JP2000281667A - ベンゾチアゾール化合物、その中間体、その製造法、液晶組成物及び液晶素子 - Google Patents
ベンゾチアゾール化合物、その中間体、その製造法、液晶組成物及び液晶素子Info
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- JP2000281667A JP2000281667A JP11088925A JP8892599A JP2000281667A JP 2000281667 A JP2000281667 A JP 2000281667A JP 11088925 A JP11088925 A JP 11088925A JP 8892599 A JP8892599 A JP 8892599A JP 2000281667 A JP2000281667 A JP 2000281667A
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Abstract
易く、かつ光に対する安定性がより有利である新規なベ
ンゾチアゾール化合物、このベンゾチアゾール化合物の
製造に有用な中間体化合物、その製造法、このベンゾチ
アゾール化合物用いた液晶組成物及びこの組成物を用い
た、光シャッターや表示素子等に使用できる液晶素子を
提供すること。 【解決手段】式(1)で示されるベンゾチアゾール化合
物、その中間体、その製造法、液晶組成物および液晶素
子。 【化1】
Description
成材料あるいは液晶組成物の配合成分として有用であ
り、骨格にベンゾチアゾール環を有する新規なベンゾチ
アゾール化合物、その製造に利用可能な中間体化合物、
その製造法、それを含む液晶組成物及びそれを用いた液
晶素子に関する。
化社会の進展に伴い不可欠となっている。液晶組成物と
しては、より高速化、あるいは高性能化等の物性を達成
するために、屈折率異方性の大きい材料の配合が必要と
されている。屈折率異方性が比較的大きい液晶としてト
ラン化合物が知られている[Mol.Cryst.Liq.
Cryst.,第23巻第233頁(1973)]が、屈折
率異方性は約0.2と満足できるほどの大きさではなか
った。また、下記式で表される化合物が開発されている
(特開平2−83340号公報)。
が、他液晶との相溶性が悪く実用的ではない。そこで、
他液晶との相溶性を向上させることを目的として下記式
で表される化合物が開発されている(特開平9−216
841号公報)。
素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子又はシアノ基
を示し、H1〜H12は水素原子、フッ素原子又は塩素原
子を示す(ここで、H1〜H12の少なくとも1つはフッ素
原子又は塩素原子である)。) この化合物は、他液晶との相溶性の点が改善されている
が、水素原子をフッ素原子等のハロゲン原子で置換して
いるため屈折率異方性が低下し、相溶性改善と引き替え
に屈折率異方性が犠牲にされている。
い屈折率異方性を有し、他の液晶と混合し易く、かつ光
に対する安定性がより有利である新規なベンゾチアゾー
ル化合物、このベンゾチアゾール化合物の製造に有用な
中間体化合物、その製造法、このベンゾチアゾール化合
物用いた液晶組成物及びこの組成物を用いた、光シャッ
ターや表示素子等に使用できる液晶素子を提供すること
にある。
を解決するため鋭意検討を加えた結果、ある種のベンゾ
チアゾール化合物が十分大きな屈折率異方性を有するこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明
によれば、式(1)で示されるベンゾチアゾール化合物が
提供される。
数1〜10のアルキル基を表す。sは0〜4の整数であ
り、p及びrは各々独立に0〜3の整数である)。R1及
びR2は、それぞれ独立に水素原子、フッ素原子、シア
ノ基、4−R3−(シクロアルキル)基、4−R3−(シク
ロアルケニル基)又はR4−(O)q基を示す(ここで、R3
は水素原子、直鎖もしくは分枝のフッ素原子で置換され
ていても良い炭素数1〜12のアルキル基を示し、R4
は直鎖もしくは分枝のフッ素原子で置換されていても良
い炭素数1〜12のアルキル基を示す。qは0又は1を
示す)。また、R1及びR2が同時に水素原子になること
はない。) また本発明によれば、式(IM−1)で示される化合物が
提供される。
物と、式(IM−2)で示される誘導体とを、パラジウム
触媒及び塩基性物質の存在下に反応させることを特徴と
する、上記式(1)で示される化合物の製造法が提供され
る。
意味を示す。X1はIまたはBrを示す。) 更にまた本発明によれば、上記式(1)で示される化合物
を少なくとも1種含有することを特徴とする液晶組成物
が提供される。更に本発明によれば、上記液晶組成物を
一対の電極基板間に挟持してなることを特徴とする液晶
素子が提供される。
る。本発明のベンゾチアゾール化合物は、上記式(1)で
表される化合物である。式(1)において、R1及びR
2は、それぞれ独立に水素原子、フッ素原子、シアノ
基、4−R3−(シクロアルキル)基、4−R3−(シクロ
アルケニル基)又はR4−(O)q基を示す(ここで、R3は
水素原子、直鎖もしくは分枝のフッ素で置換されていて
も良い炭素数1〜12のアルキル基を示し、R4は直鎖
もしくは分枝のフッ素原子で置換されていても良い炭素
数1〜12のアルキル基を示す。qは0又は1を示
す)。また、R1及びR2が同時に水素原子になることは
ない。
素原子;フッ素原子;メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、
オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデ
シル基等のアルキル基及びこれらがフッ素原子で置換さ
れたフルオロアルキル基(例えばトリフルオロメチル
基);メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキ
シ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチル
オキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシ
ルオキシ基、ドデシルオキシ基等のアルコキシ基及びこ
れらがフッ素原子で置換されたフルオロアルコキシ基
(例えば1〜3個のフッ素原子で置換されたメトキシ
基、1〜5個のフッ素原子で置換されたエトキシ基);
メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチ
ル基、ブトキシメチル基、ペンチルオキシメチル基、ヘ
キシルオキシメチル基、ヘプチルオキシメチル基、オク
チルオキシメチル基、ノニルオキシメチル基、デシルオ
キシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、
プロポキシエチル基、ブトキシエチル基、ペンチルオキ
シエチル基、ヘキシルオキシエチル基、ヘプチルオキシ
エチル基、オクチルオキシエチル基、ノニルオキシエチ
ル基、デシルオキシエチル基、メトキシプロピル基、エ
トキシプロピル基、プロポキシプロピル基、ブトキシプ
ロピル基、ペンチルオキシプロピル基、ヘキシルオキシ
プロピル基、ヘプチルオキシプロピル基、オクチルオキ
シプロピル基、ノニルオキシプロピル基、メトキシブチ
ル基、エトキシブチル基、プロポキシブチル基、ブトキ
シブチル基、ペンチルオキシブチル基、ヘキシルオキシ
ブチル基、ヘプチルオキシブチル基、オクチルオキシブ
チル基、メトキシペンチル基、エトキシペンチル基、プ
ロポキシペンチル基、ブトキシペンチル基、ペンチルオ
キシペンチル基、ヘキシルオキシペンチル基、ヘプチル
オキシペンチル基等のアルコキシアルキル基及びこれら
がフッ素原子で置換されたフルオロアルコキシアルキル
基;2−メチルプロピル基、2−メチルブチル基、3−
メチルブチル基、3−メチルペンチル基等の分枝アルキ
ル基及びこれらがフッ素原子で置換されたフルオロ分枝
アルキル基;2−メチルプロピルオキシ基、2−メチル
ブチルオキシ基、3−メチルブチルオキシ基、3−メチ
ルペンチルオキシ基等の分枝アルキルオキシ基及びこれ
らがフッ素原子で置換されたフルオロ分枝アルキルオキ
シ基;4−メチルシクロヘキシル基、4−エチルシクロ
ヘキシル基、4−プロピルシクロヘキシル基、4−ブチ
ルシクロヘキシル基、4−ペンチルシクロヘキシル基、
4−ヘキシルシクロヘキシル基、4−ヘプチルシクロヘ
キシル基、4−オクチルシクロヘキシル基、4−ノニル
シクロヘキシル基、4−デシルシクロヘキシル基等の4
−アルキル−シクロアルキル基およびこれらがフッ素原
子で置換された4−フルオロアルキル−シクロアルキル
基;4−プロピルシクロヘキセニル基、4−ペンチルシ
クロヘキセニル基等の4−アルキル−シクロアルケニル
基及びこれらがフッ素原子で置換された4−フルオロア
ルキル−シクロアルケニル基;シアノ基等が挙げられ
る。
の具体例としては、下記構造式で示される化合物等が挙
げられる。ここで、R1及びR2は、上記列挙した基が好
ましいがこれに限定されない。
物は、上記式(1)で表されるベンゾチアゾール化合物の
製造等に有用な化合物である。式(IM−1)中のR1の
具体例としては、上記式(1)のR1として列挙した基を
好ましく挙げることができる。
ば、下記化合物(5)、パラジウム触媒、塩基性物質、ヨ
ウ化銅の存在下に、トリメチルシリルエチンを反応さ
せ、下記化合物(6)を得た後、メタノールを仕込み、炭
酸カリウムを添加して反応させることにより得ることが
できる。
意味を示し、X1はIまたはBrを示す。)
ば、m=1の場合、式(2)で表される化合物と式(3)で
表される化合物とを、ヨウ化銅、パラジウム触媒及びト
リエチルアミン等の塩基の存在下で反応させることによ
り製造することができる。
(1)中のものと同じ意味を示す。)
(4)で表される化合物とトリメチルシリルエチンとを、
ヨウ化銅、パラジウム触媒及びトリエチルアミン等の塩
基の存在下で反応させ、さらに炭酸カリウム等の塩基の
存在下、脱トリメチルシリル化させる方法等により製造
できる。
同じ意味を示す。)
は、式(1)中のm=2の化合物を製造するのに特に有用
であって、上記式(IM−1)で示される化合物と、上記
式(IM−2)で示される誘導体とを、パラジウム触媒及
び塩基性物質の存在下に反応させる。上記式(IM−2)
において、式中のA及びR2は、式(1)のものと同じ意
味であって、その具体例としては、上記列挙したものを
好ましく挙げることができる。またX1はI又はBrを
示す。上記反応において、式(IM−2)で示される化合
物の使用量は、式(IM−1)で示される化合物に対し
て、通常0.3〜3倍当量、好ましくは0.7〜1.5
倍当量である。上記パラジウム触媒としては、例えば、
塩化パラジウム;酢酸パラジウム;パラジウム/炭素;
テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム、ジクロ
ロジトリフェニルホスフィンパラジウム等のトリフェニ
ルホスフィンパラジウム錯体等が挙げられる。パラジウ
ム触媒の使用量は、使用する式(IM−2)で示される化
合物に対して、0.001〜0.1倍当量の範囲が好ま
しい。上記塩基性物質としては、例えば、アルカリ金属
の炭酸塩、カルボン酸塩、アルコキシド、水酸化物や、
あるいはトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミ
ン、トリ−n−ブチルアミン、テトラメチルエチレンジ
アミン、ジメチルアニリン、N−メチルモルホリン、N
−メチルピペリジン等の有機塩基が挙げられる。特に、
トリエチルアミン等の3級アミンの使用が好ましい。塩
基性物質の使用量は、使用する式(IM−2)で示される
化合物に対して、1〜20倍当量が好ましい。前記反応
に際しては、更にヨウ化銅(I)を添加剤として加えるこ
ともできる。ヨウ化銅(I)の使用量は、使用する式(IM
−2)で示される化合物に対して、0〜0.1倍当量が
好ましい。前記反応に際しては、更に必要により、例え
ば、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメチルホ
ルムアミド、ヘキサメチルホスホリルアミド、N−メチ
ルピロリドン、ベンゼン、トルエン等を反応溶媒として
使用することができる。反応条件は、適宜決定すること
ができるが、通常、温度−20〜120℃、1〜48時
間の範囲の条件で行なうことができる。
ベンゾチアゾール化合物を少なくとも1種配合成分とし
て含有する。混合する他の成分は特に限定されないが、
液晶相を示す化合物あるいは組成物が好ましい。本発明
の液晶組成物において、式(1)で表されるベンゾチアゾ
ール化合物の配合割合は、液晶組成物中に0.1〜9
9.9重量%、好ましくは1〜99重量%の範囲が好ま
しい。本発明の液晶組成物には、捩れ剤として、カイラ
ル化合物を一種もしくは複数種含有させることができ
る。カイラル化合物は、特に限定されないが、好ましく
は以下に示す化合物を例示することができる(ここで、
例示中の*は不斉炭素を表す)。
合物の配合割合は、配合組成等において適宜選択するこ
とができ、特に限定されない。
を一対の電極基板に挟持した素子であれば、特に限定さ
れず、公知の液晶表示素子と同様な構成ものが挙げられ
る。電極の種類及び形態も特に限定されず、公知の電極
等が使用できる。また、本発明の液晶表示素子の作製
は、通常の液晶表示素子の作製にしたがって同様に行う
ことができ、他の要素を適宜付加させることも可能であ
る。
に述べるが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。実施例1 撹拌装置及び温度計を装着したフラスコ内に、窒素雰囲
気下で下記中間体(M−1)3.60g、ジクロロビス
(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.14g、ヨウ
化銅(I)0.07g、トリフェニルホスフィン0.14
g、トリエチルアミン10.2g及び酢酸エチル20.
4gを仕込み、57℃に昇温し、更に下記中間体(M−
2)1.60gを酢酸エチル4.80gに溶解した溶液
を滴下し、55℃で4時間撹拌した。得られた反応物を
濾過し、酢酸エチルで洗浄した。濾液を濃縮後、得られ
た固体を、ヘキサン/クロロホルム=2/1を移動相と
するシリカゲルクロマトグラフィーにて分離し、粗生成
物3.25gを得た。さらにクロロホルム/ヘキサン=
1/1で抽出後、酢酸エチルで再結晶を繰り返し行い、
目的とする化合物1.11gを得た。得られた化合物を
1H−NMRスペクトルで測定した結果、下記構造式で
表される化合物(1−1)であった。
データは以下のとおりであった。1 H−NMR:δ0.95(3H、t)、1.05(3H、
t)、1.34−1.52(4H、m)、1.76−1.
86(4H、m)、3.95(2H、t)、4.02(2
H、t)、6.90(2H、d)、7.10(1H、d
d)、7.28(1H、t)7.55(2H、d)、7.9
1(1H、d) また化合物(1−1)の融点は115℃であった。化合物
(1−1)を、ネマティック組成物MJ931381(メ
ルクジャパン社製)に10重量%添加して測定した屈折
率異方性Δnから濃度比で外挿したΔnを求めたとこ
ろ、0.34と極めて大きいものであった。なお、Δn
はアッベ屈折計で測定し、測定温度は20℃、測定波長
は589nmで行った。
ロホルム/ヘキサン=1/1での抽出後の残渣を3回再
結晶したところ、下記化合物(1−2)が得られた。
のとおりであった。1 H−NMR:δ0.95(6H、t)、1.34−1.
53(8H、m)、1.80−1.90(4H、m)、4.
05(4H、t)、7.13(2G、dd)、7.37(2
H、d)、8.00(2H、d) また化合物(1−2)の融点を測定したところ189℃で
あった。
より合成することができる。
気下で実施例1で用いた中間体(M−1)4.42g、ジ
クロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.1
0g、ヨウ化銅(I)0.05g、トリフェニルホスフィ
ン0.10g、トリエチルアミン12.1g及び酢酸エ
チル12.1gを仕込み、61℃に昇温し、更に下記中
間体(M−3)1.53gを酢酸エチル24.0gに溶解
した溶液を滴下し、62〜64℃で3時間撹拌した。得
られた反応物を濾過し、酢酸エチルで洗浄した。濾液を
濃縮後、得られた固体をヘキサン/酢酸エチル=10/
1にトリエチルアミン0.1%を加えたものを移動相と
するシリカゲルクロマトグラフィーにて分離した。さら
にヘキサン/クロロホルム=1/1を移動相とするシリ
カゲルクロマトグラフィーによる分離を繰り返した後、
ヘキサン/酢酸エチル=10/1による再結晶を行い、
目的とする化合物を1.60g得た。得られた化合物を
1H−NMRスペクトルで測定した結果、下記構造式で
表される化合物(1−3)であった。
データは以下のとおりであった。1 H−NMR:δ0.95(3H、t)、1.34−1.
53(4H、m)、1.79−1.89(2H、m)、4.
03(2H、t)7.14(1H、dd)、7.39(1
H、d)、7.65ー7.74(4H、m)、7.96(1
H、d) 化合物(1−3)の融点を測定したところ162℃であっ
た。
気下で実施例1で用いた中間体(M−1)3.6g、ジク
ロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.14
g、ヨウ化銅(I)0.07g、トリフェニルホスフィン
0.14g、トリエチルアミン10.1g及び酢酸エチ
ル10.1gを仕込み、55℃に昇温し、更に下記誘導
体(M−4)1.56gを酢酸エチル3.1gに溶解した
ものを滴下し、55〜60℃で3時間撹拌した。得られ
た反応物を濾過し酢酸エチルで洗浄した。濾液を濃縮
後、得られた固体を、ヘキサン/クロロホルム=2/1
を移動相とするシリカゲルクロマトグラフィーにて分離
し、さらにメタノールによる再結晶を行い、目的の化合
物を2.15g得た。得られた化合物を1H−NMRス
ペクトルで測定した結果、下記構造式で表される化合物
(1−4)であった。
のとおりであった。1 H−NMR:δ0.95(3H、t)、1.05(3H、
t)、1.34−1.52(4H、m)、1.76−1.
86(4H、m)、3.95(2H、t)、4.02(2
H、t)、6.90(2H、d)、7.10(1H、d
d)、7.28(1H、t)、7.55(2H、d)、7.
91(1H、d) 化合物(1−4)の融点を測定したところ97℃であっ
た。また化合物(1−4)のΔnを実施例1に記載した方
法で測定したところ、0.24と高いものであった。
することができる。
気下で実施例1で用いた中間体(M−1)を3.85g、
トリフェニルホスフィンパラジウムジクロライド0.1
5g、トリフェニルホスフィン0.15g、ヨウ化銅
0.08g、トリエチルアミン13.0g及び酢酸エチ
ル26.0gを仕込み、続いて、56℃に昇温し、下記
中間体(M−5)2.10gを酢酸エチル10.5gに溶
解した溶液を滴下して2時間撹拌反応させた。その後室
温に戻して中間体(M−5)2.10g、トリフェニルホ
スフィンパラジウムジクロライド0.15g、ヨウ化銅
0.10gを追加し、さらに15時間撹拌した。得られ
た反応物を濾過し酢酸エチルで洗浄した。得られた固体
をヘキサン/クロロホルム=1.5/1にトリエチルア
ミン0.1%加えたものを移動相とするシリカゲルクロ
マトグラフィーにて分離し、さらに酢酸エチルによる再
結晶を行った。その後同様の条件でカラム精製を2回繰
り返し、目的の化合物を1.83g得た。得られた化合
物を1H−NMRスペクトルで測定した結果、下記構造
式で表される化合物(1−5)であった。
のとおりであった。 1H−NMR:δ 0.95(6H、t)、1.34−
1.53(8H、m)、1.79−1.89(4H、m)、
4.03(4H、t)、7.15(2H、dd)、7.31
(2H、d)7.98(2H、d) 化合物(1−5)の融点を測定したところ176℃であっ
た。
た。撹拌装置及び温度計を装着したフラスコ内に、窒素
雰囲気下で実施例1で用いた中間体(M−1)21.01
g、トリフェニルホスフィンパラジウムジクロライド
0.84g、トリフェニルホスフィン0.84g、ヨウ
化銅0.42g、トリエチルアミン28.3g及び酢酸
エチル28.3gを仕込み、次いで、58℃に昇温して
トリメチルシリルエチン10.31gを滴下した。1時
間撹拌した後室温に冷却し、得られた反応物を酢酸エチ
ルで洗浄した。濾液を濃縮後、得られた固体をヘキサン
/酢酸エチル=10/1にトリエチルアミン0.1%加
えたものを移動相とするシリカゲルクロマトグラフィー
にて分離し、下記中間体(M−5−1)13.24gを得
た。
ラスコ内に、窒素雰囲気下で上記中間体(M−5−1)1
3.20g及びメタノール66.0gを仕込み、22℃
で炭酸カリウム0.1gを添加して1時間撹拌した。得
られた反応物を濃縮し、ヘキサン/酢酸エチル=10/
1にトリエチルアミン1%添加したものを移動相とする
シリカゲルクロマトグラフィーにて分離し、目的とする
上記中間体(M−5)6.52gを得た。得られた中間体
(M−5)の1H−NMRスペクトルデータは以下のとお
りであった。1 H−NMR:δ0.94(3H、t)、1.33−1.
51(4H、m)、1.77−1.88(2H、m)、3.
55(1H、s)、4.00(2H、t)、7.11(1
H、dd)、7.26(1H、d)、7.92(1H、d)
気下で実施例4で用いた中間体(M−5)0.79g、メ
タノール23.7g、NH2OH・HCl0.8g、水
2.57g、70%エチルアミン11.9g及び塩化銅
(I)0.16を仕込み、続いて、下記中間体(M−6)
0.64gを9.6gのメタノールに溶解した溶液を滴
下して室温で撹拌反応させた。反応終了後メタノールで
洗浄した。ろ液を濃縮し、得られた固体を、ヘキサン/
クロロホルム=1.5/1.0を移動相とするシリカゲ
ルクロマトグラフィーにて分離精製した。さらにヘキサ
ンで再結晶し、目的の化合物0.26gを得た。得られ
た化合物を1H−NMRスペクトルで測定した結果、下
記構造式で表される化合物(1−6)であった。
のとおりであった。1 H−NMR:δ0.94(3H、t)、1.04(3H、
t)、1.33−1.52(4H、m)、1.75−1.
88(4H、m)、3.94(2H、t)、4.01(2
H、t)、6.86(2H、d)、7.11(1H、dd)
7.26(1H、d)、7.49(2H、d)、7.92
(1H、d)
することができる。
たところ融点は116℃であった。また159℃で結晶
相からネマティック相に転移し、この化合物は、液晶性
化合物であった。また化合物(1−6)を、ネマティック
組成物MJ931381(メルクジャパン社製)に5重量
%添加した組成物を調製し、実施例1に記載した方法で
Δnを測定したところ、0.48と極めて高いものであ
った。
気下で下記中間体(M−7)を1.29g、トリフェニル
ホスフィンパラジウムジクロライド0.1g、トリフェ
ニルホスフィン0.1g、ヨウ化銅0.05g、実施例
4で用いた中間体(M−5)1.18g及び酢酸エチル1
1.8gを仕込み、続いて、トリエチルアミン0.5g
を酢酸エチル5.0gに溶解した溶液を滴下し、1時間
撹拌反応させた。その後反応物を濃縮し、得られた固体
をヘキサン/クロロホルム=2/1にトリエチルアミン
1%加えたものを移動相とするシリカゲルクロマトグラ
フィーにて分離した。さらにヘキサンによる再結晶を2
回行って、目的の化合物を0.68g得た。得られた化
合物を1H−NMRスペクトルで測定した結果、下記構
造式で表される化合物(1−7)であった。
のとおりであった。1 H−NMR:δ0.95(6H、t)、1.34−1.
53(8H、m)、1.79−1.89(4H、m)、4.
03(4H、t)、7.15(2H、dd)、7.28(2
H、d)、7.96(2H、d)
することができる。
成物Aに5重量%添加し、液相まで昇温、混合して組成
物1を調製した。組成物1及び組成物Aの屈折率異方性
Δnを実施例1と同様に測定したところ、組成物AのΔ
nは0.088であったのに対して、化合物(1−4)を
添加した組成物1のΔnは0.106であった。従っ
て、本発明の化合物を添加した組成物1の方が組成物A
よりもΔnが大きくなることから本発明の化合物は屈折
率異方性を向上させることが分かる。
するベンゾチアゾール化合物及びこの化合物を用いた液
晶組成物は、屈折率異方性が大きく、安定で、他液晶に
混合し易く、例えば、STN(超ねじれネマティック)型
液晶素子やPDLC(ポリマー分散型液晶)型液晶素子に
代表される液晶素子を構成する材料として特に有用であ
る。本発明の式(IM−1)で示される化合物は、上記ベ
ンゾチアゾール化合物の製造に有用な化合物であり、こ
れを用いた本発明の製造法では、ほんはつめいのベンゾ
チアゾール化合物を容易に得ることができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 式(1)で示されるベンゾチアゾール化合
物。 【化1】 (式中、mは0〜2の整数を示す。Aは、 【化2】 のいずれかを示す(ここで、Xはフッ素原子または炭素
数1〜10のアルキル基を表す。sは0〜4の整数であ
り、p及びrは各々独立に0〜3の整数である)。R1及
びR2は、それぞれ独立に水素原子、フッ素原子、シア
ノ基、4−R3−(シクロアルキル)基、4−R3−(シク
ロアルケニル基)又はR4−(O)q基を示す(ここで、R3
は水素原子、直鎖もしくは分枝のフッ素原子で置換され
ていても良い炭素数1〜12のアルキル基を示し、R4
は直鎖もしくは分枝のフッ素原子で置換されていても良
い炭素数1〜12のアルキル基を示す。qは0又は1を
示す)。また、R1及びR2が同時に水素原子になること
はない。) - 【請求項2】 式(IM−1)で示される化合物。 【化3】 (式中、R1はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、シ
アノ基、4−R3−(シクロアルキル)基、4−R3−(シ
クロアルケニル基)又はR4−(O)q基を示す(ここで、
R3は水素原子、直鎖もしくは分枝のフッ素原子で置換
されていても良い炭素数1〜12のアルキル基を示し、
R4は直鎖もしくは分枝のフッ素原子で置換されていて
も良い炭素数1〜12のアルキル基を示す。qは0又は
1を示す。)。) - 【請求項3】 請求項2記載の式(IM−1)で示される
化合物と、式(IM−2)で示される誘導体とを、パラジ
ウム触媒及び塩基性物質の存在下に反応させることを特
徴とする、請求項1記載の式(1)で示される化合物の製
造法。 【化4】 (式中、Aは、 【化5】 のいずれかを示す(ここで、Xはフッ素原子または炭素
数1〜10のアルキル基を表す。sは0〜4の整数であ
り、p及びrは各々独立に0〜3の整数である)。R
2は、それぞれ独立に水素原子、フッ素原子、シアノ
基、4−R3−(シクロアルキル)基、4−R3−(シクロ
アルケニル基)又はR4−(O)q基を示す(ここで、R3は
水素原子、直鎖もしくは分枝のフッ素原子で置換されて
いても良い炭素数1〜12のアルキル基を示し、R4は
直鎖もしくは分枝のフッ素原子で置換されていても良い
炭素数1〜12のアルキル基を示す。qは0又は1を示
す)。X1はIまたはBrを示す。) - 【請求項4】 請求項1記載の式(1)で示される化合物
を少なくとも1種含有することを特徴とする液晶組成
物。 - 【請求項5】 請求項4記載の液晶組成物を一対の電極
基板間に挟持してなることを特徴とする液晶素子。
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