JP2004360766A - チェーンガイドおよびチェーンテンショナアーム - Google Patents
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Abstract
【課題】テンショナアームまたはチェーンガイドにおいて組立性を向上させる。
【解決手段】チェーンガイド1は、金属プレート製のガイド本体2と、これに着脱自在に装着されるプラスチック製のシュー3とを備えている。シュー3は、ガイド本体2の端部2A,2Bが係合し得るU字状屈曲部30,31を両端に有し、チェーン摺動面32aが形成されたチェーン摺動部32を有している。各U字状屈曲部30,31の一側面には、ガイド本体2の抜け止め用のストッパ壁33,34が形成されている。チェーン摺動部32の背面32cには、ガイド本体2に形成された複数の係合孔2aと係脱自在に係合し得るように設けられた複数の係合突起35が形成されている。係合突起35は、ストッパ壁33,34の側に形成されかつ背面32cと略直交する立壁面35aと、その逆側に形成された傾斜面35bとを有している。
【選択図】 図1
【解決手段】チェーンガイド1は、金属プレート製のガイド本体2と、これに着脱自在に装着されるプラスチック製のシュー3とを備えている。シュー3は、ガイド本体2の端部2A,2Bが係合し得るU字状屈曲部30,31を両端に有し、チェーン摺動面32aが形成されたチェーン摺動部32を有している。各U字状屈曲部30,31の一側面には、ガイド本体2の抜け止め用のストッパ壁33,34が形成されている。チェーン摺動部32の背面32cには、ガイド本体2に形成された複数の係合孔2aと係脱自在に係合し得るように設けられた複数の係合突起35が形成されている。係合突起35は、ストッパ壁33,34の側に形成されかつ背面32cと略直交する立壁面35aと、その逆側に形成された傾斜面35bとを有している。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、動力伝達用チェーンのためのチェーンテンショナアームおよびチェーンガイドに関し、とくに、組立性を向上させるための構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】
一般に、内燃機関の動弁装置の駆動に用いられるタイミングチェーンシステムやカムシャフト間を駆動連結するチェーンシステムにおいては、チェーンの弛み側にチェーンテンショナアームをテンショナとともに配設し、張り側にチェーンガイドを配設している。
【0003】
従来のチェーンテンショナアームおよびチェーンガイドは、例えば特開2000−97300号公報に示すように、アルミダイキャスト製の本体部と、チェーン摺動面を有するプラスチック製のシューとから構成されており、シューには複数の係止爪が設けられ、本体部にはこれらの係止爪が係合する複数の係合凹部が形成されている。そして、シューの係止爪を本体部の対応する係合凹部に係止することにより、シューが本体部に取り付けられている。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−97300号公報
【0005】
前記従来の構造では、シューを本体部に組み付ける際には、複数の係止爪をそれぞれ対応する各係合凹部に係止させる必要があるため、組立性が悪く、組立作業の機械化も容易ではない。またシューの組付け時には、係止爪が曲げ変形するため、係止爪に大きな曲げ応力が発生する恐れもある。
【0006】
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたもので、組立性を向上できるチェーンテンショナアームまたはチェーンガイドを提供することを目的とする。本発明の他の目的は、チェーンテンショナアームまたはチェーンガイドにおいて、シューが係止爪を有しないものを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、動力伝達用チェーンのためのチェーンガイドであって、金属製のガイド本体と、ガイド本体に対して着脱自在に装着されるプラスチック製のシューとを備えている。ガイド本体は複数の係合孔を有している。シューは、ガイド本体の両端が係合し得るU字状屈曲部を両端に有し、各U字状屈曲部間に延びるチェーン摺動面が形成されたチェーン摺動部を有している。各U字状屈曲部のそれぞれの一側面には、ガイド本体の抜け止め用のストッパ壁がそれぞれ形成されており、チェーン摺動部においてチェーン摺動面と逆側の背面には、ガイド本体の各係合孔に係脱自在に係合し得るように設けられた複数の係合突起が形成されている。各係合突起は、ストッパ壁が形成された側の前記一側面の側にチェーン摺動部の背面と略直交する立壁面を有するとともに、前記一側面と逆側の他側面の側に傾斜面を有している。
【0008】
請求項2の発明は、動力伝達用チェーンのためのチェーンテンショナアームであって、金属製のアーム本体と、アーム本体に対して着脱自在に装着されるプラスチック製のシューとを備えている。アーム本体は複数の係合孔を有している。シューは、アーム本体の両端が係合し得るU字状屈曲部を両端に有し、各U字状屈曲部間において弧状に延びるチェーン摺動面が形成されたチェーン摺動部を有している。各U字状屈曲部のそれぞれの一側面には、アーム本体の抜け止め用のストッパ壁がそれぞれ形成されており、チェーン摺動部においてチェーン摺動面と逆側の背面には、アーム本体の各係合孔に係脱自在に係合し得るように設けられた複数の係合突起が形成されている。各係合突起は、ストッパ壁が形成された側の前記一側面の側にチェーン摺動部の背面と略直交する立壁面を有するとともに、前記一側面と逆側の他側面の側に傾斜面を有している。
【0009】
本発明によれば、チェーンガイド(またはチェーンテンショナアーム)の組立ての際には、ストッパ壁を下にしてシューを保持した状態で、シューの上方からガイド本体(またはアーム本体)をシューに向かって移動させ、ガイド本体(アーム本体)の両端がシューの各U字状屈曲部に係合するように、ガイド本体(アーム本体)を下方に移動させる。
【0010】
この移動の際には、ガイド本体(アーム本体)がシューの各係合突起に干渉するが、この状態からさらにガイド本体(アーム本体)を下方に移動させると、ガイド本体(アーム本体)が各係合突起の傾斜面を押圧することにより、プラスチック製のシューが弾性変形してガイド本体(アーム本体)から遠ざかる側に移動する。そして、ガイド本体(アーム本体)がシューの各係合突起を乗り越えると、シューが元の位置に戻り、その結果、各係合突起がガイド本体(アーム本体)の対応する各係合孔に係合する。このようにして、チェーンガイド(チェーンテンショナアーム)の組立作業が完了する。
【0011】
組み立てられたチェーンガイドにおいては、シューに対するガイド本体(アーム本体)の長手方向のずれおよび長手方向と直交する板厚方向のずれは、シュー両端のU字状屈曲部により規制されており、また長手方向と直交する幅方向のずれは、シューのストッパ壁および係合突起により規制されている。
【0012】
この場合には、シューをガイド本体(アーム本体)に組み付ける際に、シューに対してガイド本体(アーム本体)を一方向から挿入するだけでよいので、組立作業を簡略化でき、組立性を向上できる。これにより、シューをガイド本体(アーム本体)に押し込むための簡単なプレスと固定ジグがあれば、組立作業の機械化を容易に実現できる。また、この場合には、シューに形成された係合突起がガイド本体(アーム本体)の係合孔に係合するように構成したので、シューが係止爪を有しない係合構造を提供できる。さらに、シューの係合突起が立壁面と傾斜面を含む簡単な形状なので、成形金型の構造を簡略化でき、コストを低減できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施態様を添付図面に基づいて説明する。
【0014】
図1は本発明の一実施態様によるチェーンガイドの正面図、図2はチェーンガイドを構成するガイド本体の正面図、図3はガイド本体の平面図、図4はチェーンガイドを構成するシューの正面図、図5は図4のV−V 線断面図、図6はシューの平面図、図7はシューの底面図、図8はチェーンガイドの組立作業を説明するための図、図9はシューがガイド本体に組み付けられる様子を説明するための図である。
【0015】
図1に示すように、このチェーンガイド1は、金属製のガイド本体2と、ガイド本体2に対して着脱自在に装着されるプラスチック製のシュー3とから構成されている。
【0016】
ガイド本体2は、図2および図3に示すように、長手方向に延びる細長い帯板状の部材であって、所定の間隔で配置された複数の係合孔2aを有している。各係合孔2aは、ガイド本体2を板厚方向(図2左右方向および図3紙面垂直方向)に貫通している。
【0017】
シュー3は、図4に示すように、ガイド本体2の端部2A,2Bがそれぞれ係合し得るU字状屈曲部30,31を両端に有している。各U字状屈曲部30,31間には、これらを連結するチェーン摺動部32が設けられている。チェーン摺動部32には、図示しないチェーンが摺動しつつ走行するチェーン摺動面32aが形成されている。
【0018】
図4のV−V 線断面である図5に示すように、シュー3のチェーン摺動面32aの両側縁部には、走行中のチェーンの横振れを防止しつつチェーンをガイドするためのガイド部32bが形成されている。ガイド部32bは、チェーン摺動面32aに沿って長手方向に延びている(図6参照)。
【0019】
図4および図5に示すように、シュー3の両端部には、シュー3からのガイド本体2の抜け落ちを防止するための抜け止め用のストッパ壁33,34が設けられている。ストッパ壁33,34は、各U字状屈曲部30,31において同じ側の側面にそれぞれ形成されている(図5参照)。
【0020】
図4、図5および図7に示すように、シュー3のチェーン摺動部32においてチェーン摺動面32aと逆側の背面32cには、所定の間隔で配置された複数の係合突起35が設けられている。各係合突起35は、シュー3の成形時にシュー3と一体成形されている。これらの係合突起35は、ガイド本体2の対応する各係合孔2aに係脱自在に係合し得るようになっている。
【0021】
係合突起35は、図5に示すように、ストッパ壁33,34の対向側に形成されかつチェーン摺動部32の背面32cと略直交しつつ延びる立壁面35aと、その逆側に形成された傾斜面35bとを有している。
【0022】
上述のように構成されるチェーンガイドの組立ての際には、図8に示すように、ストッパ壁を下にしてシュー3を保持した状態で、シュー3の上方からガイド本体2をシュー3に向かって移動させ、ガイド本体2の各端部2A,2Bがシュー3の各U字状屈曲部30,31に係合するように、ガイド本体2をシュー3の内部に向かって下方に押し込む(図9(a)参照)。
【0023】
このとき、図9(a)中の一点鎖線に示すように、ガイド本体2がシュー3の係合突起35の傾斜面35bに干渉するが、この状態からさらにガイド本体2を下方に押し込むと、ガイド本体2が係合突起35の傾斜面35bを押圧することにより、プラスチック製のシュー3が図左方に弾性変形してガイド本体2から遠ざかる側に移動する(同図(b)参照)。そして、ガイド本体2がシュー3の各係合突起35を乗り越えると、シュー3が元の位置に戻り、その結果、各係合突起35がガイド本体2の対応する各係合孔2aに係合する。このようにして、チェーンガイド1の組立作業が完了する。
【0024】
組み立てられたチェーンガイド1においては、シュー3に対するガイド本体2の長手方向(図1上下方向)のずれおよび長手方向と直交する板厚方向(同図左右方向)のずれは、シュー両端のU字状屈曲部30,31により規制されており、また長手方向と直交する幅方向(同図紙面垂直方向)のずれは、シュー3のストッパ壁33,34および係合突起35により規制されている。
【0025】
この場合には、シュー3をガイド本体2に組み付ける際に、ガイド本体2をシュー3の横から押し込むだけでよいので、組立作業を簡略化でき、組立性を向上できる。これにより、シュー3をガイド本体2に押し込むための簡単なプレスと固定ジグがあれば、組立作業の機械化を容易に実現できる。また、この場合には、シュー3に形成された係合突起35がガイド本体2の係合孔2aに係合するように構成したので、シュー3が係止爪を有しない係合構造を実現できる。さらに、シュー3の係合突起35が立壁面35aと傾斜面35bを含む簡単な形状なので、成形金型の構造を簡略化でき、コストを低減できる。
【0026】
前記実施態様では、ガイド本体2が帯板状の部材(つまり断面矩形状の部材)である場合を例にとって説明したが、本発明は、ガイド本体2が断面L字状または断面コ字状の部材である場合にも同様に適用できる。
【0027】
なお、前記実施態様では、チェーンガイドを例にとって説明したが、本発明はチェーンテンショナアームにも同様に適用できる。この場合、アーム本体のボス部の側には、シューのU字状屈曲部が係合し得る係合溝を形成するようにすればよい。
【0028】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係るチェーンガイドおよびチェーンテンショナアームによれば、シューをガイド本体(アーム本体)に組み付ける際に、シューに対して一方向からガイド本体(アーム本体)を挿入するだけでよいので、組立作業を簡略化でき、組立性を向上できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様によるチェーンガイドの正面図である。
【図2】チェーンガイド(図1)を構成するガイド本体の正面図である。
【図3】ガイド本体(図2)の平面図である。
【図4】チェーンガイド(図1)を構成するシューの正面図である。
【図5】図4のV−V 線断面図である。
【図6】シュー(図4)の平面図である。
【図7】シュー(図4)の底面図である。
【図8】チェーンガイド(図1)の組立作業を説明するための図である。
【図9】(a)〜(c)はシューがガイド本体に組み付けられる様子を時系列的に示す図である。
【符号の説明】
1: チェーンガイド
2: ガイド本体
2a: 係合孔
2A: 端部
2B: 端部
3: シュー
30: U字状屈曲部
31: U字状屈曲部
32: チェーン摺動部
32a: チェーン摺動面
32c: 背面
33: ストッパ壁
34: ストッパ壁
35: 係合突起
35a: 立壁面
35b: 傾斜面
【発明の属する技術分野】
本発明は、動力伝達用チェーンのためのチェーンテンショナアームおよびチェーンガイドに関し、とくに、組立性を向上させるための構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】
一般に、内燃機関の動弁装置の駆動に用いられるタイミングチェーンシステムやカムシャフト間を駆動連結するチェーンシステムにおいては、チェーンの弛み側にチェーンテンショナアームをテンショナとともに配設し、張り側にチェーンガイドを配設している。
【0003】
従来のチェーンテンショナアームおよびチェーンガイドは、例えば特開2000−97300号公報に示すように、アルミダイキャスト製の本体部と、チェーン摺動面を有するプラスチック製のシューとから構成されており、シューには複数の係止爪が設けられ、本体部にはこれらの係止爪が係合する複数の係合凹部が形成されている。そして、シューの係止爪を本体部の対応する係合凹部に係止することにより、シューが本体部に取り付けられている。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−97300号公報
【0005】
前記従来の構造では、シューを本体部に組み付ける際には、複数の係止爪をそれぞれ対応する各係合凹部に係止させる必要があるため、組立性が悪く、組立作業の機械化も容易ではない。またシューの組付け時には、係止爪が曲げ変形するため、係止爪に大きな曲げ応力が発生する恐れもある。
【0006】
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたもので、組立性を向上できるチェーンテンショナアームまたはチェーンガイドを提供することを目的とする。本発明の他の目的は、チェーンテンショナアームまたはチェーンガイドにおいて、シューが係止爪を有しないものを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、動力伝達用チェーンのためのチェーンガイドであって、金属製のガイド本体と、ガイド本体に対して着脱自在に装着されるプラスチック製のシューとを備えている。ガイド本体は複数の係合孔を有している。シューは、ガイド本体の両端が係合し得るU字状屈曲部を両端に有し、各U字状屈曲部間に延びるチェーン摺動面が形成されたチェーン摺動部を有している。各U字状屈曲部のそれぞれの一側面には、ガイド本体の抜け止め用のストッパ壁がそれぞれ形成されており、チェーン摺動部においてチェーン摺動面と逆側の背面には、ガイド本体の各係合孔に係脱自在に係合し得るように設けられた複数の係合突起が形成されている。各係合突起は、ストッパ壁が形成された側の前記一側面の側にチェーン摺動部の背面と略直交する立壁面を有するとともに、前記一側面と逆側の他側面の側に傾斜面を有している。
【0008】
請求項2の発明は、動力伝達用チェーンのためのチェーンテンショナアームであって、金属製のアーム本体と、アーム本体に対して着脱自在に装着されるプラスチック製のシューとを備えている。アーム本体は複数の係合孔を有している。シューは、アーム本体の両端が係合し得るU字状屈曲部を両端に有し、各U字状屈曲部間において弧状に延びるチェーン摺動面が形成されたチェーン摺動部を有している。各U字状屈曲部のそれぞれの一側面には、アーム本体の抜け止め用のストッパ壁がそれぞれ形成されており、チェーン摺動部においてチェーン摺動面と逆側の背面には、アーム本体の各係合孔に係脱自在に係合し得るように設けられた複数の係合突起が形成されている。各係合突起は、ストッパ壁が形成された側の前記一側面の側にチェーン摺動部の背面と略直交する立壁面を有するとともに、前記一側面と逆側の他側面の側に傾斜面を有している。
【0009】
本発明によれば、チェーンガイド(またはチェーンテンショナアーム)の組立ての際には、ストッパ壁を下にしてシューを保持した状態で、シューの上方からガイド本体(またはアーム本体)をシューに向かって移動させ、ガイド本体(アーム本体)の両端がシューの各U字状屈曲部に係合するように、ガイド本体(アーム本体)を下方に移動させる。
【0010】
この移動の際には、ガイド本体(アーム本体)がシューの各係合突起に干渉するが、この状態からさらにガイド本体(アーム本体)を下方に移動させると、ガイド本体(アーム本体)が各係合突起の傾斜面を押圧することにより、プラスチック製のシューが弾性変形してガイド本体(アーム本体)から遠ざかる側に移動する。そして、ガイド本体(アーム本体)がシューの各係合突起を乗り越えると、シューが元の位置に戻り、その結果、各係合突起がガイド本体(アーム本体)の対応する各係合孔に係合する。このようにして、チェーンガイド(チェーンテンショナアーム)の組立作業が完了する。
【0011】
組み立てられたチェーンガイドにおいては、シューに対するガイド本体(アーム本体)の長手方向のずれおよび長手方向と直交する板厚方向のずれは、シュー両端のU字状屈曲部により規制されており、また長手方向と直交する幅方向のずれは、シューのストッパ壁および係合突起により規制されている。
【0012】
この場合には、シューをガイド本体(アーム本体)に組み付ける際に、シューに対してガイド本体(アーム本体)を一方向から挿入するだけでよいので、組立作業を簡略化でき、組立性を向上できる。これにより、シューをガイド本体(アーム本体)に押し込むための簡単なプレスと固定ジグがあれば、組立作業の機械化を容易に実現できる。また、この場合には、シューに形成された係合突起がガイド本体(アーム本体)の係合孔に係合するように構成したので、シューが係止爪を有しない係合構造を提供できる。さらに、シューの係合突起が立壁面と傾斜面を含む簡単な形状なので、成形金型の構造を簡略化でき、コストを低減できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施態様を添付図面に基づいて説明する。
【0014】
図1は本発明の一実施態様によるチェーンガイドの正面図、図2はチェーンガイドを構成するガイド本体の正面図、図3はガイド本体の平面図、図4はチェーンガイドを構成するシューの正面図、図5は図4のV−V 線断面図、図6はシューの平面図、図7はシューの底面図、図8はチェーンガイドの組立作業を説明するための図、図9はシューがガイド本体に組み付けられる様子を説明するための図である。
【0015】
図1に示すように、このチェーンガイド1は、金属製のガイド本体2と、ガイド本体2に対して着脱自在に装着されるプラスチック製のシュー3とから構成されている。
【0016】
ガイド本体2は、図2および図3に示すように、長手方向に延びる細長い帯板状の部材であって、所定の間隔で配置された複数の係合孔2aを有している。各係合孔2aは、ガイド本体2を板厚方向(図2左右方向および図3紙面垂直方向)に貫通している。
【0017】
シュー3は、図4に示すように、ガイド本体2の端部2A,2Bがそれぞれ係合し得るU字状屈曲部30,31を両端に有している。各U字状屈曲部30,31間には、これらを連結するチェーン摺動部32が設けられている。チェーン摺動部32には、図示しないチェーンが摺動しつつ走行するチェーン摺動面32aが形成されている。
【0018】
図4のV−V 線断面である図5に示すように、シュー3のチェーン摺動面32aの両側縁部には、走行中のチェーンの横振れを防止しつつチェーンをガイドするためのガイド部32bが形成されている。ガイド部32bは、チェーン摺動面32aに沿って長手方向に延びている(図6参照)。
【0019】
図4および図5に示すように、シュー3の両端部には、シュー3からのガイド本体2の抜け落ちを防止するための抜け止め用のストッパ壁33,34が設けられている。ストッパ壁33,34は、各U字状屈曲部30,31において同じ側の側面にそれぞれ形成されている(図5参照)。
【0020】
図4、図5および図7に示すように、シュー3のチェーン摺動部32においてチェーン摺動面32aと逆側の背面32cには、所定の間隔で配置された複数の係合突起35が設けられている。各係合突起35は、シュー3の成形時にシュー3と一体成形されている。これらの係合突起35は、ガイド本体2の対応する各係合孔2aに係脱自在に係合し得るようになっている。
【0021】
係合突起35は、図5に示すように、ストッパ壁33,34の対向側に形成されかつチェーン摺動部32の背面32cと略直交しつつ延びる立壁面35aと、その逆側に形成された傾斜面35bとを有している。
【0022】
上述のように構成されるチェーンガイドの組立ての際には、図8に示すように、ストッパ壁を下にしてシュー3を保持した状態で、シュー3の上方からガイド本体2をシュー3に向かって移動させ、ガイド本体2の各端部2A,2Bがシュー3の各U字状屈曲部30,31に係合するように、ガイド本体2をシュー3の内部に向かって下方に押し込む(図9(a)参照)。
【0023】
このとき、図9(a)中の一点鎖線に示すように、ガイド本体2がシュー3の係合突起35の傾斜面35bに干渉するが、この状態からさらにガイド本体2を下方に押し込むと、ガイド本体2が係合突起35の傾斜面35bを押圧することにより、プラスチック製のシュー3が図左方に弾性変形してガイド本体2から遠ざかる側に移動する(同図(b)参照)。そして、ガイド本体2がシュー3の各係合突起35を乗り越えると、シュー3が元の位置に戻り、その結果、各係合突起35がガイド本体2の対応する各係合孔2aに係合する。このようにして、チェーンガイド1の組立作業が完了する。
【0024】
組み立てられたチェーンガイド1においては、シュー3に対するガイド本体2の長手方向(図1上下方向)のずれおよび長手方向と直交する板厚方向(同図左右方向)のずれは、シュー両端のU字状屈曲部30,31により規制されており、また長手方向と直交する幅方向(同図紙面垂直方向)のずれは、シュー3のストッパ壁33,34および係合突起35により規制されている。
【0025】
この場合には、シュー3をガイド本体2に組み付ける際に、ガイド本体2をシュー3の横から押し込むだけでよいので、組立作業を簡略化でき、組立性を向上できる。これにより、シュー3をガイド本体2に押し込むための簡単なプレスと固定ジグがあれば、組立作業の機械化を容易に実現できる。また、この場合には、シュー3に形成された係合突起35がガイド本体2の係合孔2aに係合するように構成したので、シュー3が係止爪を有しない係合構造を実現できる。さらに、シュー3の係合突起35が立壁面35aと傾斜面35bを含む簡単な形状なので、成形金型の構造を簡略化でき、コストを低減できる。
【0026】
前記実施態様では、ガイド本体2が帯板状の部材(つまり断面矩形状の部材)である場合を例にとって説明したが、本発明は、ガイド本体2が断面L字状または断面コ字状の部材である場合にも同様に適用できる。
【0027】
なお、前記実施態様では、チェーンガイドを例にとって説明したが、本発明はチェーンテンショナアームにも同様に適用できる。この場合、アーム本体のボス部の側には、シューのU字状屈曲部が係合し得る係合溝を形成するようにすればよい。
【0028】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係るチェーンガイドおよびチェーンテンショナアームによれば、シューをガイド本体(アーム本体)に組み付ける際に、シューに対して一方向からガイド本体(アーム本体)を挿入するだけでよいので、組立作業を簡略化でき、組立性を向上できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様によるチェーンガイドの正面図である。
【図2】チェーンガイド(図1)を構成するガイド本体の正面図である。
【図3】ガイド本体(図2)の平面図である。
【図4】チェーンガイド(図1)を構成するシューの正面図である。
【図5】図4のV−V 線断面図である。
【図6】シュー(図4)の平面図である。
【図7】シュー(図4)の底面図である。
【図8】チェーンガイド(図1)の組立作業を説明するための図である。
【図9】(a)〜(c)はシューがガイド本体に組み付けられる様子を時系列的に示す図である。
【符号の説明】
1: チェーンガイド
2: ガイド本体
2a: 係合孔
2A: 端部
2B: 端部
3: シュー
30: U字状屈曲部
31: U字状屈曲部
32: チェーン摺動部
32a: チェーン摺動面
32c: 背面
33: ストッパ壁
34: ストッパ壁
35: 係合突起
35a: 立壁面
35b: 傾斜面
Claims (2)
- 動力伝達用チェーンのためのチェーンガイドであって、
金属製のガイド本体と、
前記ガイド本体に対して着脱自在に装着されるプラスチック製のシューとを備え、
前記ガイド本体が複数の係合孔を有しており、
前記シューが、前記ガイド本体の両端が係合し得るU字状屈曲部を両端に有し、前記各U字状屈曲部間に延びるチェーン摺動面が形成されたチェーン摺動部を有するとともに、前記各U字状屈曲部のそれぞれの一側面には、前記ガイド本体の抜け止め用のストッパ壁がそれぞれ形成されており、前記チェーン摺動部において前記チェーン摺動面と逆側の背面には、前記ガイド本体の前記各係合孔に係脱自在に係合し得るように設けられた複数の係合突起が形成されており、前記各係合突起は、前記ストッパ壁が形成された側の前記一側面の側に前記チェーン摺動部の前記背面と略直交する立壁面を有するとともに、前記一側面と逆側の他側面の側に傾斜面を有している、
ことを特徴とするチェーンガイド。 - 動力伝達用チェーンのためのチェーンテンショナアームであって、
金属製のアーム本体と、
前記アーム本体に対して着脱自在に装着されるプラスチック製のシューとを備え、
前記アーム本体が複数の係合孔を有しており、
前記シューが、前記アーム本体の両端が係合し得るU字状屈曲部を両端に有し、前記各U字状屈曲部間において弧状に延びるチェーン摺動面が形成されたチェーン摺動部を有するとともに、前記各U字状屈曲部のそれぞれの一側面には、前記アーム本体の抜け止め用のストッパ壁がそれぞれ形成されており、前記チェーン摺動部において前記チェーン摺動面と逆側の背面には、前記アーム本体の前記各係合孔に係脱自在に係合し得るように設けられた複数の係合突起が形成されており、前記各係合突起は、前記ストッパ壁が形成された側の前記一側面の側に前記チェーン摺動部の前記背面と略直交する立壁面を有するとともに、前記一側面と逆側の他側面の側に傾斜面を有している、
ことを特徴とするチェーンテンショナアーム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003158546A JP2004360766A (ja) | 2003-06-03 | 2003-06-03 | チェーンガイドおよびチェーンテンショナアーム |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003158546A JP2004360766A (ja) | 2003-06-03 | 2003-06-03 | チェーンガイドおよびチェーンテンショナアーム |
Publications (1)
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ID=34051916
Family Applications (1)
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Cited By (1)
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-
2003
- 2003-06-03 JP JP2003158546A patent/JP2004360766A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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GB2451542A (en) * | 2007-07-31 | 2009-02-04 | Tsubakimoto Chain Co | Chain guide |
US7967708B2 (en) | 2007-07-31 | 2011-06-28 | Tsubakimoto Chain Co. | Chain guide for use in engine |
GB2451542B (en) * | 2007-07-31 | 2012-02-01 | Tsubakimoto Chain Co | Chain guide for use in engine |
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