JP2000283661A - 多板式オイルクーラの冷却エレメント - Google Patents
多板式オイルクーラの冷却エレメントInfo
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Abstract
て、余分な部品を用いることなく、エレメントの剛性を
維持して、重量の軽減を図り、生産し易くする。 【解決手段】 上プレート11の下向き皿状体部11a
の両端部にオイルの入口または出口をなす上向きパイプ
部11bを設けると共に各パイプ部11bの外側位置に
絞り加工した突部11cを形成し、また下プレート12
の上向き皿状体部12aの両端部に下向きパイプ部12
bを設けると共に各パイプ部12bの外側位置に絞り加
工した凹部12cを形成し、波状のフィンプレート13
を介在させて上プレート11と下プレート12を突き合
せて単一のチューブ体となし、上段チューブ体の下プレ
ート両端の下向きパイプ部12bと絞り凹部12cの下
面を、下段チューブ体の上プレート両端部の上向きパイ
プ部11bと絞り突部11cの上面にそれぞれ接合して
チューブ体を複数段に積層し、積層チューブ体の両端に
絞り突部11cと絞り凹部12cからなる柱部材を形成
して剛性を付与する。
Description
しながら剛性を維持できるようにした多板式のオイルク
ーラの冷却エレメントに関する。
れるディーゼルエンジンでは図3(a)ようにエンジン
ブロックEbの側部にオイルクーラOcを配設し、その
冷却エレメントCeを同図(b)のように蓋フランジF
によりエンジンブロックの側壁に取付けてウォータジャ
ケットW中に臨ませ、ラジエータRからポンプPにより
循環させられる冷却水を実線矢印のように取入れる一
方、オイルパンOpからエンジンの摺動部分や軸受部分
に送られるオイルを点線矢印のように対向させて取入れ
て熱交換させ、オイルの温度を所定に保つようにしてい
る。
の一部分即ち単一段(最下段)のオイル通路を形成する
チューブ体を分離して示すものであり、厚さが0.3〜
0.4mm程度のステンレス鋼板からなる平面楕円形状
の下向き皿状の上プレート1と、同様の上向き皿状の下
プレート2と、両者の間に配置される厚さが0.3mm
程度の鋼板からなる多孔波状のフィンプレート3及びこ
のフィンプレート3の両端に対向配置されるフィンプレ
ートの高さにほぼ等しい厚さ(3〜4mm程度)の鋼板
からなる曲玉状の補強を兼ねたオイルガイド板4、これ
と同程度の厚さの鋼板からなるスペーサリング5などを
備えている。
まれ、最上段になるものを除いて長手方向の両端部にオ
イルの入口(図では右側)又は出口(同左側)をなす上
向きパイプ部1bが設けられると共に各パイプ部1bの
周りには溶融ろう材を通すための複数の細孔1dがそれ
ぞれ設けられ、両端パイプ部1bの中間位置には間隔の
維持と熱交換面積の増大を目的としてプレス加工された
多数の突子1cが上向きに形成されており、一方、下プ
レート2は周りが上向き縁壁2aで囲まれ、長手方向の
両端部にオイルの入口又は出口になる下向きパイプ部2
bが設けられると共にそれらの周囲には溶融ろう材を通
すための複数の細孔2dがそれぞれ設けられ、両端パイ
プ部2bの中間位置には間隔の維持と熱交換面積の増大
を目的としてプレス加工された多数の突子2cが下向き
に形成され、また、フィンプレート3は両端中央部に半
円状の切欠部を有し、それらの左又は右側に配置される
曲玉状のオイルガイド板4の弧状内周面とで円形をなし
て、上,下のプレート1,2の上向き又は下向きパイプ
1b,2bに揃うようになされている。
イド板4を中間に介在させて上プレート1と下プレート
2を突き合せたものを単一のチューブ体となし、これを
図5のように複数段に積層して冷却エレメントCeを構
成するわけであるが、その場合、先ず、図4における下
プレート2の中に先ずほぼ同じ大きさで同じ形状の銅ろ
う箔8をおき、その上にフィンプレート3と曲玉状のオ
イルガイド板4を並べておき、それらの上に再び同じ大
きさの銅ろう箔8をのせ、その上から上プレート1をそ
の下向きの縁壁1aが下プレート2の上向きの縁壁2a
の内側に嵌合する状態に突き合せる。
るに当たっては、図5のように下段のものの上プレート
1の両端の上向きパイプ部1bの外側にスペーサリング
5をそれぞれ嵌め合せると共にそれらの上向きパイプ部
1bの内側に上段のものの下段プレート2両端の下向き
パイプ2bを嵌め込むというようにして複数段積層し、
最上段のものの上プレート1の両端部上には所定大きさ
の銅ろう箔(図示せず)を介して鋼板からなる補強板6
を配置し、また最下段のものの下プレート2両端の下向
きパイプ部2bに、鋼板からなる菱形状のフランジ7の
中央のボス孔7aを環状の銅ろう箔8(図4)を介在さ
せて嵌め合せ、かつフランジ7両側の通孔7bに小径環
状の銅ろう材を介在させて一対のねじ杆9を挿通してお
き、このようにチューブ体を複数段に積層したものが治
具に収められ、上から重しがのせられて、加熱炉に入れ
られ、各部材が液密にろう付けされる。
トCeは、図5のように最下段の下プレート2に固着さ
れたフランジ7のねじ杆9を介し、オイルの入口パイプ
Faと出口パイプFbを備えた蓋フランジFに取付けら
れ、かつ蓋フランジFがエンジンブロックEbの側壁に
取付けられて、ウォータジャケットW内に配置され、入
口パイプFaから冷却エレメントCeの各段のチューブ
体中に取入られたオイルをウォータジャケットW内を流
れる冷却水により冷却するように使用される。
レメントのチューブ体内部には、高いオイル圧(2〜8
kg/cm2)が作用するが、上下プレート間はフィン
プレートおよびオイルガイド板を介してろう付け接合さ
れていて、熱伝達の向上とともにチューブ体の間隙の拡
大および外周ろう付接合部の剥離を防止している。両端
部に何もないとすると、その部分のふくれや接合部の剥
離現象を起こすところから、上記従来の冷却エレメント
では各チューブ体中の両端部に前記曲玉状のオイルガイ
ド板4を配設したり、各パイプ部の周りにスペーサリン
グ5を設けたりしていて、部品点数が多く、重量の増大
とコスト高を招き、オイルガイド板やスペーサリングの
専有空間だけ熱交換面が小さくなっている。
状のオイルガイド板やスペーサリングを用いることな
く、部品点数を少なくしながら上プレートと下プレート
からなるチューブ体の剛性を維持すると共に冷却エレメ
ントの重量の軽減と熱交換面積の増加を図り、また、上
プレートと下プレートを同じ形体のものを裏返し関係の
ものとして安価に生産し易くすることを課題とする。
明は、車両などに用いられる多板式オイルクーラの冷却
エレメントとして、第1に 芯材の両面にろう材を配置
した上プレートと下プレート及びその間に配置される多
孔波状のフィンプレートからなり、上プレートの下向き
皿状体部の両端部にオイルの入口又は出口をなす上向き
パイプ部を設けると共にそれらパイプ部の外側位置に上
面がパイプ部の上面に一致する絞り加工した曲玉状など
の突部を形成し、また下プレートの上向き皿状体部の両
端部にオイルの入口又は出口をなす下向きパイプ部を設
けると共にそれらパイプ部の外側位置に下面がパイプ部
の下面に一致する絞り加工した曲玉状などの凹部を形成
し、上記フィンプレートを介在させて上プレートと下プ
レートを突き合せて単一のチューブ体となし、上段のチ
ューブ体の下プレート両端部の下向きパイプ部と絞り凹
部の下面を下段チューブ体の上プレート両端部の上向き
パイプ部と絞り突部の上面にそれぞれ接合してチューブ
体を複数段に積層し、最上段の上プレートの両端部上に
は補強板を接合する一方、最下段の下プレート両端部の
下向きパイプ部及び絞り凹部にフランジを接合し、両端
部に絞り突部と凹部からなる柱部材を形成したことを特
徴し、第2には、上記積層チューブ体の上プレート両端
部の上向きパイプ部の内縁に上向き突起を設けると共に
に下プレート両端部の下向きパイプ部の内縁に下向き突
起を設け、上段チューブ体の下プレートの下向きパイプ
部の下向き突起を下段チューブ体の上プレートの上向き
パイプ部に係合させる一方、下段チューブ体の上プレー
トの上向きパイプ部の上向き突起を上段チューブ体の下
プレートの下向きパイプ部に係合させてチューブ体を複
数段に積層することを特徴とするものである。
ントの単一段(最下段)のチューブ体を分離して示し、
図2はそのチューブ体を複数段積層した状態の断面を示
すものであり、図1において11は平面楕円形状をなす
下向き皿状の上プレートで、0.5 mm程度の厚さのス
テンレス鋼板の両面に厚さが20μ程度の無酸素銅の薄
板ろう材を圧延圧接法などによって接合したクラッド材
からなり、周囲に上向きの縁壁11dを有し、長さの大
部分(90%程度)は長方形状の下向き皿状体部11a
をなし、その壁板には間隔の維持と熱交換面積の増大を
目的とした多数の突子11eが上向きに設けられ、この
皿状体部11aの両端部にはオイルの入口(図で右)又
は出口(同左)となる円形の上向きパイプ部11bが設
けられ、また、右のパイプ部11bの右側及び左のパイ
プ部11bの左側即ち各上向きパイプ部の外側位置に
は、上面が上向きパイプ部11bの上面に一致する所定
幅の曲玉状の絞り突部11cが各パイプ部11bの外側
半円部を囲むように絞り加工して形成されている。
ート11と同じ大きさの楕円形状をなし、また、上プレ
ート11と同じく厚さ0.3〜0.4mm程度のステン
レス鋼板の両面に無酸素銅の薄板ろう材を接合した同じ
厚さのクラッド材からなり、周囲に下向きの縁壁12d
(図2参照)を有し、長さの大部分(90%程度)は長
方形状の上向き皿状体部12aをなし、その壁板には間
隔の維持と熱交換面積の増大を目的とした多数の突子1
2eが下向きに設けられ、皿状体部12aの両端部には
オイルの入口(図で右)又は出口(同左)となる円形の
下向きパイプ部12bが設けられ、また、右のパイプ部
12bの右側及び左のパイプ部12bの左側即ち各下向
きパイプ部12bの外側位置には、下面が下向きパイプ
部12bの下面に一致する所定幅の曲玉状の絞り凹部1
2cが各パイプ部12bの外側半円部を囲むように絞り
加工して形成されている。
裏返した関係にあり、そして、最上段の上プレート11
及び最下段の下プレート12を除いて、上プレート11
両端の上向きパイプ部11bの内縁と、下プレート12
両端の下向きパイプ部12bの内縁には、各プレートを
積層する際に位置決めをなす一つ又は二つ(図では一
つ)の、前者では上向き突起11f、後者では下向き突
起12fが設けられている。但し、図2では各突起11
f,12fの係合関係を分り易くするために図1とは位
置をずらせてある。
プレートで、厚さが0.3mm程度の鋼板からなり、上
プレート11の下向き皿状体部11aと下プレート12
の上向き皿状体部12aの間において、両皿状体部の内
面に当接する高さとその内側幅にほぼ等しい幅と両端の
パイプ部11b,12bの一部をおおう程度の長さに形
成されている。
mm程度)の鋼板からなる菱形状のフランジで、中央に
最下段の下プレート12の下向きパイプ部12bを嵌合
させるボス孔17aを有すると共に長手軸線の両側には
ねじ杆18を挿通してその頭部を固定(ろう付け)する
通孔17bを備えており、かつボス孔17aの上縁の周
りは内側に偏心して肉厚に設けられたほぼハート形の台
部17cで囲まれ、台部17cが存在しない反対側の部
分は最下段の下プレート12の曲玉状凹部12cの下面
が当接する曲玉状の平坦部17dをなしている。
向き皿状体部11aと下プレート12の上向き皿状体部
12aとの間にフィンプレート13を配置して、上プレ
ート11と下プレート12を突き合せて単一のチューブ
体となし、これを図2のように複数段積層するが、この
場合、上段のチューブ体をなす下プレート12の両端の
下向きパイプ12b内縁の下向き突起12fを、下段の
チューブ体をなす上プレート11両端の上向きパイプ部
11bに係合させる一方、下段のチューブ体をなす上プ
レート11の両端の上向きパイプ部11b内縁の上向き
突起11fを、上段のチューブ体をなす下プレート12
両端の下向きパイプ部12fにそれぞれ係合させて各チ
ューブ体を位置決めしながら複数段積層する。
1の両端の上向きパイプ部11bからそれらの左側又は
右側に設けられた曲玉状の突部11cにかけて孔ふさぎ
を兼ねた鋼板製の補強板16を配設する一方、最下段の
チューブ体の下プレート12両端の下向きパイプ部12
bにはフランジ17の中央ボス孔17aを嵌め合せると
共に両側の通孔17bには小径環状の銅ろう材を介在さ
せながらねじ杆19挿通し、このようにして積層チュー
ブ体をまとめたものが治具に収められ、上に重しがのせ
られて加熱炉に入れられ、各部材が液蜜にろう付けさ
れ、図2のように冷却エレメントCeが形成される。
12両端部の下向きパイプ部12bと曲玉状凹部12c
の下面が、下段のものの上プレート11両端部の上向き
パイプ部11bと曲玉状突部11cの上面に接合され、
かつ最下段のチューブ体の下プレート12両端部の下向
きパイプ部12bの下面がフランジ17の台部17cに
接合されると共に曲玉状凹部12cの下面がフランジ1
7の曲玉状の平坦部17dに接合されることになり、積
層チューブ体即ち冷却エレメントCeの両端部に絞り加
工により剛性の付与された複数の曲玉状の突部と凹部か
らなる柱部材が形成される。
レメントCeは、最下段の下プレート12に固着された
フランジ17のねじ杆18を介し、オイルの入口パイプ
Faと出口パイプFbを備えた蓋フランジFに取付けら
れ、またその蓋フランジFがエンジンブロックEbの側
壁に取付けられてウォータジャットW内に配置され、入
口パイプFaからオイルが、冷却エレメントCeの入口
側のパイプ部を通じ各段のチューブ体内に出口側に向っ
て取入れられ、その外側において対向するようにウォー
タジャッケトW内を流れる冷却水と熱交換するように使
用される。その場合、冷却エレメントCe内にオイル
圧,エンジンの振動などが作用したにしても、両端部に
形成された曲玉状の突部と凹部からなる柱部材によって
剛性が維持されエレメントが揺動したり、チューブ体が
破損したりすることがない。
下プレート12を楕円形状のものとして示したが、これ
は長方形状のものとしてもよく、又上プレート11と下
プレート12の両端部に形成する突部11c又は凹部1
2cを曲玉状のものとして示したが、これは所定の幅と
長さの弧状,長方形状,楕円状のものとしてもよい。ま
た、上下プレートの材料として、芯材の両面に銅ろう板
を接合したクラッド材を用いたが、電気銅メッキ処理を
施したものであっても、さらには各部材間に銅ろう箔を
配するようにしてもよい。さらに、図示の例では、ステ
ンレス鋼板製の冷却エレメントについて例示したが、モ
ネル合金製やアルミニウム製等であってもよく、材料に
は限定されない。
レメントとして、請求項1のように構成されているの
で、これまでのような三ケ月状のオイルガイド板やスペ
ーサリングを用いることなく、冷却エレメントの剛性お
よびろう付強度を充分に維持することができ、部品点数
が少なく、重量を軽減することができ、また、上プレー
トと下プレートの形体は互いに裏返した関係にあるた
め、生産し易くコストを低減できるなどの効果を有し、
また請求項2のように構成すれば、チューブ体の積層に
当たり位置決めしながら積層できて組立て易く、そし
て、突起を複数とすれば、積層チューブ体がぐらつか
ず、より生産し易い。
ーブ体の分離斜視図。
図。(b)は冷却エレメントの配置状態を示す説明図。
分離斜視図。
Claims (2)
- 【請求項1】 芯材の両面にろう材を配した上プレート
と下プレート及びその間に配置される多孔波状のフィン
プレートからなり、上プレートの下向き皿状体部の両端
部にオイルの入口又は出口をなす上向きパイプ部を設け
ると共にそれらパイプ部の外側位置に上面がパイプ部の
上面に一致する絞り加工した曲玉状などの突部を形成
し、また下プレートの上向き皿状体部の両端部にオイル
の入口又は出口をなす下向きパイプ部を設ける共にそれ
らパイプ部の外側位置に下面がパイプ部の下面に一致す
る絞り加工した曲玉状などの凹部を形成し、上記フィン
プレートを介在させて上プレートと下プレートを突き合
せて単一のチューブ体となし、上段のチューブ体の下プ
レート両端部の下向きパイプ部と絞り凹部の下面を下段
チューブ体の上プレート両端部の上向きパイプ部と絞り
突部の上面にそれぞれ接合してチューブ体を複数段に積
層し、最上段の上プレートの両端部上には補強板を接合
する一方、最下段の下プレート両端部の下向きパイプ部
及び絞り凹部にフランジを接合し、両端部に絞り突部と
凹部からなる柱部材を形成したことを特徴とする多板式
オイルクーラの冷却エレメント。 - 【請求項2】 上記積層チューブ体の上プレート両端部
の上向きパイプ部の内縁に上向き突起を設けると共に下
プレート両端部の下向きパイプ部の内縁に下向き突起を
設け、上段チューブ体の下プレートの下向きパイプ部の
下向き突起を下段チューブ体の上プレートの上向きパイ
プ部に係合させる一方、下段チューブ体の上プレートの
上向きパイプ部の上向き突起を上段チューブ体の下プレ
ートの下向きパイプ部に係合させてチューブ体を複数段
に積層することを特徴とする請求項1記載の多板式オイ
ルクーラの冷却エレメント。
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