JP2002037804A - ポリスチレンの連続製造方法 - Google Patents

ポリスチレンの連続製造方法

Info

Publication number
JP2002037804A
JP2002037804A JP2000219389A JP2000219389A JP2002037804A JP 2002037804 A JP2002037804 A JP 2002037804A JP 2000219389 A JP2000219389 A JP 2000219389A JP 2000219389 A JP2000219389 A JP 2000219389A JP 2002037804 A JP2002037804 A JP 2002037804A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polystyrene
polymerization
molecular weight
styrene
average molecular
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000219389A
Other languages
English (en)
Inventor
Akinobu Sasaki
章亘 佐々木
Yoshihide Nagabuchi
慶秀 永渕
Yasuo Hiromoto
泰夫 廣本
Hisaaki Yoshimura
壽晃 好村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Rayon Co Ltd filed Critical Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority to JP2000219389A priority Critical patent/JP2002037804A/ja
Publication of JP2002037804A publication Critical patent/JP2002037804A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗料、コーティング材料、樹脂添加剤、ワッ
クス、バインダー剤、粘着剤、接着剤、つや出し剤、表
面処理剤等に利用できる低分子量のポリスチレンを効率
的に生産すること。 【解決手段】 攪拌機を備えた槽型重合器を用いて、ス
チレンを重合する方法において、重合温度を190℃以
上とし、平均滞在時間を5分以上とすることにより、重
量平均分子量1000〜20000、且つ重量平均分子
量/数平均分子量の比が4以下、重合率が80%以上で
ある低分子量ポリスチレンを効率良く連続的に製造す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗料、コーティン
グ材料、樹脂添加剤、ワックス、バインダー剤、粘着
剤、接着剤、つや出し剤、表面処理剤等に利用できる低
分子量のポリスチレンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】低分子量のポリスチレンは塗料、コーテ
ィング材料、樹脂添加剤、ワックス、バインダー剤、粘
着剤、接着剤、つや出し剤、表面処理剤等と、広範囲な
利用が可能である。そのため、低分子量ポリスチレンの
製造方法に関して多くの検討がなされてきた。USP24966
53には、スチレンを、第1段で連続的に攪拌しながら1
00℃〜125℃で部分的に重合した後、第2段の管型
装置で約175℃までの温度で重合し、その後さらに2
00℃〜225℃まで温度をあげて真空下で揮発分を除
去する方法によるポリスチレンの製造方法が開示されて
いる。第1段で100〜125℃で重合した時の重合率
(固形分率)は70〜80%と記載され、また、第2段
で220℃で重合した後の重合率(固形分率)は95〜
97%と記載されている。 また、USP3859268には 、
少なくともモノアルケニル芳香族を含むモノマーを、混
合槽で重合温度130℃から180℃として、重合率
(固形分率)が40〜90%で、重量平均分子量が2万
〜10万で、Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分
子量)の比が2〜4のポリスチレンを連続製造する方法
が開示されている。該公報の実施例では、スチレンを重
合温度140℃の混合槽で連続重合することにより、重
量平均分子量61800のポリスチレンが得られ、その
ときの固形分率(重合率)は40.3%である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、塗料、コー
ティング材料、樹脂添加剤、ワックス、バインダー剤、
粘着剤、接着剤、つや出し剤、表面処理剤等に使用され
るポリスチレンは低粘度である必要があり、重量平均分
子量が2万以下でないとこれら用途への適用が難しくな
る。しかし、前述のUSP2496653或いはUSP3859268記載の
ように、重合温度が低いと、重合速度が低いために、重
合率を高くしようとすると著しく重合時間を長くする必
要があり、工業的利用が困難になるまで生産性が低下す
る上に、重合温度が低くなると、分子量は高くなる傾向
がある。USP2496653の方法で製造されるポリスチレンの
重量平均分子量は7万〜10万であり、塗料やコーティ
ング用途に使用される重量平均分子量2万以下のポリス
チレンは製造できない。また、第1段の重合率がせいぜ
い80%にとどまる問題がある。また、USP3859268の方
法では、ポリスチレンの重量平均分子量が2万〜10万
であり、塗料やコーティング用途に使用される重量平均
分子量2万以下のポリスチレンは製造できない。
【0004】一方、European Polymer Journal Vol.14,
pp889(1978年)には、スチレンを密閉容器に詰めて、重
合温度60〜250℃で重合する方法が示されている。
このアンプルなどのバッチ式重合法においては、短時間
で高重合率を達成することが可能であり、分子量分布に
ついても狭い重合体を得ることができる。例えば、25
0℃のアンプル重合では、数分で重合率が80%にな
り、重量平均分子量は約7万である。200℃では、約
30分で重合率が80%になり、重量平均分子量は約1
0万くらいである。重量平均分子量(Mw)/数平均分
子量(Mn)の比は、重合温度200℃で2〜3.5、
250℃では、約3.5となっている。しかし、該方法
はバッチ製造方法(回分式製造方法)であるため、生産
性や除熱効率を考慮すると工業的な製造には適していな
い。また、バッチ製造方法であるため、モノマーを入れ
た密閉容器を加熱した場合、容器内の温度が所定の温度
に達するまでに時間を要し、生産性に欠点を有する。更
には、該方法で製造されるポリスチレンの重量平均分子
量は7万程度であり、塗料やコーティング用途に使用さ
れる重量平均分子量2万以下のポリスチレンは製造でき
ない。
【0005】特開平10−120796号公報の実施例
では、210℃にコントロールされたオートクレーブ
に、スチレン100質量部と開始剤ジ・ターシャリー・
ブチル・パーオキサイド0.5質量部を滴下して重合す
ることにより、重量平均分子量が5100の樹脂を製造
している。特開平10−186726号公報の実施例で
は、215℃にコントロールされたオートクレーブに、
スチレン100質量部と開始剤ジ・ターシャリー・ブチ
ル・パーオキサイド0.7質量部を滴下して重合するこ
とにより、重量平均分子量が4800のポリスチレン樹
脂を製造している。特開平10−171161号公報の
実施例では、220℃にコントロールされたオートクレ
ーブに、スチレン100質量部と開始剤ジ・ターシャリ
ー・ブチル・パーオキサイド0.5質量部を滴下して重
合することにより、重量平均分子量が4600の樹脂を
製造している。しかしながら、これらの特開平10−1
20796号公報、特開平10−186726号公報、
特開平10−171161号公報記載の実施例の方法
は、これらいずれの製造方法でもスチレン及び開始剤を
滴下するセミバッチ重合方法を適用しており、工程が煩
雑になることやバッチ重合同様に目的の温度までの加熱
時間が長いことから、工業的に適していないという欠点
を有する。
【0006】また、USP3080348では、スチレン/メチル
メタクリレートの比が5/95〜95/5であるスチレ
ンとメチルメタクリレート混合物を、室温〜250℃
で、好ましくは100℃〜190℃で、パイプがループ
状につながった重合装置で、固形分率の上限をおよそ6
0%として、連続的に共重合する方法が示されている。
しかし、この方法では、モノマーとしてスチレンとメチ
ルメタクリレートの混合物に限定されるし、重合率がせ
いぜい60%までであるという問題がある特公平2−3
3041号公報には、モノアルケニル芳香族単量体約6
0〜80質量%、アクリル系単量体約20〜40質量%
を、重合温度約235〜310℃で、滞在時間を少なく
とも2分とし、槽型重合器で攪拌して連続的に重合する
ことで、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(M
n)が約2より小さく、数平均分子量が約1000〜6
000の重合体を連続的に製造する方法が開示されてい
る。特開昭60−215007号公報には、少なくとも
一種のアクリル単量体、重合開始剤が約0.0005〜
0.06mol(アクリル単量体1molに対して)、
溶媒約0〜25%(アクリル単量体質量基準)を、滞在
時間約1分以上として、連続重合する方法が開示されて
いる。
【0007】特開昭59−6207号公報には、少なく
とも一種のモノアルケニル芳香族モノマー単量体と一種
のアクリル単量体からなるビニルモノマー混合物、重合
開始剤が約0.0005〜0.04mol(ビニルモノ
マー混合物1molに対して)、溶媒約0〜25%(ビ
ニルモノマー混合物質量基準)を、滞在時間2分以上と
して、連続重合する方法が開示されている。しかしなが
ら、USP3080348、特公平2−33041号公報、特開昭
60−215007号公報、特開昭59−6207号公
報のように、アクリル系単量体との共重合においては、
重合温度を高くする方法或いは特定量の重合開始剤を使
用することにより、重量平均分子量が2万以下の重合体
が得られているものの、アクリル系単量体が必須成分で
あり、ホモポリスチレンに関する記載はない。
【0008】また、分子量分布が広くなると、不均一に
なるということであり、品質上問題となる分子量成分が
存在することになる。重量平均分子量と数平均分子量の
比が4以下であれば、望ましい品質が得られる。ポリス
チレン中に含まれる残存スチレンも品質に影響を与え、
できるだけ少ない方が好ましい。本発明は前記課題を解
決するためになされたもので、塗料、コーティング材
料、樹脂添加剤、ワックス、バインダー剤、粘着剤、接
着剤、つや出し剤、表面処理剤等に好適で、高品質な低
分子量ポリスチレンを効率的に連続生産する方法を目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、攪拌機を備え
た槽型重合器を用いて、スチレンを重合する方法におい
て、重合温度を190℃以上とし、平均滞在時間を5分
以上とすることにより、低分子量ポリスチレンを連続的
に製造するものである。本発明の製造方法によれば、重
量平均分子量が1000〜20000、且つ重量平均分
子量/数平均分子量の比が4以下であり、固形分率が8
0%以上であるポリスチレンを連続的に製造できる。ま
た、槽型重合器の後に管型重合器で更に重合することが
望ましい。その際、管型重合器内の滞在時間を0.5分
〜30分とすることで生産性を低下させることなく重合
率の向上を図ることもできる。重合された低分子量ポリ
スチレン中の残存スチレンを除去するために、大気圧又
は減圧に保たれた容器中に供給することが望ましい。ま
た、押出機を利用し、低分子量ポリスチレン中の残存ス
チレンを除去することが望ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明で使用するモノマーはスチ
レンである。スチレン中に含まれる溶存酸素は重合の誘
導期を誘発するため、重合が不安定化するおそれがある
ので、予めスチレンを窒素バブリング、真空操作を行
い、溶存酸素を除去することが好ましい。使用する槽型
重合器の形状、材質には特に制限は無いが、槽型重合器
内の温度あるいは濃度の均一化、見かけ粘度の低減によ
る重合の安定化の点で、攪拌機を設置する。攪拌翼の形
状に制限は無く、公知の物が使用できる。パドル翼、ア
ンカー翼、リボン翼、ヘリカル翼等が例示される。重合
温度とは、攪拌されている槽型重合器中のポリスチレン
(未反応のスチレンを含む、以下同様)の温度である。
重合温度は、190℃以上とする。重合温度を190℃
以上とすることで、単時間で重合が進行し、且つ目的の
分子量の重合体を製造できる。190℃未満では、分子
量が高くなり、目的の重合体が得られない。重合温度の
上限は特に限定されないが、300℃以下とするのが好
ましい。300℃超とすると、ポリスチレンの分解反
応、ポリスチレンの着色、劣化が生じる恐れがあり、好
ましくない。
【0011】連続重合においては、スチレンの供給速度
(単位時間当たりの質量)とポリスチレン(未反応のス
チレンを含む)の排出速度(単位時間当たりの質量)と
を等しくなるよう運転することにより、槽型重合器内の
液面が一定に保たれ、平均滞在時間が一定となる。ま
た、平均滞在時間は、以下の式1で与えられる。
【0012】
【数1】
【0013】槽型重合器実容積は、槽型重合器中の気相
部を除いたポリスチレンが占めている容積である。式1
で計算される平均滞在時間は5分以上とする。平均滞在
時間を5分以上とすることにより、重合率を80%以上
とすることができる。5分未満では重合率が80%を越
えず、生産性が低下する。平均滞在時間の上限は特に限
定されないが、60分以下とするのが好ましい。60分
以下とすることで生産性良くポリスチレンを製造できる
ので工業的に利点がある。スチレンには重合を促進する
ために重合開始剤を加えても良い。重合開始剤を加える
ことにより、重合率をより高めることができ、更には所
望の分子量の重合体を容易に製造することができる。使
用できる重合開始剤には特に限定はないが、アゾビスイ
ソブチルニトリル(AIBN)、アゾビスバレロニトリ
ル、アゾビスシアノ吉草酸等のアゾ系重合開始剤、ベン
ソイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイ
ド、t−ブチルパーオキシベンゾエ−ト等の有機過酸化
物系重合開始剤などが挙げられる。重合開始剤の使用量
は特に制限はなく、スチレン100質量部に対して、
0.01〜10質量部が好ましく、特に0.1〜5質量
部が好ましい。槽型重合器の外部にはジャケットを設置
して、一定の温度に保たれた熱媒を流すことが好まし
い。そのようにすることにより、より安定した品質の重
合体を得ることができる。
【0014】槽型重合器内に樹脂が占めていない部分、
いわゆる気相部が存在する場合には、気相部の圧力を槽
型重合器中のスチレンが沸騰しない圧力に加圧する事が
好ましい。特に、重合の安定化の点で、窒素、アルゴン
などの不活性ガスで加圧することが好ましい。スチレ
ン、或いは開始剤を含むスチレンの供給方法は、ポンプ
等により定量的に供給する。供給する原料温度に特に制
限は無いが、重合発熱のスチレン顕熱による除去、重合
の安定化の点で、−10℃〜100℃、特に0℃〜50
℃が好ましい。製造されるポリスチレンは、ポンプを用
いて槽型重合器から定流量で排出する。製造されるポリ
スチレンは原料のスチレンに比べ粘度が大きいので、高
粘度に適したポンプを使用するのが好ましい。高粘度流
体を取り扱うポンプとしては、ギヤポンプが例示され
る。スチレン、或いは開始剤を含むスチレンの槽型重合
器への供給箇所や、ポリスチレンの排出場所には限定は
無い。例えば、スチレン、或いは開始剤を含むスチレン
を槽型重合器の上部から供給して、ポリスチレンを下部
から排出する方法、その逆の方法などが例示される。
【0015】槽型重合器の後に、管型重合器を設置する
ことにより、重合率を上昇させることが可能である。重
合温度は190〜300℃が好ましい。管型重合器の形
状、材質等には制限が無く、公知のものが使用できる。
管型重合器には、静止型混合機(スタティックミキサ
ー)を設置しても良い。製造されたポリスチレンを、大
気圧又は減圧に保たれた容器に供給することにより、未
反応の残存スチレンを除去してもよい。ポリスチレン中
の残存スチレンを5質量%以下とすることが好ましい。
残存スチレン(質量%)は、製造されたポリスチレン中
に存在するスチレンの質量%であり、重合率+残存スチ
レン率=100%となる。槽型重合器又は、管型重合器
から連続的に製造されるポリスチレンの温度に制限は無
いが、スチレンの除去効率、樹脂の劣化防止の観点か
ら、150℃〜300℃が好ましい。特に、槽型重合器
又は、管型重合器から連続的に製造されるポリスチレン
を実質的に、加熱又は冷却しないで、大気圧又は減圧に
保たれた容器に供給することにより、エネルギー負荷無
しで、スチレンを除去できる利点がある。
【0016】また、製造されたポリスチレンを押出機で
脱揮することにより、未反応の残存スチレンを除去して
もよい。押出機を使用することにより、表面更新が行わ
れるため、効率よく揮発性分を除去することが可能であ
る。ポリスチレン中の残存スチレンは1質量%以下とす
ることが好ましい。使用する押出機に制限は無く、公知
の物が使用できる。スチレンの除去の効率の観点から、
特に2軸押出機が好ましい。また、押出機に設置された
ベント口に真空ポンプを設置することにより、更にスチ
レンを効率よく除去することが可能である。ポリスチレ
ン中から除去されたスチレンは、コンデンサ(凝縮器)
により回収しても良い。コンデンサの種類に制限は無
く、公知のコンデンサが使用できる。多管式、プレート
式等が例示される。回収されたスチレンは再利用しても
良い。
【0017】
【実施例】<分子量の測定方法>ゲルパーミエ−ション
クロマトグラフィー(GPC)により測定した。下記の
測定系を使用し、ポリスチレン換算により求めた。この
際、ポリスチレン標準試料としては、下記の分子量:6
200000〜500のもの(合計12種類;いずれも
東ソ−社製)を用いた。 商品名 分子量 F−700 6200000 F−228 2800000 F−128 1100000 F−80 707000 F−40 354000 F−20 189000 F−10 98900 F−4F 37200 F−1 9830 A−5000 5870 A−1000 870 A−500 500 <GPC> GPC装置:東ソ−社製、商品名:HCL−8020 カラム:東ソ−社製、 商品名:TSKGel GMHXL(内径7.8mm×
長さ30cm)2本 TSKguardculmn HXL−H(内径6.0mm×長さ
4.0cm)1本 移動相:テトラヒドロフラン サンプル注入量:0.1ml サンプル濃度 1mg/ml 流速:1.0ml/min 検出器はRI(示差屈折率計)を使用 <残存スチレン、固形分率の測定> ガスクロマトグラフィー装置、島津社製GC−8A 溶媒:N,N−ジメチルホルムアミド(DMF) サンプル:DMF約10gに、重合体(残存スチレンを
含む)約0.5gを溶解。 内標:イソプロピルアルコール 注入量:1μL インジエクション温度:170℃ 力ラム温度:120℃
【0018】<実施例1>図1に示す装置を用いて実施
した。スチレンは原料タンク1からポンプ2を用いて槽
型重合器3に供給する。槽型重合器3(東洋高圧社製)
の全容積は5Lであり、攪拌機4にはヘリカルリボン翼
を使用した。槽型重合器3には、1000kPaの窒素
を予め充填しておいた。槽型重合器3下部のバルブ(図
示せず)を閉めた状態で、槽型重合器3のジャケットに
225℃に加熱された熱媒を循環させながら、20℃に
保ったスチレン(三菱化学社製)を0.105kg/m
inの流量で30分間送り、10分間保持した。その
後、槽型重合器3下部のバルブを開けると同時に、スチ
レンの供給を同流量で再開し、ポンプ5を稼働し、0.
105kg/minでポリスチレンを連続的に取り出し
た。連続重合中、実容積が3Lとなる液面より5mm上
及び5mm下に熱電対を設置し、2点の温度を測定する
ことにより液面を感知した。液面より下の温度(重合温
度)は240℃、液面より上の温度は205℃であり、
この2点の間に液面が存在することが確認できる。製造
されるポリスチレンの比重は約1050kg/m3であ
り、槽型重合器内の平均滞在時間は30分と計算され
る。ポンプ5から排出されるポリスチレンをサンプリン
グし、製造されたポリスチレンの重合率を測定したとこ
ろ、86.4%であった。また、重量平均分子量は16
500、数平均分子量は4600、Mw/Mnは3.6
であった。
【0019】ポンプ5の後に、内径25mm、長さ50
0mmの管型重合器6(容積245cm3)を設置し、
そのジャケットに240℃に加熱された熱媒を循環し
た。この管型重合器での平均滞在時間は約2.5分と計
算される。管型重合器6から排出されるポリスチレンを
サンプリングし、製造されたポリスチレンの重合率を測
定したところ、88.2%であった。また、重量平均分
子量は14800、数平均分子量は4200、Mw/M
nは3.5であった。
【0020】管型重合器6の後には、回収タンク7を設
置した。回収タンク7の圧力は10kPa(絶対圧)と
した。減圧に保つことで分離されるスチレンはコンデン
サ8で凝縮させて回収した。回収タンク7の下に設置し
たポンプ9により、ポリスチレンをサンプルングしたと
ころ、残存スチレン4.5%(重合率95.5%)であ
り、重量平均分子量は15500、数平均分子量は44
00、Mw/Mnは3.5であった。こうして製造され
たポリスチレンを二軸押出機(池貝社PCM30)で脱
揮しながら押出を行った。バレル温度は190℃とし、
第1ベントを40kPa(絶対圧)、第2ベントを5k
Paとした。残存スチレン0.1%(重合率は99.9
%)であり、重量平均分子量は17100、数平均分子
量は4900、Mw/Mnは3.5であった。
【0021】<比較例1>槽型重合器のジャケット温度
を170℃にした以外は、実施例1と同様な操作を実施
した。槽型重合器3の重合温度は182℃であった。槽
型重合器3から連続的に取り出されるポリスチレンの重
合率は45%、重量平均分子量は9.2万、数平均分子
量は3.9万であった。
【0022】<比較例2>槽型重合器3の平均滞在時間
を3分にした以外は、実施例1と同様な操作を実施し
た。槽型重合器3の重合温度は232℃であった。槽型
重合器3から連続的に取り出されるポリスチレンの重合
率は39%、重量平均分子量は2.4万、数平均分子量
は0.8万であった。
【0023】<実施例2>スチレン100質量部当た
り、ジ−ターシャリーブチルパーオキサイド(日本油脂
社製、パーブチルD、10時間半減期温度123.7
℃)を0.5質量部使用し、ジャケットに通す熱媒の温
度を205℃にした以外は、実施例1と同様な操作を実
施した。槽型重合器の重合温度は235℃であった。連
続重合の結果を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、攪拌機を備えた槽型重
合器を用いて、重合温度190℃、且つ平均滞在時間5
分以上でスチレンを連続的に重合することにより、重量
平均分子量が1000〜20000であって、且つ重量
平均分子量/数平均分子量の比が4以下、且つ重合率が
80%以上であるポリスチレンを効率良く連続的に製造
できる。また、槽型重合器の後に管型重合器で重合する
ことにより、更に重合率が高くなり、生産性を高めるこ
とができる。また、重合されたポリスチレンを大気圧又
は減圧に保たれた容器中に供給することにより、ポリス
チレン中の残存スチレンを低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の製造を説明するための概略構成図で
ある。
【符号の説明】
1 原料タンク 2 ポンプ 3 槽型重合器 4 攪拌機 5 ポンプ 6 管型重合器 7 回収タンク 8 コンデンサ 9 ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 廣本 泰夫 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央技術研究所内 (72)発明者 好村 壽晃 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央技術研究所内 Fターム(参考) 4J011 AA04 AA05 AB01 AB02 BA01 BA06 BB01 BB04 DA02 DB13 DB16 DB17 DB18 DB19 DB28 FA02 FA03 FA05 FA06 FB04 FB05 FB13 FB18 4J100 AB02P CA01 DA01 DA02 DA04 FA18 FA27 FA28 FA34 FA47 GB05 GB18 JA01 JA03 JA05

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 攪拌機を備えた槽型重合器を用いて、重
    合温度190℃以上、且つ平均滞在時間5分以上でスチ
    レンを連続的に重合することを特徴とするポリスチレン
    の連続製造方法。
  2. 【請求項2】 重量平均分子量が1000〜2000
    0、且つ重量平均分子量と数平均分子量の比が4以下の
    ポリスチレンを製造することを特徴とする請求項1記載
    のポリスチレンの製造方法。
  3. 【請求項3】 重合率が80%以上であることを特徴と
    する請求項1又は2記載のポリスチレンの連続製造方
    法。
  4. 【請求項4】 槽型重合器の後に管型重合器で更に重合
    することを特徴とする請求項1から3のいずれか記載の
    ポリスチレンの連続製造方法。
  5. 【請求項5】 管型重合器内の滞在時間が0.5分〜3
    0分であることを特徴とする請求項4記載のポリスチレ
    ンの連続製造方法。
  6. 【請求項6】 重合されたポリスチレンを大気圧又は減
    圧に保たれた容器中に供給することにより、残存スチレ
    ンを除去する工程を有することを特徴とする請求項1か
    ら5のいずれか記載のポリスチレンの連続製造方法。
  7. 【請求項7】 ポリスチレン中に含まれる残存スチレン
    量を5質量%以下とすることを特徴とする請求項1から
    6のいずれか記載のポリスチレンの連続製造方法。
  8. 【請求項8】 押出機を用いることにより残存スチレン
    を除去する工程を有することを特徴とする請求項1から
    7のいずれか記載のポリスチレンの連続製造方法。
  9. 【請求項9】 ポリスチレン中に含まれる残存スチレン
    量を1質量%以下とすることを特徴とする請求項1から
    8のいずれか記載のポリスチレンの連続製造方法。
JP2000219389A 2000-07-19 2000-07-19 ポリスチレンの連続製造方法 Withdrawn JP2002037804A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000219389A JP2002037804A (ja) 2000-07-19 2000-07-19 ポリスチレンの連続製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000219389A JP2002037804A (ja) 2000-07-19 2000-07-19 ポリスチレンの連続製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002037804A true JP2002037804A (ja) 2002-02-06

Family

ID=18714184

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000219389A Withdrawn JP2002037804A (ja) 2000-07-19 2000-07-19 ポリスチレンの連続製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002037804A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004058826A1 (ja) * 2002-12-25 2004-07-15 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. ビニル系重合体、ビニル系重合体の製造方法、熱硬化性被覆用組成物、及び塗料
JP2007056211A (ja) * 2005-08-26 2007-03-08 Nippon Polystyrene Kk ポリスチレン系樹脂の製造方法
US7879957B2 (en) 2005-03-28 2011-02-01 Taisei Chemical Industries, Ltd. Process for production of amphoteric electrolyte resin by continuous bulk polymerization and apparatus for the production
US8829105B2 (en) 2012-01-18 2014-09-09 Eastman Chemical Company Low molecular weight polystyrene resin and methods of making and using the same

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004058826A1 (ja) * 2002-12-25 2004-07-15 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. ビニル系重合体、ビニル系重合体の製造方法、熱硬化性被覆用組成物、及び塗料
CN100343284C (zh) * 2002-12-25 2007-10-17 三菱丽阳株式会社 乙烯基类聚合物、乙烯基类聚合物的制造方法、热固化性被覆用组合物和涂料
US7754831B2 (en) 2002-12-25 2010-07-13 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. Vinyl polymer, process for producing vinyl polymer, thermosetting coating composition, and coating material
US7879957B2 (en) 2005-03-28 2011-02-01 Taisei Chemical Industries, Ltd. Process for production of amphoteric electrolyte resin by continuous bulk polymerization and apparatus for the production
US7993592B2 (en) 2005-03-28 2011-08-09 Taisei Chemical Industries, Ltd. Process for production of amphoteric electrolyte resin by continuous bulk polymerization and apparatus for the production
JP2007056211A (ja) * 2005-08-26 2007-03-08 Nippon Polystyrene Kk ポリスチレン系樹脂の製造方法
US8829105B2 (en) 2012-01-18 2014-09-09 Eastman Chemical Company Low molecular weight polystyrene resin and methods of making and using the same
US8946365B2 (en) 2012-01-18 2015-02-03 Eastman Chemical Company Low molecular weight polystyrene resin and methods of making and using the same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5986011A (en) Bulk radical polymerization using a batch reactor
US5753784A (en) Continuous preparation of polymers and apparatus for this purpose
JP3395291B2 (ja) メタクリル系重合体の製造方法
EP0307238B1 (en) Production of styrene resins by continuous bulk polymerization
JP2000026507A (ja) メタクリル系重合体およびその製造方法
JP5032498B2 (ja) ビニルモノマーのフリーラジカル重合方法
EP0068024A1 (en) CONTINUOUS BULK COPOLYMERIZATION PROCESS OF VYNILIC MONOMERS AND PRODUCT OBTAINED THEREBY.
JPS6234047B2 (ja)
US3558570A (en) Telomers of styrene and maleic acid anhydride and process for preparing them
JP2002037804A (ja) ポリスチレンの連続製造方法
US7163992B2 (en) Methods for manufacturing a copolymer with a high yield by reacting a vinyl monomer and a macromonomer
JP3013951B2 (ja) アクリル系樹脂の製造法
JP2003096105A (ja) メタクリル系重合体の製造方法
JPH06345824A (ja) 含フッ素共重合体の製造方法
JPH10152505A (ja) スチレン−メチルメタクリレート系重合体の製造方法
US3759879A (en) Continuous bulk polymerization process for vinyl chloride copolymers
JPH1045838A (ja) エチレン/酢酸ビニルコポリマーの製造法
Suddaby et al. Catalytic chain transfer in polymerization of methyl methacrylate. II. Continuous synthesis and purification of macromer
JPH09268202A (ja) シラップおよびその製造方法
JP3013953B2 (ja) アクリル系樹脂の製造法
JPH07224102A (ja) アクリル系重合体の製造方法
JP2022124977A (ja) 重合体の製造方法
JPH0372094B2 (ja)
JP2003082004A (ja) ビニル系重合体の製造方法
RU2225871C2 (ru) Способ переработки форполимера метилметакрилата и удаления из него свободного мономера

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20071002