JP2000257679A - チェーンガイド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 チェーンの走行時の振動や騒音を低減するこ
とができ、チェーン内周側にガイドベースの取付部をコ
ンパクトに収容できるチェーンガイドを提供する。 【解決手段】 ガイドベース１２はチェーン８内周側で
取付面Ｅ上にボルト締結されてチェーンと取付面との隙
間からチェーン外周側へ突出する取付部１５と、取付部
のチェーン外周側への突出部分から略垂直に立ち上がっ
たシュー保持部１７とを有し、シュー保持部のチェーン
走行側の反対側でチェーン走行方向に相互に離間した複
数箇所に係合段部１８が設けられている。また、ガイド
シュー１３の裏面１３Ｂには、前記裏面との間にシュー
保持部を挟み込んだ状態でそれぞれの係合段部と係合す
る複数の鉤状の係合片２０が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンブロック
等の取付面に取り付けてチェーンの走行を案内するチェ
ーンガイドに関し、特に、ガイドシューをガイドベース
に取り付けるための構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、自動車のエンジン等に用いられて
いるチェーン伝動装置においては、図６に示すように、
駆動側スプロケットＡ１と被駆動側スプロケットＡ２，
Ａ３との間に掛け渡されているチェーンＡ４の張り側と
なる部分の外側にチェーンガイドＡ５が配置されてい
る。

【０００３】前記チェーンガイドＡ５は、走行中のチェ
ーンＡ４の弛みを除去するためにチェーンＡ４の弛み側
となる部分の外側に配置されているテンショナ装置Ａ６
と協働して、チェーンＡ４の走行時の振動を抑える役割
を果たしている。

【０００４】このような、従来のチェーンガイドＡ５
は、一般的にチェーンＡ４のプレートＰの背面（チェー
ン外周側の面）が摺動接触するシュー面Ｓが形成された
樹脂製のガイドシューＡ７と、エンジンブロック等の取
付面に複数の取付ボルトＡ８で締結固定される金属製の
ガイドベースＡ９から構成されている。

【０００５】図７に示すように、ガイドシューＡ７には
その幅方向両側近傍からシュー面Ｓの裏側に突出する複
数対の係合片Ａ１０がガイドシューＡ７の長手方向に間
をおいた２カ所に形成され、また、チェーンＡ４の走行
方向に対する前端側と後端側には、ガイドベースＡ９の
前端部と後端部にそれぞれ係合する２つの係止部Ａ１
１，Ａ１２が形成されている。

【０００６】一方、ガイドベースＡ９は金属製であり、
その長手方向に離れた前記それぞれの係合片Ａ１０に対
応する位置の幅方向両側の側面に、これらの係合片Ａ１
０を受け入れるための切欠部Ａ１３が形成されている。

【０００７】また、ガイドベースＡ９の長手方向両端部
付近には、それぞれ取付部Ａ１４がチェーンＡ４の内周
側に向けて突設されており、これらの取付部Ａ１４に
は、それぞれエンジンブロック等の取付面に形成されて
いる図示しないねじ穴に整合するボルト挿通孔ｈが設け
られ、図６に示すように取付ボルトＡ８がこれらのボル
ト孔ｈを通して取付面のねじ穴に螺合固定されるように
なっている。

【０００８】前述したように構成されているチェーンガ
イドＡ５を組み立てる際には、ガイドシューＡ７のそれ
ぞれの係合片Ａ１０を対応するガイドベースＡ９の切欠
部Ａ１３に合わせて差し込み、ガイドシューＡ７をガイ
ドベースＡ９側に押しつけると、図８に示すようにガイ
ドシューＡ７の対向する対の係合片Ａ１０が互いに拡が
るように弾性変形してそれぞれガイドベースＡ９の切欠
部Ａ１３に侵入し、これらの係合片Ａ１０の弾性復元力
によってガイドベースＡ９の背面Ｂにこれらの係合片Ａ
１０の係合段部Ｔが係合する。

【０００９】これとともに、ガイドシューＡ７の前後の
係止部Ａ１２がガイドベースＡ９の前後の端面に係合し
て、ガイドシューＡ７がガイドベースＡ９に位置決め固
定される。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】前述した図６乃至図８
に示す従来のチェーンガイドＡ５は、エンジンブロック
等の取付面にボルト締結されるガイドベースＡ９の取付
部Ａ１４を、チェーンＡ４の内周側に配置して、チェー
ン１４の内周側の空きスペースを有効に利用している。

【００１１】ところが、このような取付構造を有するチ
ェーンガイドＡ５においては、図８に示すように、エン
ジン側の取付面Ｅとのこれに対向するガイドブロックＡ
９の側面との間にガイドシューＡ７の係合片Ａ１０が差
し込まれる構造であるため、２つの取付部Ａ１４間を一
体に連続して形成することができず、特に、ガイドシュ
ーＡ７の係合片Ａ１０を差し込むために形成されている
ガイドベースＡ９の切欠部Ａ１３部分で強度が低下する
問題が生じるとともに、剛性が低下して、チェーンＡ４
の走行中にガイドベースＡ９がチェーンＡ４に共振して
振動し、振動や騒音の発生源となる問題があった。

【００１２】一方、ガイドベースの強度や剛性を増すた
めに、その長手方向全長に亘って連続する取付部を形成
するためには、取付部をガイドシュー側と反対側に配置
しなければならず、このような構造では、チェーンの走
行経路の外側に取付部の取付スペースを確保する必要が
生じ、エンジン全体のサイズが大型化してしまう問題も
あった。

【００１３】そこで、本発明は、前述したような従来の
技術の問題点を解決し、ガイドベースの強度や剛性を向
上させてチェーンの走行時の振動や騒音を低減すること
ができるとともに、チェーン内周側に取付部をコンパク
トに収容できるチェーンガイドを提供することを目的と
する。

【００１４】

【課題を解決するための手段】前記目的のため、本発明
のチェーンガイドは、複数のスプロケット間に無端状に
掛け渡されて走行駆動されるチェーンの外周側に摺動接
触するシュー面を有するガイドシューと、前記ガイドシ
ューを保持するガイドベースを備えたものであって、ガ
イドベースは、チェーン内周側で取付面上にボルト締結
され、チェーンと取付面との隙間を抜けてチェーン外周
側へ突出する取付部と、前記取付部のチェーン外周側へ
突出した部分から取付面に対して略垂直に立ち上がった
チェーン走行方向に延びるシュー保持部とを有し、前記
シュー保持部のチェーン走行側の反対側でチェーン走行
方向に相互に離間した複数箇所に係合段部が設けられて
いるとともに、前記ガイドシューのシュー面の裏側とな
る面には、シュー保持部の立ち上がり端から取付面側へ
ガイドシューを押込むことによって弾性変形し、前記裏
側の面との間にシュー保持部を挟み込んだ状態でそれぞ
れの係合段部と係合してガイドシューをガイドベースに
固定する複数の鉤状の係合片が設けられている。

【００１５】本発明のチェーンガイドにおいては、ガイ
ドベースを金属板材を折曲げて形成し、係合段部をシュ
ー保持部に開けられた貫通孔の開口縁部によって構成す
ることもできる。

【００１６】また、本発明のチェーンガイドにおいて
は、ガイドシューの長手方向両端部に前記ガイドシュー
のシュー面側と反対側に鉤状に反転して向き合う一対の
係止部が形成され、これらの係止部にガイドベースのシ
ュー保持部の長手方向両端部がそれぞれ嵌入しているこ
とが好ましい。

【００１７】

【作用】本発明のチェーンガイドを組み立てる際には、
ガイドベースのシュー保持部に対して、その幅方向、す
なわち、取付面に垂直な方向からガイドシューを押し込
むと、樹脂製のガイドシューに設けられている鉤状の係
合片が弾性変形してシュー保持部に形成されている係合
段部に係合片の弾性復元力で係合し、ガイドシューがガ
イドベースに取り付けられる。

【００１８】ガイドベースはその取付部がチェーン内周
側でエンジンブロック等の取付面上にボルト締結されて
固定され、ガイドシューのシュー面がチェーンの外周側
に摺動接触してチェーンを案内する。

【００１９】ガイドベースは取付部とシュー保持部とは
長手方向全体に亘って横断面略Ｌ字状に連続しているた
め、強度と剛性が大きく、ガイドシューのシュー面と摺
動接触して走行するチェーンによるガイドベースの共振
が抑制され、チェーン走行時に発生する振動や騒音が低
減される。

【００２０】また、ガイドベースを金属板材を折曲げて
形成し、係合段部をシュー保持部に開けられた貫通孔の
開口縁部によって構成した場合には、ガイドベースはプ
レス加工や打抜き加工によって製作することができる。

【００２１】また、ガイドシューの長手方向両端に形成
された一対の係止部にガイドベースのシュー保持部の長
手方向両端部がそれぞれ嵌入している場合には、ガイド
ベースに対するガイドシューのチェーン走行方向の移動
並びにシュー保持部両端部におけるガイドシューの浮き
上がりがこれらの係止部で阻止される。

【００２２】

【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。図１は、本発明のチェーンガイドの１実施例を示
すチェーン伝動装置の概略図であって、チェーンガイド
１は、図示していない自動車用エンジンのクランク軸２
に固定された駆動側スプロケット３とカムシャフト４，
５にそれぞれ固定された被駆動側スプロケット６，７の
間に掛け渡されたチェーン８の、張り側となる駆動側ス
プロケット３と被駆動側スプロケット７間の外周側でエ
ンジンブロックの取付面Ｅに取付ボルト９で締結固定さ
れている。

【００２３】前記チェーン８は、クランク軸２と共に回
転する駆動側スプロケット３の矢印方向の回転を、被駆
動側スプロケット６，７に伝達し、それぞれのカムシャ
フト４，５をクランク軸２と同方向に同期回転させる。

【００２４】また、チェーン８の弛み側となる駆動側ス
プロケット３と被駆動側スプロケット６間の外周側に
は、テンショナ装置１０がエンジンブロックの取付面Ｅ
に取り付けられている。

【００２５】前記テンショナ装置１０は、取付面Ｅに支
軸１０Ａで揺動自在に支持されたテンショナレバー１０
Ｂと前記テンショナレバー１０Ｂのシュー面１０Ｃをチ
ェーン８の外周に押圧付勢するプランジャ１０Ｄを有す
るテンショナ１０Ｅから構成されていて、チェーン８の
弛みを防止している。

【００２６】また、２つの被駆動側スプロケット６，７
間を通過するチェーン８の外周側には、シュー面１１Ａ
をチェーン８の外周に摺動接触させてその走行を案内す
る補助ガイド１１が配置されている。

【００２７】チェーンガイド１は、図２及び図３に示す
ようにダイキャスト成形された金属製のガイドベース１
２と、樹脂製のガイドシュー１３から構成されている。

【００２８】前記ガイドベース１２は、チェーン８の内
周側でエンジンブロックの取付面Ｅに形成されたねじ穴
Ｎに螺合される取付ボルト９が貫通する２つのボルト挿
通孔１４が長手方向に並んで形成されている、平面視略
台形状の偏平な取付部１５を有している。

【００２９】前記取付部１５の表面側のボルト挿通孔１
４周囲には、ボス部１６が形成されていて、取付ボルト
９のショルダ部９Ａがボルト挿通孔１４に嵌合するよう
になっている。

【００３０】なお、この実施例ではボス部１６により、
ボルト挿通孔１４の軸方向長を取付部１５の厚さに比較
して長くとれるため、ボルト挿通孔１４と取付ボルト９
のショルダ部９Ａとの間に防振ゴム等の吸振材で形成さ
れたカラーを介装し、吸振作用を有する取付構造とする
ことも可能である。

【００３１】また、略平面視台形状の取付部１５の底辺
部分には、これと一体に取付面Ｅに対して略垂直に立ち
上がった、チェーン８の走行方向に延びるシュー保持部
１７が連設されている。

【００３２】ガイドベース１２は、取付部１５とシュー
保持部１７によって、長手方向に連続した略Ｌ字状の横
断面が形成されるため、曲げ荷重や捻り荷重に対して大
きな強度と高い剛性を備えている。

【００３３】シュー保持部１７のチェーン８が走行する
側の反対側の面には、チェーン８の走行方向に相互に離
間した２カ所に係合段部１８が形成されている。前記一
対の係合段部１８は、図３に示すように、シュー保持部
１７の立ち上がり端１７Ａから取付面Ｅ側に向けて楔状
に外側に傾斜する案内斜面１７Ｂと、取付面Ｅから立ち
上がるシュー保持部１７裏側の垂直面１７Ｃとの段差に
よって形成されている。

【００３４】また、シュー保持部１７の立ち上がり端１
７Ａの、それぞれの係合段部１８に対応している位置に
は矩形状の切欠部１９が形成されている。

【００３５】一方、ガイドシュー１３は、前述したガイ
ドベース１２のシュー保持部１７よりも若干チェーン８
の走行方向に長く形成されており、チェーン８に摺動接
触してこれを案内するシュー面Ｓをガイドベース１２の
ボルト挿通孔１４側を向けてシュー保持部１７に装着さ
れるようになっている。

【００３６】また、ガイドシュー１３には、その長手方
向両端部からシュー面Ｓ側と反対側に鉤状に反転して向
き合う一対の係止部１３Ａを有しており、ガイドシュー
１３をシュー保持部１７に装着した状態では、これらの
係止部１３Ａ内にシュー保持部１７の長手方両側の端部
１７Ｄが嵌入してガイドベース１２に対するガイドシュ
ー１３の長手方向（チェーン８の走行方向）への移動
と、前記ガイドシュー１３の両端部のチェーン８側への
浮き上がりが阻止されるようになっている。

【００３７】また、前記ガイドシュー１３の裏面１３Ｂ
には、シュー保持部１７の立ち上がり端１７Ａから取付
面Ｅ側へガイドシュー１３を押込むことによって弾性変
形し、前記裏面１３Ｂとの間にシュー保持部１７を挟み
込んだ状態で、シュー保持部１７のそれぞれの係合段部
１８と係合してガイドシュー１３をガイドベース１２に
固定する一対の鉤状の係合片２０が設けられている。

【００３８】前述した構造のチェーンガイド１を組み立
てる場合には、ガイドベース１２のシュー保持部１７の
立ち上がり端１７Ａ側からその幅方向にガイドシュー１
３を押し込み、ガイドシュー１３の裏面１３Ｂと鉤状の
係合片２０との間にシュー保持部１７を侵入させる。

【００３９】この際、前記裏面１３Ｂと係合片２０間の
対向間隔は、シュー保持部１７によって係合片２０が外
側に弾性変形し僅かに拡がり、立ち上がり端１７Ａに形
成されている切欠部１９内に係合片２０の基端部が嵌入
した位置で、係合片２０はシュー保持部１７の係合段部
１８に係合し、ガイドシュー１３はガイドベース１２に
固定される。

【００４０】これと同時にガイドシュー１３に形成され
ている一対の係止部１３Ａ内にガイドベース１２の長手
方向両端の端部１７Ｄがそれぞれ嵌入する。

【００４１】こうして組み立てられたチェーンガイド１
は、ガイドシュー１３のシュー面Ｓにチェーン８外周側
が当接するようにエンジンブロックの取付面Ｅに取付ボ
ルト２６によって締結固定される。

【００４２】なお、チェーンガイド１の取付は、チェー
ン８の張りを緩めることができる場合やチェーンガイド
１を取り付けた後にチェーン８を掛け渡す場合には、あ
らかじめ取付面Ｅにガイドベース１２を固定しておいて
から、ガイドシュー１３をガイドベース１２に組み付け
ても良い。

【００４３】また、これらの場合には、チェーン８の摺
動接触によってガイドシュー１２のシュー面Ｓが摩耗し
たときに、係合片２０をドライバ等の工具の先で係合段
部１８から外せば、ガイドシュー１２は容易に側方に抜
き取ることができ、新しいガイドシューとの交換を容易
に行うことができる。

【００４４】次に、図４は、本発明のチェーンガイドの
他の実施例を示す平面図、図５は、図４のＢ−Ｂ線位置
における矢印方向に見た断面図であって、これらの図に
示すチェーンガイド２１は、鋼板等の金属板材を折り曲
げて形成したガイドベース２２と、先に説明した実施例
のガイドシュー１３とほぼ同一形状をした樹脂製のガイ
ドシュー２３から構成されている。

【００４５】ガイドベース２２は、前述した実施例のガ
イドベース１２と同じように、平面視略台形状の取付部
２４と、その底辺部分から取付面Ｅに対して略垂直に折
り曲げられたチェーン８の走行方向に延びるシュー保持
部２５とを有している。

【００４６】前記取付部２４には、チェーン８の内周側
で取付面Ｅのねじ穴Ｎに螺合される取付ボルト２６を通
すための一対のボルト挿通孔２７が設けられている。

【００４７】本実施例においては、ガイドベース２２全
体が一つの金属板を折り曲げて成形されているため、ボ
ルト挿通孔２７の周囲には、先の実施例のようなボス部
は形成されておらず、また、取付ボルト２６は前述した
実施例の取付ボルト９よりも短いものが用いられてい
る。

【００４８】また、本実施例におけるガイドベース２２
では、先の実施例の係合段部１８と同等の役割を果たす
係合段部２７がシュー保持部２５に開けられた一対の貫
通孔２８のそれぞれの開口縁部によって構成されてお
り、また、シュー保持部２５の立ち上がり端２５Ａのそ
れぞれの係合段部２７に対応した位置には矩形状の切欠
部２９が形成されている。

【００４９】一方、ガイドシュー２３の長手方向両端部
には、前述した実施例におけるガイドシュー１３の係止
部１３Ａと同様の係止部２３Ａが形成されており、ま
た、ガイドシュー２３の裏面２３Ｂには、ガイドベース
２２のシュー保持部２５に形成されている２つの貫通孔
２８にそれぞれ侵入可能な一対の鉤状の係合片３０が形
成されている。

【００５０】ガイドシュー２３のガイドベース２２への
取付は、前述した実施例のチェーンガイド１と同様にガ
イドベース２２のシュー保持部２５の幅方向からガイド
シュー２３を押し込むだけで良く、それぞれの鉤状の係
合片３０の先端部が対応する貫通孔２８内に嵌入し、ま
た、ガイドシュー２３の両端部の係止部２３Ａ内にガイ
ドベース２２の長手方向両側の端部２５Ｂが嵌入するこ
とで、ガイドシュー２３がガイドベース２２に対してが
たつきなく固定される。

【００５１】また、この際、それぞれの係合片３０とガ
イドシュー２３の裏面２３Ｂとの連続部分は、シュー保
持部２５の立ち上がり端２５Ａに形成されている対応す
る切欠部２９内に嵌入する。

【００５２】なお、前述した各実施例においては、ガイ
ドシューの係合片とガイドベースのシュー保持部の係合
段部は、それぞれ２カ所に設けられているが、３カ所以
上に設けても良い。

【００５３】また、これらの実施例のように、シュー保
持部の立ち上がり端に形成した切欠部内にガイドシュー
の係合片を嵌入させる構造とした場合には、切欠部と係
合片とが互いに噛み合ってガイドベースに対するガイド
シューのチェーン走行方向の移動を阻止することができ
るため、ガイドシュー両端部に係止部は必ずしも設けな
くて良い。

【００５４】逆に、ガイドシュー両端部の係止部等で、
ガイドベースに対するガイドシューのチェーン走行方向
の移動が阻止できる場合には、シュー保持部の立ち上が
り端の切欠部は必ずしも設けなくて良い。

【００５５】また、本発明のチェーンガイドは、自動車
用エンジンのチェーン伝動装置に利用範囲が限定される
ものではなく、ローラチェーンやサイレントチェーンを
用いている様々な伝動装置のチェーンガイドとして広く
利用可能である。

【００５６】

【発明の効果】請求項１記載の発明によれば、取付部と
シュー保持部で構成されたガイドベースの横断面形状を
長手方向ほぼ全域に亘って連続した略Ｌ字状に形成する
ことができ、シュー保持部にその立ち上がり方向からガ
イドシューを係合固定するようにしているため、ガイド
ベースの強度を大きくできるとともに、チェーン内周側
にガイドベースの取付部をコンパクトに収容することが
できる。

【００５７】また、ガイドベースの剛性を高めることが
できるため、ガイドシューのシュー面を通して走行する
チェーンからガイドベースに伝達される振動に対する共
振を防止することができ、チェーンガイドの振動に起因
して発生するチェーンの 振動や騒音を低減することが
できる。

【００５８】また、請求項２記載の発明によれば、前述
した請求項１記載の発明の効果に加えて、ガイドベース
を金属板材を折曲げて形成し、係合段部をシュー保持部
に開けられた貫通孔の開口縁部によって構成しているた
め、ガイドベースを生産性の高いプレス加工や打抜き加
工によって製作でき、チェーンガイドの製造コストを低
減することができる。

【００５９】さらに、請求項３記載の発明によれば、ガ
イドベースに対するガイドシューのチェーン走行方向の
移動並びにシュー保持部両端部におけるガイドシューの
浮き上がりをガイドシューの長手方向両端に形成された
一対の係止部によって確実に防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明のチェーンガイドの１実施例を示す、
チェーン伝動装置の概略図である。

【図２】 本発明のチェーンガイドの１実施例を示す平
面図である。

【図３】 図２のＡ−Ａ線位置における矢印方向に見た
断面図である。

【図４】 本発明のチェーンガイドの他の実施例を示す
平面図である。

【図５】 図４のＢ−Ｂ線位置における矢印方向に見た
断面図である。

【図６】 従来のチェーンガイドが用いられているチェ
ーン伝動装置の概略図である。

【図７】 従来のチェーンガイドの分解斜視図である。

【図８】 図６のＸ−Ｘ線位置における矢印方向に見た
断面図である。

【符号の説明】

１，２１ チェーンガイド ２
クランク軸 ３ 駆動側スプロケット ４，５
カムシャフト ６，７ 被駆動側スプロケット ８
チェーン ９，２６ 取付ボルト ９Ａ
ショルダ部 １０ テンショナ装置 １０Ａ
支軸 １０Ｂ テンショナレバー １０Ｃ
シュー面 １０Ｄ プランジャ １０Ｅ
テンショナ １１ 補助ガイド １１Ａ
シュー面 １２，２２ ガイドベース １３，２３
ガイドシュー １３Ａ，２３Ａ 係止部 １３Ｂ，２
３Ｂ 裏面 １４ ボルト挿通孔 １５，２４
取付部 １６ ボス部 １７，２５
シュー保持部 １７Ａ，２５Ａ 立ち上がり端 １７Ｂ
案内斜面 １７Ｃ 垂直面 １７Ｄ，２
５Ｂ 端部 １８，２７ 係合段部 １９，２９
切欠部 ２０，３０ 係合片 ２８
貫通孔 Ｅ 取付面 Ｎ
ねじ穴 Ｓ シュー面

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数のスプロケット間に無端状に掛け渡
   されて走行駆動されるチェーンの外周側に摺動接触する
   シュー面を有するガイドシューと、前記ガイドシューを
   保持するガイドベースを備えたチェーンガイドにおい
   て、 ガイドベースは、チェーン内周側で取付面上にボルト締
   結され、チェーンと取付面との隙間を抜けてチェーン外
   周側へ突出する取付部と、前記取付部のチェーン外周側
   へ突出した部分から取付面に対して略垂直に立ち上がっ
   たチェーン走行方向に延びるシュー保持部とを有し、前
   記シュー保持部のチェーン走行側の反対側でチェーン走
   行方向に相互に離間した複数箇所に係合段部が設けられ
   ているとともに、前記ガイドシューのシュー面の裏側と
   なる面には、シュー保持部の立ち上がり端から取付面側
   へガイドシューを押込むことによって弾性変形し、前記
   裏側の面との間にシュー保持部を挟み込んだ状態でそれ
   ぞれの係合段部と係合してガイドシューをガイドベース
   に固定する複数の鉤状の係合片が設けられていることを
   特徴とするチェーンガイド。
2. 【請求項２】 ガイドベースが金属板材を折曲げて形成
   されているとともに、係合段部がシュー保持部に開けら
   れた貫通孔の開口縁部によって構成されていることを特
   徴とする請求項１記載のチェーンガイド。
3. 【請求項３】 ガイドシューの長手方向両端部に前記ガ
   イドシューのシュー面側と反対側に鉤状に反転して向き
   合う一対の係止部が形成され、これらの係止部にガイド
   ベースのシュー保持部の長手方向両端部がそれぞれ嵌入
   していることを特徴とする請求項１または２記載のチェ
   ーンガイド。