JP5527522B2 - 新規なジアマンタン化合物、液晶性化合物及び液晶組成物 - Google Patents

新規なジアマンタン化合物、液晶性化合物及び液晶組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP5527522B2
JP5527522B2 JP2010003107A JP2010003107A JP5527522B2 JP 5527522 B2 JP5527522 B2 JP 5527522B2 JP 2010003107 A JP2010003107 A JP 2010003107A JP 2010003107 A JP2010003107 A JP 2010003107A JP 5527522 B2 JP5527522 B2 JP 5527522B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
diamantane
liquid crystal
group
phase
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010003107A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011140472A (ja
JP2011140472A5 (ja
Inventor
泰 横山
俊 生方
剛史 具志堅
仁詩 真崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yokohama National University NUC
Eneos Corp
Original Assignee
JXTG Nippon Oil and Energy Corp
Yokohama National University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JXTG Nippon Oil and Energy Corp, Yokohama National University NUC filed Critical JXTG Nippon Oil and Energy Corp
Priority to JP2010003107A priority Critical patent/JP5527522B2/ja
Publication of JP2011140472A publication Critical patent/JP2011140472A/ja
Publication of JP2011140472A5 publication Critical patent/JP2011140472A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5527522B2 publication Critical patent/JP5527522B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Liquid Crystal Substances (AREA)

Description

本発明は、新規なジアマンタン化合物及びこれからなる液晶性化合物並びにこの液晶性化合物を含有してなる液晶組成物に関する。
液晶表示素子は、時計、電卓をはじめとして、各種測定機器、自動車用パネル、ワードプロセッサー、電子手帳、プリンター、コンピューター、テレビ等に用いられている。液晶表示素子は、液晶物質が持つ光学異方性及び誘電異方性を利用したものである。
液晶表示方式としては、その代表的なものにTN(捩れネマチック)型、STN(超捩れネマチック)型、DS(動的光散乱)型、GH(ゲスト・ホスト)型、FLC(強誘電性液晶)等があり、また駆動方式としても従来のスタティック駆動からマルチプレックス駆動が一般的になり、更に単純マトリックス方式、最近ではアクティブマトリックス方式が実用化されている。
これらの表示方式や駆動方式に応じて、液晶材料としても種々の特性が要求されており、このためこれまでにも非常に多くの液晶性化合物が合成されている。
液晶性化合物に要求される性質は、その表示方式によって若干異なるが、液晶温度範囲が広いこと、水分、空気、光、熱、電界等に対して安定であること等は、いずれの表示方式においても共通して要求される。
現在のところ低温から高温まで広範な温度範囲で安定した液晶性を示す物質は見出されていない。
通常の環境下で問題のない液晶性を得るためには、数種の液晶性化合物を混合し、又は非液晶性化合物を更に混合して、その融点や液晶転移温度を低下せしめればよいが、その場合、車載用途など夏場の高温環境における安定した液晶性が失われてしまう。
一方、液晶性化合物中に芳香環を増やし液晶転移温度を上げれば高温で安定した液晶性を得ることができるが、その場合、融点も同時に上がってしまい、低温での動作性が悪くなってしまう。また、芳香環が増えることにより複屈折の波長分散が増大するなど、光学的にも弊害が出る可能性がある。
液晶には、2大別して、サーモトロピック液晶とリオトロピック液晶とがあるが、サーモトロピック液晶のうち、棒状分子からなるカラミティック液晶がエレクトロニクス技術と融合して盛んに研究が進められている。
カラミティック液晶相にはネマチック液晶相、スメクチック液晶相及びコレステリック液晶相がある。コレステリック液晶相は、ネマチック液晶が不斉要素をもった場合、又はネマチック液晶に不斉な添加剤(カイラルドーパントという)を加えた場合に出現する相である。一般に液晶性を示す物質は、温度が上昇するにつれて、結晶又は固体からスメクチック相、そしてネマチック相へと相変化をし、更に温度が上昇すると等方性液体となる。ネマチック液晶相では、分子はある程度揃った配向を有しているが、分子の位置に関しては規則性がない。ネマチック液晶の各々の分子は、その長軸方向に自由に動くことができるので、粘性が小さいという利点を有している。また、ネマチック液晶相の自由エネルギーは、分子の配向方向に拘らず同じであるので、電界や配向処理等により分子の向きを一定方向に変えることができるため、液晶ディスプレイ等に広く応用されている。
このことから、液晶がこのネマチック相を示す温度範囲の下限、即ち、結晶や固体、あるいはスメクチック相からネマチック相へ転移する温度が低いことが好ましく、また、ネマチック相から等方性液体に変わる温度(ネマチックアイソトロピック転移温度:TNI。一般に、「透明点」といわれる。)(以下、「N−I転移温度」という。)が高く、ネマチック相を示す温度範囲が広いことが好ましい。
これまで、高い透明点を有する液晶性化合物がいくつか報告されている。特許文献1には、トランス−1−シラ−1,4−シクロへキシレン基又はトランス−4−シラ−1,4−シクロへキシレン基と、トランス−1,4−シクロへキシレン基とが連結し、これがカルボニルオキシ基を介してベンゼン環と結合した骨格を有する化合物が記載されており、50℃〜171℃のN−I転移温度が報告されている。
また、特許文献2には、1−(4−メチルベンジリデン)−2−[4−(トランス−4−プロピル)シクロヘキシルベンジリデン]ヒドラジン等の3環性アジンが、227℃〜265℃のN−I転移温度を有することが示され、これらをN−I転移温度116.7℃のホスト液晶に混合することにより、N−I転移温度を144℃〜157℃に上昇させたことが報告されている。
更に、非特許文献1には、1−(4−シアノフェニル)−4−アルキル置換ビシクロ[2.2.2.]オクタンが90〜100℃のN−I転移温度を示すことが報告されている。
しかしながら、これらの文献に開示された液晶性化合物のN−I転移温度が十分に高いものであるとは言いがたい。
本発明者らは、先に、ジアマンタン骨格を有する特定構造の化合物、これからなる液晶性化合物及び液晶性化合物を含有してなる液晶性組成物について、報告した(特許文献3)。
特開平8−119975号公報 特開平11−71338号公報 国際公開第2009/113155号パンフレット
G.W.Grayら、J.Chem.Soc.Perkin II、4765(1981)
上記ジアマンタン骨格を有する液晶性化合物は、容易に合成でき、熱安定性に優れ、それまでに報告された液晶材料に比べて、遥かに高温で液晶性を示すものである。
しかしながら、上記液晶性化合物は、典型的には、結晶から、スメクチック相を経てネマチック相に転移し、更に等方相(アイソトロピック相)へと転移するものである。
また、上記報告したものの中には、ネマチック相のみを示すものもあるが、ネマチック相を示す温度範囲は数十度である。
ディスプレイ材料に用いる液晶性化合物としては、広い温度範囲でネマチック相のみを示すものが好ましいことを考慮すると、更に改良の余地がないとはいえない。
従って、本発明の課題は、新規なジアマンタン化合物、特に液晶性に優れた化合物となり得る化合物、とりわけ、広い温度範囲でネマチック相のみを示す液晶性化合物となり得る化合物を提供することにある。
本発明者らは、ジアマンタン骨格を有する化合物について研究を進め、ジアマンタン化合物の構造を非対称とすることにより、上記課題を達成できることを見出し、この知見に基づいて、本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、
一般式(I)で表わされる非対称ジアマンタン化合物が提供される。
一般式(I)において、Rは、不飽和結合を有していてもよい炭素数1〜20の直鎖炭化水素基;Xは、存在しないか又は酸素原子(−O−)、オキシカルボニル基(−O−C(=O)−)若しくはカルボニルオキシ基(−C(=O)−O−);Yは、シアノ基又は一般式(II)で表わされる基である。
一般式(II)において、Rは、水素原子又は炭素数1〜12の直鎖炭化水素基;Rは、フッ素原子を一つ以上含む炭素数1〜12のアルキル基;j、k及びmは、それぞれ、0〜5の整数;但し、1≦(j+k+m)≦5である。nは、n=5−(j+k+m)を満たす整数である。
本発明の非対称ジアマンタン化合物は、一般式(II)において、j、k及びmのうち、いずれか1つのみが正の整数であり、他の2つは0であり、jが正の整数であるときはj=1であり、mが正の整数であるときはm=1であるものが好ましい。
また、本発明によれば、上記一般式(I)で表わされる非対称ジアマンタン化合物からなる液晶性化合物が提供される。
また、本発明によれば、上記液晶性化合物を含有してなる液晶性組成物が提供される。
更に本発明によれば、上記液晶性組成物を含有してなる液晶表示素子が提供される。
本発明の非対称ジアマンタン化合物は、容易に合成できる新規な化合物であって、熱安定性に優れ、従来の液晶材料に比べて、遥かに高温で液晶性を示し、しかもネマチック相のみを示す。従って、単独で、また、他の液晶性化合物とからなる液晶性組成物として、車載用ディスプレイ等、高温度でも使用可能な液晶材料としての用途が期待できる。
(1)偏光顕微鏡によって昇温過程及び降温過程において観察された4−(4−シアノフェニル)−9−(4−ヘプチルフェニル)ジアマンタン(3)の光学組織
214℃(昇温過程)(ラビング基板) 265℃(昇温過程)(非ラビング基板) 192℃(降温過程)(ラビング基板) 232℃(降温過程)(非ラビング基板)。
(2)偏光顕微鏡によって昇温過程及び降温過程において観察された4−(3’,4’,5’−トリフルオロ−4−ビフェニル)−9−(4−ヘプチルフェニル)ジアマンタン(5)の光学組織
220℃(昇温過程)(ラビング基板) 184℃(昇温過程)(非ラビング基板) 229℃(降温過程)(ラビング基板) 253℃(降温過程)(非ラビング基板)。
(3)偏光顕微鏡によって昇温過程及び降温過程において観察された4−(3’,4’−ジフルオロ−4−ビフェニル)−9−(4−ヘプチルフェニル)ジアマンタン(7)の光学組織
211℃(昇温過程)(ラビング基板) 199℃(昇温過程)(非ラビング基板) 281℃(降温過程)(ラビング基板) 308℃(降温過程)(非ラビング基板)。
(4)偏光顕微鏡によって昇温過程及び降温過程において観察された4−(2’,3’−ジフルオロ−4−ビフェニル)−9−(4−ヘプチルフェニル)ジアマンタン(9)の光学組織
265℃(昇温過程)(非ラビング基板) 281℃(降温過程)(非ラビング基板)
本発明の非対称ジアマンタン化合物は、一般式(I)で表わされる。
一般式(I)において、Rは、不飽和結合を有していてもよい炭素数1〜20の直鎖炭化水素基;Xは、存在しないか又は酸素原子(−O−)、オキシカルボニル基(−O−C(=O)−)若しくはカルボニルオキシ基(−C(=O)−O−);Yは、シアノ基又は一般式(II)で表わされる基である。
一般式(II)において、Rは、水素原子又は炭素数1〜12の直鎖炭化水素基;Rは、フッ素原子を一つ以上含む炭素数1〜12のアルキル基;j、k及びmは、それぞれ、0〜5の整数;但し、1≦(j+k+m)≦5である。nは、n=5−(j+k+m)を満たす整数である。
で示される炭素数1〜20の直鎖炭化水素基は、1つ以上の炭素−炭素不飽和結合を有していてもよい。直鎖炭化水素基は、直鎖アルキル基であることが好ましく、この場合は、分子が真直ぐに伸びた剛直構造をとるので、隣接分子との相互作用が増すため、優れた液晶性を示す。
の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソアミル基、イソデシル基、2−エチルヘキシル基等を挙げることができる。
で示される炭素数1〜12の直鎖炭化水素基は、1つ以上の炭素−炭素不飽和結合を有していてもよい。
の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソアミル基、イソデシル基、2−エチルヘキシル基等を挙げることができる。
一般式(II)において、シアノ基の数j、フッ素原子の数k及びフッ素原子を一つ以上含む炭素数1〜12のアルキル基Rの数mは、それぞれ、0〜5であり、1≦(j+k+m)≦5である。即ち、j、k及びmの少なくともいずれかは少なくとも1であり、j、k及びmの合計は5以下である。換言すると、一般式(II)に示されるベンゼン環の水素原子の少なくとも1つは、シアノ基、フッ素原子、及びフッ素原子を一つ以上含む炭素数1〜12のアルキル基Rのいずれかで置換されており、5個全ての水素原子がこれらで置換されていてもよく、複数の水素原子が置換されている場合、シアノ基、フッ素原子、及びフッ素原子を一つ以上含む炭素数1〜12のアルキル基Rは、任意の組合せで、複数存在してもよい。
で示される水素原子又は炭素数1〜12の直鎖炭化水素基の数nは、n=5−(j+k+m)を満たす整数である。即ち、一般式(II)に示されるベンゼン環の水素原子のうち、シアノ基、フッ素原子及びフッ素原子を一つ以上含む炭素数1〜12のアルキル基Rのいずれかで置換されていないものは、炭素数1〜12の直鎖炭化水素基で置換されていてもよく、その数は0〜4である。
一般式(I)で表わされる非対称ジアマンタン化合物のうち、Yがシアノ基であるジアマンタン化合物は、式(III−1)で表わされる。
一般式(III−1)で表わされるジアマンタン化合物の好適な例として、一般式(III−1a)の化合物を挙げることができる。
一般式(I)で表わされる非対称ジアマンタン化合物のうち、Yが一般式(II)で表わされる基であるジアマンタン化合物は、式(III−2)で表わされる。
一般式(III−2)において、Rは、水素原子又は炭素数1〜12の直鎖炭化水素基;Rは、フッ素原子を一つ以上含む炭素数1〜12のアルキル基;j、k及びmは、それぞれ、0〜5の整数;但し、1≦(j+k+m)≦5である。nは、n=5−(j+k+m)を満たす整数である。
一般式(III−2)において、j、k及びmのうち、いずれか1つのみが正の整数であり、他の2つは0であり、jが正の整数であるときはj=1であり、mが正の整数であるときはm=1であるジアマンタン化合物が好ましい。
本発明において、j=1であるときのジアマンタン化合物は、式(III−2a)で表わされる。
一般式(III−2a)において、シアノ基の位置は、特に限定されないが、シアノ基を有するフェニル基の、ジアマンチレン基に結合したフェニレン基との結合位置に対して、p−位にあるのが好ましい。
一般式(III−2a)で示されるジアマンタン化合物の好適な例として、下記の化合物を示すことができる。
本発明において、kが正の整数であるときのジアマンタン化合物は、式(III−2b)で表わされる。
一般式(III−2b)において、フッ素原子の数は、特に限定されないが、複数であることが好ましい。また、フッ素原子の位置は、特に限定されないが、複数のフッ素原子が存在するときは、それらのうちの少なくとも2つが、ベンゼン環内の隣接する炭素原子に、それぞれ、結合していることが好ましい。
一般式(III−2b)で示されるジアマンタン化合物の好適な例として、下記の化合物を示すことができる。
上記式(III−2b1)〜(III−2b2)で表わされるジアマンタン化合物の特に好適な例として、Rがn−ヘプチル基であるジアマンタン化合物を挙げることができる。
これらの式を以下に示す。
上記式(III−2b3)で表わされるジアマンタン化合物の特に好適な例として、Rがn−ヘプチル基であり、Rが水素原子又はプロピル基であるジアマンタン化合物を挙げることができる。
これらの式を以下に示す。
本発明において、m=1であるときのジアマンタン化合物は、式(III−2c)で表わされる。
一般式(III−2c)において、フッ素原子を一つ以上含む炭素数1〜12のアルキル基Rの位置は、特に限定されないが、アルキル基Rを有するフェニル基の、ジアマンチレン基に結合したフェニレン基との結合位置に対して、p−位にあるのが好ましい。
一般式(III−2c)で示されるジアマンタン化合物の好適な例として、下記の化合物を示すことができる。
上記式(III−2c1)で表わされるジアマンタン化合物の特に好適な例として、Rがn−ヘプチル基であるジアマンタン化合物を挙げることができる。
その式を以下に示す。
一般式(I)で表わされるジアマンタン化合物は、式(S−A)に示す合成ルートによって得ることができる。
式(S−A)において、(R−X)’は、(R−X)の前駆体基(例えば、(R−X)がアルキル基である場合の、対応するアルキニル基等)を表わす。また、→ → は、複数の工程があり得ることを示す。
本発明のジアマンタン化合物は、通常の有機化合物の合成原料としても勿論使用できるが、液晶性化合物として優れている。
液晶性化合物としては、一般式(III−2a)、(III−2b)及び(III−2c)で表わされるジアマンタン化合物、とりわけ、一般式(III−2a1)、(III−2b1)〜(III−2b3)及び(III−2c1)で表わされるジアマンタン化合物が有用である。
本発明のジアマンタン化合物からなる液晶性化合物は、他の液晶性化合物と混合して、液晶性組成物とすることができる。
液晶性組成物における本発明のジアマンタン化合物からなる液晶性化合物の比率は、特に限定されず、併用される他の液晶性化合物の特性、組成物の粘度、動作温度、用途等を考慮して、適宜、選定することができる。
また、本発明の液晶性組成物は、誘電異方性や粘度等の液晶相の性質を変化させるための添加剤、二色性色素、あるいはコレステリック相を誘起するための添加剤(カイラルドーパント)等を含んでいてもよい。
本発明の液晶性組成物を所望形状の電極を有する透明基板間に封入して液晶表示素子を得ることができる。液晶表示素子は、必要に応じて、各種アンダーコート、配向制御用オーバーコート、偏光板、フィルター、反射層等を有してもよい。また、多層セルとしたり、他の表示素子と組み合わせたり、半導体基板を用いたり、或いは光源を用いたりすることもできる。
液晶表示素子の駆動方法としては、ツイステッドネマチック(TN)方式、スーパーツイステッドネマチック(STN)方式、ゲスト−ホスト(GH)方式、ダイナミックスキャタリング(DS)方式、電界制御複屈折(ECB)方式、バーティカルアライメント(VA)方式、インプレーンスイッチング(IPS)方式等、液晶表示素子の業界で公知の方式を採用することができる。
以下に合成例及び実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
化合物の構造は、プロトン核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)、質量スペクトル(MS)及び赤外吸収スペクトル(IR)により確認した。
プロトン核磁気共鳴スペクトルの測定条件は、Bruker社製、「DRX300」又はJEOL社製「EX270」を用いて、300MHz又は270MHzで、CDCl中、TMSを標準として測定した。シグナルの位置は、δ/ppmで示す。
赤外吸収スペクトルは、JASCO社製、「FT/IR−4100」を用い、ダイヤモンドプリズム又はZnSeプリズムを用いて、ニート試料について、全反射測定法で測定した。吸収の位置は、波数(cm−1)で示す。
低分解能質量スペクトルは、日本電子社製、「JMS−AX−600」を用いて、EIイオン化法で測定した。強度を相対強度で示す。
相転移温度の測定は、温度調節ステージ(METTLER社製、「FP82HT」)を備えた偏光顕微鏡(OLYMPUS社製、「PXP50」)と示差走査熱量計(DSC)(セイコーインスツルメンツ社製、「DSC6100」)を併用して行った。
示差熱量測定は0.8〜1.3mgの試料を用い、窒素雰囲気下で行った。温度走査速度は、昇温過程、降温過程ともに10℃/minとした。
偏光顕微鏡観察は、液晶試料をラビング配向処理された基板(ラビング基板)で挟んだものと、単によく洗浄したガラス基板(非ラビング基板)で挟んだもので行った。結晶状の試料をいったん等方相(分解するものに関しては流動性のある液晶相)温度まで昇温し、基板をよくすり合わせて液晶をガラスになじませてから再び冷却し、結晶相から昇温過程の観察を行い、等方相に転移したところから、冷却を開始し、降温過程の観察を行った。また必要に応じて、基板にずり応力を加えたり、温度を一定に保ったりなどして、液晶相光学組織の変化の様子を観察した。
(実施例1)
(4−(4−シアノフェニル)−9−(4−ヘプチルフェニル)ジアマンタン(3)の合成)
〔工程1:4−(4−(1−ヘプチニル)フェニル)−9−(4−ヨードフェニル)ジアマンタン(1)の合成〕
300mlの2つ口丸底フラスコに、4,9−ビス(4−ヨードフェニル)ジアマンタン(2.00g,3.38mmol,1.0eq.)、ヨウ化銅(I)(41.8mg,0.22mmol,0.07eq.)及びスピナーを入れ、還流管及び風船を取り付け、系内を窒素置換した。系内にピペリジン(200ml)を加え加熱還流した。ジアマンタンが完溶した後、75℃まで冷却した。窒素を流しながら、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(94.9mg,0.14mmol,0.04eq.)を加えた。更に、1−ヘプチン(327.0mg,3.38mmol,1.0eq.)をシリンジで加え、0.5時間還流した。溶液を室温まで冷却し一晩放置した。析出した白色結晶を濾別した後、0.5M塩化アンモニウム水溶液を加えた。水層をクロロホルムで3回抽出し、集めた有機層を水で、次いで飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧留去した後、フラッシュカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:10%クロロホルム/ヘキサン)で精製し、粗4−(4−(1−ヘプチニル)フェニル)−9−(4−ヨードフェニル)ジアマンタン(1)の白色粉末を得た。
収量:706.6mg(1.26mmol)
収率:37%
H−NMR(270MHz,CDCl,TMS)δ/ppm:
0.92(3H,t,J/Hz=7.1),1.31−1.65(6H,m),1.91(6H,br.s),1.92(6H,br.s),1.94(6H,br.s),2.39(2H,t,J/Hz=7.1),7.13(2H,d(AA’BB’),J/Hz=8.7),7.29(2H,d(AA’BB’),J/Hz=8.7),7.36(2H,d(AA’BB’),J/Hz=8.7),7.63(2H,d(AA’BB’),J/Hz=8.6).
IR(ATR:ダイヤモンドプリズム,ニート)ν/cm−1
3080(w),3031(w),2913(s),2875(s),2850(m),1509(m),1487(m),1459(m),1439(m),1392(m),1351(w),1287(w),1270(w),1254(w),1112(w),1074(m),1048(m),1003(m),984(m),964(m),831(m),820(m),796(m),716(m),556(m).
LRMS(EI,70eV)m/z(相対強度):
560(M,100),531(18),503(6.8),389(87),262(16).
〔工程2:4−(4−シアノフェニル)−9−(4−(1−ヘプチニル)フェニル)ジアマンタン(2)の合成〕
100mlの2つ口丸底フラスコに、シアン化カリウム(80.2mg,1.23mmol,3.0eq.)及びジベンゾ−18−クラウン−6(444mg,1.23mmol(THF(2.0ml)を加え75℃に加熱した。系内に、4−(4−(1−ヘプチニル)フェニル)−9−(4−ヨードフェニル)ジアマンタン(1)(230mg,0.41mmol,1.0eq.)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(94.8mg,0.082mmol,0.2eq.)及びTHF10mlを加え、6.0時間加熱還流した。溶液を室温まで冷却し、飽和食塩水を加えた。水層をクロロホルムで3回抽出し、集めた有機層を水で、次いで飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧留去した後、フラッシュカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:20%クロロホルム/ヘキサン)で精製し、得られた白色固体(129.9mg)をクロロホルム/メタノール混合溶媒中から再結晶して、4−(4−シアノフェニル)−9−(4−(1−ヘプチニル)フェニル)ジアマンタン(2)の白色針状結晶を得た。
収量:101.8mg(0.222mmol)
収率:54%
H−NMR(300MHz,CDCl,TMS)δ/ppm:
0.88(3H,t,J/Hz=6.9),1.28−1.33(8H,m),1.52−1.64(2H,m),1.95(12H,br.s),1.97(6H,br.s),2.58(2H,t,J/Hz=7.8),(2H,d(AA’BB’),J/Hz=8.6),7.36(2H,d(AA’BB’),J/Hz=8.7),7.62(2H,d(AA’BB’),J/Hz=8.5).
IR(ATR:ダイヤモンドプリズム,ニート)ν/cm−1
3071(w),3055(w),3032(w),2912(s),2896(s),2881(s),2848(s),2233(m),1606(m),1506(m),1460(m),1440(m),1271(m),1050(m),987(m),835(s),797(m),563(m),553(m).
LRMS(EI,70eV)m/z(相対強度):
459(M,58),444(3)430(15),403(7),288(100).
〔工程3:4−(4−シアノフェニル)−9−(4−ヘプチルフェニル)ジアマンタン(3)の合成〕
50mlの2つ口丸底フラスコに、10%Pd−C(37.7mg,20wt%)、THF3ml及びスピナーを入れ、風船を取り付け、系内を水素置換した。10分ほど攪拌した後、4−(4−シアノフェニル)−9−(4−(1−ヘプチニル)フェニル)ジアマンタン(2)(188.7mg,0.14mmol,1.0eq.)及びTHF3mlをシリンジで加え、室温で24時間攪拌した。その後、10%Pd−Cを濾別し、溶媒を減圧蒸留した後、フラッシュカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:30%クロロホルム/ヘキサン)で精製し、得られた白色固体をクロロホルム/メタノール混合溶媒中から再結晶して、4−(4−シアノフェニル)−9−(4−(1−ヘプチル)フェニル)ジアマンタン(3)の白色薄片状結晶を得た。
収量:72.2mg(0.156mmol)
収率:38%
H−NMR(270MHz,CDCl,TMS)δ/ppm:
0.88(3H,t,J/Hz=6.9),1.25−1.31(4H,m),1.57−1.63(2H,m),1.95(6H,br.s),1.97(12H,br.s),2.58(2H,t,J/Hz=7.8),7.15(2H,d(AA’BB’),J/Hz=8.5),7.31(2H,d(AA’BB’),J/Hz=8.3),7.50(2H,d(AA’BB’),J/Hz=8.9),7.62(2H,d(AA’BB’),J/Hz=8.7).
IR(ATR:ダイヤモンドプリズム,ニート)ν/cm−1
2914(s),2881(s),2850(s),2227(m),1605(m),1505(m),1468(m),1439(m),1219(w),1075(w),1049(m),833(m),796(m),772(m),563(m),540(w).
LRMS(EI,70eV)m/z(相対強度):
463(M,100),378(87),288(25).
(実施例2)
(4−(3’,4’,5’−トリフルオロ−4−ビフェニル)−9−(4−ヘプチルフェニル)ジアマンタン(5)の合成)
〔工程1:4−(3’,4’,5’−トリフルオロ−4−ビフェニル)−9−(4−(1−ヘプチニル)フェニル)ジアマンタン(4)の合成〕
50mlの2つ口丸底フラスコに、4−(4−(1−ヘプチニル)フェニル)−9−(4−ヨードフェニル)ジアマンタン(1)(200mg,0.36mmol,1.0eq.)及びスピナーを入れ、還流管及び風船を取り付け、系内を窒素置換した。シリンジでDMF(3ml)を加え、10分間、窒素でバブリングを行った。その後、系内に、3,4,5−トリフルオロフェニルボロン酸(103.1mg,0.59mmol,1.6eq.)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(30.6mg,0.026mmol,7.4mol%)、フッ化セシウム(162.5mg,1.1mmol,3.0eq.)及び酸化銀(99.2mg,0.43mmol,1.2eq.)を加え、100℃に加熱し7.0時間攪拌した。溶液を室温まで冷却し、ショートカラムにてPd触媒を除去した。溶媒を減圧留去した後、フラッシュカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:15%クロロホルム/ヘキサン)で精製し、4−(3’,4’,5’−トリフルオロ−4−ビフェニル)−9−(4−(1−ヘプチニル)フェニル)ジアマンタン(4)の白色固体を得た。
収量:147mg(0.261mmol)
収率:73%
H−NMR(300MHz,CDCl,TMS)δ/ppm:
0.92(3H,t,J/Hz=7.2),1.32−1.46(4H,m),1.54−1.63(2H,m),1.95(6H,br.s),2.01(12H,br.s),2.40(2H,t,J/Hz=7.05),7.17(1H,d(AA’BB’),J/Hz=6.6),7.20(1H,d(AA’BB’),J/Hz=6.6),7.31(2H,d(AA’BB’),J/Hz=8.16),7.37(2H,d(AA’BB’),J/Hz=8.16),7.48(4H,s).
IR(ATR:ダイヤモンドプリズム,ニート)ν/cm−1
3082(w),3055(w),2916(m),2882(m),2851(m),1616(m),1566(w),1538(m),1509(m),1459(w),1441(m),1400(m),1362(m),1270(w),1251(m),1040(m),984(w),863(w),830(m),712(w).
LRMS(EI,70eV)m/z(相対強度):
564(M,89),535(18),507(7),393(100).
〔工程2:4−(3’,4’,5’−トリフルオロ−4−ビフェニル)−9−(4−ヘプチルフェニル)ジアマンタン(5)の合成〕
50mlの2つ口丸底フラスコに、10%Pd−C(53.7mg,40wt%)、THF2ml及びスピナーを入れ、風船を取り付け系内を水素置換した。10分ほど攪拌した後、4−(3’,4’,5’−トリフルオロ−4−ビフェニル)−9−(4−(1−ヘプチニル)フェニル)ジアマンタン(4)(134.2mg,0.24mmol,1.0eq.)及びTHF1mlをシリンジで加え、室温で20時間攪拌した。その後、10%Pd−Cを濾別し、溶媒を減圧蒸留した後、フラッシュカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:18%クロロホルム/ヘキサン)で精製し、得られた白色固体をクロロホルム/メタノール混合溶媒中から再結晶して、4−(3’,4’,5’−トリフルオロ−4−ビフェニル)−9−(4−ヘプチルフェニル)ジアマンタン(5)の白色薄片状結晶を得た。
収量:99mg(0.174mmol)
収率:73%
H−NMR(300MHz,CDCl,TMS)δ/ppm:
0.88(3H,t,J/Hz=7.0),1.28−1.32(4H,m),1.54−1.61(2H,m),1.98(18H,br.s),2.58(2H,t,J/Hz=7.8),7.15(2H,d(AA’BB’),J/Hz=8.1),7.17(1H,d(AA’BB’),J/Hz=6.4),7.20(1H,d(AA’BB’),J/Hz=6.6),7.32(2H,d(AA’BB’),J/Hz=8.3),7.48(4H,s).
IR(ATR:ダイヤモンドプリズム,ニート)ν/cm−1
2912(s),2872(s),2856(s),1603(m),1531(m),1505(s),1457(m),1437(w),1397(w),1308(w),1279(m),1182(m),1123(w),829(m),810(m),795(m),775(s),540(m).
LRMS(EI,70eV)m/z(相対強度):
568(M,100),483(62),393(16).
(実施例3)
(4−(3’,4’−ジフルオロ−4−ビフェニル)−9−(4−ヘプチルフェニル)ジアマンタン(7)の合成)
〔工程1:4−(3’,4’−ジフルオロ−4−ビフェニル)−9−(4−(1−ヘプチニル)フェニル)ジアマンタン(6)の合成〕
50mlの2つ口丸底フラスコに、4−(4−(1−ヘプチニル)フェニル)−9−(4−ヨードフェニル)ジアマンタン(1)(200mg,0.36mmol,1.0eq.)及びスピナーを入れ、還流管及び風船を取り付け、系内を窒素置換した。シリンジでDMF(3ml)を加え、10分間、窒素でバブリングを行った。系内に、3,4−ジフルオロフェニルボロン酸(93.0mg,0.59mmol,1.6eq.)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(30.6mg,0.026mmol,7.4mol%)、フッ化セシウム(162.5mg,1.1mmol,3.0eq.)及び酸化銀(99.2mg,0.43mmol,1.2eq.)を加え、100℃に加熱し10時間攪拌した。溶液を室温まで冷却し、ショートカラムにてPd触媒を除去した。溶媒を減圧留去した後、フラッシュカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:15%クロロホルム/ヘキサン)で精製し、4−(3’,4’−ジフルオロ−4−ビフェニル)−9−(4−(1−ヘプチニル)フェニル)ジアマンタン(6)の白色固体を得た。
収量:151mg(0.277mmol)
収率:77%
H−NMR(300MHz,CDCl,TMS)δ/ppm:
0.92(3H,t,J/Hz=7.2),1.32−1.48(4H,m),1.56−1.63(2H,m),1.95(6H,br.s),2.0(12H,br.s),2.39(2H,t,J/Hz=7.1),7.18−7.41(3H,m),7.31(2H,d(AA’BB’),J/Hz=8.7),7.37(2H,d(AA’BB’),J/Hz=8.7),7.48(4H,s).
IR(ATR:ZnSeプリズム,ニート)ν/cm−1
3081(w),3034(w),2911(s),2868(s),2848(s),1603(w),1530(w),1504(s),1457(w),1437(w),1397(w),1308(w),1280(m),1232(w),1180(w),1122(w),1075(w),1050(w),984(w),941(w),902(w),869(w),830(m),811(m),797(w),730(w).
LRMS(EI,70eV)m/z(相対強度):
546(M,95),375(100),171(5).
〔工程2:4−(3’,4’−ジフルオロ−4−ビフェニル)−9−(4−ヘプチルフェニル)ジアマンタン(7)の合成〕
50mlの2つ口丸底フラスコに、10%Pd−C(53.7mg,40wt%)、THF2ml及びスピナーを入れ、風船を取り付け系内を水素置換した。10分ほど攪拌した後、4−(3’,4’−ジフルオロ−4−ビフェニル)−9−(4−(1−ヘプチニル)フェニル)ジアマンタン(6)(134.2mg,0.24mmol,1.0eq.)及びTHF1mlをシリンジで加え、室温で20時間攪拌した。その後、10%Pd−Cを濾別し、溶媒を減圧蒸留した後、フラッシュカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:18%クロロホルム/ヘキサン)で精製し、得られた白色固体をクロロホルム/メタノール混合溶媒中から再結晶して、4−(3’,4’−ジフルオロ−4−ビフェニル)−9−(4−ヘプチルフェニル)ジアマンタン(7)の白色薄片状結晶を得た。
収量:98mg(0.179mmol)
収率:79%
H−NMR(300MHz,CDCl,TMS)δ/ppm:
0.88(3H,t,J/Hz=6.8),1.28−1.33(8H,m),1.55−1.63(2H,m),1.97(6H,br.s),1.99(12H,br.s),2.58(2H,t,J/Hz=7.8),7.15(2H,d(AA’BB’),J/Hz=8.3),7.15−7.41(3H,m),7.32(2H,d(AA’BB’),J/Hz=8.3),7.48(4H,s).
IR(ATR:ダイヤモンドプリズム,ニート)ν/cm−1
2911(s),2872(s),2856(s),1602(m),1531(m),1505(s),1457(m),1437(w),1397(m),1308(m),1279(m),1182(m),1123(m),829(m),810(m),795(m),775(m),540(m).
LRMS(EI,70eV)m/z(相対強度):
549(M,100),465(53),375(11).
(実施例4)
(4−(2’,3’−ジフルオロ−4−ビフェニル)−9−(4−ヘプチルフェニル)ジアマンタン(9)の合成)
〔工程1:4−(2’,3’−ジフルオロ−4−ビフェニル)−9−(4−(1−ヘプチニル)フェニル)ジアマンタン(8)の合成〕
30ml二つ口丸底フラスコに4−(4−(1−ヘプチニル)フェニル)−9−(4−ヨードフェニル)ジアマンタン(1)(87.1mg,0.156mmol,1.0eq.)、2,3−ジフルオロフェニルボロン酸(32.6mg,0.229mmol,1.5eq.)及びスピナーを加え、y字管、還流管及び風船を取り付け、系内を窒素置換した。これに20分間窒素バブリングを行ったDMF(4ml)を加えた後、窒素気流下でテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(18.2mg,0.0156mmol,10mol%)、フッ化セシウム(47.8mg,0.315mmol,2.0eq.)及び酸化銀(43.1mg,0.147mmol,0.9eq.)を加えた。100℃で6時間、加熱攪拌を行い、室温まで冷却した。DMFに不溶の黒色沈殿を、シリカゲルのショートカラム(展開溶媒:クロロホルム)で除いた後、フラッシュカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/クロロホルム=9/1)で精製し、得られた白色固体をクロロホルムを良溶媒とし、メタノールを貧溶媒として用いて再沈殿し、粗4−(2’,3’−ジフルオロ−4−ビフェニル)−9−(4−(1−ヘプチニル)フェニル)ジアマンタン(8)の白色粉末を得た。
収量:46.1mg(0.0843mmol)
収率:54%
H−NMR(300MHz,CDCl,TMS)δ/ppm:
0.92(3H,t,J/Hz=7.2),1.32−1.50(4H,m),1.55−1.63(2H,m),1.95−2.02(18H,m),2.40(2H,t,J/Hz=7.1),7.10−7.22(3H,m),7.34(4H,d(AA’BB’),J/Hz=8.3),7.32(2H,d(AA’BB’),J/Hz=8.1),7.48−7.54(4H,m).
IR(ATR:ダイヤモンドプリズム,ニート)ν/cm−1
3084(w),3036(w),2912(s),2886(s),2848(m),1621(w),1589(w),1560(w),1516(w),1473(s),1437(w),1402(m),1378(w),1352(w),1313(w),1262(m),1215(w),1169(w),1099(w),1075(w),1050(w),1019(w),985(w),890(w),834(m),817(w),798(w),782(m),742(w).
LRMS(EI,70eV)m/z(相対強度):
547((M+1),36),546(M,81),517(13),489(6),375(100),282(14),203(26).
〔工程2:4−(2’,3’−ジフルオロ−4−ビフェニル)−9−(4−ヘプチルフェニル)ジアマンタン(9)の合成〕
30ml二つ口丸底フラスコに10%Pd−C(16.7mg,0.0157mmol,0.3eq.)及びスピナーを加え、系内を窒素置換した。THF1mlを加えた後、系内を水素置換し、1時間攪拌を行った。30mlナシフラスコに4−(2’,3’−ジフルオロ−4−ビフェニル)−9−(4−(1−ヘプチニル)フェニル)ジアマンタン(8)(30.4mg,0.0556mmol,1.0eq.)及びスピナーを加え、系内を窒素置換した。THF(2ml)を加え攪拌を行った。4−(2’,3’−ジフルオロ−4−ビフェニル)−9−(4−(1−ヘプチニル)フェニル)ジアマンタン(8)のTHF溶液を、先に調製したパラジウムカーボンのTHF懸濁液にカヌーラで滴下し(滴下後、THF1mlで洗浄)、室温で5時間攪拌を行った。パラジウムカーボンをシリカゲルショートカラム(展開溶媒:クロロホルム)で除いた後、フラッシュカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/クロロホルム=9/1)で精製し、得られた白色固体を、クロロホルムを良溶媒とし、メタノールを貧溶媒として用いて再沈殿し、4−(2’,3’−ジフルオロ−4−ビフェニル)−9−(4−ヘプチルフェニル)ジアマンタン(9)の白色粉末を得た。
収量:20.6mg(0.0374mmol)
収率:67%
H−NMR(300MHz,CDCl,TMS)δ/ppm:
0.88(3H,t,J/Hz=6.9),1.26−1.33(8H,m),1.55−1.64(2H,m),1.97(6H,br.s),2.00(12H,br.s),2.58(2H,t,J/Hz=7.8),7.10−7.24(3H,m),7.16(2H,d,J/Hz=8.3),7.33(2H,d(AA’BB’),J/Hz=8.3),7.52(4H,br.s).
IR(ATR:ダイヤモンドプリズム,ニート)ν/cm−1
3051(w),3021(w),2946(m),2915(s),2877(s),2850(s),1623(w),1589(w),1561(w),1515(m),1473(s),1458(m),1439(w),1401(w),1376(w),1350(w),1309(w),1261(m),1215(w),1167(w),1118(w),1100(w),1075(w),1060(w),1019(w),985(w),898(w),835(w),818(w),788(s),773(m),742(w).
LRMS(EI,70eV)m/z(相対強度):
552((M+2),9),551((M+1),43),550(M,100),465(55),375(15),368(8),232(27),203(6).
(実施例5)
(4−(4’−トリフルオロメチル−4−ビフェニル)−9−(4−ヘプチルフェニル)ジアマンタン(11)の合成)
〔工程1:4−(4’−トリフルオロメチル−4−ビフェニル)−9−(4−(1−ヘプチニル)フェニル)ジアマンタン(10)の合成〕
5mlバイアルに4−(4−(1−ヘプチニル)フェニル)−9−(4−ヨードフェニル)ジアマンタン(1)(83.2mg,0.149mmol,1.0eq.)、4−トリフルオロメチルフェニルボロン酸(32.9mg,0.173mmol,1.2eq.)、炭酸セシウム(106.4mg,0.327mmol,2.2eq.)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(17.3mg,0.0149mmol,10mol%)及びスピナーを加え、これに20分間窒素バブリングを行ったDMF(5ml)を加えた。蓋を取り付け密封した後、マイクロ波照射装置にバイアルを取り付けた。250Wのマイクロ波を照射し150℃まで加熱した後、150℃を保ちながら10分間加熱、攪拌を行った。室温まで冷却した後、DMFに不溶の沈殿物を、シリカゲルのショートカラム(展開溶媒:クロロホルム)で除いた後、フラッシュカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/クロロホルム=9/1)で精製し、クロロホルムを良溶媒とし、メタノールを貧溶媒として用いて、得られた白色固体を再沈殿し、粗4−(4’−トリフルオロメチル−4−ビフェニル)−9−(4−(1−ヘプチニル)フェニル)ジアマンタン(10)の白色粉末を得た。
収量:28.7mg
H−NMR(300MHz,CDCl,TMS)δ/ppm:
0.92(3H,t,J/Hz=7.2),1.32−1.49(4H,m),1.54−1.63(2H,m),1.96−2.03(18H,m),2.54(2H,t,J/Hz=7.1),7.32(2H,d,J/Hz=9.0),7.37(2H,d,J/Hz=8.7),7.52(2H,d(AA’BB’),J/Hz=8.3),7.59(2H,d(AA’BB’),J/Hz=8.5),7.69(4H,s).
IR(ATR:ダイヤモンドプリズム,ニート)ν/cm−1
3080(w),3053(w),3034(w),2954(w),2916(m),2887(m),2851(m),1614(w),1508(w),1460(w),1438(w),1288(w),1162(s),1118(s),1069(s),1016(w),1004(w),986(w),856(w),822(s),798(w),761(m),722(m),697(m),602(w).
LRMS(EI,70eV)m/z(相対強度):
578(M,60),549(10),521(5),407(100),235(32).
〔工程2:4−(4’−トリフルオロメチル−4−ビフェニル)−9−(4−ヘプチルフェニル)ジアマンタン(11)の合成〕
30ml二つ口丸底フラスコに10%Pd−C(10.6mg,63wt%)及びスピナーを加え、系内を窒素置換した。THF1mlを加えた後、系内を水素置換し、30分間攪拌を行った。30mlナシフラスコに粗4−(4’−トリフルオロメチル−4−ビフェニル)−9−(4−(1−ヘプチニル)フェニル)ジアマンタン(10)(16.8mg)及びスピナーを加え系内を窒素置換した後、THF(2ml)を加え攪拌を行った。粗4−(4’−トリフルオロメチル−4−ビフェニル)−9−(4−(1−ヘプチニル)フェニル)ジアマンタン(10)のTHF溶液を、先に調製したパラジウムカーボンのTHF懸濁液にカヌーラで滴下し(滴下後、THF1mlで洗浄)、室温で6時間攪拌を行った。10%Pd−C(10.2mg,61wt%)にTHF(1ml)分散させた混合物を調製し、これを反応混合物に加えた後、再び系内を水素置換し、6時間攪拌を行った。パラジウムカーボンをシリカゲルショートカラム(展開溶媒:クロロホルム)で除いた後、フラッシュカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/クロロホルム=19/1)で精製し、4−(4’−トリフルオロメチル−4−ビフェニル)−9−(4−ヘプチルフェニル)ジアマンタン(11)、4−ヘプチニルフェニル−9−フェニルジアマンタン及びアルキンの半還元生成物等からなる白色粉末を8.8mg得た。
30ml二つ口丸底フラスコに10%Pd−C(8.1mg,92wt%)及びスピナーを加え系内を窒素置換した。THF1mlを加えた後、系内を水素置換し30分間攪拌を行った。一方、30mlナシフラスコに上記の反応で得た(11)からなる混合物(8.8mg)及びスピナーを加え系内を窒素置換した後、THF(1ml)を加え攪拌を行った。この(11)からなる混合物(8.8mg)のTHF溶液を、先に調製したパラジウムカーボンのTHF懸濁液にカヌーラで滴下し(滴下後、THF1mlで洗浄)、室温で24時間攪拌を行った。パラジウムカーボンをシリカゲルショートカラム(展開溶媒:クロロホルム)で除いた後、フラッシュカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/クロロホルム=19/1)で精製し、4−(4’−トリフルオロメチル−4−ビフェニル)−9−(4−ヘプチルフェニル)ジアマンタン(11)と4−ヘプチルフェニル−9−フェニルジアマンタンからなる混合物を白色粉末として得た。H−NMRの積分比から求めた(11)の純度は75%(質量/質量)であった。
収量:5.1mg(純度75%(質量/質量))
H−NMR(300MHz,CDCl,TMS)δ/ppm:
0.88(3H,t,J/Hz=6.8),1.25−1.33(8H,m),1.56−1.67(2H,m),1.97−2.01(18H,ジアマンタンプロトン,2.58(2H,t,J/Hz=7.9),7.16(2H,d,J/Hz=8.3),7.33(2H,d,J/Hz=8.1),7.52(2H,d(AA’BB’),J/Hz=8.3),7.59(2H,d(AA’BB’),J/Hz=8.5),7.69(4H,s).
IR(ATR:ダイヤモンドプリズム,ニート)ν/cm−1
3080(w),3054(w),2915(s),2884(s),2850(s),1613(w),1513(w),1494(w),1463(w),1440(w),1321(m),1220(m),1160(m),1119(m),1068(m),985(w),822(w),772(s),700(w).
LRMS(EI,70eV)m/z(相対強度):
584((M+2),10),583((M+1),44),582(M,100),497(77),407(24).
(実施例6)
(4−(2’,3’−ジフルオロ−4’−プロピル−4−ビフェニル)−9−(4−(1−ヘプチル)フェニル)ジアマンタン(14)の合成)
〔工程1:4−(2’,3’−ジフルオロ−4’−ホルミル−4−ビフェニル)−9−(4−(1−ヘプチニル)フェニル)ジアマンタン(12)の合成〕
50ml二つ口丸底フラスコに4−(4−(1−ヘプチニル)フェニル)−9−(4−ヨードフェニル)ジアマンタン(1)(203.8mg,0.364mmol,1.0eq.)及びスピナーを加え、y字管、還流管及び風船を取り付け、系内を窒素置換した。これに30分間窒素バブリングを行ったDMF(10ml)を加えた後、窒素気流下でテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(52.1mg,0.045mmol,0.1eq.)、フッ化セシウム(112.9mg,0.743mmol,2.0eq.)及び酸化銀(105.7mg,0.456mmol,1.3eq.)を加えた。100℃で23時間、加熱攪拌を行い、室温まで冷却した。DMFに不溶の黒色沈殿を、シリカゲルのショートカラム(展開溶媒:クロロホルム)で除いた後、フラッシュカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/クロロホルム/酢酸エチル=0.845/0.149/0.006)で精製し、淡黄色ペースト状の4−(2’,3’−ジフルオロ−4’−ホルミル−4−ビフェニル)−9−(4−(1−ヘプチニル)フェニル)ジアマンタン(12)を得た。
収量:56.4mg,(0.098 mmol)
収率:27%
H−NMR(300MHz,CDCl,TMS)δ/ppm:
0.92(3H,t,J/Hz=7.2Hz),1.25−1.50(4H,m),1.61(2H,quintet,J/Hz=7.0Hz),1.96 (6H,br.s),2.00(12H,br.s),2.40(1.7H,t,J/Hz=7.1Hz),7.32(2H,dd(AA’BB’),J/Hz=8.7Hz),7.37(2H,d(AA’BB’),J/Hz=8.9Hz),7.31−7.43(1H,m),7.48−7.60(4H,m),7.69(1H,ddd,J/Hz=8.2,6.2,1.9Hz),10.4(1H,d,J/Hz=0.9Hz).
IR(ATR:ダイヤモンドプリズム,ニート)ν/cm−1
3078(w),3030(w),2954(m),2914(s),2870(s),2756(w),2687(w),1693(s),1617(m),1576(w),1510(w),1458(s),1404(m),1256(m),1184(w),1098(w),1074(w),1049(w),971(w),891(w),829(w),817(w),797(w),769(w),697(w).
LRMS(EI,70eV)m/z(相対強度):
574(M,69),545(13),517(6),403(100),231(18).
〔工程2:4−(2’,3’−ジフルオロ−4’−(1−プロペニル)−4−ビフェニル)−9−(4−(1−ヘプチニル)フェニル)ジアマンタン(13)の合成〕
50ml三つ口ナスフラスコに臭化エチルトリフェニルホスホニウム(23.4mg,0.063mmol,1.1eq.)及びスピナーを加え、4−(2’,3’−ジフルオロ−4’−ホルミル−4−ビフェニル)−9−(4−(1−ヘプチニル)フェニル)ジアマンタン(12)(32.9mg,0.0573mmol,1.0eq.)を加えた50ml滴下漏斗を取り付け、系内を窒素置換した。THFを三つ口フラスコに2.5ml、滴下漏斗に10ml加えた後、フラスコを−68℃(ドライアイス/イソプロパノール浴)に冷却し攪拌した。これに、2.63mol/dmのn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(0.03ml,0.079mmol,1.4eq.)を加え10分間攪拌を行った(この間、溶液の色は無色から赤橙色へと変化した)。化合物12の懸濁液を滴下漏斗から滴下した。−68℃で1時間攪拌を行った後、窒素気流下、臭化エチルトリフェニルホスホニウム(24.1mg,0.065mmol,1.1eq.)及び2.63mol/dmのn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(0.05ml,0.132mmol,2.3eq.)を追加し、−68℃で3時間、−4℃で3時間攪拌を行った。蒸留水を加え反応をクエンチした後、クロロホルムを加えた。有機層を分液した後、水層をクロロホルムで3回抽出した。集めた有機層を水で、次いで飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧留去し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:8%クロロホルム/ヘキサン)で精製し、淡黄色ペースト状の4−(2’,3’−ジフルオロ−4’−(1−プロペニル)−4−ビフェニル)−9−(4−(1−ヘプチニル)フェニル)ジアマンタン(13)を得た。
収量:19.6mg,(−0.0334mmol)
収率:58%
H−NMR(300MHz,CDCl,TMS)δ/ppm:
0.92(3H,t,J/Hz=9.0Hz),1.34−1.46(4H,m),1.55−1.63(2H,m),1.88(3H,d,J/Hz=7.5)1.95(6H,br.s),2.00(12H,br.s),2.40(1.7H,t,J/Hz=7.1),5.92−6.04及び6.40−6.58(2H,オレフィンプロトン),7.32(2H,d,J/Hz=8.5),7.37(2H,d,J/Hz=8.3),7.47−7.55(4H,m).
IR(ATR:ダイヤモンドプリズム,ニート)ν/cm−1
3030(w),2956(m),2911(s),2883(s)2850(s),1509(w),1489(m),1457(s),1403(m),1270(w),1106(w),1074(w),1049(w),985(w),968(w),889(w),820(m),797(w).
LRMS(EI,70eV)m/z(相対強度):
586(M,77),557(12),529(6),415(100),243(34).
〔工程3:4−(2’,3’−ジフルオロ−4’−プロピル−4−ビフェニル)−9−(4−(1−ヘプチル)フェニル)ジアマンタン(14)の合成〕
50ml二つ口丸底フラスコに10%Pd−C(9.8mg,0.0157mmol,0.3eq.)及びスピナーを加え、系内を窒素置換した。THF1mlを加えた後、系内を水素置換し、15分間攪拌を行った。50mlナシフラスコに4−(2’,3’−ジフルオロ−4’−(1−プロペニル)−4−ビフェニル)−9−(4−(1−ヘプチニル)フェニル)ジアマンタン(13)(30.4mg,0.0556mmol,1.0eq.)及びスピナーを加え、系内を窒素置換し、THF(1.5ml)を加え攪拌を行った。(13)のTHF溶液を、先に調製したパラジウムカーボンのTHF懸濁液にカヌーラで滴下し(滴下後、THF0.5mlで洗浄)、室温で4時間攪拌を行った。パラジウムカーボンをシリカゲルショートカラム(展開溶媒:クロロホルム)で除いた後、フラッシュカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/クロロホルム=4/1)で精製し、得られた白色固体を、クロロホルムを良溶媒とし、メタノールを貧溶媒として用いて再結晶して、4−(2’,3’−ジフルオロ−4’−プロピル−4−ビフェニル)−9−(4−(1−ヘプチル)フェニル)ジアマンタン(14)の合成の白色粉末を得た。
収量:11.2mg,(0.0189mmol)
収率:72%
H−NMR(300MHz,CDCl,TMS)δ/ppm:
0.88(3H,t,J/Hz=6.9),0.99(3H,t,J/Hz=7.3),1.26−1.33(8H,m),1.58−1.74(4H,m),1.97(6H,br.s),2.00(12H,br.s),2.58(2H,t,J/Hz=7.8),2.67(2H,t,J/Hz=7.5),6.95−7.00(1H,m),7.09−7.14(1H,m),7.16(2H,d(AA’BB’,J/Hz=8.5),7.32(2H,d(AA’BB’),J/Hz=8.3),7.47−7.53(4H,m).
IR(ATR:ダイヤモンドプリズム,ニート)ν/cm−1
3091(w),3057(w),3024(w),3001(w),2953(m),2919(s),2872(s),2849(s),1515(w),1489(w),1458(m),1439(m),1402(m),1374(w),1352(w),1314(w),1270(w),1247(w),1210(w),1182(w),1114(w),1073(w),1049(w),1017(w),984(w),889(w),841(w),810(m),761(w),738(w),727(w),714(w),694(w),646(w).
LRMS(EI,70eV)m/z(相対強度):
594((M+2),11),593((M+1),46),592(M,100),463(4),507(27),417(6).
(実施例7)
実施例1〜4で得た各化合物について、示差走査熱量測定により、相転移温度を調べた。結果を表1に示す。
表1において、「Cry」は結晶相を、「Nm」はネマチック相を、「Iso」は等方相を、それぞれ、示す。また、「*」は、その相が存在していることを示す。
表1に示されているように、4種類の化合物全てが、ネマチック相を示した。シアノ基を有する化合物(3)がネマチック相を示した理由は、一つに片側のアルキル末端基がシアノ基に置き換えられ、アルキル末端基間のvan der Waals力による相互作用が低下し、スメクチック性が低下したこと、二つ目はシアノ基の双極子モーメントによって、分子の逆平行配列が促進され、これがネマチック性を促進したためと考えられる。
化合物(5)、(7)及び(9)がネマチック相のみを示した理由は、片側のアルキル末端基が失われた効果も大きいと考えられるが、別の理由として、分子側方にフッ素置換基を導入したことで、分子幅が広がり側面間の分子間力が低下し、これがスメクチック性を低下させたためと考えられる。
〔偏光顕微鏡観察による相構造の同定〕
偏光顕微鏡観察を行い、液晶性化合物3、5、7及び9について、液晶相同定を行った。昇温過程及び降温過程で観察された液晶相の光学組織を、それぞれ、図1〜4に示す。以下にPOM観察に基づく相同定の結果を示す。
なお、観察される液晶相を高温側から(1)相、(2)相とする。
(化合物(3))
(1)相→等方相
(1)相では、いかなる複屈折組織も観察されない。よって(1)相は等方相と結論づけた。
(2)相→ネマチック相
昇温過程:183.1−278.3℃;図1(a),(b)
降温過程:146.6−272.4℃;図1(c),(d)
結晶相から温度を上げていくと、183℃付近で結晶の融解が起こり、ラビング基板ではホモジニアス組織が(図1(a))、非ラビング基板では、シュリーレン組織が見られた(図1(b))。
降温過程では、等方性液体から温度を下げていくと、ラビング基板では等方相からの転移直後は小球状組織が一瞬観測され、ホモジニアス組織へと発達した(図1(c))、非ラビング基板ではシュリーレン組織が観測される(図1(d))。等方相からの転移直後に観測される小球状組織、及び、非ラビング基板で観測されるシュリーレン組織はネマチック相を特徴付ける光学組織であることから、(2)相はネマチック相であると同定した。
(化合物(5))
(1)相→等方相
(1)相では、いかなる複屈折組織も観察されない。よって(1)相は等方相と結論づけた。
(2)相→ネマチック相
昇温過程:147.7−307.6℃;図2(a),(b)
降温過程:107.4−306.3℃;図2(c),(d)
結晶相から温度を上げていくと、146℃付近で結晶の融解が起こり、ラビング基板ではホモジニアス組織が(図2(a))、非ラビング基板では、図2(b)のような光学組織が観察される。
降温過程では、等方性液体から温度を下げていくと、ラビング基板では等方相からの転移直後は小球状組織が一瞬観測され、ホモジニアス組織へと発達した(図2(c))、非ラビング基板で図2(d)のような光学組織が観察される。等方相からの転移直後に観測される小球状組はネマチック相を特徴付ける光学組織であることから、(2)相はネマチック相であると同定した。
(化合物(7))
(1)相→等方相
(1)相では、いかなる複屈折組織も観察されない。よって(1)相は等方相と結論づけた。
(2)相→ネマチック相
昇温過程:193.3−343.9℃;図3(a),(b)
降温過程:169.2−342.8℃;図3(c),(d)
結晶相から温度を上げていくと、190℃付近で結晶の融解が起こり、ラビング基板ではホモジニアス組織が(図3(a))、非ラビング基板では、図3(b)のような光学組織が観察される。
降温過程では、等方性液体から温度を下げていくと、ラビング基板では等方相からの転移直後は小球状組織が一瞬観測され、ホモジニアス組織へと発達した(図3(c))。非ラビング基板で図3(d)のような光学組織が観察される。等方相からの転移直後に観測される小球状組はネマチック相を特徴付ける光学組織であることから、(2)相はネマチック相であると同定した。
(化合物(9))
(1)相→等方相
(1)相では、いかなる複屈折組織も観察されない。よって(1)相は等方相と結論づけた。
(2)相→ネマチック相
昇温過程:174.4−295.5℃;図4(a)
降温過程:150.4−293.4℃;図4(b)
結晶相から温度を上げていくと、174℃付近で結晶の融解が起こり、非ラビング基板では図4(a)のような光学組織が観察される。
降温過程では、等方性液体から温度を下げていくと、非ラビング基板で図4(b)のようなシュリーレン組織が観察される。シュリーレン組織はネマチック相を特徴付ける光学組織であることから、(2)相はネマチック相であると同定した。



Claims (5)

  1. 一般式(I)で表わされる非対称ジアマンタン化合物。
    (一般式(I)において、Rは、不飽和結合を有していてもよい炭素数1〜20の直鎖炭化水素基;Xは、存在しないか又は酸素原子(−O−)、オキシカルボニル基(−O−C(=O)−)若しくはカルボニルオキシ基(−C(=O)−O−);Yは、シアノ基又は一般式(II)で表わされる基である。)
    (一般式(II)において、Rは、水素原子又は炭素数1〜12の直鎖炭化水素基;Rは、フッ素原子を一つ以上含む炭素数1〜12のアルキル基;j、k及びmは、それぞれ、0〜5の整数;但し、1≦(j+k+m)≦5である。nは、n=5−(j+k+m)を満たす整数である。)
  2. 一般式(II)において、j、k及びmのうち、いずれか1つのみが正の整数であり、他の2つは0であり、jが正の整数であるときはj=1であり、mが正の整数であるときはm=1である、請求項1に記載の非対称ジアマンタン化合物。
  3. 請求項1又は2に記載の非対称ジアマンタン化合物からなる液晶性化合物。
  4. 請求の範囲第3項に記載の液晶性化合物を含有してなる液晶性組成物。
  5. 請求の範囲第4項記載の液晶性組成物を含有してなる液晶表示素子。
JP2010003107A 2010-01-08 2010-01-08 新規なジアマンタン化合物、液晶性化合物及び液晶組成物 Expired - Fee Related JP5527522B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010003107A JP5527522B2 (ja) 2010-01-08 2010-01-08 新規なジアマンタン化合物、液晶性化合物及び液晶組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010003107A JP5527522B2 (ja) 2010-01-08 2010-01-08 新規なジアマンタン化合物、液晶性化合物及び液晶組成物

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2011140472A JP2011140472A (ja) 2011-07-21
JP2011140472A5 JP2011140472A5 (ja) 2013-04-04
JP5527522B2 true JP5527522B2 (ja) 2014-06-18

Family

ID=44456611

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010003107A Expired - Fee Related JP5527522B2 (ja) 2010-01-08 2010-01-08 新規なジアマンタン化合物、液晶性化合物及び液晶組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5527522B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023120152A1 (ja) * 2021-12-22 2023-06-29 東ソー株式会社 ジアマンタン化合物、有機電界発光素子用材料、及び有機電界発光素子

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009113155A1 (ja) * 2008-03-11 2009-09-17 国立大学法人 横浜国立大学 新規なジアマンタン化合物、液晶性化合物及び液晶性組成物
JP2010024157A (ja) * 2008-07-16 2010-02-04 Fujifilm Corp ジアマンタン化合物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011140472A (ja) 2011-07-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TW201620892A (zh) 4,6-二氟二苯并噻吩衍生物
Nakagawa et al. Synthesis and liquid crystalline behavior of azulene-based liquid crystals with 6-hexadecyl substituents on each azulene ring
KR100565021B1 (ko) 불소치환4-알케닐벤조산과이의유도체,시아노페닐벤조에이트유도체를함유하는네마틱액정조성물및이를사용하는액정표시장치
JP2526282B2 (ja) 大きな屈折率異方性を有する新規な液晶化合物
JP5527522B2 (ja) 新規なジアマンタン化合物、液晶性化合物及び液晶組成物
JPH0568520B2 (ja)
JP5439647B2 (ja) 新規なジアマンタン化合物、液晶性化合物及び液晶性組成物
US20100264368A1 (en) Liquid crystal molecules comprising hydroazulene structures
JP2005048007A (ja) トリフルオロナフタレン誘導体を含有する液晶組成物と表示素子及び液晶性化合物。
JP4521738B2 (ja) ベンゾチアゾール化合物、その製造法、液晶組成物及び液晶素子
JP3651023B2 (ja) ヘキセンジイン誘導体および液晶組成物
JP4301379B2 (ja) 骨格末端にシクロヘキシル基を有するフェニルアセチレン化合物、それを含む液晶組成物及びそれを用いた液晶素子
JP3632778B2 (ja) (2−シクロヘキシル)プロピルベンゼン誘導体
JP4010826B2 (ja) インデン化合物およびその製造方法、液晶組成物および液晶電気光学素子
JPH08217728A (ja) 二量体型光学活性化合物
JP4344456B2 (ja) 骨格末端にシクロプロパン基又はアルケニル基を有するフェニルアセチレン化合物、液晶組成物及び液晶素子
JP3902834B2 (ja) トラン誘導体化合物、液晶組成物、および液晶電気光学素子
JP2631876B2 (ja) 液晶材料
JP3889147B2 (ja) 強誘電性液晶化合物および組成物
JP2005075850A (ja) トリフルオロナフタレン誘導体を含有する液晶組成物と表示素子及び液晶性化合物
JP2786513B2 (ja) エステル化合物及びこれを含む液晶組成物
US6852248B1 (en) Dopants for liquid-crystal devices
KR100709903B1 (ko) 아진계화합물,이의제조방법,이를함유하는네마틱액정조성물및이를사용한액정표시장치
JPH0733355B2 (ja) ビフエニルカルボン酸エステル誘導体および液晶組成物
JP2965634B2 (ja) ピリジン系液晶化合物

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130107

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130107

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20130109

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130204

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140311

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140401

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5527522

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370