
【化13】
【0073】
【化14】
【0074】
【化15】
【0075】本発明に使用可能な化合物としては、さら
に特願平11−365188号明細書に記載されている
例示化合物が挙げられるが、本発明は、これらに何ら限
定されるものではない。
【0076】なお、前記一般式(IV―1)〜(IV−4)
で表されるピロロトリアゾールアゾメチン化合物は、特
開平5−177959号、同9−292679号、同1
0−62926号公報、及び特願平11−365188
号明細書に記載の方法を参考に、合成することができ
る。
【0077】―疎水性エチレン性不飽和モノマー― 上記疎水性エチレン性不飽和モノマー(以下、本発明の
モノマーと称することがある)としては、紫外線、熱ま
たは電子線等のエネルギー付与によって固体化する重合
性のエチレン性二重結合を有する化合物である。疎水性
とは、水に対して10%以下の溶解度を有することを意
味し、好ましくは3%以下の溶解度を有することを意味
する。モノマーとしては、エチレン性不飽和基を1個有
するいわゆる単官能の化合物(以後、単官能モノマーと
記す)であっても良いし、2官能以上の化合物(以後、
多官能モノマーと記す)であっても良いし、単官能モノ
マーと多官能のモノマーのそれぞれ1種以上を併用して
も良い。モノマー種の選択は、着色微粒子の粘度やモノ
マーを重合した後のポリマーの物性制御(油溶性染料と
の相溶性、強度、基材との接着性など)を目的として、
適宜選択する事ができる。
【0078】重合性基としては、アクリロイル基、メタ
クリロイル基、アリル基、ビニル基、内部二重結合性基
(マレイン酸など)が挙げられ、中でもアクリロイル
基、メタクリロイル基が重合性に優れ、少量の開始種あ
るいは低エネルギーで硬化させることができるので好ま
しく、アクリロイル基が特に好ましい。
【0079】多官能モノマーとしては、ビニル基含芳香
族化合物、2価以上のアルコールとアクリル酸(または
メタアクリル酸)とのエステルであるアクリレート(ま
たはメタクリレート)、2価以上のアミンとアクリル酸
またはメタアクリル酸とのアミドであるアクリルアミド
(またはメタクリルアミド)、多塩基酸と2価アルコー
ルの結合で得られるエステルまたはポリカプロラクトン
にアクリル酸またはメタアクリル酸を導入したポリエス
テルアクリレート、アルキレンオキサイドと多価アルコ
ールの結合で得られるエーテルにアクリル酸またはメタ
アクリル酸を導入したポリエーテルアクリレート、エポ
キシ樹脂にアクリル酸またはメタアクリル酸を導入する
か、あるいは2価以上のアルコールとエポシキ含有モノ
マーを反応させて得られるエポキシアクリレート、ウレ
タン結合をもったウレタンアクリレート、アミノ樹脂ア
クリレート、アクリル樹脂アクリレート、アルキッド樹
脂アクリレート、スピラン樹脂アクリレート、シリコー
ン樹脂アクリレート、不飽和ポリエステルと前記光重合
性モノマーの反応生成物およびワックス類と前記重合性
モノマーの反応生成物などが挙げられ、アクリレート、
ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレー
ト、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ア
クリル樹脂アクリレート、シリコーン樹脂アクリレー
ト、不飽和ポリエステルと前記光重合性モノマーの反応
生成物が好ましく、アクリレート、ポリエステルアクリ
レート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレ
ート、ウレタンアクリレートが特に好ましい。
【0080】多官能モノマーの例としては、ジビニルベ
ンゼン、トリビニルシクロヘキサン、エチレングリコー
ルジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリ
レート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ペ
ンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロール
プロパントリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘ
キサアクリレート、1,6−アクリロイルアミノヘキサ
ン、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコ
ールジアクリレート、2塩基酸と2価アルコールから成
る分子量500〜30000のポリエステルの分子鎖末
端に(メタ)アクリロイル基をもつポリエステルアクリ
レート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ビス
フェノール(AあるいはS、F)骨格を含有する分子量
450〜30000のエポキシアクリレート、フェノー
ルノボラック樹脂の骨格を含有する分子量600〜30
000のエポキシアクリレート、分子量350〜300
00の多価イソシアネートと水酸基を有する(メタ)ア
クリル酸モノマーとの反応物、また分子内にウレタン結
合を有するウレタン変性物などが挙げられる。
【0081】単官能モノマーとしては、置換あるいは無
置換の(メタ)アクリレート、置換あるいは無置換のス
チレン類、置換あるいは無置換のアクリルアミド、ビニ
ル基含有モノマー(ビニルエステル類、ビニルエーテル
類、N−ビニルアミドなど)、(メタ)アクリル酸など
が挙げられ、置換あるいは無置換の(メタ)アクリレー
ト、置換あるいは無置換のアクリルアミド、ビニルエス
テル類、ビニルエーテル類が好ましく、置換あるいは無
置換の(メタ)アクリレート、置換あるいは無置換のア
クリルアミドが特に好ましい。単官能モノマーの例とし
ては、n−ブチルアクリレ−ト、t−ブチルアクリレー
ト、t―オクチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレ
ート、2−エチルヘキシルアクリレート、nードデシル
アクリレート、ベンジルアクリレート、1H,1H,2
H,2H−パーフルオロヘキシルアクリレート、n−ブ
チルメタクリレ−ト、sec−ブチルメタクリレート、
n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタ
クリレート、nードデシルメタクリレート、オクタデシ
ルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ヒドロキ
シブチルアクリレート、2−クロロエチルアクリレー
ト、グリシジルアクリレート、アリルアクリレート、ジ
フェニルー2−メタクリロイルオキシエチルホスフェー
ト、N−ブトキシメチルアクリルアミド、t−ブチルア
クリルアミド、t−オクチルアクリルアミド、フェニル
アクリルアミド、2−ヒドロキシブチルビニルエーテ
ル、スチレン、メチルスチレン、p―クロロスチレン、
p―t−ブチルスチレン、メトキシスチレン、酢酸ビニ
ル、カプロン酸ビニル、安息香酸ビニル、ポリジメチル
シロキサンモノアクリレートなどが挙げられる。
【0082】―重合開始剤― 熱重合開始剤としては、アゾビス化合物、パーオキサイ
ド、ハイドロパーオキサイド、レドックス触媒などがあ
り、例えば過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の無
機過酸化物、t−ブチルパーオクトエート、ベンゾイル
パーオキサイド、イソプロピルパーカーボネート、2,
4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、メチルエチル
ケトンパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイ
ド、ジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物、2,
2'−アゾビスイソブチレート、2,2'−アゾビスイソ
ブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチ
ルバレロニトリル)、1,1'−アゾビス(シクロヘキ
サンー1−カルボニトリル)、2,2'−アゾビス(2、
4,4−トリメチルペンタン)、2,2'− アゾビスシ
アノ吉草酸、1,1'―アゾビス(1−アセトキシー1−
フェニルエタン)、2,2'−アゾビス(2−アミジノ
プロパン)ハイドロクロライド、2,2′−アゾビス
〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プ
ロパン〕塩酸塩、2,2′−アゾビス{2−メチル−N
−〔1,1′−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロ
キシエチル〕プロピオンアミド}等を挙げる事ができ
る。
【0083】これらの開始剤は着色微粒子に含まれる
事、即ち油溶性である事が好ましく、またアゾビス化合
物である事が特に好ましい。従って、特に好ましい熱重
合開始剤の例としては、2,2'−アゾビスイソブチレ
ート、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'
−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,
1'−アゾビス(シクロヘキサンー1−カルボニトリ
ル)、2,2'−アゾビス(2、4,4−トリメチルペン
タン)等が挙げられる。
【0084】本発明においてモノマーの重合を進行させ
るために放射線を用いる場合、α線、γ線、X線、紫外
線、可視光線、電子線などを使用することができる。こ
れらのうち、紫外線、可視光線を用いることがコスト及
び安全性の点から好ましく、紫外線を用いることが更に
好ましい。放射線として紫外線、可視光線などを使用す
る場合は、重合を開始するための光重合開始剤が併用さ
れる。光重合開始剤としては、光により発生したラジカ
ルや他の活性種が前記モノマー中の重合性二重結合と反
応するものであれば特に制限はない。
【0085】光重合開始剤としてはアセトフェノン誘導
体、ベンゾフェノン誘導体、ベンジル誘導体、ベンゾイ
ン誘導体、ベンゾインエーテル誘導体、ベンジルジアル
キルケタール誘導体、チオキサントン誘導体、アシルフ
ォスフィンオキサイド誘導体、金属錯体、p−ジアルキ
ルアミノ安息香酸、アゾ化合物、パーオキシド化合物等
が一般的に知られ、アセトフェノン誘導体、ベンジル誘
導体、ベンゾインエーテル誘導体、ベンジルジアルキル
ケタール誘導体、チオキサントン誘導体、アシルフォス
フィンオキサイド誘導体が好ましく、アセトフェノン誘
導体、ベンゾインエーテル誘導体、ベンジルジアルキル
ケタール誘導体、アシルフォスフィンオキサイド誘導体
が特に好ましい。
【0086】光重合開始剤の例としては、アセトフェノ
ン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチル
アミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフ
ェノン、ベンゾフェノン、p,p′−ジクロロベンゾフ
ェノン、p,p′−ビスジエチルアミノベンゾフェノ
ン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾイ
ンメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、
ベンゾイン−n−プロピルエーテル、ベンゾインイソブ
チルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロ
キシ−シクロヘキシルフェニルケトン、テトラメチルチ
ウラムモノサルファイド、チオキサントン、2−クロロ
チオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、
2,2−ジメチルプロピオイル ジフェニルフォスフィ
ンオキサイド、2−メチル−2−エチルヘキサノイル
ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,6−ジメチル
ベンゾイル ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,
6−ジメトキシベンゾイル ジフェニルフォスフィンオ
キサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル ジフェ
ニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキ
シベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォ
スフィンオキサイド、2,3,6−トリメチルベンゾイ
ル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,
3,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィ
ンオキサイド、2,4,6−トリメトキシベンゾイル−
ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリ
クロロベンゾイル ジフェニルフォスフィンオキサイ
ド、2,4,6−トリメチルベンゾイル ナフチルフォ
スフォネート、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン
−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H
−ピロール−1−イル)−フィニル)チタニウム、p−
ジメチルアミノ安息香酸、p−ジエチルアミノ安息香
酸、アゾビスイソブチロニトリル、1,1'−アゾビス
(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)、ベンゾイン
パーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド
等が挙げられる。
【0087】さらに光重合開始剤の例としては、加藤清
視著「紫外線硬化システム」(株式会社総合技術センタ
ー発行:平成元年)の第65〜148頁に記載されてい
る光重合開始剤などを挙げることができる。これらの光
重合開始剤は1種あるいは2種以上を組み合わせて用い
ることができ、増感剤と併用しても良い。
【0088】これらの光重合開始剤の使用量は特に制限
されていないが、疎水性エチレン不飽和モノマーに対し
て0.5〜20質量%が好ましく、1〜15質量%が更
に好ましく、3〜10質量%が特に好ましい。0.5質
量%未満では硬化しないか硬化時間が遅く、20質量%
を越えると着色微粒子分散物を経時した時の析出や分離
が生じたり、硬化後のインクの強度や擦り耐性などの性
能が悪化したりする場合があるので好ましくない。
【0089】前記増感剤は、単独では光照射によって活
性化しないが、光重合開始剤と一緒に使用した場合に光
重合開始剤単独で用いた場合よりも効果があるもので、
一般にアミン類が用いられる。アミン類の添加により硬
化速度が速くなるのは、第一に水素引き抜き作用により
光重合開始剤に水素を供給するためであり、第二に生成
ラジカルが大気中の酸素分子と結合して反応性が悪くな
るのに対して、アミンが組成中に溶け込んでいる酸素を
捕獲する作用があるためである。
【0090】増感剤としては、アミン化合物(脂肪族ア
ミン、芳香族基を含むアミン、ピペリジン、エポキシ樹
脂とアミンの反応生成物、トリエタノールアミントリア
クリレートなど)、尿素化合物(アリルチオ尿素、o−
トリルチオ尿素など)、イオウ化合物(ナトリウムジエ
チルジチオホスフェート、芳香族スルフィン酸の可溶性
塩など)、ニトリル系化合物(N,N−ジエチル−p−
アミノベンゾニトリルなど)、リン化合物(トリ−n−
ブチルホスフィン、ナトリウムジエチルジチオホスファ
イドなど)、窒素化合物(ミヒラーケトン、N−ニトリ
ソヒドロキシルアミン誘導体、オキサゾリジン化合物、
テトラヒドロ−1,3−オキサジン化合物、ホルムアル
デヒドまたはアセトアルデヒドとジアミンの縮合物な
ど)、塩素化合物(四塩化炭素、ヘキサクロロエタンな
ど)等が挙げられる。
【0091】増感剤の使用量は、通常0.1〜10質量
%であり、0.2〜5質量%が好ましく、0.2〜2質
量%が特に好ましい。光開始剤と増感剤の選定、組合わ
せ、及び配合比に関しては使用する疎水性のエチレン性
不飽和モノマー、使用装置によって適宜選定すればよ
い。
【0092】紫外線や可視光線を照射する光源として
は、低圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、
カーボンアーク灯、キセノンランプ、ケミカルランプな
どが使用できる。
【0093】本発明の着色微粒子中には、前記の疎水性
エチレン性不飽和モノマー、油溶性染料及び重合開始剤
以外に、着色微粒子自身の粘度や極性の調整、重合活性
の調整の目的で、高沸点の疎水性有機溶媒やポリマーを
適宜含むことができる。
【0094】前記高沸点有機溶媒は沸点が100℃より
高い有機溶剤である。前記高沸点有機溶媒は沸点が15
0℃以上のものが好ましく、170℃以上のものがより
好ましい。例えば、多価アルコール類、脂肪族カルボン
酸のエステル類、リン酸エステル類、炭化水素などが挙
げられ、具体的には、ジエチレングルコール、トリメチ
ロールプロパン、フタル酸ジブチル、安息香酸−2−エ
チルヘキシル、アルキルナフタレンなどが挙げられる。
さらに詳細な具体例としては、特願2000―7851
8に記載の疎水性高沸点有機溶媒を挙げる事ができる。
これらは、目的に応じて、常温で液体、固体の何れのも
のも使用できる。前記溶剤は一種類でも複数組み合わせ
て使用しても良い、使用量は0〜20質量%が好まし
く、0〜10質量%が更に好ましい。
【0095】前記ポリマーは、着色微粒子の極性や粘度
の調整、油溶性染料の溶解性向上、硬化後のインクの被
記録材との接着性、耐光性の調整などのために使用でき
る。前記ポリマーは、染料やモノマーとの相溶性が高い
ものが好ましく、またその分子量は50000以下が好
ましく、20000以下が更に好ましい。ポリマーの例
としては、例えばビニルポリマー、ポリウレタン、ポリ
エステルなどが挙げられ、具体的には、ポリブチルアク
リレート、ポリ(イソブチルメタクリレート−ヒドロキ
シエチルアクリレート)(共重合質量比95:5)、ポリ(イ
ソプロピルアクリレート−テトラヒドロフルフリルアク
リレート)(共重合質量比70:30)、ポリ(ブチルメタク
リレート−N−メトキシメチルアクリルアミド)(共重
合質量比80:20)、ポリブチルアクリレート−ポリジメチ
ルシロキサンブロック共重合体(共重合質量比90:10)な
どが挙げられる。前記ポリマーは一種類又は複数組合わ
せて使用しても良い。ポリマーの使用量は、エチレン性
不飽和モノマーや油溶性染料の種類や量により異なる
が、0〜40質量%が好ましく、0〜20質量%が特に
好ましい。
【0096】本発明においては、着色微粒子中もしくは
水性インクの水相中に貯蔵安定剤を含ませる事ができ
る。貯蔵安定剤は保存中の好ましくない重合を抑制する
ものであり、例としては、4級アンモニウム塩、ヒドロ
キシアミン類、環状アミド類、ニトリル類、置換尿素
類、複素環化合物、有機酸、ハイドロキノン、ハイドロ
キノンモノエーテル類、有機ホスフィン類、銅化合物な
どが挙げられ、具体的にはベンジルトリメチルアンモニ
ウムクロライド、ジエチルヒドロキシルアミン、ベンゾ
チアゾール、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジン、クエン酸、ハイドロキノンモノブチルエ
ーテル、ナフテン酸銅などが挙げられる。使用量は重合
可能なエチレン性不飽和モノマーに対して、0.005
〜1質量%が好ましく、0.01〜0.5質量%が更に
好ましく、0.01〜0.2質量%が特に好ましい。
【0097】−着色微粒子分散物の製造− 本発明の着色微粒子分散物は、油溶性染料と本発明のモ
ノマーとを少なくとも含み、好ましくは重合開始剤を含
む着色微粒子を水性媒体に分散してなる。具体的には、
前記油溶性染料及び本発明のモノマーを共乳化分散させ
る方法(共乳化分散法)が挙げられる。前記共乳化分散
法としては、前記油溶性染料及び前記本発明のモノマー
を含有する有機溶媒相に水を添加すること、並びに、水
中に該有機溶媒相を添加すること、のいずれかにより、
油溶性染料と本発明のモノマーとを乳化させ微粒子化さ
せる方法が好適に挙げられる。
【0098】前記共乳化分散法において用いられる乳化
分散装置としては、簡単なスターラーやインペラー撹拌
方式、インライン撹拌方式、コロイドミル等のミル方
式、超音波方式など公知の装置を用いることができる
が、本発明においては、高圧乳化分散装置が好ましく、
その中でも、高圧ホモジナイザーが特に好ましい。
【0099】前記高圧ホモジナイザーは、US−453
3254号、特開平6−47264号等に詳細な機構が
記載されているが、市販の装置としては、ゴーリンホモ
ジナイザー(A.P.V GAULIN INC.)、
マイクロフルイダイザー(MICROFLUIDEX
INC.)、アルティマイザー(株式会社スギノマシ
ン)等が挙げられる。
【0100】また、近年になってUS−5720551
号に記載されているような、超高圧ジェット流内で微粒
子化する機構を備えた高圧ホモジナイザーは本発明の乳
化分散に特に有効である。この超高圧ジェット流を用い
た乳化分散装置の例として、DeBEE2000(BE
E INTERNATIONAL LTD.)が挙げら
れる。
【0101】前記高圧乳化分散装置を用いて乳化分散す
る際の圧力としては、50MPa以上(500bar以
上)が好ましく、60MPa以上(600bar以上)
がより好ましく、180MPa以上(1800bar以
上)がさらに好ましい。本発明においては、前記乳化分
散の際、例えば、撹拌乳化機で乳化した後、高圧ホモジ
ナイザーを通す等の方法で2種以上の乳化装置を併用す
るのが特に好ましい。また、一度これらの乳化装置で乳
化分散した後、湿潤剤や界面活性剤等の添加剤を添加し
た後、カートリッジにインク組成物を充填する間に再度
高圧ホモジナイザーを通過させるのも好ましい。
【0102】前記乳化分散の際、油溶性染料と本発明の
モノマーに加えて低沸点有機溶媒を含む場合、前記乳化
物の安定性及び安全衛生上の観点から、低沸点溶媒を実
質的に除去するのが好ましい。低沸点有機溶媒を実質的
に除去する方法としては、該低沸点有機溶媒の種類に応
じて各種の公知の方法、例えば、蒸発法、真空蒸発法、
限外濾過法等を採用することができる。低沸点有機溶媒
の除去工程は、乳化直後、できるだけ速やかに行うのが
好ましい。
【0103】前記乳化分散の際、種々の界面活性剤を用
いることができる。例えば、脂肪酸塩、アルキル硫酸エ
ステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナ
フタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、
アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホル
マリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステ
ル塩等のアニオン系界面活性剤や、ポリオキシエチレン
アルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリル
エーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビ
タン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂
肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グ
リセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピ
レンブロックコポリマー等のノニオン系界面活性剤、ま
た、アセチレン系ポリオキシエチレンオキシド界面活性
剤であるSURFYNOLS(AirProducts
&Chemicals社)、また、N,N−ジメチル−
N−アルキルアミンオキシドのようなアミンオキシド型
の両性界面活性剤、さらに特開昭59−157,636
号の第(37)〜(38)頁、リサーチ・ディスクロー
ジャーNo.308119(1989年)に記載のもの
等が好適に挙げられる。
【0104】共乳化分散により、油溶性染料及び本発明
のモノマーを含有する着色微粒子を水性媒体に分散させ
て水性インクとする場合、特に重要なのは、その粒子サ
イズのコントロールである。インクジェットにより画像
を形成した際の、色純度や濃度を高めるには、前記着色
微粒子分散物における着色微粒子の平均粒子径を小さく
するのが好ましい。具体的には、着色微粒子の体積平均
粒子径は1nm以上300nm以下であるのが好まし
く、2nm以上200nm以下であるのがより好まし
く、2nm以上100nm以下であるのがさらに好まし
い。また、前記着色微粒子に粗大粒子があると、印刷性
能を低下させることがある。例えば、粗大粒子がヘッド
のノズルを詰まらせる場合、また詰まらないまでも汚れ
を形成することによってインクの不吐出や吐出のヨレを
生じる場合がある等、印刷性能に悪影響を与える場合が
ある。従って、粗大粒子の存在割合は低い方が好まし
く、インクを調製した場合に、インク1μリットル中に
5μm以上の粒子が10個以下、1μm以上の粒子を1
000個以下とするのが好ましい。これらの粗大粒子を
除去する方法としては、公知の遠心分離法、精密濾過法
等が利用できる。これらの分離手段は乳化分散直後に行
ってもよいし、乳化分散物に湿潤剤や界面活性剤等の各
種添加剤を加えた後、インクカートリッジに充填する直
前に行ってもよい。着色微粒子の平均粒子径を小さく
し、かつ粗大粒子を少なくするのには、機械的な乳化装
置を用いるのが有効である。
【0105】本発明の着色微粒子分散物において、前記
本発明のモノマーの含有量は特に制限はないが、記録紙
へのインクの良好な染込み性の観点から、着色微粒子に
おける本発明のモノマーの含有量が25質量%以上90
質量%以下であることが好ましく、50質量%以上85
質量%以下であることがより好ましい。また、油溶性染
料の良好な溶解性を保持するという観点から、油溶性染
料に対して本発明のモノマーは30質量%以上2000
質量%以下使用するのが好ましく、100質量%以上1
500質量%以下であることがより好ましい。一方、本
発明のモノマーの使用量が多すぎると、油相の割合が多
すぎることにより、安定で微細な分散が困難になる傾向
がある。この観点からも合わせると、本発明のモノマー
の使用量は、油溶性染料に対して50〜1500質量%
が好ましく、100〜1000質量%がより好ましい。
【0106】本発明の好ましい態様として、着色微粒子
が前記重合開始剤を含む場合には、着色微粒子分散物の
製造法としては、油溶性染料と前記疎水性エチレン性不
飽和モノマーと重合開始剤を少なくとも含む液を、上記
と同様に共乳化分散させて行なう事ができる。但し、重
合開始剤が熱重合開始剤である場合には、乳化分散時や
低沸点有機溶媒の脱溶媒時の温度は低温で行なう事が必
要であり、その温度は好ましくは40℃以下、特に好ま
しくは30℃以下である。また、重合開始剤は乳化分散
によって得られた着色微粒子分散物に対して直接添加し
てもよい。
【0107】本発明のインク組成物はさらに必要に応じ
て適宜選択したその他の成分を含有していてもよい。
【0108】前記その他の成分は、本発明の効果を害し
ない範囲内において含有され、例えば、乾燥防止剤、浸
透促進剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防黴剤、pH調
整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、
分散安定剤、防錆剤、キレート剤、等の公知の添加剤が
挙げられる。
【0109】前記乾燥防止剤は、インクジェット記録方
式に用いるノズルのインク噴射口において前記インク組
成物が乾操することによる目詰まりを防止する目的で好
適に使用される。
【0110】前記乾燥防止剤としては、水より蒸気圧の
低い水溶性有機溶剤が好ましい。該乾燥防止剤の具体例
としては、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、
チオジグリコール、ジチオジグリコール、2−メチル−
1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリ
オール、アセチレングリコール誘導体、グリセリン、ト
リメチロールプロパン等に代表される多価アルコール
類、エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エー
テル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)
エーテル、トリエチレングリコールモノエチル(又はブ
チル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエー
テル類、2−ピロリドン、N−メチルー2−ピロリド
ン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−エ
チルモルホリン等の複素環類、スルホラン、ジメチルス
ルホキシド、3−スルホレン等の含硫黄化合物、ジアセ
トンアルコール、ジエタノールアミン等の多官能化合
物、尿素誘導体が挙げられる。これらの中でも、グリセ
リン、ジエチレングリコール等の多価アルコールがより
好ましい。また、これらは、1種単独で使用してもよい
し、2種以上を併用してもよい。これらの乾燥防止剤
は、前記インク組成物中に10〜50質量%含有するこ
とが好ましい。
【0111】前記浸透促進剤は、インク組成物を紙によ
りよく浸透させる目的で好適に使用される。
【0112】前記浸透促進剤としては、例えば、エタノ
ール、イソプロパノール、ブタノール,ジ(トリ)エチ
レングリコールモノブチルエーテル、1,2−ヘキサン
ジオール等のアルコール類やラウリル硫酸ナトリウム、
オレイン酸ナトリウムやノニオン性界面活性剤等が挙げ
られる。前記浸透促進剤は、印字の滲み、紙抜け(プリ
ントスルー)等を生じない範囲内で含有され、インク組
成物中に5〜30質量%程度含有されれば通常十分な効
果を発揮する。
【0113】前記紫外線吸収剤は、画像の保存性を向上
させる目的で使用され、例えば、特開昭58−1856
77号公報、同61−190537号公報、特開平2−
782号公報、同5−197075号公報、同9−34
057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合
物、特開昭46−2784号公報、特開平5−1944
83号公報、米国特許第3214463号等に記載され
たベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号
公報、同56−21141号公報、特開平10−881
06号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−
298503号公報、同8−53427号公報、同8−
239368号公報、同10−182621号公報、特
表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン
系化合物、リサーチディスクロージャーNo.2423
9号に記載された化合物やスチルベン系、ベンズオキサ
ゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発
する化合物、いわゆる蛍光増白剤等が挙げられる。
【0114】前記酸化防止剤は、画像の保存性を向上さ
せる目的で使用され、例えば、各種の有機系及び金属錯
体系の褪色防止剤を使用することができる。前記有機系
の褪色防止剤としては、ハイドロキノン類、アルコキシ
フェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール
類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、
アルコキシアニリン類、複素環類、等が挙げられる。前
記金属錯体系の褪色防止剤としては、ニッケル錯体、亜
鉛錯体、等が挙げられ、具体的には、リサーチディスク
ロージャーNo.17643の第VIIのI〜J項、同
No.15162、同No.18716の650頁左
欄、同No.36544の527頁、同No.3071
05の872頁、同No.15162に引用された特許
に記載された化合物や、特開昭62−215272号公
報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物の一
般式及び化合物例に含まれる化合物を使用することがで
きる。
【0115】前記防黴剤としては、デヒドロ酢酸ナトリ
ウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジンチオン
−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステ
ル、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン及びその
塩等が挙げられる。これらはインク中に0.02〜1.
00質量%使用するのが好ましい。
【0116】前記表面張力調整剤としては、ノニオン、
カチオン又はアニオン界面活性剤等が、好適に挙げられ
る。なお、本発明のインク組成物の表面張力としては、
25〜70mN/mが好ましく、25〜60mN/mが
より好ましい。
【0117】本発明のインク組成物の粘度としては、3
0mPa・s以下が好ましく、10mPa・s以下がよ
り好ましい。
【0118】前記消泡剤としては、フッ素系、シリコー
ン系化合物やEDTAに代表されるれるキレート剤等も
必要に応じて使用することができる。
【0119】前記pH調整剤は、着色微粒子分散液のp
H調節及び分散安定性付与などの点で好適に使用するこ
とができ、pH4.5〜10.0となるように添加する
のが好ましく、pH6〜10.0となるよう添加するの
がより好ましい。前記pH調整剤としては、塩基性のも
のとして有機塩基、無機アルカリ等が好ましく、酸性の
ものとして有機酸、無機酸等が好ましい。前記塩基性の
pH調整剤において、前記有機塩基の中でも、トリエタ
ノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルジエタ
ノールアミン、ジメチルエタノールアミン等がより好ま
しく、前記無機アルカリの中でも、アルカリ金属の水酸
化物、炭酸塩、アンモニア等がより好ましい。前記アル
カリ金属の水酸化物の中でも、水酸化ナトリウム、水酸
化リチウム、水酸化カリウムなどが特に好ましく、前記
炭酸塩の中でも、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム
などが特に好ましい。また、前記酸性のpH調整剤にお
いて、前記有機酸の中でも、酢酸、プロピオン酸、トリ
フルオロ酢酸、アルキルスルホン酸などがより好まし
く、前記無機酸の中でも、塩酸、硫酸、リン酸などがよ
り好ましい。
【0120】(画像形成方法)本発明の画像形成方法
は、インクジェットプリンターによるインクジェット記
録方法を使用するのが好ましい。前記インクジェット記
録方法においては、前記インク組成物を用いて受像材料
に記録を行うが、その際に使用するインクノズル等につ
いては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すること
ができる。
【0121】<受像材料>前記受像材料としては特に制
限はなく、公知の被記録材、例えば、普通紙、樹脂コー
ト紙、インクジェット専用紙、フィルム、電子写真共用
紙、布帛、ガラス、金属、陶磁器等が挙げられる。前記
被記録材の中でも、インクジェット専用紙が好ましく、
例えば、特開平8−169172号公報、同8−276
93号公報、同2−276670号公報、同7−276
789号公報、同9−323475号公報、特開昭62
−238783号公報、特開平10−153989号公
報、同10−217473号公報、同10−23599
5号公報、同10−337947号公報、同10−21
7597号公報、同10−337947号公報、等に記
載されているものがより好ましい。
【0122】本発明においては、前記受像材料の中で
も、以下の記録紙及び記録フィルムが特に好ましい。前
記記録紙及び記録フィルムは、支持体とインク受容層と
を積層してなり、必要に応じて、バックコート層等のそ
の他の層をも積層して成る。なお、インク受容層をはじ
めとする各層は、それぞれ1層であってもよいし、2層
以上であってもよい。
【0123】前記支持体としては、LBKP、NBKP
等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CT
MP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙
パルプ等からなり、必要に応じて従来の公知の顔料、バ
インダー、サイズ剤、定着剤、カチオン剤、紙力増強剤
等を添加混合し、長網抄紙機、円網抄紙機等の各種装置
で製造されたもの等が使用可能であり、また、これらの
外、合成紙、プラスチックフィルムシート等であっても
よい。
【0124】前記支持体の厚みとしては、10〜250
μm程度であり、坪量は10〜250g/m2が望まし
い。
【0125】前記支持体には、前記インク受容層を設け
てもよいし、前記バックコート層をさらに設けてもよ
く、また、デンプン、ポリビニルアルコール等でサイズ
プレスやアンカーコート層を設けた後に、前記インク受
容層及び前記バックコート層を設けてもよい。また、前
記支持体には、マシンカレンダー、TGカレンダー、ソ
フトカレンダー等のカレンダー装置により平坦化処理を
行ってもよい。
【0126】前記支持体の中でも、両面をポリオレフィ
ン(例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブテン及びそれらのコポリマー
等)でラミネートした紙、及びプラスチックフイルムが
好ましく用いられる。前記ポリオレフィン中に、白色顔
料(例えば、酸化チタン、酸化亜鉛等)又は色味付け染
料(例えば、コバルトブルー、群青、酸化ネオジウム
等)を添加することがより好ましい。
【0127】前記インク受容層には、顔料、水性バイン
ダー、媒染剤、耐水化剤、耐光性向上剤、界面活性剤、
その他の添加剤が含有される。
【0128】前記顔料としては、白色顔料が好ましく、
該白色顔料としては、例えば、炭酸カルシウム、カオリ
ン、タルク、クレー、珪藻土、合成非晶質シリカ、珪酸
アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、水
酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、
硫酸バリウム、硫酸カルシウム、二酸化チタン、硫化亜
鉛、炭酸亜鉛等の無機白色顔料、スチレン系ピグメン
ト、アクリル系ピグメント、尿素樹脂、メラミン樹脂、
等の有機顔料等が好適に挙げられる。これらの白色顔料
の中でも、多孔性無機顔料が好ましく、細孔面積が大き
い合成非晶質シリカ等がより好ましい。前記合成非晶質
シリカは、乾式製造法によって得られる無水珪酸、及
び、湿式製造法によって得られる含水珪酸のいずれも使
用可能であるが、含水珪酸を使用することが特に好まし
い。
【0129】前記水性バインダーとしては、例えば、ポ
リビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコ
ール、デンプン、カチオン化デンプン、カゼイン、ゼラ
チン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチル
セルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオ
キサイド、ポリアルキレンオキサイド誘導体、等の水溶
性高分子、スチレンブタジエンラテックス、アクリルエ
マルジョン等の水分散性高分子等が挙げられる。これら
の水性バインダーは、1種単独で使用してもよいし、2
種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリビニル
アルコール、シラノール変性ポリビニルアルコールが、
前記顔料に対する付着性、及びインク受容層の耐剥離性
の点で好ましい。
【0130】前記媒染剤としては、不動化されているこ
とが好ましい。そのためには、ポリマー媒染剤が好まし
く用いられる。前記ポリマー媒染剤としては、特開昭4
8−28325号、同54−74430号、同54−1
24726号、同55−22766号、同55−142
339号、同60−23850号、同60−23851
号、同60−23852号、同60−23853号、同
60−57836号、同60−60643号、同60−
118834号、同60−122940号、同60−1
22941号、同60−122942号、同60−23
5134号、特開平1−161236号の各公報、米国
特許2484430号、同2548564号、同314
8061号、同3309690号、同4115124
号、同4124386号、同4193800号、同42
73853号、同4282305号、同4450224
号の各明細書に記載がある。特開平1−161236号
公報の212〜215頁に記載のポリマー媒染剤が特に
好適に挙げられる。同公報記載のポリマー媒染剤を用い
ると、優れた画質の画像が得られ、かつ画像の耐光性が
改善される。
【0131】前記耐水化剤は、画像の耐水化に有効であ
り、カチオン樹脂が好適に挙げられる。前記カチオン樹
脂としては、例えば、ポリアミドポリアミンエピクロル
ヒドリン、ポリエチレンイミン、ポリアミンスルホン、
ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、カチ
オンポリアクリルアミド、コロイダルシリカ等が挙げら
れ、これらの中でも、ポリアミドポリアミンエピクロル
ヒドリンが特に好ましい。前記カチオン樹脂の含有量と
しては、前記インク受容層の全固形分に対して1〜15
質量%が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。
【0132】前記耐光性向上剤としては、例えば、硫酸
亜鉛、酸化亜鉛、ヒンダードアミン系酸化防止剤、ベン
ゾフェノン系やベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤等
が挙げられ、これらの中でも、硫酸亜鉛が特に好まし
い。
【0133】前記界面活性剤は、塗布助剤、剥離性改良
剤、スベリ性改良剤あるいは帯電防止剤として機能す
る。前記界面活性剤としては、特開昭62−17346
3号、同62−183457号の各公報に記載されたも
のが挙げられる。前記界面活性剤の代わりに有機フルオ
ロ化合物を用いてもよい。前記有機フルオロ化合物は、
疎水性であることが好ましい。前記有機フルオロ化合物
としては、例えば、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ
素系化合物(例えば、フッ素油等)及び固体状フッ素化
合物樹脂(例えば、四フッ化エチレン樹脂等)が含まれ
る。前記有機フルオロ化合物については、特公昭57−
9053号(第8〜17欄)、特開昭61−20994
号、同62−135826号の各公報に記載がある。
【0134】前記その他の添加剤としては、例えば、顔
料分散剤、増粘剤、消泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐
剤、pH調整剤、マット剤、硬膜剤等が挙げられる。
【0135】前記バックコート層には、白色顔料、水性
バインダー、その他の成分が含有される。
【0136】前記白色顔料としては、例えば、軽質炭酸
カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、
硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜
鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミ
ニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウ
ム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、コロイダル
アルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミ
ナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マ
グネシウム、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料、ス
チレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチ
ックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿
素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。
【0137】前記水性バインダーとしては、スチレン/
マレイン酸塩共重合体、スチレン/アクリル酸塩共重合
体、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニル
アルコール、デンプン、カチオン化デンプン、カゼイ
ン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の水溶性
高分子、スチレンブタジエンラテックス、アクリルエマ
ルジョン等の水分散性高分子等が挙げられる。
【0138】前記その他の成分としては、消泡剤、抑泡
剤、染料、蛍光増白剤、防腐剤、耐水化剤等が挙げられ
る。
【0139】なお、前記記録紙及び記録フィルムにおけ
る構成層(バックコート層を含む)には、ポリマーラテ
ックスを添加してもよい。前記ポリマーラテックスは、
寸度安定化、カール防止、接着防止、膜のひび割れ防止
のような膜物性改良の目的で使用される。前記ポリマー
ラテックスについては、特開昭62−245258号、
同62−136648号、同62−110066号の各
公報に記載がある。ガラス転移温度が低い(40℃以下
の)ポリマーラテックスを、前記媒染剤を含む層に添加
すると、層のひび割れやカールを防止することができ
る。また、ガラス転移温度が高いポリマーラテックスを
前記バックコート層に添加するとカールを防止すること
ができる。
【0140】本発明のインクジェット記録方法におい
て、用いる受像材料に特に制限は無いが、支持体上にイ
ンク受容層を積層してなり、かつ前記インク受容層が白
色顔料を含有する記録材を用いると、形成画像が高画質
となるので好ましい。また従来の多くの分散インクで
は、白色顔料等の多孔質無機顔料を含むインク受容層を
有してなる被記録材を用いる場合に、被記録材への染込
み性が悪く、形成画像を手で擦ると表面から染料が剥離
するという問題があった。しかし、本発明のインクはエ
チレン性不飽和モノマーと油溶性染料からなる着色分散
物が低粘度かつ油状であり、染込み性に優れているの
で、かかる問題は解決された。さらに、インクを印字し
た後に、エチレン性不飽和モノマーの重合を行うと、着
色微粒子は染料とポリマーからなる微粒子へと変化し、
画像保存性 特に画像の光堅牢性を向上させる事ができ
た。従って、前記被記録材を用いて本発明のインクを使
用すると、高画質で高強度かつ画像堅牢性に優れた画像
を形成できる。
【0141】本発明のインクジェット記録方式には、特
に制限は無く、公知の方法、例えば静電誘引力を利用し
てインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動
圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス
方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して
放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェッ
ト方式、インクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を
利用するサーマルインクジェット(バブルジェット(登
録商標))方式等のいずれであってもよい。これらのう
ち、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマ
ンド方式(圧力パルス方式)が特に好ましい。
【0142】前記インクジェット記録方式には,フォト
インクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数放
射する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のイ
ンクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを
用いる方式が含まれる。
【0143】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0144】(実施例1) ―インクジェット記録用インクの作製― <本発明の分散インク101の調製>染料(M‐7)2
g、α-ソジウムスルホパルミチン酸メチル1.28
g、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PET-4
A)4g、1,1'―アゾビス(1−アセトキシー1−フ
ェニルエタン)(OTAZO-15)0.37gの混合物を酢酸
エチル54gに室温で溶解させた。この溶液中に脱イオ
ン水50mlを入れ、ホモジナイザーにて10000回
転/分の回転数の乳化を、乳化4分→停止1分で、計5
サイクル行った。得られた乳化物を窒素フロー下、酢酸
エチルの臭気が無くなるまで濃縮し、0.45μmのフ
ィルターで濾過して、疎水性染料M−7の微細乳化物を
得た。得られた乳化物にジエチレングリコール、グリセ
リン、その他の添加剤、脱イオン水を加え、最終液とし
て100mlあたり、油溶性染料濃度2質量%、ジエチ
レングリコール濃度10質量%、グリセリン10質量
%、界面活性剤としてポリエチレングリコール(平均繰
り返し数12)のモノ2−ブチルオクタン酸エステル
1.0質量%、ベンゾトリアゾール 0.006質量%、
防腐剤として1、2−ベンズイソチアゾリンー3−オン
0.2質量%からなるマゼンタインク(分散インク10
1)を作製した。得られた乳化分散物インクの体積平均
粒子サイズをマイクロトラックUPA(日機装株式会
社)を用いて測定した所、63nmであった。
【0145】<本発明の分散インク102〜111、比
較分散インク112〜115の調製>分散インク101
の調製において、油溶性染料の種類と量、重合開始剤の
種類を下表1の如く変更した以外は、分散インク101
と同じにして本発明の分散インク102〜111を作成
した。なお、分散剤であるα-ソジウムスルホパルミチ
ン酸メチルの量は、油溶性成分(油溶性染料、モノマ
ー、ポリマーの総和)に対して同じ比率となるように使
用した。また、重合開始剤の量は、重合性エチレン性不
飽和モノマーの量に対して、同じ質量比となるように使
用した。さらに、分散インク101の調製において、油
溶性染料の種類と量を変更し、かつエチレン性不飽和モ
ノマーの代わりに(重合性官能基の無い)高沸点有機溶媒
を用い、重合開始剤を除いた事以外は分散インク101
と同じにして、比較用分散インク112〜115を作成
した。分散インク102〜111同様、分散剤であるα
-ソジウムスルホパルミチン酸メチルの量は、油溶性成
分(油溶性染料、モノマー、ポリマーの総和)に対して同
じ比率となるように使用した。分散インク101〜11
5において、最終インク中のジエチレングリコール、グ
リセリン、その他の添加剤の濃度は一定である。
【0146】
【表1】
【0147】
【化16】
【0148】<インク116、117の作製>水溶性染
料を含む下記の素材を混合し、0.45μmのフィルタ
ーによって濾過し、比較用の水性インクジェット記録用
インク116、117を調製した(インク116ではマ
ゼンタ染料MM-2を2.8g用い、インク117では染料CC
-3を3.5g用いた)。 ・水溶性着色剤 上記の量 ・ジエチレングリコール 10g ・グリセリン 10g ・ジエタノールアミン 1g ・ポリエチレングルコール(平均エチレンオキシド繰り返し数10) の片末端2−ブチルオクタン酸エステル 1g ・水を加えて 100g
【0149】なお、得られた上記のインク101〜11
7は全て、最後にKOH水溶液を用いてpH=9に調整し
た。
【0150】−画像記録及び評価− 作製したインク101〜117を、インクジェットプリ
ンターPM−670C(EPSON(株)製)のカート
リッジに充填し、同機を用いて、PPC用普通紙とイン
クジェットペーパーフォト光沢紙EX(富士写真フイル
ム(株)製)に画像を記録したのち、120℃、3分の
加熱処理を行った。得られた画像について以下の評価を
行った。評価結果を表2に示す。
【0151】<印刷性能評価> カートリッジをプリンタにセットし、全ノズルからのイ
ンクの吐出を確認した後、A4用紙10枚に画像を出力
し、印字の乱れを以下の基準で評価した。 A:印刷開始から終了まで印字の乱れが無かった。 B:印刷開始から終了までに時々印字の乱れが発生し
た。 C:印刷開始から終了まで印字の乱れがあった。
【0152】<紙依存性評価>前記フォト光沢紙に形成
した画像とPPC用普通紙に形成した画像との色調を比
較し、両画像間の差が殆どない場合をA、両画像間の差
が小さい場合をB、両画像間の差が大きい場合をCとし
て、三段階で評価した。
【0153】<画像のベタツキ>記録した画像のベタツ
キを評価し、べたつきが全くない物をA(良好)、若干の
べたつきがあるが接触した物を汚すほどではないものを
B(許容)、べたつきに問題のあるものをC(不良)として
3段階で評価した。
【0154】<擦過性評価>印字、加熱終了後、30分
経過した画像について、消しゴムで擦って、画像の濃度
変化の有無を目視で評価した。濃度変化が殆ど観測され
ないものをA(良好)とし、濃度変化を観測したものをB
(不良)とした。
【0155】<耐水性評価>前記画像を形成したフォト
光沢紙を、1時間室温乾燥した後、30秒間水に浸漬
し、室温にて自然乾燥させ、滲みを観察した。滲みがな
いものをA、滲みが僅かに生じたものをB、滲みが多い
ものをCとして、三段階で評価した。
【0156】<耐光性評価>前記画像を形成したフォト
光沢紙に、ウェザーメーター(アトラスC.I65)を
用いて、キセノン光(85000lx)を366nmフ
イルターを通して10日間照射し、キセノン照射前後の
画像濃度を反射濃度計(X-Rite310TR)を用いて
測定し、色素残存率として評価した。色素残存率が85
%以上の場合をA、70%以上85%未満をB、70%
未満の場合をCとして、三段階で評価した。
【0157】
【表2】
【0158】上記の結果から明らかなように、本発明の
インクジェット記録用インクは、印刷性能や画像の物理
強度に優れ、紙依存性やベタツキがなく、耐水性や耐光
性、に優れていた。また、特に耐光性の抜群の向上が認
められた。さらに、インク101〜105、107〜1
08に用いた、一般式(I)の染料のうち、特に好まし
い染料である一般式(II)、(III)を用いると、色調上
も極めて優れた画像が得られた。
【0159】(実施例2)以下に記載のインクセットを
作成してフルカラー画像を記録し、前記実施例1と同様
にして評価を行った。
【0160】<マゼンタインク>実施例1に記載のイン
ク101をそのまま用いた。 <ライトマゼンタインク>前記インク101の着色微粒
子分散物の濃度が1/4になるように、着色微粒子の量
を減らした以外は、前記101と全く同じ構成のインク
を調製した。 <シアンインク>実施例1に記載のインク107をその
まま用いた。 <ライトシアンインク>前記インク107の着色微粒子
分散物の濃度が1/4になるように、着色微粒子の量を
減らした以外は、前記107と全く同じ構成のインクを
調製した。 <イエローインク>実施例1に記載のインク111をそ
のまま用いた。 <ブラックインク>前記マゼンタインク101の調製に
おいて用いた着色剤(M―7)2gを着色剤(M−7)
1g、着色剤C−1 3.5g、着色剤YY−1 1.3
5gに替えた他は前記マゼンタインク101の調製と同
様にしてブラックインクを作成した。
【0161】(画像記録及び評価)作製したインクセッ
トの評価は、実施例1と同様にして行った。乾燥性評
価、細線の滲み評価については以下の方法で評価した。
【0162】<乾燥性評価>画像を印字した直後に、画
像部を指で触れて、生じた汚れを目視にて評価した。 <細線の滲み評価>イエロー、マゼンタ、シアン及びブ
ラックの細線パターンを印字し、目視にて評価した。
【0163】上記のインクセットの印字テストの結果、
実施例1と同様に本発明のインクは印刷性能や画像の物
理強度に優れ、色調(紙依存性)、耐水性、耐光性の何れ
も優れていた。
【0164】(実施例3) ―インクジェット記録用インクの作製― <本発明の分散インク301の調製>実施例1の分散イ
ンク101の調製において,用いた重合開始剤の代わり
に、ビス(2、6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,
4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド 0.1
7gと1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
0.07gを用い、重合促進剤としてテトラエチレンペ
ンタミン0.04gを用いた以外は、分散インク101
と同じ方法を用いて、分散インク301を作製した。
【0165】<本発明の分散インク302〜311の調
製>分散インク301の調製において、油溶性染料の種
類と量、重合開始剤の種類を下表1の如く変更した以外
は、分散インク301と同じにして本発明の分散インク
302〜311を作成した。なお、分散剤であるα-ソ
ジウムスルホパルミチン酸メチルの量は、油溶性成分
(油溶性染料、モノマー、ポリマーの総和)に対して同じ
比率となるように使用した。また、重合開始剤の量は、
重合性エチレン性不飽和モノマーの量に対して、同じ質
量比となるように使用した。
【0166】
【表3】
【0167】―画像記録及び評価― 作製した分散インク301〜311及び実施例1で用い
た比較インク112〜117をインクジェットプリンタ
ーPM−670C(EPSON(株)製)のカートリッ
ジに充填し、同機を用いて、PPC用普通紙とインクジ
ェットペーパーフォト光沢紙EX(富士写真フイルム
(株)製)に画像を記録したのち、メタルハライドラン
プを用いて700mJ/cm2で露光処理を行った。得ら
れた画像について、実施例1と同じ評価を行った。結果
を表4に示す。
【0168】
【表4】
【0169】本発明のインクジェット記録用インクは、
UV硬化型の重合開始剤を用いた系でも印刷性能や画像
の物理強度に優れ、紙依存性やベタツキがなく、耐水性
や耐光性、に優れていた。また、特に耐光性の抜群の向
上が認められた。また実施例1同様、インク301〜3
05、307〜308に用いた、一般式(I)の染料の
うちの特に好ましい染料である一般式(II)、(III)を
用いると、色調上も極めて優れた画像が得られた。
【0170】(実施例4)以下に記載のインクセットを
作成してフルカラー画像を記録し、前記実施例3と同様
にして評価を行った。
【0171】<マゼンタインク>実施例3に記載のイン
ク301をそのまま用いた。 <ライトマゼンタインク>前記インク301の着色微粒
子分散物の濃度が1/4になるように、着色微粒子の量
を減らした以外は、前記301と全く同じ構成のインク
を調製した。 <シアンインク>実施例3に記載のインク307をその
まま用いた。 <ライトシアンインク>前記インク307の着色微粒子
分散物の濃度が1/4になるように、着色微粒子の量を
減らした以外は、前記307と全く同じ構成のインクを
調製した。 <イエローインク>実施例3に記載のインク311をそ
のまま用いた。 <ブラックインク>前記マゼンタインク301の調製に
おいて用いた着色剤(M―7)2gを着色剤(M−7)
1g、着色剤C−1 3.5g、着色剤YY−1 1.3
5gに替えた他は前記マゼンタインク301の調製と同
様にしてブラックインクを作成した。
【0172】(画像記録及び評価)作製したインクセッ
トの評価は、実施例2と同様にして行った。
【0173】上記のインクセットの印字テストの結果、
実施例3と同様に本発明のインクは印刷性能や画像の物
理強度に優れ、色調(紙依存性)、耐水性、耐光性の何れ
も優れていた。
【0174】(実施例5)実施例1,3で作製した本発
明の分散インク101〜111、301〜311並びに
比較用インク112〜117について、被記録材(支持
体)を電子写真用紙、普通紙(一般コピー用紙)、ポリエ
ステルフィルム(OHP用紙)、アルミ蒸着フィルム
(アルミ側に印字)に代え、印字を行なった結果、本発明
のインクが上記同様優れた印刷性能や耐水性、耐光性を
有している事が示された。特に、被記録材として、ポリ
エステルフィルム、アルミ蒸着フィルムへの印字におい
ては、従来の水溶性染料インクが耐水性が悪く、溶媒分
散インクはべとつきが、ポリマー分散インクは擦過性が
著しく悪いのに対し、本発明のインクはより低エネルギ
ー(200mJ/cm2以下)の露光で、ベタツキや指
擦りで剥がれる事が無く、耐水性・耐溶剤性に優れ、か
つ耐光性に優れた画像を与えた。
【0175】
【発明の効果】本発明のインク組成物は、色調(紙依存
性がない)、耐水性に優れていた。さらに本発明のイン
ク組成物を用いる画像形成方法は、低エネルギーの印加
による重合が可能であり、特に耐光性や画像の物理強度
(擦過性など)に優れた画像を与えることが分かる。
フロントページの続き (72)発明者 佐野 和江 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA13 FC02 2H086 BA05 BA53 BA55 BA59 4J039 AD21 AF03 BC05 BC12 BC29 BC33 BC35 BC44 BC51 BC54 BC65 BE07 BE26 BE33 CA06 EA35 EA38 EA44 GA24 GA26 GA27 GA28

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水性媒体に着色微粒子分散物が分散され
    たインク組成物であって、該着色微粒子分散物が疎水性
    エチレン性不飽和モノマー、及び少なくとも一種の油溶
    性染料とを含み、インク組成物中に重合開始剤を含有す
    ることを特徴とするインク組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のインク組成物を用いて
    記録した後に、疎水性エチレン性不飽和モノマーを重合
    させることを特徴とする画像形成方法。
  3. 【請求項3】 前記疎水性エチレン性不飽和モノマー、
    及び少なくとも一種の油溶性染料とを含有する溶液を水
    性媒体に乳化分散して着色微粒子分散物を得る工程を含
    むことを特徴とする請求項1に記載のインク組成物の製
    造方法。
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