JP2000257086A - 擁壁用ブロックおよびその製造方法 - Google Patents

擁壁用ブロックおよびその製造方法

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JP2000257086A JP11057712A JP5771299A JP2000257086A JP 2000257086 A JP2000257086 A JP 2000257086A JP 11057712 A JP11057712 A JP 11057712A JP 5771299 A JP5771299 A JP 5771299A JP 2000257086 A JP2000257086 A JP 2000257086A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】擁壁用ブロックおよびその製造方法において、
自然石の露出度を多し、自然石を自然の状態に近く配置
するとともに、擁壁用ブロックへの自然石を固定を確実
にし、かつ、製造が容易である擁壁用ブロックおよびそ
の製造方法を提供することにある。 【解決手段】コンクリート製のブロック基板の表面部に
網状板を埋め込んでコンクリートで固着するとともに、
自然石あるいは疑似自然石の一部に石材固着具を取り付
け、該石材固着具を前記網状板に引掛けて固着した擁壁
用ブロック、および、ブロック基板の製造する型枠の表
面部のなる位置に、網状板をを仮止めをした後、表面部
の網状板の上方より生コンクリートを型枠に注入し、該
生コンクリートが表面部の網状板よりも僅かに上位置で
注入を止めて、底部に石材固着具を取り付けた自然石あ
るいは疑似自然石を該石材固着具を前記網状板に引掛け
て固着する擁壁用ブロックの製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、擁壁、護岸等の擁
壁用ブロックおよびその製造方法、特に自然石あるいは
疑似自然石を表面にした擁壁用ブロックおよびその製造
方法の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】近年、河川での上流部に使用するコンク
リートブロック等の護岸が、いかに自然と調和し、動植
物と共存できるかが、大きな社会問題となってきた。特
に、上流部では土石流を防ぐために、治水対策が不可欠
であるが、従来のコンクリートブロックを使用したので
は、自然環境を破壊し無機質な景観となってしまい、自
然環境を保全し自然景観を重視する観点から、河岸、法
面、勾配面、道路側壁等を自然石あるいは疑似自然石の
外観を有するように施工することが多くなった。
【0003】従来、自然石あるいは疑似自然石の外観を
有する擁壁,護岸の施工は、図13に示すように、擁壁,
護岸の基礎としてクラッシャー基礎a、コンクリート基
礎bを施工し、基盤の土砂Aの壁面に裏込材cを施工し、
裏込材の表面に水抜管dを配設するとともに、胴込め・
裏込コンクリートeとなる生コンクリートを流し込み、
生コンクリートが固まらないうちに修景用の自然石であ
る玉石fを生コンクリートに植込んで固定させていた。
【0004】また、表面に自然石を固定した擁壁用ブロ
ックも、特公平6-37042号公報等に開示されているよう
に既に知られている。これら公知の擁壁用ブロックは、
図14に示すように擁壁用ブロックのブロック基板gは
自然石hを床面に並べておいて、樹脂j(カンテン等)及び
砂kを自然石hの間から投入して、樹脂が硬化し自然石h
が固定された後に、擁壁用ブロックの裏面の脚部lに当
たる型枠の開口部分mから、生コンクリートを型枠(図示
せず)に打設して製造していた。
【0005】さらに、自然環境を保全し自然景観を重視
する観点から、植物が植生するように、壁面の土の一部
を石の隙間から露出させることも、実用新案登録公報第
2557981号等で提案されている。なお、金網に自然石を
固定した護岸用のマットも特開平10-280360号公報とし
て知られているが用途が異なる上、ブロックではないの
で急な斜面の擁壁,護岸等には用いられない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図13
に示す従来の生コンクリートを壁面の裏込材cに流し込
んむ施工方法は、手間が掛かるうえに高度な技術を要
し、熟練した施工者でなければならず、建設業者にとっ
て、やっかいな作業とされ敬遠されているという問題点
があった。また、この施工では、玉石fの半分以上を生
コンクリートに植込まなくては玉石fの固定が確実では
なく、自然景観を重視する観点からは自然石の露出度が
少ないため十分満足のいくものではなく、さらに、石を
並べても前面に生コンクリートが出てこないように、ウ
ェス等で石の周りに加工をする必要があり、やっかいな
作業であるという問題点があった。
【0007】一方、図14に示す従来の特公平6-37042
号公報等に開示されているような表面に自然石を固定し
た擁壁用ブロックも、玉石fの半分以上を生コンクリー
トに植込まなくては玉石fの固定が確実ではなく、自然
景観を重視する観点から自然石の露出度が少なくて十分
満足のいくものではなく、さらに、製造に際しても、自
然石hを並べて樹脂j(カンテン等)及び砂kを自然石hの間
から投入して自然石hを固定するまでの時間に約1時間
も費やし、多くの手間と時間が必要であるという問題点
があり、また、擁壁用ブロックの裏面の脚部lに当たる
型枠の開口部分mからしか生コンクリートを打設するこ
とができないが、開口部分mは小径であって生コンクリ
ートを打設を終了するまで時間がかかり、かつ、生コン
クリートを自然石の隙間に十分に入り込ませることが、
製造者にとっては手間と熟練を要するという問題点があ
った。
【0008】さらに、植物が植生するように壁面の土の
一部が石の隙間から露出させる実用新案登録公報第2557
981号等の擁壁用ブロックは、上記と同様に製造に手間
が掛かるうえに熟練を要し、また、石の露出度が少なく
自然景観の観点から十分満足のいくものではないという
問題点があった。
【0009】本発明は、上記の問題点に鑑みてなされた
もので、その課題は、擁壁用ブロックおよびその製造方
法において、自然石の露出度を多し、自然石を自然の状
態に近く配置するとともに、擁壁用ブロックへの自然石
を固定を確実にし、かつ、製造が容易である擁壁用ブロ
ックおよびその製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1に記載の発明は、コンクリート製のブロ
ック基板の表面部に網状板を埋め込んで網状板をコンク
リートで固着し、自然石あるいは疑似自然石の底部に石
材固着具を取り付け、該石材固着具を網状板の上方より
網状板を貫通して埋め込んで自然石あるいは疑似自然石
を網状板上に配列するとともに、該石材固着具をコンク
リートでブロック基板側に固着した擁壁用ブロックであ
るから、自然石の露出度を多くするとともに、自然石の
表面頂部の高さも自然に近い凹凸のある擁壁用ブロック
であって、ブロック基板への自然石の固定が確実とな
る。
【0011】上記の課題を解決するために、請求項2に
記載の発明は、請求項1に記載の擁壁用ブロックにおい
て、前記ブロック基板の表面部における中央には、裏面
部まで貫通する所望の面積を有する貫通孔部を設け、貫
通孔部の網状板には自然石あるいは疑似自然石を結束、
溶接、または、接着して固着したから、請求項1におけ
る作用に加えて貫通孔部から植物が植生し、より自然景
観に近い擁壁用ブロックとなる。
【0012】上記の課題を解決するために、請求項3に
記載の発明は、ブロック基板を製造する型枠の表面部の
位置に、網状板を仮止めをした後、型枠に表面部の網状
板の上方より生コンクリートを注入し、該生コンクリー
トが表面部の網状板よりも僅かに上位置になるまで注入
し、自然石あるいは疑似自然石の底部に石材固着具を取
り付けるとともに、該石材固着具を網状板の上方より網
状板を貫通して埋め込んでコンクリートで固着するか、
あるいは、網状板自体に固着する擁壁用ブロックの製造
方法であるから、自然石の露出度を多くするとともに、
自然石の表面頂部の高さも自然近い凹凸のある擁壁用ブ
ロックを製造できるとともに、ブロック基板への自然石
の固定が確実となり、かつ、製造が極めて容易となる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明者は、従来の擁壁用ブロッ
クの裏面の脚部l(図14)に当たる型枠の小口の開口部
分mから生コンクリートを打設する不都合を解消するこ
とを鋭意研究した結果、擁壁用ブロックの表面から打設
する方法に想到した。そして、擁壁用ブロックの表面か
ら打設するとともに、自然石を十分露出させることがで
き、かつ、自然石の表面頂点の高さは自然に近い凹凸が
あり、大きな起伏を有するから、数年経過すると石と石
との間に土砂が堆積し、植物が育成してより自然に近い
状態にすることができ、更に、十分に強度を有する擁壁
用ブロックおよびその製造方法にも想到した。
【0014】以下、本発明に好適な擁壁用ブロックおよ
びその製造方法の実施例を図面に基づいて説明する。 [第1実施例]図1は擁壁用ブロックの第1実施例の斜視
図であるが、符号1は擁壁用ブロックであり、ブロック
基板2は擁壁用ブロック1の主体をなすもので、ブロッ
ク基板2の表面部2aには網状でメッキ済みのエキスパ
ンドメタル(鋼材)3が僅かにコンクリートの埋め込まれ
ように固定され、ブロック基板2の裏面部2bには両端近
傍に一対の脚部2cが設けられ、脚部2cの外側には後述す
るように隣接する擁壁用ブロック1を結合固定する固定
突起部2dが外側に突出するように設けられている。な
お、自然石固定用のエキスパンドメタル3は、網状であ
れば鉄筋を縦横に並べたものでもよい。一方、エキスパ
ンドメタル3の上面には自然石4が固定されるが、図2
(a)に示されように自然石4の底部4aには孔部4bを設け、
自然石固定用のアンカーピン5aによる石材固定金具5の
端部5bを孔部4bに結束部材5cとともに挿入し、コンクリ
ートが固まることのよって固着する。この石材固定金具
5は2本の棒状の鋼材のアンカーピン5aを束ねてあり、
他端の先端部5dはT字状に左右に開いている。なお、先
端部5dはT字状でなくとも図2(b)に示すように、矢印
状に左右に開た先端部5eとしてもよく、棒状アンカーピ
ン5aの鋼材を3本あるいはそれ以上を束ねたものにして
もよい。
【0015】そして、自然石4の石材固定金具5は、図3
の擁壁用ブロック1の展開図の図3(a)(c)に示されるよ
うに、エキスパンドメタル3の網目を貫通して、ブロッ
ク基板2に食い込んだ状態でコンクリートで固定されて
いる。ここで、本発明における網状板は、網状の板で自
然石4を支持する強度がなければならないが、図4(a)
に示すようにエキスパンドメタル3が適しており、この
エキスパンドメタル3は、金属板に千鳥状の切れ目を入
れて同時に押し広げ、菱形あるいは亀甲形の網目状に加
工した製品であり、上下方向には大きな幅があるので図
4(b)に示すように、重いおもり3aが載せられても歪み
は少なく、大きな強度を有するものである。この実施例
での擁壁用ブロック1の大きさはW125cm×H80cm×D35cm
であり、自然石5である玉石を適宜配列すればよいが、
図3(b)に示すように不規則に固定したほうが、自然景
観が得られる。また、自然石4の底部4aの位置は一定で
あるので、自然石の表面頂点の高さは自然に近い凹凸を
有しており、大きな起伏を有している。このため、数年
経過すると石と石との間に土砂が堆積し、植物が育成し
てより自然に近い状態にすることができ、更に、十分に
強度を有する擁壁用ブロックとなる。
【0016】次に、前記実施例の擁壁用ブロックの製造
方法を、主に図5〜図7に沿って説明する。 まず、図5に示すように、擁壁用ブロック1の型枠6
を、大きな開口部分6aの擁壁用ブロック1の表面となる
面を上に向けて固定する。 そして、網目状のエキスパンドメタル3を、型枠6の
側面上部の剥ぎ取り、あるいは、切り取り可能な係止部
材6aに固定する。 次に、図6に示すように、ホッパ7から生コンクリー
ト7aを型枠6にエキスパンドメタル3の網目を介して流
し込み、エキスパンドメタル3の表面外枠3bが隠れるま
で生コンクリート7aを投入する。 更に、上述した図2の示す自然石4の底部4aに固着さ
れた石材固定金具5を、図7に示すように、エキスパン
ドメタル3の網目を貫通させて生コンクリート7aに埋ま
るように注入し、自然石4をエキスパンドメタル3上に
固定する。この際、自然石5はエキスパンドメタル3に
より沈むことはなく、しかも、自然に近いように目視し
て確認しながら並べればよい。ただし、余り埋めるとせ
っかくの自然石の良さが損なわれるので、生コンクリー
ト7aの位置はエキスパンドメタル3の上面より2〜3cm
程度上が適当である。 最後に、生コンクリート7aが固まった時点で、係止部
材7aを剥ぎ取り、あるいは切り取り擁壁用ブロック1を
型枠6から取り出す。
【0017】本実施例は、上述したような製造方法であ
るから、従来の擁壁用ブロックの裏面の脚部に当たる型
枠の開口部分からの生コンクリートの打設に比べて、生
産性は2倍以上に向上し、自然石4の配列も表面上部か
ら確認できるので作業効率がよく、特に、従来の製造方
法では石を下方に並べるので表面の高さが一定となる
が、本実施例の製造方法では、上方から自然石を配列す
るので、表面の高さは自然に近い凹凸があり、かつ、大
きな起伏を有するから、数年経過すると石と石との間に
土砂が堆積し、植物が育成してより自然に近い状態にな
る。
【0018】更に、本実施例の擁壁用ブロックの使用方
法を、主に、図8〜図9に沿って説明する。図8および
図9は、擁壁用ブロック1を積みブロックとして施工し
た場合の横断面図であるが、図8において、擁壁用ブロ
ック1が壁面の土砂Aに接して横方向に複数に並べら
れ、これらの擁壁用ブロック1は、隣り合う擁壁用ブロ
ック1におけるブロック基板2の脚部2cの外側と、脚部
2cの外側の突出した固定突起部2dとで形成する空間に
は、鉄筋コンクリート8が挿入されて固定される。図9
は縦断面図であるが、擁壁,護岸の基礎として従来と同
様にクラッシャー基礎a、コンクリート基礎bを施工し、
壁面に裏込材cを施工した後は、適宜箇所に水抜管dを配
設して、擁壁用ブロック1を積み上げていけばよく、現
場作業では最上部に形成された斜行部Bを平らするよう
に、生コンクリートを打設すればよい。
【0019】なお、コンクリート基礎bとして、例え
ば、実公平7-45616号公報等に開示され根固めブロック
や、図10に示すような公知の根固ブロックnを用いて
も良く、この根固ブロックnは重心が低く安定性に優れ
たブロックで、この根固ブロックnの中央に大きな孔n1
が設けてあり、孔n1上方に向けて並べて施工して、根固
めして、揚圧圧力を軽減させ、波の打上高を低減させる
構造になっており、擁壁,護岸で使用する本実施例の擁
壁用ブロック1を施工する際の基礎に好適である。
【0020】本実施例の擁壁用ブロック1で施工した擁
壁,護岸は、河川の上流部の急な法面でも使用可能で、
現場での作業が少なく、熟練者でなくとも施工が短時間
に簡単にでき、自然景観が得られ、かつ、表面も自然石
の大きな起伏が得られるから、数年経過すると石と石と
の間に土砂が堆積し、植物が育成しより自然に近い状態
になる。したがって、治水対策として有効であるばかり
でなく、生態系を壊さず自然保護に寄与する擁壁,護岸
とすることができる。
【0021】[第2実施例]次に、第2実施例の擁壁用ブ
ロック1aを説明する。第2実施例の構成は、第1実施
例のブロック基板2の中央部に貫通孔部9を設けた構成
以外は第1実施例と同じであるので、貫通孔部9につい
ての説明以外は省略する。そこで、貫通孔9についての
構成を図11(a)〜(b)に沿って説明するが、図11(a)
に示される擁壁用ブロック1は、第2実施例のブロック
基板2だけを示したものであり、ブロック基板2の表面
部2aの中央にはW60cm×H40cmの大きさの貫通孔部9が設
けられる。次に、図11(b)に示される擁壁用ブロック1
は、第2実施例のブロック基板2とエキスパンドメタル
3との結合状態を示したものであり、前述した実施例1
における製造方法の〜と同様の方法でブロック基板
2の表面部2aにはメッキ済エキスパンドメタル3が僅か
にコンクリートに埋め込まれように固定されている。そ
して、自然石4をエキスパンドメタル3に固着した第2
実施例の擁壁用ブロック1が図11(c)に示すようなもの
である。
【0022】この自然石4の固定手段は、ブロック基板
2と接する部分については実施例の製造方法と同様の方
法で固定すればよいが、貫通孔部9での自然石5の固定
は、生コンクリートが固まることによる固定手段が採用
できないので、棒状鋼材のアンカーピン5a自体の長さを
短くし、先端部5eのT字状部を長くしてエキスパンドメ
タル3に引っかけるか、場合によっては、アンカーピン
5aとエキスパンドメタル3とを溶接するか、ステンレス
線で結束するか、接着するか、又は、その他適宜の手段
で固定すればよい。
【0023】第2実施例の擁壁用ブロック1は、第1実
施例と同様の製作の容易さや作用を有するが、第1実施
例と同様に自然石の表面の高さは自然に近い凹凸があ
り、かつ、大きな起伏を有するから、数年経過すると石
と石との間に土砂が堆積し、植物が育成してより自然に
近い状態になることに加えて、貫通孔部9にはエキスパ
ンドメタル3の裏面にまで背面の土砂Aが入り込むと同
時に、自然石の空隙部に土砂が充填し緑化構造とするこ
とができ、貫通孔部9の土砂は大きく湿潤状態を保持で
きるため、生物や深根植物の生育も可能となる。ただ
し、第2実施例の擁壁用ブロック1は、より自然状態に
近い擁壁・護岸等にすることが出来るが、第1実施例の
擁壁用ブロック1と比べて、水の流れによって貫通孔部
9から土砂が流れ出す可能性がある。
【0024】したがって、第1・2実施例の擁壁用ブロ
ック1の最適の施工箇所を図12に示して説明すれば、
河川Cの大きな道路Dに接する護岸箇所Eに、第2実施
例の擁壁用ブロック1を使用した場合には、地盤は道路
からの横方向の圧力を受けて、常に土砂が貫通孔部9か
ら流れ出すことがあり、放置すれば護岸が崩れることも
あるので、このような箇所には、貫通孔部9のない第1
実施例の擁壁用ブロック1を用いればよく、逆に、道路
からの横方向の圧力を受けない護岸箇所Fには、より自
然状態に近い護岸となる第2実施例の擁壁用ブロック1
を用いればよい。これらの実施例の擁壁用ブロック1
は、当然のことながら、金網に自然石を固定した護岸用
のマット等とは異なり、ブロックを積み上げるので、河
川上流等の急な斜面の擁壁,護岸等にも用いることがで
きる。
【0025】なお、本発明の特徴を損なうものでなけれ
ば、前述した実施例に限定しないことは勿論であり、護
岸は勿論のこと、通常の深目地ブロックとしても適用で
きる。また、例えば、自然石に代えて、人工的に製造し
た疑似自然石でもよく、エキスパンドメタル3も網状で
自然石4を支えることができれば、エキスパンドメタル
3に代えて鉄筋を縦横に並べて網状にしてもよく、合成
樹脂の網でもよい。また、擁壁用ブロック1の形も、第
1・2実施例は表面が長方形であるが、台形と逆台形の
組み合わせや、6角形の組み合わせや、十字形と長方形
の組み合わせでも良いことは勿論である。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
発明によれば、コンクリート製のブロック基板の表面部
に網状板を埋め込んで網状板をコンクリートで固着し、
自然石あるいは疑似自然石の底部に石材固着具を取り付
け、該石材固着具を網状板の上方より網状板を貫通して
埋め込んで自然石あるいは疑似自然石を網状板上に配列
するとともに、該石材固着具をコンクリートでブロック
基板側に固着した擁壁用ブロックであるから、自然石の
露出度を大きく多くでき、自然石の表面頂部の高さも自
然近い凹凸のある擁壁用ブロックとなるという効果が得
られるとともに、数年経過すると石と石との間に土砂が
堆積し、植物が育成してより自然に近い状態になるとい
う効果が得られ、かつ、ブロック基板への自然石の固定
が強固で確実であり、現場での作業も少なくてすむとい
う効果が得られる。
【0027】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
に記載の擁壁用ブロックにおいて、前記ブロック基板の
表面部における中央には、裏面部まで貫通する所望の面
積を有する貫通孔部を設け、貫通孔部の網状板には自然
石あるいは疑似自然石を結束、溶接、または、接着して
固着したから、請求項1における効果に加え、貫通孔部
の土砂は大きく湿潤状態を保持できるため、生物や深根
植物の生育も可能となり、貫通孔部から植物が植生し、
より自然景観が得られる擁壁用ブロックとなるという効
果が得られる。
【0028】請求項3に記載の発明によれば、ブロック
基板を製造する型枠の表面部の位置に、網状板を仮止め
をした後、型枠に表面部の網状板の上方より生コンクリ
ートを注入し、該生コンクリートが表面部の網状板より
も僅かに上位置になるまで注入し、自然石あるいは疑似
自然石の底部に石材固着具を取り付けるとともに、該石
材固着具を網状板の上方より網状板を貫通して埋め込ん
でコンクリートで固着するか、あるいは、網状板自体に
固着する擁壁用ブロックの製造方法であるから、自然石
の露出度を多くするとともに、自然石の表面頂部の高さ
も自然近い凹凸のある擁壁用ブロックが製造でき、ま
た、ブロック基板への自然石の固定を確実にするととも
に製造が容易であるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の擁壁用ブロック1の斜視
【図2】実施例に用いる加工した自然石の側面図
【図3】図3(a)は第1実施例の擁壁用ブロック1の横
側面図、図3(b)は平面横側面図、図3(c)は縦側面図
【図4】図4(a)は実施例に用いる網状板たるエキスパ
ンドメタル3の斜視図、図4(a)は説明図
【図5】第1実施例の擁壁用ブロック1の製造方法にお
ける最初の段階の説明図
【図6】第1実施例の擁壁用ブロック1の製造方法にお
ける中間段階の説明図
【図7】第1実施例の擁壁用ブロック1の製造方法にお
ける最終段階の説明図
【図8】第1実施例の擁壁用ブロック1を施工した横断
面図
【図9】第1実施例の擁壁用ブロック1を施工した縦断
面図
【図10】第1実施例の施工に用いる根固ブロックの斜
視図
【図11】本発明の第2実施例の擁壁用ブロック1の説
明図
【図12】本発明の第1,2実施例の擁壁用ブロック1
を使用する箇所を説明する説明図
【図13】従来の自然石の外観を有する擁壁,護岸の縦
断面図
【図14】従来の自然石の外観を有する擁壁用ブロック
の説明図である。
【符号の説明】
1…擁壁用ブロック 2…ブロック基板 2a…表面部 2b…裏面部 2c…脚部 2d…固定突起部 3…エキスパンドメタル(網状板) 3a…重り 3b…表面枠体 4…自然石(玉石) 4a…底部 4b…孔部 5…石材固定金具 5a…アンカーピン 5b…端部 5c…結束部材 5d,5e…先端部 6…擁壁用ブロック1の型枠 6a…係止部材 7…ホッパ 7a…生コンクリート 8…鉄筋コンクリート 9…貫通孔部 A…土砂 B…斜行部 C…河川 D…道路 E,F…護岸箇所
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年10月27日(1999.10.
27)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】削除
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1に記載の発明は、コンクリート製のブロ
ック基板の表面部に網状板を埋め込んで網状板をコンク
リートで固着し、自然石あるいは疑似自然石の底部に石
材固着具を取り付け、該石材固着具を網状板の上方より
網状板を貫通して埋め込んで自然石あるいは疑似自然石
を網状板上に配列するとともに、該石材固着具をコンク
リートでブロック基板側に固着し、 前記ブロック基板の
表面部における中央には、裏面部まで貫通する所望の面
積を有する貫通孔部を設け、貫通孔部の網状板には自然
石あるいは疑似自然石を結束、溶接、または、接着して
固着したから、自然石の露出度を多くするとともに、自
然石の表面頂部の高さも自然に近い凹凸のある擁壁用ブ
ロックとなり、ブロック基板への自然石の固定が確実と
なり、貫通孔部から植物が植生し、より自然景観に近い
擁壁用ブロックとなる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】削除
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
発明によれば、コンクリート製のブロック基板の表面部
に網状板を埋め込んで網状板をコンクリートで固着し、
自然石あるいは疑似自然石の底部に石材固着具を取り付
け、該石材固着具を網状板の上方より網状板を貫通して
埋め込んで自然石あるいは疑似自然石を網状板上に配列
するとともに、該石材固着具をコンクリートでブロック
基板側に固着した擁壁用ブロックであるから、自然石の
露出度を大きく多くでき、自然石の表面頂部の高さも自
然近い凹凸のある擁壁用ブロックとなるという効果が得
られるとともに、数年経過すると石と石との間に土砂が
堆積し、植物が育成してより自然に近い状態になるとい
う効果が得られ、かつ、ブロック基板への自然石の固定
が強固で確実であり、現場での作業も少なくてすむとい
う効果が得られ、 ブロック基板の表面部における中央に
は、裏面部まで貫通する所望の面積を有する貫通孔部を
設け、貫通孔部の網状板には自然石あるいは疑似自然石
を結束、溶接、または、接着して固着したから、請求項
1における効果に加え、貫通孔部の土砂は大きく湿潤状
態を保持できるため、生物や深根植物の生育も可能とな
り、貫通孔部から植物が植生し、より自然景観が得られ
る擁壁用ブロックとなるという効果が得られる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コンクリート製のブロック基板の表面部に
    網状板を埋め込んで網状板をコンクリートで固着し、自
    然石あるいは疑似自然石の底部に石材固着具を取り付
    け、該石材固着具を網状板の上方より網状板を貫通して
    埋め込んで自然石あるいは疑似自然石を網状板上に配列
    するとともに、該石材固着具をコンクリートでブロック
    基板側に固着することを特徴とする擁壁用ブロック。
  2. 【請求項2】前記ブロック基板の表面部における中央に
    は、裏面部まで貫通する所望の面積を有する貫通孔部を
    設け、貫通孔部の網状板には自然石あるいは疑似自然石
    を結束、溶接、または、接着して固着したことを特徴と
    する請求項1に記載の擁壁用ブロック。
  3. 【請求項3】ブロック基板を製造する型枠の表面部の位
    置に、網状板を仮止めをした後、型枠に表面部の網状板
    の上方より生コンクリートを注入し、該生コンクリート
    が表面部の網状板よりも僅かに上位置になるまで注入
    し、自然石あるいは疑似自然石の底部に石材固着具を取
    り付けるとともに、該石材固着具を網状板の上方より網
    状板を貫通して埋め込んでコンクリートで固着するか、
    あるいは、網状板自体に固着することを特徴とする擁壁
    用ブロックの製造方法。
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JP2006231663A (ja) * 2005-02-24 2006-09-07 Mitani Sekisan Co Ltd 石材埋設型ブロックの製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006231663A (ja) * 2005-02-24 2006-09-07 Mitani Sekisan Co Ltd 石材埋設型ブロックの製造方法
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