JPH10152505A - スチレン−メチルメタクリレート系重合体の製造方法 - Google Patents
スチレン−メチルメタクリレート系重合体の製造方法Info
- Publication number
- JPH10152505A JPH10152505A JP4920897A JP4920897A JPH10152505A JP H10152505 A JPH10152505 A JP H10152505A JP 4920897 A JP4920897 A JP 4920897A JP 4920897 A JP4920897 A JP 4920897A JP H10152505 A JPH10152505 A JP H10152505A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polymerization
- styrene
- methyl methacrylate
- monomer
- polymer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08F—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
- C08F220/00—Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and only one being terminated by only one carboxyl radical or a salt, anhydride ester, amide, imide or nitrile thereof
- C08F220/02—Monocarboxylic acids having less than ten carbon atoms; Derivatives thereof
- C08F220/10—Esters
- C08F220/12—Esters of monohydric alcohols or phenols
- C08F220/14—Methyl esters, e.g. methyl (meth)acrylate
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
- Polymerisation Methods In General (AREA)
- Polymerization Catalysts (AREA)
Abstract
重合体を安定に制御された重合反応を経て経済的に有利
に製造する方法を提供する。 【解決手段】 メチルメタクリレート35〜90重量%
とスチレン10〜65重量%からなる単量体混合物を重
合するに際し、単量体成分71〜97重量%に対し溶媒
としてメタノール5〜29重量%を添加し、100〜1
80℃の重合温度で単量体転化率が55〜95mol%
となるように均一溶液中で重合させるスチレン−メチル
メタクリレート系重合体の製造方法。
Description
透明性、耐候性、熱安定性及び耐溶剤性にすぐれたスチ
レン−メチルメタクリレート系共重合体の製造方法に関
する。
体はメタクリル系樹脂の持つ優れた透明性、剛性、耐候
性と美麗な外観に加えて、耐溶剤性、低吸水性、寸法安
定性及び良好な成形性を備えており、低密度で取り扱い
易く経済的な素材として看板、ディスプレイ、照明カバ
ーをはじめ建築用資材や電気部品など多岐に亘って用い
られている。さらに光学材料としても高屈折率や寸法安
定性の点ではメタクリル樹脂を凌駕し、特に光学用シー
トの分野では近年賞用されている。
重合体の製造法としては一般に回分式の懸濁重合法や連
続的な塊状重合法によるスチレン単量体とメチルメタク
リレート単量体の共重合プロセスが採用されている。と
ころで懸濁重合法においては、回分操作であるため重合
の進行度に応じて異なる組成の共重合体が生成し製品重
合体の均質性が失われ、例えば屈折率の異なった重合体
の混合物となり白濁が生じて透明性が損なわれる等の品
質低下が問題となる。
公報には特定の組成範囲のスチレン及びメタクリル酸メ
チルからなる単量体混合物に対し、特定の重合開始剤と
連鎖移動剤を加えて重合させる方法が示されているが、
適用される重合体の共重合組成はアゼオトロープ組成付
近の狭い範囲に限定される。また、特開昭57−153
009号公報ではメチルメタクリレートの単量体転化率
が80%以上に達した後、未反応モノマーを反応系外に
部分的に除去しながらスチレンとの共重合を行う方法が
報告されているが、未反応単量体の回収や重合体の精製
の工程が複雑になり実用的でない。加えて懸濁重合法で
は使用される乳化剤や懸濁分散剤等の製品中への混入が
避けられず、光学材料等の高純度の重合体が要求される
用途には不適当であるほか、ろ過・洗浄・乾燥・排水処
理という煩雑な製造工程を経るなど工業プロセスとして
も問題点を残している。この懸濁重合法の欠点を改善す
る方法としては連続的な塊状重合法と溶液重合法が挙げ
られ、広範囲の共重合組成に亘って光学特性に優れた高
品質の重合体が得られる重合プロセスとして注目されて
いる。
タクリレート系重合体の製造法として特公昭44−23
506号公報には遊離基発生触媒を含む特定組成のスチ
レンとメチルメタクリレートとの単量体混合物をコイル
パイプループ型反応器に連続的に供給し均一相重合させ
た後、重合反応生成物を抜き出し生成した共重合体を分
離する方法が報告されている。しかしながら、この方法
では「ゲル効果」と呼ばれる自動加速効果や重合反応生
成物の粘度上昇のため、高い単量体転化率において重合
反応を安定に制御しつつ連続運転を行うことは非常に難
しく、60%程度の単量体転化率を維持するのが限界で
あり、未反応単量体の回収再使用と重合体の濃縮のため
の脱揮工程で多くのエネルギーを費やさねばならない
上、その際重合体が熱履歴を受け着色や変性を起こしや
すいという欠点がある。
合反応生成物の粘度が低下するため前述のゲル効果が抑
制され、単量体転化率を高められることが知られている
が、溶媒の使用量を最小限に留めないと重合反応生成物
中の残存単量体は減少しても揮発分総含量としては塊状
重合法と変わらず、揮発成分の除去に費やされるエネル
ギーも大差なくなり、かえって溶媒及び単量体成分の回
収再使用の方法が煩雑になる等の問題点も抱えている。
不活性な液体希釈剤を少量用いる溶液重合法が提案され
ているが、具体的な実例は示されていない。連続溶液重
合法としては特開昭57−135814号公報にスチレ
ンとメチルメタクリレートとの単量体混合物中にアルキ
ルベンゼン類、脂肪族炭化水素、エステル類あるいはケ
トン類のような汎用溶媒と安定剤とを添加して複数の重
合反応器で連続的に共重合させる方法が報告されてい
る。
性に乏しいものや重合体に対して必要以上に高い親和性
を有するものであり、実用に耐える残存揮発分濃度0.
3%以下のスチレン−メチルメタクリレート系重合体を
得るためには重合反応生成物を通常、220℃以上、5
0mmHg以下の高温真空下で脱揮処理する必要があり、重
合反応生成物を加熱昇温するための予熱器、真空装置及
び揮発分蒸気の凝縮回収のためのコンデンサーにかかる
負荷量が増大して経済的に不利な面も多い。
法の上記のような問題点を解決し、高品質のスチレン−
メチルメタクリレート系重合体を安定に制御された重合
反応を経て経済的に有利に製造する方法を提供すること
にある。
メタノールを溶媒として用いてメチルメタクリレート単
量体とスチレン単量体を共重合することにより、高品質
の重合体を安定に高生産性を維持しながら製造し得るこ
とを見いだし、本発明を完成した。
35〜90重量%とスチレン10〜65重量%からなる
単量体混合物を重合するに際し、単量体成分71〜97
重量%に対し溶媒としてメタノール3〜29重量%を添
加し、100〜180℃の重合温度で単量体転化率が5
5〜95mol%となるように均一溶液中で重合させる
ことを特徴とするスチレン−メチルメタクリレート系重
合体の製造方法に関する発明である。
成分としては、メチルメタクリレート35〜90重量%
とスチレン10〜65重量%からなる単量体混合物であ
れば特に制限はない。単量体混合物中のスチレン単量体
濃度が65%を越えると生成する重合体のメタノールに
対する溶解性が低下して均一溶液中での重合が困難にな
る。また、本発明の方法を実質的に遂行し得る範囲内で
他の単量体を第三成分として添加することも可能であ
る。第三の単量体成分としては、例えば、α−メチルス
チレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p
−メチルスチレン、p−クロロスチレン等のスチレン系
単量体やメタクリル酸、アクリル酸、アクリロニトリル
等を挙げることができ、その使用量は単量体の種類や性
質、用途等に依存するが、通常該単量体混合物中の濃度
は20%以下である。
ルは以下の特長を有する。(1)スチレン−メチルメタ
クリレート系単量体成分を完全に溶解し、重合体に対し
ても100℃以上の温度で十分な溶解性を有するので広
範な濃度範囲で重合反応生成物の均一性を維持でき、溶
液重合の溶媒として適している。 (2)揮発性が高く100℃以下の低温ではスチレン−
メチルメタクリレート系重合体をほとんど溶解しないの
で重合反応生成物からの分離が容易であり、脱揮後の重
合体中の残存量もアルキルベンゼン等に比べて少ない。 (3)単量体成分に比べて沸点が低いことから重合反応
器内で還流し易く重合発熱の除去が容易である。 (4)メタノールの添加により重合反応生成物の剥離性
が増進し重合槽内壁や攪拌機、配管内へ重合体が付着し
難くなる。この結果、重合反応生成物の不必要な滞留に
よる変質劣化やヤケゴミ等による汚染も防止できる。 (5)メタノールの添加により重合体の着色が低下する
効果も知られている。 (6)溶剤あるいは粗原料として工業的規模で大量生産
されており、安価に入手可能である。以上の点からメタ
ノールを溶媒とするスチレン−メチルメタクリレート系
の溶液重合は従来からの塊状重合法やアルキルベンゼン
等の溶媒を用いる溶液重合法と比べて重合槽1系列当た
りの単量体転化率を高めることが可能となり生産性が向
上するほか製造プラントの特に脱揮工程や揮発分回収工
程の簡略化が図られ、この結果、経済的に有利にスチレ
ン−メチルメタクリレート系重合体を製造できる。
〜97重量部に対し3〜29重量部の割合で使用するこ
とが重要である。好ましくは単量体混合物75〜96重
量部に対し4〜25重量部の割合で用いられる。より好
ましくは単量体混合物80〜95重量部に対し5〜20
重量部の割合で用いられる。単量体成分が71重量%未
満では生産性が低下し、97重量%を越えると重合反応
生成物の粘度が増加して塊状重合と同様に重合を安定に
制御することが難しくなる。
好ましくは120〜175℃、特に好適には130〜1
70℃である。100℃未満の重合温度では重合体の溶
解性が著しく低下して分離し易くなり重合反応生成物の
均一性を維持できなくなる。一方、重合温度が上記18
0℃を越えると操作圧力が高くなり反応器の製作費が上
昇して不経済であるほかオリゴマー類の生成量増加等に
より得られる重合体に着色などの変質劣化を招く。
mol%で、かつ未反応単量体濃度がメタノール濃度の
0.5〜14倍となる範囲内で、重合体濃度が50〜9
0重量%、好ましくは55〜85重量%、さらに好まし
くは55〜80単量%となるように設定される。未反応
単量体濃度がメタノール濃度の14倍を越える場合およ
び/または重合体濃度が50重量%未満である場合は揮
発成分の除去と回収再使用の工程の負荷が増加して不利
になる。また、未反応単量体濃度がメタノール濃度の
0.5倍未満である場合および/または重合体濃度が9
0重量%を越える場合は重合液の粘度が増大して均一な
撹拌混合が困難となる。
るためには加熱による熱重合のみでもよいが更に可溶性
の重合開始剤を添加して反応を加速することも可能であ
る。この場合適当な重合開始剤は重合温度で分解し活性
ラジカルを発生するものであり、重合温度での半減期が
0.01〜60分の範囲であればよいが、例えばジ−te
rt−ブチルパーオキサイド、ジ−tert−アミルパーオキ
サイド、ベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパー
オキシイソプロピルカーボネート、tert−ブチルパーオ
キシベンゾエート、ジ−クミルパーオキサイド、tert−
アミルクミルパーオキサイド、tert−アミルパーオキシ
−2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシ
−2−エチルヘキサノエート、tert−アミルパーオキシ
イソノナエート、tert−ヘキシルパーオキシイソプロピ
ルカーボネート等の有機過酸化物、2,2'−アゾビス
イソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチル
ブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサ
ン−1−カルボニトリル)等のアゾ化合物が挙げられ、
単独あるいは2種以上の組み合わせで用いることができ
る。該重合開始剤は予め単量体混合物中に均一に溶解さ
れて重合反応器に供給され、該単量体混合物中の濃度は
所定の単量体転化率及び重合度に到達するように決定さ
れるが、通常0.005mol/l(0.15重量%)以下
である。
末端基の安定化のため連鎖移動剤を使用することも可能
であり、例えば2,4−ジフェニル−4−メチル−1−
ペンテン(α−メチルスチレンダイマー)、ターピノー
レン等のオレフィン類、n−ブチルメルカプタン、イソ
ブチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−
ドデシルメルカプタン及びtert−ブチルメルカプタン等
のメルカプタン類が挙げられる。これらは単独で、もし
くは2種以上組み合わせて用いても良い。該連鎖移動剤
は予め単量体混合物中に均一に溶解されて重合反応器に
供給され、該単量体混合物中の濃度は通常0.01mol/
l(0.25重量%)以下である。
に各種の添加物を予め添加しておくことも可能であり、
安定剤、滑剤、紫外線吸収剤、着色剤及び帯電防止剤等
を挙げることができる。例えば2,6−ジ−tert−ブチ
ル−p−クレゾールやブチル化ヒドロキシルトルエン等
のフェノール系安定剤を使用することで、反応器の器壁
や攪拌機への付着物がなく黄変度の少ない重合体が得ら
れることも知られているが、メタノールを溶媒として用
いることでこれらを添加せずとも黄色度YI値が低く、
全光線透過率の高い光学特性に優れたスチレン−メチル
メタクリレート系樹脂が製造可能となる。
ールに加えて必要とあれば重合開始剤及び連鎖移動剤等
を予め調合して単量体混合物を調製した後、重合反応器
に供給し所定温度で重合させる。使用される重合反応器
としては完全混合される攪拌槽が一般的であるが、スタ
ティックミキサー、スクリューや攪拌機を備えた横型反
応器あるいは塔型反応器等を用いることも可能である。
複数の重合反応器を直列に接続して段階的に単量体転化
率を高めることもできるが、単槽乃至2槽の攪拌槽を用
いるのが好適である。この重合反応生成物から溶媒及び
未反応単量体等の揮発成分を除去し、残存揮発成分1.
0重量%以下、好ましくは0.5重量%以下、更に好ま
しくは0.3重量%以下のスチレン−メチルメタクリレ
ート系重合体を得るのが通例である。揮発分の除去方法
としては従来より用いられている各種の脱揮処理方法が
適用できるが、重合反応生成物を減圧にした脱揮槽にフ
ラッシュする方法あるいはベント押出機に直接供給する
方法が一般的である。その際該重合反応生成物を熱交換
器を用いて200〜250℃に加熱することにより脱揮
しやすくするのが通例であるが本発明の方法によればメ
タノールの高揮発性により100〜200℃の低温で充
分に脱揮できる。
本発明は実施例に限定されるものではない。ここで記さ
れた「部」及び「%」は全て重量部及び重量%を示す。
以下の実施例において単量体転化率及び得られた重合体
の物性は次の方法により測定した。 (1)単量体転化率はガスクロマトグラフィー(GC)
により定量した重合反応生成物中の残存単量体量から算
出した。 (2)全光線透過率(%)はASTM−D−1003に
準じ、射出成形した厚さ3mmの50mm角試験片を日
本電色工業製Z−Sensor Σ80を用いて測定した 。 (3)YI値はJIS−K7103に準じ、射出成形し
た厚さ3mmの50mm角試験片を日本電色工業製Z−
Sensor Σ80で透過法により測定した。 (4)重量平均分子量Mwはゲルパーミエーションクロ
マトグラフィー(GPC)を用いポリスチレン換算で測
定した。 (5)得られた重合体に含まれる揮発成分はGC分析に
より定量した。 (6)得られた重合体を構成するMMA単量体とスチレ
ン単量体の共重合組成は熱分解クロマトグラフィーにて
定量した。
部、メタノール10.0部及びジ−tert−アミルパーオ
キサイド0.004部を混合した後、窒素吹き込みによ
って溶存酸素を除去し原料液を調製した。熱媒を循環す
るジャケットとヘリカルリボン攪拌翼を備えた内容積6
lの重合槽に予めこの原料液5kgを添加して密閉し、
十分攪拌して均一混合状態を保ちながら150℃に昇温
して単量体転化率75%及び重合体濃度67.5%に到
達するまで重合させた後、該原料液を1kg/hの流量
で重合槽に連続的に供給した。重合温度150℃、平均
滞留時間5時間に維持することにより単量体転化率75
%で安定に保たれ、重量平均分子量16.9万のスチレ
ン−メチルメタクリレート系重合体67.5部、メチル
メタクリレート14.4部、スチレン8.1部及びメタ
ノール10.0部を含む重合反応生成物が生成された。
この重合反応生成物を1kg/hの流量で連続的に抜き出
しながらバレル温度230℃、ベント真空度10mmH
gに維持したベント押出機(スクリュー径20mm)に
供給して脱揮しながら押し出しペレット化した。得られ
たペレットは、残存揮発成分としてメチルメタクリレー
ト0.10%及びスチレン0.16%を含み、メタノー
ルは検出限界以下であり、無色透明で良好な外観を呈し
た。この重合体の物性は以下の通りである。 重量平均分子量(Mw) 169,000 全光線透過率 92% YI 0.8
揮処理して重合体ペレットを取得した。いずれの実施例
でも重合反応は安定に制御され高品質の重合体が得られ
た。表1に単量体混合物組成、単量体転化率、重合反応
生成物組成及び脱揮処理により得られた重合体ペレット
の残存揮発成分、重量平均分子量(Mw)及び全光線透
過率を示す。
部、スチレン39部、ジ−tert−ブチルパーオキサイド
0.007部を混合し、窒素吹き込みによって溶存酸素
を除去し原料液を調製した。重合槽に予めこの原料液5
kgを添加して密閉し、十分攪拌して均一混合状態を保ち
ながら、150℃に昇温して単量体転化率75%及び重
合体濃度75%に到達するまで重合させた後、この原料
液を重合槽に1kg/hの割合で連続的に供給を開始し
た。実施例1と同様に重合温度を150℃及び平均滞留
時間を5時間に設定したが、重合槽内温度は145〜1
55℃、単量体転化率は75〜84%、重量平均分子量
は175,000〜190,000で大きく変動し安定
に重合を実施することができなかった。さらに実施例1
と同様に脱揮処理したが、そのペレットの残存揮発分濃
度は1.5%、全光線透過率91%であり成形材料とし
て実用に耐え得る物性得ることはできなかった。
4.9部、スチレン35.1部、トルエン10.0部及
びジ-tert-アミルパーオキサイド0.004部を混合
し、窒素吹き込みによって溶存酸素を除去し原料液を調
製した。重合槽に予めこの原料液5kgを添加して密閉
し、十分攪拌して均一混合状態を保ちながら、150℃
に昇温して単量体転化率75%及び重合体濃度68%に
到達するまで重合させた後、この原料液を重合槽に1kg
/hの割合で連続的に供給し、重合温度を150℃及び
平均滞留時間を5時間に維持した。重合条件は実施例1
と同様にしたが、連続運転中に単量体転化率は75〜8
2%、重量平均分子量は145,000〜155,00
0で大きく変動し安定に重合を実施することができなか
った。実施例1と同様に脱揮処理したが、重合体ペレッ
トの残存揮発成分濃度1.2%、全光線透過率91%で
あり成型材料として実用に耐える物性を満足することは
できなかった。
4.9部、スチレン35.1部、エチルベンゼン10.
0部及びジ-tert-アミルパーオキサイド0.004部を
混合し、窒素吹き込みによって溶存酸素を除去し原料液
を調製した。重合槽に予めこの原料液5kgを添加して密
閉し、十分攪拌して均一混合状態を保ちながら、150
℃に昇温して単量体転化率75%及び重合体濃度68%
に到達するまで重合させた後、この原料液を重合槽に1
kg/hの割合で連続的に供給し、重合温度を150℃及
び平均滞留時間を5時間に維持した。重合条件は実施例
1と同様にしたが、連続運転中に単量体転化率は75〜
83%、重量平均分子量は142,000〜152,0
00で大きく変動し安定に重合を実施することができな
かった。実施例1と同様に脱揮処理したが、重合体ペレ
ットの残存揮発成分濃度1.4%、全光線透過率91%
であり成型材料として実用に耐える物性を満足すること
はできなかった。
9.8部、スチレン38.2部、メタノール2部、ジ−
tert−アミルパーオキサイド0.004部を混合して原
料液を調製し、実施例1と同条件で連続溶液重合を行っ
たが、連続運転中に重合液の粘度が徐々に上昇し単量体
転化率は最終的に83%に達し、安定に連続重合を行う
ことはできなかった。実施例1と同様に脱揮処理し重合
体ペレットを取得したが、残存揮発分濃度1.1%、全
光線透過率91%で成形材料として実用に耐える物性を
得ることはできなかった。
0.3部、スチレン24.7部、メタノール35部、ジ
−tert−アミルパーオキサイド0.004部を混合して
原料液を調製し、実施例1と同条件で連続溶液重合を行
った。結果、単量体転化率75%に維持できたが、生成
した重合体の重量平均分子量は80,000であり、成
形材料として実用に耐える物性を得ることはできなかっ
た。以上の実施例1〜5及び比較例1〜5の結果をまと
めて、表1及び表2に示す。
学用途にも適したスチレン−メチルメタクリレート系重
合体を安定に制御された重合工程を経て生産性を高めて
工業的に有利に製造することが可能となる。
Claims (5)
- 【請求項1】 メチルメタクリレート35〜90重量%
とスチレン10〜65重量%からなる単量体混合物を重
合するに際し、単量体成分71〜97重量%に対し溶媒
としてメタノール3〜29重量%を添加し、100〜1
80℃の重合温度で単量体転化率が55〜95mol%
となるように均一溶液中で重合させることを特徴とする
スチレン−メチルメタクリレート系重合体の製造方法。 - 【請求項2】 メタノールの存在量が単量体80〜95
重量%に対し5〜20重量%である請求項1に記載のス
チレン−メチルメタクリレート系重合体の製造方法。 - 【請求項3】 単量体に可溶であり重合温度での半減期
が0.01〜60分を満足するような重合開始剤の存在
下に重合する請求項1に記載のスチレン−メチルメタク
リレート系重合体の製造方法。 - 【請求項4】 n−ドデシルメルカプタン、n−オクチ
ルメルカプタン及び2,4−ジフェニル−4−メチル−
1−ペンテンの中から選ばれた少なくとも1種の連鎖移
動剤の存在下に重合する請求項1に記載のスチレン−メ
チルメタクリレート系重合体の製造方法。 - 【請求項5】 130〜170℃の重合温度でジ−tert
−ブチルパーオキサイド、ジ−tert−アミルパーオキサ
イド、tert−アミルパーオキシイソノナエート、tert−
ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−
アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,
2'−アゾビスイソブチロニトリル及び1 ,1’−ア
ゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)の中か
ら選ばれた少なくとも1種の重合開始剤の存在下に重合
する請求項1に記載のスチレン−メチルメタクリレート
系重合体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04920897A JP3858948B2 (ja) | 1996-09-25 | 1997-03-04 | スチレン−メチルメタクリレート系重合体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25307196 | 1996-09-25 | ||
JP8-253071 | 1996-09-25 | ||
JP04920897A JP3858948B2 (ja) | 1996-09-25 | 1997-03-04 | スチレン−メチルメタクリレート系重合体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10152505A true JPH10152505A (ja) | 1998-06-09 |
JP3858948B2 JP3858948B2 (ja) | 2006-12-20 |
Family
ID=26389580
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04920897A Expired - Fee Related JP3858948B2 (ja) | 1996-09-25 | 1997-03-04 | スチレン−メチルメタクリレート系重合体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3858948B2 (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11302311A (ja) * | 1998-04-23 | 1999-11-02 | Nof Corp | トナー用樹脂の製造方法 |
EP0978527A1 (de) * | 1998-08-06 | 2000-02-09 | Basf Aktiengesellschaft | Verfahren zur Herstellung von expandierbaren Styrolpolymerisaten |
JP2004210835A (ja) * | 2002-12-27 | 2004-07-29 | Denki Kagaku Kogyo Kk | スチレン系樹脂及びそのシート |
JP2004250610A (ja) * | 2003-02-21 | 2004-09-09 | Denki Kagaku Kogyo Kk | 共重合樹脂及びその製造方法 |
CN114920872A (zh) * | 2022-06-27 | 2022-08-19 | 万华化学集团股份有限公司 | 一种低气味的热塑性丙烯酸酯类树脂的制备方法 |
CN115608315A (zh) * | 2021-07-13 | 2023-01-17 | 中国石油天然气股份有限公司 | 制备甲基丙烯酸甲酯-苯乙烯树脂的高效反应装置及工艺 |
CN115960293A (zh) * | 2022-12-07 | 2023-04-14 | 万华化学集团股份有限公司 | 一种耐应力开裂的甲基丙烯酸甲酯共聚物及其制备方法与应用 |
-
1997
- 1997-03-04 JP JP04920897A patent/JP3858948B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11302311A (ja) * | 1998-04-23 | 1999-11-02 | Nof Corp | トナー用樹脂の製造方法 |
EP0978527A1 (de) * | 1998-08-06 | 2000-02-09 | Basf Aktiengesellschaft | Verfahren zur Herstellung von expandierbaren Styrolpolymerisaten |
JP2004210835A (ja) * | 2002-12-27 | 2004-07-29 | Denki Kagaku Kogyo Kk | スチレン系樹脂及びそのシート |
JP2004250610A (ja) * | 2003-02-21 | 2004-09-09 | Denki Kagaku Kogyo Kk | 共重合樹脂及びその製造方法 |
JP4554162B2 (ja) * | 2003-02-21 | 2010-09-29 | 電気化学工業株式会社 | 共重合樹脂及びその製造方法 |
CN115608315A (zh) * | 2021-07-13 | 2023-01-17 | 中国石油天然气股份有限公司 | 制备甲基丙烯酸甲酯-苯乙烯树脂的高效反应装置及工艺 |
CN114920872A (zh) * | 2022-06-27 | 2022-08-19 | 万华化学集团股份有限公司 | 一种低气味的热塑性丙烯酸酯类树脂的制备方法 |
CN114920872B (zh) * | 2022-06-27 | 2023-09-19 | 万华化学集团股份有限公司 | 一种低气味的热塑性丙烯酸酯类树脂的制备方法 |
CN115960293A (zh) * | 2022-12-07 | 2023-04-14 | 万华化学集团股份有限公司 | 一种耐应力开裂的甲基丙烯酸甲酯共聚物及其制备方法与应用 |
CN115960293B (zh) * | 2022-12-07 | 2023-12-19 | 万华化学集团股份有限公司 | 一种耐应力开裂的甲基丙烯酸甲酯共聚物及其制备方法与应用 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3858948B2 (ja) | 2006-12-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3628518B2 (ja) | メタクリル系重合体およびその製造方法 | |
JP3395291B2 (ja) | メタクリル系重合体の製造方法 | |
KR100427376B1 (ko) | 중합체의 제조방법 | |
JP3293702B2 (ja) | メチルメタクリレート系重合体の製造方法 | |
US5980790A (en) | Process for producing a copolymer | |
US5530080A (en) | Polymethacrylate molding compound with high heat deflection temperature and stability against thermal degradation | |
JP2017165944A (ja) | メタクリル系樹脂の製造方法 | |
KR100689598B1 (ko) | 안정성 및 유동성이 우수한 메타크릴계 수지의 제조방법 | |
JPH10152505A (ja) | スチレン−メチルメタクリレート系重合体の製造方法 | |
KR20190013569A (ko) | 공중합체 및 이의 제조방법 | |
JP3013951B2 (ja) | アクリル系樹脂の製造法 | |
JP3801124B2 (ja) | メタクリル系重合体の製造方法 | |
JPH0251514A (ja) | マレイミド系共重合体の製造方法 | |
CN114891147A (zh) | 一种甲基丙烯酸甲酯共聚物及其制备方法与应用 | |
JPS6357613A (ja) | 光学材料 | |
JP4325475B2 (ja) | メタクリル系重合体及びその製造方法 | |
JP3013953B2 (ja) | アクリル系樹脂の製造法 | |
JP2001233912A (ja) | メタクリル系重合体の製造方法 | |
CN115734974B (zh) | 具有提高的热稳定性的光学级模塑组合物 | |
JPH07206906A (ja) | 耐熱分解性を有するメタクリル樹脂及びその製造方法 | |
TWI257398B (en) | Polymer with methyl methacrylate as main component | |
JPH07206905A (ja) | 耐熱分解性を有するメタクリル樹脂及びその製造方法 | |
JPH1087739A (ja) | 熱安定性に優れたメタクリル系樹脂 | |
CN116970117A (zh) | 一种高透光率低雾度透明共聚物材料制备方法及应用 | |
JPH1087706A (ja) | メタクリル系樹脂の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040301 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060216 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060315 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060830 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060912 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100929 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100929 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110929 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110929 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120929 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130929 Year of fee payment: 7 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |