JP4220613B2 - 法面、壁面、岸面等の保護緑化構造 - Google Patents

法面、壁面、岸面等の保護緑化構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、法面、壁面、岸面等の緑化構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
岩盤法面、コンクリート・モルタル吹付法面、擁壁やダム等のコンクリート構造物の壁面等は、景観保全上の問題が多いため、植生による保護・緑化の導入が考えられている。特開平4−213625号公報には、鉄筋格子製の傾斜した前壁部と水平な底壁部とからなる格子枠柵を法面の前方に設置するとともに、格子枠柵の底壁部の下から法面の近くにまで略平らに強化シートを敷き、格子枠柵の前壁部の後面と底壁部の上面とに緑化用シートを敷き、格子枠柵と法面との間に充填材としての盛土材を充填し、これらの工程を下から上へ繰り返して多段に構築した法面の保護構造が開示されている。この保護構造は、急勾配でも施工でき、施工効率が良い等の優れた点を持っている。特に強化シートは、底壁部を越えて盛土材中に広がり、格子枠柵を盛土材に係留するとともに、盛土材を安定化させる作用を奏する。このため、底壁部を短くすることができ、格子枠柵の運搬が容易となる。
【0003】
しかし、前記の通り、強化シートは底壁部の下から法面の近くにまで略平らに敷かれ、盛土材は該強化シートの上に載っていただけなので、強化シートと盛土材との一体性が必ずしも完全ではなかった。このため、施工後に土圧を受け続けると、強化シートが動かない場合でも、盛土材の一部は正面側にずれて動く可能性があり、この盛土材の動きにより多数の格子枠柵のうちの一部が正面側に押し出され、斜面の一部がいびつになることがあった。
【0004】
また、特開平6−294132号公報には、盛土材の正面に形成された法面に、両端の開口した筒体に多数の透孔を形成してなる植生部材を装着した法面の保護緑化構造が開示されている。この植生部材の内部の土には、緑化用植物の種、苗又は挿し木が植え付けられ又は植栽されている。
【0005】
しかし、この植生部材を装着するには、そのための穴を盛土材の正面に形成された法面に予め設けておく必要があり、保護緑化構造の構築作業に手間が掛かるという問題がある。
【0006】
そこで、本発明の第一の目的は、強化シートと充填材との一体性を高めて、充填材を動かないように安定化させ、斜面の歪みを防止することができる法面、壁面、岸面等の保護緑化構造を提供することにある。
【0007】
また、本発明の第二の目的は、保護緑化構造の構築作業の手間を省くことができる法面、壁面、岸面等の保護緑化構造又は植生部材を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の法面、壁面、岸面等の保護緑化構造は、法面、壁面、岸面等の保護緑化対象面の前方に敷設された強化シートと、該強化シート上に盛られた充填材とにより一段が構成され、該段が下から上へと積まれることにより多段に構築された法面、壁面、岸面等の保護緑化構造において、前記強化シートの前端側及び後端側の両方に保護緑化対象面の幅方向に延びる掛止体が係着され、該掛止体が強化シートの前端側及び後端側の両方に位置する充填材に埋設状態で面当たりして掛止することを特徴としている。
【0009】
前記段は、鉄筋格子製の傾斜した前壁部と水平な底壁部とからなる格子枠柵を備え、該格子枠柵は法面、壁面、岸面等の保護緑化対象面の前方に設置され、前記充填材は該格子枠柵と保護緑化対象面との間に充填された態様を例示できる。
【0010】
ここで、保護緑化対象面は、特に限定されず、次のものを例示できる。
(A1) 法面;岩盤法面、コンクリート・モルタル吹付法面、切土法面、盛土法面等を例示できる。
(A2) 壁面;擁壁やダム等のコンクリート構造物の壁面を例示できる。
(A3) 岸面;河川、人工運河等の水路、池、湖等の岸面を例示でき、岸面の状態は、現地の地山でも、既に構築されたコンクリート護岸でもよい。
これらの保護緑化対象面の水平に対する傾斜角は、特に限定されず、例えば10度位の緩斜面から80度位の急斜面まで対応できる。特に岸面の場合は、15〜60度位が好ましい。
【0011】
強化シートは、充填材及び格子枠柵の安定化機能を果たすものであり、特に限定されないが、次のものを例示できる。
(B1) 繊維材料よりなるジオテキスタイル;編物、織布、不織布、これらの組合せ等を例示でき、好ましくは、厚手で高強度の不織布である。
(B2) 非繊維材料よりなるジオテキスタイル関連製品;押出された樹脂ストランドを網目状に融着させてなるジオネット、孔あき樹脂シートを延伸成形してなるジオグリッド等を例示でき、好ましくは、延伸成形により強度が増すジオグリッドである。ジオグリッドには一軸延伸と二軸延伸とがある。
これらの強化シートは、各段に配設してもよいが、間引いて(例えば一段おきに)配設してもよい。
【0012】
充填材としては、特に限定されないが、次のものを例示できる。
(C1) 栗石; 栗石の寸法は、特に限定されず、大型の破砕岩石から2〜75mm程度の礫まで含む。
(C2) 盛土材; 盛土材は土のみでもよいが、岩石が混合された土や、さらにクリンカアッシュ、フライアッシュ、アスファルト廃材等が混合されたものでもよい。盛土材は、施工現場の土が好ましいが、他所から運んだ土でもよい。
(C3) 格子枠柵寄りに充填された栗石と、保護緑化対象面寄りに充填された盛土材とからなる充填材。
【0013】
上記(C1)又は(C3)の栗石に、植生土が混合されることが好ましい。栗石・植生土混合層を植生基盤として働かせるためである。栗石・植生土混合層を作る方法としては、スラリー状にした植生土を栗石に流し込む方法や、水きめ法等を例示できる。植生土の土は、特に限定されない。
【0014】
止体を強化シートに係着する態様としては、特に限定されないが、次のものを例示できる。
(D1) 強化シートの前端部又は後端部が折り返され掛止体に被せられた態様。
(D2) 前記(D1)の強化シートが掛止体ごとさらに折り返された態様。
(D3) 前記(D1)又は(D2)において、強化シートの折り返されて多重になった部分に掛止体に寄せて別の掛止体を設けた態様。
(D4) 強化シートが該掛止体に巻き付けられた態様。
(D5) 強化シートに両端の閉じた複数本の切り込みが並列形成され、掛止体が複数本の切り込みに挿通された態様。強化シートの強度が不足する場合には、強化シートを折り返して二重部を形成し、該二重部に切り込みを形成することができる。
(D6) 前記(D5)の強化シートが掛止体ごと折り返された態様。
(D7) 保護緑化対象面の高さ方向に延びる係止部材により係着された態様。
【0015】
強化シートの前端側及び後端側は、保護緑化対象面の高さ方向に延びる係止部材により充填材に係止されることが好ましい。また、強化シートの前端側は、保護緑化対象面の高さ方向に延びる係止部材により格子枠柵の底壁部に係止されることが好ましい。
【0016】
係止部材としては、特に限定されないが、係止対象物同士(強化シートと、充填材、掛止体又は格子枠柵との任意の組み合わせ)の両方に係合する杭や、係止対象物同士を接合するステープルや、係止対象物同士をくくり付けるワイヤ等を例示できる。さらに、強化シートの端部を保護緑化対象面に固定することもでき、この場合の強化シートは次のアンカーと同様の作用を奏する。その固定手段は、特に限定されないが、保護緑化対象面に取り付けたアンカー等を例示できる。アンカーの形状や長さは、保護緑化対象面に応じて適宜決定できる。
【0017】
掛止体としては、特に限定されないが、長手剛体であることが好ましい。長手剛体の形態としては、特に限定されず、中実棒や中空パイプを例示できる。中空パイプの中には、土石や水等を入れてもよく、また、その内壁面と外壁面とを連通する連通穴を備えた排水性パイプとすることもできる。長手剛体の断面形状としては、特に限定されず、円形、三角形や矩形等の多角形、星形、H字形、T字形、コ字形等を例示できる。また、長手剛体の材質としては、特に限定されず、木、樹脂、コンクリート、金属等を例示できる。材質を木にするときは、施工現場の付近で伐採された間伐材を使用することが資源の有効利用という観点から好ましいが、他所から運んできた間伐材でもよい。
【0018】
掛止体は、保護緑化対象面の幅方向に延びる2本の横辺部と、該横辺部間を連結する連結部とを備えた枠状体であってもよい。枠状体の形態としては、特に限定されず、複数の四角枠を並列配置して枠状体としたものや、梯子状のものを例示できる。
【0019】
掛止体は、各強化シートの略幅全体に渡る長さを備えているものが好ましいが、そうでない場合は複数個の掛止体を強化シートの幅方向(保護緑化対象面の幅方向)に一列に並べて設けることが好ましい。このとき、掛止体同士を連ねて設けることが好ましいが、適宜間隔を置いて設けるようにしてもよい。
【0020】
格子枠柵の前壁部の前側、後側又は前後両側に植生土嚢を添設することもできる。また、植生土嚢と充填材との間であって前壁部の後側に、水の流通を止める止水部材が介在されることが好ましい。止水部材としては、特に限定されないが、次のものを例示できる。
(E1) 袋に土が入れられてなる止水土嚢。
(E2) シートに土がくるまれてなるもの。この土に栗石を加えてもよい。
これらの止水部材に使用する土は、特に限定されない。
【0021】
植生土嚢は、前壁部の前側、後側又は前後両側のいずれに添設されてもよいが、保護緑化対象面が河川等の流水に晒される岸面である場合には、前壁部の前側のみに添設されることが好ましい。岸面における植生土嚢は、流水侵食による流亡のおそれがあるため、植生が定着するまでの一時的なものとして捉える必要がある。いずれ流亡するものとするならば、前壁部の前側のみにあった方が、前壁部の後側の構造が壊れない点で好ましいといえる。
【0022】
植生土嚢の袋は、特に限定されず、天然繊維製又は合成繊維製の編物、織布、不織布等よりなる袋や、合成樹脂シートよりなる袋や、生分解性材料よりなる袋を例示できる。植生土嚢は、前壁部(特にその前側)に添設しやすくするために、偏平な袋を使用して偏平に形成することが好ましい。偏平な植生土嚢は、一重に添設することも二重に添設することもできる。また、偏平な袋の内部で土が自重により下方に偏らないようにするため、偏平な袋の前面と後面とを要所でキルティング状に縫い付けることが好ましい。
【0023】
植生土嚢に使用する土は、特に限定されないが、肥えた土が好ましく、さらに肥料、土壌改良剤、保水剤、人工土壌又はこれらの組合わせが添加されることが好ましい。
【0024】
植生土嚢を前壁部(特にその前側)に添設する手段としては、特に限定されないが、次の態様を例示できる。
(F1) 植生土嚢の袋に設けた取付孔を、前壁部の鉄筋格子に対し直接引掛けて取り付ける態様。
(F2) 植生土嚢の袋に設けた取付孔を、前壁部の鉄筋格子に対し取付具を介して取り付ける態様。(F1)(F2)の取付孔はハトメ金具等で強化することが好ましい。
(F3) 植生土嚢を、前壁部に設けたフックに引っ掛けたり突き刺したりして取り付ける態様。
(F4) 植生土嚢を、前壁部に対しワイヤ等で結び付けて取り付ける態様。
(F5) 植生土嚢を、前壁部の後側の止水部材、充填材、川底等に対し杭を打ち込むことによって固定する態様。
【0025】
植生土嚢に、緑化用植物の種子、苗又は挿し木が植え付けられることが好ましい。水辺に適した緑化用植物としては、アサザ、アヤメ、イグサ、オモダカ、カキツバタ、ガマ、ギボウシ、コウホネ、コガマ、カンスゲ、サギソウ、サワギキョウ、シベラス、シマカンスゲ、シマフトイ、ショウブ、スイレン、セキショウ、セリ、ハス、ハナショウブ、ヒツジグサ、フトイ、ミズバショウ、ミソハギ、トクサ、ニッコウキスゲ、ユキノシタ、ホテイアオイ、キショウブ、ウォーターポピー、ウメバチソウ、オオバナエンレイソウ、クリンソウ、コウヤボウキ、ジュズダマ、ショウジョバカマ、チョウジソウ、ドクダミ、ヌマトラノオ、ネコヤナギ、ノジギク、ベニチガヤ、ヨシ、オランダガラシ、カンガレイ、サンカクイ、ヘラオモダカ、ミズカンナ、クワイ、ザゼンソウ、マコモ、ミズトラノオ、ミツガシワ、ミクリ、ジュンサイ、ヒシ、トチカガミ、ヒルムシロ、エビモ、クロモ、セキショウモ等を例示できる。
【0026】
緑化用植物は、根が長く(例えば30cm以上に)成長するものであることが好ましい。緑化用植物を植生土嚢から充填材にまで侵入させて、恒久的な植生を定着させるためである。
【0027】
また、特に岸面に関しては、格子枠柵の前壁部の前側、後側又は前後両側に添設されて充填材及び岸面の流水による洗掘を防ぐ洗掘防止部材を備えるようにすることが好ましい。
【0028】
洗掘防止部材は、特に限定されないが、次のものを例示できる。
(G1) 上記植生土嚢
(G2) 上記止水部材
(G3) 上記緑化用シート
(G4) 金網製かごに岩石を詰めてなる蛇かご
【0029】
また、本発明の法面、壁面、岸面等の保護緑化構造は、筒壁、半割筒壁又はチャンネル壁を有し、その一端側が略尖形に形成された植生部材を、法面の充填材に装着し又は法面の強化シートの上若しくは下に設置し又は法面の強化シートを貫通させて設置し、前記植生部材の内部又は近傍に緑化用植物の種、苗又は挿し木を植え付け又は植栽してなる構成とした。ここで、前記一端側は、緑化用植物の主根の成長を妨げないようにするために、その先端を開口させることもできる。
【0030】
また、本発明の植生部材は、法面に配設される植生部材において、筒壁、半割筒壁又はチャンネル壁を有し、その一端側が略尖形に形成されたことを特徴としている。
【0031】
以上において、植生部材の法面に対する装着角度又は強化シートへの設置角度は、水平乃至鉛直の範囲で決定するのが一般的であるが、水平より手前が下がる角度にしたり、鉛直より法面に平行に近づく角度にしたりすることも可能である。
【0032】
また、植生部材の長さは、伸長方向をどの程度コントロールするかにより異なり、特に限定されないが、100〜1000mmが一般的である。植生部材の内径は、植え付ける緑化用植物の種類により異なり、特に限定されないが、20〜150mmが一般的である。
【0033】
前記筒壁、半割筒壁又はチャンネル壁に複数の透孔が形成されていることが好ましい。ここで、透孔は、植生部材の壁の略全長・全周に対し均一又は不均一に分散するように形成するのが一般的であるが、壁の一部に偏在するように形成することもできる。
【0034】
前記筒壁、半割筒壁又はチャンネル壁が土中で次第に崩壊する材料により形成されていることが好ましい。ここで、「土中で次第に崩壊する材料」としては、紙(数ヵ月〜2年位で腐るものがよい)や、結合剤で固めた土又は砂(数ヵ月〜1年位で分解するものがよい)や、腐蝕しやすい金属又は合金(植物の成長に悪影響を与えないものがよい)や、デンプン系化合物(数ヵ月で腐るものがよい)や、蛋白質系化合物(数ヵ月で腐るものがよい)や、生分解性合成樹脂(数ヵ月で分解するものがよい)等を例示することができる。もっとも、根系があまり太く成長しない緑化用植物を植え付ける場合等には、筒壁等を塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、その他の崩壊しない材料で形成することもできる。
【0035】
【発明の実施の形態】
《第一実施形態》
図1〜図9は本発明の第一実施形態に係る岩盤法面の保護緑化構造を示し、同保護緑化構造は以下の工程で構築されている。なお、岩盤法面1は例えば約60度の急斜面である。
【0036】
[格子枠柵の設置工程] 岩盤法面1の下端前方の用地2に必要数の格子枠柵5を横に並べて設置する。図1及び図2に示すように、格子枠柵5は傾斜した前壁部6と水平な底壁部7とを備え、製造方法の一例としては、鉄筋を縦横格子状に溶接(具体的にはアーク溶接による溶着)してなる鉄筋格子をその中央部で折曲して形成される。前壁部6の上端と底壁部7の後端との間をフック付き連結棒等で連結してもよい。格子枠柵5の前壁部6と岩盤法面1との間隔は、特に限定されず、本実施形態では例えば約2000〜5000mmである。
【0037】
本実施形態において使用した格子枠柵5の寸法等は次の通りであるが、例示にすぎず、この寸法等は施工現場に応じて適宜変更されるものである。
前壁部6が底壁部7となす傾斜角: 約60度
前壁部6の傾斜長: 約600mm
底壁部7の奥行: 約600mm
前壁部6及び底壁部7の左右長: 約2600mm
鉄筋の直径: 約10mm
鉄筋格子の格子ピッチ: 100〜300mm
【0038】
[強化シート敷設工程] 図1及び図2に示すように、岩盤法面1の下端前方の用地2から前壁部6の直ぐ後ろにかけて強化シート3を敷く。このとき、強化シート3の前端側(前壁部6側)及び後端側(岩盤法面1側)を少し余らせておく。次いで、前壁部6の後方と、岩盤法面1の前方との強化シート3上にそれぞれ岩盤法面1の幅方向に向けた必要数の掛止体としての長手剛体12を横一列に載置する。次いで、余らせておいた強化シート3の前端側及び後端側をそれぞれ折り返して長手剛体12に被せることにより長手剛体12を強化シート3に係着する。この強化シート3の折り返し部分の長さを長くするほど強化シート3の引き抜きに対する抵抗力を増大させることができる。さらに、強化シート3の前端側及び後端側の折り返して2重になった部分に岩盤法面1の高さ方向に延びる係止部材としての杭15を打ち込むことにより、強化シート3から長手剛体12が外れないようにするとともに、強化シート3を盛土材9に係止している。強化シート3の前端側の杭15は、格子枠柵5の底壁部7にも係合するように打ち込まれており、これにより強化シート3を格子枠柵5に係止している。
【0039】
ここで、強化シート3に長手剛体12を係着する態様は、例示であって特に限定されず、例えば、以下のように適宜変更することができる。なお、以下の態様において、岩盤法面1の高さ方向に延びる係止部材(以下、単に係止部材という。)は適宜変更したり省いたりすることができる。
(1)図3に示すように、強化シート3を長手剛体12に巻き付けること。さらに、同図に示すように係止部材としての逆L字状の杭20を使用し、その胴部で長手剛体12の側方への移動を規制するとともに、その頭部で強化シート3が巻き付けられた長手剛体12を押えつけ、強化シート3から長手剛体が外れないようにすることを例示できる。
【0040】
(2)図4に示すように、図2の態様から強化シート3をさらに長手剛体12ごと折り返すこと。さらに、図4に示すようにドリル等の穿孔手段で強化シート3の上から長手剛体12に上下方向の貫通穴19を設け、該貫通穴19に係止部材としての棒状の杭15を打ち込むことを例示できる。
【0041】
(3)図5に示すように、図2の態様において、第一長手剛体12aに寄せて第二長手剛体12bを載置すること。こうすると、盛土材9の土圧により両長手剛体12a,12bが互いに押しつけられ、両者の間を通る強化シート3を挟持するため、強化シート3から第一長手剛体12aがより外れ難くなる。さらに、図5に示すように係止部材としての逆L字状の杭20を使用し、その胴部で第二長手剛体12bの前方への移動を規制するとともに、その頭部で第二長手剛体12bを押えつけることにより、第二長手剛体12bが強化シート3から外れないようにすることを例示できる。これに加え、同図に示すように図2における係止部材として杭15に代え逆U字状の杭21を使用することを例示できる。
【0042】
(4)図6に示すように、図5の態様から強化シート3をさらに長手剛体12a、12bごと折り返すこと。さらに、図4と同様に各長手剛体12に貫通穴19を設け、該貫通穴19に係止部材としての棒状の杭15と逆U字状の杭21とを打ち込むことを例示できる。
【0043】
(5)図7に示すように、図6の態様から強化シート3をさらに長手剛体12a、12bごと折り返すこと。これを繰り返すことにより適宜多重に巻き付けることができる。さらに、図7に示すように係止部材としての三又の杭22の各股部で各長手剛体12を位置決めすることを例示できる。
【0044】
(6)図8に示すように、強化シート3の上に長手剛体12を載置し、図4と同様に各長手剛体12に貫通穴19を設け、該貫通穴19に係止部材としての棒状の杭15を打ち込むこと。
【0045】
長手剛体12は、特定の形態・断面形状・材質等に限定されないが、図9に示すものを例示できる。図9(a)は、施工現場の付近で伐採された間伐材を示している。図9(b)は、中空パイプを示している。図9(c)は、内壁面と外壁面とを連通する連通穴13を備えた排水性パイプを示しており、このパイプによれば、強化シート3の排水機能をより向上させることができる。図9(d)は、四角柱を示している。図9(e)は、底壁と一対の側壁とよりなるチャネル壁を備えた態様を示している。
【0046】
強化シート3は、特定の素材に限定されず、厚手の不織布、織布、ネット等を例示できる。
【0047】
[緑化用シート敷設工程] 図1及び図2に二点鎖線で示すように、格子枠柵5の前壁部6の後面と強化シート3の前端側の上面とに、目のやや粗い緑化用シート8を敷く。緑化用シート8の上端を少し余らせて、前壁部6の前面に一時的に垂らしておくとよい(図示略)。なお、同図に実線で示すように、緑化用シート8は格子枠柵5の底壁部7の上面に敷くこともできる。この場合には、強化シート敷設工程の前に緑化用シート敷設工程を行うことになる。緑化用シート8は、特定の素材に限定されず、織布、不織布等を例示できる。
【0048】
[盛土材充填工程] 格子枠柵5の前壁部6の後面と岩盤法面1との間に、充填材としての施工現場の土による盛土材9を、前壁部6の上端高さの4分の1から2分の1の高さ位置まで充填する。この盛土材9を衝撃ローラー等で転圧して締め固める。この作業を二〜四段繰り返して、前壁部6の上端高さ位置まで盛土材9を充填する。余らせておいた前記緑化用シート8の上端を盛土材9の上面に被せる。最上部の鉄筋の端部を後方に折り曲げ、この緑化用シート8の上端を押さえ付けてもよい。これで一段目が形成される。
【0049】
[多段繰り返し工程] 盛土材9の上面に対し、上記の格子枠柵の設置工程、強化シート敷設工程、緑化用シート敷設工程及び盛土材充填工程を行なって、二段目を形成する。必要に応じた数だけこの作業を下から上へ繰り返せば、所望の複数段に構築することができる。最上段の格子枠柵5では、前壁部6の縦鉄筋の上端を後側下方へ折り曲げて仕上げる(図示略)。
【0050】
[吹付層形成工程等] 前壁部6及び前壁部6を通して現れる緑化用シート8の前面に、人工土壌及び種子を含む吹付層16を吹付形成する。本実施形態では、厚さ約60mmの吹付層16を形成した。
【0051】
[植生部材装着工程] 吹付層16及び盛土材9に多数の植生部材25を所要の角度で打込んだり差込んだりして装着する。吹付層16(又は盛土材9)の正面に形成された法面に植生部材25をどのように配設するかは特に限定されないが、景観を良くするためには規則的に配設することが好ましく、例えば、交互に斜めに交差させた線の各交点の位置に規則的に配設することを例示できる。
【0052】
植生部材25は土中で次第に崩壊する材料としての生分解性材料により形成され、一端側が緑化用植物18の植え付け用に開口し、他端側が吹付層16及び盛土材9に打込んだり差込んだりして装着し易いように略尖形に形成された筒体である。植生部材25の筒壁には略全長・全周にわたって分散する多数の透孔27が形成されている。この透孔27は省略することもできる。生分解性材料としては、前に例示したものを使用でき、ここではデンプンとポリエステル樹脂とのブレンドが使用されている。図示例の植生部材25は、その略尖形の端部を除いた筒体の内径が約30mm、その長さが約200mmである。植生部材25の内径は、植え付ける緑化用植物18の種類により異なり、特に限定されないが、20〜150mmが好ましく、20mm〜50mmであればさらに好ましい。植生部材25の長さは、伸長方向をどの程度コントロールするかにより異なり、特に限定されないが、100〜1000mmが好ましく、100〜300mmであればさらに好ましい。植生部材25の装着角度は、水平ないし水平に対して80度の範囲内で色々に設定できる。なお、植生部材25は、筒壁を有するものに限定されず、半割筒壁又はチャンネル壁を有したものでもよい。
【0053】
植生部材25の内部の土に、緑化用植物18を種、苗又は挿し木の状態で植え付け又は植栽する。緑化用植物18の種類は、特に限定されず、ムクゲ、サルスベリ、ヤナギ、ドロノキ、ツツジ、ウツゲ、イヌガヤ、タイミンチク、カンノンチク、ネコヤナギ、マツ、スギ、ヒノキ、ヤシャブシ、ブナ、サルスベリ、ポプラ等を例示できる。植生部材25の内部の深所に肥料、土壌改良剤、成形剤等の機能剤を土と混合して装填し、緑化用植物18の成長の促進を図ることが好ましい。
【0054】
以上の工法で構築された岩盤法面1の保護緑化構造によれば、格子枠柵5を使用したことにより、▲1▼急勾配でも施工できる、▲2▼施工に重機を必要とせず、人力作業が可能であり、▲3▼施工が簡単で、多くの人手を要しない、▲4▼施工性が良く、工期を短縮できる、▲5▼カーブした岩盤法面1にも容易に対応できる、▲6▼現場の土を盛土材9として利用できる等の多くの効果が得られる。
【0055】
また、強化シート3の前端側及び後端側に岩盤法面1の幅方向に延びる掛止体としての長手剛体12を係着したので、該長手剛体12が盛土材9に面当たりして掛止する。このため、強化シート3の盛土材9からの引き抜きに対する抵抗力を増大させ、両者の一体性を向上させる。従って、盛土材9の奥行きを小さくしても、強化シート3が盛土材9を拘束してその崩れを防止する。そして、岩盤法面1の下端のすぐ前方に側溝、道路、所有地境界等があって、用地2の幅が狭い場合でも、簡単に施工することができる。また、施工後に土圧を受け続けても、盛土材9の一部が正面側にずれて動き、多数の格子枠柵5のうちの一部が正面側に押し出されて、斜面の一部がいびつになるという問題が生じ難くなる。
【0056】
また、長手剛体12を係着する杭15,20,21又は22は、強化シート3を盛土材9に係止する係止部材としても作用するため、強化シート3と盛土材9との一体性をさらに向上させることができる。
【0057】
また、長手剛体12として施工現場の付近で伐採された間伐材を使用すれば、資源の有効利用を図ることができる。
【0058】
また、種子及び人工土壌を含む吹付層16を吹付形成したことにより、単に緑化用シートに種子を内蔵した場合と比べて、種子の発芽性及び成長性が良く、洋芝等の種子の発芽による1次植生を短期間で達成することができる。その後は、木本植物が成長する。
【0059】
また、植生部材25は、先端側が略尖形に形成されているので、従来とは異なり、植生部材25を装着するための穴を吹付層16(又は盛土材9)の正面に形成された法面に予め設けておかなくても、吹付層16及び盛土材9に打込んだり差込んだりして装着することができる。従って、保護緑化構造の構築作業の手間を省くことができる。
【0060】
そして、植生部材25によれば、緑化用植物18の根系の周囲をなす土壌のエロージョンを防止して、根系の伸長を促すとともに、根系の伸長方向を人為的に自由にコントロールし、法面中に根を這わせる等して、法面の安定や表層土の保全に好ましい根系形態を造成することができる。
【0061】
また、植生部材25は多数の透孔27を備えているので、水分や空気の流通を良くして根系の伸長を促すことができ、植生部材25による根系の伸長の妨げをなくすこともできる。
【0062】
さらに、植生部材25は生分解性材料よりなり、構築後数ヶ月〜数年経過すると崩壊するため、主根が太く成長する緑化用植物18を植え付け又は植栽した場合でも、その成長が植生部材25により妨げられる心配が無い。
【0063】
《第二実施形態》
次に、図10は、第二実施形態に係る岩盤法面1の保護緑化構造を示しており、格子枠柵の設置工程と強化シート敷設工程との順を逆にするとともに、強化シート3前端側の長手剛体12を省いた点と、係止部材としての逆L字状の杭20で長手剛体12を強化シート3及び盛土材9に係止した点とにおいてのみ第一実施形態と相違している。このように強化シート敷設工程を先に行っているので、格子枠柵5の底壁部7の下に強化シート3が敷かれている。
【0064】
本実施形態によれば、第一実施形態の効果に加え、格子枠柵5の底壁部7の下に強化シート3が敷かれているので格子枠柵5がより安定するという効果を得ることができる。
【0065】
《第三実施形態》
次に、図11は、第三実施形態に係る岩盤法面1の保護緑化構造を示しており、各段の格子枠柵5を省くとともに、該各段の盛土材9を包むように断面略ロ字状に強化シート3を配設した点と、強化シート3と長手剛体12との結合態様を変更した点とにおいてのみ第一実施形態と相違している。
【0066】
強化シート3は、該各段の段底面の前端部から敷き始め、保護対象面としての岩盤法面1、段上面及び段前面を経て段底面の前端部まで断面略ロ字状に配設されている。段底面の後端部には強化シート3上に、必要数の長手剛体12が横一列に載置されている。また、強化シート3の端部が重なっている部分の上に必要数の第一長手剛体12aを横一列に設けるとともに、段の前面側から強化シート3の段前面を経た端側を第一長手剛体12aとの間で挟む必要数の第二長手剛体12bを横一列に設けている。
【0067】
なお、強化シート3の段上面の部分には、前後方向に延びる長孔(図示略)が設けられており、該長孔から投入されることにより各段に盛土材9が充填されている。
【0068】
本実施形態によれば、第一実施形態の効果に加え、盛土材9が強化シート3で包まれているので、盛土材9を拘束することができ、保護緑化構造の前面の歪みを防止することができる。
【0069】
強化シート3の端部が重なっている部分の上に第一長手剛体12aを設けているので、盛土材9の土圧によって第一長手剛体12aが該重なっている部分を押圧する。このため、強化シート3の端部同士が結合され、盛土材9をしっかりと拘束することができる。
【0070】
また、段の前面側から強化シート3の段前面を経た端側を第一長手剛体12aとの間で挟む第二長手剛体12bを設けているので、強化シート3の段前面を経た端側及び第一長手剛体12aが段の前面側に外れ難くなっている。このため、盛土材9をよりしっかりと拘束することができる。
【0071】
《第四実施形態》
次に、図12は、第四実施形態に係る岩盤法面1の保護緑化構造を示しており、強化シート3の段底面前部における長手剛体12と強化シート3との結合方法のみが第三実施形態と異なっている。
【0072】
本実施形態では、強化シート3の段前面を経た端側は、段の後側に向けて強化シート3の他端側に重ねられており、該重なっている部分の上に第一長手剛体12aが設けられている。そして、段の正面側かつ強化シート3の上から第一長手剛体12aの後側に第二長手剛体12bが設けられている。本実施形態によっても第三実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0073】
《第五実施形態》
次に、図13は、第五実施形態に係る岩盤法面1の保護緑化構造を示しており、強化シート3の配設態様を変更した点と、第一実施形態のように吹付層16及び盛土材9に多数の植生部材25を装着している点とにおいてのみ第三実施形態と相違している。
【0074】
本実施形態では、各段を包む強化シート3は、その端部同士が段上面の後端部において結合されている。具体的には、まず、強化シート3の岩盤法面1を経た端側を段上面に被せ、この上から、強化シート3の段前面を経た端側を被せる。次いで、強化シート3の両端側が重なっている部分の前側に必要数の第一長手剛体12aを横一列に設ける。次いで、強化シート3の段前面を経た端側をめくり上げておき、ここに該端側を第一長手剛体12aとの間で挟むように必要数の第二長手剛体12bを横一列に設ける。こうして、強化シート3の端部同士が結合されている。
【0075】
なお、強化シート3の端部同士を結合する態様は、適宜変更することができ、例えば次の態様を例示できる。
(1)図14(a)に示す態様にすること。この態様では、まず、強化シート3の段前面を経た端側を段上面に被せ、この上から、強化シート3の岩盤法面1を経た端側を被せる。次いで、強化シート3の両端側が重なっている部分の後側に必要数の第一長手剛体12aを横一列に設ける。次いで、強化シート3の保護対象面1を経た端側をめくり上げておき、ここに該端側を第一長手剛体12aとの間で挟むように必要数の第二長手剛体12bを横一列に設ける。
【0076】
(2)図14(b)に示す態様にすること。この態様では、強化シート3の両端側を重ねるところまでは上記(1)と同様である。そして、強化シート3の両端側が重なっている部分の略中間に必要数の第一長手剛体12aを横一列に設ける。強化シート3の岩盤法面1を経た端側を折り返して長手剛体12aに被せることにより長手剛体12aを強化シート3に係着する。次いで、第一長手剛体12aの後側から第一長手剛体12aに寄せて第二長手剛体12bを載置する。
【0077】
(3)図14(c)に示す態様にすること。この態様では、強化シート3の両端側を上記(2)とは逆に重ね合わせている。そして、強化シート3の両端側が重なっている部分の略中間に必要数の第一長手剛体12aを横一列に設ける。強化シート3の段前面を経た端側を折り返して長手剛体12aに被せることにより長手剛体12aを強化シート3に係着する。次いで、第一長手剛体12aの前側から第一長手剛体12aに寄せて第二長手剛体12bを載置する。
【0078】
本実施形態によっても第三実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0079】
《第六実施形態》
次に、図15は、第六実施形態に係る岸面の保護緑化構造を示しており、次の点においてのみ第二実施形態と相違している。
【0080】
▲1▼ 前記岩盤法面1に代えて河川40の岸面41に適用した点。
▲2▼ 前記吹付層16を省いた点。
【0081】
▲3▼ 格子枠柵5の鉄筋には、防錆用の溶融亜鉛メッキが施されているとともに、前壁部6の上端と底壁部7の後端との間をフック付き連結棒5aで連結した点。
▲4▼ 洗掘防止部材でもある植生土嚢17を格子枠柵5の前壁部6の前側に添設固定した点。
【0082】
▲5▼ 充填材としての盛土材9が、施工現場の土とクリンカアッシュとを混合したものである点。
▲6▼ 前壁部6の後側に止水土嚢10を添設した点。
止水土嚢10は、織布よりなる透水性の袋に盛土材9を入れてなるもので、複数個を縦に積む。該複数個を緑化用シート8でくるむと、止水土嚢10全体が一体化して強度が増加する。このため、止水土嚢10が個々に動いて前後にずれることがなく、前壁部6を歪ませたり格子枠柵5を崩落させたりする不具合を防止することができる。
▲7▼ 保護対象面としての岸面41に不透水性シート4を敷設した点。
【0083】
なお、42は水面を指しており、下部の数段の格子枠柵5が水面下に浸るように構築されている。この岸面41の保護緑化構造は、一段目(又は一段目〜数段目)が河川の水面42の下に浸った状態となって使用される。
【0084】
本実施形態によれば、第二実施形態の効果に加え、岸面41の保護(護岸)のみならず、岸面41の緑化を図ることができる。詳しくは、植生土嚢17が緑化用植物の初期の成長に役立ち、緑化用植物の根が植生土嚢17から盛土材9にまで成長すれば恒久的な植生が定着する。
【0085】
また、植生土嚢17は洗掘防止部材でもあり、河川の流水による盛土材9及び岸面41の洗掘・流出を防止する。
【0086】
《第七実施形態》
次に、図18〜図22は、第七実施形態に係る岩盤法面1の保護緑化構造を示しており、強化シート敷設工程の前に緑化用シート敷設工程を行い、強化シート3の態様を変更するとともに、強化シート3に長手剛体12を係着する態様を変更した点においてのみ第一実施形態と相違する。従って、第一実施形態と共通する部分については図18〜図22に第一実施形態と同一符号を付して説明を省略する。
【0087】
本実施形態の強化シート3は、図19に示すように、前端部30と後端部31とに、前後(同図における上下)方向に延びるとともに前後両端の閉じた4本の切り込み32が並列形成されている。なお、強化シート3は前後対称であって前後を入れ替えて使用することができる。
【0088】
切り込み32の長さは特に限定されず、開いた時の外周が長手剛体12の外周より大きければよい。切り込み32から強化シート3の前後端縁までの距離は100mm〜1000mmが好ましく、本実施形態では約300mmとした。切り込み32,32間のピッチは500mm〜1000mmが好ましく、本実施形態では約700mmとした。また、最外側の切り込み32から強化シート3の左右両側縁までの距離は約300mmとした。
【0089】
強化シート3の強度が不足する場合には、図19に二点鎖線で示すように、強化シート3の前端部30及び後端部31を折り返して二重部33を形成し、該二重部33に両枚とも貫通する切り込み32を形成することができる。
【0090】
本実施形態の強化シート敷設工程では、強化シート3を前端部30及び後端部31が各々前壁部6側及び岩盤法面1側に位置するように敷設する。ここで、隣り合う強化シート3,3(図示略)は、隙間が空かないよう適度に重ねて敷設することが好ましい。これにより、切り込み32は岩盤法面1の幅方向に略垂直に配置される。そして、強化シート3の前後両端部30,31を切り込み32を境に上下に開きながら、岩盤法面1の幅方向に向けた長手剛体12を、強化シート3を縫うように切り込み32に挿通する。これにより、長手剛体12は、図20に示すように、強化シート3の一方側縁側から他方側縁側にかけて強化シート3の上側→下側→上側→下側→上側の順に現れた状態で強化シート3に係着される。なお、長手剛体12の両端部は最外側の切り込み32より強化シート3の側縁側に300mm〜500mm突出することが好ましい。
【0091】
本実施形態の変更例として、図21に示すように、強化シート3の途中部に係止部材としての杭15を打ち込むことにより、強化シート3を盛土材9に係止することができる。また、図22に示すように、図18の態様から強化シート3を長手剛体12ごと折り返してもよい。さらに、図22に示すようにドリル等の穿孔手段で強化シート3の上から長手剛体12に上下方向の貫通穴19を設け、該貫通穴19に係止部材としての棒状の杭15を打ち込んでもよい。
【0092】
本実施形態によれば、第一実施形態の効果に加え、杭15の有無に関係なく強化シート3から長手剛体12が外れにくくできるという効果がある。
【0093】
《第八実施形態》
次に、図23〜図25は、第八実施形態に係る岩盤法面1の保護緑化構造を示しており、掛止体として複数の四角枠48を並列配置してなる枠状体45を使用した点においてのみ第二実施形態と相違する。従って、第二実施形態と共通する部分については図23〜図25に第二実施形態と同一符号を付して説明を省略する。
【0094】
四角枠48は、直径6mm〜30mmの鉄筋49を、各一対の横辺48a,48a及び縦辺48b,48bを備えるように四角枠状に屈曲・溶接したもので、横辺48a,48a間には2本の補強筋48cが平面略V字状に溶接されている。ここで、横辺48a及び縦辺48bは特定の長さに限定されず、本実施形態では各々約1200mm及び約1000mmとした。
【0095】
本実施形態の強化シート敷設工程では、強化シート3の後端側に、横辺48aを岩盤法面1の幅方向に向けた必要数の四角枠48を横一列に並列載置する。これにより、横一列に並んだ横辺48aにより横辺部46が構成され、縦辺48bにより連結部47が構成され、もって、岩盤法面1の幅方向に延びる2本の横辺部46と、横辺部46,46間を連結する連結部47とを備えた枠状体45が構成される。
【0096】
次いで、余らせておいた強化シート3の後端側を折り返して枠状体45に被せることにより枠状体45を強化シート3に係着する。そして、各横辺部46の前方(強化シート3の前端側)に近接して逆L字状の杭20を打ち込むことにより、枠状体45を強化シート3及び盛土材9に係止する。なお、杭20は特定の数に限定されず、本実施形態では、各四角枠48について3本を使用した。また、杭20は省略してもよい。
【0097】
本実施形態によっても、第二実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0098】
なお、本発明は前記実施形態の構成に限定されず、例えば以下のように、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
(1)緑化用シート8を省略すること。
【0099】
(2)各実施形態では、下段の格子枠柵5の前壁部6に対して上段の格子枠柵5の前壁部6が後側に重なるように配置されているが、図16に示すように、下段の格子枠柵5の前壁部6に対して上段の格子枠柵5の前壁部6が前側に重なるように配置することもできる。なお、図16では、便宜上、格子枠柵5以外の各部の図示を省略している。
【0100】
(3)図17に太線で示すように、格子枠柵5を構成する一部(例えば特に強度が必要な部分)の鉄筋に、他の鉄筋より太いものを使用すること。これにより、鉄筋の一部が充填材の圧力によって正面側に湾曲変形する現象を防止することができる。
【0101】
(4)第一、二、六、七又は八実施形態において、植生土嚢を前壁部6の前側、後側又は前後両側に添設固定すること。
【0102】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1〜24の発明に係る法面、壁面、岸面等の保護緑化構造によれば、強化シートの前端側及び後端側の両方に保護緑化対象面の幅方向に延びる掛止体を係着し、該掛止体が充填材に埋設状態で面当たりして掛止する。このため、強化シートの充填材からの引き抜きに対する抵抗力を増大させ、両者の一体性を向上させる。従って、充填材の奥行きを小さくしても、強化シートが充填材を拘束してその崩れを防止する。そして、法面等の下端のすぐ前方に側溝、道路、所有地境界等があって、用地の幅が狭い場合でも、簡単に施工することができる。また、施工後に土圧を受け続けても、充填材の一部が正面側にずれて動き、斜面の一部がいびつになるという問題が生じ難くなる。同効果に加えて、請求項22〜24の発明に係る法面、壁面、岸面等の保護緑化構造によれば、保護緑化構造の構築作業の手間を省くことができる。
【0103】
請求項25の発明に係る法面、壁面、岸面等の保護緑化構造によれば、強化シートと充填材との一体性を高めて、充填材を動かないように安定化させ、斜面の歪みを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態に係る岩盤法面の保護緑化構造を示す斜視図である。
【図2】同保護緑化構造の断面図である。
【図3】同保護緑化構造の強化シートと長手剛体との結合方法の第一変更例を示す部分側面図である。
【図4】同結合方法の第二変更例を示す部分側面図である。
【図5】同結合方法の第三変更例を示す部分側面図である。
【図6】同結合方法の第四変更例を示す部分側面図である。
【図7】同結合方法の第五変更例を示す部分側面図である。
【図8】同結合方法の第六変更例を示す部分側面図である。
【図9】同長手剛体の具体例を示す斜視図である。
【図10】本発明の第二実施形態に係る岩盤法面の保護緑化構造を示す断面図である。
【図11】本発明の第三実施形態に係る岩盤法面の保護緑化構造を示す断面図である。
【図12】本発明の第四実施形態に係る岩盤法面の保護緑化構造を示す部分断面図である。
【図13】本発明の第五実施形態に係る岩盤法面の保護緑化構造を示す断面図である。
【図14】同保護緑化構造の変更例を示す部分断面図である。
【図15】本発明の第六実施形態に係る岸面の保護緑化構造を示す部分断面図である。
【図16】各実施形態における格子枠柵の配置の変更例の斜視図である。
【図17】各実施形態における格子枠柵の変更例の斜視図である。
【図18】本発明の第七実施形態に係る岩盤法面の保護緑化構造を示す断面図である。
【図19】同実施形態で使用する強化シートを示す平面図である。
【図20】同実施形態の強化シートと長手剛体との結合方法を示す平面図である。
【図21】同実施形態の変更例を示す部分側面図である。
【図22】同実施形態の変更例を示す別の部分側面図である。
【図23】本発明の第八実施形態に係る岩盤法面の保護緑化構造を示す断面図である。
【図24】同実施形態の強化シートと枠状体を示す平面図である。
【図25】同実施形態の要部拡大側面図である。
【符号の説明】
1 岩盤法面
3 強化シート
5 格子枠柵
6 前壁部
7 底壁部
8 緑化用シート
9 盛土材
10 止水土嚢
12 長手剛体
15 杭
17 植生土嚢
18 緑化用植物
25 植生部材
27 透孔
32 切り込み
41 岸面
45 枠状体
46 横辺部
47 連結部

Claims (25)

  1. 法面、壁面、岸面等の保護緑化対象面の前方に敷設された強化シートと、該強化シート上に盛られた充填材とにより一段が構成され、該段が下から上へと積まれることにより多段に構築された法面、壁面、岸面等の保護緑化構造において、前記強化シートの前端側及び後端側の両方に保護緑化対象面の幅方向に延びる掛止体が係着され、該掛止体が強化シートの前端側及び後端側の両方に位置する充填材に埋設状態で面当たりして掛止することを特徴とする法面、壁面、岸面等の保護緑化構造。
  2. 前記段は、鉄筋格子製の傾斜した前壁部と水平な底壁部とからなる格子枠柵を備え、該格子枠柵は法面、壁面、岸面等の保護緑化対象面の前方に設置され、前記充填材は該格子枠柵と保護緑化対象面との間に充填された請求項1記載の法面、壁面、岸面等の保護緑化構造。
  3. 前記強化シートは、ジオテキスタイル、押出された樹脂ストランドを網目状に融着させてなるジオネット、又は、孔あき樹脂シートを延伸成形してなるジオグリッドである請求項1又は2記載の法面、壁面、岸面等の保護緑化構造。
  4. 前記掛止体は、前記強化シートの前端部又は後端部が折り返され該掛止体に被せられることにより前記強化シートに係着された請求項1〜3のいずれか一項に記載の法面、壁面、岸面等の保護緑化構造。
  5. 前記掛止体は、前記強化シートが該掛止体ごとさらに折り返されることにより前記強化シートに係着された請求項4記載の法面、壁面、岸面等の保護緑化構造。
  6. 前記強化シートの折り返されて多重になった部分に前記掛止体に寄せて別の掛止体を設けた請求項4又は5記載の法面、壁面、岸面等の保護緑化構造。
  7. 前記掛止体は、前記強化シートが該掛止体に巻き付けられることにより前記強化シートに係着された請求項1〜3のいずれか一項に記載の法面、壁面、岸面等の保護緑化構造。
  8. 前記強化シートには両端の閉じた複数本の切り込みが並列形成され、前記掛止体は、前記複数本の切り込みに挿通されることにより前記強化シートに係着された請求項1〜3のいずれか一項に記載の法面、壁面、岸面等の保護緑化構造。
  9. 前記掛止体は、前記強化シートが該掛止体ごと折り返されることにより前記強化シートに係着された請求項8記載の法面、壁面、岸面等の保護緑化構造。
  10. 前記掛止体は、保護緑化対象面の高さ方向に延びる係止部材により前記強化シートに係着された請求項1〜9のいずれか一項に記載の法面、壁面、岸面等の保護緑化構造。
  11. 前記強化シートの前端側及び後端側は、保護緑化対象面の高さ方向に延びる係止部材により前記充填材に係止された請求項1〜10のいずれか一項に記載の法面、壁面、岸面等の保護緑化構造。
  12. 前記強化シートの前端側は、保護緑化対象面の高さ方向に延びる係止部材により前記格子枠柵の底壁部に係止された請求項2〜10のいずれか一項に記載の法面、壁面、岸面等の保護緑化構造。
  13. 前記掛止体は、長手剛体である請求項1〜12のいずれか一項に記載の法面、壁面、岸面等の保護緑化構造。
  14. 前記長手剛体は中実棒である請求項13記載の法面、壁面、岸面等の保護緑化構造。
  15. 前記中実棒は間伐材である請求項14記載の法面、壁面、岸面等の保護緑化構造。
  16. 前記長手剛体は中空パイプである請求項13記載の法面、壁面、岸面等の保護緑化構造。
  17. 前記中空パイプはその内壁面と外壁面とを連通する連通穴を備えた排水性パイプである請求項16記載の法面、壁面、岸面等の保護緑化構造。
  18. 前記掛止体は、前記保護緑化対象面の幅方向に延びる2本の横辺部と、該横辺部間を連結する連結部とを備えた枠状体である請求項1〜12のいずれか一項に記載の法面、壁面、岸面等の保護緑化構造。
  19. 前記格子枠柵の前壁部の前側、後側又は前後両側に植生土嚢を添設した請求項2〜18のいずれか一項に記載の法面、壁面、岸面等の保護緑化構造。
  20. 前記植生土嚢と前記充填材との間であって前記前壁部の後側に、水の流通を止める止水部材が介在された請求項19記載の岸面の保護緑化構造。
  21. 前記格子枠柵の前壁部の前側、後側又は前後両側に添設されて前記充填材及び岸面の流水による洗掘を防ぐ洗掘防止部材を備えた請求項2〜20のいずれか一項に記載の岸面の保護緑化構造。
  22. 筒壁、半割筒壁又はチャンネル壁を有し、その一端側が略尖形に形成された植生部材を、法面の前記充填材に装着し又は法面の前記強化シートの上若しくは下に設置し又は法面の前記強化シートを貫通させて設置し、前記植生部材の内部又は近傍に緑化用植物の種、苗又は挿し木を植え付け又は植栽した請求項1〜21のいずれか一項に記載の法面、壁面、岸面等の保護緑化構造。
  23. 前記筒壁、半割筒壁又はチャンネル壁に複数の透孔が形成された請求項22記載の法面、壁面、岸面等の保護緑化構造。
  24. 前記筒壁、半割筒壁又はチャンネル壁が土中で次第に崩壊する材料により形成された請求項22記載の法面、壁面、岸面等の保護緑化構造。
  25. 法面、壁面、岸面等の保護緑化対象面の前方に敷設された強化シートと、該強化シート上に盛られた充填材とにより一段が構成され、該段が下から上へと積まれることにより多段に構築された法面、壁面、岸面等の保護緑化構造において、前記強化シートに、保護緑化対象面の幅方向に延びる2本の横辺部と、該横辺部間を連結する連結部とを備えた、掛止体としての枠状体を係着したことを特徴とする法面、壁面、岸面等の保護緑化構造。
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