JP2000281834A - 熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物

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JP2000281834A
JP2000281834A JP11089373A JP8937399A JP2000281834A JP 2000281834 A JP2000281834 A JP 2000281834A JP 11089373 A JP11089373 A JP 11089373A JP 8937399 A JP8937399 A JP 8937399A JP 2000281834 A JP2000281834 A JP 2000281834A
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JP
Japan
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weight
thermoplastic elastomer
styrene
rubber
elastomer composition
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JP11089373A
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Hiroyuki Mizouchi
博行 溝内
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Original Assignee
JSR Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐摩耗性に優れ、かつ射出成形品の成形外観
が優れた熱可塑性エラストマー組成物を提供すること。 【解決手段】 (A)スチレン系熱可塑性エラストマ
ー、(B)結晶性1,2−ポリブタジエン、および
(C)ゴム質重合体に、芳香族ビニル単量体をグラフト
重合して得られた30℃でのトルエン不溶分が90重量
%以上のゴム強化熱可塑性樹脂を主成分として含有する
熱可塑性エラストマー組成物が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐摩耗性に優れ、
かつ射出成形による成形外観に優れた熱可塑性エラスト
マー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、大量生産に優れた射出成形機を用
い、成形外観良好かつ耐摩耗性良好な軟質材料の需要
が、履物、スポーツ部品、工業分野で高まっている。従
来、軟質材料として、スチレン系、オレフィン系、ウレ
タン系、エステル系等の熱可塑性エラストマーが当該分
野で検討されてきたが、前2者は成形外観と耐摩耗性等
が不足し、後2者は軟質が不十分であることからいずれ
も需要に応えられなかった。一方、軟質で成形外観およ
び耐摩耗性に優れた架橋ゴムは、大量生産に優れた射出
成形等の樹脂加工が不可能であり、架橋に有する時間が
必要なため、生産性が悪く需要に応えることができなか
った。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐摩
耗性に優れ、かつ射出成形品の成形外観が優れた熱可塑
性エラストマー組成物を提供することにある。
【0004】
【発明を解決するための手段】本発明によれば、下記熱
可塑性エラストマーが提供されて、本発明の上記目的が
達成される。 (1)(A)スチレン系熱可塑性エラストマー、(B)
1,2−結合含有量が70%以上、結晶化度が5%以
上、MFR(150℃、2.16kg荷重)が0.5〜
30g/min、そして全ハロゲン量が30ppm以下
である1,2−ポリブタジエン、および(C)(c−
1)ゴム質重合体20〜90重量%の存在下に、(c−
2)芳香族ビニル単量体または芳香族ビニル単量体とこ
れと共重合可能な他のビニル単量体からなる単量体成分
90〜20重量%をグラフト重合して得られ(ここで、
(c−1)と(c−2)との合計量は100重量%であ
る)、グラフト率が50〜300%、30℃でのトルエ
ン不溶分が90重量%以上、そして数平均粒径が0.0
5〜1.0μmの範囲にあるゴム強化熱可塑性樹脂を主
成分として含有することを特徴とする熱可塑性エラスト
マー組成物。 (2)(A)スチレン系熱可塑性エラストマーを1〜5
0重量%、(B)1,2−ポリブタジエンを5〜98重
量%、および(C)ゴム強化熱可塑性樹脂を1〜80重
量%の割合で含有する(ここで、(A)、(B)および
(C)の合計量は100重量%である)ことを特徴とす
る上記(1)に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の熱可塑性エラスト
マー組成物について詳述する。本発明の熱可塑性エラス
トマーは、主たる構成成分として、(A)スチレン系熱
可塑性エラストマー、(B)1,2−ポリブタジエン、
および(C)ゴム強化熱可塑性樹脂を含有する。まず、
(A)スチレン系熱可塑性エラストマーについて説明す
る。 (A)スチレン系熱可塑性エラストマーは、下記式
【0006】(Y-Z)n (Y-Z)nY (Y-Z)nX
【0007】(式中、Yは芳香族ビニル化合物重合体ブ
ロック、Zは共役ジエン化合物重合体ブロックもしくは
共役ジエンを主体とする共重合体ブロック、Xはカップ
リング剤の残基、nは1以上の整数である)で示される
芳香族ビニル化合物と共役ジエンから得られるブロック
コポリマーおよびその水素化物を好ましく挙げることが
できるが、これに制限されない。上記芳香族ビニル化合
物としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチ
ルスチレン、m−メチルスチレン、o−メチルスチレ
ン、p−tert−ブチルスチレン、ジメチルスチレ
ン、ビニルナフタレン等が挙げられる。なかでも、スチ
レンが好ましい。また、共役ジエン化合物としては、ブ
タジエン、イソプレン、ピペリレン等が挙げられる。な
かでも、ブタジエン、イソプレンが好ましい。またカッ
プリング剤としては、ポリエステル、ポリエポキサイ
ド、ポリビニル芳香族化合物、ポリケトン等種々の化合
物が用いられる。
【0008】上記ブロックコポリマー中の芳香族ビニル
化合物の含有量は、好ましくは5〜90重量%、より好
ましくは5〜45重量%、特に好ましくは10〜40重
量%である。また、ブロックコポリマーのMFR(JI
S K7210に従い、200℃、5kg荷重の条件で
測定)は、好ましくは0.5〜30g/10min、よ
り好ましくは1.0〜20g/10minである。
【0009】本発明の熱可塑性エラストマー組成物の主
たる構成成分の一つである(B)1,2ポリブタジエン
は、1,2結合含有量が70重量%以上、好ましくは8
0重量%以上である。1,2結合含有量が70重量%未
満では、熱可塑性、成形加工性、成形外観性に劣る。
(B)成分の結晶化度は、5重量%以上、好ましくは1
5重量%以上である。結晶化度が5重量%未満では、成
形加工性、成形外観性に劣る。 (B)1,2ポリブタジエンの融点は、本発明の組成物
の成形加工性および成形外観性の観点から、好ましくは
50〜130℃、より好ましくは60〜120℃であ
る。また、 (B)1,2ポリブタジエンのMFR(J
IS K7210に従い、150℃、2.16kg荷重
の条件で測定)は、0.5〜30g/min、好ましく
は1.0〜20g/minである。
【0010】(B)1,2ポリブタジエンの全ハロゲン
量は、30ppm以下である。通常、ポリマー中のハロ
ゲン量は蛍光X線による定量分析によって測定される
が、この蛍光X線を用いた方法では、30ppmが測定
限度の下限値である。本発明中の(B)1,2−ポリブ
タジエンに残留する全ハロゲン量がこのように僅かであ
ることにより、混練り時や成形時の成形金型、ダイスウ
ェル、スクリューや装置をハロゲン系ガスで腐食するこ
とがない。
【0011】本発明の熱可塑性エラストマー組成物を構
成する上記特性を有する(B)1,2ポリブタジエン
は、コバルト化合物およびアルミオキサンを含有するそ
れ自体公知の触媒の存在下でブタジエンを重合して得る
ことができる。
【0012】本発明の組成物を構成する主たる成分であ
る(C)ゴム強化熱可塑性樹脂は、グラフトポリマーで
あり、その幹ポリマーである(c−1)ゴム質重合体と
して、ジエン系ゴム質重合体、非ジエン系ゴム質重合体
等が挙げられる。ジエン系ゴム質重合体として、例えば
ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブチルゴム、スチレ
ン−ブタジエン共重合体(好ましくはスチレンに由来す
る単位含量が5〜60重量%の共重合体)、スチレン−
イソプレン共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共
重合体、ブタジエン−(メタ)アクリル酸エステル共重
合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソ
プレン共重合体等が挙げられる。
【0013】また、非ジエン系ゴム質重合体としては、
例えばエチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−
α−オレフィン−ポリエン共重合体等のエチレン−α−
オレフィン系ゴム質重合体:スチレン−ブタジエン(ブ
ロック)共重合体の水素添加物、スチレン−イソプレン
(ブロック)共重合体の水素添加物、ブタジエン−アク
リロニトリル共重合体の水素添加物、ブタジエン−(メ
タ)アクリル酸エステル共重合体の水素添加物、その他
のブタジエン系(共)重合体の水素添加物、スチレン−
ブタジエンランダム共重合体の水素添加物等のジエン系
重合体の水素添加物:シリコ−ン系ゴム、アクリル系ゴ
ム等が挙げられる。これらの中で、好ましくはポリブタ
ジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、ブタジエン系
(共)重合体の水素添加物、シリコーンゴム、アクリル
ゴムであり、さらに好ましくは、ポリブタジエン、スチ
レン−ブタジエン共重合体である。これらのゴム質重合
体は、1種単独で使用することも、あるいは2種以上を
組み合わせて用いることもできる。
【0014】(C)ゴム強化熱可塑性樹脂の30℃での
トルエン不溶分(ゲル含有量)は、90重量%以上であ
る。ゲル含有量が90重量%未満では、耐摩耗性および
引裂強度に劣り、好ましくない。ゲル含有量の調整は、
後述するグラフト反応時に分子量調整剤の種類および量
を選ぶことにより容易に行なうことができる。そのほか
ゲル含有量の調整は、架橋剤の添加、重合時の重合開始
剤量および重合開始温度等の選定によっても行なうこと
ができる。また、これらを組み合わせてゲル含有量の上
記条件を充足する(c−1)ゴム質重合体を得ることも
できる。
【0015】(C)ゴム強化熱可塑性樹脂の数平均粒径
は、好ましくは0.05〜1.00μm、より好ましく
は0.10〜0.75μm、さらに好ましくは0.10
〜0.55μmである。
【0016】(C)ゴム強化熱可塑性樹脂中の(c−
1)ゴム質重合体の含有量は、好ましくは20〜80重
量%、より好ましくは30〜75重量%、さらに好まし
くは50〜70重量%である。(c−1)ゴム質重合体
の含有量が20重量%未満では耐摩耗性が得られず、8
0重量%を越える場合は、(c−1)ゴム質重合体が凝
集するため混練加工性および射出成形外観が劣る。
【0017】(C)ゴム強化熱可塑性樹脂は、(c−
1)ゴム質重合体の存在下に、(c−2)芳香族ビニル
単量体、または芳香族ビニル単量体およびこれと共重合
可能な他のビニル単量体からなる単量体をグラフト共重
合して得られる。本発明の(c−2)単量体に用いられ
る芳香族ビニル単量体としては、例えばスチレン、t−
ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチ
レン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルスチレ
ン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、
N,N−ジエチル−p−アミノメチルスチレン、ビニル
ピリジン、ビニルキシレン、フルオロスチレン、エチル
スチレン、ビニルナフタレン等が挙げられ、特にスチレ
ン、α−メチルスチレンが好ましい。これらの芳香族ビ
ニル単量体は単独でもしくは2種類以上を組み合わせて
用いられる。(c−2)単量体中の芳香族ビニル単量体
の使用量は、好ましくは20〜100重量%、さらに好
ましくは30〜100重量%、特に好ましくは40〜1
00重量%である。20重量%未満では(c−1)ゴム
質重合体が凝集するため混練加工性および射出成形外観
が劣る。
【0018】(c−2)単量体中で必要に応じて用いら
れる芳香族ビニル単量体と共重合可能な他のビニル系単
量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル
等のシアン化ビニル化合物;メチルアクリレート、エチ
ルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリ
レート、アミノアクリレート、ヘキシルアクリレート、
オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレー
ト、シクロヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレー
ト、オクタデシルアクリレート、フェニルアクリレー
ト、ベンジルアクリレート等のアクリル酸エステル;メ
チルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピル
メタクリレート、ブチルメタクリレート、アミルメタク
リレート、ヘキシルメタクリレート、オキチルメタクリ
レート、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘ
キシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、フェ
ニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート等のメタ
クリル酸エステル;無水マレイン酸、無水イタコン酸、
無水シトラコン酸等の不飽和酸無水物;アクリル酸、メ
タクリル酸等の不飽和酸;マレイミド、N−メチルマレ
イミド、N−ブチルマレイミド、N−(p−メチルフェ
ニル)マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シク
ロヘキシルマレイミド等のα、β−不飽和ジカルボン酸
のイミド化合物;グリシジルメタクリレート、アリルグ
リシジルエーテル等のエポキシ基含有不飽和化合物;ア
クリルアミド、メタクリルアミド等の不飽和カルボン酸
アミド;アクリル酸アミン、メタクリル酸アミノメチ
ル、メタクリル酸アミンエーテル、メタクリル酸アミノ
プロピル、アミノスチレン等のアミノ基含有不飽和化合
物;3−ヒドロキシ−1−プロペン、4−ヒドロキシ−
1−ブテン、シス−4−ヒドロキシ−2−ブテン、トラ
ンス−4−ヒドロキシ−2−ブテン、3−ヒドロキシ−
2−メチル−1−プロペン、2−ヒドロキシエチルアク
リレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒド
ロキシスチレン等の水酸基含有不飽和化合物;ビニルオ
キサゾリン等のオキサゾリン基含有不飽和化合物等が挙
げられる。これらの中で、アクリロニトリル、ブチルア
クリレート、メチルメタクリレート、メタクリル酸が好
ましい。上記芳香族ビニル単量体と共重合可能な他のビ
ニル系単量体は、1種単独で使用することも、あるいは
2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0019】(c−2)単量体中、芳香族ビニル単量体
と共重合可能な他のビニル系単量体の使用量は、好まし
くは80重量%以下、さらに好ましくは70重量%以
下、特に好ましくは60重量%以下である。
【0020】本発明の(C)ゴム強化熱可塑性樹脂は、
(c−1)ゴム質重合体の存在下に、(c−2)単量体
成分を乳化重合、懸濁重合、溶液重合、塊状重合等でラ
ジカルグラフト重合を行い製造することができる。好ま
しくは、乳化重合である。この際、乳化重合には、重合
開始剤、連鎖移動剤(分子量調整剤)、乳化剤、水等が
用いられる。本発明で用いられる好ましい(C)ゴム強
化熱可塑性樹脂は、重合温度10〜95℃、好ましくは
30〜95℃の条件下で乳化重合して製造されたもので
ある。
【0021】重合終了後、酸化防止剤を添加してもよ
い。(C)ゴム強化熱可塑性樹脂は、重合後に凝固、回
収等の工程を経て、乾燥後粉体とされる。凝固に使用さ
れる凝固剤としては、硫酸、酢酸、硫酸マグネシウム、
硫酸アルミニウム等の水溶液が用いられる。好ましく
は、硫酸、硫酸マグネシウムの水溶液である。また凝固
せずに、スプレードライヤー等を用いて噴霧乾燥を行っ
てもよい。
【0022】(C)ゴム強化熱可塑性樹脂のグラフト率
は、50〜300%、好ましくは50〜250%、さら
に好ましくは50〜150%である。グラフト率が50
%未満では、(A)スチレン系熱可塑性エラストマーと
の相溶性が劣り混練分散性に劣るので、射出成形品の外
観が悪く、しかも耐摩耗性に劣る。また、300%を越
えるても、混練分散性に劣るので、同様な問題が起こ
る。グラフト率は、重合開始剤、連鎖移動剤、乳化剤、
溶剤等の種類や量、さらに重合時間、重合温度等の重合
条件を変えることにより容易に制御することができる。
また、(c−2)単量体の添加方法によってもグラフト
率を変えることができる。上記単量体の添加方法として
は、一括添加、分割添加、連続添加あるいはこれらを組
み合わせた方法が挙げられる。
【0023】本発明では、グラフト率は、幹ポリマーで
ある(c−1)ゴム質重合体を100重量%として、こ
れにグラフト重合した単量体の重量割合(%)として定
義される。
【0024】本発明の熱可塑性エラストマー組成物を調
製するに当たって、射出成形品の外観および耐摩耗性の
観点から、(A)、(B)および(C)の各成分の配合
比は、(A)成分1〜50重量%、(B)成分5〜98
重量%、(C)成分1〜80重量%、好ましくは(A)
成分5〜40重量%、(B)成分10〜90重量%、
(C)成分5〜50重量%である。
【0025】本発明の熱可塑性エラストマー組成物に
は、公知の熱可塑性樹脂および熱可塑性エラストマーを
配合することができる。例えば一般のポリスチレン系樹
脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、スチレン−エチレン
系樹脂等のスチレン系樹脂;ポリエチレン系樹脂、ポリ
プロピレン系樹脂等のオレフィン系樹脂;その他ポリ酢
酸ビニル系樹脂等を配合することができる。
【0026】本発明の熱可塑性エラストマー組成物に
は、樹脂やゴムに使用される老化防止剤、酸化防止剤、
オゾン劣化防止剤、紫外線吸収剤、粘着付与剤、可塑
剤、軟化剤、補強剤、充填剤、発泡剤、発泡助剤、滑
剤、難燃剤、耐電防止剤、着色剤等を配合することがで
きる。老化防止剤、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤とし
ては、ナフチルアミン系、ジフェニルアミン系、p−フ
ェニレンジアミン系等のアミン系、キノリン系、ヒドロ
キノン誘導体、モノフェノール系、ビスフェノール系、
トリスフェノール系、ポリフェノール系、チオビスフェ
ノール系等が挙げられる。これらは単独であるいは2種
以上を組み合わせて使用することができる。紫外線吸収
剤としては、サリチル酸誘導体、ベンゾフェノン系、ベ
ンゾトリアゾール系等が挙げられる。粘着付与剤として
は、クマロン系樹脂、フェノール系樹脂、テルペン系樹
脂、石油系炭化水素系樹脂、ロジン誘導体等が挙げられ
る。可塑剤としては、フタル酸誘導体、イソフタル酸誘
導体、テトラヒドロフタル酸誘導体、アジピン酸誘導
体、アゼライン酸誘導体、セバシン酸誘導体、マレイン
酸誘導体、フマル酸誘導体、トリメリット酸誘導体、ク
エン酸誘導体、イタコン酸誘導体、ステアリン酸誘導
体、リシノール酸誘導体、スルホン酸誘導体、リン酸誘
導体およびその他モノエステル系可塑剤、パラフィン誘
導体、エポキシ誘導体等が挙げられる。
【0027】軟化剤としては、プロセスオイル、潤滑
油、高芳香族系オイル、パラフィン、流動パラフィン、
ペトロラタム、石油スルホン酸塩、アスファルト、コー
ルタール、コールタールピッチ、ワセリン、クマロン・
インデン樹脂等の鉱物油系軟化剤、ひまし油、綿実油、
アマニ油、なたね油、大豆油、パーム油、パインター
ル、ヤシ油、落花生油、ロウ、ロジン、パインオイル、
ジペンテン、トール油等の植物油系軟化剤、黒サブ、白
サブ、飴サブ等のサブファクチス、シリコーンオイル、
エステル系軟化剤等が挙げられる。
【0028】充填剤としては、ガラス、チャンネルブラ
ック、ファーネスブラック、サーマルブラック、アセチ
レンブラック等のカーボンブラック、シリカ、炭酸マグ
ネシウム、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、
炭酸マグネシウム、タルク、マイカ、クレー、ケイ酸マ
グネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウ
ム、硫酸バリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウ
ム、二硫化モリブテン、酸化チタン、カオリン、けい
砂、ケイソウ土、アスベスト、アルミナ、火山灰、酸化
鉄、等の無機充填剤、ゴム粉、エボナイト粉末、熱硬化
性樹脂粉、木粉、ヤシ殻粉、コルク粉末、パルプ粉、紙
粉、各種セルロース粉等の有機系充填剤等が使用でき
る。また充填剤の形状としては、球状、繊維状、針状、
鱗片状、板状、中空バルーン状、不定形状等が挙げられ
る。これら充填剤は単独であるいは2種類以上を組み合
わせて用いることもできる。また、上記充填剤は、各種
表面処理剤により充填剤の表面処理が行われていてもよ
い。表面処理剤としては、アミノシラン系、メルカプト
シラン系、ビニルシラン系、アルキルシラン系等のシラ
ン系表面処理剤や脂肪酸系界面処理剤が挙げられる。
【0029】発泡剤としては、N,N’−ジニトロソペ
ンタメチレンテトラミン、N,N’−ジメチル−N,
N’−ジニトロソテレフタルアミン等のニトロソ化合
物;アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリ
ル、バリウムアゾジカルボキシレート等のアゾ化合物;
ベンゼンスルホニルヒドラジド、p,p’−オキシビス
(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ベンゼン−1,3
−ジスルホニルヒドラジド、トルエンスルホニルヒドラ
ジド等のスルホニルヒドラジド化合物;その他、重炭酸
ナトリウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、
p−トルエンスルホニルセミカルバジド、トリヒドラジ
ノトリアジン、亜鉛−アミン錯化合物等が挙げられる。
上記発泡剤は単独あるいは2種類以上を組み合わせて用
いることができる。
【0030】発泡助剤としては、サリチル酸、尿素およ
びその誘導体等が挙げられる。滑剤としては、パラフィ
ンワックス、マイクロクリスタリンワックス、流動パラ
フィン、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワック
ス等のワックス類;ステアリン酸、ヒドロキシステアリ
ン酸等の脂肪酸類;ステアロアミド、オキシステアロア
ミド、エルシルアミド、リシノールアミド、ベヘンアミ
ド、メチロールアミド、メチルビス・ステアロアミド、
メチレンビスステアロベヘンアミド、エチレンビスステ
アロアミド等の脂肪酸アミド類;n−ブチルステアレー
ト、メチルヒドロキシステアレート、グリセリン脂肪酸
エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、システアリルエ
ポキシヘキサヒドロフタレート等の脂肪酸エステル類;
その他、脂肪酸ケトン、高級アルコール、ヒドロキシス
テアリン酸トリグリセリド、無水フタル酸誘導体、ナト
リウムアルキルサルフェート、硬化ひまし油、各種硬化
油等が挙げられる。上記滑剤は単独であるいは2種類以
上を組み合わせて用いることができる。
【0031】難燃剤としては、酸化アンチモン、アンチ
モニーシリコオキシド、水酸化アルミニウム、水酸化マ
グネシウム、ホウ酸亜鉛、ジ−(ポリオキシエチレン)
−ヒドロキシメチルホスフォネート、ポリリン酸アンモ
ン、リン酸アンモン、ジエトキシ−ビス−(2−ヒドロ
キシエチル)−アミノメチルホスフォネート、フェニル
ホスフォン酸、ジエチルフェニルホスフォネート等が挙
げられる。これら難燃剤は単独であるいは2種類以上を
組み合わせて用いることができる。そのほか、公知の耐
電防止剤、抗菌剤、防カビ剤、架橋剤を配合することも
できる。
【0032】本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、
各成分を溶融、混練することにより調製することができ
る。成形品を成形する場合、調製された熱可塑性エラス
トマーを成形機により、再度溶融して成形することがで
きるが、予め各成分を溶融、混練することなく、各成分
を成形機に供給して成形機中で溶融、混練して溶融状態
でに均一に混合し、引き続き成形して、本発明の熱可塑
性エラストマー組成物からなる成形品を得ることもでき
る。
【0033】各成分を混合して本発明の組成物を予め調
製する方法としては、特に制限はなく、例えば一軸スク
リュー押出機、二軸スクリュー押出機、フィーダールー
ダー押出機等の連続押出機、ロール、ニーダー、バンバ
リーミキサー等を用いて調製することができる。また、
各成分を予めタンブラー、ヘンシェルミキサー等でドラ
イブレンドしておいてもよい。ドライブレンドした後
に、溶融混練する場合は、非開放型の混合装置および混
練装置を用いることが好ましい。この場合、非開放系の
混合装置としてヘンシェルミキサーを用い、混練装置と
してスクリュー押出機を用いることが好ましい。また、
スクリュー押出機を使用するときは、開放ベントやバキ
ュームベントを行いことが好ましい。本発明の熱可塑性
エラストマー組成物を調製するための混練温度は、10
0〜250℃、好ましくは140〜200℃、さらに好
ましくは160〜190℃である。100℃未満では溶
融しない成分があるため混練できない。また250℃を
越えると混練性および分散性に劣る。
【0034】かくして調製された本発明の熱可塑性エラ
ストマー組成物は、射出成形、押出成形、カレンダー成
形、トランスファー成形等の成形方法により、成形品が
得られるが、特に射出成形に好適である。
【0035】本発明の熱可塑性エラストマー組成物を射
出成形する場合の射出成形機としては、通常の樹脂用射
出成形機、ゴム用射出成形機、射出圧縮成形機、ガス注
入型射出成形機等を用いることができる。射出成形の際
の溶融温度は、通常70〜250℃、好ましくは130
〜190℃である。射出成形の金型温度は、通常0〜8
0℃、好ましくは10〜50℃である。また、射出成形
の1次圧力および2次圧には、特に制約はなく、金型形
状により適度な設定を行うことができる。また、金型形
状には特に制約はない。
【0036】本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、
優れた耐摩耗性を有し、かつ大量生産が可能な射出成形
に好適に用いることができる。そして、その成形外観が
優れるため、広範囲の用途に使用できる。例えば、紳士
靴底、婦人靴底、カジュアルシューズ底、スポーツシュ
ーズ底等の履物部材、OA用品、文具用品、工業用品、
家電部品、家具部品、自動車部品、住宅建築部材、包装
部材、各種ベルト、各種クッション部材、日用雑貨類、
レジャー用品類、玩具類等の製造に用いられる。
【0037】
【実施例】以下に、参考例、実施例および比較例を挙げ
て、本発明の熱可塑性エラストマー組成物を具体的に説
明するが、本発明の範囲は以下に挙げる例により限定さ
れるものではない。参考例、実施例および比較例におけ
る各種測定項目および方法は、かきの通りである。
【0038】(1)平均粒子径 レーザー粒径解析システムLPA−3100(大塚電子
(株)製)を用いて数平均粒子径を求めた。 (2)トルエン不溶分(ゲル含有量) (C)ゴム強化熱可塑性樹脂[(a)g]を100ml
のトルエンに浸漬させ、30℃で48時間放置後、10
0メッシュ金網を用いて濾過し、濾過液の一部[(c)
ml]を採取後、蒸発乾燥固化させ、得られた残存固形
分[トルエン可溶分:(b)g]を秤量し、下式により
ゲル含有量を算出した。 ゲル含有量(重量%)=[{a−b×(100/c)}
/a]×100 (3)グラフト率 グラフト共重合体(ゴム強化熱可塑性樹脂)の一定量
(x)をアセトン中に投入し、振とう機で2時間振とう
し、遊離の共重合体を溶解し、遠心分離器を用いてこの
溶液を23,000rpmで30分間遠心分離し、不溶
分を得た。この不溶分を真空乾燥機を用いて120℃で
1時間乾燥し、乾燥した不溶分(y)を得、下記式を用
いグラフト率を算出した。 グラフト率(%)=[{(y)−(x)×グラフト共重
合体のゴム分率}/{(x)×グラフト共重合体のゴム
分率}]×100
【0039】(4)分散性 熱可塑性エラストマー組成物のペレット約5gを加熱プ
レス機で160℃加熱プレスし、約0.1mm以下の薄
板状にプレス成形した。このプレス成形試料の目視観察
からゴム強化熱可塑性樹脂成分の分散状態を判定した。
評価基準を以下に示す。 〇:分散不良なし ×:分散不良あり (5)混練性 押出混練機を用いたときにホッパーブリッジ、ストラン
ド不良等混練不良の有無を評価し、下記評価基準に従っ
た。 〇:ホッパー・ブリッジ、ストランド不良等混練不良な
し ×:ホッパー・ブリッジ、ストランド不良等混練不良あ
【0040】(6)射出成形外観 射出成形品の表面にフローマーク、シルバーストリー
ク、ブラシュイング等の成形外観不良を目視評価し、下
記評価基準に従った。 〇:優秀 △:可 ×:成形外観不良があり、不可 (7)耐摩耗性 耐摩耗性の評価方法は、以下の評価基準を用いて行っ
た。 〇:DIN摩耗値が200cc未満 ×:DIN摩耗値が200cc以上 (DIN摩耗値)耐摩耗性の指標としてDIN摩耗試験
の結果を用いた。DIN摩耗試験の方法はJIS K6
264のDIN摩耗試験に準拠し測定を行った。また、
DIN摩耗試験は下記条件で行った。 摩耗距離:40m 研磨布:AA60 荷重 :10N 標準試験片:JIS−6264に準拠(表1配合D)を
用いた。
【0041】(8)引張強度および破断伸び JIS K6301−1975に準拠し測定を行った。 ダンベル形状:3号形 (9)引裂強度 JIS K6301−1975に準拠し測定を行った。 ダンベル形状:B形 (10)MFR(メルト・フロー・レート)JIS K
7210−1976、操作方法B法(自動時間測定法)
に準拠し、試験条件4(190℃、2.16kgf)で
測定を行った。
【0042】上記の摩耗、引張強度、破断伸び、引裂強
度に用いた試験片は、加熱および冷却が行えるプレス成
形機を用い、熱可塑性エラストマー組成物のペレットを
以下のプレス成形機、金型形状および成形条件で成形し
て作成した。 使用プレス成形機:50Tプレス成形機PESW5040型: 関西ロール(株)製 プレス金型形状 :150×150×2.5mm プレス成形条件 :加熱工程:160℃で15分間加熱 冷却工程: 23℃で15分間冷却
【0043】上記の射出成形外観性の評価に用いた試験
片は、下記射出成型機、射出成形条件、金型で試験片を
得た。 (使用射出成形機)ISFA170FA3−5A(東芝
機械(株)製のインラインスクリュータイプ射出成形
機)を用い成形外観評価サンプルを作製した。射出成形
は、下記成形条件および金型形状で行った。 (射出成形条件) 成形条件:シリンダー温度150〜170℃ 金型設定温度:20〜35℃ 射出圧力:900kgf/cm2以下 射出時間:10sec以下、保圧冷却時間:50sec
以下 (金型形状) 品型品部:150×50×5mmの平板形状 ゲート形状:直径1mmピンゲート ランナーおよびスプルー長:100mm
【0044】本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、
下記混練機を用い混練および混合方法で作製した。 (混練および混合方法)熱可塑性エラストマー組成物の
各成分を50Lヘンシェルミキサーへ一括投入し、23
℃で10〜30秒撹拌した後、下記の混練機および混練
条件で混練し、熱可塑性エラストマー組成物を作製し
た。 (使用混練機)直径40mm単軸押出機(VS40エキ
ストルーダーVTB40−148 田辺プラスチックス
機械(株)製)を用い、下記条件で混練を行った。 (混練条件) シリンダー温度160〜170℃、回転数:80rpm
【0045】合成例1(ゴム強化熱可塑性樹脂(C−
1)〜(C−12)の調製) 加熱、窒素置換、滴下可能なロータリー式エバポレータ
ーのセパラブルフラスコを窒素置換した後、水100重
量部、表1に記載の(c−1)ゴム質重合体であるポリ
ブタジエン60重量部(固形分換算)および乳化剤ロジ
ン酸カリウム0.5重量部を加えて撹拌乳化させた。十
分混合した後、スチレン9重量部とアクリロニトリル3
重量部および分子量調整剤t−ブチルメルカプタン0.
5重量部と重合開始剤クメンハイドロパーオキサイド
0.2重量部を加え、70℃まで昇温後クメンハイドロ
パーオキサイド0.2重量部、ピロリン酸ナトリウム
0.2重量部、ブドウ糖0.25重量部、硫酸第一鉄
0.01重量部を加えて重合を行った。1時問後に残り
のスチレン21重量部、アクリロニトリル7重量部、t
−ドデシルメルカプタン0.3重量部、水40重量部、
クメンハイドロパーオキサイド0.15重量部の混合物
を4時間にわたり追滴下を行った。滴下終ア後にクメン
ハイドロパーオキサイド0.1重量部、ピロリン酸ナト
リウム0.1重量部、ブドウ糖0.13重量部、硫酸第
一鉄0.005重量部、ジメチルジチオカルバミン酸ナ
トリウム0.02重量部を添加し1時間重合反応を行っ
た。硫酸を添加することにより重合体を凝固させた後、
水酸化ナトリウムで中和しこの凝固物を良く水洗した。
得られた凝固物をデカンテーション後、乾燥させ粉末状
のゴム強化熱可塑性樹脂(C−1)を得た。
【0046】上記方法において、表1、2に示される
(c−1)ゴム質重合体の種類、単量体成分の種類、さ
らには重合条件を適宜変えることにより表1、2に示さ
れるゴム強化熱可塑性樹脂(C−2)〜(C−12)を
得た。
【0047】以上合成した本発明のゴム強化熱可塑性樹
脂(C−1)〜(C−6)および比較としてのゴム強化
熱可塑性樹脂(C−7)〜(C−12)の合成処方、物
性をそれぞれ表1、表2に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】実施例1〜20 表3〜表6に記載される配合処方に従い、(A)スチレ
ン系可塑性エラストマー、(B)ポリブタジエンゴム、
および(C)ゴム強化熱可塑性樹脂からなる熱可塑性エ
ラストマー組成物を前記した方法により製造した。この
組成物を用いて、各種の物性評価を行った。結果を表3
〜表6に示す。
【0051】比較例1〜10 表7、表8に記載される処方に従い、(A)スチレン系
可塑性エラストマー、(B)ポリブタジエンゴム、およ
び(C)ゴム強化熱可塑性樹脂からなる熱可塑性エラス
トマー組成物の物性評価を、実施例と同様にして行っ
た。結果を表7、表8に示す。
【0052】表3〜表8に記載されている実施例および
比較例に用いた(A)スチレン系熱可塑性エラストマー
および(B)ポリブタジエンゴムは、下記の通りであ
る。 <(A)スチレン系熱可塑性エラストマー> TR1600:スチレン−ブタジエン共重合体 JS
R(株)製 結合スチレン量32%、オイル添加量45phr、MF
R(200℃、5kg)18.5g/10min TR1086:スチレン−ブタジエン共重合体 JS
R(株)製 結合スチレン量45%、オイル添加量50phr、MF
R(200℃、5kg)10.5g/10min TR2827:スチレン−ブタジエン共重合体 JS
R(株)製 MFR(190℃、2.16kg)2.5g/10mi
n、結合スチレン量24% TR2787:スチレン−ブタジエン共重合体 JS
R(株)製 結合スチレン量30%、MFR(200℃、5kg)6
g/10min
【0053】<(B)ポリブタジエンゴム> JSR試作品(i):1,2ポリブタジエン JSR
(株)製 結晶化度28.8%、1,2結合量93%、密度0.9
09g/cm3 全ハロゲン含量30ppm以下 MFR(150℃、2.16kg)3g/10min JSR試作品(ii):1,2ポリブタジエン JSR
(株)製 結晶化度28.8%、1,2結合量93%、密度0.9
09g/cm3 MFR(150℃、2.16kg)15g/10min 全ハロゲン含量30ppm以下
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
【0056】
【表5】
【0057】
【表6】
【0058】
【表7】
【0059】
【表8】
【0060】表3〜表6から明らかなように、本発明の
熱可塑性エラストマー組成物は、いずれも分散性、混練
性、射出成形外観性、および耐摩耗性に優れている。一
方、表7および表8から明らかなように、比較例1およ
び2は(C)ゴム強化熱可塑性樹脂のゲル含有量が90
重量%未満のため、混練性、射出成形外観および耐摩耗
性に劣る。比較例3および4は(C)ゴム強化熱可塑性
樹脂の数平均粒子径が1.0μmを越えるため、分散
性、混練性、耐摩耗性、射出成形外観に劣る。比較例5
および6は、(C)ゴム強化熱可塑性樹脂のゲル含有量
が90重量%未満であると共に、グラフト率が50%未
満のため、分散性、混練性、耐摩耗性、射出成形外観に
劣る。比較例7および8は、(C)ゴム強化熱可塑性樹
脂を配合していないため、耐摩耗性に劣る。比較例9は
(B)1,2−ポリブタジエンを配合していないため、
耐摩耗性および射出成形外観に劣る。
【0061】
【発明の効果】本発明の熱可塑性エラストマー組成物
は、優れた耐摩耗性を有し、大量生産が可能な射出成形
法を用いて成形することができ、しかも射出成形品の成
形外観が優れる。従って、広範囲の用途に用いられ、例
えば紳士靴底、婦人靴底、カジュアルシューズ底、スポ
ーツシューズ底等の履物部材、OA用品、文具用品、工
業用品、家電部品、家具部品、自動車部品、住宅建築部
材、包装部材、各種ベルト、各種クッション部材、日用
雑貨類、レジャー用品類、玩具類等の製造に用いること
ができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)スチレン系熱可塑性エラストマ
    ー、(B)1,2−結合含有量が70%以上、結晶化度
    が5%以上、MFR(150℃、2.16kg荷重)が
    0.5〜30g/min、そして全ハロゲン量が30p
    pm以下である1,2−ポリブタジエン、および(C)
    (c−1)ゴム質重合体20〜90重量%の存在下に、
    (c−2)芳香族ビニル単量体または芳香族ビニル単量
    体とこれと共重合可能な他のビニル単量体からなる単量
    体成分90〜20重量%をグラフト重合して得られ(こ
    こで、(c−1)と(c−2)との合計量は100重量
    %である)、グラフト率が50〜300%、30℃での
    トルエン不溶分が90重量%以上、そして数平均粒径が
    0.05〜1.0μmの範囲にあるゴム強化熱可塑性樹
    脂を主成分として含有することを特徴とする熱可塑性エ
    ラストマー組成物。
  2. 【請求項2】 (A)スチレン系熱可塑性エラストマー
    を1〜50重量%、(B)1,2−ポリブタジエンを5
    〜98重量%、および(C)ゴム強化熱可塑性樹脂を1
    〜80重量%の割合で含有する(ここで、(A)、
    (B)および(C)の合計量は100重量%である)こ
    とを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性エラストマー
    組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002088207A (ja) * 2000-09-13 2002-03-27 Polytec Design:Kk ゴム組成物
JP2007530746A (ja) * 2004-03-29 2007-11-01 ピレリ・アンド・チ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ 細分化された形にある加硫ゴムを含む熱可塑性エラストマー材料

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