JP5614003B2 - ジフルオロベンゼン誘導体、当該化合物を含有する液晶組成物及び液晶表示素子 - Google Patents

ジフルオロベンゼン誘導体、当該化合物を含有する液晶組成物及び液晶表示素子 Download PDF

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本発明は電気光学的液晶表示材料として有用な、ジフルオロベンゼン誘導体、それを含む液晶組成物及びそれを用いた液晶表示素子に関する。
液晶表示素子は、低電圧作動、薄型表示等の優れた特徴から現在広く用いられている。従来の液晶表示素子の表示方式にはTN(ねじれネマチック)、STN(超ねじれネマチック)、又はTNをベースにしたアクティブマトリックス(TFT:薄膜トランジスタ)等があり、これらは誘電率異方性値が正の液晶組成物を利用するものである。しかし、これら表示方式の欠点の一つとして視野角の狭さがあり、近年高まっている液晶パネルの大型化の要求に伴い、その改善が大きな課題となっている。
この解決策として近年、垂直配向方式、IPS(インプレインスイッチング)等の表示方式が新たに実用化されてきた。垂直配向方式は液晶分子の垂直配向を利用して視野角の改善を図った方式であり、誘電率異方性(Δε)が負の液晶組成物が使用される。またIPSは、ガラス基板に対して水平方向の横電界を用いて液晶分子をスイッチングさせることで視野角の改善を図った方法であり、Δεが正又は負の液晶組成物が使用される。このように、視野角改善のために有効な表示方式である垂直配向方式及びIPSにはΔεが負である液晶化合物ならびに液晶組成物が必要であり、強く要望されるようになってきた。更に、こうした液晶表示素子は動画表示用途に多く用いられるようになっており、応答速度を上げて表示品位を向上させるために、Δεの絶対値が大きく、かつ粘度が低い液晶化合物及び液晶組成物が、強く要望されている。
従来、Δεが負の液晶組成物を得るために用いられてきた化合物としては、2,3-ジフルオロフェニレン骨格を有する式(A−1)
Figure 0005614003
で表される化合物を挙げることができる(特許文献1、2)。しかしながら、こうした化合物は、十分大きなΔεの絶対値を示さないという問題点を有している。この問題点に関しては、4個のフッ素を分子中に導入した、2,3,2',3'-テトラフルオロビフェニル骨格を有する式(A−2)
Figure 0005614003
で表される化合物が開発され、絶対値の大きい負のΔεを有する化合物として報告されている(特許文献3)。しかしながら、この化合物は比較的高い粘度を示すことから、応答速度の低下を招くという問題点がある。また、この化合物は分子内にフッ素原子を4つ持つものの、ビフェニル骨格内の単結合の自由回転およびオルト位のフッ素原子の静電反発があるために、フッ素原子が上図のように同じ方向を向いた立体配座をとりにくく、式(A−2’)
Figure 0005614003
で表す立体配座の存在確率が高くなる。このようなビフェニル骨格内のフッ素原子の位置が逆向きとなる立体配座の存在により、Δεの絶対値は著しく小さくなる。このため、フッ素原子の分子中への導入数を増やしても、結果としてΔεを効果的に増大させることはできない。これに対して、式(A−3)
Figure 0005614003
で表される化合物は、2個の2,3-ジフルオロフェニレン骨格がアルコキシ鎖を介して結合しており、フッ素原子同士の反発がないため、立体配座に対する影響を抑えることができる。このためフッ素原子の導入をより効果的にΔεの増大に結び付けている(特許文献4)。しかしながら、その物性値はΔεおよびΔn(屈折率異方性)のみが示されるにとどまり、応答速度にとって重要な物性である粘度は不明であった。またこの化合物は、液晶組成物に添加した際、その液晶相上限温度を著しく低下させ、液晶相の温度範囲を狭くしてしまう欠点があった。
以上のように、Δεが負の化合物において、より大きいΔεの絶対値を有し、かつ粘度が低く、液晶性に優れた化合物の開発が望まれていた。
特表平2-503441号公報 特開平10-176167号公報 WO1999/21816号公報 特開平10-237004号公報
本発明が解決しようとする課題は、Δεが負の化合物において、より大きいΔεの絶対値を有し、他の液晶材料との相溶性に優れ、高い液晶性を示すとともに粘度の低い化合物を提供し、また当該化合物を用いた実用的な液晶組成物を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するための手段として、一般式(I)
Figure 0005614003
(式中、R及びRは、それぞれ独立的に炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルコキシル基又は炭素数2〜12のアルケニルオキシ基を表し、それぞれの1個以上の水素原子は独立的にフッ素原子に置換されていてもよく、またそれぞれの−CH−基は独立的に−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−に置換されていてもよく、
、A、A及びAは、それぞれ独立的にトランス−1,4−シクロヘキシレン基、トランス−1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基又は無置換であるか1個以上水素原子がフッ素原子に置換されていてもよい1,4−フェニレン基を表し、
、X、X及びXは、それぞれ独立的に単結合又は酸素原子を表すが、2個以上のX、X、X及びXが同時に単結合を表すことはなく、
、Y、Y及びYは、単結合、−CH−、−CF−又は−C24−を表すが、隣り合うX、X、X及びXが単結合を表す場合には、対応するY、Y、Y及びYも単結合を表し、
は、単結合、−OCH−、−CHO−、−C−、−C−、―COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CFO−、−OCF−、−CFCF−又は−C≡C−を表し、
p、q、r及びsは、0又は1を表すが、p+q+r+sは1又は2を表し、q及びrがともに0を表す場合及びq又はrのいずれかが0を表す場合には、Zは、単結合、−C−、−C−又は−CFCF−を表す。)で表わされるフルオロベンゼン誘導体を提供し、一般式(I)で表される化合物を1種又は2種以上含有することを特徴とする液晶組成物、更に、当該液晶組成物を構成要素とする液晶素子を提供する。
本願発明の液晶化合物は、構造中に2つの2,3-ジフルオロフェニレン基を有し、その1位及び4位が独立に酸素原子を有することに特徴を有する。この化合物は分子内に2個存在する2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン基上のフッ素原子が、近接していないため立体反発等の影響を及ぼし合わないため、分子長軸に対して同じ向きになる立体配座(一般式(I)として記載したようなフッ素原子の向き。)を取る化合物の存在確率が高いという特徴を有する。また、隣にある酸素原子上の非共有電子対がフッ素原子の影響でフッ素原子側に存在する確率が高くなる。これらの効果が相まって、この骨格を有する液晶化合物は分子の短軸方向に大きな分極を有することとなり、結果として絶対値の大きい負の誘電率異方性を有する。
本発明の一般式(I)で表される化合物は、Δεが負であって極めて大きい絶対値を有する。また、極めて低い粘度を示す。更に、熱、光、水等に対し、化学的に安定であり、現在汎用されている液晶化合物あるいは液晶組成物との相溶性及び液晶性に優れているため、低電圧駆動が可能である実用的な液晶組成物の成分として適している。
一般式(I)において、R及びRは、それぞれ独立的に1個以上の水素原子は独立的にフッ素原子に置換されていてもよくまたそれぞれの−CH−基は独立的に−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−に置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルコキシル基又は炭素数2〜12のアルケニルオキシ基を表し、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数1〜8のアルコキシル基又は炭素数2〜8のアルケニルオキシ基が好ましい。
、A、A及びAは、それぞれ独立的にトランス−1,4−シクロヘキシレン基、トランス−1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基又は無置換であるか1個以上水素原子がフッ素原子に置換されていてもよい1,4−フェニレン基を表すが、トランス-1,4-シクロヘキシレン基又は1個以上の水素原子がフッ素原子に置換されていてもよい1,4-フェニレン基が好ましく、液晶性及びΔεの絶対値を大きくすることを重視する場合にはトランス-1,4-シクロヘキシレン基がより好ましい。
、X、X及びXは、それぞれ独立的に単結合又は酸素原子を表すが、Δεをより大きくするためには、X及びXがすべて酸素原子であることが好ましく、X、X、X及びXがすべて酸素原子であることがより好ましい。
、Y、Y及びYは、単結合、−CH−、−CF−又は−C24−を表すが、隣り合うX、X、X及びXが単結合を表す場合には、対応するY、Y、Y及びYも単結合を表すが、すべて−CH−又は−CF−であることが好ましい。
は、単結合、−OCH−、−CHO−、−C−、−C−、―COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CFO−、−OCF−、−CFCF−又は−C≡C−を表すが、それぞれ独立的に単結合、−C−、−OCF−又は−CFO−であることが好ましく、他の液晶材料との相溶性及び応答速度を改善するためには単結合、−OCF−又は−CFO−がより好ましい。
p、q、r及びsは、0又は1を表すが、p+q+r+sは1又は2を表し、q及びrがともに0を表す場合及びq又はrのいずれかが0を表す場合には、Zは、単結合、−C−、−C−又は−CFCF−を表すが、q+rが1であることが好ましい。粘度を重視する場合はp+q+r+sが1であることが好ましく、液晶性を重視する場合には2であることが好ましい。
上述のように一般式(I)の化合物はそのR1、R2、A1、A2、A3、A4、B1、B2、X1、X2、X3、X4、Y1、Y2、Y3、Y4、Z1、p、q、r及びsの選択により多種の化合物を包含しうるわけであるが、これらの中では以下の一般式(I-a-a)〜一般式(I-f-r)で表される各化合物が好ましい。
Figure 0005614003
Figure 0005614003
Figure 0005614003
Figure 0005614003
Figure 0005614003
Figure 0005614003
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立的に炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数1〜6のアルコキシル基又は炭素数2〜8のアルケニルオキシ基を表す。)
更に、上式中では他の液晶材料との相溶性、Δε、応答速度及び液晶性を改善するには一般式(I-a-a)〜(I-a-d)、(I-b-c)、(I-b-d)、(I-b-i)、(I-b-j) の各化合物が特に好ましく、Δε、応答速度及び液晶性を改善するには一般式(I-b-a)、(I-b-b)、(I-b-e)〜(I-b-h)、(I-b-k)、(I-b-l) の各化合物が特に好ましく、Δε及び液晶性を改善するには一般式(I-c-a)〜(I-c-c)、(I-d-a)〜(I-d-d)、(I-d-i)〜(I-d-l)、(I-e-a)〜(I-e-c)、(I-e-j)〜(I-e-l) の各化合物が特に好ましく、他の液晶材料との相溶性及びΔεを改善するには一般式(I-c-j)〜(I-c-l)、(I-d-m)〜(I-d-p)、(I-e-d)〜(I-e-f)、(I-e-m)〜(I-e-o)、(I-f-d)〜(I-f-f)、(I-f-m)〜(I-f-o)の各化合物が特に好ましく、Δεを改善するには一般式(I-c-g)〜(I-c-i) の各化合物が特に好ましく、液晶性を改善するには一般式(I-c-d)〜(I-c-f)、(I-d-e)〜(I-d-h)、(I-e-g)〜(I-e-i)、(I-e-p)〜(I-e-r)、 (I-f-a)、(I-f-b) の各化合物が特に好ましい。
本発明の(I)の化合物は、例えば、以下のようにして製造することができる。
一般式(II)
Figure 0005614003
(式中、A2、A3、X2、X3、X4、Y2、Y3、Z1、q、及びrは一般式(I)におけるのと同じ意味を表す。)で表されるジフルオロベンゼン誘導体を、炭酸カリウム、リン酸カリウム、水酸化ナトリウム等の塩基存在下、化合物 (III)
Figure 0005614003
(式中、R1、A1、Y1、及びpは一般式(I)におけるのと同じ意味を表し、L1は塩素、臭素、ヨウ素などの脱離基を表す。)を作用させることにより、一般式(I)で表される化合物を得ることができる。
あるいは、一般式(IV)
Figure 0005614003
(式中、R1、A1、X1、Y1及びpは一般式(I)におけるのと同じ意味を表す。)で2,3-ジフルオロフェノール誘導体を、炭酸カリウム、リン酸カリウム、水酸化ナトリウム等の塩基存在下、一般式(V)
Figure 0005614003
(式中、A2、A3、X3、Y2、Y3、Z1、q及びrは一般式(I)におけるのと同じ意味を表し、L1及びL2は塩素、臭素、ヨウ素などの脱離基を表す。)で表される化合物を作用させることにより、一般式(I)で表される化合物を得ることができる。
あるいは、一般式(VI)
Figure 0005614003
(式中、R1、A1、X1、Y1、及びpは一般式(I)におけるのと同じ意味を表す。)で表される2,3-ジフルオロフェノール誘導体を、炭酸カリウム、リン酸カリウム、水酸化ナトリウム等の塩基存在下、化合物(VII)
Figure 0005614003
(式中、A2、A3、Y2、Y3、Z1、q、及びrは一般式(I)におけるのと同じ意味を表し、L1は塩素、臭素、ヨウ素などの脱離基を表す。)を作用させることにより、一般式(VIII)
Figure 0005614003
(式中、R1、A1、A2、A3、X1、X2、Y1、Y2、Y3、Z1、p、q及びrは一般式(I)におけるのと同じ意味を表す。)で表される化合物を得ることができる。この化合物(VIII)に対し、ピリジン、トリエチルアミン等の塩基存在下、メタンスルホン酸クロリド、トリフルオロメタンスルホン酸クロリド、p-トルエンスルホン酸クロリドなどを作用させることにより、一般式(IX)
Figure 0005614003
(式中、R1、A1、A2、A3、X1、X2、Y1、Y2、Y3、Z1、p、q及びrは一般式(I)におけるのと同じ意味を表し、L3はメタンスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基、p-トルエンスルホニル基などを表す。)で表される化合物を得ることができる。この化合物(IIX)に対し、炭酸カリウム、リン酸カリウム、水酸化ナトリウム等の塩基存在下、一般式(X)
Figure 0005614003
(式中、R2、A4、X4、Y4及びsは一般式(I)におけるのと同じ意味を表す。)で表される2,3-ジフルオロフェノール誘導体を作用させることにより、一般式(I)で表される化合物を得ることもできる。
一般式(I)で表される化合物の多くは、他の液晶材料に対し比較的優れた相溶性を示す。また、一般的な精製により高い比抵抗や電圧保持率を得ることも容易である。従って、他の液晶化合物との混合物の状態で液晶表示セル用材料として、好適に用いることができる。
一般式(I)で表される化合物はその添加によりΔεの絶対値を大きく増大させてその閾値電圧を低減することが可能であり、かつ高速応答と、屈折率異方性(Δn)の増大が可能であるといった特長を併せ持ち、前述の各種表示方式のいずれにおいても使用可能であるが、単純マトリックス駆動あるいはアクティブマトリックス駆動の表示素子、及びSTN表示素子に用いることが適しており、特に垂直配向方式及びIPS方式の表示素子用の液晶材料の極性成分として用いることが好ましい。
このように、一般式(I)で表される化合物と混合して使用することのできるネマチック液晶化合物の好ましい代表例としては、本発明の提供する組成物においては、その第1成分として一般式(I)で表される化合物を少なくとも1種含有するが、その他の成分として特に以下の一般式(B)
Figure 0005614003
(式中、Rcは炭素原子数1〜7の直鎖状アルキル基又はアルケニル基を表し、Rdは炭素原子数1〜12の直鎖状アルキル基、アルケニル基、アルコキシル基又はアルケニルオキシ基を表し、p3は0又は1を表し、Mb及びMcはそれぞれ独立的に単結合、-COO-又はCH2CH2-を表し、Gcはトランス-1,4-シクロヘキシレン基又は1,4-フェニレン基を表す。)で表される化合物の1種又は2種以上を含有することが好ましい。
一般式(B)において、Rcは炭素原子数2〜7の直鎖状アルキル基、炭素原子数2〜5の1-アルケニル基又は炭素原子数4〜5の3-アルケニル基が好ましく、直鎖状アルキル基としてはエチル基、プロピル基、ブチル基又はペンチル基がより好ましく、1-アルケニル基としてはビニル基又はトランス-1-プロペニル基がより好ましく、3-アルケニル基としては3-ブテニル基又はトランス-3-ペンテニル基がより好ましい。Rdは炭素原子数1〜7の直鎖状アルキル基、炭素原子数2〜5の1-アルケニル基、炭素原子数4〜5の3-アルケニル基、炭素原子数1〜3の直鎖状アルコキシル基が好ましい。Mbが存在する場合には、Mb及びMcの少なくとも一方は単結合が好ましい。
一般式(B)で表される化合物としては以下の一般式(B-1)〜一般式(B-14)で表される化合物が好ましく、一般式(B-1)、一般式(B-2)、一般式(B-3)、一般式(B-5)又は一般式(B-6)で表される化合物が特に好ましい。
Figure 0005614003
(式中、RA及びRBはそれぞれ独立的に炭素原子数1〜7の直鎖状アルキル基、炭素原子数2〜3の1-アルケニル基又は炭素原子数4〜5の3-アルケニル基を表し、RCは炭素原子数1〜5の直鎖状アルキル基又は炭素原子数3〜4の直鎖状2-アルケニル基を表し、RDは炭素原子数1〜3の直鎖状アルキル基又は炭素原子数4〜5の3-アルケニル基を表し、REは炭素原子数1〜3の直鎖状アルキル基又は炭素原子数3〜4の直鎖状2-アルケニル基を表す。)
本発明の液晶組成物において一般式(C)
Figure 0005614003
(式中、Reは炭素原子数1〜7のアルキル基を表し、Rfは炭素原子数1〜7の直鎖状アルキル基、アルコキシル基又はアルケニルオキシ基を表し、p4は0又は1を表し、Md及びMeはそれぞれ独立的に単結合、-CH2CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-OCF2-、-CF2O-又はCOO-を表し、Gdはトランス-1,4-シクロヘキシレン基あるいは1〜2個のフッ素により置換されていてもよい-1,4-フェニレン基を表す。)で表される2,3-ジフルオロ-1,4-フェニレン誘導体の1種又は2種以上を含有していても良い。
一般式(C)において、Reは炭素原子数2〜7の直鎖状アルキル基が好ましい。Rfは炭素原子数1〜5の直鎖状アルキル基、直鎖状アルコキシル基が好ましく、炭素原子数1〜4の直鎖状アルキル基又は炭素原子数1〜4の直鎖状アルコキシル基が特に好ましい。Md及びMeのうち一方は単結合であることが好ましく、他方は単結合、-CH2CH2-又はCOO-であることが好ましい。
一般式(C)には非常に多くの化合物が含まれるが、以下の一般式(C-1)〜一般式(C-9)で表される化合物が好ましい。
Figure 0005614003
上式中、RFは炭素原子数1〜7の直鎖状アルキル基を表し、RGは炭素原子数1〜5の直鎖状アルキル基又は炭素原子数1〜4の直鎖状アルコキシル基を表す。
また、本発明の液晶組成物において、一般式(D)〜一般式(H)
Figure 0005614003
(式中、Rg、Ri、Rk及びRmは炭素原子数1〜7の直鎖状アルキル基を表し、Rh、Rj、及びRnは炭素原子数1〜7の直鎖状アルキル基、アルコキシル基又はアルケニルオキシ基を表し、Rlは炭素原子数1〜7の直鎖状アルキル基を表し、Roは炭素原子数1〜7の直鎖状アルキル基、アルコキシル基又は炭素原子数2〜7の直鎖状アルケニル基、アルケニルオキシ基を表し、Rpは炭素原子数1〜7の直鎖状アルキル基又は炭素原子数2〜7の直鎖状アルケニル基を表し、Xa及びXbは水素原子又はフッ素原子を表し、p5、p6、p7及びp8はそれぞれ独立的に0又は1を表し、p9及びp10はそれぞれ独立的に0、1又は2を表し、p9及びp10の合計は1又は2であり、Mf及びMg、Mh及びMi、Mj及びMk、Ml及びMm、Mnはそれぞれ独立的に単結合、-CH2CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-OCF2-、-CF2O-又は-COO-を表し、Moは単結合又は-CH2CH2-を表し、Ge、Gf、Gg、Gh、Gi及びGjはそれぞれ独立的にトランス-1,4-シクロヘキシレン基あるいは1〜2個のフッ素により置換されていてもよい-1,4-フェニレン基を表し、Gi、Gj、Mn及びMoが複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。)で表される化合物の1種又は2種以上を含有していても良い。
一般式(D)〜一般式(H)において、Rg、Ri、Rk、Rm及びRpは炭素原子数2〜7の直鎖状アルキル基が好ましい。Rh、Rj、Rn及びRoは炭素原子数1〜5の直鎖状アルキル基、直鎖状アルコキシル基が好ましい。Rlは炭素原子数1〜3の直鎖状アルキル基が好ましい。Mf及びMg、Mh及びMi、Mj及びMk、Ml及びMmはそれぞれ独立的に単結合、-CH2CH2-、-OCH2-、-CH2O-、-OCF2-、-CF2O-又は-COO-を表すが、一方は単結合であることが好ましく、他方は単結合、-CH2CH2-又は-COO-であることが好ましい。Mnは単結合、-CH2CH2-、-CH2O-又は-CF2O-が好ましい。
以下に本発明の実施例を示し、本発明を更に説明する。しかし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
また、以下の実施例及び比較例の組成物における「%」は『質量%』を意味する。
なお、相転移温度の測定は温度調節ステージを備えた偏光顕微鏡及び示差走査熱量計(DSC)を併用して行った。また、化合物の構造は核磁気共鳴スペクトル(NMR)、赤外共鳴スペクトル(IR)、質量スペクトル(MS)等により確認した。
(実施例1)トランス-1,4-ビス(2,3-ジフルオロ-4-ペンチルオキシフェニルオキシ)メチルシクロヘキサン(I-1)の合成
Figure 0005614003
(実施例1-1)2,3-ジフルオロペンチルオキシフェノール
(以下、ドラフト中で行う。)ジイソプロピルアミン(30.5 g, 0.300 mol)、テトラヒドロフラン(240 ml)を撹拌し、-10℃に冷却した。n-ブチルリチウム(1.6 Mヘキサン溶液、170 ml)を-5℃以下で滴下し(約30分間)、-10℃で30分撹拌した。この反応液に対し、2,3-ジフルオロペンチルオキシベンゼン(40.0 g、0.200 mol)、ホウ酸トリイソプロピル(56.5 g、0.300 mol)、テトラヒドロフラン(100 ml)の混合溶液を0度以下で滴下した(約30分間)。-10℃で1時間撹拌した後、反応液を0度にし、10%塩酸水溶液(500 ml)を加えた(約10分間)。25℃で1時間攪拌した後、有機層を分離し、飽和食塩水で洗條した。この有機層に対し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(160 ml)、30%過酸化水素水溶液(32.8 g)を25℃から35℃の間で温度を保ちながら加えた(約15分間)。33℃で5時間撹拌した後、10%亜硫酸ナトリウム水溶液(350 ml)を35℃以下で滴下した(約10分間)。10%塩酸水溶液(150 ml)を加えて液性を酸性にした後、有機層を分離し、水層からトルエン(350 ml)で抽出した。有機層を集めた後、水(350 ml)、飽和食塩水(350 ml)の順で洗滌し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、得られた黄色の固体を再結晶(ヘキサン:トルエン=2:1、20 ml)することにより、無色の針状晶(29.25 g)を得た。(収率 68%)
(実施例1-2)トランス-1,4-ビス(2,3-ジフルオロ-4-ペンチルオキシフェニルオキシ)メチルシクロヘキサン(I-1)
(以下、ドラフト中で行う。) 2,3-ジフルオロペンチルオキシフェノール(29.03 g、0.134 mol)、トリフェニルホスフィン(35.31 g、0.134 mol)、トランス-1,4-ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン (9.22 g、0.064 mol)、テトラヒドロフラン(200 ml)の混合溶液を撹拌し、5℃に冷却した。この混合溶液にアゾジカルボン酸ジイソプロピルエステル(25.94 g, 0.128 mol)を5℃から15℃の間で滴下した(約20分間)。25℃で2時間撹拌した後、水(0.5 ml)を加えて反応を停止させた。溶媒を留去し、メタノール(180 ml)、水(90 ml)を加えて25℃で1時間懸濁撹拌した後、固体を濾別し、更に固体を-20℃に冷却したメタノール(180 ml)で洗滌した。得られた固体を減圧下乾燥した後、カラム(シリカゲル/ヘキサン+トルエン)を用いて精製し、再結晶(アセトン+メタノール)することにより、無色の針状晶(30.93 g)を得た。(収率 90%)
1H-NMR (400MHz, CDCl3) σ(ppm) 0.93 (t, 6H), 1.10-1.15 (m, 4H), 1.35-1.47 (m, 8H), 1.75-1.82 (m, 6H), 1.98 (d, J = 6.8 Hz, 4H), 3.79 (d, J = 6.4 Hz, 4H), 3.97 (t, 4H), 6.61 (m, 4H)
相転移温度(℃) Cr 73 Iso
(実施例2) 液晶組成物の調製(1)
以下の組成からなるホスト液晶組成物(H)
Figure 0005614003
を調製した。ここで(H)の物性値は以下の通りである。
ネマチック相上限温度(TN-I): 103.2℃
誘電率異方性(Δε): 0.04
屈折率異方性(Δn): 0.098
粘度(η20): 15.5 mPa・s
このホスト液晶(H)95%と実施例1で得られた(I-1)5%からなる液晶組成物(M-1)を調製した。この組成物の物性値は以下の通りである。
ネマチック相上限温度(TN-I): 101.5℃
誘電率異方性(Δε): −0.28
屈折率異方性(Δn): 0.099
粘度(η20): 16.5 mPa・s
また、この結果より算出された、(I-1)の物性値(外挿値)は以下の通りである。
誘電率異方性(Δε): −5.99
粘度(η20): 34.1 mPa・s
本発明の化合物(I-1)を含有する液晶組成物(M-1)は、母体液晶(H)に比べ、誘電率異方性(Δε)は大きく減少して負の値となった。また、ここから算出された(I-1)の誘電率異方性(Δε)の外挿値は、極めて絶対値の大きい負の値であった。更に、(M-1)の粘度を測定したところ、ホスト液晶組成物(H)の粘度と比較してほとんど上昇は見られなかった。これらのことから、本発明の化合物(I-1)は応答速度の面から優れた液晶表示材料として使用可能である。
また、(M-1)の電圧保持率を80℃で測定したところ、ホスト液晶組成物(H)の電圧保持率に対して98%以上と高い値を示した。また経時劣化も見られなかった。このことから本発明の化合物(I-1)は安定性の面からも液晶表示材料として優れた特性を有することがわかった。
(比較例1) 液晶組成物の調製(2)
実施例1で調製したホスト液晶(H)に化合物(I-1)と類似の構造を有するが、2,3-ジフルオロフェニレン基を一つのみ分子構造中に有する化合物(J-1)
Figure 0005614003
5%からなる液晶組成物(M-2)を調製した。この組成物の物性値は以下の通りである。
ネマチック相上限温度(TN-I): 105.0℃
誘電率異方性(Δε): −0.15
屈折率異方性(Δn): 0.098
粘度(η20): 16.3 mPa・s
また、この結果より算出された、(J-1)の物性値(外挿値)は以下の通りである。
誘電率異方性(Δε): −3.61
粘度(η20): 38.0 mPa・s
化合物(J-1)は、実施例1記載の(I-1)と比べ、誘電率異方性の絶対値が著しく小さく、粘度が大きいことがわかる。
(実施例3)トランス-1,4-ビス(2,3-ジフルオロ-4-エトキシフェニルオキシ)メチルシクロヘキサン(I-2)の合成
Figure 0005614003
実施例1-1の2,3-ジフルオロペンチルオキシベンゼンに代えて、2,3-ジフルオロエトキシベンゼンを用いることにより、トランス-1,4-ビス(2,3-ジフルオロ-4-エトキシフェニルオキシ)メチルシクロヘキサンを得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) σ(ppm) 1.08-1.18 (m, 4H), 1.41 (t, 6H), 1.76-1.87 (m, 2H), 1.97 (m, 4H), 3.79 (d, J = 6.4 Hz, 4H), 4.06 (q, 4H), 6.62 (m, 4H)
相転移温度(℃) Cr 129 I
(実施例4) 液晶組成物の調製(3)
実施例2で調製したホスト液晶(H)に化合物(I-2)
Figure 0005614003
1%からなる液晶組成物(M-3)を調製した。この組成物の物性値は以下の通りである。
ネマチック相上限温度(TN-I): 103.0℃
誘電率異方性(Δε): −0.05
屈折率異方性(Δn): 0.099
粘度(η20): 15.6 mPa・s
また、この結果より算出された、(I-2)の物性値(外挿値)は以下の通りである。
ネマチック相上限温度(TN-I): 78.2℃
誘電率異方性(Δε): −7.09
粘度(η20): 27.0 mPa・s
本発明の化合物(I-2)を含有する液晶組成物(M-3)は、母体液晶(H)に比べ、誘電率異方性(Δε)は減少して負の値となった。このことから、本発明の化合物は(I-2)は、誘電率異方性が負であり、その絶対値が極めて大きいことがわかる。
本発明の化合物(I-2)を含有する液晶組成物(M-3)は、母体液晶(H)に比べ、誘電率異方性(Δε)は大きく減少して負の値となった。また、ここから算出された(I-2)の誘電率異方性(Δε)の外挿値は、極めて絶対値の大きい負の値であった。更に、(M-3)の粘度を測定したところ、ホスト液晶組成物(H)の粘度と比較してほとんど上昇は見られなかった。また、ここから算出された(I-2)の粘度の外挿値は、比較例1及び2よりも低かった。更に、(M-3)のネマチック相上限温度についても測定したところ、ホスト液晶組成物(H)のネマチック相上限温度と比較してほとんど低下が見られなかった。これらのことから、本発明の化合物(I-2)は応答速度および液晶相の温度範囲の面から優れた液晶表示材料として使用可能である。
また、(M-3)の電圧保持率を80℃で測定したところ、ホスト液晶組成物(H)の電圧保持率に対して98%以上と高い値を示した。このことから本発明の化合物(I-2)は安定性の面からも液晶表示材料として優れた特性を有していることがわかる。
(比較例2) 液晶組成物の調製(4)
実施例1で調製したホスト液晶(H)に化合物(I-2)と類似の構造を有するが、2,3,2',3'-テトラフルオロビフェニレン基を分子構造中に有する化合物(J-2)
Figure 0005614003
5%からなる液晶組成物(M-4)を調製した。この組成物の物性値は以下の通りである。
ネマチック相上限温度(TN-I): 102.9℃
誘電率異方性(Δε): −0.28
屈折率異方性(Δn): 0.101
粘度(η20): 16.8 mPa・s
また、この結果より算出された、(J-2)の物性値(外挿値)は以下の通りである。
誘電率異方性(Δε): −6.31
粘度(η20): 43.5 mPa・s
化合物(J-2)は、実施例1記載の(I-2)と比べ、誘電率異方性の絶対値が小さく、粘度が著しく大きいことがわかる。
(比較例3) 液晶組成物の調製(5)
実施例1で調製したホスト液晶(H)に化合物(I-2)と類似の構造を有するが、エチレン基を分子構造中に有する化合物(J-3)
Figure 0005614003
5%からなる液晶組成物(M-5)を調製した。この組成物の物性値は以下の通りである。
ネマチック相上限温度(TN-I): 97.6℃
誘電率異方性(Δε): −0.29
屈折率異方性(Δn): 0.100
粘度(η20): 16.7 mPa・s
また、この結果より算出された、(J-2)の物性値(外挿値)は以下の通りである。
ネマチック相上限温度(TN-I): −8.0℃
誘電率異方性(Δε): −6.48
粘度(η20): 39.5 mPa・s
化合物(J-2)は、実施例1記載の(I-2)と比べ、誘電率異方性の絶対値が小さく、粘度が大きいことがわかる。また、ネマチック相上限温度が著しく低下していることが分かる。
(実施例5) 1,4-ビス{(2,3-ジフルオロ-4-プロピルオキシフェニルオキシ)ジフルオロメチル}ベンゼン(I-3)の合成
Figure 0005614003
マグネシウムをテトラヒドロフランに懸濁した溶液に、α,α’-ジブロモ-1,4-ジメチルベンゼンのテトラヒドロフラン溶液を、撹拌しながら滴下した後、更に撹拌し、グリニヤール試薬を調製した。この溶液に二硫化炭素を滴下した。更に攪拌した後、希塩酸を加えて反応を停止させ、トルエンで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して、1,4-ビス(ジチオカルボキシ)ベンゼンを得た。
水素化ナトリウムのテトラヒドロフラン懸濁液に1,4-ビス(ジチオカルボキシ)ベンゼンのテトラヒドロフラン溶液を滴下し、更に撹拌した。この反応液に2,3-ジフルオロ-4-プロピルオキシフェノールのテトラヒドロフランの溶液を滴下し、更に撹拌した。この反応液に、ヨウ素のテトラヒドロフラン溶液を滴下し、更に撹拌した後、室温まで戻し同温度で一晩撹拌した。反応液を、希塩酸に注ぎ、トルエンで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾別後、濾液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、2,3-ジフルオロ-4-プロピルオキシフェニル=チオテレフタラートを得た。
N−ブロモスクシンイミドのジクロロメタン懸濁液を−78℃に冷却し、フッ化水素−ピリジンを滴下し、撹拌した。この反応液に上記の2,3-ジフルオロ-4-プロピルオキシフェニル=チオテレフタラートのジクロロメタン溶液を滴下し、更に撹拌した。反応液を飽和炭酸ナトリウム水溶液に注ぎ反応を終了させ、塩化メチレン相を分離し、亜硫酸水素ナトリウム水溶液、水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾別後、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、溶媒を留去して1,4-ビス{(2,3-ジフルオロ-4-プロピルオキシフェニルオキシ)ジフルオロメチル}ベンゼン(I-3)を得た。
(実施例6) 1-{2,3-ジフルオロ-4-(トランス-4-プロピルシクロヘキシルジフルオロメトキシ)フェニルオキシ}-2-{(2,3-ジフルオロ-4-エトキシフェニルオキシ)エタン(I-4)の合成
Figure 0005614003
2,3-ジフルオロフェニル=トランス-4-プロピルシクロヘキシルカルボキシラートとローソン試薬のトルエン溶液を、耐圧容器で、150℃とし反応させた。反応終了後、トルエンで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾別後、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。溶媒を留去後に得られた固体をジクロロメタン溶液とした後、N−ブロモスクシンイミドのジクロロメタン懸濁液に、−78℃でフッ化水素−ピリジンを滴下し調製した反応溶液中に滴下した。更に撹拌した後、飽和炭酸ナトリウム水溶液に注ぎ反応を終了させ、有機層を亜硫酸水素ナトリウム水溶液、水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾別後、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、2,3-ジフルオロフェニルオキシ-トランス-4-プロピルシクロヘキシルジフルオロメタンを得た。得られた2,3-ジフルオロフェニルオキシ-トランス-4-プロピルシクロヘキシルジフルオロメタンに実施例1と同様の方法によりフェノール性水酸基を導入し、2,3-ジフルオロ-4-(トランス-4-プロピルシクロヘキシルジフルオロメトキシ)フェノールを得た。得られた2,3-ジフルオロ-4-(トランス-4-プロピルシクロヘキシルジフルオロメトキシ)フェノールをジメチルホルムアミド溶液とした後、炭酸カリウムを加えて懸濁させ、2,3-ジフルオロ-4-エトキシ-1-(2-ブロモエトキシ)ベンゼンを滴下し、さらに撹拌して90℃で反応させた。反応終了後、トルエンで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾別後、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、溶媒を留去することで、1-{2,3-ジフルオロ-4-(トランス-4-プロピルシクロヘキシルジフルオロメトキシ)フェニルオキシ}-2-{(2,3-ジフルオロ-4-エトキシフェニルオキシ)エタン(I-4)を得た。
(実施例7) 1-[2,3-ジフルオロ-4-{2-(4-プロピルフェニル)エチル}フェニルオキシ]-2-(2,3-ジフルオロ-4-エトキシフェニルオキシ)ブタン(I-5)の合成
Figure 0005614003
4-プロピルベンジルブロミドとトリフェニルホスフィンのトルエン溶液を加熱還流し反応させた。反応終了後、反応溶液を室温にまで冷却し、得られた固体を濾別した。この固体を、t-ブトキシカリウムと共にテトラヒドロフラン中で懸濁させておき、2,3-ジフルオロベンズアルデヒドのテトラヒドロフラン溶液を滴下した。さらに撹拌した後、水を加えて反応を終了させ、ヘキサンで抽出し、有機層を集めて水/メタノール混合溶媒で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾別後、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、2,3-ジフルオロ-4'-プロピルスチルベンを得た。得られた2,3-ジフルオロ-4'-プロピルスチルベンをテトラヒドロフラン溶液とした後、Pd/Cを加え、水素ガスにより加圧して、攪拌した。反応溶液からPd/Cを濾別し、溶媒を留去して2,3-ジフルオロ-1-{2-(4-プロピル)フェニル}エチルベンゼンを得た。得られた2,3-ジフルオロ-1-{2-(4-プロピル)フェニル}エチルベンゼンに実施例1と同様の方法によりフェノール性水酸基を導入し、2,3-ジフルオロ-4-{2-(4-プロピル)フェニル}エチルフェノールを得た。得られた2,3-ジフルオロ-4-{2-(4-プロピル)フェニル}エチルフェノールをジメチルホルムアミド溶液とした後、炭酸カリウムを加えて懸濁させ、2,3-ジフルオロ-4-エトキシ-1-(4-ブロモブトキシ)ベンゼンを滴下し、さらに撹拌して90℃で反応させた。反応終了後、トルエンで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾別後、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、溶媒を留去することで、1-[2,3-ジフルオロ-4-{2-(4-プロピルフェニル)エチル}フェニルオキシ]-2- (2,3-ジフルオロ-4-エトキシフェニルオキシ)ブタン(I-5)を得た。

Claims (8)

  1. 一般式(I)
    Figure 0005614003
    (式中、R及びRは、それぞれ独立的に炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルコキシル基又は炭素数2〜12のアルケニルオキシ基を表し、それぞれの1個以上の水素原子は独立的にフッ素原子に置換されていてもよく、またそれぞれの−CH−基は独立的に−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−に置換されていてもよく、
    、A、A及びAは、それぞれ独立的にトランス−1,4−シクロヘキシレン基、トランス−1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基又は無置換であるか1個以上水素原子がフッ素原子に置換されていてもよい1,4−フェニレン基を表し、
    びXは、それぞれ独立的に単結合又は酸素原子を表し、
    及びX が、酸素原子を表し、
    、Y、Y及びYは、単結合、−CH−、−CF−又は−C24−を表すが、隣り合うX、X、X及びXが単結合を表す場合には、対応するY、Y、Y及びYも単結合を表し、
    は、単結合、−OCH−、−CHO−、−C−、−C−、―COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CFO−、−OCF−、−CFCF−又は−C≡C−を表し、
    p、q、r及びsは、0又は1を表すが、p+q+r+sは1又は2を表し、且つq+rが1又は2を表し、q又はrのいずれかが0を表す場合には、Zは、単結合、−C−、−C−又は−CFCF−を表す。)で表わされるフルオロベンゼン誘導体。
  2. 一般式(I)において、A、A、A及びAが、それぞれ独立的にトランス−1,4−シクロヘキシレン基又は無置換であるか1個以上水素原子がフッ素原子に置換されていてもよい1,4−フェニレン基を表す請求項1記載のフルオロベンゼン誘導体。
  3. 一般式(I)において、X、X、X及びXが、酸素原子を表す請求項1又は2記載のフルオロベンゼン誘導体。
  4. q+rが1を表す請求項1〜のいずれかに記載のフルオロベンゼン誘導体。
  5. が、単結合、−C−、−CFO−又は−OCF−を表す請求項1〜のいずれかに記載のフルオロベンゼン誘導体。
  6. 及びRが、それぞれ独立的に炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数1〜6のアルコキシル基又は炭素数2〜8のアルケニルオキシ基を表す請求項1〜4のいずれかに記載のフルオロベンゼン誘導体。
  7. 請求項1〜記載の一般式(I)で表される化合物を1種又は2種以上含有することを特徴とする液晶組成物。
  8. 請求項記載の液晶組成物を構成要素とする液晶素子。
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