JP2000275834A - 感光性組成物、印刷版原版及び画像形成方法 - Google Patents
感光性組成物、印刷版原版及び画像形成方法Info
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Abstract
能であり、かつ、潜像を現像する前の加熱処理を必要と
しない、保存安定性が良好な感光性組成物を提供するこ
と。加えて、コンピュータ等のデジタル信号から直接製
版可能であり、さらに、従来の現像処理装置が利用で
き、かつ、印刷においても従来の印刷装置をそのまま利
用できるコンピュータ・トゥ・プレート(CTP)版を
提供すること。 【解決手段】 ブロック化されたイソシアネート基を有
する水性樹脂及び赤外線吸収剤を含有する感光性組成
物。支持体上に、該感光性組成物から成る感光層を有す
る印刷版原版。この印刷版原版の感光層に、レーザー光
を用いて画像を形成した後、塩基性の水溶液又は水を用
いて現像する画像形成方法。
Description
用いる感光性組成物に関する。さらに詳しくは、近赤外
領域の高出力型レーザー光の照射によって潜像が得ら
れ、これを塩基性の水溶液又は水を用いて現像すること
によって画像が形成される感光性組成物に関する。本発
明の感光性組成物は、カラーフィルター用レジスト、プ
リンタ基板用レジスト、カラープルーフなどの用途に幅
広く用いられる。また、本発明の印刷原版は、オフセッ
ト印刷分野で使用される平版印刷版原版として、特にコ
ンピュータ等によるデジタル信号から直接製版できるい
わゆるコンピュータ・トゥ・プレート(CTP)版とし
て用いられる。
に伴い、デジタル信号から直接感光性組成物に画像を書
き込む方法が開発されてきた。本システムを平版印刷版
に利用し、銀塩マスクフィルムへの出力を行わずに、直
接版材に画像を形成するコンピュータ・トゥ・プレート
(CTP)システムが注目されている。このようなシス
テムとして、可視光レーザーを使用した電子写真法に
よるもの、可視光レーザーによる露光と後処理による
もの、近赤外の高出力型レーザーによる露光と後処理
によるもの、銀塩の拡散転写を利用したもの、放電
や高出力型レーザー光によりシリコーンゴム層を破壊す
ることによるもの、従来からの感光性画像層を持つ形
成層をもつ平版印刷版(PS版)の上にマスク層を設
け、マスク層に画像形成し、後処理を経て印刷版を得る
もの、などが知られている。これらいずれの方法におい
ても一長一短があり、更なる検討が続けられているが、
その中で特にのシステムによる版材は、明室での取り
扱いが可能であること、従来からの銀塩マスクフィルム
からの画像転写に伴う工程が省かれることにより、ボケ
やゴミの付着などの不具合がなくなること、コンパクト
な高出力のレーザーが容易に入手できるために、短時間
の露光で高解像度の画像が得られることなどから注目さ
れている。
印刷版材としては、特開平7−214744号公報、同
7−281423号公報、同9−156069号公報な
どには、熱転写技術を基本とする版材が提案されている
が、画像解像度が必ずしも充分ではなく、印刷耐用性、
画像転写に伴う再現性が不充分であるなど、画像の再現
性や印刷適応性に満足できるシステムではなかった。
8−48020号公報、同8−267701号公報、同
8−292556号公報、同9−29925号公報、同
9−109352号公報、同9−123383号公報な
どには、画像露光した後、剥離現像法による印刷版材の
作成方法が開示されているが、剥離現像が必ずしも完全
には行われずに欠陥が生じる、親水性部分の濡れが充分
ではなく、地汚れの発生や印刷に際して水上がりが不足
する、など、熱転写技術と同様、画像の再現性や印刷適
応性に満足できるシステムではなかった。
報、同8−99477号公報、同8−108660号公
報、同9−141819号公報、同9−171249号
公報、同9−171250号公報、同9−236926
号公報、同10−16423号公報、同10−2683
4号公報、同10−29292号公報、日本特許第25
30448号公報などには、湿式現像を伴わないシステ
ムが開示されているが、画像の解像度が優れているが、
印刷に際してブラン汚れが発生する、水揚がりが悪く水
が絞れない、印刷耐用性に不足している、などの点から
満足できるものではなかった。
後処理として湿式現像を伴わないシステムでは、印刷に
際して何らかの実際的な問題が生じているのが現状であ
る。そこで、このような問題のない現像を伴う平版印刷
版原版としては、特開平7−306528号公報、同7
−179292号公報には、ジアゾニウム基を有する樹
脂とカーボンブラックとから構成された版材が開示され
ているが、ジアゾニウム基の存在のため、保存安定性が
悪く、実用的ではなかった。
は、キノンジアジド化合物を使用し、近赤外線レーザー
光による露光とUV光線全面露光の2度にわたる光照射
により印刷版材を得る方法が開示されているが、感度が
低く、露光走査を二度行う必要があるという問題があっ
た。
報、同7−271029号公報、同8−234426号
公報、同9−185160号公報、同9−197668
号公報、同9−197671号公報、同9−20287
3号公報、同9−208925号公報、同9−2216
52号公報、同9−221654号公報、同9−176
112号公報、同9−183960号公報、同9−18
3961号公報、同9−222731号公報、同9−2
39945号公報、同9−244226号公報、同9−
244233号公報、同10−142780号公報、同
10−228109号公報などには、熱による酸発生物
質を利用した版材が開示されているが、酸発生物質の保
存安定性に問題がある、酸発生に伴うカチオン重合反応
を完遂するために、露光の前又は後で加熱処理を必要と
し、そのため網点の再現性に問題が生じる、等の実用上
の問題があった。
する第一の課題は、近赤外領域のレーザー光で画像書き
込みが可能であり、かつ、潜像を現像する前の加熱処理
を必要としない、保存安定性が良好な感光性組成物を提
供することにある。
題は、上記第一の課題を満たし、しかも、コンピュータ
等のデジタル信号から直接製版可能であり、さらに、従
来の現像処理装置が利用でき、かつ、印刷においても従
来の印刷装置をそのまま利用できるコンピュータ・トゥ
・プレート(CTP)版を提供することにある。
を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、感光性組成物層
への高密度エネルギー光による書き込み画像形成の機構
として、光重合開始剤や光酸発生剤を用いる、いわゆる
PS版等の光エネルギーとモノマーによる重合反応(ネ
ガ型PS版)、あるいは光エネルギーによるポリマーの
部分分解反応に伴う改質(ポジ型PS版)の如き化学反
応のみを利用した従来の機構に代えて、光エネルギーの
吸収により発生した熱により画像部の水性樹脂が相互に
溶融及び/又は融着するとともに、水性樹脂が縮合反応
することにより潜像を形成し、この潜像を、処理液に浸
漬することにより非画像部を溶解除去して現像する新し
い方法を見出し、本発明を完成するに至った。
めに、(I)ブロック化されたイソシアネート基を有す
る水性樹脂及び赤外線吸収剤を含有する感光性組成物を
提供する。
に、支持体上に、ブロック化されたイソシアネート基を
有する水性樹脂及び赤外線吸収剤を含有する感光性組成
物から成る感光層を有する印刷版原版を提供する。
に、 (III)ブロック化されたイソシアネート基を有す
る水性樹脂及び赤外線吸収剤を含有する感光性を有する
印刷版原版の感光層に、レーザー光を用いて画像を形成
した後、塩基性の水溶液又は水を用いて現像する画像形
成方法を提供する。
たイソシアネート基を有する水性樹脂とは、ブロック化
されたイソシアネート基を有し、水に溶解・分散状態に
ある樹脂をいう。
る水性樹脂を調製する方法としては、例えば、樹脂を水
中で重合しながら作成して水性化する方法、合成したあ
るいは予めある樹脂を水性化する方法の2つが挙げられ
る。前者による方法としては、乳化重合法、ソープフリ
ー乳化重合法などが挙げられ、後者の方法として、塊状
の高分子を粉砕して微粒子を得る粉砕法、乳化剤を用い
て樹脂を乳化させる乳化法、親水性基を有する樹脂を水
に溶解・分散させる方法、などが挙げられる。
のは困難であることなどから、本発明の感光性組成物に
用いるのは不適当である。一方、乳化重合法、乳化法で
は、乳化剤が残存するが、乳化剤の種類及び使用量によ
っては、感度やインキ付着性等に影響を与えることか
ら、乳化剤の選択には充分な配慮が必要である。また一
方、親水性基を有する樹脂を水中に溶解・分散する方法
は、乳化剤を使用しないこと、溶解・分散前の樹脂に様
々な官能基を導入できること、樹脂の水への溶解あるい
は分散状態を容易に変えられることなどから本発明の感
光性組成物の製造法として優れている。
及び親水性基をともに有する樹脂を得る方法について詳
述する。
アネート基及び親水性基をともに有する樹脂中の親水性
基としては、例えば、アニオン性基、カチオン性基、ノ
ニオン性基が挙げられるが、現像液として、水あるいは
アルカリ性現像液を用いることを考慮すると、親水性基
は、アニオン性基、ノニオン性基であることが好まし
い。一般には、現像液としてアルカリ性現像液を用いる
ことから、その場合には、親水性基は、アニオン性基で
あることが好ましい。
水性基をともに有する樹脂として、アニオン性のアクリ
ル樹脂を用いる場合、酸基を有する重合性モノマー及び
ブロック化されたイソシアネート基を有する重合性モノ
マーを、必要に応じてその他の重合性ビニル基を含有す
る重合性モノマー組成物とともに公知慣用の方法で共重
合し、塩基で必要量中和すればよい。
射によって発生した熱によってブロック化剤が解離し、
遊離したイソシアネートと活性水素を官能基が付加反応
する。あるいは、レーザー光の照射によって発生した熱
によって、ブロック化されたイソシアネート基と水酸基
がアルコリシス反応する。あるいはまた、レーザー光の
照射によって発生した熱によって、ブロック化されたイ
ソシアネート基と1級及び/又は2級アミノ基がアミノ
リシス反応する。このような反応により水性樹脂が架橋
化されるが、この架橋反応を速やかに行うために、該樹
脂中に活性水素を有する官能基、例えば、水酸基、1級
及び/又は2級アミノ基等を有することが好ましい。こ
の場合、先に述べた重合性モノマー組成物に、活性水素
を有する官能基を有する重合性モノマーを加えて、公知
慣用の方法で共重合させた後、塩基で必要量中和すれば
よい。これらの活性水素を有する官能基を有する重合性
モノマーの中でも、例えば、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレートの如き水酸基を有する重合性モノマーは、樹
脂の合成が容易である点から好ましく使用することがで
きる。
えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、
(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸モノブチ
ル、マレイン酸モノブチルの如きカルボキシル基を有す
るビニルモノマー類;アシッドホスホオキシエチルメタ
クリレートの如きリン酸基を有するビニルモノマー類;
2−クロロ−アクリルアミド−2−メチルプロパンスル
ホン酸の如きスルホン酸基を有するビニルモノマー類;
2−スルホエチル(メタ)アクリレートの如き硫酸基を
有するビニルモノマー類、などが挙げられる。
重合時のモノマー組成物100g当たり、概ね9〜53
0ミリモルの範囲で使用することが好ましい。酸基を有
する重合性モノマーが重合時のモノマー組成物100g
当たり9ミリモル未満では、樹脂を合成した後の中和工
程において完全に中和しても樹脂の親水性が低いので、
水への分散安定性が低く成る傾向にあり、酸価が300
ミリモルを越えると、実質的に合成が困難となる傾向に
あるので、好ましくない。
マーとしては、例えば、メタクリロイルイソシアネー
ト、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、
あるいは、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート
又は2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートとジ
イソシアネート化合物との付加物の如き(メタ)アクリ
ロイル基とイソシアネート基とを併有する重合性モノマ
ーを、種々のブロック化剤でブロック化したもの、など
が挙げられる。
ト又は2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートと
の縮合に用いられるジイソシアネート化合物としては、
例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−
トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシア
ネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4−ジ
フェニルメタンジイソシアネート、2,4−ジフェニル
メタンジイソシアネート、2,2−ジフェニルメタンジ
イソシアネート、3,3−ジメチル−4,4−ビフェニ
レンジイソシアネートジフェニルメタンジイソシアネー
ト、3,3−ジメトキシ−4,4−ビフェニレンジイソ
シアネート、3,3−ジクロロ−4,4−ビフェニレン
ジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネー
トの如き芳香族ジイソシアネート類;
ート、テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキ
サメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシ
アネート、リジンジイソシアネート、1,3−シクロヘ
キシレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレン
ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,
4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリ
レンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソ
シアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネー
ト、水素添加キシリレンジイソシアネート(水添キシリ
レンジイソシアネート)、3,3−ジメチル−4,4−
ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートの如き脂肪族
ジイソシアネート類あるいは脂環式ジイソシアネート
類、などが挙げられる。
でき、例えば、アセトキシム、ブタノンオキシム、シク
ロヘキサノンオキシムの如きオキシム類;フェノール、
m−クレゾール、o−クロロフェノールの如きフェノー
ル類;ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、N,N
−ジメチルヒドラジンの如きアミン類;メタノール、エ
タノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、
2,2,2−トリフルオロエタノールの如きアルコール
類;N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、2−ヒドロ
キシピリジン、3−ヒドロキシピリジン、4−ヒドロキ
シピリジン、8−ヒドロキシキノリンの如き塩基性窒素
含有化合物、などが挙げられる。
マーは、重合時のモノマー組成物100g当たり、概ね
1.5〜300ミリモルの範囲で使用することが好まし
い。ブロック化イソシアネート基を有する重合性モノマ
ーの使用量が、重合時のモノマー組成物100g当たり
1.5ミリモル未満では、架橋の効果が低く成る傾向に
あり、ブロック化イソシアネート基を有する重合性モノ
マーの使用量が300ミリモルを越えると、樹脂合成時
の粘度が高くなり、合成が困難となる傾向にあり、好ま
しくない。
モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イ
ソプロピル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メ
タ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブ
チル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリ
ル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オク
チル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル
酸ステアリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メ
タ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ブ
トキシメチル、(メタ)アクリル酸エトキシジエチレン
グリコール、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリ
ル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリ
ル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)ア
クリル酸2−ヒドロキシプロピルの如き(メタ)アクリ
ル酸エステル類;スチレン、α−メチルスチレン、o−
メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチ
レン、p−tert−ブチルスチレン、p−ヒドロキシ
スチレンの如きスチレン系モノマー類;イタコン酸ベン
ジルの如きイタコン酸エステル類;マレイン酸ジメチル
の如きマレイン酸エステル類;フマール酸ジメチルの如
きフマール酸エステル類;酢酸ビニル、安息香酸ビニ
ル、バーサチック酸ビニル、プロピオン酸ビニルの如き
ビニルエステル類;(メタ)アクリロニトリルの如き重
合性ニトリル類;(メタ)アクリルアミド、アリルアル
コール、などが挙げられる。
塊状重合、溶液重合等各種方法が利用できるが、簡便な
溶液重合が好ましく、使用する溶媒は有機溶媒を用いる
のが好ましい。有機溶媒としては、重合性モノマーや得
られる重合体を溶解できるものであれば特に限定される
ことはないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン
の如き芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、もしくはシクロヘキサノ
ンの如きケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチルの如きエス
テル類;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコ
ールの如きアルコール類、などが挙げられる。これらの
有機溶媒は、2種類以上を混合して用いることもでき
る。これらの有機溶媒の中でも、後の工程で水に容易に
溶解・分散し、比較的に水と親和性のある溶剤の使用が
好ましく、また、有機溶媒を除去することが容易な低沸
点の溶媒の使用が好ましい。そのような溶剤として、ア
セトン、メチルエチルケトン、酢酸エチルが挙げられ
る。
公知のラジカル重合開始剤を用いればよく、例えば、
2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビ
ス(2,4−ジメチルバレロニトリル)の如きアゾ系重
合開始剤;ベンゾイルパーオキシド、ラウリルパーオキ
シド、tert−ブチルパーオキシ2−エチルへキサノ
エートの如き過酸化物系重合開始剤、などが挙げられ
る。
て、前述したように重合時に酸基を導入する方法以外に
も、例えば、水酸基を有する重合体に、無水酸を付加さ
せ、次いで塩基で必要量中和するなど、重合後のアクリ
ル樹脂にアニオン性基を導入することもできる。同様
に、架橋剤と反応可能な官能基も重合後の樹脂に導入す
ることもできる。
された後、乾燥工程において乾燥されるが、この乾燥工
程において樹脂微粒子同士が融着等の熱変性を起こさな
いために、本発明で使用する水性樹脂のガラス転移温度
は40℃以上であることが好ましい。また、高温での長
期保存が必要な場合、樹脂微粒子同士の融着等の熱変性
を伴わないために、本発明の水性樹脂のガラス転移温度
は50℃以上であることが好ましい。
る水性樹脂は、樹脂の構造、組成等によって異なるが、
概ね、樹脂中に含まれる酸基の5〜120%(当量)を
塩基で中和し、中和酸価を5〜300の範囲とすること
によって、親水性を有する樹脂となる。また、この中和
度を変えることによって、樹脂を水中に溶解させたり、
あるいは分散させたりすることができる。本発明で用い
られる水性樹脂としては、保存安定性、現像性を考慮す
ると、樹脂を分散させたものの使用が好ましい。このよ
うな樹脂は、0.005〜1マイクロメートル(μm)
の樹脂微粒子の水分散体である。このような水分散体
は、中和酸価を概ね5〜200の範囲とすることによっ
て得ることができる。より具体的には、中和酸価を種々
変えて分散を行い、完全に溶解する中和酸価から、樹脂
が安定に分散できる中和酸価の間で中和酸価を自由に変
えることができる。
水酸化ナトリウム、水酸化カリウムの如きアルカリ金属
の水酸化物;トリエチルアミン、トリブチルアミン、ト
リエタノールアミン、ジメチルエタノールアミンの如き
アミン類;アンモニア水、などが挙げられる。
な官能基及び親水性基をともに有する樹脂は、水に溶解
・分散することによって水性樹脂となる。水に溶解・分
散する際に、一般的に系の粘度が一時的に増加するこ
と、また、作業性の向上から、該樹脂は有機溶媒で固形
分が5〜60%となるように希釈して用いることが好ま
しい。
基をともに有する樹脂を水へ溶解・分散する際には、該
樹脂に水をゆっくりと加えていく方法が一般的ではある
が、場合によっては、水に該樹脂溶液を加えていっても
よい。さらには、該樹脂の前駆体である酸基を有する樹
脂に、中和剤を含む水を加えてもよいし、中和剤を含む
水に該樹脂の前駆体である酸基を有する樹脂溶液を加え
ていってもよい。
ともに有する樹脂を水へ溶解・分散する際に使用する撹
拌装置は、公知慣用のものが使用可能であって、通常の
撹拌装置で撹拌しても、あるいは、乳化分散機等の剪断
力を与えるような分散機を用いてもよい。
溶剤を含む水分散体として得られるものであるが、その
まま用いても、また、有機溶剤を減圧留去して水分散体
として用いても、あるいは、有機溶剤や水を除去して粉
体として用いても良い。
て樹脂水分散体を用いる場合、すなわち、樹脂微粒子水
分散体を用いる場合、該樹脂微粒子を架橋した架橋樹脂
微粒子とすることができる。架橋樹脂微粒子を作成する
には、親水性基を有する樹脂に予めグリシジル基の如き
粒子内架橋のための官能基を導入することで、及び/又
は第三成分の架橋性化合物を加えることによって、樹脂
微粒子内を三次元架橋化した架橋樹脂微粒子とすること
ができ、印刷耐用性・保存安定性の向上、感度の調整な
どに利用することができる。
ば、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシ
リレンジアミン、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フ
ェノール系エポキシ樹脂、グリシジルメタクリレート共
重合体、カルボン酸のグリシジルエステル樹脂、脂環式
エポキシの如き多官能グリシジル化合物が挙げられ、こ
れらの架橋性化合物は、親水性基を有する樹脂とともに
水中に分散化し、次いで熱を加えて粒子内架橋反応する
ことによって、架橋樹脂微粒子とすることができる。こ
の場合、熱を加える前に有機溶剤を除去した方が、樹脂
微粒子同士の融着を防ぐことができるので、より好まし
い。ここに例示した架橋法は、ごく一部にしか過ぎず、
公知の水中で架橋する手法を使用することができる。
脂100g当たり1.5〜300ミリモルの範囲が適当
である。架橋性官能基の量が1.5ミリモルより少ない
場合、架橋の効果が得られない傾向にあり、300ミリ
モルを越える場合、得られた樹脂微粒子の造膜性が低く
なり、感光性組成物層を形成しにくくなる傾向にあるの
で好ましくない。
組成物層中に光を吸収し熱を発生する物質を指し、この
ような物質としては、例えば、種々の顔料又は染料が挙
げられる。
顔料、及び、カラーインデックス便覧「最新顔料便覧日
本顔料技術協会編、1977年刊」、「最新顔料応用技
術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技
術」(CMC出版、1984年刊)等に記載されている
顔料が利用できる。顔料の種類としては、黒色顔料、黄
色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔
料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料その他ポリマー結合
色素等が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、ア
ゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタ
ロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン及
びペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン
系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔
料、キノフタロン系顔料、染め付けレーキ顔料、アジン
顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔
料、無機顔料、カーボンブラック等が使用できる。これ
らの中でも特に、近赤外線領域の光を吸収して効率よく
熱を発生し、しかも経済的に優れた物質としてカーボン
ブラックが好ましく用いられる。また、種々の官能基を
有する分散性の良いグラフト化カーボンブラックが市販
されており、例えば、「カーボンブラック便覧第3版」
(カーボンブラック協会編、1995年)の167ペー
ジ、「カーボンブラックの特性と最適配合及び利用技
術」(技術情報協会、1997年)の111ページ等に
記載されているものが挙げられ、いずれも本発明に好適
に使用される。
よく、また公知の表面処理を施して用いてもよく、公知
の表面処理方法としては、樹脂やワックスを表面コート
する方法、界面活性剤を付着させる方法、シランカップ
リング剤やエポキシ化合物、ポリイソシアネートの如き
反応性物質を顔料表面に結合させる方法などが挙げられ
る。これらの表面処理方法については、「金属石鹸の性
質と応用」(幸書房)、「最新顔料応用技術」(CMC
出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」(CMC出
版、1984年刊)に記載されている。
1〜15マイクロメートルの範囲にあることが好まし
く、0.01〜5マイクロメートルの範囲にあることが
さらに好ましい。
慣用のものが使用でき、例えば、「染料便覧」(有機合
成化学協会編、昭和45年刊)、「色材工学ハンドブッ
ク」(色材協会編、朝倉書店、1989年刊)、「工業
用色素の技術と市場」(シーエムシー、1983年
刊)、「化学便覧応用化学編」(日本化学会編、丸善書
店、1986年刊)に記載されているものが挙げられ
る。より具体的には、アゾ染料、金属鎖塩アゾ染料、ピ
ラゾロンアゾ染料、アントラキノン染料、フタロシアニ
ン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン
染料、シアニン染料、インジゴ染料、キノリン染料、ニ
トロ系染料、キサンテン系染料、チアジン系染料、アジ
ン染料、オキサジン染料の如き染料が挙げられる。これ
らの染料の中でも、近赤外から赤外光を吸収するものが
特に好ましい。近赤外光もしくは赤外光を吸収する染料
としては、例えば、特開昭58−125246号公報、
同59−84356号公報、同59−202829号公
報、同60−78787号公報等に記載されているシア
ニン染料、特開昭58−173696号公報、同58−
181690号公報、同58−194595号公報等に
記載されているメチン染料、特開昭58―112793
号公報、同58−224793号公報、同59―481
87号公報、同59−73996号公報、同60−52
940号公報、同60−63744号公報等に記載され
ているナフトキノン染料、特開昭58−112792号
公報等に記載されているスクワリリウム色素、英国特許
第434875号公報に記載されているシアニン染料、
米国特許第5156938号明細書に記載されている近
赤外吸収剤等が挙げられる。さらに、米国特許第388
1924号明細書に記載されている置換されたアリール
ベンゾ(チオ)ピリジニウム塩、特開昭57−1426
45号公報に記載されているトリメチンチアピリリウム
塩、特開昭58−181051号公報、同58−220
143号公報、同59−146063号公報、同59−
146061号公報等に記載されているピリリウム系化
合物、特開昭59−216146号公報に記載されてい
るシアニン色素、米国特許第4283475号明細書に
記載されているペンタメチンチオピリリウム塩、特公平
5−13514号公報、、同5−19702号公報に記
載されているピリリウム化合物、米国特許第47569
93号明細書に記載されている近赤外吸収染料、などが
挙げられる。
出力の光源の特定波長を吸収し、熱に変換できうる適当
な顔料又は染料を少なくとも1種を選び、感光性組成物
層に添加することにより使用できる。
顔料の使用量は、感光性組成物層の全固形分に対して、
1〜70重量%の範囲が好ましく、3〜50重量%の範
囲が特に好ましい。添加量が3重量%より少ない場合に
は、光を吸収して熱を発生しても共存する微粒子を溶融
・架橋するのに充分な熱量とはならず、添加量が50重
量%より多い場合には、発生する熱量が多すぎて燃焼や
破壊等の現象が起き、画像を形成するのに適当な溶融潜
像を形成することが困難となる傾向にあるので好ましく
ない。
合、染料の使用量は、感光性組成物層の全固形分に対し
て、0.1〜30重量%の範囲が好ましく、0.5〜2
0重量%の範囲が特に好ましい。添加量が0.5重量%
より少ない場合には、光を吸収して熱を発生しても共存
する樹脂を溶融するのに充分な熱量とはならず、添加量
が20重量%より多い場合には、発生する熱量が実質的
に飽和に達して添加の効果が上がらない傾向にあるので
好ましくない。
組成物層塗布液を塗布した後、乾燥させることによって
製造することができる。感光性組成物層塗布液は、顔料
又は染料を水性樹脂溶液(分散液)に分散させた後、架
橋剤と混合することによって作成できる。また、顔料又
は染料を水又は水と有機溶剤の混合溶媒に分散させてか
ら、水性樹脂、架橋剤と配合することによって作成する
こともできる。さらに、感光性組成物層塗布液は、顔料
又は染料を水性化前の樹脂溶液に分散させた後、水に分
散させ、内部に顔料又は染料を含有する微粒子(染料あ
るいは顔料をカプセル化した微粒子)とし、次いで架橋
剤と混合することによっても作成することもできる。
散機としては、公知慣用のものが使用でき、例えば、超
音波分散機、サンドミル、アトライター、バールミル、
スーパーミル、ボールミル、インペラー、ディスパーザ
ー、KDミル、コロイドミル、ダイナトロン、3本ロー
ルミル、加圧ニーダー、などが挙げられる。また、この
とき有機溶剤を併用してもよく、その際には、水と均一
に溶解しうる低融点の有機溶剤の使用が好ましく、具体
的には、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコ
ール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、se
c−ブタノール、t−ブタノールの如きアルコール類;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ンの如きケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチルの如きエス
テル類;トルエン、キシレンの如き芳香族炭化水素類が
挙げられる。
要に応じて、フェノール性ノボラック、(メタ)アクリ
ル酸系樹脂などのアルカリ性水溶液に可溶な樹脂、酸発
生剤、溶解調整剤等を添加することもできる。
塗布液は、塗布性向上のための各種助剤、例えば、粘度
調整のための各種天然水溶性高分子や合成水溶性高分
子、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコー
ル、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、エチ
レングリコール、プロピレングリコールの如き水溶性の
有機溶剤、各種界面活性剤、造膜助剤等を添加すること
ができる。
液中の固形分比が1〜50重量%に調整された後、公知
慣用の方法で支持体上に塗布される。塗布方法として
は、具体的には、スピンコーター等による回転塗布法、
ディップ塗布法、ロール塗布法、カーテン塗布法、ブレ
ード塗布法、エアーナイフ塗布法、スプレー塗布法、バ
ーコーター塗布法等が挙げられる。
光性組成物層塗布液は、常温で乾燥させることによって
感光性組成物層が形成される。より短時間で乾燥させる
ために、30〜150℃で10秒〜10分間、温風乾燥
機、赤外線乾燥機等を使用して乾燥させることが好まし
い。
高出力型レーザーにより画像を書き込まれた後、現像処
理によって非画像部が湿式法により除去される。現像処
理に使用される現像液は、酸性水溶液、もしくは、アル
カリ性水溶液である。基材等の腐食を考慮すると、一般
的には、アルカリ剤を用いたアルカリ性水溶液の使用が
好ましい。近赤外領域の高出力型レーザーとしては、7
60nm〜3000nmの近赤外領域に最大強度を有す
る各種レーザー、例えば、半導体レーザー、YAGレー
ザー等が挙げられる。
原版に応用する場合について説明する。
応用する場合は、本発明の感光性組成物を、親水性表面
を有する支持体上に設ければよい。すなわち、親水性表
面を有する支持体上に前述したように感光性組成物層塗
布液を塗布して乾燥させることにより平版印刷版原版を
作成することができる。
ミニウム、亜鉛、銅、ステンレス、鉄の如き金属板類;
ポリエチレングリコールテレフタレート(PET)、ポ
リカーボネート、ポリビニルアセタール、ポリエチレン
の如きプラスチックフィルム類;合成樹脂を溶融塗布あ
るいは合成樹脂液を塗布した紙やプラスチックフィルム
に金属層を真空蒸着もしくはラミネートなどの技術によ
り設けた複合材料等が挙げられる。これらのうち、特に
アルミニウム及びアルミニウムが被覆された複合支持体
の使用が好ましい。
め、感光層との密着性を向上させる目的で表面処理され
ていることが望ましい。そのような表面処理方法として
は、例えば、粗面化方法としてブラシ研磨法、ボール研
磨法、電解エッチング、化学的エッチング、液体ホーニ
ング、サンドブラスト等の方法、及びこれらの組み合わ
せが挙げられ、特に電解エッチングの使用を含む粗面化
方法が好ましい。
しては、酸、アルカリ又はそれらの塩を含む水溶液ある
いは有機溶剤を含む水性溶液が用いられ、これらのうち
で特に、塩酸、硝酸、又はそれらの塩を含む電解液が好
ましい。さらに、粗面化処理の施されたアルミニウム板
は、必要に応じて酸又はアルカリの水溶液にてデスマッ
ト処理される。このようにして得られたアルミニウム板
は、陽極酸価処理されることが望ましく、特に、硫酸又
は燐酸を含む浴で処理する方法が望ましい。
66号明細書、同3181461号明細書に記載されて
いるケイ酸塩処理(ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウ
ム)、米国特許第2946638号明細書に記載されて
いるフッ化ジルコニウム酸カリウム処理、米国特許第3
201247号明細書に記載されているホスホモリブデ
ート処理、英国特許第1108559号公報に記載され
ているアルキルチタネート処理、独国特許第10914
33号公報に記載されているポリアクリル酸処理、独国
特許第1134093号公報や英国特許第123044
7号公報に記載されているポリビニルスルホン酸処理、
特公昭44−6409号公報に記載されているホスホン
酸処理、米国特許第3307951号明細書に記載され
ているフィチン酸処理、特開昭58−16839号公報
や特開昭58−18291号公報に記載されている親水
性有機高分子化合物と2価の金属との塩による処理、特
開昭59−101651号公報に記載されているスルホ
ン酸基を有する水溶性重合体の下塗りによって親水化処
理を行ったもの、特開昭60−64352号公報に記載
されている酸性染料による着色を行ったもの、米国特許
3658662号明細書に記載されているシリケート電
着等の処理を行うことができる。
処理を施したものも好ましい。封孔処理は、熱水、及び
無機塩又は有機塩を含む熱水溶液への浸漬ならびに水蒸
気浴等によって行われる。
刷刷版を作成する方法について説明する。
らのデジタル画像情報を基に、高出力型レーザーを使用
して直接版上に画像書き込みができる、いわゆるコンピ
ュータ・トゥ・プレート(CTP)版である。本発明の
印刷版原版に画像を形成することができる高出力型レー
ザーとしては、各種半導体レーザー、YAGレーザー等
があり、使用する光源の特定波長を吸収し、熱に変換で
きうる適当な顔料又は染料を前述した顔料又は染料の中
から選び、感光性組成物層に添加することにより使用で
きる。
高出力型レーザーにより画像を書き込まれた後、現像処
理によって非画像部が湿式法により除去される。この際
使用される現像液は、感光性組成物層に含まれる水性樹
脂がアニオン性基を有する場合には、アルカリ剤を含有
したアルカリ性水溶液である。
アルカリ剤としては、例えば、ケイ酸ナトリウム、ケイ
酸カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸
化リチウム、第二又は第三リン酸のナトリウム、カリウ
ム又はアンモニウム塩、メタケイ酸ナトリウム、炭酸ナ
トリウム、アンモニアの如き無機のアルカリ化合物;モ
ノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、
モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミ
ン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、
n−ブチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、モノエタノ
ールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミ
ン、エチレンイミン、エチレンジアミンの如き有機のア
ルカリ化合物が挙げられる。
05〜10重量%の範囲が好ましく、0.05〜5重量
%の範囲が特に好ましい。現像液中のアルカリ剤の含有
量が0.005重量%より少ない場合、現像が不良とな
る傾向にあり、また、10重量%より多い場合、現像時
に画像形成層を浸食する等の悪影響を及ぼす傾向にある
ので好ましくない。
を添加することもできる。現像液に添加することができ
る有機溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、酢酸アミル、酢酸ベンジル、エチレングリコールモ
ノブチルアセテート、乳酸ブチル、レブリン酸ブチル、
メチルエチルケトン、エチルブチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、シクロヘキサノン、エチレングリコール
モノブチルエーテル、エチレングリコールモノベンジル
エーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、
ベンジルアルコール、メチルフェニルカルビト−ル、n
−アミルアルコール、メチルアミルアルコール、キシレ
ン、メチレンジクロライド、エチレンジクロライド、モ
ノクロロベンゼン、などが挙げられる。
媒の添加量は、20重量%以下が好ましく、10重量%
以下が特に好ましい。
て、亜硫酸リチウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウ
ム、亜硫酸マグネシウムの如き水溶性亜硫酸塩、アルカ
リ可溶性ピラゾロン化合物、アルカリ可溶性チオール化
合物、メチルレゾルシンの如きヒドロキシ芳香族化合
物、ポリリン酸塩、アミノポリカルボン酸類の如き硬水
軟化剤、イソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウ
ム、n−ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、N−
メチル−N−ペンタデシルアミノ酢酸ナトリウム、ラウ
リルサルフェートナトリウム塩の如きアニオン性界面活
性剤やノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、
両性界面活性剤、フッ素系界面活性剤等の各種界面活性
剤や各種消泡剤を用いることができる。
には、上記の組成のものが使用されるが、実用上は、市
販されているネガ型PS版用又はポジ型PS版用の現像
液を用いることができる。市販されている濃縮型のネガ
用、あるいはポジ用の現像液を1〜1000倍に希釈し
たものが、本発明による印刷版原版の現像液として使用
することができる。
んだ印刷版原版を現像液に浸漬し、その後、水洗する。
現像液の温度は、15〜40℃の範囲が好ましく、浸漬
時間は1秒〜2分の範囲が好ましい。必要に応じ、軽く
表面を擦ることもできる。
及び/又は水系の不感脂化剤による処理が施される。水
系の不感脂化剤としては、例えば、アラビアゴム、デキ
ストリン、カルボキシメチルセルロースの如き水溶性天
然高分子;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ン、ポリアクリル酸の如き水溶性合成高分子、などの水
溶液が挙げられ、必要に応じて、これらの水系の不感脂
化剤に、酸や界面活性剤等が加えられる。不感脂化剤に
よる処理が施された後、印刷版原版は乾燥され、印刷刷
版として印刷に使用される。
的として、上記の印刷刷版をバーニング処理して印刷刷
版とすることもできる。バーニング処理としては、ま
ず、前述の処理方法によって得られた印刷刷版を水洗
し、リンス液やガム液を除去した後、スキージする。
次いで、整面液を版全体にムラなく引き伸ばし、乾燥さ
せる。オーブンで180〜300℃で1〜30分間バ
ーニングを行う。版を冷却させた後、整面液を水洗に
より除去し、ガム引きして乾燥した後、印刷版とする、
という工程により実施される。
生しないように、バーニング処理を施す前に処理する水
溶液として専ら用いられるものであり、その主たる成分
として、界面活性剤、特に好ましくはアニオン性界面活
性剤及び/又はフッ素系界面活性剤を0.005〜30
重量%、及び、pHを2〜11、好ましくは3〜10の
範囲に保つために各種の酸、アルカリあるいは塩類が添
加される。
としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ア
ルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、アルキルナ
フタレンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸
のアルデヒド縮合物、α−オレフィンスルホネート、ア
ルキルスルホネートの如きスルホン酸基を有する界面活
性剤;ラウリル硫酸エステル、ポリオキシエチレンアル
キルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルエーテル硫酸塩の如き硫酸エステル系界面活性剤、
などが挙げられる。
しては、例えば、パーフルオロアルキル基を有するカル
ボン酸塩、パーフルオロアルキル基を有するスルホン酸
塩、パーフルオロアルキル基を有する硫酸エステル塩、
パーフルオロアルキル基を有するリン酸塩の如きアニオ
ン性フッ素系界面活性剤;パーフルオロアルキル基を有
するアミン塩、パーフルオロアルキル基を有する4級ア
ンモニウム塩の如きカチオン性フッ素系界面活性剤;パ
ーフルオロアルキルカルボキシベタイン、パーフルオロ
アルキル基を有するアミノカルボン酸塩の如き両性フッ
素界面活性剤;パーフルオロアルキル基を有するオリゴ
マー、パーフルオロアルキル基を有するポリマー、パー
フルオロアルキル基を有するスルホンアミドポリエチレ
ングリコール付加物のノニオン性フッ素系界面活性剤、
などが挙げられる。
硝酸、硫酸、リン酸の如き鉱酸、クエン酸、こはく酸、
シュウ酸、酒石酸、酢酸、リンゴ酸、フィチン酸、有機
ホスホン酸、p−トルエンスルホン酸、キシレンスルホ
ン酸、などが挙げられる。また、これら酸のリチウム
塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、ある
いはアルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩等も
整面液に用いることができる。
変性又は合成高分子重合体であって、皮膜形成能を有す
る高分子化合物も全重量に対して0.0001〜3重量
%添加することができる。さらにまた、整面液には、防
腐剤、消泡剤、着色剤、などを添加することもできる。
刷版を作成する好ましい方法としては、まず、YAGレ
ーザーや赤外線半導体レーザー等の高出力型レーザーを
光源とした画像露光機に本発明の印刷版原版を装着し、
コンピュータからのデジタル情報を直接本発明の印刷版
原版上に画像書き込みを行い、次いで、現像液で現像処
理を行い非画像部を除去する。その後、水洗及び/又は
水系の不感脂化剤により処理を施した後、乾燥させて印
刷刷版を得ることができる。なお、この一連の現像処理
工程は、一工程づつ実施しても勿論良いが、実用的には
これらの工程を連続して行うことができる自動現像機を
使用するのが容易であり、好ましい。この際、本発明の
平版印刷版原版は露光の前後において、特別の安全光を
必要とせず、通常室内光の下で作業を進めることができ
るという特長を有している。また、従来の印刷版原版で
は画像書き込み後、現像前に加熱処理を行い、潜像を形
成していたが、本発明の印刷版原版では画像書き込み後
に加熱処理を必要としないという特長も有している。本
発明の感光性組成物は、印刷版以外にも様々な用途に使
用することができる。
説明するが、本発明はこれらの実施例の範囲に限定され
るものではない。
比は、試料約1gの130℃で1時間乾燥前後の試料重
量比を測定して記した。数平均分子量は、ゲル・浸透・
クロマトグラフィー(以下、GPCと省略する。)によ
り測定し、ポリスチレン換算の分子量でもって記載し
た。また、樹脂微粒子の粒径は、レーザードップラー式
粒度分布計マイクロトラックUPA−150で測定し
た。
(1)) 撹拌装置、還流装置、温度計付き乾燥窒素導入管及び滴
下装置を備えた容量1Lの四つ口フラスコに、メチルエ
チルケトン400gを仕込み、80℃に昇温した。これ
に、メチルメタクリレート160g、ブチルメタクリレ
ート108.8g、2−ヒドロキシエチルアクリレート
38.36g、アクリル酸12.84g、「カレンズM
OI−BM」(昭和電工(株)製メタクリル酸2−(O
−[1’−メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミ
ノエチルの商品名)80g及び「パーブチルO」(日本
油脂(株)製の重合開始剤の商品名)8gをよく混合し
た溶液を2時間かけて滴下した。滴下後、さらに15時
間撹拌を続けることによって、乾燥固形分比が49.7
%、数平均分子量が20000のアクリル樹脂を得た。
以下、これをアクリル樹脂(1)とする。
(2)) 撹拌装置、還流装置、温度計付き乾燥窒素導入管及び滴
下装置を備えた容量1Lの四つ口フラスコに、メチルエ
チルケトン400gを仕込み、80℃に昇温した。これ
に、スチレン80g、メチルメタクリレート80g、ブ
チルメタクリレート108.8g、2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート38.36g、アクリル酸12.84
g、「MOI−BM」80g及び「パーブチルO」8g
をよく混合した溶液を2時間かけて滴下した。滴下後、
さらに15時間撹拌を続けることによって、乾燥固形分
比が49.7%、数平均分子量が20000のアクリル
樹脂を得た。以下、これをアクリル樹脂(2)とする。
化ナトリウム水溶液22.3gで中和した後、水を滴下
した。樹脂溶液は徐々に増粘し、約150gの水を滴下
した時点から著しく粘度が低下して転相が完了した。さ
らに150gの水を加えた後、得られた分散液を30℃
に加熱して、有機溶剤ならびに余剰の水を減圧除去し
て、平均粒径0.2マイクロメートルのアクリル樹脂微
粒子の水分散体を得た。この水分散体に、水を加えて乾
燥固形分比を30%に調整した。以下、これを水性樹脂
(A)とする。
0M水酸化ナトリウム水溶液22.3gで中和した後、
水を滴下した。樹脂溶液は徐々に増粘し、約150gの
水を滴下した時点から著しく粘度が低下して転相が完了
した。さらに150gの水を加えた後、得られた分散液
を30℃に加熱して、有機溶剤ならびに余剰の水を減圧
除去して、平均粒径0.2マイクロメートルのスチレン
アクリル樹脂微粒子の水分散体を得た。この水分散体
に、水を加えて乾燥固形分比を30%に調整した。以
下、これを水性樹脂(B)とする。
D−X」(三菱ガス化学(株)製のポリグリシジル化合
物)0.89g、1.0M水酸化ナトリウム水溶液1
3.4gを加えてよく混合した溶液に、水をゆっくり滴
下した。樹脂溶液は徐々に増粘し、約150gの水を滴
下した時点から著しく粘度が低下して転相が完了した。
さらに150gの水を加えた後、得られた分散液を30
℃に加熱して、有機溶剤ならびに余剰の水を減圧除去
し、次いで、80℃に加熱して4時間撹拌した。反応終
了後、乾燥固形分比を水で30%に調整して、平均粒径
0.3マイクロメートルの架橋樹脂微粒子水分散体を得
た。以下、これを水性樹脂(C)とする。
(A)40g、「カーボンブラックMA−100」(三
菱化学(株)製のカーボンブラック)3g、水37g及
びイソプロピルアルコール20gをよく混合し、これ
に、1mmガラスビーズ180gを加えた後、ペイント
コンディショナーで1時間分散させた。ガラスビーズを
濾過除去することによって、カーボンブラックを分散し
た水性樹脂溶液を得た。この溶液20g、水45g及び
イソプロピルアルコール10gをよく混合して塗布液と
した。
ルミニウム板をナイロンブラシと400メッシュのパミ
ストンの水懸濁液を用いて、その表面を砂目立てし、次
いで20%硫酸電解液中、電流密度2A/dm2で陽極
酸価処理して、2.7g/m2の酸化被膜を形成した
後、水洗し、乾燥させて支持体を得た。
コーターを用いて塗布した後、60℃で4分間乾燥させ
て、本発明の印刷版原版を得た。
ーザーを搭載したテスト露光機(波長808nm、出力
1W 、ライン電子(株)製)にて照射量を変えながら
画像露光を行った。画像露光後、ポジ用PS版現像液
「PD−1」(ポリクロームジャパン(株)製)の1:
99希釈溶液を用いて30℃で30秒間浸漬して現像を
行い、さらに、水洗した後、乾燥させた。このものの感
度は180mJ/cm2であり、非画像部はきれいに剥
離した。印刷版原版を60℃で15時間加熱した後の促
進保存安定性試験後の感度には変化がなく、非画像部の
汚れも見られなかった。
樹脂(A)に代えて、水性樹脂(B)及び(C)をそれ
ぞれ用いた以外は、実施例1と同様にして、平版印刷版
原版を作成し、同様に評価を行ない、その結果を表1に
まとめて示した。
付き乾燥窒素導入管及び滴下装置を備えた容量1Lの四
つ口フラスコに、メチルエチルケトン400gを仕込
み、80℃に昇温した。これに、スチレン80g、メチ
ルメタクリレート253.44g、アクリル酸51.3
2g、ブチルメタクリレート15.24g及び「パーブ
チルO」8gをよく混合した溶液を2時間かけて滴下し
た。滴下後、さらに15時間撹拌を続けることによっ
て、乾燥固形分比が49.5%、数平均分子量が180
00のアクリル樹脂溶液を得た。
水酸化ナトリウム水溶液26.7gで中和した後、水を
滴下した。樹脂溶液は徐々に増粘し、約150gの水を
滴下した時点から著しく粘度が低下して転相が完了し
た。さらに150gの水を加えた後、得られた分散液を
30℃に加熱して、有機溶剤ならびに余剰の水を減圧除
去して、平均粒径0.2マイクロメートルの樹脂分散液
を得た。この分散液に水を加えて乾燥固形分比を30%
に調整した。
菱化学(株)製のカーボンブラック)3g、水37g及
びイソプロピルアルコール20gをよく混合し、これ
に、1mmガラスビーズ180gを加え、ペイントコン
ディショナーで1時間分散させた。ガラスビーズを濾過
除去することによって、カーボンブラックを分散したア
クリル樹脂溶液を得た。この溶液20g、水45g及び
イソプロピルアルコール10gをよく混合して塗布液と
した。
に、先の塗布液を14番のバーコーターを用いて塗布
し、60℃で4分間乾燥して、比較例の印刷版原版を得
た。この印刷版原版を用い、近赤外線半導体レーザーを
搭載したテスト露光機(波長808nm、出力1W 、
ライン電子(株)製)にて照射量を変えながら画像露光
を行った。画像露光後、ポジ用PS版現像液「PD−
1」(ポリクロームジャパン(株)製)の1:99希釈
溶液を用いて30℃で30秒間浸漬して現像を行い、さ
らに、水洗した後、乾燥させた。このものの感度は18
0mJ/cm2であり、非画像部はきれいに剥離した。
印刷版原版を60℃で15時間加熱後の促進保存安定性
試験後の感度には変化がなく、非画像部の汚れも見られ
なかった。
(1)24g、「MA−100」(三菱化学(株)製の
カーボンブラック)3g及びメチルエチルケトン23g
をよく混合し、これに、1mmガラスビーズ90gを加
え、ペイントコンディショナーで1時間分散させた。ガ
ラスビーズを濾過除去することによって、カーボンブラ
ックを分散したアクリル樹脂溶液を得た。この溶液10
gをメチルエチルケトン20gで希釈して塗布液とし
た。実施例1と同様の工程で得られた支持体に20番の
バーコーターを用いて塗布し、60℃で4分間乾燥させ
て、印刷版原版を得た。乾燥塗布量は、2.0g/m2
であった。この印刷版原版をポジ用PS版現像液「PD
−1」(ポリクロームジャパン(株)製)の1:99希
釈溶液を用いて30℃で30秒間浸漬したが、剥離しな
かった。さらに、 現像液「PD−1」の1:9希釈溶
液を用いて30℃で1分間浸漬したが、剥離しなかっ
た。
で得た印刷版原版を、テスト露光機(波長808nm、
出力1W、ライン電子(株)製)を用い、それぞれの印
刷版原版が必要とする感度のエネルギー量にて画像を書
き込み、その後、実施例1と同様の条件で現像処理し、
水洗し、乾燥させて印刷刷版を得た。
印刷機(TOKO 820L:東京航空計器社製)に装
着し、印刷テストを実施した。印刷条件として、印刷速
度:3000枚/時間、印刷用紙:十条ダイヤコートB
4、インキ:GEOS−G紅S(大日本インキ化学工業
(株)製)、湿し水:NA108W(1:50希釈、大
日本インキ化学工業(株)製)の下、印刷テストを実施
した。実施例1〜3では、印刷物10000枚は、品質
などの問題もなく、良好な印刷物であったが、比較例で
は、5000枚を過ぎた辺りから僅かながら印刷物に汚
れが認められた。
有する印刷版原版は、水性樹脂を用い、ブロックイソシ
アネート基を持たない水性樹脂を使用した感光性組成物
を用いた場合と比較して、耐刷性に優れている。また、
本発明の感光性組成物からなる感光層を有する印刷版原
版は、レーザー書き込み後、予備加熱なしで製版が可能
であり、感度も良好である。
Claims (6)
- 【請求項1】 ブロック化されたイソシアネート基を有
する水性樹脂及び赤外線吸収剤を含有する感光性組成
物。 - 【請求項2】 水性樹脂が樹脂微粒子分散体である請求
項1記載の感光性組成物。 - 【請求項3】 微粒子が内部架橋されたものである請求
項2記載の感光性組成物。 - 【請求項4】 支持体上に、請求項1〜3のいずれか1
項に記載の組成物から成る感光層を有することを特徴と
する印刷版原版。 - 【請求項5】 請求項4記載の印刷版原版の感光層に、
レーザー光を用いて画像を形成した後、塩基性の水溶液
又は水を用いて現像することを特徴とする画像形成方
法。 - 【請求項6】 760〜3000nmの範囲に最大強度
を有するレーザー光を用いる請求項5記載の画像形成方
法。
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JPWO2013005619A1 (ja) * | 2011-07-07 | 2015-02-23 | 日産化学工業株式会社 | 樹脂組成物 |
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