JPH10282672A - 感熱性画像形成材料および平版印刷版用原版 - Google Patents

感熱性画像形成材料および平版印刷版用原版

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JPH10282672A
JPH10282672A JP10027655A JP2765598A JPH10282672A JP H10282672 A JPH10282672 A JP H10282672A JP 10027655 A JP10027655 A JP 10027655A JP 2765598 A JP2765598 A JP 2765598A JP H10282672 A JPH10282672 A JP H10282672A
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浩一 川村
Katsushi Kitatani
克司 北谷
Fumikazu Kobayashi
史和 小林
Kazuo Maemoto
一夫 前本
Tadahiro Sorori
忠弘 曽呂利
Hidekazu Ohashi
秀和 大橋
Sumiaki Yamazaki
純明 山崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱または光熱変換により、高感度で画像を
形成できる感熱性画像形成材料、およびこれを用いた、
ディジタルデータから直接製版可能で、湿式現像処理等
を必要としない平版印刷版用原版を提供する。 【解決手段】 加熱によりスルホン酸を発生させる官能
基を側鎖に有する高分子化合物を画像形成材料中に含有
させる。前記官能基としては、一般式(1)に示される
官能基を挙げることができる。 【化1】 式中、Lは一般式(1)で示される官能基をポリマー骨
格に連結するのに必要な多価の非金属原子から成る有機
基を表し、R1 は置換若しくは無置換のアリール基、置
換若しくは無置換のアルキル基又は環状イミド基を示
す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は平版印刷版用原版に
関するものであり、特にディジタル信号に基づいて赤外
線レーザ等を操作することにより直接製版可能な平版印
刷版用原版に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ディジタル化された画像データー
からリスフィルムを介さずに印刷版を直接製版する方法
としては、電子写真法によるもの、青色又は緑色を
発光する比較的小出力のレーザで書き込める高感度フォ
トポリマーを用いる方法、銀塩又は銀塩と他のシステ
ムとの複合系を用いる方法、ヒートモードレーザ露光
により酸を発生させ、その酸を触媒として後加熱により
熱硬化画像を得る方法等が知られている。
【0003】これらの方法は印刷工程の合理化上極めて
有用ではあるが、現状では必ずしも十分満足できるもの
ではない。例えば、の電子写真法を用いるものは、帯
電、露光、現像等画像形成のプロセスが煩雑であり、装
置が複雑で大がかりなものになる。また、のフォトポ
リマーを用いるものでは、高感度な印刷版を使用するた
め、明室での取扱いが難しくなる。の銀塩を用いる方
法は、処理が煩雑になり、処理廃液中に銀が含まれる等
の欠点がある。の方法も、後加熱やその後の現像処理
が必要であり、処理が煩雑になる。
【0004】また、これらの印刷版の製造には、露光工
程の後に、支持体表面の上に設けられた記録層を画像状
に除去するための湿式による現像工程や現像処理された
印刷版を水洗水で水洗したり、界面活性剤を含有するリ
ンス液、アラビアガム、澱粉誘導体を含む不感脂化液で
処理する後処理工程が含まれる。
【0005】一方、近年の製版、印刷業界では製版作業
の合理化が進められており、上記のような複雑な湿式現
像処理を必要とせず、露光後にそのまま印刷に使用でき
る印刷版用原版が望まれている。
【0006】画像露光後に現像処理を必要としない印刷
版用原版については、例えば、USP5,258,26
3号に、露光領域で硬化叉は不溶化が促進される感光性
親水層と感光性疎水層とを支持体上に積層した平版印刷
プレートが開示されている。しかし、このプレートは感
光層の非露光部が印刷過程で取り除かれる、いわゆる印
刷機上現像タイプの印刷版であり、湿し水や印刷インク
を汚染する欠点を持つ。
【0007】また画像形成後、湿式現像処理を必要とし
ない平版印刷版用原版として、シリコーン層と、その下
層にレーザ感熱層を設けた版材がUSP5,353,7
05号、USP5,379,698号に開示されてい
る。これらは湿式現像は必要としないが、レーザアブレ
ージョンによるシリコーン層の除去を完結させるための
こすりや特殊なローラーによる処理が必要となり、処理
が煩雑になる欠点を持つ。
【0008】ポリオレフィン類をスルホン化したフィル
ムを用い、熱書き込みにより、表面の親水性を変化させ
ることにより、現像処理を必要としない平版印刷版用原
版を形成することが、特開平5−77574号、特開平
4−125189号、USP5,187,047号、特
開昭62−195646号に開示されている。このシス
テムでは、熱書き込みにより、版材表面のスルホン基を
脱スルホンさせ画像形成しており、現像処理は不要にな
るが、書き込み時に有害なガスを発生させる欠点を有す
る。
【0009】USP5,102,771号、USP5,
225,316号には酸感受性基を側鎖に持つポリマー
と光酸発生剤を組み合わせた平版印刷版用原版が提示さ
れており、無現像システムが提案されている。この平版
印刷版用原版は発生する酸がカルボン酸であるために、
限られた親水性しか持たず、版材の耐久性や印刷画像の
鮮明さに劣る欠点を持つ。
【0010】また、特開平7−186562(EP65
2,483)号公報には、熱と酸の作用によりカルボン
酸を発生させるポリマーと赤外線吸収色素とを含有する
平版印刷版用原版が開示されている。しかし、この平版
印刷版用原版を用いた平版印刷版では印刷時に汚れが生
じるという問題がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、加熱により、または光熱変換により生じた熱により
高感度で画像を形成することができる感熱性画像形成材
料と、この感熱性画像形成材料を記録層に用い、赤外線
を放射するレーザ叉はサーマルヘッドを用いて記録する
ことにより、ディジタルデータから直接製版可能であ
り、かつ画像露光後湿式現像処理やこすり等の特別な処
理を必要としない、平版印刷版用原版を提供することで
ある。また、本発明の別の目的は、加熱によりスルホン
酸を発生させる官能基を有する新規なモノマーとこのモ
ノマーから得られる新規なポリマーとを提供することで
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】発明者等は、鋭意検討し
た結果、下記手段により上記目的が達成されることを見
いだし本発明を完成するに至った。
【0013】すなわち、本発明は、加熱によりスルホン
酸を発生させる官能基を有する高分子化合物を含有する
感熱性画像形成材料である。この感熱性画像形成材料
は、さらに光熱変換物質を含有することが好ましい。
【0014】また、本発明は、支持体上に、加熱により
スルホン酸を発生させる官能基を有する高分子化合物を
含有する記録層を設けたことを特徴とする平版印刷版用
原版である。このような平版印刷版用原版を用いれば、
露光後溶解処理を行わなくても、印刷が可能な平版印刷
版を得ることができる。ここで、前記加熱によりスルホ
ン酸を発生させる官能基が、下記一般式(1)、(2)
又は(3)で表される官能基の少なくとも1種であるこ
とが好ましい。
【0015】
【化5】
【0016】(式中、Lは一般式(1)、(2)又は
(3)で示される官能基をポリマー骨格に連結するのに
必要な多価の非金属原子から成る有機基を表し、R1
置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換
アルキル基又は環状イミド基を示し、R2 、R3 は置換
若しくは無置換のアリール基又は置換若しくは無置換ア
ルキル基を示し、R4 は置換若しくは無置換のアリール
基、置換若しくは無置換アルキル基又は−SO2 −R5
を示し、R5 は置換若しくは無置換のアリール基又は置
換若しくは無置換アルキル基を示す。)
【0017】さらに、前記一般式(1)で表される官能
基のR1 が、下記一般式(4)で表される2級アルキル
基であることが好ましく、
【0018】
【化6】
【0019】(式中、R6 ,R7 は置換もしくは非置換
アルキル基を表す。また、R6 ,R 7 はそれが結合して
いる2級炭素原子(CH)と共に環を形成してもよい。)
【0020】前記一般式(4)で表される2級アルキル
基が、下記式で表される2級アルキル基であることが特
に好ましい。
【0021】
【化7】
【0022】本発明の平版印刷版用原版は、さらに光熱
変換物質を含有することが好ましい。
【0023】一般式(1)で示されるような官能基を側
鎖に有する高分子化合物を含有する感光性組成物として
は、USP3,834,906号にはポリビニールアリ
ールスルホン酸エステルを含有する層を露光することか
らなる画像形成方法が、特開昭63−26653号公報
にはポリエチレンスルホン酸オルトニトロベンジルエス
テルからなるフォトレジスト材料が、特開平4−121
748号公報には光でスルホン酸を発生する基を有する
化合物を含有する感光性組成物が記載されているが、こ
れらの感光性組成物は、いずれも光による画像形成であ
る。本発明者等はこのような化合物が熱により分解して
スルホン酸を発生させることを見出したものであり、本
発明は、これを画像形成材料、さらには平版印刷版用原
版の記録層に用いて、赤外線レーザー照射により発生し
た熱で、あるいはサーマルヘッド等による加熱で、スル
ホン酸を発生させることにより、この部分が高度に親水
化し、現像工程がなくても良好なポジ型画像が得られる
点に特徴がある。
【0024】また、本発明は、下記式で表される2級ア
ルキル基をアルコール成分に有するスチレンスルホン酸
エステル化合物、およびこれらのスルホン酸エステル化
合物から得られるスチレンスルホン酸エステルポリマー
である。
【0025】
【化8】
【0026】一般式(1)で示される官能基を側鎖に有
するスチレンスルホン酸エステル化合物のうち、上記の
式で表される2級アルキル基をアルコール成分に有する
スチレンスルホン酸エステル化合物は新規であり、ま
た、このスルホン酸エステル化合物をモノマーとして、
これから得られるスチレンスルホン酸エステルポリマー
も新規である。これらのスチレンスルホン酸エステルポ
リマーは、高い親水性を示し、メガネや鏡、ガラス等の
防曇剤や自動車の雨滴の拭き取りを必要としないフロン
トガラス等、超親水性機能膜としての応用も可能であ
る。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の感熱性画像形成材料は、加熱によりスルホン酸
を発生させる官能基を有する高分子化合物(以下、スル
ホン酸発生型高分子化合物という)を含有していれば、
特に制限はなく、また、本発明の平版印刷版用原版は、
支持体上に、画像形成材料により形成された記録層を備
え、画像記録材料として、本発明の感熱性画像形成材料
を用いている。
【0028】本発明のスルホン酸発生型高分子化合物
は、加熱によりスルホン酸を発生させる官能基を有して
いれば、特に、制限はなく、スルホン酸を発生させる官
能基を主鎖に有していても、側鎖に有していても良い
が、合成適性の点で、前記一般式(1)、(2)又は
(3)で示される官能基を側鎖に有する高分子化合物が
好ましい。
【0029】以下に、本発明における前記一般式
(1)、(2)又は(3)で示される官能基の少なくと
もいずれかを有する高分子化合物について、更に、具体
的に説明する。
【0030】R1 〜R5 がアリール基若しくは置換アリ
ール基を表わすとき、アリール基には炭素環式アリール
基と複素環式(ヘテロ)アリール基が含まれる。炭素環
式アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アン
トラセニル基、ピレニル基等の炭素数6から19のもの
が用いられる。また、複素環式アリール基としては、ピ
リジル基、フリル基、その他ベンゼン環が縮環したキノ
リル基、ベンゾフリル基、チオキサントン基、カルバゾ
ール基等の炭素数3〜20、ヘテロ原子数1〜5を含む
ものが用いられる。R1 〜R5 がアルキル基若しくは置
換アルキル基を表わすとき、当該アルキル基としてはメ
チル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、シ
クロヘキシル基等の直鎖状、分岐状若しくは環状の炭素
数1から25までのものが用いられる。
【0031】R1 〜R5 が置換アリール基、置換ヘテロ
アリール基、置換アルキル基であるとき、置換基として
はメトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜10までのア
ルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロ
ゲン原子、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基
のようなハロゲン置換されたアルキル基、メトキシカル
ボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブチルオキシカ
ルボニル基、p−クロロフェニルオキシカルボニル基等
の炭素数2から15までのアルコキシカルボニル基若し
くはアリールオキシカルボニル基;水酸基;アセチルオ
キシ基、ベンゾイルオキシ基、p−ジフェニルアミノベ
ンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基;t−ブチルオキ
シカルボニルオキシ基等のカルボネート基;t−ブチル
オキシカルボニルメチルオキシ基、2−ピラニルオキシ
基等のエーテル基;アミノ基、ジメチルアミノ基、ジフ
ェニルアミノ基、モルフォリノ基、アセチルアミノ基等
の置換、非置換のアミノ基;メチルチオ基、フェニルチ
オ基等のチオエーテル基;ビニル基、スチリル基等のア
ルケニル基;ニトロ基;シアノ基;ホルミル基、アセチ
ル基、ベンゾイル基等のアシル基;フェニル基、ナフチ
ル基のようなアリール基;ピリジル基のようなヘテロア
リール基等を挙げることができる。またR1〜R5 が置
換アリール基、置換ヘテロアリール基であるとき、置換
基として前述の他にもメチル基、エチル基等のアルキル
基を用いることができる。
【0032】R1 が環状イミド基を表すとき、環状イミ
ドとしては、琥珀酸イミド、フタル酸イミド、シクロヘ
キサンジカルボン酸イミド、ノルボルネンジカルボン酸
イミド等の炭素原子4〜20までのものを用いることが
できる。
【0033】前記一般式(1)において、R1 として
は、ハロゲン、シアノ、ニトロ等の電子吸引性基で置換
されたアリール基、ハロゲン、シアノ、ニトロ等の電子
吸引性基で置換されたアルキル基、2級若しくは3級の
分岐状のアルキル基、環状アルキル基及び環状イミドが
好ましく、感度と経時安定性とを両立できるという点
で、前記一般式(4)で表される2級アルキル基がより
好ましい。
【0034】R6 ,R7 は置換もしくは非置換アルキ
ル,置換もしくは非置換アリール基を表し、また、
6 ,R7 はそれが結合している2級炭素原子(CH)と
共に環を形成してもよい。R6 ,R7 が置換もしくは非
置換アルキル基を表すとき、アルキル基としてはメチル
基,エチル基,イソプロピル基,t−ブチル基,シクロ
ヘキシル基などの直鎖状,分岐状,もしくは環状のアル
キル基が挙げられ、炭素数1から25までのものが好適
に用いられる。R6 ,R7 が置換もしくは非置換アリー
ル基を表すとき、アリール基には炭素環式アリール基と
複素環式アリール基が含まれる。炭素環式アリール基と
してはフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ピ
レニル基など炭素数6から19のものが用いられる。ま
た、複素環式アリール基としてはピリジル基、フリル
基、その他ベンゼン環が縮環したキノリル基、ベンゾフ
リル基、チオキサントン基、カルバゾール基などの炭素
数3〜20、ヘテロ原子数1〜5を含むものが用いられ
る。
【0035】R6 ,R7 が置換アルキル基,置換アリー
ル基であるとき、置換基としてはメトキシ基、エトキシ
基などの炭素数1〜10までのアルコキシ基、フッ素原
子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子、トリフル
オロメチル基、トリクロロメチル基のようなハロゲン置
換されたアルキル基、メトキシカルボニル基、エトキシ
カルボニル基、t−ブチルオキシカルボニル基、p−ク
ロロフェニルオキシカルボニルなどの炭素数2から15
までのアルコキシカルボニル基またはアリールオキシカ
ルボニル基;水酸基;アセチルオキシ、ベンゾイルオキ
シ、p−ジフェニルアミノベンゾイルオキシなどのアシ
ルオキシ基;t−ブチルオキシカルボニルオキシ基など
のカルボネート基;t−ブチルオキシカルボニルメチル
オキシ基、2−ピラニルオキシ基などのエーテル基;ア
ミノ基、ジメチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、モル
フォリノ基、アセチルアミノ基などの置換、非置換のア
ミノ基;メチルチオ基、フェニルチオ基などのチオエー
テル基;ビニル基、ステリル基などのアルケニル基;ニ
トロ基;シアノ基;ホルミル基、アセチル基、ベンゾイ
ル基などのアシル基;フェニル基、ナフチル基のような
アリール基;ピリジル基のようなヘテロアリール基等を
挙げることができる。また、R6 ,R7 が置換アリール
基であるとき、置換基としては、前述したものの他にも
メチル基、エチル基などのアルキル基を用いることがで
きる。
【0036】上記のR6 ,R7 としては、感材の保存安
定性に優れる点で、置換、非置換のアルキル基が好まし
く、経時安定性の点で、アルコキシ基,カルボニル基,
アルコキシカルボニル基,シアノ基,ハロゲン基などの
電子吸引性基で置換された2級のアルキル基,もしくは
シクロヘキシル基、ノルボルニル基などの2級のアルキ
ル基が特に好ましい。物性値としては、重クロロホルム
中、プロトンNMRにおける2級メチン水素のケミカル
シフトが4.4ppmよりも低磁場に現れる化合物が好
ましく、4.6ppmよりも低磁場に現れる化合物がよ
り好ましい。このように、電子吸引性基で置換された2
級のアルキル基が特に好ましいのは、熱分解反応時に中
間体として生成していると思われるカルボカチオンが電
子吸引性基により不安定化し、分解が抑制されるためで
あると考えられる。具体的には、−CHR6 7 の構造
としては、下記式で表される構造が特に好ましい。
【0037】
【化9】
【0038】また、前記一般式(2)および(3)にお
いて、R2 〜R5 として特に好ましいものは、ハロゲ
ン、シアノ、ニトロ等の電子吸引性基で置換されたアリ
ール基、ハロゲン、シアノ、ニトロ等の電子吸引性基で
置換されたアルキル基、及び2級若しくは3級の分岐状
のアルキル基である。
【0039】Lで表される非金属原子からなる多価の連
結基とは、1から60個までの炭素原子、0個から10
個までの窒素原子、0個から50個までの酸素原子、1
個から100個までの水素原子、及び0個から20個ま
での硫黄原子から成り立つものである。より具体的な連
結基としては下記の構造単位が組み合わさって構成され
るものを挙げることができる。
【0040】
【化10】
【0041】多価の連結基が置換基を有する場合、置換
基としてはメチル基、エチル基等の炭素数1から20ま
でのアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6
から16までのアリール基、水酸基、カルボキシル基、
スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキ
シ基のような炭素数1から6までのアシルオキシ基、メ
トキシ基、エトキシ基のような炭素数1から6までのア
ルコキシ基、塩素、臭素のようなハロゲン原子、メトキ
シカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシ
ルオキシカルボニル基のような炭素数2から7までのア
ルコキシカルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネ
ートのような炭酸エステル基等を用いることができる。
【0042】本発明による一般式(1)〜(3)に示す
官能基を側鎖に有する高分子化合物の合成に好適に使用
されるモノマーの具体例を以下に示す。
【0043】
【化11】
【0044】
【化12】
【0045】
【化13】
【0046】
【化14】
【0047】
【化15】
【0048】
【化16】
【0049】本発明では、好ましくは一般式(1)〜
(3)で表される官能基を有するモノマーの内、少なく
ともいずれか一つをラジカル重合することにより得られ
る高分子化合物を使用する。このような高分子化合物と
して、一般式(1)〜(3)で表される官能基を有する
モノマーの内一種のみを用いた単独重合体を使用しても
よいが、2種以上を用いた共重合体やこれらのモノマー
と他のモノマーとの共重合体を使用してもよい。本発明
において、さらに好適に使用される高分子化合物は、上
記モノマーと他の公知のモノマーとのラジカル重合によ
り得られる共重合体である。
【0050】他のモノマーとしては、グリシジルメタク
リレート、N−メチロールメタクリルアミド、オメガ−
(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート、2−
イソシアネートエチルアクリレート等の架橋反応性を有
するモノマーが好ましい。また、共重合体に用いられる
他のモノマーとして、例えば、アクリル酸エステル類、
メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリ
ルアミド類、ビニルエステル類、スチレン類、アクリル
酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、無水マレイン
酸、マレイン酸イミド等の公知のモノマーも挙げられ
る。
【0051】アクリル酸エステル類の具体例としては、
メチルアクリレート、エチルアクリレート、(n−又は
i−)プロピルアクリレート、(n−、i−、sec−
又はt−)ブチルアクリレート、アミルアクリレート、
2−エチルヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレー
ト、クロロエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチル
アクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、
5−ヒドロキシペンチルアクリレート、シクロヘキシル
アクリレート、アリルアクリレート、トリメチロールプ
ロパンモノアクリレート、ペンタエリスリトールモノア
クリレート、ベンジルアクリレート、メトキシベンジル
アクリレート、クロロベンジルアクリレート、ヒドロキ
シベンジルアクリレート、ヒドロキシフェネチルアクリ
レート、ジヒドロキシフェネチルアクリレート、フルフ
リルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレー
ト、フェニルアクリレート、ヒドロキシフェニルアクリ
レート、クロロフェニルアクリレート、スルファモイル
フェニルアクリレート、2−(ヒドロキシフェニルカル
ボニルオキシ)エチルアクリレート等が挙げられる。
【0052】メタクリル酸エステル類の具体例として
は、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、
(n−又はi−)プロピルメタクリレート、(n−、i
−、sec−又はt−)ブチルメタクリレート、アミル
メタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、
ドデシルメタクリレート、クロロエチルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロ
キシプロピルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチル
メタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、アリ
ルメタクリレート、トリメチロールプロパンモノメタク
リレート、ペンタエリスリトールモノメタクリレート、
グリシジルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、
メトキシベンジルメタクリレート、クロロベンジルメタ
クリレート、ヒドロキシベンジルメタクリレート、ヒド
ロキシフェネチルメタクリレート、ジヒドロキシフェネ
チルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テト
ラヒドロフルフリルメタクリレート、フェニルメタクリ
レート、ヒドロキシフェニルメタクリレート、クロロフ
ェニルメタクリレート、スルファモイルフェニルメタク
リレート、2−(ヒドロキシフェニルカルボニルオキ
シ)エチルメタクリレート等が挙げられる。
【0053】アクリルアミド類の具体例としては、アク
リルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルア
クリルアミド、N−プロピルアクリルアミド、N−ブチ
ルアクリルアミド、N−ベンジルアクリルアミド、N−
ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリ
ルアミド、N−トリルアクリルアミド、N−(ヒドロキ
シフェニル)アクリルアミド、N−(スルファモイルフ
ェニル)アクリルアミド、N−(フェニルスルホニル)
アクリルアミド、N−(トリルスルホニル)アクリルア
ミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチル−
N−フェニルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−
N−メチルアクリルアミド等が挙げられる。
【0054】メタクリルアミド類の具体例としては、メ
タクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エ
チルメタクリルアミド、N−プロピルメタクリルアミ
ド、N−ブチルメタクリルアミド、N−ベンジルメタク
リルアミド、N−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、
N−フェニルメタクリルアミド、N−トリルメタクリル
アミド、N−(ヒドロキシフェニル)メタクリルアミ
ド、N−(スルファモイルフェニル)メタクリルアミ
ド、N−(フェニルスルホニル)メタクリルアミド、N
−(トリルスルホニル)メタクリルアミド、N,N−ジ
メチルメタクリルアミド、N−メチル−N−フェニルメ
タクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルメ
タクリルアミド等が挙げられる。
【0055】ビニルエステル類の具体例としては、ビニ
ルアセテート、ビニルブチレート、ビニルベンゾエート
等が挙げられる。
【0056】スチレン類の具体例としては、スチレン、
メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレ
ン、エチルスチレン、プロピルスチレン、シクロヘキシ
ルスチレン、クロロメチルスチレン、トリフルオロメチ
ルスチレン、エトキシメチルスチレン、アセトキシメチ
ルスチレン、メトキシスチレン、ジメトキシスチレン、
クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、
ヨードスチレン、フルオロスチレン、カルボキシスチレ
ン等が挙げられる。
【0057】これらの他のモノマーのうち特に好適に使
用されるのは、C20以下のアクリル酸エステル類、メ
タクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリル
アミド類、ビニルエステル類、スチレン類、アクリル
酸、メタクリル酸、及びアクリロニトリルである。共重
合体の合成に使用される一般式(1)〜(3)で表され
る官能基を含むモノマーの割合は、5〜99重量%であ
ることが好ましく、さらに好ましくは10〜95重量%
である。
【0058】以下に、一般式(1)〜(3)に示す官能
基を側鎖に有する高分子化合物の具体例を示す。
【0059】
【化17】
【0060】
【化18】
【0061】
【化19】
【0062】
【化20】
【0063】
【化21】
【0064】
【化22】
【0065】
【化23】
【0066】式中の数字は高分子化合物のモル組成を表
す。
【0067】また、本発明で使用される一般式(1)〜
(3)で表される官能基の少なくともいずれか一つを有
する高分子化合物の重量平均分子量は好ましくは200
0以上であり、更に好ましくは5000〜30万の範囲
であり、数平均分子量は好ましくは800以上であり、
更に好ましくは1000〜25万の範囲である。多分散
度(重量平均分子量/数平均分子量)は1以上が好まし
く、更に好ましくは1.1〜10の範囲である。これら
の高分子化合物は、ランダムポリマー、ブロックポリマ
ー、グラフトポリマー等いずれでもよいが、ランダムポ
リマーであることが好ましい。
【0068】本発明で使用されるスルホン酸発生型高分
子化合物を合成する際に用いられる溶媒としては、例え
ば、テトラヒドロフラン、エチレンジクロリド、シクロ
ヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン、メタノー
ル、エタノール、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メト
キシエチルアセテート、ジエチレングリコールジメチル
エーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メト
キシ−2−プロピルアセテート、N,N−ジメチルホル
ムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、トルエン、
酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、ジメチルスルホ
キシド、水等が挙げられる。これらの溶媒は単独で又は
2種以上混合して用いられる。本発明で使用されるスル
ホン酸発生型高分子化合物を合成する際に用いられるラ
ジカル重合開始剤としては、アゾ系開始剤、過酸化物開
始剤等公知の化合物が使用できる。
【0069】本発明で使用されるスルホン酸発生型高分
子化合物は単独で用いても混合して用いてもよい。これ
らスルホン酸発生型高分子化合物は、画像記録材料全固
形分の50〜90重量%、好ましくは70〜90重量%
の割合で使用することができる。添加量が50重量%未
満の場合は、印刷画像が不鮮明になる。また添加量が9
0重量%を越える場合は、レーザ露光による画像形成が
十分できなくなる。
【0070】また、本発明のスルホン酸発生型高分子化
合物と、特願平9−10755号明細書に記載の酸発生
剤,特願平9ー26877号明細書に記載の塩基発生剤
とを、併用することもできる。
【0071】[光熱変換物質]本発明の感熱性画像形成
材料、あるいは平版印刷版用原版には、光熱変換物質を
含有させることが好ましく、光熱変換物質としては、紫
外線、可視光線、赤外線、白色光線等の光を吸収して熱
に変換し得る物質ならば全て使用でき、例えば、カーボ
ンブラック、カーボングラファイト、顔料、フタロシア
ニン系顔料、鉄粉、黒鉛粉末、酸化鉄粉、酸化鉛、酸化
銀、酸化クロム、硫化鉄、硫化クロム等が挙げられる。
特に、好ましいのは、波長760nmから1200nm
の赤外線を有効に吸収する染料、顔料、または金属であ
る。
【0072】染料としては、市販の染料及び文献(例え
ば、「染料便覧」有機合成化学協会編集、昭和45年
刊)に記載されている公知のものが利用できる。具体的
には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染
料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボ
ニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン
染料、金属チオレート錯体等の染料が挙げられる。好ま
しい染料としては、例えば、特開昭58−125246
号、特開昭59−84356号、特開昭59−2028
29号、特開昭60−78787号等に記載されている
シアニン染料、特開昭58−173696号、特開昭5
8−181690号、特開昭58−194595号等に
記載されているメチン染料、特開昭58−112793
号、特開昭58−224793号、特開昭59−481
87号、特開昭59−73996号、特開昭60−52
940号、特開昭60−63744号等に記載されてい
るナフトキノン染料、特開昭58−112792号等に
記載されているスクワリリウム色素、英国特許434,
875号記載のシアニン染料等を挙げることができる。
【0073】また、米国特許第5,156,938号記
載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、また、米国特
許第3,881,924号記載の置換アリールベンゾ
(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645号
(米国特許第4,327,169号)記載のトリメチン
チアピリリウム塩、特開昭58−181051号、同5
8−220143号、同59−41363号、同59−
84248号、同59−84249号、同59−146
063号、同59−146061号に記載されているピ
リリウム系化合物、特開昭59−216146号記載の
シアニン色素、米国特許第4,283,475号に記載
のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−135
14号、同5−19702号公報に開示されているピリ
リウム化合物も好ましく用いられる。また、好ましい別
の染料の例として、米国特許第4,756,993号明
細書中に式(I)、(II)として記載されている近赤外
吸収染料を挙げることができる。これらの染料のうち特
に好ましいものとしては、シアニン色素、スクワリリウ
ム色素、ピリリウム塩、ニッケルチオレート錯体が挙げ
られる。
【0074】本発明において使用される顔料としては、
市販の顔料及びカラーインデックス(C.I.)便覧、
「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年
刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年
刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)
に記載されている顔料が利用できる。顔料の種類として
は、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、
赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、
金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられる。
具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合ア
ゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、ア
ントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔料、チ
オインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン
系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔
料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニ
トロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブ
ラック等が使用できる。これらの顔料のうち好ましいも
のはカーボンブラックである。
【0075】これら顔料は表面処理をせずに用いてもよ
く、表面処理を施して用いてもよい。表面処理の方法に
は樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性剤を
付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカップリ
ング剤、エポキシ化合物、ポリイソシアネート等)を顔
料表面に結合させる方法等が考えられる。上記の表面処
理方法は、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、「印
刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)及び「最
新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載
されている。
【0076】顔料の粒径は0.01μm〜10μmの範
囲にあることが好ましく、0.05μm〜1μmの範囲
にあることがさらに好ましく、0.1μm〜1μmの範
囲にあることが特に好ましい。顔料の粒径が0.01μ
m未満のときは分散物の感光層塗布液中での安定性の点
で好ましくなく、また、10μmを越えると画像記録層
の均一性の点で好ましくない。顔料を分散する方法とし
ては、インク製造やトナー製造等に用いられる公知の分
散技術が使用できる。分散機としては、超音波分散器、
サンドミル、アトライター、パールミル、スーパーミ
ル、ボールミル、インペラー、デスパーザー、KDミ
ル、コロイドミル、ダイナトロン、3本ロールミル、加
圧ニーダー等が挙げられる。詳細は、「最新顔料応用技
術」(CMC出版、1986年刊)に記載がある。
【0077】これらの染料又は顔料は、画像記録材料全
固形分の0.01〜50重量%、好ましくは0.1〜1
0重量%、染料の場合特に好ましくは0.5〜10重量
%、顔料の場合特に好ましくは3.1〜10重量%の割
合で使用することができる。顔料又は染料の添加量が
0.01重量%未満であると感度が低くなり、また50
重量%を越えると印刷時非画像部に汚れが発生する。
【0078】[その他の成分]本発明では、上述の2つ
の成分が必須であるが、必要に応じてこれら以外に種々
の化合物を添加してもよい。例えば、可視光域に大きな
吸収を持つ染料を画像の着色剤として使用することがで
きる。具体的には、オイルイエロー#101、オイルイ
エロー#103、オイルピンク#312、オイルグリー
ンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、
オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラ
ックT−505(以上、オリエント化学工業(株)
製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオレッ
ト(CI42555)、メチルバイオレット(CI42
535)、エチルバイオレット、ローダミンB(CI1
45170B)、マラカイトグリーン(CI4200
0)、メチレンブルー(CI52015)等及び特開昭
62−293247号公報に記載されている染料を挙げ
ることができる。これらの染料は、レーザ露光後退色
し、画像部と非画像部の区別がつきやすいので、添加す
る方が好ましい。尚、添加量は、画像記録材料全固形分
の0.01〜10重量%である。
【0079】また、本発明における記録層には、印刷条
件に対する安定性を広げるため、特開昭62−2517
40号公報や特開平3−208514号公報に記載され
ているような非イオン界面活性剤、特開昭59−121
044号公報、特開平4−13149号公報に記載され
ているような両性界面活性剤を添加することができる。
非イオン界面活性剤の具体例としては、ソルビタントリ
ステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタ
ントリオレート、ステアリン酸モノグリセリド、ポリオ
キシエチレンノニルフェニルエーテル等が挙げられる。
両性界面活性剤の具体例としては、アルキルジ(アミノ
エチル)グリシン、アルキルポリアミノエチルグリシン
塩酸塩、2−アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒ
ドロキシエチルイミダゾリニウムベタインやN−テトラ
デシル−N,N−ベタイン型(例えば、商品名アモーゲ
ンK、第一工業(株)製)等が挙げられる。上記非イオ
ン界面活性剤及び両性界面活性剤の画像記録材料中に占
める割合は、0.05〜15重量%が好ましく、より好
ましくは0.1〜5重量%である。
【0080】更に本発明の記録層には必要に応じ、塗膜
の柔軟性等を付与するために可塑剤が加えられる。例え
ば、ポリエチレングリコール、クエン酸トリブチル、フ
タル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシ
ル、フタル酸ジオクチル、リン酸トリクレジル、リン酸
トリブチル、リン酸トリオクチル、オレイン酸テトラヒ
ドロフルフリル、アクリル酸又はメタクリル酸のオリゴ
マー及びポリマー等が用いられる。
【0081】これら以外にも、エポキシ化合物、ビニル
エーテル類、特願平7−18120に記載のヒドロキシ
メチル基を持つフェノール化合物、及びアルコキシメチ
ル基を有するフェノール化合物等を添加してもよい。更
に塗膜の強度を向上させるために他の高分子化合物を添
加してもよい。
【0082】本発明の平版印刷版用原版は、通常上記各
成分を溶媒に溶かして、適当な支持体上に塗布すること
により製造することができる。ここで使用する溶媒とし
ては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、メチ
ルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メト
キシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテー
ト、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキ
シエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチル
アセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラ
メチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホ
キシド、スルホラン、γ−ブチロラクトン、トルエン、
水等を挙げることができるがこれに限定されるものでは
ない。これらの溶媒は単独又は混合して使用される。溶
媒中の上記成分(添加剤を含む全固形分)の濃度は、好
ましくは1〜50重量%である。また塗布、乾燥後に得
られる支持体上の塗布量(固形分)は、用途によって異
なるが、平版印刷版用原版についていえば一般的に0.
5〜5.0g/m2 が好ましい。塗布する方法として
は、種々の方法を用いることができるが、例えば、バー
コーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗
布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、
ロール塗布等を挙げることができる。
【0083】本発明における記録層には、塗布性を良化
するための界面活性剤、例えば特開昭62−17095
0号公報に記載されているようなフッ素系界面活性剤を
添加することができる。これらの添加量は、全画像記録
材料固形分中0.01〜1重量%が好ましく、さらに好
ましくは0.05〜0.5重量%である。
【0084】本発明に使用される支持体は寸度的に安定
な板状物であることが好ましく、例えば、紙、プラスチ
ック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリス
チレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、ア
ルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例
えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオ
ン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロー
ス、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカー
ボネート、ポリビニルアセタール等)、上記の如き金属
がラミネート若しくは蒸着された紙若しくはプラスチッ
クフィルム等が含まれる。本発明の支持体としては、ポ
リエステルフィルム又はアルミニウム板が好ましく、そ
の中でも寸法安定性がよく、比較的安価であるアルミニ
ウム板は特に好ましい。好適なアルミニウム板は、純ア
ルミニウム板及びアルミニウムを主成分とし、微量の異
元素を含む合金板であり、更にアルミニウムがラミネー
ト又は蒸着されたプラスチックフィルムでもよい。アル
ミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マン
ガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニ
ッケル、チタン等がある。合金中の異元素の含有量は高
々10重量%以下である。本発明において特に好適なア
ルミニウムは、純アルミニウムであるが、完全に純粋な
アルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、僅か
に異元素を含有するものでもよい。このように本発明に
適用されるアルミニウム板は、その組成が特定されるも
のではなく、従来より公知公用の素材のアルミニウム板
を適宜に利用することができる。本発明で用いられるア
ルミニウム板の厚みはおよそ0.1mm〜0.6mm程
度、好ましくは0.15mm〜0.4mm、特に好まし
くは0.2mm〜0.3mmである。
【0085】アルミニウム板を粗面化するに先立ち、所
望により、表面の圧延油を除去するために、例えば、界
面活性剤、有機溶剤又はアルカリ性水溶液等による脱脂
処理が行われる。アルミニウム板の表面の粗面化処理
は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗
面化する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法
及び化学的に表面を選択溶解させる方法により行われ
る。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨
法、ブラスト研磨法、バフ研磨法等の公知の方法を用い
ることができる。また、電気化学的な粗面化法としては
塩酸若しくは硝酸電解液中で交流又は直流により行う方
法がある。また、特開昭54−63902号に開示され
ているように両者を組み合わせた方法も利用することが
できる。
【0086】以上のようにして、本発明の平版印刷版用
原版を作成することができる。この平版印刷版用原版
は、波長760nmから1200nmの赤外線を放射す
る固体レーザ及び半導体レーザにより画像露光される。
本発明においては、溶解処理を行う必要がなく、レーザ
照後すぐに印刷機に印刷版を装着し印刷を行ってもよい
が、レーザ照射工程と印刷工程の間に加熱処理を行うこ
とが好ましい。加熱処理の条件は、80℃〜150℃の
範囲内で10秒〜5分間行うことが好ましい。この加熱
処理により、レーザ照射時、記録に必要なレーザエネル
ギーを減少させることができる。
【0087】このような処理によって得られた平版印刷
版はオフセット印刷機等にかけら、多数枚の印刷に用い
られる。
【0088】
【実施例】以下、実施例により、本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0089】[スルホン酸発生型高分子化合物の合成]モノマー(4)の合成 アセトニトリル200ml、シクロヘキシルアルコール
11g及びピリジン8.8gを500mlの三口フラス
コに入れ、撹拌した。氷で冷却しながらビニルベンゼン
スルホニルクロリド20.2gを滴下した。滴下後室温
にて2時間撹拌した後、1リットルの水にあけ、酢酸エ
チルで抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥させた後、溶
媒を減圧留去し、シリカゲルを用いたカラムクロマトグ
ラフィを行い精製することにより、モノマー(4)を得
た。元素分析の計算値は、C:63.13%、H:6.
81%であり、実測値はC:63.01%、H:6.8
5%であった。
【0090】モノマー(5)の合成 シクロヘキシルアルコールの代わりに2,2,2−トリ
フルオロエチルアルコールを使用した他はモノマー
(4)の合成方法と同様の方法でモノマー(5)を得
た。
【0091】モノマー(28)の合成 シクロヘキシルアルコールの代わりに下記のアルコール
を使用した他はモノマー(4)の合成方法と同様の方法
でモノマー(28)を得た。
【0092】
【化24】
【0093】モノマー(23)の合成 N−メチルスチレンスルホンアミド88.8g、トリエ
チルアミン109.3g、ジメチルアミノピリジン5.
5g及びアセトニトリル200mlを1リットルの三口
フラスコに入れた。この三口フラスコを冷却し、攪拌し
ながらアセトニトリル200mlに溶かしたベンゼンス
ルホニルクロリド119.2gを1時間かけて滴下し
た。滴下後室温で2時間攪拌を続けた後、一晩放置し
た。反応液を水800mlにあけ、酢酸エチル500m
lで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させて濃縮した。
濃縮したものをシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサ
ン/酢酸エチル=3/1(容積比)使用)を用いて精製
した後、イソプロピルアルコール300mlを用いて再
結晶化させた。融点58.5〜60℃の白色結晶80.
3gが得られた。この結晶の吸収スペクトル(THF
中)はλmax 265nmであり、εは2.0×104
あった。また、元素分析値(実測値)は、C:53.2
1%、H:4.53%、N:4.17%であった。
【0094】モノマー(29)〜(41)の合成 シクロヘキシルアルコールの代わりに表1に示すアルコ
ールを使用した他はモノマー(4)の合成方法と同様の
方法でモノマー(29)〜(41)を得た。モノマー
(29)〜(41)の元素分析値を表1に示す。
【0095】
【表1】
【0096】スルホン酸発生型高分子化合物(2)の合
モノマー(4)7.18g、トリメトキシプロピルメタ
アクリロイル0.74g及びメチルエチルケトン15g
を100mlの三口フラスコに入れ、65℃窒素気流下
アゾビスジメチルバレロニトリル0.1gを加えた。同
温度で5時間攪拌した後、メチルエチルケトンを減圧で
留去し、固体を得た。GPC(ポリスチレン標準)によ
り重量平均分子量1.2万のポリマーであることが分か
った。
【0097】スルホン酸発生型高分子化合物(3)、
(4)の合成 モノマー(4)7.18gの代わりにモノマー(5)
7.18gを使用した他はスルホン酸発生型高分子化合
物(1)の合成方法と同様の方法で、重量平均分子量
3.5万(GPC、ポリスチレン標準)のポリマーを得
た[スルホン酸発生型高分子化合物(3)]。また、モ
ノマー(4)7.18gの代わりにモノマー(28)
9.32gを使用した他はスルホン酸発生型高分子化合
物(2)の合成方法と同様の方法で、重量平均分子量
2.3万(GPC、ポリスチレン標準)のポリマーを得
た[スルホン酸発生型高分子化合物(4)]。
【0098】スルホン酸発生型高分子化合物(5)、
(7)〜(10)の合成 スルホン酸発生型高分子化合物(5)、(7)〜(1
0)も上記と同様にして合成した。重量平均分子量(G
PC、ポリスチレン標準)はそれぞれ3.1万、1.5
万、2.0万、1.3万、4.1万であった。
【0099】スルホン酸発生型高分子化合物(11)の
合成 200mlの三口フラスコにモノマー(4)20g及び
メチルエチルケトン40gを入れ、65℃窒素気流下、
アゾビスジメチルバレロニトリル0.25gを加えた。
5時間攪拌しながら同温度に保った後、減圧下溶媒を留
去し、固体を得た。GPC(ポリスチレン標準)により
重量平均分子量1.04万のポリマーであることが分か
った。
【0100】スルホン酸発生型高分子化合物(14)〜
(28)の合成 モノマー(4)7.18gの代わりに表1に示すモノマ
ーを使用した他はスルホン酸発生型高分子化合物(1
1)の合成方法と同様の方法でスルホン酸発生型高分子
化合物(14)〜(28)を得た。スルホン酸発生型高
分子化合物(14)〜(28)の重量平均分子量を表2
に示す。
【0101】
【表2】
【0102】(実施例1〜8)厚さ0.30mmのアル
ミニウム板(材質1050)をトリクロロエチレン洗浄
して脱脂した後、ナイロンブラシと400メッシュのパ
ミストン−水懸濁液を用いその表面を砂目立てし、水で
よく洗浄した。この板を45℃の25%水酸化ナトリウ
ム水溶液に9秒間浸漬してエッチングを行い、水洗後、
更に2%HNO 3 に20秒間浸漬して水洗した。この時
の砂目立て表面のエッチング量は約3g/m2 であっ
た。次にこの板を7%H2 SO4 を電解液として電流密
度15A/dm2 で3g/m2 の直流陽極酸化皮膜を設
けた後、水洗乾燥した。
【0103】次に、下記溶液〔A〕において、スルホン
酸発生型高分子化合物の種類を表3の通り変えて、8種
類の溶液〔A−1〕〜〔A−8〕を調整した。この溶液
をそれぞれ、上記の処理済みのアルミニウム板に塗布
し、100℃で2分間乾燥して平版印刷版用原版〔A−
1〕〜〔A−8〕を得た。乾燥後の重量は1.2g/m
2 であった。
【0104】 溶液〔A〕 スルホン酸発生型高分子化合物(表3) 1.0g 赤外線吸収剤NK−3508 0.15g (日本感光色素研究所(株)製) ビクトリアピュアブルーBOHの対イオンを1−ナフタレン− 0.05g スルホン酸にした染料 メガファックF−177 0.06g (大日本インキ化学工業(株)製、フッ素系界面活性剤) メチルエチルケトン 20g メチルアルコール 7g
【0105】
【表3】
【0106】得られた平版印刷版用原版〔A−1〕〜
〔A−8〕を、波長1064nmの赤外線を発するYA
Gレーザで露光した。露光後、110℃で1分間加熱処
理した後、ハイデルKOR−D機で印刷した。この際、
印刷物の非画像部に汚れが発生しているかどうかを観察
した。結果を表4に示す。いずれも非画像部に汚れのな
い良好な印刷物が得られた。
【0107】
【表4】
【0108】(比較例1)モノマー(4)の代わりに下
記モノマーを使用したことを除いてスルホン酸発生型高
分子化合物(2)の合成方法と同様の方法でカルボン酸
型高分子化合物R−1を製造した。GPC(ポリスチレ
ン標準)により重量平均分子量1.5万のポリマーであ
ることが分かった。上記溶液〔A〕において、スルホン
酸発生型高分子化合物に代えてカルボン酸型高分子化合
物R−1を用いた他は、上記と同様に溶液〔A’−1〕
を調整し、上記と同様の方法で平版印刷版用原版〔A’
−1〕及び平版印刷版を作成し、上記と同様の方法で試
験した。結果を表4に示す。
【0109】
【化25】
【0110】
【化26】
【0111】(実施例9〜12)下記溶液〔B〕におい
て、表5に示す通りスルホン酸発生型高分子化合物の種
類を変えて、4種類の溶液〔B−1〕〜〔B−4〕を調
整した。この溶液をそれぞれ、実施例1〜8で用いた下
塗り済みのアルミニウム板に塗布し、100℃で2分間
乾燥後、さらに100℃で10分間加熱して平版印刷版
用原版〔B−1〕〜〔B−4〕を得た。乾燥後の重量は
1.7g/m2 であった。
【0112】 溶液〔B〕 スルホン酸発生型高分子化合物(表5) 0.6g 無水フタル酸 0.005g オルトクロロフェノール 0.001g 赤外線吸収剤NK−2268 0.15g (日本感光色素研究所(株)製) クレゾールとホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂 1.2g (メタ:パラ比=8:2、重量平均分子量5800) ビスフェノールAとホルムアルデヒドから得られるレゾール樹脂1.0g (重量平均分子量1600) ビクトリアピュアブルーBOHの対イオンを1−ナフタレン− 0.03g スルホン酸にした染料 メガファックF−177 0.06g (大日本インキ化学工業(株)製、フッ素系界面活性剤) メチルエチルケトン 20g メチルアルコール 7g
【0113】
【表5】
【0114】得られた平版印刷版用原版〔B−1〕〜
〔B−4〕を、温度40℃湿度70%の高温高湿条件下
で3日間保存した後、波長830nmの赤外線を発する
半導体レーザで露光した。露光後、110℃で1分間加
熱処理した後、現像機を通すことなく、富士写真フイル
ム(株)製ガムGU−7(1:1)で版面を処理し、ハ
イデルKOR−D機で印刷した。この際、印刷物の非画
像部に汚れが発生しているかどうかを観察した。いずれ
も非画像部に汚れのない良好な印刷物が得られた。
【0115】(実施例13〜28)次に、前記溶液
〔A〕において、スルホン酸発生型高分子化合物の種類
を表6の通り変えて、15種類の溶液〔A−9〕〜〔A
−24〕を調整した。実施例1と同様の方法で平版印刷
版用原版〔A−9〕〜〔A−24〕を作製し、実施例1
と同様の方法で評価を行った。印刷時の汚れは1000
枚印刷時および20000枚印刷時の汚れで評価した。
また、作製した平版印刷版用原版を顕微鏡で観察し、レ
ーザ線幅を求め、感度の評価に用いた。結果を表6に示
す。なお、用いたレーザの出力幅は28μmのものを用
いた。値の大きいものほど、感度が高いことを示す。
【0116】
【表6】
【0117】(実施例29〜34)下記溶液〔C〕にお
いて、表7に示す通りスルホン酸発生型高分子化合物の
種類を変えて、6種類の溶液〔C−1〕〜〔C−6〕を
調整した。この溶液をそれぞれ、実施例1〜8で用いた
下塗り済みのアルミニウム板に塗布し、80℃で3分間
乾燥して平版印刷版用原版〔C−1〕〜〔C−6〕を得
た。乾燥後の重量は1.2g/m2 であった。
【0118】 溶液〔C〕 スルホン酸発生型高分子化合物(表7) 1.0g o−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロライド 0.1g ビクトリアピュアブルーBOHの対イオンを1−ナフタレン− 0.05g スルホン酸にした染料 メガファックF−177 0.06g (大日本インキ化学工業(株)製、フッ素系界面活性剤) メチルエチルケトン 10g γ−ブチロラクトン 10g
【0119】
【表7】
【0120】得られた平版印刷版用原版〔C−1〕〜
〔C−6〕を、富士フイルム社製ステップガイドを通し
て、超高圧水銀灯露光機(オーク製作所社製)を用いて
露光した。露光後、110℃で3分間加熱して、その後
直接ハイデルKOR−D機で印刷した。印刷時の汚れは
1000枚印刷時および20000枚印刷時の汚れで評
価した。結果を表7に示す。
【0121】(実施例35〜40)下記溶液〔D〕にお
いて、スルホン酸発生型高分子化合物の種類を表8の通
り変えて、6種類の溶液〔D−1〕〜〔D−6〕を調整
した。この溶液をそれぞれ、実施例1〜8で用いた下塗
り済みのアルミニウム板に塗布し、100℃で3分間乾
燥して平版印刷版用原版〔D−1〕〜〔D−6〕を得
た。乾燥後の重量は1.2g/m2 であった。
【0122】 溶液〔D〕 スルホン酸発生型高分子化合物(表8) 1.0g 赤外線吸収剤NK−3508 0.15g (日本感光色素研究所(株)製) 熱塩基発生剤(p−メタンスルホニルフェニルスルホニル酢酸 0.15g グアニジン ビクトリアピュアブルーBOHの対イオンを1−ナフタレン− 0.05g スルホン酸にした染料 メガファックF−177 0.06g (大日本インキ化学工業(株)製、フッ素系界面活性剤) メチルエチルケトン 20g メチルアルコール 7g
【0123】
【表8】
【0124】得られた平版印刷版用原版〔D−1〕〜
〔D−6〕を、波長1064nmの赤外線を発する出力
1w、ビーム径30μのYAGレーザを用い、走査速度
を連続的に変化させて露光した。露光後、何の処理もす
ることなく、ハイデルKOR−D機で印刷した。得られ
た印刷版を用いて印刷を行い露光によりインキが付かな
くなった線幅を顕微鏡を用いて求め線幅が30μとなる
版面露光エネルギーを感度の値として求めた。結果を表
8に示す。
【0125】(実施例41)下記溶液〔A〕において、
光熱変換物質として赤外線吸収剤NK−3508を添加
しない他は、実施例5と同様に溶液〔E−1〕を調整し
た。この溶液を用いて実施例1と同様の方法で平版印刷
版用原版〔E−1〕を作製した。得られた平版印刷版用
原版〔E−1〕をワードプロッセッサー「書院」(シャ
ープ社製)を用いてサーマルヘッドで印字し、実施例1
と同様の印刷機を用いて評価を行った。1000枚印刷
後および20000枚印刷後においても汚れのない印刷
物が得られた。
【0126】
【発明の効果】本発明によれば、加熱により、または光
熱変換により生じた熱により高感度で画像を形成するこ
とができる感熱性画像形成材料と、この感熱性画像形成
材料を記録層に用い、赤外線を放射するレーザやワード
プロセッサーのような簡単でコンパクトな感熱プリンタ
ーあるいは感熱ファクシミリ等の各種のサーマルヘッド
を用いて記録することにより、ディジタルデータから直
接製版可能であり、かつ画像露光後湿式現像処理やこす
り等の特別な処理を必要とせず、印刷画像が鮮明であ
り、かつ印刷時の耐久性が良好である平版印刷版用原版
を提供することができる。また、本発明のスルホン酸発
生型高分子化合物として、2級スルホン酸エステル構造
を有するポリマーを使用することにより、より高感度で
且つ汚れのない印刷原版を得ることができ、また、画像
形成材料としての安定性も向上する。さらに、本発明に
よれば、スルホン酸を発生させる官能基を有する新規な
モノマーとこのモノマーから得られる新規なポリマーと
が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前本 一夫 静岡県榛原郡吉田町川尻4000番地 富士写 真フイルム株式会社内 (72)発明者 曽呂利 忠弘 静岡県榛原郡吉田町川尻4000番地 富士写 真フイルム株式会社内 (72)発明者 大橋 秀和 静岡県榛原郡吉田町川尻4000番地 富士写 真フイルム株式会社内 (72)発明者 山崎 純明 静岡県榛原郡吉田町川尻4000番地 富士写 真フイルム株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱によりスルホン酸を発生させる官能
    基を有する高分子化合物を含有する感熱性画像形成材
    料。
  2. 【請求項2】 さらに光熱変換物質を含有することを特
    徴とする請求項1に記載の感熱性画像形成材料。
  3. 【請求項3】 支持体上に、加熱によりスルホン酸を発
    生させる官能基を有する高分子化合物を含有する記録層
    を設けたことを特徴とする平版印刷版用原版。
  4. 【請求項4】 前記加熱によりスルホン酸を発生させる
    官能基が一般式(1)、(2)又は(3)で表される官
    能基の少なくとも1種であることを特徴とする請求項3
    に記載の平版印刷版用原版。 【化1】 (式中、Lは一般式(1)、(2)又は(3)で示され
    る官能基をポリマー骨格に連結するのに必要な多価の非
    金属原子から成る有機基を表し、R1 は置換若しくは無
    置換のアリール基、置換若しくは無置換アルキル基又は
    環状イミド基を示し、R2 、R3 は置換若しくは無置換
    のアリール基又は置換若しくは無置換アルキル基を示
    し、R4 は置換若しくは無置換のアリール基、置換若し
    くは無置換アルキル基又は−SO2 −R5 を示し、R5
    は置換若しくは無置換のアリール基又は置換若しくは無
    置換アルキル基を示す。)
  5. 【請求項5】 前記一般式(1)で表される官能基のR
    1 が、下記一般式(4)で表される2級アルキル基であ
    ることを特徴とする請求項4に記載の平版印刷版用原
    版。 【化2】 (式中、R6 ,R7 は置換もしくは非置換アルキル基を
    表す。また、R6 ,R 7 はそれが結合している2級炭素
    原子(CH)と共に環を形成してもよい。)
  6. 【請求項6】 前記一般式(4)で表される2級アルキ
    ル基が、下記式で表される2級アルキル基であることを
    特徴とする請求項5に記載の平版印刷版用原版。 【化3】
  7. 【請求項7】 前記記録層に、さらに光熱変換物質を含
    有することを特徴とする請求項3から6までのいずれか
    一項に記載の平版印刷版用原版。
  8. 【請求項8】 下記式で表される2級アルキル基をアル
    コール成分に有するスチレンスルホン酸エステル化合
    物。 【化4】
  9. 【請求項9】 請求項8に記載のスチレンスルホン酸エ
    ステル化合物から得られるスチレンスルホン酸エステル
    ポリマー。
  10. 【請求項10】 請求項3から7までのいずれか一項に
    記載の平版印刷版用原版を、露光後溶解処理することな
    く、平版印刷機にかけて印刷することを特徴とする平版
    印刷方法。
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