JPH09268202A - シラップおよびその製造方法 - Google Patents

シラップおよびその製造方法

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JPH09268202A
JPH09268202A JP9963196A JP9963196A JPH09268202A JP H09268202 A JPH09268202 A JP H09268202A JP 9963196 A JP9963196 A JP 9963196A JP 9963196 A JP9963196 A JP 9963196A JP H09268202 A JPH09268202 A JP H09268202A
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polymerization
syrup
degree
polymer
methyl methacrylate
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Application number
JP9963196A
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English (en)
Inventor
Hirotoshi Mizota
浩敏 溝田
Tomonari Murakami
智成 村上
Motohiro Morikawa
元広 森川
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低分子量重合体の含有量が少なく、かつ分子
量分布の狭いメチルメタクリレート系シラップおよび該
シラップを安価で経済的に有利に得ることのできるシラ
ップの製造方法を提供する。 【解決手段】 メチルメタクリレート単独、またはメチ
ルメタクリレートを主成分とする単量体混合物および重
合開始剤を連続的に、または2回以上に分割して反応容
器に供給しながら同時に重合をすすめ、供給を止めた
後、さらに2〜30分間、90℃以上で、かつ該シラッ
プの沸点以下の重合温度に保持して部分重合し、重合体
含有率が10〜50重量%、重合体の重量平均重合度が
500〜3000、重量平均重合度と数平均重合度の比
で表わした重合度分布の多分散度が2.8以下であるシ
ラップを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シラップおよびそ
の製造方法に関し、より詳しくはメチルメタクリレート
系シラップおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】メチ
ルメタクリレート、またはメチルメタクリレートを主成
分とする単量体混合物の部分重合体からなるシラップ
は、注型用シラップと呼ばれ、種々の型に注入し重合さ
せて成形品を得るのに使用されている。
【0003】メチルメタクリレート系シラップを製造す
る方法として、反応容器にメチルメタクリレート系単量
体を仕込んだ後、加熱し所定の温度に達した後、重合開
始剤を投入し一定温度で部分重合させる回分式製造方法
(特公昭56−44086号公報)と、連続完全混合槽
型反応容器と管型反応器を直列に配した重合器を用いて
メチルメタクリレート系単量体を連続的に重合させる連
続的製造方法(特公昭59−21325号公報等)とが
知られている。
【0004】しかしながら、回分式製造方法では、重合
開始剤投入直後、分子量の低いポリマーが生成しやすい
ため、ハンドリングに便利な粘度にするためには重合の
終盤において残存重合開始剤濃度が極微量の状態下で時
間をかけて重合する必要があり、そのためシラップ中の
重合体の分子量分布は広くなってしまう。このような回
分式製造方法で得られたシラップは、根本的に低分子量
の重合体が多く生成するという問題を抱えており、その
ためにこのシラップを用いて板状重合物を製造した場
合、板状重合物の熱安定性、耐溶剤性等の物性を低下さ
せるようになる。
【0005】また、連続的製造方法は、生産性は回分式
に比べ格段によく、シラップ中の重合体の分子量分布も
狭くなるが、プロセスの柔軟性が低いため多品種生産、
生産量の変動に対して柔軟な対応が取りにくいという問
題点が挙げられる。
【0006】一方、回分式製造方法と連続的製造方法の
中間に位置する半回分式製造方法が、乳化重合等の分野
で共重合組成を制御したい場合や、反応熱の除熱に原料
の顕熱を利用したい場合等に一般に行われているが、塊
状重合系で、メチルメタクリレート系シラップを重合度
を制御して製造する方法については開発されていない。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上記回分式製造方法、ならびに連続製造方法の問題点に
鑑み、低分子量の重合体成分の含有量が少なく、かつ分
子量分布の狭いメチルメタクリレート系シラップ、およ
び該シラップを安価で経済的に有利に得ることのできる
シラップの製造方法について鋭意検討した結果、本発明
に到った。
【0008】本発明の第1の発明は、メチルメタクリレ
ート単独、またはこれと共重合し得る少なくとも1種の
不飽和ビニル化合物を含有するメチルメタクリレート系
単量体混合物の部分重合体からなるシラップであって、
重合体含有率が10〜50重量%、重合体の重量平均重
合度が500〜3000、重量平均重合度と数平均重合
度の比で表わした重合度分布の多分散度が2.8以下で
あることを特徴とするシラップである。
【0009】本発明の第2の発明は、メチルメタクリレ
ート単独、またはこれと共重合し得る少なくとも1種の
不飽和ビニル化合物を含有するメチルメタクリレート系
単量体混合物を分子量調節剤の存在下に部分重合して得
られたシラップであって、重合体含有率が10〜50重
量%、重合体の重量平均重合度が500〜3000、重
量平均重合度と数平均重合度の比で表わした重合度分布
の多分散度が2.3以下であることを特徴とするシラッ
プである。
【0010】本発明の第3の発明は、メチルメタクリレ
ート単独、またはこれと共重合し得る少なくとも1種の
不飽和ビニル化合物を含有するメチルメタクリレート系
単量体混合物および重合開始剤を連続的に、または2回
以上に分割して、反応容器に供給しながら同時に重合を
すすめ、供給を止めた後、さらに2〜30分間、90℃
以上で、かつ該シラップの沸点以下の重合温度に保持し
て部分重合し、重合体含有率が10〜50重量%、重合
体の重量平均重合度が500〜3000、重量平均重合
度と数平均重合度の比で表わした重合度分布の多分散度
が2.8以下であるシラップを得ることを特徴とするシ
ラップの製造方法である。
【0011】本発明の第4の発明は、メチルメタクリレ
ート単独、またはこれと共重合し得る少なくとも1種の
不飽和ビニル化合物を含有するメチルメタクリレート系
単量体混合物、重合開始剤および分子量調節剤を連続的
に、または2回以上に分割して、反応容器に供給しなが
ら同時に重合をすすめ、供給を止めた後、さらに2〜3
0分間、90℃以上で、かつシラップの沸点以下の重合
温度に保持して部分重合し、重合体含有率が10〜50
重量%、重合体の重量平均重合度が500〜3000、
重量平均重合度と数平均重合度の比で表わした重合度分
布の多分散度が2.3以下であるシラップを得ることを
特徴とするシラップの製造方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明において用いられる単量体
は、メチルメタクリレート単独、またはこれと共重合し
得る不飽和ビニル化合物の少なくとも1種を含有するメ
チルメタクリレート系単量体混合物(以下、メチルメタ
クリレート系単量体という。)である。メチルメタクリ
レート系単量体混合物の場合、メチルメタクリレートを
80重量%以上含有することが好ましい。
【0013】メチルメタクリレートに混合して使用され
る不飽和ビニル化合物としては、例えばエチルメタクリ
レート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレー
ト、シクロヘキシメタクリレート、2−エチルヘキシル
メタクリレート、ベンジルメタクリレート等のメタクリ
ル酸エステル、メチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレー
ト、2−エチルヘキシルアクリレート、ベンジルアクリ
レート等のアクリル酸エステル、およびスチレン、α−
メチルスチレン等が挙げられる。
【0014】また、上記のメチルメタクリレート系単量
体を重合するのに使用される重合開始剤としては、例え
ばジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ter
t−ブチルネオデカノエート、tert−ブチルパーオ
キシピパレート、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイ
ルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシイソプ
ロピルカーボネート、tert−ブチルパーオキシベン
ゾエート、ジクミルパーオキサイド、ジ−tert−ブ
チルパーオキサイド等の有機過酸化物;2,2′−アゾ
ビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−
アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(1
−シクロシクロヘキサンカルボニトリル)、2,2′−
アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等のアゾ
化合物が挙げられる。これらの中でも本発明において
は、半減期が10分以下となる温度が100℃以下であ
るラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。
【0015】重合開始剤の添加量は、通常、反応容器に
供給する単量体の全量に対して0.01〜0.5重量%
の範囲で用いられるが、単量体の供給速度や目的とする
重合体転化率によって適宜決定して使用することが好ま
しい。
【0016】本発明のシラップを得るに当っては、分子
量調節剤を使用し、または使用しなくても実施できる
が、分子量調節剤を使用することによりシラップにおけ
る重合体の多分散度を2.3以下にすることができる。
【0017】本発明で使用される分子量調節剤として
は、アルキル基または置換アルキル基を有する第1級、
第2級、第3級メルカプタン、例えばn−ブチルメルカ
プタン、iso−ブチルメルカプタン、n−オクチルメ
ルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、sec−ブチ
ルメルカプタン、sec−ドデシルメルカプタン、te
rt−ブチルメルカプタン等が挙げられる。これらの分
子量調節剤の使用量は、シラップにおける重合体の重量
平均重合度が500〜3000、重量平均重合度と数平
均重合度の比で表わした重合度分布の多分散度が2.3
以下となる量である。
【0018】本発明のシラップは、上記のメチルメタク
リレート系単量体と重合開始剤を撹拌機、およびジャケ
ットを備えた反応容器に連続的に、または2回以上に分
けて反応容器に供給しながら重合が進められる。
【0019】しかし、本発明の方法においては重合プロ
セスの安定性等の面から、まず、反応容器に設けられた
ジャケット温度を、反応容器内圧(絶対圧)における単
量体成分の沸点+10℃以下、より好ましくは沸点+5
℃以下に加熱保持し、この反応容器に重合開始剤を含有
していないメチルメタクリレート系単量体を全液量の1
/10〜9/10程度を仕込んで重合を開始させること
が好ましい。これは、反応容器のジャケット温度が上記
の設定温度より高いと重合中に容器内壁で発泡が起こ
り、カレットが付着しやすいためである。反応容器に供
給する重合開始剤を含有していないメチルメタクリレー
ト系単量体はあらかじめ60〜100℃程度に加熱して
おいても良い。
【0020】次に、重合開始剤を含有していないメチル
メタクリレート系単量体と、重合開始剤を含有したメチ
ルメタクリレート系単量体を連続的、または2回以上に
分割して反応容器に供給し、5〜20分で所定の蓄積液
量に達するように供給して重合を進める。ここで熱収支
上、重合温度が90℃以上を維持できるように、重合開
始剤を含有していないメチルメタクリレート系単量体は
適当な温度、例えば60〜100℃に加熱して供給する
ことが好ましい。また、重合開始剤を含有したメチルメ
タクリレート系単量体は、供給配管での重合を防止する
ため、30℃以下、より好ましくは15℃以下、さらに
好ましくは10℃以下に冷却して供給する。なお、分子
量調節剤を使用する場合は、メチルメタクリレート系単
量体に溶解して用いられるが、重合開始剤を含有してい
ないメチルメタクリレート系単量体に溶解して使用する
ことが好ましい。
【0021】メチルメタクリレート系単量体の反応容器
への供給を終えた後は、さらに2〜30分、より好まし
くは5〜20分間、90℃以上で、かつシラップの沸点
以下に重合温度を保持して部分重合させる。これは、重
合温度を90℃以上に保持しない場合には、暴走反応が
起って本発明のシラップを得ることが困難となるためで
ある。
【0022】この重合温度における保持時間は、シラッ
プ中に残存する重合開始剤の量に決定されるが、上記の
時間範囲内にする必要がある。これは上記の保持時間外
ではシラップ中の重合開始剤の残存量を10ppm以
下、好ましくは5ppm以下にすることができないため
である。シラップ中の重合開始剤の残存量が多い場合に
は、シラップを取り出した後のバッチごとの熱履歴の差
によりシラップの品質むらを生じやすくなる。
【0023】次に、上記の部分重合されたシラップは、
70℃程度に冷却されて反応容器から取り出されるが、
その冷却方法としては、例えば、反応容器のジャケット
に冷水を流し伝熱により冷却する方法、また重合終了
後、該反応容器内を減圧にすることにより単量体の蒸発
潜熱により冷却する方法等が挙げられるが必ずしもこの
方法である必要はない。
【0024】なお、本発明のシラップを上記の方法で製
造する際のシラップ中の重合体含有率および重合体の平
均重合度の調整は、重合開始剤の供給濃度および分子量
調節剤の供給濃度と単量体の供給速度に決定して行えば
よい。
【0025】図1は、本発明のシラップを製造するのに
用いられる重合装置の1例を示す系統図である。
【0026】図1において、1,2は原料ホールドタン
ク、3,4は原料供給ライン、5,6はポンプ、7は加
熱ヒータ、8は反応容器、9はジャケット、10は撹拌
機、11は蒸発した単量体を冷却し、重合液中に戻すた
めの気相冷却コイル、12はシラップ排出口、13,1
4はコック、15は原料バイパスラインをそれぞれ示
す。
【0027】図1に示す重合装置において、重合開始剤
を含まない単量体は、原料ホールドタンク1からポンプ
5により、また重合開始剤を含む、単量体は原料ホール
ドタンク2からポンプ6により、反応容器8に供給され
る。反応容器8に供給された単量体は、撹拌機10で撹
拌、混合され、ジャケット9および気相部冷却コイル1
1で重合温度が調節されて重合が行れる。所定の重合操
作を行った後得られたシラップは冷却されて反応容器下
部に設けられたシラップ排出口12より取り出される。
【0028】以上のような本発明の方法により得られる
メチルメタクリレート系シラップは、重合体含有率が1
0〜50重量%、好ましくは15〜30重量%、重量平
均重合度が500〜3000、好ましくは800〜25
00であり、さらにシラップの重合体における重合度分
布の多分散度が分子量調節剤を使用しない場合2.8以
下であり、分子量調節剤を使用した場合2.3以下であ
ることが必要である。これは、本発明のシラップが上記
の範囲をはずれると、本発明の目的とする低分子量重合
体成分の含有量が少なく、分子量分布の狭いシラップを
安価で経済的に有利な方法でシラップを製造することが
困難となるためである。
【0029】本発明のシラップの粘度は、特には限定さ
れないが上記の物性値においてハンドリング性の点から
40℃での粘度が0.5〜50ポイズの範囲であること
が好ましく、より好ましくは1〜10ポイズの範囲であ
る。
【0030】本発明のシラップにおいては、必要に応じ
てUV吸収剤、熱安定剤、離型剤等の添加剤を添加する
ことも可能である。添加の方法は、重合後冷却したシラ
ップに後添加しても良いし、重合前の単量体にあらかじ
め添加しておいても良い。
【0031】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。なお、実施例は図1に示す重合装置を用いて行
った。また、平均重合度ならびに多分散度の測定は、G
PCにより行い、ポリスチレン換算値で算出した。
【0032】[実施例1]原料ホールドタンク1にメチ
ルメタクリレートを入れ、窒素置換を行って重合液1を
調製した。
【0033】一方、原料ホールドタンク2には、重合開
始剤として2,2′−アゾビス(2,4−ジチルバレロ
ニトリル)を7000ppm溶解してなるメチルメタク
リレートを入れ、窒素置換して重合液2を調製した。
【0034】次に、反応容器8(容量4リットル)内を
窒素置換した後、気相部に設けた冷却コイル11に水道
水を流し、ジャケット9を105℃に加熱した。次い
で、ポンプ5により原料ホールドタンク中の重合液1を
140g/分の流量で反応容器8に供給した。なお、重
合液1は原料供給ライン3を通過させる過程で加熱ヒー
タ7により90℃に加熱して反応容器8に供給した。
【0035】次いで、重合液1の供給が500gとなっ
た時点で、ポンプ6により原料ホールドタンク2中の重
合液2を14g/分の流量で反応容器8に供給を開始し
た。なお、重合液2は0℃に冷却して反応容器8に供給
した。重合液1と重合液2の供給量が、全量で2000
gとなった時点で、重合液1と重合液2の供給を同時に
止め、反応容器8の加熱を停止した。その後10分間撹
拌させたままの状態で重合を続けた。この期間中、重合
温度は一定温度102℃を示したままであった。
【0036】その後反応容器のジャケットに水道水を流
して得られたシラップを70℃に冷却した後、反応容器
底部の排出口12からシラップを取り出した。取り出さ
れたシラップの重合体含有率は21重量%、重合体の重
量平均重合度は1900、多分散度は2.5であり、4
0℃における粘度は5.8ポイズであった。シラップを
取り出した後、反応容器を開けて内部を観察したが、反
応容器の内壁には何の付着物も見られなかった。
【0037】[実施例2]原料ホールドタンク1に、分
子量調節剤としてn−ドデシルメルカプタンを500p
pm溶解してなるメチルメタクリレートとn−ブチルア
クリレートの単量体混合物(重量比95:5)を入れ窒
素置換して重合液1を調製した。
【0038】一方、原料ホールドタンク2には、重合開
始剤として2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレ
ロニトリル)を10000ppmを溶解してなるメチル
メタクリレートとn−ブチルアクリレートの単量体混合
物(重量比95:5)を入れ窒素置換して重合液2を調
製した。
【0039】以下、実施例1と同じ操作を行ってシラッ
プを製造した。反応容器より取り出されたシラップの重
合体含有率は27重量%、重合体の重量平均重合度は1
170、多分散度は2.0であり、40℃における粘度
は6.5ポイズであった。シラップを取り出した後、反
応容器を開けて内部を観察したが、反応容器の内壁には
何の付着物も見られなかった。
【0040】[比較例1]反応容器8のジャケット温度
を120℃にした以外は、実施例1と同じ操作を繰り返
してシラップを製造した。反応容器より取り出したシラ
ップの重合体含有量は21重量%、重合体の重量平均重
合度は1890、多分散度は2.5であり、40℃にお
ける粘度は5.8ポイズであった。シラップを取り出し
た後、反応容器を開け、内部を観察したところ反応容器
の内壁には重合体の固形物が付着しており、繰り返し運
転に際しては付着固形物の除去操作が必要であった。
【0041】[比較例2]ポンプ5を用いて2000g
のメチルメタクリレートを反応容器8に供給した。次い
でそのメチルメタクリレートに窒素ガスを吹き込みバブ
リングさせて溶存酸素を除去した後、反応容器内の単量
体を80℃にして加熱し、重合開始剤として2,2′−
アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を単量体
に対して500ppmとなる量を投入した。その後撹拌
下で10分間保持した後、ジャケット9に水道水を流し
てシラップを70℃に冷却して、反応容器の排出口12
よりシラップを取り出した。取り出したシラップの重合
体含有率は21重量%、重合体の重量平均重合度は19
00、多分散度は2.9であり、40℃における粘度は
5.8ポイズであった。このシラップは実施例1のシラ
ップに比べて多分散度が大きかった。
【0042】[比較例3]ポンプ5を用いて2000g
のメチルメタクリレートとn−ブチルアクリレートの単
量体混合物(重量比95:5)を反応容器8に供給し
た。次いで、その単量体混合物に窒素ガスを吹き込みバ
ブリングさせて溶存酸素を除去した後、反応容器内の単
量体を80℃に加熱し、重合開始剤として2,2′−ア
ゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全単量体
量に対して1000ppm、分子量調節剤としてn−ド
デシルメルカプタンを全単量体に対して600ppmに
なるように反応容器に投入した。その後撹拌下で14分
間保持した後、ジャケット9に水道水を流してシラップ
を70℃に冷却して、反応容器の排出口12よりシラッ
プを取り出した。取り出したシラップの重合体含有率は
27重量%、重合体の重量平均重合度は1100、多分
散度は2.4であり、40℃における粘度は6.5ポイ
ズであった。このシラップは、実施例2のシラップに比
べて多分散度が大きかった。
【0043】
【発明の効果】本発明のシラップは、低分子量の重合体
含有量が少なく、かつ狭い分子量分布を有しており、耐
熱性および耐溶剤性に優れた注型成形品を得るための重
合原料として有用である。また、本発明の製造方法によ
れば、従来、メチルメタクリレート系シラップの製造方
法では得ることができなかった低分子量重合体の生成を
抑制し、品質の改良されシラップを得ることができる。
さらに、本発明の製造方法によれば、簡単、かつ安価な
装置で、品種の切り替え、生産量の調製等工程の柔軟性
に極めて有利な方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシラップを製造するのに用いられる重
合装置の一例を示す系統図。
【符号の説明】
1,2 原料ホールドタンク 3,4 原料供給ライン 5,6 ポンプ 7 加熱ヒータ 8 反応容器 9 ジャケット 10 撹拌機 11 気相部冷却コイル 12 シラップ排出口 13,14 コック 15 原料バイパスライン

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メチルメタクリレート単独、またはこれ
    と共重合し得る少なくとも1種の不飽和ビニル化合物を
    含有するメチルメタクリレート系単量体混合物の部分重
    合体からなるシラップであって、重合体含有率が10〜
    50重量%、重合体の重量平均重合度が500〜300
    0、重量平均重合度と数平均重合度の比で表わした重合
    度分布の多分散度が2.8以下であることを特徴とする
    シラップ。
  2. 【請求項2】 メチルメタクリレート単独、またはこれ
    と共重合し得る少なくとも1種の不飽和ビニル化合物を
    含有するメチルメタクリレート系単量体混合物を分子量
    調節剤の存在下に部分重合して得られたシラップであっ
    て、重合体含有率が10〜50重量%、重合体の重量平
    均重合度が500〜3000、重量平均重合度と数平均
    重合度の比で表わした重合度分布の多分散度が2.3以
    下であることを特徴とするシラップ。
  3. 【請求項3】 メチルメタクリレート単独、またはこれ
    と共重合し得る少なくとも1種の不飽和ビニル化合物を
    含有するメチルメタクリレート系単量体混合物および重
    合開始剤を連続的に、または2回以上に分割して、反応
    容器に供給しながら同時に重合をすすめ、供給を止めた
    後、さらに2〜30分間、90℃以上で、かつシラップ
    の沸点以下の重合温度に保持して部分重合し、重合体含
    有率が10〜50重量%、重合体の重量平均重合度が5
    00〜3000、重量平均重合度と数平均重合度の比で
    表わした重合度分布の多分散度が2.8以下であるシラ
    ップを得ることを特徴とするシラップの製造方法。
  4. 【請求項4】 メチルメタクリレート単独、またはこれ
    と共重合し得る少なくとも1種の不飽和ビニル化合物を
    含有するメチルメタクリレート系単量体混合物、重合開
    始剤および分子量調節剤を連続的に、または2回以上に
    分割して、反応容器に供給しながら同時に重合をすす
    め、供給を止めた後、さらに2〜30分間、90℃以上
    で、かつシラップの沸点以下の重合温度に保持して部分
    重合し、重合体含有率が10〜50重量%、重合体の重
    量平均重合度が500〜3000、重量平均重合度と数
    平均重合度の比で表わした重合度分布の多分散度が2.
    3以下であるシラップを得ることを特徴とするシラップ
    の製造方法。
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