JP4395580B2 - エポキシドの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、チタン含有酸化物に金微粒子が担持されてなる触媒を用い、分子状水素と酸素との存在下で不飽和炭化水素を部分酸化することにより、対応するエポキシドを製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、チタン含有酸化物に金微粒子が固定されてなる(部分酸化用)触媒を用いて、分子状水素と酸素との存在下で、不飽和炭化水素を部分酸化することによってエポキシドを製造する方法は知られている(特開平8−127550号公報、特開平10−5590号公報、特開平10−244156号公報等)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記例示のエポキシドの製造方法は、エポキシ化反応の初期段階では或る程度の活性を示すものの、反応の進行に伴って活性が経時的に低下する。従って、上記の触媒は、反応が定常状態に達した段階では、その活性が不充分となってしまうという問題点を有している。
【0004】
また、上記の方法における分子状水素(以下、場合によっては水素と称する)の理論消費量は、生成するエポキシド1モルに対して1モルであるが、実際の消費量は、その2倍〜10倍となっている。そして、この消費量は、反応温度が上昇するに従い、著しく増大する。水素の消費量が増大する原因は、必ずしも明らかではないが、その原因の一つとして、チタン含有酸化物に固定されている金微粒子の粒子径が不揃いであることが考えられる。
【0005】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、チタン含有酸化物に金微粒子が担持されてなる触媒を用い、分子状水素と酸素との存在下で不飽和炭化水素を部分酸化することにより、対応するエポキシドを製造するより好適な方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本願発明者等は、上記従来のエポキシドの製造方法について鋭意検討した。その結果、チタン含有酸化物に金微粒子が担持されてなる触媒を用い、分子状水素と酸素との存在下で不飽和炭化水素を部分酸化するエポキシドの製造方法において、不飽和炭化水素の部分酸化を、所定量の特定の共存化合物の存在下で行う(すなわち、反応系に所定量の特定の共存化合物を共存させる)ことにより、例えば、1)触媒の活性ならびに選択性が高く、また、2)水素の消費量を従来の方法と比較して低減することができ、さらに、3)これらの優れた触媒性能が長期間安定に維持される(すなわち、触媒性能の経時的な低下が少ない)ことを見出して、本発明を完成させるに至った。
【0007】
即ち、請求項1記載の発明のエポキシドの製造方法は、上記の課題を解決するために、チタン含有酸化物に金微粒子が固定されてなる触媒を用い、分子状水素と酸素との存在下で、不飽和炭化水素を部分酸化するエポキシドの製造方法であって、上記部分酸化が、分子状水素1に対して、10−4〜50の体積比の気体状の共存化合物の存在下で行われ、上記共存化合物は、炭素数6以下の低級アルコール、直鎖状エーテル、環状エーテルからなる群より選ばれた1以上であることを特徴としている。
【0008】
請求項2記載の発明のエポキシドの製造方法は、上記の課題を解決するために、請求項1記載の方法において、上記チタン含有酸化物が、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ランタノイド、および、タリウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素をさらに含んでいることを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明にかかるエポキシドの製造方法は、チタン含有酸化物に金微粒子が固定されてなる触媒を用い、分子状水素と酸素との存在下で、不飽和炭化水素を部分酸化するエポキシドの製造方法であって、上記部分酸化が、共存化合物としての、所定量のアルコールおよび/またはエーテルの存在下で行われる方法である。
【0010】
始めに、本発明にかかるエポキシドの製造方法において使用される、チタン含有酸化物に金微粒子が固定されてなる触媒(以下、場合によってはエポキシド製造用触媒、または、単に触媒と称する)について説明を行う。
【0011】
チタン含有酸化物としては、具体的には、例えば、酸化チタン、チタン酸塩、および、チタンとケイ素とが酸素を介して化学結合してなる複合酸化物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物が挙げられる。これらチタン含有酸化物は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。上記チタン含有酸化物のうち、酸化チタンの結晶構造、形状、大きさ等は、特に限定されるものではない。
【0012】
また、酸化チタンは単独で用いてもよいが、ケイ素含有酸化物と物理的に混合してなる混合物、即ち、酸化チタンとケイ素含有酸化物との物理的混合物(以下、混合酸化物と記す)として用いることもできる。該混合酸化物は、多孔質であることが好適であり、比表面積が1m2 /g以上であることがより好ましく、50m2 /g〜1200m2 /gの範囲内であることがさらに好ましい。混合酸化物を構成するケイ素含有酸化物としては、具体的には、例えば、無定型のシリカ、結晶性を有するシリカライト、金属ケイ酸塩等の、酸化ケイ素を主成分とする化合物;無定型のシリカ−アルミナ、結晶性を有するシリカ−アルミナ(ゼオライト)等の、ケイ素とその他の金属とからなる複合型の酸化物;等が挙げられる。
【0013】
チタン酸塩としては、具体的には、例えば、MgTiO3 、CaTiO3 、BaTiO3 、PbTiO3 、FeTiO3 等の、各種金属のチタン酸塩が挙げられる。
【0014】
チタンとケイ素とが酸素を介して化学結合してなる複合酸化物(以下、複合酸化物と記す)は、多孔質であることが好適であり、比表面積が1m2 /g以上であることがより好ましく、50m2 /g〜1200m2 /gの範囲内であることがさらに好ましい。該複合酸化物としては、チタンと上記ケイ素含有酸化物との複合酸化物がより好ましく、具体的には、例えば、酸化チタンがケイ素含有酸化物の表面に担持された複合酸化物、ケイ素含有酸化物の表面および内部にチタンが存在する複合酸化物等が挙げられる。
【0015】
ケイ素含有酸化物の表面に酸化チタンを担持させる方法としては、具体的には、例えば、含浸法、イオン交換法、化学蒸着法等によってチタン化合物をケイ素含有酸化物の表面に吸着或いは結合させた後、焼成等によってチタン化合物を酸化物にして担持させる方法等の、一般的な方法が挙げられるが、特に限定されるものではない。また、ケイ素含有酸化物の表面および内部にチタンが存在する複合酸化物を調製する方法としては、具体的には、例えば、チタン化合物とケイ素化合物とを含む均一溶液から、共沈法やゾル−ゲル法等によって、チタンとケイ素とを含む水酸化物(混合水酸化物)の沈澱を生成させた後、焼成等によって該沈澱を酸化物にする方法が挙げられる。
【0016】
チタン含有酸化物が混合酸化物や複合酸化物を含む場合、つまり、チタン含有酸化物がケイ素を含む場合における、チタンとケイ素との原子比率(Ti/Si)は、0.1/100〜50/100の範囲内が好ましく、0.5/100〜20/100の範囲内がより好ましい。チタンの比率が上記範囲よりも少ないチタン含有酸化物を用いて得られる触媒は、例えばシリカ単体を担体として用いて得られる触媒と実質的に同一の触媒特性となり、従って、不飽和炭化水素の選択的な部分酸化を生じさせることが全くできないので好ましくない。
【0017】
金微粒子は、上記チタン含有酸化物に固定されている。該金微粒子は、粒子径が10nm以下である、いわゆる超微粒子が好適である。チタン含有酸化物における金の担持量は、チタン含有酸化物の重量を基準として、0.001重量%以上が好ましく、0.01〜20重量%の範囲内がより好ましく、0.05重量%〜10重量%の範囲内がさらに好ましい。金の担持量が0.001重量%よりも少ないと、触媒の活性が低下するので好ましくない。一方、金の担持量を20重量%よりも多くしても、金を上記の範囲内で担持させた場合と比較して、触媒の活性の更なる向上は殆ど望めず、金が無駄になるので好ましくない。
【0018】
金微粒子をチタン含有酸化物に担持させる方法、つまり、固定する方法としては、具体的には、例えば、特開平7−8797号公報に記載の析出沈澱法や、特開平9−122478号公報に記載の蒸着法、含浸法等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0019】
上記方法のうち、特に析出沈澱法で金微粒子をチタン含有酸化物に担持させる手順について説明する。先ず、金化合物(後述する)を含有する水溶液を調製し、30℃〜100℃の範囲内、より好ましくは50℃〜95℃の範囲内に加温した後、撹拌しながら、アルカリ水溶液を用いて上記水溶液のpHを6〜12の範囲内、より好ましくは7〜10の範囲内に調節する。次に、この水溶液にチタン含有酸化物を、上記温度で撹拌しながら、一度に、若しくは、数分以内に数回に分けて投入する。このとき、水溶液のpHに変化が生じる場合には、アルカリ水溶液を用いてpHを上記範囲内に調節する。
【0020】
チタン含有酸化物を投入した後、所定時間、上記温度で撹拌を続けることにより、該チタン含有酸化物の表面に金水酸化物が付着(析出沈澱)してなる固形物(金微粒子固定化物)が得られる。該固形物を濾別して取り出し、水洗(洗浄)した後、100℃〜800℃の範囲内で焼成する。これにより、金微粒子がチタン含有酸化物に担持される。
【0021】
上記のアルカリ水溶液を構成するアルカリ成分としては、具体的には、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、アンモニア、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0022】
上記の金化合物としては、具体的には、例えば、テトラクロロ金(III) 酸「H〔AuCl4 〕」等の水溶性金塩、等が挙げられるが、特に限定されるものではない。また、水溶液等の溶液における金化合物の濃度は、特に限定されるものではない。尚、金化合物は、水和物となっていてもよい。
【0023】
上記の各種方法により、チタン含有酸化物に金微粒子が固定されてなるエポキシド製造用触媒が得られる。
【0024】
上記触媒をなすチタン含有酸化物は、さらに、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ランタノイド、および、タリウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素をさらに含んでいてもよい。アルカリ金属としては、具体的には、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウムが挙げられる。アルカリ土類金属としては、具体的には、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ラジウムが挙げられる。ランタノイドとしては、具体的には、例えば、ランタン、セリウム、サマリウム等が挙げられる。これら元素は、必要に応じて、一種類のみが含まれていてもよく、また、二種類以上が含まれていてもよい。上記例示の元素のうち、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、およびバリウムがより好ましい。チタン含有酸化物がこれら元素をさらに含むことにより、エポキシド製造用触媒の安定性がさらに増すと共に、その寿命がより一層長くなる。
【0025】
これらの元素をチタン含有酸化物に含ませる方法は、特に限定されるものではない。具体的には、例えば、析出沈澱法で金微粒子をチタン含有酸化物に担持させるときに、これらの元素を含有する化合物やその水溶液(pHを調節するために使用される上記アルカリ水溶液が、アルカリ金属、アルカリ土類金属を含むものである場合には、これらであっても良い)を、金化合物を含有する水溶液中に供する方法等を挙げることができる。
【0026】
チタン含有酸化物が上記元素をさらに含む場合における該元素の含有量は、0.001重量%〜20重量%の範囲内が好ましく、0.005重量%〜5重量%の範囲内がより好ましく、0.01重量%〜2重量%の範囲内がさらに好ましい。但し、チタン含有酸化物がチタン酸塩を含む場合には、該チタン含有酸化物における上記元素の含有量をより多くすることができ、具体的には、0.1重量%〜50重量%の範囲内にすることがより好ましい。
【0027】
次に、本発明にかかるエポキシドの製造方法について説明する。本発明の製造方法は、上記の触媒を用いた不飽和炭化水素の部分酸化(エポキシ化反応)が、分子状水素、酸素、並びに、所定量のアルコールおよび/またはエーテルの存在下で行われる(すなわち、反応系中に、所定量のアルコールおよび/またはエーテルをさらに共存させる)方法である。
【0028】
上記の製造方法において、原料として用いられる不飽和炭化水素は、オレフィン二重結合を有する化合物であればよく、特に限定されるものではないが、炭素数2〜12の化合物がより好ましい。該不飽和炭化水素としては、具体的には、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、シクロペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、3−ヘキセン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、シクロヘキセン、1−メチル−1−シクロペンテン、3−メチル−1−シクロペンテン等のオレフィンが挙げられる。不飽和炭化水素の二重結合が酸化されることにより、対応するエポキシドが生成されるが、特に上記例示の不飽和炭化水素を原料とすれば、触媒の活性・選択性が良好で、かつ、反応における水素消費量を少なくすることができ、しかも、触媒性能を長期間維持することができる。
【0029】
分子状水素は還元剤として作用する。水素の使用量は、特に限定されるものではないが、水素と不飽和炭化水素との体積比(水素/不飽和炭化水素)が1/10〜100/1の範囲内となる量が好適である。そして、水素の割合が多い程、反応速度が大きくなるので、上記の体積比は100/1に近い方がより好ましい。
【0030】
酸素の使用量は、特に限定されるものではないが、酸素と不飽和炭化水素との体積比(酸素/不飽和炭化水素)が1/10〜10/1の範囲内となる量が好適である。酸素の使用量が上記範囲よりも少ないと、エポキシドの収率が低下するので好ましくない。一方、酸素の使用量を上記範囲よりも多くしても、上記の範囲内で使用した場合と比較して、エポキシドの更なる収率向上は望めず、選択率が低下するので好ましくない。
【0031】
エポキシド製造用触媒の使用量は、金微粒子の担持量や、不飽和炭化水素の種類、反応条件等に応じて設定すればよく、特に限定されるものではないが、反応時の不飽和炭化水素の空間速度(SV)が100hr-1・ml/g・cat.〜30,000hr-1・ml/g・cat.(触媒1g当たりの空間速度)の範囲内となる量が好適である。
【0032】
アルコールとしては、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、イソブチルアルコール等の、炭素数6以下の低級アルコールがより好ましい。
【0033】
エーテルとしては、具体的には、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、等の(直)鎖状エーテル;ジオキサン、テトラヒドロフラン、トリオキサン等の環状エーテル;を挙げることができる。
【0034】
上記のアルコールまたはエーテルは、一種類のみを用いてもよく、二種類以上を用いてもよい。また、これらアルコールとエーテルとは、混合して用いてもよい。
【0035】
反応系に共存させるアルコールおよび/またはエーテル(以下、場合によっては、共存化合物と称する)の量は、分子状水素に対する体積比、すなわち、共存化合物/分子状水素が、10−4〜50の範囲内であればよく、5×10−4〜40の範囲内であることがより好ましく、10−3〜20の範囲内であることがさらに好ましい。上記体積比が10−4未満であれば、共存化合物を共存させる効果は現れず、エポキシドの生成量(触媒の活性)は著しく低下する。一方、該体積比が50を超えると、共存化合物による活性点被毒が発生することや、共存化合物の燃焼や部分酸化が優勢に起こること等の理由により、やはりエポキシドの生成量は著しく低減する。
【0036】
上記共存化合物を、反応系に共存させる方法および時期については、特に限定されるものではなく、具体的には、例えば、(1)不飽和炭化水素ガス・水素・酸素を含む原料ガスに、気体状の共存化合物を同伴させて触媒に対し供する方法、(2)共存化合物により触媒の前処理をする方法と、上記(1)の方法とを併用する方法、等を挙げることができる。
【0037】
共存化合物により触媒の前処理を行うとは、より具体的には、a)エポキシ化反応を行う前に、共存化合物を触媒に含浸させ、その後、必要に応じて、熱処理等にて過剰の共存化合物を取り除く方法、b)例えばエポキシ化反応の直前に、気体状の共存化合物を、不活性ガスや酸素含有不活性ガス等に同伴させて触媒に接触させておく方法、等を挙げることができる。この様な前処理が行われた触媒を用いることにより、不飽和炭化水素のエポキシ化反応をより好適に行うことができる。
【0038】
このように、反応系中に、分子状水素に対する体積比が上記説明の範囲内となるようにアルコールおよび/またはエーテルを共存させることにより、エポキシドを高収率かつ高選択率で得ることができ、加えて、経時的な触媒活性の低下を防ぎ、優れた触媒性能を長時間、安定して維持することが可能となる。すなわち、工業的なレベルでのエポキシドの製造を長時間にわたり行うことが可能となるという効果を奏する。
【0039】
上記の効果が得られる理由は必ずしも明らかではないが、例えば、1)アルコールおよび/またはエーテルが、触媒の有する酸点(例えば、触媒表面上の酸性を示すヒドロキシル基(触媒がケイ素を含む場合におけるシラノール性水酸基等))と反応する、または、該酸点をブロックすることで、生成したエポキシドの縮重合や、アルデヒドへの異性化反応を抑制すること、2)エポキシドの縮重合が抑制されることにより、エポキシド縮合物(縮合エポキシド)等の高沸点を有する化合物に起因する活性点被毒が緩和されること、等の理由が推察される。
【0040】
また、その理由は明確ではないが、反応系中に、分子状水素に対する体積比が上記説明の範囲内となるようにアルコールおよび/またはエーテルを共存させることにより、従来の方法と比較して水素の消費量を少なくすることも可能となり、加えて、不飽和炭化水素に対する分子状水素の体積比率が、一般にエポキシドの製造に好適とされる比率より低い場合であっても、効率的に反応を行うことが可能となる。
【0041】
本発明にかかるエポキシドの製造方法、即ち、不飽和炭化水素の部分酸化反応(エポキシ化反応)は、気相で行うことが望ましく、具体的には、例えば、反応装置にエポキシド製造用触媒を充填し、該反応装置内に上記の原料ガス(共存化合物を同伴させたものであってもよい)を流通させる方法が好適である。これにより、目的物であるエポキシドを含む生成ガスを得ることができる。原料ガスは、必要に応じて、窒素や、ヘリウム、アルゴン、二酸化炭素等の不活性ガスによって希釈されていてもよい。不活性ガスの使用量は、特に限定されるものではない。尚、反応方式は、特に限定されるものではないが、上記の反応がいわゆる気相不均一触媒反応であるので、連続方式が好適である。
【0042】
エポキシ化反応を気相で行う場合、その反応温度は、不飽和炭化水素の種類やエポキシド製造用触媒との組み合わせ等に応じて設定すればよく、特に限定されるものではないが、不飽和炭化水素やエポキシドが気体として存在し得る温度、例えば、0℃〜350℃の範囲内が好適であり、20℃〜280℃の範囲内が最適である。反応温度が極端に低いと、エポキシドの収率が低下するので好ましくない。一方、反応温度が極端に高いと、不飽和炭化水素やエポキシドが完全酸化されて二酸化炭素および水が生成し、エポキシドの選択率が低下すると共に、燃焼によって消費される水素の量が増加するので好ましくない。
【0043】
反応圧力は、反応温度等の反応条件に応じて設定すればよく、特に限定されるものではないが、不飽和炭化水素やエポキシドが気体として存在し得る圧力、例えば、0.01MPa〜10MPaの範囲内が好適である。反応圧力が極端に低いと、エポキシドの収率が低下するので好ましくない。一方、反応圧力が極端に高いと、エポキシドの収率は向上するものの、コンプレッサー等の設備が必要となるので、実用的(工業的)ではない。反応時間は、反応温度や反応圧力等の反応条件に応じて設定すればよく、特に限定されるものではない。
【0044】
また、不飽和炭化水素を部分酸化する反応は液相で行うこともでき、この場合には、回分式、半回分式、連続流通式の種々の反応形式を採用することができる。液相反応における反応温度並びに反応圧力は、不飽和炭化水素やエポキシドが気体として存在し得る温度並びに圧力、例えば、温度は150℃以下、圧力は0.05MPa〜10MPaの範囲内が好適である。或いは、反応に対して不活性な溶媒を用いて、上記の反応を液相で行うこともできる。溶媒を用いる反応方法としては、例えば、エポキシド製造用触媒を溶媒に懸濁させてなる懸濁液に、前記の原料ガスをバブリングさせる方法が好適である。該溶媒としては、例えば、ベンゼン等の芳香族炭化水素、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素等が挙げられるが、特に限定されるものではない。また、溶媒の使用量は、特に限定されるものではない。
【0045】
尚、反応系に加えられた上記共存化合物としてのアルコールおよび/またはエーテルは、場合によっては、その一部が触媒により選択酸化され、アルデヒド類・ケトン類となる。しかしながら、その大部分は酸化反応を受けることがなく、反応終了後に、反応生成物(生成ガス)より分離・回収し、再利用することが可能である。
【0046】
また、長時間使用された触媒は、例えば、空気中で焼成することにより、元の触媒性能に賦活でき、繰り返し使用することが可能となる。この時、上記共存化合物として例示したアルコールおよび/またはエーテルと空気とを共存させた状態で焼成を行うことがより好ましい。
【0047】
【実施例】
以下、実施例および比較例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
【0048】
〔実施例1〕
酸化チタン(II)アセチルアセトナート1.96gを含むメチルアルコール溶液500mlに、ケイ素含有酸化物としての酸化ケイ素(商品名・シリカQ−10,富士シリシア化学株式会社製;比表面積326m2 /g、10メッシュ〜20メッシュ、粒子径840μm〜1,700μm)60gを浸漬した後、エバポレータを用いてメチルアルコールを留去した。得られた固形分を120℃で12時間乾燥させた後、空気中で600℃、3時間、焼成することにより、チタン含有酸化物(複合酸化物)としての酸化ケイ素担持酸化チタンを得た。
【0049】
次に、金化合物としてのテトラクロロ金(III) 酸0.344gを水に溶解し、水酸化ナトリウム水溶液(アルカリ金属含有水溶液)を用いてpH8.8に調節することにより、テトラクロロ金(III) 酸水溶液500mlを調製した。続いて、該水溶液中に酸化ケイ素担持酸化チタン40gを投入し、70℃の温度条件を維持した状態で1時間撹拌して、該酸化ケイ素担持酸化チタンを懸濁させると共に、その表面に金沈澱物(金微粒子)を固定化した。
【0050】
その後、懸濁液を濾過し、濾残、すなわち、固形物(金微粒子固定化物)の水洗および乾燥を行った。次いで、該固形物を、空気中で400℃、3時間、焼成することにより、本発明のエポキシドの製造方法に使用される酸化ケイ素担持酸化チタン担持金触媒(以下、単に触媒と称する)を得た。
【0051】
次に、上記触媒1gを内径8mmのステンレス製反応管に充填し、続いて、触媒層の温度(触媒層加熱用触媒温度、以下、反応温度と称する)を200℃に保ちながらプロピレン(不飽和炭化水素)の部分酸化反応を行い、該触媒の性能評価を行った。即ち、プロピレン、水素、酸素、メチルアルコール(共存化合物)、および、アルゴンを、体積比(プロピレン/水素/酸素/メチルアルコール/アルゴン)が20/20/20/1/39となるように混合することにより、原料ガスを調製した。そして、200℃に保たれた上記反応管内の触媒層に、該原料ガスを流量5,000hr-1・ml/g・cat.(常温・常圧時換算値)にて供給し、プロピレンのエポキシ化反応を行った。
【0052】
そして、反応開始1時間後、および、3時間後に反応管出口の生成ガスを採取し、ガスクロマトグラフィーを用いてその組成の分析を行った。
【0053】
続いて、反応温度を210℃に変更して、さらに1時間後(すなわち、反応開始4時間後)、および、3時間後(反応開始6時間後)に生成ガスの組成の分析を行った。さらに続いて、反応温度を220℃に変更して、1時間後(反応開始7時間後)、および、3時間後(反応開始9時間後)に生成ガスの組成の分析を行った。そして、生成ガスの組成の分析結果より、プロピレンオキシド(エポキシド)の単流収率、消費された水素と生成したプロピレンオキシドとのモル比率(水素/プロピレンオキシド)を求めた。該モル比率が1に近い程、水素の消費量が少ないと判断することができる。主な反応条件、並びに結果を表1にまとめた。尚、反応条件のうち、共存化合物の体積比とは、原料ガス中の(分子状)水素の体積を1としたときの、共存化合物の体積を示すものとする。
【0054】
〔実施例2〕
プロピレンのエポキシ化反応に先立ち、上記実施例1と同様の触媒に、共存化合物としてのメチルアルコールを用いて前処理を施した。触媒の前処理は、以下に示すように行った。
【0055】
始めに、気体状のメチルアルコールを、不活性ガスとしてのヘリウムガスに混合して(同伴させて)処理ガスを調製した。処理ガスにおけるメチルアルコール分圧は、100mmHgである。次に、実施例1の触媒1gを内径8mmのステンレス製反応管に充填し、200℃に保った触媒層に、上記処理ガスを83ml/mの流量で20分間供給した。その後、触媒層にヘリウムガスを5分間供給して、反応管中のメチルアルコールを取り除いた。続いて、前処理が施された触媒に、上記実施例1と同様の原料ガスを供給し、該実施例と同様の方法によりエポキシ化反応および触媒の性能評価を行った。主な反応条件、並びに結果を表1にまとめた。
【0056】
〔比較例1〕
上記実施例1と同様にして触媒の調製を行った。続いて、原料ガスとして、プロピレン、水素、酸素、および、アルゴンを、体積比(プロピレン/水素/酸素/アルゴン)が20/20/20/40となるように混合し、さらに、該原料ガスに占める濃度が10ppm となるように気体状のメチルアルコール(共存化合物)を混合したものを使用した以外は、実施例1と同様の方法により、プロピレンのエポキシ化反応および触媒の性能評価を行った。主な反応条件、並びに結果を表1にまとめた。
【0057】
表1より明らかなように、反応系中に、共存化合物としてのメチルアルコール(アルコール)を、分子状水素1に対して、10−4〜50の体積比となるように共存させれば、プロピレンオキシド生成活性(単流収率)は反応経過時間に対して安定しており、かつ、水素消費比率(モル比率)が低くなることが分かる。
【0058】
〔実施例3〜6〕
上記実施例1と同様にして触媒の調製を行った。続いて、原料ガス中の、プロピレン、水素、酸素、メチルアルコール(共存化合物)、および、アルゴンの混合比率を以下に示すように変更した以外は、実施例1と同様の方法により、プロピレンのエポキシ化反応および触媒の性能評価を行った。実施例3では、体積比(プロピレン/水素/酸素/メチルアルコール/アルゴン)が、20/20/20/0.01/40であり、実施例4では、体積比が、20/20/20/0.1/39.9であり、実施例5では、体積比が、20/20/20/10/30であり、実施例6では、体積比が、20/20/20/20/20である。主な反応条件、並びに結果を表2および表3にまとめた。
【0059】
〔実施例7〕
上記実施例1と同様にして触媒の調製を行った。続いて、原料ガス中の、プロピレン、水素、酸素、メチルアルコール(共存化合物)、および、アルゴンの混合比率を、体積比が順に、1/1/20/77となるように変更し、反応温度を順次、120℃(反応開始後1〜3時間)、130℃(反応開始後3〜5時間)、140℃(反応開始後5〜7時間)とした以外は、実施例1と同様の方法により、プロピレンのエポキシ化反応および触媒の性能評価を行った。主な反応条件、並びに結果を表3にまとめた。
【0060】
〔比較例2〕
上記実施例7と同様にして触媒の調製を行った。続いて、原料ガスとして、プロピレン、水素、酸素、メチルアルコール(共存化合物)、および、アルゴンを、体積比が順に、1/1/1/60/37となるように混合したものを使用した以外は、実施例7と同様の方法により、プロピレンのエポキシ化反応および触媒の性能評価を行った。主な反応条件、並びに結果を表3にまとめた。
【0061】
表3より明らかなように、共存化合物としてのメチルアルコールと分子状水素との体積比が、10-4〜50の範囲外となると、反応性に劣ることがわかる。
【0062】
〔実施例8〕
酸化チタン(II)アセチルアセトナート0.98gを含むメチルアルコール溶液500mlに、ケイ素含有酸化物としての酸化ケイ素(商品名・シリカQ−10,富士シリシア化学株式会社製;比表面積326m2 /g、10メッシュ〜20メッシュ、粒子径840μm〜1,700μm)60gを浸漬した後、エバポレータを用いてメチルアルコールを留去した。得られた固形分を120℃で12時間乾燥させた後、空気中で900℃、3時間、焼成することにより、チタン含有酸化物(複合酸化物)としての酸化ケイ素担持酸化チタンを得た。該チタン含有酸化物における酸化チタンの担持量は、0.5重量%であった。
【0063】
次に、金化合物としてのテトラクロロ金(III) 酸0.344g、および、塩化セリウム(ランタノイド含有化合物)0.02gを水に溶解し、水酸化カリウム水溶液(アルカリ金属含有水溶液)を用いてpH8.8に調節することによりテトラクロロ金(III) 酸水溶液900mlを調製した。
【0064】
続いて、該水溶液中に酸化ケイ素担持酸化チタン20gを投入し、70℃の温度条件を維持した状態で1時間撹拌して、該酸化ケイ素担持酸化チタンを懸濁させると共に、その表面に金沈澱物(金微粒子)を固定化した。
【0065】
その後、懸濁液を濾過し、濾残、すなわち、固形物(金微粒子固定化物)の水洗および乾燥を行った。次いで、該固形物を、空気中で400℃、3時間、焼成することにより、本発明のエポキシドの製造方法に使用される酸化ケイ素担持酸化チタン担持金触媒(以下、単に触媒と称する)を得た。
【0066】
次に、上記触媒1gを内径8mmのステンレス製反応管に充填し、続いて、プロピレン(不飽和炭化水素)のエポキシ化反応を行った。エポキシ化反応および触媒の性能評価は、原料ガス中の、プロピレン、水素、酸素、メチルアルコール(共存化合物)、および、アルゴンの混合比率を、体積比が20/20/20/0.6/39.4となるように変更した以外は、上記実施の形態1と同様の方法による。主な反応条件、並びに結果を表4にまとめた。
【0067】
〔比較例3〕
上記実施例8と同様にして触媒の調製を行った。続いて、原料ガスとして、プロピレン、水素、酸素、および、アルゴンを、体積比が順に、20/20/20/40となるように混合し、さらに、該原料ガスに占める濃度が15ppm となるように気体状のメチルアルコール(共存化合物)を混合したものを使用した以外は、実施例8と同様の方法により、プロピレンのエポキシ化反応および触媒の性能評価を行った。主な反応条件、並びに結果を表4にまとめた。
【0068】
〔実施例9〕
塩化セリウムに代えて塩化ストロンチウム六水和物(アルカリ土類金属含有化合物)を使用し、また、水酸化カリウム水溶液に代えて水酸化セシウム水溶液(アルカリ金属含有水溶液)を使用した以外は、上記実施例8と同様にして触媒の調製を行った。また、共存化合物として、メチルアルコールに代えてイソプロピルアルコール(IPA)を使用し、原料ガス中の、プロピレン、水素、酸素、IPA、および、アルゴンの混合比率を、体積比が20/20/20/2/38となるように変更した以外は、実施例8と同様の方法によりプロピレンのエポキシ化反応および触媒の性能評価を行った。主な反応条件、並びに結果を表4にまとめた。
【0069】
〔比較例4〕
上記実施例9と同様にして触媒の調製を行った。続いて、原料ガスとして、プロピレン、水素、酸素、および、アルゴンを、体積比が順に、20/20/20/40となるように混合し、さらに、該原料ガスに占める濃度が15ppm となるように気体状のIPA(共存化合物)を混合したものを使用した以外は、実施例9と同様の方法によりプロピレンのエポキシ化反応および触媒の性能評価を行った。主な反応条件、並びに結果を表5にまとめた。
【0070】
〔実施例10〕
上記実施例1と同様にして触媒の調製を行った。続いて、共存化合物として、メチルアルコールに代えてテトラヒドロフラン(THF)を使用し、原料ガス中の、プロピレン、水素、酸素、THF、および、アルゴンの混合比率を、体積比が20/20/20/0.5/39.5となるように変更した以外は、実施例1と同様の方法により、プロピレンのエポキシ化反応および触媒の性能評価を行った。主な反応条件、並びに結果を表5にまとめた。
【0071】
〔実施例11〕
上記実施例1と同様にして触媒の調製を行った。続いて、原料ガス中の、プロピレン、水素、酸素、メチルアルコール、および、アルゴンの混合比率を、体積比が20/8/20/1/51となるように変更した以外は、実施例1と同様の方法により、プロピレンのエポキシ化反応および触媒の性能評価を行った。主な反応条件、並びに結果を表5にまとめた。
【0072】
表5に示すように、不飽和炭化水素(本実施例ではプロピレン)に対する分子状水素の体積比率が、一般にエポキシドの製造に好適とされる比率より低い場合であっても、反応系中にメチルアルコール(アルコール)を共存させることにより、効率的に反応を行うことが可能となることが分かる(特に、実施例11参照)。
【0073】
〔比較例5〕
上記実施例11と同様にして触媒の調製を行った。続いて、原料ガスとして、プロピレン、水素、酸素、および、アルゴンを、体積比が20/8/20/51となるように混合し、さらに、該原料ガスに占める濃度が7ppm となるように気体状のメチルアルコール(共存化合物)を混合したものを使用した以外は、実施例11と同様の方法により、プロピレンのエポキシ化反応および触媒の性能評価を行った。主な反応条件、並びに結果を表6にまとめた。
【0074】
〔実施例12〕
酸化チタン(II)アセチルアセトナート3.28gを含むメチルアルコール溶液150mlに、ケイ素含有酸化物としての酸化ケイ素(商品名・シリカQ−10,富士シリシア化学株式会社製;比表面積326m2 /g、10メッシュ〜20メッシュ、粒子径840μm〜1,700μm)100gを浸漬した後、エバポレータを用いてメチルアルコールを留去した。得られた固形分を120℃で12時間乾燥させた後、空気中で600℃、3時間、焼成することにより、チタン含有酸化物(複合酸化物)としての酸化ケイ素担持酸化チタンを得た。該チタン含有酸化物における酸化チタンの担持量は1重量%であった。
【0075】
次に、金化合物としてのテトラクロロ金(III) 酸0.69gを水に溶解し、水酸化ナトリウム水溶液(アルカリ金属含有水溶液)を用いてpH8.8に調節することにより、テトラクロロ金(III) 酸水溶液2000mlを調製した。
【0076】
続いて、該水溶液中に酸化ケイ素担持酸化チタン40gを投入し、70℃の温度条件を維持した状態で1時間撹拌して、該酸化ケイ素担持酸化チタンを懸濁させると共に、その表面に金沈澱物(金微粒子)を固定化した。
【0077】
その後、懸濁液を濾過し、濾残、すなわち、固形物(金微粒子固定化物)の水洗および乾燥を行った。次いで、該固形物を、空気中で400℃、3時間、焼成することにより、本発明のエポキシドの製造方法に使用される酸化ケイ素担持酸化チタン担持金触媒(以下、単に触媒と称する)を得た。この触媒に担持された金並びにナトリウム(メタル)の担持量を、蛍光X線分析法によって分析した。その結果、金の担持量は0.153重量%であり、ナトリウムの担持量は0.115重量%であった。
【0078】
次に、上記触媒1gを内径8mmのステンレス製反応管に充填し、続いて、触媒層の温度(反応温度)を180℃に保ちながら不飽和炭化水素としての trans−2−ブテンの部分酸化反応を行い、該触媒の性能評価を行った。即ち、 trans−2−ブテン、水素、酸素、メチルアルコール(共存化合物)、および、アルゴンを、体積比が5/20/20/2/53となるように混合することにより、原料ガスを調製した。そして、180℃に保たれた上記反応管内の触媒層に、該原料ガスを流量4,000hr-1・ml/g・cat.(常温・常圧時換算値)にて供給し、 trans−2−ブテンのエポキシ化反応を行った。
【0079】
そして、反応開始1時間後、および、3時間後に反応管出口の生成ガスを採取し、ガスクロマトグラフィーを用いてその組成の分析を行った。
【0080】
続いて、反応温度を190℃に変更して、さらに1時間後(すなわち、反応開始4時間後)、および、3時間後(反応開始6時間後)に生成ガスの組成の分析を行った。さらに続いて、反応温度を200℃に変更して、1時間後(反応開始7時間後)、および、3時間後(反応開始9時間後)に生成ガスの組成の分析を行った。そして、生成ガスの組成の分析結果より、2,3−エポキシブタン(エポキシド)の単流収率、消費された水素と生成した2,3−エポキシブタンとのモル比率(水素/2,3−エポキシブタン)を求めた。該モル比率が1に近い程、水素の消費量が少ないと判断することができる。主な反応条件、並びに結果を表6にまとめた。
【0081】
続いて、9時間使用された上記触媒を300℃に保ち、該触媒に、空気とメチルアルコールとの混合ガス(空気/メチルアルコールの体積比が、90/2)を92ml/minの流量で供給して1時間熱処理を行い、触媒を賦活させた。
【0082】
賦活させた触媒は、2,3−エポキシブタンのエポキシ化反応に再び供され、上記説明の方法と同様にして、エポキシ化反応および触媒性能の評価を行った。尚、生成ガスの採取は、反応開始1時間後、3時間後、4時間後、6時間後に行い、生成ガスの組成の分析を行った。2,3−エポキシブタン(エポキシド)の単流収率は、順に、3.2%、3.1%、4.6%、4.2%であり、触媒性能は、完全に賦活(もとに回復)していることが分かった。
【0083】
〔比較例6〕
上記実施例12と同様にして触媒の調製を行った。続いて、原料ガスとして、 trans−2−ブテン、水素、酸素、および、アルゴンを、体積比が5/20/20/55となるように混合し、さらに、該原料ガスに占める濃度が15ppm となるように気体状のメチルアルコール(共存化合物)を混合したものを使用した以外は、実施例12と同様の方法により、 trans−2−ブテンのエポキシ化反応および触媒の性能評価を行った。主な反応条件、並びに結果を表6にまとめた。
【0084】
〔実施例13〕
上記実施例12と同様にして触媒の調製を行った。続いて、原料ガスとして、 cis−2−ブテン(不飽和炭化水素)、水素、酸素、エチルアルコール(共存化合物)および、アルゴンを、体積比が5/20/20/0.5/54.5となるように混合したものを使用した以外は、上記実施例12と同様の方法により、 cis−2−ブテンのエポキシ化反応および触媒の性能評価を行った。主な反応条件、並びに結果を表7にまとめた。
【0085】
〔比較例7〕
上記実施例13と同様にして触媒の調製を行った。続いて、原料ガスとして、 cis−2−ブテン、水素、酸素、および、アルゴンを、体積比が5/20/20/54.5となるように混合し、さらに、該原料ガスに占める濃度が15ppm となるように気体状のエチルアルコール(共存化合物)を混合したものを使用した以外は、上記実施例13と同様の方法により、 cis−2−ブテンのエポキシ化反応および触媒の性能評価を行った。主な反応条件、並びに結果を表7にまとめた。
【0086】
〔実施例14〕
金化合物としてのテトラクロロ金(III) 酸の使用量を0.688gに変更し、また、水酸化ナトリウム水溶液に代えて水酸化カリウム水溶液(アルカリ金属含有水溶液)を使用した以外は、上記実施例1と同様の方法により触媒の調製を行った。
【0087】
次に、上記触媒1gを内径8mmのステンレス製反応管に充填し、続いて、触媒層の温度(反応温度)を170℃に保ちながら1−ヘキセン(不飽和炭化水素)の部分酸化反応を行い、該触媒の性能評価を行った。即ち、1−ヘキセン、水素、酸素、メチルアルコール(共存化合物)、および、アルゴンを、体積比が7.6/18.9/18.9/2.2/52.4となるように混合することにより、原料ガスを調製した。そして、170℃に保たれた上記反応管内の触媒層に、該原料ガスを流量3,300hr-1・ml/g・cat.(常温・常圧時換算値)にて供給し、1−ヘキセンのエポキシ化反応を行った。
【0088】
そして、反応開始1時間後、および、3時間後に反応管出口の生成ガスを採取し、ガスクロマトグラフィーを用いてその組成の分析を行った。
【0089】
続いて、反応温度を180℃に変更して、さらに1時間後(すなわち、反応開始4時間後)、および、3時間後(反応開始6時間後)に生成ガスの組成の分析を行った。さらに続いて、反応温度を190℃に変更して、1時間後(反応開始7時間後)、および、3時間後(反応開始9時間後)に生成ガスの組成の分析を行った。そして、生成ガスの組成の分析結果より、1,2−エポキシヘキサン(エポキシド)の単流収率、消費された水素と生成した1,2−エポキシヘキサンとのモル比率(水素/1,2−エポキシヘキサン)を求めた。該モル比率が1に近い程、水素の消費量が少ないと判断することができる。主な反応条件、並びに結果を表7にまとめた。
【0090】
〔実施例15〕
上記実施例14と同様にして触媒の調製を行った。続いて、共存化合物としてメチルアルコールの代わりにIPAを使用した以外は、上記実施例14と同様の方法により、1−ヘキセンのエポキシ化反応および触媒の性能評価を行った。主な反応条件、並びに結果を表8にまとめた。
【0091】
〔比較例8〕
上記実施例14と同様にして触媒の調製を行った。続いて、原料ガスとして、1−ヘキセン、水素、酸素、および、アルゴンを、体積比が7.6/18.9/18.9/54.6となるように混合し、さらに、該原料ガスに占める濃度が15ppm となるように気体状のメチルアルコール(共存化合物)を混合したものを使用した以外は、上記実施例14と同様の方法により、1−ヘキセンのエポキシ化反応および触媒の性能評価を行った。主な反応条件、並びに結果を表8にまとめた。
【0092】
【表1】
【0093】
【表2】
【0094】
【表3】
【0095】
【表4】
【0096】
【表5】
【0097】
【表6】
【0098】
【表7】
【0099】
【表8】
【0100】
【発明の効果】
本発明の請求項1記載のエポキシドの製造方法は、以上のように、チタン含有酸化物に金微粒子が固定されてなる触媒を用い、分子状水素と酸素との存在下で、不飽和炭化水素を部分酸化するエポキシドの製造方法であって、上記部分酸化が、分子状水素1に対して、10−4〜50の体積比のアルコールおよび/またはエーテルの存在下で行われる方法である。
【0101】
上記の方法によれば、1)触媒の活性ならびに選択性が高く、また、2)水素の消費量を従来の方法と比較して低減することができ、さらに、3)これらの優れた触媒性能が、経時的に低下することなく長期間安定に維持された状態で反応を行うことができる。また、不飽和炭化水素に対する分子状水素の体積比率が、一般にエポキシドの製造に好適とされる比率より低い場合であっても、効率的に反応を行うことができる。すなわち、水素の消費量を従来の方法と比較して低減することが可能で、加えて、エポキシドを高収率かつ高選択率で得ることが長期間にわたり可能な製造方法を提供することができるという効果を奏する。
【0102】
本発明の請求項2記載のエポキシドの製造方法は、以上のように、請求項1記載の方法において、上記チタン含有酸化物が、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ランタノイド、および、タリウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素をさらに含んでいる方法である。
【0103】
上記の方法によれば、チタン含有酸化物を含んでなる触媒の安定性がさらに増すと共に、その寿命がより一層長くなるので、エポキシドを高収率かつ高選択率で得ることがより長期間にわたり可能となるという効果を、請求項1記載の方法による効果に加えて奏する。
Claims (2)
- チタン含有酸化物に金微粒子が固定されてなる触媒を用い、分子状水素と酸素との存在下で、不飽和炭化水素を部分酸化するエポキシドの製造方法であって、
上記部分酸化が、分子状水素1に対して、10−4〜50の体積比の気体状の共存化合物の存在下で行われ、
上記共存化合物は、炭素数6以下の低級アルコール、直鎖状エーテル、環状エーテルからなる群より選ばれた1以上であることを特徴とするエポキシドの製造方法。 - 上記チタン含有酸化物が、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ランタノイド、および、タリウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素をさらに含んでいることを特徴とする請求項1記載のエポキシドの製造方法。
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