JP2000279819A - エポキシド製造用触媒およびエポキシドの製造方法 - Google Patents

エポキシド製造用触媒およびエポキシドの製造方法

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JP2000279819A
JP2000279819A JP11089316A JP8931699A JP2000279819A JP 2000279819 A JP2000279819 A JP 2000279819A JP 11089316 A JP11089316 A JP 11089316A JP 8931699 A JP8931699 A JP 8931699A JP 2000279819 A JP2000279819 A JP 2000279819A
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epoxide
oxide
titanium
reaction
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JP11089316A
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Toshio Hayashi
利生 林
Masahiro Wada
正大 和田
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 不飽和炭化水素を部分酸化してエポキシドを
製造するのに好適に用いられるエポキシド製造用触媒、
および、該エポキシド製造用触媒を用いて不飽和炭化水
素を部分酸化するエポキシドの製造方法を提供する。 【解決手段】 エポキシド製造用触媒は、チタン含有酸
化物に金微粒子が固定されてなる触媒を、窒素含有化合
物、イオウ含有化合物、および、リン含有化合物からな
る群より選ばれる少なくとも一種の電子供与性化合物で
処理することにより調製される。金微粒子の粒子径は1
0nm以下であることが好ましい。そして、上記のエポ
キシド製造用触媒を用いて、水素と酸素との存在下で、
不飽和炭化水素を部分酸化するか、若しくは、チタン含
有酸化物に金微粒子が固定されてなる触媒を用いて、電
子供与性化合物と水素と酸素との存在下で、不飽和炭化
水素を部分酸化することにより、エポキシドを製造す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不飽和炭化水素を
部分酸化してエポキシドを製造するのに好適に用いられ
るエポキシド製造用触媒、および、該エポキシド製造用
触媒を用いて不飽和炭化水素を部分酸化するエポキシド
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、チタン含有酸化物に金微粒子
が固定されてなる触媒を用いて、水素と酸素との存在下
で、不飽和炭化水素を部分酸化することによってエポキ
シドを製造する方法は知られている(特開平8−127
550号公報、特開平10−5590号公報、特開平1
0−244156号公報等)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
触媒は、エポキシ化反応の初期段階では或る程度の活性
を示すものの、反応の進行に伴って活性が経時的に低下
する。従って、上記の触媒は、反応が定常状態に達した
段階では、その活性が不充分となってしまうという問題
点を有している。
【0004】また、上記のエポキシ化反応における水素
の理論消費量は、生成するエポキシド1モルに対して1
モルであるが、実際の消費量は、その2倍〜10倍とな
っている。そして、この消費量は、反応温度が上昇する
に従い、著しく増大する。つまり、上記の触媒を用いた
場合には、水素の消費量が理論量よりも多くなってしま
うという問題点を有している。
【0005】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであり、その目的は、不飽和炭化水素を部分酸化
してエポキシドを製造するのに好適に用いられるエポキ
シド製造用触媒、および、該エポキシド製造用触媒を用
いて不飽和炭化水素を部分酸化するエポキシドの製造方
法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は、上記従
来の触媒およびエポキシドの製造方法について検討し
た。その結果、触媒の活性並びに選択性には該触媒が有
する酸点が関連していること、より詳しくは、触媒が酸
点を有すると、i)生成するエポキシドが異性化反応を起
こして対応するアルデヒドに異性化すること、ii) 重縮
合反応を起こしてエポキシドの生成量が減少すること、
iii)高沸点物が生成することによって活性点被毒を起こ
すこと、が判明した。つまり、触媒が酸点を有すると、
活性並びに選択性が反応の進行に伴って経時的に低下す
ることが判明した。また、チタン含有酸化物に固定され
ている金微粒子の粒子径が不揃いであることが、水素の
消費量が理論量よりも多くなってしまう原因の一つであ
ると推察された。
【0007】そこで、本願発明者等は、エポキシド製造
用触媒およびエポキシドの製造方法についてさらに鋭意
検討した。その結果、チタン含有酸化物に金微粒子が固
定されてなる触媒を、電子供与性化合物で処理すること
により、エポキシド製造用触媒の活性並びに選択性が向
上することを見い出した。つまり、上記処理を行うこと
により、エポキシ化反応の初期段階では未処理の(従来
の)触媒と比較して若干の活性低下が認められるもの
の、反応の進行に伴って活性が経時的に上昇して安定す
ること、即ち、反応が定常状態に達した段階では、その
活性並びに選択性が充分となり、かつ、該触媒性能を長
期間、維持することができることを見い出した。さら
に、該エポキシド製造用触媒を用いた場合には、水素の
消費量が未処理の触媒と比較して減少させることができ
ることを見い出して、本発明を完成させるに至った。
【0008】即ち、本発明にかかるエポキシド製造用触
媒は、上記の課題を解決するために、チタン含有酸化物
に金微粒子が固定されてなる触媒であって、電子供与性
化合物で処理されていることを特徴としている。
【0009】本発明にかかるエポキシドの製造方法は、
上記の課題を解決するために、上記エポキシド製造用触
媒を用いて、水素と酸素との存在下で、不飽和炭化水素
を部分酸化することを特徴としている。
【0010】または、本発明にかかるエポキシドの製造
方法は、上記の課題を解決するために、チタン含有酸化
物に金微粒子が固定されてなる触媒を用いて、電子供与
性化合物と水素と酸素との存在下で、不飽和炭化水素を
部分酸化することを特徴としている。
【0011】本発明にかかるエポキシド製造用触媒の調
製方法は、上記の課題を解決するために、チタン含有酸
化物に金微粒子が固定されてなる触媒を、電子供与性化
合物で処理することを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明にかかるエポキシド製造用
触媒は、チタン含有酸化物に金微粒子が固定されてなる
触媒であって、電子供与性化合物で処理されている構成
である。但し、本発明において「電子供与性化合物で処
理する」とは、チタン含有酸化物に金微粒子が固定さ
れてなる触媒を、エポキシドの製造に先立って電子供与
性化合物で処理すること、および、エポキシドの製造
時に電子供与性化合物を存在させること、即ち、不飽和
炭化水素を部分酸化する反応系に、該触媒と、電子供与
性化合物とを共存させること、を示す。
【0013】チタン含有酸化物としては、具体的には、
例えば、酸化チタン、チタン酸塩、および、チタンとケ
イ素とが酸素を介して化学結合してなる複合酸化物から
なる群より選ばれる少なくとも一種の化合物が挙げられ
る。これらチタン含有酸化物は、一種類のみを用いても
よく、また、二種類以上を併用してもよい。本発明にか
かるエポキシド製造用触媒は、チタン含有酸化物を担体
として用いている。
【0014】酸化チタンの結晶構造は、特に限定される
ものではないが、アナターゼ型やルチル型等の結晶型を
有していること、若しくは、無定型であることがより好
ましく、アナターゼ型または無定型であることがさらに
好ましい。酸化チタンの形状や大きさは、特に限定され
るものではないが、一次粒子径が10nm〜200nm
の範囲内であり、かつ、比表面積が5m2 /g以上であ
ることがより好ましい。
【0015】また、酸化チタンは単独で用いてもよい
が、ケイ素含有酸化物と物理的に混合してなる混合物、
即ち、酸化チタンとケイ素含有酸化物との物理的混合物
(以下、混合酸化物と記す)として用いることもでき
る。該混合酸化物は、多孔質であることが好適であり、
比表面積が1m2 /g以上であることがより好ましく、
50m2 /g〜1200m2 /gの範囲内であることが
さらに好ましい。混合酸化物を構成するケイ素含有酸化
物としては、具体的には、例えば、無定型のシリカ、結
晶性を有するシリカライト、金属ケイ酸塩等の、酸化ケ
イ素を主成分とする化合物;無定型のシリカ−アルミ
ナ、結晶性を有するシリカ−アルミナ(ゼオライト)等
の、ケイ素とその他の金属とからなる複合型の酸化物;
等が挙げられる。
【0016】チタン酸塩としては、具体的には、例え
ば、MgTiO3 、CaTiO3 、BaTiO3 、Pb
TiO3 、FeTiO3 等の、各種金属のチタン酸塩が
挙げられる。
【0017】チタンとケイ素とが酸素を介して化学結合
してなる複合酸化物(以下、複合酸化物と記す)は、多
孔質であることが好適であり、比表面積が1m2 /g以
上であることがより好ましく、50m2 /g〜1200
2 /gの範囲内であることがさらに好ましい。該複合
酸化物としては、チタンと上記ケイ素含有酸化物との複
合酸化物がより好ましく、具体的には、例えば、酸化チ
タンがケイ素含有酸化物の表面に担持された複合酸化
物、ケイ素含有酸化物の表面および内部にチタンが存在
する複合酸化物等が挙げられる。
【0018】ケイ素含有酸化物の表面に酸化チタンを担
持させる方法としては、具体的には、例えば、含浸法、
イオン交換法、化学蒸着法等によってチタン化合物をケ
イ素含有酸化物の表面に吸着或いは結合させた後、焼成
等によってチタン化合物を酸化物にして担持させる方法
等の、一般的な方法が挙げられるが、特に限定されるも
のではない。また、ケイ素含有酸化物の表面および内部
にチタンが存在する複合酸化物を調製する方法として
は、具体的には、例えば、チタン化合物とケイ素化合物
とを含む均一溶液から、共沈法やゾル−ゲル法等によっ
て、チタンとケイ素とを含む水酸化物(混合水酸化物)
の沈澱を生成させた後、焼成等によって該沈澱を酸化物
にする方法が挙げられる。上記チタン化合物としては、
例えば、無機酸および有機酸の可溶性チタン塩類、チタ
ンアルコキシド類、有機化合物を含むチタン錯体類等が
挙げられる。
【0019】上記の焼成温度は、100℃〜1200℃
の範囲内が好ましく、300℃〜950℃の範囲内がよ
り好ましい。また、焼成時の雰囲気は、酸素、窒素、ヘ
リウム、アルゴン、二酸化炭素等より選ばれる少なくと
も一種のガスを含む非還元性雰囲気であればよい。
【0020】チタン含有酸化物が混合酸化物や複合酸化
物を含む場合、つまり、チタン含有酸化物がケイ素を含
む場合における、チタンとケイ素との原子比率(Ti/
Si)は、0.1/100〜50/100の範囲内が好
ましく、0.5/100〜20/100の範囲内がより
好ましい。チタンの比率が上記範囲よりも少ないチタン
含有酸化物を用いて得られる触媒は、例えばシリカ単体
を担体として用いて得られる触媒と実質的に同一の触媒
特性となり、従って、不飽和炭化水素の選択的な部分酸
化を生じさせることが全くできないので好ましくない。
【0021】さらに、チタン含有酸化物は、アルカリ金
属、アルカリ土類金属、ランタノイド、および、タリウ
ムからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素をさら
に含んでいてもよい。アルカリ金属としては、具体的に
は、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セ
シウム、フランシウムが挙げられる。アルカリ土類金属
としては、具体的には、ベリリウム、マグネシウム、カ
ルシウム、ストロンチウム、バリウム、ラジウムが挙げ
られる。ランタノイドとしては、具体的には、例えば、
ランタン、セリウム、サマリウム等が挙げられる。これ
ら元素は、必要に応じて、一種類のみが含まれていても
よく、また、二種類以上が含まれていてもよい。上記例
示の元素のうち、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、
セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウ
ム、およびバリウムがより好ましい。チタン含有酸化物
がこれら元素をさらに含むことにより、エポキシド製造
用触媒の安定性がさらに増すと共に、その寿命がより一
層長くなる。
【0022】チタン含有酸化物が上記元素をさらに含む
場合における該元素の含有量は、0.001重量%〜2
0重量%の範囲内が好ましく、0.005重量%〜5重
量%の範囲内がより好ましく、0.01重量%〜2重量
%の範囲内がさらに好ましい。但し、チタン含有酸化物
がチタン酸塩を含む場合には、該チタン含有酸化物にお
ける上記元素の含有量をより多くすることができ、具体
的には、0.1重量%〜50重量%の範囲内にすること
がより好ましい。
【0023】尚、上記のチタン含有酸化物を担体として
用いる代わりに、予め成型された支持体に、チタン含有
酸化物を、例えばゾル−ゲル法や混練法、コーティング
法等の手法によって担持させてなる担体を用いることも
できる。
【0024】金微粒子は、上記チタン含有酸化物に固定
されている。該金微粒子は、粒子径が10nm以下であ
る、いわゆる超微粒子が好適である。チタン含有酸化物
における金の担持量は、チタン含有酸化物の重量を基準
として、0.001重量%以上が好ましく、0.01〜
20重量%の範囲内がより好ましく、0.05重量%〜
10重量%の範囲内がさらに好ましい。金の担持量が
0.001重量%よりも少ないと、触媒の活性が低下す
るので好ましくない。一方、金の担持量を20重量%よ
りも多くしても、金を上記の範囲内で担持させた場合と
比較して、触媒の活性の更なる向上は殆ど望めず、金が
無駄になるので好ましくない。
【0025】金微粒子をチタン含有酸化物に担持させる
方法、つまり、固定する方法としては、具体的には、例
えば、析出沈澱法や蒸着法、含浸法等が挙げられるが、
特に限定されるものではない。
【0026】析出沈澱法で金微粒子をチタン含有酸化物
に担持させる手順について説明する。先ず、金化合物
(後述する)を含有する水溶液を調製し、30℃〜10
0℃の範囲内、より好ましくは50℃〜95℃の範囲内
に加温した後、攪拌しながら、アルカリ水溶液を用いて
上記水溶液のpHを6〜12の範囲内、より好ましくは
7〜10の範囲内に調節する。次に、この水溶液にチタ
ン含有酸化物を、上記温度で攪拌しながら、一度に、若
しくは、数分以内に数回に分けて投入する。このとき、
水溶液のpHに変化が生じる場合には、アルカリ水溶液
を用いてpHを上記範囲内に調節する。
【0027】チタン含有酸化物を投入した後、所定時
間、上記温度で攪拌を続けることにより、該チタン含有
酸化物の表面に金水酸化物が付着(析出沈澱)してなる
固形物(金微粒子固定化物)が得られる。該固形物を濾
別して取り出し、水洗(洗浄)した後、100℃〜80
0℃の範囲内で焼成する。これにより、金微粒子がチタ
ン含有酸化物に担持される。
【0028】上記のアルカリ水溶液を構成するアルカリ
成分としては、具体的には、例えば、炭酸ナトリウム、
炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、アンモニア、テ
トラメチルアンモニウムヒドロキシド等が挙げられる
が、特に限定されるものではない。
【0029】また、析出沈澱法においては、金化合物を
含有する水溶液に、例えば、金微粒子の担持量や粒子
径、或いはチタン含有酸化物における担持部位を制御す
るために、必要に応じて、添加物を添加することができ
る。該添加物としては、例えば、各種金属塩や、界面活
性剤、イオン性化合物等が好適である。各種金属塩とし
ては、具体的には、例えば、硝酸ナトリウム、硝酸カリ
ウム、硝酸バリウム等の金属硝酸塩;酢酸ナトリウム、
プロピオン酸カリウム、クエン酸マグネシウム等の金属
カルボン酸塩;等が挙げられる。界面活性剤としては、
具体的には、例えば、ラウリル酸ナトリウム、オレイン
酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等のアニオン性
界面活性剤;ドデシルトリメチルアンモニウムクロライ
ド等のカチオン性界面活性剤;ポリエチレングリコー
ル、ノニルフェノール等の非イオン性界面活性剤;等が
挙げられる。イオン性化合物としては、具体的には、例
えば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、炭酸、酢酸、テトラ
メチルアンモニウムブロマイド等が挙げられる。
【0030】蒸着法で金微粒子をチタン含有酸化物に担
持させるには、揮発性を有する金化合物を気体の状態に
した後、該気体をチタン含有酸化物に接触させる。する
と、金化合物はチタン含有酸化物表面のヒドロキシル基
と反応することによって固定される。その後、焼成する
ことにより、金微粒子がチタン含有酸化物に担持され
る。
【0031】含浸法で金微粒子をチタン含有酸化物に担
持させるには、金化合物を溶媒に溶解してなる均一溶液
にチタン含有酸化物を投入した後、溶媒を留去すること
によって該チタン含有酸化物の表面に金化合物を付着さ
せる。そして、得られた固形物(金微粒子固定化物)を
濾別して取り出し、乾燥した後、焼成する。これによ
り、金微粒子がチタン含有酸化物に担持される。若しく
は、金化合物とチタン含有化合物とを溶媒に溶解してな
る均一溶液にシリカ担体を投入した後、溶媒を留去する
ことによって該シリカ担体の表面に金化合物とチタン含
有化合物とを付着させる。そして、得られた固形物を濾
別して取り出し、乾燥した後、焼成する。これにより、
金微粒子とチタン含有酸化物とが接合した状態でシリカ
担体に担持される。
【0032】上記の溶媒としては、例えば、水や、アル
コール類、ケトン類、エーテル類、エステル類等が好適
である。アルコール類としては、具体的には、例えば、
メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルア
ルコール、n−ブチルアルコール、オクチルアルコー
ル、エチレングリコール等が挙げられる。ケトン類とし
ては、具体的には、例えば、アセトン、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。エーテ
ル類としては、具体的には、例えば、テトラヒドロフラ
ン、ジイソプロピルエーテル、ジイソブチルエーテル等
が挙げられる。エステル類としては、具体的には、例え
ば、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等が
挙げられる。
【0033】上記の金化合物としては、具体的には、例
えば、テトラクロロ金(III) 酸「H〔AuCl4 〕」、
テトラクロロ金(III) 酸ナトリウム「Na〔AuC
4 〕」、シアン化金(I) 「AuCN」、ジシアノ金
(I) 酸カリウム「K〔Au(CN) 2 〕」、ジエチルア
ミン金(III) 三塩化物「(C2 5 2 NH・〔AuC
3〕」等の水溶性金塩;(CH3 2 Au(CH3
OCHCOCH3 )、(CH 3 2 Au(CF3 COC
HCOCH3 )、(CH3 2 Au(CF3 COCHC
OCF3 )、(C2 5 2 Au(CH3 COCHCO
CH3 )、(CH3 2 Au(C6 5 COCHCOC
3 )、CH3 AuP(CH3 3 、AuP(CH3
3 Cl、AuP(CH3 3 NO3 等の金錯体;等が挙
げられるが、特に限定されるものではない。また、水溶
液等の溶液における金化合物の濃度は、特に限定される
ものではない。尚、金化合物は、水和物となっていても
よい。
【0034】上記の各種方法により、チタン含有酸化物
に金微粒子が固定されてなる触媒(以下、処理前触媒と
記す場合がある)が得られる。
【0035】電子供与性化合物としては、例えば、窒素
含有化合物、イオウ含有化合物、リン含有化合物が挙げ
られる。窒素含有化合物としては、例えば、モルホリン
およびその誘導体、等の脂肪族アミン;アニリン、ピリ
ジン、ピコリン、ルチジン、キノリン、ピロール、イン
ドール、カルバゾール、およびこれら化合物の誘導体、
等の芳香族アミン;等が挙げられるが、特に限定される
ものではない。窒素含有化合物は、1級アミン、2級ア
ミン、3級アミンの何れであってもよいが、3級アミン
がより好ましい。イオウ含有化合物としては、例えば、
フェニルメルカプタン等のチオール類、スルフィド類、
ジスルフィド類、チオフェン、ベンゾチオフェン、およ
びこれら化合物の誘導体等が挙げられるが、特に限定さ
れるものではない。リン含有化合物としては、例えば、
1級ホスフィン類、2級ホスフィン類、3級ホスフィン
類、ホスフィンオキシド類等が挙げられるが、特に限定
されるものではない。これら電子供与性化合物は、一種
類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用しても
よい。
【0036】電子供与性化合物で処理前触媒を処理する
具体的な方法としては、下記3つの方法が挙げられる。
【0037】第一の方法は、比較的沸点の低い電子供与
性化合物を用いる方法である。先ず、液状の電子供与性
化合物を、例えば窒素やヘリウム、アルゴン等の不活性
ガスでバブリングすることによって、蒸気(ミスト)を
発生させる。次に、所定の触媒処理温度に加熱された処
理前触媒に、不活性ガスに同伴された該蒸気を供給す
る。これにより、該触媒の酸点に電子供与性化合物が化
学結合する。尚、不活性ガスに同伴された蒸気の濃度
は、特に限定されるものではない。
【0038】第二の方法は、比較的沸点の高い電子供与
性化合物を用いる方法である。先ず、電子供与性化合物
を、揮発性が高い有機溶媒に溶解させる。次に、この溶
液に、処理前触媒を浸漬した後、加熱および/または減
圧することによって有機溶媒を除去する。これにより、
該触媒の酸点に電子供与性化合物が化学結合する。上記
の有機溶媒としては、例えば、メチルアルコールやイソ
プロピルアルコール等のアルコール類、アセトンやメチ
ルエチルケトン等のケトン類、ジイソプロピルエーテル
等のエーテル類、酢酸エチル等のエステル類、トルエン
等の炭化水素類等が好適である。尚、溶液における電子
供与性化合物の濃度は、特に限定されるものではない。
【0039】第三の方法は、エポキシドの製造時に電子
供与性化合物を存在させる方法である。つまり、エポキ
シドの製造時において、不飽和炭化水素、酸素および水
素を含む原料ガスに、電子供与性化合物を同伴させて反
応系に供給し、処理前触媒と接触させる。これにより、
該触媒の酸点に電子供与性化合物が化学結合する。尚、
原料ガスに対する電子供与性化合物の添加量は、特に限
定されるものではない。
【0040】処理前触媒に対する電子供与性化合物の使
用量は、該電子供与性化合物の種類や処理前触媒との組
み合わせ、処理方法等に応じて設定すればよいが、処理
前触媒100g当たり1×10-5モル〜1モルの範囲内
が好ましく、1×10-4モル〜1×10-1モルの範囲内
がより好ましい。電子供与性化合物の使用量が1×10
-5モルよりも少ないと、処理によって得られる効果(活
性並びに選択性の向上)が期待できなくなるので好まし
くない。一方、電子供与性化合物の使用量を1モルより
も多くしても、上記の範囲内で使用した場合と比較し
て、処理による更なる活性並びに選択性の向上は殆ど望
めず、活性点被毒を引き起こすおそれがあるので好まし
くない。
【0041】また、電子供与性化合物の存在下で不飽和
炭化水素を部分酸化する場合には、原料ガスと電子供与
性化合物とを含む反応ガスに占める該電子供与性化合物
の割合(容量体積)は、0.1ppm〜10%の範囲内
がより好ましく、1ppm〜1%の範囲内がさらに好ま
しい。
【0042】処理温度は、電子供与性化合物の種類や使
用量、処理前触媒との組み合わせ、処理方法等に応じて
設定すればよいが、0℃〜300℃の範囲内が好まし
く、5℃〜250℃の範囲内がより好ましい。処理温度
が0℃よりも低いと、電子供与性化合物と処理前触媒と
の相互作用が生じないので好ましくない。一方、処理温
度が300℃よりも高いと、電子供与性化合物が分解す
る等して、処理によって得られる効果(活性並びに選択
性の向上)が期待できなくなるので好ましくない。
【0043】処理時間は、電子供与性化合物の種類や使
用量、処理前触媒との組み合わせ、処理方法、処理温度
等に応じて設定すればよく、特に限定されるものではな
いが、0.1秒間〜2時間程度で充分である。
【0044】チタン含有酸化物に金微粒子が固定されて
なる処理前触媒を、上記の方法によって電子供与性化合
物で処理することにより、エポキシドを高収率かつ高選
択率で得ることができ、経時的な活性の低下が少なく、
優れた触媒性能を長時間、安定して維持することができ
るエポキシド製造用触媒が得られる。即ち、水素と酸素
との存在下で、不飽和炭化水素を部分酸化してエポキシ
ドを製造するのに好適に用いられる、活性並びに選択性
に優れ、かつ、触媒性能を長期間、維持することがで
き、しかも、水素の消費量が従来の触媒と比較して少な
いエポキシド製造用触媒を提供することができる。
【0045】尚、触媒が電子供与性化合物で処理されて
いるか否か、つまり、触媒の酸点に電子供与性化合物が
化学結合しているか否かは、例えば電子供与性化合物が
ピリジン(窒素含有化合物)である場合には、触媒の赤
外吸収スペクトル(IR)を測定・分析して、ピリジン
が触媒の酸点に結合若しくは配位していることを確認す
ることによって、容易に判断することができる。また、
例えば電子供与性化合物がイオウ含有化合物である場合
には、酸素による水素の酸化活性や、水素の消費量を調
べることによって、容易に判断することができる。
【0046】本発明にかかるエポキシドの製造方法、即
ち、上記構成のエポキシド製造用触媒を用いて不飽和炭
化水素を部分酸化する反応(エポキシ化反応)は、気相
で行うことが望ましいが、液相で行うこともできる。以
下の説明においては、上記の反応を気相で行う場合を例
に挙げることとする。
【0047】上記の製造方法において、原料として用い
られる不飽和炭化水素は、オレフィン二重結合を有する
化合物であればよく、特に限定されるものではないが、
炭素数2〜12の化合物がより好ましい。該不飽和炭化
水素としては、具体的には、例えば、エチレン、プロピ
レン、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン、1−ペン
テン、2−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、3−メ
チル−1−ブテン、シクロペンテン、1−ヘキセン、2
−ヘキセン、3−ヘキセン、2−メチル−1−ペンテ
ン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペン
テン、シクロヘキセン、1−メチル−1−シクロペンテ
ン、3−メチル−1−シクロペンテン等のオレフィンが
挙げられる。不飽和炭化水素の二重結合が酸化されるこ
とにより、対応するエポキシドが生成される。
【0048】エポキシド製造用触媒の使用量は、金微粒
子の担持量や、不飽和炭化水素の種類、反応条件等に応
じて設定すればよく、特に限定されるものではないが、
反応時の不飽和炭化水素の空間速度(SV)が100h
-1・ml/g・cat.〜30,000hr-1・ml/g
・cat.(触媒1g当たりの空間速度)の範囲内となる量
が好適である。
【0049】水素は還元剤として作用する。水素の使用
量は、特に限定されるものではないが、水素と不飽和炭
化水素との体積比(水素/不飽和炭化水素)が1/10
〜100/1の範囲内となる量が好適である。そして、
水素の割合が多い程、反応速度が大きくなるので、上記
の体積比は100/1に近い方がより好ましい。反応系
に水素が存在することによって、50℃以下の低温条件
下においても、エポキシドが生成される。尚、反応系に
水素が存在しない場合には、200℃以上の温度で不飽
和炭化水素の反応が起こるものの、エポキシドは殆ど生
成せず、完全酸化されて二酸化炭素および水が生成す
る。
【0050】酸素の使用量は、特に限定されるものでは
ないが、酸素と不飽和炭化水素との体積比(酸素/不飽
和炭化水素)が1/10〜10/1の範囲内となる量が
好適である。酸素の使用量が上記範囲よりも少ないと、
エポキシドの収率が低下するので好ましくない。一方、
酸素の使用量を上記範囲よりも多くしても、上記の範囲
内で使用した場合と比較して、エポキシドの更なる収率
向上は望めず、選択率が低下するので好ましくない。
【0051】本発明にかかるエポキシドの製造方法にお
いては、不飽和炭化水素、水素および酸素を含む原料
ガスと、エポキシド製造用触媒とを接触させることによ
り、或いは、不飽和炭化水素、電子供与性化合物、水
素および酸素を含む原料ガスと、チタン含有酸化物に金
微粒子が固定されてなる触媒とを接触させることによ
り、該不飽和炭化水素の部分酸化反応が進行する。従っ
て、反応方法としては、例えば、反応装置にエポキシド
製造用触媒(または処理前触媒)を充填し、該反応装置
内に上記の原料ガスを流通させる方法が好適である。こ
れにより、目的物であるエポキシドを含む生成ガスを得
ることができる。原料ガスは、必要に応じて、窒素や、
ヘリウム、アルゴン、二酸化炭素等の不活性ガスによっ
て希釈されていてもよい。不活性ガスの使用量は、特に
限定されるものではない。尚、反応方式は、特に限定さ
れるものではないが、上記の反応がいわゆる気相不均一
触媒反応であるので、連続方式が好適である。
【0052】反応温度は、不飽和炭化水素の種類やエポ
キシド製造用触媒との組み合わせ等に応じて設定すれば
よく、特に限定されるものではないが、不飽和炭化水素
やエポキシドが気体として存在し得る温度、例えば、0
℃〜350℃の範囲内が好適であり、20℃〜280℃
の範囲内が最適である。反応温度が極端に低いと、エポ
キシドの収率が低下するので好ましくない。一方、反応
温度が極端に高いと、不飽和炭化水素やエポキシドが完
全酸化されて二酸化炭素および水が生成し、エポキシド
の選択率が低下すると共に、燃焼によって消費される水
素の量が増加するので好ましくない。
【0053】反応圧力は、反応温度等の反応条件に応じ
て設定すればよく、特に限定されるものではないが、不
飽和炭化水素やエポキシドが気体として存在し得る圧
力、例えば、0.01MPa〜10MPaの範囲内が好
適である。反応圧力が極端に低いと、エポキシドの収率
が低下するので好ましくない。一方、反応圧力が極端に
高いと、エポキシドの収率は向上するものの、コンプレ
ッサー等の設備が必要となるので、実用的(工業的)で
はない。反応時間は、反応温度や反応圧力等の反応条件
に応じて設定すればよく、特に限定されるものではな
い。
【0054】本発明にかかるエポキシドの製造方法にお
いては、気相で直接酸化することにより、つまり、気相
酸化反応することにより、反応工程が一工程(一段階)
となり、不飽和炭化水素からエポキシドを高収率かつ高
選択率(高転化率)で得ることができると共に、燃焼さ
れる水素の量を低減することができるので、水素の消費
量を従来の方法と比較して少なくすることができる。即
ち、不飽和炭化水素からエポキシドを高収率かつ高選択
率で得ることができる製造方法を提供することができ
る。
【0055】尚、不飽和炭化水素を部分酸化する反応を
液相で行う場合には、回分式、半回分式、連続流通式の
種々の反応形式を採用することができる。液相反応にお
ける反応温度並びに反応圧力は、不飽和炭化水素やエポ
キシドが気体として存在し得る温度並びに圧力、例え
ば、温度は150℃以下、圧力は0.05MPa〜10
MPaの範囲内が好適である。或いは、反応に対して不
活性な溶媒を用いて、上記の反応を液相で行うこともで
きる。溶媒を用いる反応方法としては、例えば、エポキ
シド製造用触媒を溶媒に懸濁させてなる懸濁液に、前記
の原料ガスをバブリングさせる方法が好適である。該溶
媒としては、例えば、ベンゼン等の芳香族炭化水素、塩
化メチレン等のハロゲン化炭化水素等が挙げられるが、
特に限定されるものではない。また、溶媒の使用量は、
特に限定されるものではない。
【0056】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明を
さらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限
定されるものではない。
【0057】〔実施例1〕酸化チタン(II)アセチルアセ
トナート1.96gを含むメチルアルコール溶液500
mlに、ケイ素含有酸化物である酸化ケイ素(商品名・
シリカQ−10,富士シリシア化学株式会社製;比表面
積326m2 /g、10メッシュ〜20メッシュ、粒子
径840μm〜1,700μm)60gを浸漬した後、
エバポレータを用いてメチルアルコールを留去した。得
られた固形物を120℃で12時間乾燥させた後、空気
中で600℃、3時間、焼成することにより、チタン含
有酸化物(担体,複合酸化物)としての酸化ケイ素担持
酸化チタンを得た。該担体における酸化チタンの担持量
は、1重量%であった。
【0058】次に、金化合物としてのテトラクロロ金(I
II) 酸0.344gを水に溶解し、水酸化ナトリウム水
溶液を用いてpH8.8に調節することにより、テトラ
クロロ金(III) 酸水溶液500mlを調製した。この水
溶液に、70℃で、上記の酸化ケイ素担持酸化チタン4
0gを添加し、1時間攪拌して該酸化ケイ素担持酸化チ
タンを懸濁させると共に、その表面に金沈澱物を固定化
した。
【0059】その後、懸濁液を濾過し、濾残、即ち、固
形物を水洗して乾燥させた。次いで、該固形物を、空気
中で400℃、3時間、焼成することにより、処理前触
媒である酸化ケイ素担持酸化チタン担持金触媒を得た。
酸化ケイ素担持酸化チタンに担持された金並びにナトリ
ウム(メタル)の担持量を、蛍光X線分析法によって分
析した。その結果、金の担持量は0.055重量%であ
り、ナトリウムの担持量は0.076重量%であった。
【0060】次に、電子供与性化合物による酸化ケイ素
担持酸化チタン担持金触媒の処理を行った。即ち、得ら
れた酸化ケイ素担持酸化チタン担持金触媒1.0gを、
内径8mmのステンレス製反応管に充填した。一方、電
子供与性化合物(窒素含有化合物)としてのピリジン
を、その分圧が2mmHgとなるようにヘリウムで希釈
(同伴)することにより、処理ガスを調製した。そし
て、酸化ケイ素担持酸化チタン担持金触媒層の温度を2
00℃に加熱した後、該反応管内に、上記の処理ガス
を、常圧、流速33ml/min(標準状態)で10分
間流通させ、酸化ケイ素担持酸化チタン担持金触媒の処
理を行った。その後、ヘリウムを5分間流通させて反応
管内のピリジンを追い出した。これにより、本発明にか
かるエポキシド製造用触媒を得た。
【0061】尚、上記方法と同一の方法で処理した触媒
の赤外吸収スペクトルを測定・分析した結果、ピリジン
が触媒の酸点に結合していることを確認した。即ち、酸
化ケイ素担持酸化チタン担持金触媒がピリジンで処理さ
れていることを確認した。
【0062】次に、上記反応管内に充填されたエポキシ
ド製造用触媒を用いて、プロピレン(不飽和炭化水素)
の部分酸化反応を行い、該触媒の性能を調べた。即ち、
プロピレン、水素、酸素、およびアルゴンを、体積比
(プロピレン/水素/酸素/アルゴン)が10/10/
10/70となるように混合することにより、原料ガス
を調製した。そして、エポキシド製造用触媒層の温度を
200℃に保ち、該反応管内に、上記の原料ガスを空間
速度5,000hr-1・ml/g・cat.で流通させ、プ
ロピレンのエポキシ化反応を行った。
【0063】そして、反応開始1時間後、24時間後、
および50時間後に、反応管出口のガスを各々採取し、
ガスクロマトグラフィーを用いてその組成を分析し、プ
ロピレンオキシド(エポキシド)の単流収率、消費され
た水素と生成したプロピレンオキシドとのモル比率(水
素/プロピレンオキシド)を求めた。該モル比率が1に
近い程、水素の消費量が少ないと判断することができ
る。主な処理・反応条件、並びに結果を表1にまとめ
た。
【0064】〔比較例1〕ピリジンによる処理を行わな
かった以外は、実施例1と同様にして、比較用のエポキ
シド製造用触媒を得た。そして、該比較用触媒を用い
て、実施例1と同一の条件下でプロピレンの部分酸化反
応を行い、該触媒の性能を調べた。主な処理・反応条
件、並びに結果を表1にまとめた。
【0065】表1から明らかなように、ピリジンによる
処理を行ったエポキシド製造用触媒(実施例1)は、該
処理を行わなかった比較用触媒(比較例1)に比べて、
エポキシ化反応の初期段階(反応開始1時間後)ではプ
ロピレンオキシドの単流収率は若干低いものの、触媒性
能(活性)を長期間、維持することができ、かつ、水素
の消費量が少ないことが判った。
【0066】〔実施例2・3〕ピリジンによる処理の温
度を110℃および240℃に変更した以外は、実施例
1と同様にして、エポキシド製造用触媒を得た。そし
て、該エポキシド製造用触媒を用いて、実施例1と同一
の条件下でプロピレンの部分酸化反応を行い、該触媒の
性能を調べた。主な処理・反応条件、並びに結果を表1
にまとめた。
【0067】〔実施例4〕実施例1と同様にして、処理
前触媒である酸化ケイ素担持酸化チタン担持金触媒を得
た。そして、得られた酸化ケイ素担持酸化チタン担持金
触媒1.0gを、内径8mmのステンレス製反応管に充
填した。一方、実施例1と同一組成の原料ガスを調製
し、該原料ガスに、濃度が10ppmとなるようにピリ
ジンを添加した。そして、処理前触媒層の温度を200
℃に加熱した後、該反応管内に、上記の原料ガスを空間
速度5,000hr-1・ml/g・cat.で流通させた。
これにより、プロピレンの部分酸化反応を行い、エポキ
シド製造用触媒の性能を調べた。主な処理・反応条件、
並びに結果を表1にまとめた。
【0068】表1から明らかなように、ピリジンによる
処理を行う代わりに、原料ガスにピリジンを添加して
(共存させて)反応しても、触媒性能(活性)を長期
間、維持することができ、かつ、水素の消費量が少ない
ことが判った。
【0069】〔実施例5〕酸化チタン(II)アセチルアセ
トナート0.98gを含むメチルアルコール溶液500
mlに、酸化ケイ素(同上)60gを浸漬した後、エバ
ポレータを用いてメチルアルコールを留去した。得られ
た固形物を120℃で12時間乾燥させた後、空気中で
900℃、3時間、焼成することにより、酸化ケイ素担
持酸化チタンを得た。該担体における酸化チタンの担持
量は、0.5重量%であった。
【0070】次に、テトラクロロ金(III) 酸0.344
gを水に溶解し、水酸化カリウム水溶液を用いてpH
8.8に調節することにより、テトラクロロ金(III) 酸
水溶液900mlを調製した。この水溶液に、70℃
で、上記の酸化ケイ素担持酸化チタン20gを添加し、
1時間攪拌して該酸化ケイ素担持酸化チタンを懸濁させ
ると共に、その表面に金沈澱物を固定化した。
【0071】その後、懸濁液を濾過し、固形物を水洗し
て乾燥させた。次いで、該固形物を、空気中で400
℃、3時間、焼成することにより、酸化ケイ素担持酸化
チタン担持金触媒を得た。酸化ケイ素担持酸化チタン担
持金触媒を実施例1と同様にして分析した結果、金の担
持量は0.04重量%であり、カリウム(メタル)の担
持量は0.18重量%であった。
【0072】次に、得られた酸化ケイ素担持酸化チタン
担持金触媒1.0gを、内径8mmのステンレス製反応
管に充填した。一方、電子供与性化合物(窒素含有化合
物)としてのN,N−ジメチルアニリンを、その分圧が
2mmHgとなるようにヘリウムで希釈することによ
り、処理ガスを調製した。そして、酸化ケイ素担持酸化
チタン担持金触媒層の温度を200℃に加熱した後、該
反応管内に、上記の処理ガスを、常圧、流速33ml/
min(標準状態)で10分間流通させ、酸化ケイ素担
持酸化チタン担持金触媒の処理を行った。その後、ヘリ
ウムを5分間流通させて反応管内のN,N−ジメチルア
ニリンを追い出した。これにより、本発明にかかるエポ
キシド製造用触媒を得た。
【0073】そして、該エポキシド製造用触媒を用い
て、実施例1と同一の条件下でプロピレンの部分酸化反
応を行い、該触媒の性能を調べた。主な処理・反応条
件、並びに結果を表1にまとめた。
【0074】〔比較例2〕N,N−ジメチルアニリンに
よる処理を行わなかった以外は、実施例5と同様にし
て、比較用のエポキシド製造用触媒を得た。そして、該
比較用触媒を用いて、実施例1と同一の条件下でプロピ
レンの部分酸化反応を行い、該触媒の性能を調べた。主
な処理・反応条件、並びに結果を表1にまとめた。
【0075】表1から明らかなように、N,N−ジメチ
ルアニリンによる処理を行ったエポキシド製造用触媒
(実施例5)は、該処理を行わなかった比較用触媒(比
較例2)に比べて、エポキシ化反応の初期段階(反応開
始1時間後)ではプロピレンオキシドの単流収率は若干
低いものの、触媒性能(活性)を長期間、維持すること
ができ、かつ、水素の消費量が少ないことが判った。
【0076】〔実施例6〕実施例1と同様にして、処理
前触媒である酸化ケイ素担持酸化チタン担持金触媒を得
た。得られた酸化ケイ素担持酸化チタン担持金触媒1.
0gを、内径8mmのステンレス製反応管に充填した。
一方、電子供与性化合物(窒素含有化合物)としての2
−ピコリンを、その分圧が2.7mmHgとなるように
ヘリウムで希釈することにより、処理ガスを調製した。
そして、酸化ケイ素担持酸化チタン担持金触媒層の温度
を200℃に加熱した後、該反応管内に、上記の処理ガ
スを、常圧、流速33ml/min(標準状態)で10
分間流通させ、酸化ケイ素担持酸化チタン担持金触媒の
処理を行った。その後、ヘリウムを5分間流通させて反
応管内の2−ピコリンを追い出した。これにより、本発
明にかかるエポキシド製造用触媒を得た。
【0077】そして、該エポキシド製造用触媒を用い
て、実施例1と同一の条件下でプロピレンの部分酸化反
応を行い、該触媒の性能を調べた。主な処理・反応条
件、並びに結果を表1にまとめた。
【0078】〔実施例7〕実施例1と同様にして、処理
前触媒である酸化ケイ素担持酸化チタン担持金触媒を得
た。得られた酸化ケイ素担持酸化チタン担持金触媒1.
0gを、内径8mmのステンレス製反応管に充填した。
一方、電子供与性化合物(窒素含有化合物)としての
2,6−ルチジンを、その分圧が3mmHgとなるよう
にヘリウムで希釈することにより、処理ガスを調製し
た。そして、酸化ケイ素担持酸化チタン担持金触媒層の
温度を200℃に加熱した後、該反応管内に、上記の処
理ガスを、常圧、流速33ml/min(標準状態)で
10分間流通させ、酸化ケイ素担持酸化チタン担持金触
媒の処理を行った。その後、ヘリウムを5分間流通させ
て反応管内の2,6−ルチジンを追い出した。これによ
り、本発明にかかるエポキシド製造用触媒を得た。
【0079】そして、該エポキシド製造用触媒を用い
て、実施例1と同一の条件下でプロピレンの部分酸化反
応を行い、該触媒の性能を調べた。主な処理・反応条
件、並びに結果を表1にまとめた。
【0080】〔実施例8〕実施例1と同様にして、処理
前触媒である酸化ケイ素担持酸化チタン担持金触媒を得
た。得られた酸化ケイ素担持酸化チタン担持金触媒1.
0gを、内径8mmのステンレス製反応管に充填した。
一方、電子供与性化合物(窒素含有化合物)としてのN
−メチルモルホリンを、その分圧が0.3mmHgとな
るようにヘリウムで希釈することにより、処理ガスを調
製した。そして、酸化ケイ素担持酸化チタン担持金触媒
層の温度を200℃に加熱した後、該反応管内に、上記
の処理ガスを、常圧、流速33ml/min(標準状
態)で10分間流通させ、酸化ケイ素担持酸化チタン担
持金触媒の処理を行った。その後、ヘリウムを5分間流
通させて反応管内のN−メチルモルホリンを追い出し
た。これにより、本発明にかかるエポキシド製造用触媒
を得た。
【0081】そして、該エポキシド製造用触媒を用い
て、反応温度を200℃に変更した以外は、実施例1と
同一の条件下でプロピレンの部分酸化反応を行い、該触
媒の性能を調べた。主な処理・反応条件、並びに結果を
表2にまとめた。
【0082】〔実施例9〕実施例1と同様にして、酸化
ケイ素担持酸化チタンを得た。次に、テトラクロロ金(I
II) 酸0.344gを水に溶解し、水酸化セシウム水溶
液を用いてpH9.0に調節することにより、テトラク
ロロ金(III) 酸水溶液500mlを調製した。この水溶
液に、70℃で、上記の酸化ケイ素担持酸化チタン20
gを添加し、1時間攪拌して該酸化ケイ素担持酸化チタ
ンを懸濁させると共に、その表面に金沈澱物を固定化し
た。
【0083】その後、懸濁液を濾過し、固形物を水洗し
て乾燥させた。次いで、該固形物を、空気中で400
℃、3時間、焼成することにより、酸化ケイ素担持酸化
チタン担持金触媒を得た。酸化ケイ素担持酸化チタン担
持金触媒を実施例1と同様にして分析した結果、金の担
持量は0.12重量%であり、セシウム(メタル)の担
持量は0.25重量%であった。
【0084】次に、得られた酸化ケイ素担持酸化チタン
担持金触媒1.0gを、内径8mmのステンレス製反応
管に充填した。一方、電子供与性化合物(イオウ含有化
合物)としてのチオフェンを、その分圧が20mmHg
となるようにヘリウムで希釈することにより、処理ガス
を調製した。そして、酸化ケイ素担持酸化チタン担持金
触媒層の温度を220℃に加熱した後、該反応管内に、
上記の処理ガスを、常圧、流速33ml/min(標準
状態)で6分間流通させ、酸化ケイ素担持酸化チタン担
持金触媒の処理を行った。その後、ヘリウムを3分間流
通させて反応管内のチオフェンを追い出した。これによ
り、本発明にかかるエポキシド製造用触媒を得た。
【0085】そして、該エポキシド製造用触媒を用い
て、実施例1と同一の条件下でプロピレンの部分酸化反
応を行い、該触媒の性能を調べた。主な処理・反応条
件、並びに結果を表2にまとめた。
【0086】また、上記のエポキシド製造用触媒を用い
て、水素の燃焼反応を行った。即ち、該エポキシド製造
用触媒を反応管に充填し、150℃に加熱した後、該反
応管内に、水素10容量%、酸素10容量%、およびア
ルゴン80容量%の組成を有するガスを流通させた。そ
の結果、反応開始1時間後における水素の消費量(燃焼
量)は、30%であった。
【0087】〔比較例3〕チオフェンによる処理を行わ
なかった以外は、実施例9と同様にして、比較用のエポ
キシド製造用触媒を得た。そして、該比較用触媒を用い
て、実施例1と同一の条件下でプロピレンの部分酸化反
応を行い、該触媒の性能を調べた。主な処理・反応条
件、並びに結果を表2にまとめた。
【0088】また、上記の比較用触媒を用いて、実施例
9と同様にして、水素の燃焼反応を行った。その結果、
反応開始1時間後における水素の消費量(燃焼量)は、
88%であった。
【0089】表2から明らかなように、チオフェンによ
る処理を行ったエポキシド製造用触媒(実施例9)は、
該処理を行わなかった比較用触媒(比較例3)に比べ
て、エポキシ化反応の初期段階(反応開始1時間後)で
はプロピレンオキシドの単流収率は若干低いものの、触
媒性能(活性)を長期間、維持することができ、かつ、
水素の消費量が少ないことが判った。
【0090】また、水素の燃焼反応の結果から明らかな
ように、チオフェンによる処理を行うことにより、水素
の燃焼を抑制することができること、即ち、エポキシ化
反応における水素の消費量を低減させることができるこ
とが判った。
【0091】〔実施例10〕酸化チタン(II)アセチルア
セトナート3.28gを含むメチルアルコール溶液15
0mlに、酸化ケイ素(同上)100gを浸漬した後、
エバポレータを用いてメチルアルコールを留去した。得
られた固形物を120℃で12時間乾燥させた後、空気
中で600℃、3時間、焼成することにより、酸化ケイ
素担持酸化チタンを得た。該担体における酸化チタンの
担持量は、1重量%であった。
【0092】次に、テトラクロロ金(III) 酸0.69g
を水に溶解し、水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH
8.8に調節することにより、テトラクロロ金(III) 酸
水溶液2,000mlを調製した。この水溶液に、70
℃で、上記の酸化ケイ素担持酸化チタン40gを添加
し、1時間攪拌して該酸化ケイ素担持酸化チタンを懸濁
させると共に、その表面に金沈澱物を固定化した。
【0093】その後、懸濁液を濾過し、固形物を水洗し
て乾燥させた。次いで、該固形物を、空気中で400
℃、3時間、焼成することにより、酸化ケイ素担持酸化
チタン担持金触媒を得た。酸化ケイ素担持酸化チタン担
持金触媒を実施例1と同様にして分析した結果、金の担
持量は0.153重量%であり、ナトリウム(メタル)
の担持量は0.115重量%であった。
【0094】次に、得られた酸化ケイ素担持酸化チタン
担持金触媒1.0gを、内径8mmのステンレス製反応
管に充填し、反応温度を170℃に変更した以外は、実
施例1と同様にして、ピリジンによる処理を行うことに
より、本発明にかかるエポキシド製造用触媒を得た。
【0095】次に、上記反応管内に充填されたエポキシ
ド製造用触媒を用いて、 trans−2−ブテン(不飽和炭
化水素)の部分酸化反応を行い、該触媒の性能を調べ
た。即ち、 trans−2−ブテン、水素、酸素、およびア
ルゴンを、体積比(2−ブテン/水素/酸素/アルゴ
ン)が5/20/20/55となるように混合すること
により、原料ガスを調製した。そして、エポキシド製造
用触媒層の温度を180℃に加熱した後、該反応管内
に、上記の原料ガスを空間速度4,000hr-1・ml
/g・cat.で流通させ、 trans−2−ブテンのエポキシ
化反応を行った。
【0096】そして、反応開始1時間後、および50時
間後に、反応管出口のガスを各々採取し、ガスクロマト
グラフィーを用いてその組成を分析し、2,3−エポキ
シブタン(エポキシド)の単流収率、消費された水素と
生成した2,3−エポキシブタンとのモル比率(水素/
2,3−エポキシブタン)を求めた。主な処理・反応条
件、並びに結果を表2にまとめた。
【0097】〔比較例4〕ピリジンによる処理を行わな
かった以外は、実施例10と同様にして、比較用のエポ
キシド製造用触媒を得た。そして、該比較用触媒を用い
て、実施例10と同一の条件下で trans−2−ブテンの
部分酸化反応を行い、該触媒の性能を調べた。主な処理
・反応条件、並びに結果を表2にまとめた。
【0098】表2から明らかなように、ピリジンによる
処理を行ったエポキシド製造用触媒(実施例10)は、
該処理を行わなかった比較用触媒(比較例4)に比べ
て、エポキシ化反応の初期段階(反応開始1時間後)で
は2,3−エポキシブタンの単流収率は若干低いもの
の、触媒性能(活性)を長期間、維持することができ、
かつ、水素の消費量が少ないことが判った。
【0099】〔実施例11〕実施例10と同様にして、
エポキシド製造用触媒を得た。そして、該エポキシド製
造用触媒を用いて、 cis−2−ブテン(不飽和炭化水
素)の部分酸化反応を実施例10と同一の条件下で行
い、該触媒の性能を調べた。主な処理・反応条件、並び
に結果を表2にまとめた。
【0100】〔比較例5〕比較例4と同様にして、比較
用触媒を得た。そして、該比較用触媒を用いて、cis−
2−ブテンの部分酸化反応を実施例10と同一の条件下
で行い、該触媒の性能を調べた。主な処理・反応条件、
並びに結果を表2にまとめた。
【0101】〔実施例12〕実施例1と同様にして、処
理前触媒である酸化ケイ素担持酸化チタン担持金触媒を
得た。得られた酸化ケイ素担持酸化チタン担持金触媒
2.0gを、電子供与性化合物(リン含有化合物)とし
てのトリフェニルホスフィン0.0012gを含むトル
エン溶液5mlに、室温で1時間浸漬した。その後、エ
バポレータを用いてトルエンを留去した。処理後の酸化
ケイ素担持酸化チタン担持金触媒を内径8mmのステン
レス製反応管に充填し、該触媒層の温度を200℃に加
熱した後、該反応管内に、アルゴンを、常圧、流速63
ml/min(標準状態)で20分間流通させた。これ
により、本発明にかかるエポキシド製造用触媒を得た。
【0102】そして、該エポキシド製造用触媒を用い
て、実施例1と同一の条件下でプロピレンの部分酸化反
応を行い、該触媒の性能を調べた。主な処理・反応条
件、並びに結果を表2にまとめた。
【0103】〔実施例13〕トリフェニルホスフィンの
代わりに、電子供与性化合物(リン含有化合物)として
のトリメチルホスファイト(trimethyl phosphite) 0.
0012gを用いた以外は、実施例12と同様にして、
本発明にかかるエポキシド製造用触媒を得た。
【0104】そして、該エポキシド製造用触媒を用い
て、実施例1と同一の条件下でプロピレンの部分酸化反
応を行い、該触媒の性能を調べた。主な処理・反応条
件、並びに結果を表2にまとめた。
【0105】
【表1】
【0106】
【表2】
【0107】
【発明の効果】本発明によれば、水素と酸素との存在下
で、不飽和炭化水素を部分酸化してエポキシドを製造す
るのに好適に用いられる、活性並びに選択性に優れ、か
つ、触媒性能を長期間、維持することができ、しかも、
水素の消費量が従来の触媒と比較して少ないエポキシド
製造用触媒を提供することができるという効果を奏す
る。
【0108】また、本発明によれば、不飽和炭化水素か
らエポキシドを高収率かつ高選択率(高転化率)で得る
ことができると共に、燃焼される水素の量を低減するこ
とができるので、水素の消費量を従来の方法と比較して
少なくすることができる。即ち、不飽和炭化水素からエ
ポキシドを高収率かつ高選択率で得ることができる製造
方法を提供することができるという効果を奏する。
【0109】さらに、本発明によれば、水素と酸素との
存在下で、不飽和炭化水素を部分酸化してエポキシドを
製造するのに好適に用いられる、活性並びに選択性に優
れ、かつ、触媒性能を長期間、維持することができ、し
かも、水素の消費量が従来の触媒と比較して少ないエポ
キシド製造用触媒を調製することができるという効果を
奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C048 AA01 AA03 AA04 BB01 BB02 BC01 CC01 UU03 XX05 4G069 AA03 AA08 BB09A BB11A BB11B BB13A BC33A BC33B BC50A BC50B BD05B CB09 EB18X 4H039 CA63 CC40

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】チタン含有酸化物に金微粒子が固定されて
    なる触媒であって、 電子供与性化合物で処理されていることを特徴とするエ
    ポキシド製造用触媒。
  2. 【請求項2】電子供与性化合物が、窒素含有化合物、イ
    オウ含有化合物、および、リン含有化合物からなる群よ
    り選ばれる少なくとも一種の化合物であることを特徴と
    する請求項1記載のエポキシド製造用触媒。
  3. 【請求項3】金微粒子の粒子径が10nm以下であるこ
    とを特徴とする請求項1または2記載のエポキシド製造
    用触媒。
  4. 【請求項4】請求項1ないし3の何れか1項に記載のエ
    ポキシド製造用触媒を用いて、水素と酸素との存在下
    で、不飽和炭化水素を部分酸化することを特徴とするエ
    ポキシドの製造方法。
  5. 【請求項5】チタン含有酸化物に金微粒子が固定されて
    なる触媒を用いて、電子供与性化合物と水素と酸素との
    存在下で、不飽和炭化水素を部分酸化することを特徴と
    するエポキシドの製造方法。
  6. 【請求項6】チタン含有酸化物に金微粒子が固定されて
    なる触媒を、電子供与性化合物で処理することを特徴と
    するエポキシド製造用触媒の調製方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007105690A (ja) * 2005-10-17 2007-04-26 National Institute Of Advanced Industrial & Technology エポキシ化合物製造用触媒およびこれを用いたエポキシ化合物の製造方法と製造装置

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